第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を企業理念として掲げております。設立当初から掲げてまいりました「お客様の豊かさに貢献する」想いとあわせて、社会課題を解決緩和し、持続的な企業価値向上と豊かな社会の実現を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループでは、更なる企業成長及び持続可能な社会への貢献を目指すべく、2020年2月に2022年12月期を最終年度とする3ヶ年計画「2020年度中期経営計画」を策定しました。「2020年度中期経営計画」では「投資用不動産業界のリーディングカンパニーへ」ということを大きな目標として掲げており、経営戦略としては「既存事業(レジデンス)の拡大と強化」、「商品ラインアップ(非レジデンス)の拡充」といった2つの柱を掲げました。しかしながら、2020年12月期期中において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い事業環境が急激に変化することとなりましたので、経営戦略につきましては、下記のとおり優先順位を一部見直すこととなりました。

 

①既存事業(レジデンス)の拡大と強化

当社グループでは既存事業のレジデンス事業では「アルテシモシリーズ」という単身世帯用マンションを販売しております。「アルテシモシリーズ」につきましては、「駅からチカい(近い)」「都心からチカい(近い)」「高いチカ(地価)」という「3チカ」の要件を満たすエリアで物件開発を行っております。この「3チカ」にフォーカスして更に開発を強化してまいります。この既存事業では首都圏投資用不動産年間供給戸数"No.1"を目標としております。ここでの"No.1"とは年間供給戸数1,000戸以上であることを意味しております。

販売戦略としてはまず1棟販売チャネルを強化いたします。具体的な施策としましては、事業会社・不動産会社・私募ファンド等への販売を拡大してまいります。

また1棟販売に関連して2020年9月30日に独立系投資運用グループであるスターアジアグループと国内所在のレジデンシャルを投資対象とする私募ファンドを組成し、運用を開始しております。当社グループとしましては、私募ファンドへ物件の販売を拡大させていくこと、及び私募ファンドが運用する物件のプロパティマネジメント業務を受託することで管理戸数を増加させていくことを目指しております。

区分販売につきましては、従前からの紹介営業を継続しつつ、コロナ禍を経たニューノーマルに対応しオンラインセミナーによる新規投資家の獲得を強化してまいります。

海外販売につきましては、コロナ禍の終息見通しが依然不透明であり、海外投資家への能動的なアプローチは難しい状況が続くと想定されますが、オンライン等を活用して販売活動を進めてまいります。

プロパティマネジメント事業では、これまで主に自社で区分販売した物件を管理受託してまいりましたが、今後は自社出資私募ファンドや他社ファンドへ1棟販売した物件についても管理受託していくことにより、成長を加速させていく予定です。

 

②非レジデンス事業について

コロナ禍において商業テナントビル、中古オフィスビルのテナント需要、インバウンドのホテル宿泊需要が激減したことに伴いスケジュールを見直しております。

ただし経営課題としてレジデンス商品以外にも商品を開拓していく必要性を認識しており、長期的には商品ラインナップの拡充に取り組んでまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは中長期的な企業価値の増大を目指しております。この観点から、2022年12月期を最終年度とする3ヶ年計画「2020年度中期経営計画」において、経常利益30億円、新築マンション供給戸数年間1,100戸を2022年12月期に達成すべき数値目標として設定しております。

 

(4) 経営環境

新型コロナウイルス感染症終息への動きがいまだ見通せない中、東京都の人口が転出超過に転じる動きも見られる等、当社グループを取り巻く経営環境も流動的でありますが、晩婚化や高齢化等による単身世帯の増加によりワンルームマンションの賃貸需要は底堅く推移してきました。新型コロナウイルス感染症拡大下においてもワンルームマンションの入居率は大きく変動しておらず、当社が賃貸するワンルームマンションにつきましても、当面底堅い入居率が継続するものと思われます。

また高齢化が進展し資産運用に対する社会的関心が高まる中、不動産投資に対する認知・需要は年々高まってきております。その中でもワンルームマンション投資に対する関心は非常に高いものとなっており、新型コロナウイルス感染症拡大下においてもワンルームマンション投資需要の底堅さが確認されました。今後もワンルームマンション投資需要については一定程度安定的に見込まれるものと思われます。

一方で物件開発面では、当社グループがフォーカスする「3チカ」エリアにおいてはコロナ禍でも地価は上昇してきており、今まで以上に開発体制を強化していく必要性を認識しております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、持続的な成長へ向けて、以下の経営課題に取り組んでまいります。

 

①仕入ルートの拡充

当社グループの事業基盤である東京23区内での事業用地や仕入物件の確保は、地価の上昇に加え、他社との競合もあり、厳しさを増すものと想定されております。当社グループでは、自社ブランド「アルテシモ」の開発用地の継続的、安定的な確保を実現するために、東京23区内の土地所有者と共同開発する等の新たな仕入チャネルを増やしてまいります。

 

②新規事業の展開

当社グループでは、中長期での安定的な収益基盤の確立及び成長加速を目指しております。そのためには現在主力としているレジデンス商品以外にも中長期的には商品ラインナップを拡充する必要があると認識しております。また、中長期的な成長のためには新規事業に進出する必要性を認識しており、新規事業の展開について適宜検討してまいります。

 

③優秀な人材の確保と育成

当社グループでは、お客様の信頼を獲得できる人材を確保・育成することが企業価値の源泉であると認識しております。こうした人材の採用と育成を重要な経営課題の一つとして捉え、適時適切な採用活動により優秀な人材の確保を進めるとともに、社員の教育研修制度・資格取得支援制度を充実させること、各部門での育成計画及びMBO(目標管理制度)により人材の育成に努めてまいります。

 

④財務体質の強化

当社グループの不動産ソリューション事業における販売用不動産の購入資金は、主に金融機関からの借入により賄っております。今後の事業拡大を目指すためにも、金融機関との良好な関係を維持するとともに、資金調達手段の多様化に取り組んでまいります。また、販売用不動産の早期売却を図り、運転資金の確保や財務基盤の拡充を図ってまいります。

 

 

⑤コンプライアンスへの取り組みとコーポレート・ガバナンスの強化

当社グループでは、持続的成長を可能とする基盤の確立に向けて、コンプライアンスの徹底とコーポレート・ガバナンスの充実が重要であると認識しております。当社グループでは、コンプライアンス教育に積極的に取り組み、コーポレート・ガバナンスの更なる強化に努めてまいります。

 

⑥サステナビリティの推進

当社グループでは、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という企業理念を掲げており、「3チカ」をコンセプトとした投資用不動産の開発を継続していくことで社会問題を解決・緩和し持続可能な社会の実現に貢献することが当社の持続的な成長にもつながると考えております。このような認識のもと、「3チカ」によるコンパクトシティ推進に取り組んでまいります。このことが資産価値の保全を通じた年金問題・相続問題の緩和・解消につながったり、就労・通学環境の利便性向上を通じた温暖化対策・防災対策につながったりすると考えております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 法的規制等に関するリスク

 ①法的規制について

当社グループの属する不動産業界は、国土利用計画法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律、住宅の品質確保の促進などに関する法律、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、不動産特定共同事業法等により、多数の法的規制を受けております。

当社グループの主要事業においては、事業活動に際して、これらの法的規制に対応した社内体制を構築しており、現在、当該免許及び許認可等が取消となるおそれのある事由は発生しておりません。しかしながら今後、何らかの理由によりこれらの免許、登録、許可の取消し等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

法的規制について、その有効期間やその他の期限が法令等により定められているものは次のとおりであります。

 

許認可等の名称

会社名

許認可番号等/有効期間

規制法令

免許取消
条項等

宅地建物取引業者免許

㈱グローバル・リンク・マネジメント

東京都知事(4)第84454号

2020年5月14日~2025年5月13日

宅地建物取引業法

第5条、

第66条等

マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録

㈱グローバル・リンク・マネジメント

国土交通大臣(3)第033627号

2020年2月16日~2025年2月15日

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

第47条、

第83条等

不動産特定共同事業者許可

㈱グローバル・リンク・マネジメント

金融庁長官・国土交通大臣・東京都知事第114号

 

不動産特定共同事業法

第36条

 

 

また、東京23区においては、コンパクトタイプのマンションの建設を規制する条例が制定されております。具体的には、25㎡以上への最低住戸面積の引き上げ、総戸数に占める専有面積が一定以上の物件割合等があります。当社グループでは、これらの条例等に沿った物件の開発を行っており、現時点においては、当該規制が当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性は小さいと認識しております。しかしながら、今後さらに各地方自治体による規制強化が進められた場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

その他海外投資家が当社グループ販売物件を購入する場合があります。その際に海外の法律が適用され、法的規制を受ける可能性があります。

 

 ②瑕疵担保責任(契約不適合責任)について

当社グループでは、販売した物件について住宅瑕疵担保責任保険に加入しております。しかし、当社グループが販売した物件に、当該保険の対象とならない重大な瑕疵があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、土地の取得にあたり、売買契約前に土地履歴や土壌汚染対策法の指定区域か否かなど土壌汚染の有無について事前調査を実施し、必要に応じて対策工事を実施しております。

しかしながら、上記調査にて認識できない土壌汚染が契約後に発見され、追加費用の発生や当初スケジュールの変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 経営環境に関するリスク

 ①経済状況や不動産市況等の影響について

当社グループの主力事業である不動産ソリューション事業は、景気動向、金利動向、競合による供給過剰による販売価格の下落、不動産関連税制等の影響を大きく受ける傾向があります。将来、このような事態が発生した場合には、顧客の購買意欲の低下となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ②災害発生リスクについて

地震・感染症等の自然災害及び不測の人災により、景気動向、経済情勢、金利動向等が悪化した場合、顧客の購買意欲の低下や空室の長期化、完成遅延等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)当社グループの事業体制に関するリスク

 ①新型コロナウイルス感染症拡大によるリスク

現在新型コロナウイルス感染症はいまだに終息の気配を見せておりませんが、感染者数が再び増加傾向に転じる際には緊急事態宣言等が発令されることによって、当社グループの事業遂行上制約を受けるリスクがあります。

新型コロナウイルス感染症拡大を抑制するために、建設工事の延期・中断が生じたり、金融機関の業務縮小により金融機関の融資姿勢が変化したりした場合には、供給サイドにおいて当社グループが制約を受ける可能性があり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染者が増加したことによって、個人投資家・法人・ファンドの投資意欲が減退したり、金融機関の融資業務(投資用不動産ローン等)が縮小したりした場合には、販売サイドにおいて当社グループが制約を受ける可能性があり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その他新型コロナウイルス感染症が拡大したことにより、非レジデンス(ホテル・商業テナントビル)の投資需要が縮小することとなりましたが、当社グループでは非レジデンス(ホテル・商業テナントビル)の開発についてはスケジュールを見直しております。

 

 ②事業について

当社グループが開発・販売する投資用不動産は、主に資産運用を目的として購入されますが、一般的にマンションによる資産運用には、入居率の悪化や家賃相場の下落による賃貸収入の低下、金利上昇による借入金返済負担の増加など収支の悪化につながる様々な投資リスクが内在しております。当社グループは、顧客に対してはこれらの投資リスクについて十分説明を行い、理解の上で売買契約を締結すべく、営業担当社員のコンプライアンス教育を徹底しております。

また、当社グループとして、投資家に、投資用不動産の購入、入居者募集・集金代行に至るまでのワンストップサービスを提供することで、オーナーの長期的かつ安定的なマンション経営をサポートし、空室の発生や資産価値下落等のリスク低減に取り組んでおります。

しかしながら、投資リスクに対する理解が不十分なままマンションが販売されること等により、オーナーからの訴訟等が発生した場合、当社グループの信頼が損なわれることに繋がり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、景気、社会情勢の変化や自然災害等により、入居率の悪化や家賃相場の大幅な下落、金融機関の融資姿勢の変化や急激な金利上昇等が発生した場合、顧客のマンション経営に支障をきたす可能性があります。その場合、顧客のマンション経営と密接な関係がある当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③訴訟等の可能性について

当社グループは、マンション建設にあたっては、関係する法律、地方自治体の条例等を十分検討したうえで、周辺環境との調和を重視した開発計画を立案するとともに、周辺住民に対し事前に説明会を実施する等コンプライアンスの重要性を強く認識し、十分な対応に努めております。しかしながら、開発段階における建設中の騒音、当該近隣地域の日照・眺望問題等の発生に起因する開発遅延や、分譲後における瑕疵等を理由とするクレーム、販売時の説明不足に起因する顧客からのクレーム等により、訴訟等が発生する可能性があります。訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④営業エリアについて

当社グループは、主に東京23区エリアに経営資源を集中することにより効率的な事業運営を行っております。このことから、当該エリアの経済状況、雇用状況、賃貸需要、地価の動向等の影響を受ける可能性があります。また当該エリアにおいて、自然災害やテロ等の不測の事態が発生し、事業環境が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤仕入について

当社グループでは、東京23区内を中心とした仕入に努めておりますが、当該エリアは競合他社も多く、今後は競争が激化する可能性があり、何らかの事情により十分な不動産関連情報の入手が困難となった場合や、仕入に必要な資金が十分に調達できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥建築工事の外注について

当社グループでは、建築工事については建設会社に外注しております。発注先である建設会社の選定にあたっては、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案したうえで行っており、また、工事着工後においては、施工者、設計者及び当社グループによる工程ごとの管理を実施すること等により工事遅延防止や品質管理に努めております。しかしながら、発注先である建設会社が経営不安に陥った場合や物件の品質に問題が発生した場合等、取引関係に急激な関係の変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑦業者向けの販売に関して

当社グループは、土地及び自社開発物件を不動産業者に販売する場合があります。不動産業者向けの販売を行う際には、事前に当該会社の財務内容等の与信を十分調査した上で販売を行っておりますが、販売先に不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑧引渡し時期による業績変動について

当社グループの主力事業である不動産ソリューション事業においては、マンションの売買契約成立後、顧客への引渡しをもって売上が計上されます。そのため、四半期ごとに当社グループの業績を見た場合、引渡しのタイミングにより売上高及び利益に偏りが生じる可能性があります。また、天災その他予想し得ない事態による建築工期の遅延等、不測の事態が発生し、引渡しの遅延が生じた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑨在庫に関するリスク

当社グループは、東京23区内のエリアを中心に土地を仕入れ、物件の早期販売に取り組んでおりますが、不動産関連税制の改正、景気悪化や予期せぬ社会情勢の変化、金利の急激な上昇等が発生した場合には、販売の低迷により完成在庫が増加し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2008年9月26日)の適用により、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産に対して評価損が計上された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑩賃貸管理物件について

当社グループでは、自社販売物件のオーナーに対して、一定期間(契約期間最大35年間、原7年毎のサブリース賃料改定とし、賃料が下がる場合、下げ幅を最大5%に制限)賃貸物件を借り上げ、契約で定められた賃料を支払い、入居者に転貸するサブリース業務を行っておりますが、当該物件において競合他社の供給状況や不測の事態の発生により、入居者からの不動産賃貸収入が想定以上に減少した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑪有利子負債への依存について

当社グループは、土地の仕入資金を主として金融機関からの借入金によって調達しております。当社グループでは、財政状態の健全性を維持するため手元資金とのバランスを考えながら借入額や借入時期を調整しておりますが、市場金利が上昇する局面や、不動産業界又は当社グループの調達金利が上昇した場合には、支払利息が増加し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資金調達に際しては、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資の了解を得た後に各プロジェクトを進行させております。しかしながら、何らかの要因により当社グループが必要とする資金調達に制約を受けた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑫情報資産の管理について

当社グループは、ISMS/ISO27001の認証を取得しており、取得した情報資産については、データアクセス権限の設定、データ通信の暗号化、外部侵入防止施策等により、ISO27001の要求事項に基づき、流出の防止を図っております。また、情報セキュリティに関する社内規則を定め、セキュリティ意識の向上に努めております。特に個人情報の取り扱いについては、細心の注意を払っておりますが、今後、個人情報の不正使用、その他不測の事態によって外部流出が発生した場合、当社グループへの信用の低下や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬海外投資家向け販売について

当社グループは、海外投資家にも物件を販売しており、海外投資家からの海外送金が発生する場合があります。海外規制当局による海外送金規制の強化等、何らかの理由により海外投資家からの海外送金が滞りなく行われない場合、当社グループの事業が進捗せず、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また海外投資家に販売している物件の中には海外留学生が入居している物件もあります。海外留学生の入居に際しては十分な入居審査を行っておりますが、入居審査時に捕捉されなかった不備事項が発覚する等により海外留学生の退去が生じる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態

 当連結会計年度末において、流動資産18,101,953千円(前連結会計年度末比2,520,914千円増)、固定資産927,182千円(同350,088千円増)、流動負債9,373,046千円(同3,096,406千円増)、固定負債5,177,347千円(同850,718千円減)、純資産合計4,478,741千円(同625,314千円増)となりました。

 

(資産)

 流動資産において、現金及び預金が384,256千円増加し2,272,100千円、販売用不動産が3,055,185千円増加し4,415,523千円となった一方で、仕掛販売用不動産が1,062,346千円減少し10,711,251千円となりました。

 固定資産において、出資金の増加により投資その他の資産が213,906千円増加し552,915千円となりました。

 

(負債)

 流動負債において、短期借入金が719,600千円減少し699,632千円となった一方で、1年以内返済予定の長期借入金が2,863,365千円増加し6,668,695千円、未払金が1,123,315千円増加し1,162,470千円となりました。

 固定負債において、長期借入金が1,020,297千円減少し4,910,029千円となりました。

 

(純資産)

 純資産において、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、利益剰余金が591,788千円増加し3,645,020千円となりました。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、個人消費の大幅な下振れ・企業景況感の急速な悪化が見受けられ、急激に減速することとなりました。経済活動の再開に伴い国内景気持ち直しの動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症は依然世界中で猛威を振るっており、世界的な規模で先行き不透明な状況となっております。

投資用マンション市場においては、東京23区を中心とした首都圏のワンルームマンションの賃貸需要は引き続き底堅く推移しております。また2020年上期(1~6月)に供給された首都圏の投資用マンションの平均価格・㎡単価はともに前年同期比で上昇しております(株式会社不動産経済研究所調べ)。このような状況の中で、投資家の需要も堅調に推移しております。ただし、新型コロナウイルス感染症の終息への道筋は依然見通せず、予断を許さない状況ではあります。

このような経済状況のもとで、当社グループは、レジデンス(マンション)商品である「アルテシモシリーズ」の開発・販売を中心として事業展開をしてまいりました。

また、2020年10月にはスターアジアグループと合弁で、SAGLアドバイザーズ株式会社を設立いたしました。この合弁会社を通じて不動産ファンドのアセットマネジメント業務及びファンド運営業務も行ってまいります。

収益面に関しては、1棟販売の順調な進捗により前年同期比増収となりました。

費用面に関しては、前連結会計年度の不動産取得に関わる租税公課が増加したほか、オフィス拡張に伴い地代家賃が増加しました。また、事業拡大に向けた借入金の増加により支払利息が増加しました。一方、効率的な広告運用に努めた結果、広告宣伝費が減少しました。その他販売促進費が減少したほか、オンラインセミナー強化等業務フロー見直しに伴い交際費・旅費交通費が減少しました。

この結果、当連結会計年度は、売上高26,840,602千円(前年同期比7.0%増)、営業利益1,365,668千円(同12.7%減)、経常利益1,028,012千円(同24.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益686,346千円(同20.9%減)となりました。

 

<セグメント情報>

 セグメントごとの業績(売上高は外部顧客への売上高)は次のとおりであります。

 

(不動産ソリューション事業)

 当連結会計年度は、新築物件や中古物件を248戸区分販売しました。また1棟販売を13棟実施しております。

 この結果、当連結会計年度の当セグメントの売上高は24,212,193千円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益は1,153,980千円(同16.2%減)となりました。

 

(プロパティマネジメント事業)

 当連結会計年度は、新築区分販売物件及び私募ファンド販売物件のプロパティマネジメント業務を新規受託し、当連結会計年度末の管理戸数が2,413戸となりました。

 この結果、当連結会計年度の当セグメントの売上高は2,628,409千円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益は211,688千円(同12.7%増)となりました。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ215,376千円増加し、2,035,020千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、営業活動により支出した資金は394,651千円(前連結会計年度は3,299,230千円の支出)となりました。主な支出要因はたな卸資産の増加額1,993,555千円、法人税等の支払額356,973千円であり、主な収入要因は税金等調整前当期純利益1,028,012千円、未払金の増加額1,123,315千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は586,440千円(前連結会計年度は262,652千円の支出)となりました。主な支出要因は定期預金の増加額168,880千円、有形固定資産の取得による支出136,893千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において、財務活動により得られた資金は1,196,467千円(前連結会計年度は3,348,988千円の収入)となりました。主な収入要因は長期借入れによる収入9,165,542千円、短期借入れによる収入6,074,900千円であり、主な支出要因は長期借入金の返済による支出7,341,512千円、短期借入金の返済による支出6,794,500千円であります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

    該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

区分

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

戸数

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産ソリューション事業

703

24,212,193

7.1

プロパティマネジメント事業

2,628,409

6.2

合計

703

26,840,602

7.0

(注) 1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

区分

販売先

前連結会計年度

(自 2019年1月1日

  至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

不動産ソリューション事業

東京レジ5合同会社(注)2

2,700,578

10.8

アルテシモ1合同会社他

6,635,212

24.7

いちごオーナーズ株式会社(注)3

2,001,900

8.0

3,436,611

12.8

東京レジ11合同会社(注)3

2,941,902

11.0

(注) 1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。

2.東京レジ5合同会社の当連結会計年度については、販売実績がないため、記載しておりません。

3.アルテシモ1合同会社他及び東京レジ11合同会社の前連結会計年度については、販売実績がないため、記載しておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の資産については、19,029,136千円となり、前連結会計年度末に比べ2,871,002千円増加しました。これは主に販売用不動産の増加3,055,185千円によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債については、14,550,394千円となり、前連結会計年度末に比べ2,245,687千円増加しました。これは主に前連結会計年度以前に借り入れた借入金の返済期限が間近になったことに由来する1年内返済予定の長期借入金の増加2,863,365千円によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産については、4,478,741千円となり、前連結会計年度末に比べ625,314千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益686,346千円による利益剰余金の増加591,788千円によるものであります。

 

ロ.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は26,840,602千円となり、前連結会計年度に比べて1,754,232千円増加しました。新型コロナウイルス感染症拡大により金融機関の融資業務縮小、接触制限、海外渡航制限等が生じたことから区分販売戸数及び海外販売戸数が前連結会計年度比で大幅に減少したものの、1棟販売は順調に進捗し前連結会計年度比で大幅に増加した結果によります。

 1棟販売では特に不動産ファンドに対する販売が伸長しました。スターアジアグループと当社が組成した私募ファンドへの1棟販売では6,635,212千円の売上高を計上しました。

 

(売上原価及び売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は22,931,125千円となり、前連結会計年度に比べて2,027,863千円増加しました。

 また当連結会計年度の売上総利益は3,909,477千円となり、前連結会計年度に比べて273,630千円減少しました。これは増収効果により当連結会計年度の売上総利益が292,515千円増加した一方、コロナ禍での1棟販売の一時的な収益性低下により売上総利益率が悪化(前連結会計年度16.7%、当連結会計年度14.6%)した結果、当連結会計年度の売上総利益が566,145千円減少したことによるものであります。

 

(販売費及び一般管理費及び営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,543,808千円となり、前連結会計年度に比べて74,358千円減少しました。前連結会計年度の不動産取得に関わる租税公課が増加した一方、効率的な広告運用・オンラインセミナー強化の業務フロー見直し等により販売費及び一般管理費を抑制しました。当連結会計年度の営業利益は1,365,668千円となり、前連結会計年度に比べて199,272千円減少しました。

 

(営業外損益及び経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は4,767千円となり、前連結会計年度に比べて1,211千円増加しました。

 また当連結会計年度の営業外費用は342,424千円となり、前連結会計年度に比べて138,850千円増加しました。これは主に借入金増加に伴い支払利息が139,873千円増加したことによるものであります。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は1,028,012千円となり、前連結会計年度に比べて336,911千円減少しま

した。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加減したもの)は341,665千円となり、前連結会計年度に比べて156,079千円減少しました。

 この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は686,346千円となり、前連結会計年度に比べて180,831千円減少しました。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(不動産ソリューション事業)

 売上高は24,212,193千円(前年同期比7.1%増)となりました。これは主として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でマンション販売戸数が微増にとどまるも(前連結会計年度702戸、当連結会計年度703戸)、非レジデンス案件の土地売却が寄与したことによります。

 セグメント利益は1,153,980千円(前年同期比16.2%減)となりました。これは主として、1棟販売が増加したものの比較的収益性の高い区分販売が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で低調だったことによります。

 セグメント資産は、主として販売用不動産の増加により、前連結会計年度に比べ2,703,766千円増加の18,230,560千円となりました。

 

(プロパティマネジメント事業)

 売上高は2,628,409千円(前年同期比6.2%増)となりました。これは主として、スターアジアグループと当社で組成した私募ファンド向けの販売が管理戸数の大幅な増加に寄与したことによります。

 セグメント利益は211,688千円(同12.7%増)となりました。これは主として、売上高増加と同様の理由によります。

 セグメント資産は、主として現金及び預金の増加により、前連結会計年度に比べ175,871千円増加の855,830千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、下記のとおりであります。

 当社グループの資金需要の主なものは販売用不動産・仕掛販売用不動産取得に伴うものであり、その調達手段は主として金融機関からの借入金によっております。販売用不動産・仕掛販売用不動産取得以外の運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としております。

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮したうえで行っておりますが、結果としてこれらの見積りと実績が異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当社グループは、2020年2月に2022年12月期を最終年度とする3ヶ年計画「2020年度中期経営計画」を策定しました。しかしながら、2020年12月期期中において新型コロナウイルス感染症拡大に伴い事業環境が急激に変化することとなりましたので、経営戦略の内容を軌道修正させていただいております。修正した経営戦略の概要については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」に記載のとおりであります。経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、新築マンション供給戸数と経常利益を特に重要な指標と捉えております。

 「2020年度中期経営計画」では、対象期間において新築マンション供給戸数年平均20%増加、経常利益年平均30%増加を実現することを謳っております。当連結会計年度については、新築マンション供給戸数716戸、経常利益1,028百万円となり、新築マンション供給戸数年平均20%増加、経常利益年平均30%増加との計画に対し未達となりましたが、中期的な経営目標は現時点では達成可能と考えております。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制、不動産市況、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、仕入ルートの拡充、優秀な人材の育成・採用、財務体質の強化、コーポレートガバナンスの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社の吸収合併)

 当社は、2020年10月19日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社グローバル・リンク・パートナーズを2021年1月1日付で吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。