(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資等を中心に緩やかに成長いたしました。米国では雇用情勢の改善が続き、個人消費や設備投資が増加しており、景気は着実な上昇傾向を示しております。欧州や中国でも、世界景気の好影響で、景気は堅調に推移いたしました。
このような状況の下、当社グループの業績は、スマートフォン関連で生体認証技術、ガラス筐体、カメラの複眼化等の新たな光学薄膜技術ニーズの高まりを背景に、スマートフォン用の成膜装置の販売は好調に推移いたしました。また、スマートフォン以外ではLED照明や生体認証用LED、自動車の衝突防止機能として使用されるカメラ・センサー用の成膜装置も堅調に推移いたしました。その結果、売上高は33,385百万円(前年同期比124.0%増)、営業利益は7,327百万円(前年同期比207.9%増)、経常利益は7,095百万円(前年同期比249.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,815百万円(前年同期比228.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、19,893百万円となり、前連結会計年度末と比べ14,536百万円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益7,126百万円や前受金の増加9,948百万円などの収入はあったものの、たな卸資産の増加16,070百万円などの支出により、4,695百万円の収入(前連結会計年度1,940百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,820百万円などにより、2,768百万円の支出(前連結会計年度928百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額332百万円や長期借入金の返済による支出265百万円はあったものの、短期借入金の純増加5,808百万円や自己株式の処分による収入7,246百万円により、12,446百万円の収入(前連結会計年度1,458百万円の収入)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
成膜装置事業 |
29,021,821 |
247.5 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
成膜装置事業 |
52,527,073 |
143.6 |
44,169,911 |
175.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
|
セグメントの名称 |
売上高(千円) |
前年同期比(%) |
|
成膜装置事業 |
33,385,544 |
224.0 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年1月1日 至 2016年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
Apple Inc.グループ |
1,790,019 |
12.0 |
18,442,040 |
55.2 |
|
浙江水晶光電科技股份有限公司 |
1,738,600 |
11.7 |
- |
- |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「Apple Inc.グループ」の販売高は、Apple Inc.とその関係会社に対する販売価格をすべて合算した金額を記載しております。
4.当連結会計年度の浙江水晶光電科技股份有限公司に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は光学薄膜技術の限界にチャレンジすることを常にめざし、研究開発型企業として、グローバル市場での存在感を発揮してまいりました。今後も光学薄膜装置製造+成膜プロセスソリューションを一体で提供する企業として、研究開発を加速し、市場の求めるニーズを高度かつ迅速な技術的対応で答える事業スタイルを徹底して行きたいと考えます。
現在の当社グループの製品を取巻く市場環境はめまぐるしく変化いたします。スマートフォン・タブレットを中心としたスマートデバイスは高精度化・高機能化しております。その構成部品であるタッチパネル・カメラモジュール・筐体の進化が求められております。さらにInternet of Things(IoT)の進展とともに、光学薄膜の応用分野が拡大してきており、車載・生体認証や半導体光学融合、AR/VR分野でのレンズ・光学センサー用成膜装置需要が高まって行くと見込んでおります。このような環境のなかで、当社グループが課題として認識している事項は以下のとおりであります。
(1) 市場競争激化への対応
近年、最終製品市場の商品多様化、販売競争激化の影響により、これまで以上に製品機能の充実、短納期化が求められております。当社グループは、これらの顧客のニーズに柔軟かつタイムリーに応えていくために、引き続き多面的な研究開発成果を追求し、光学薄膜装置の技術革新に取り組んでまいります。
具体的には、新型スパッタ装置の開発により、生産効率の改善を実現すると共に、成膜効率の向上・成膜歩留まりの改善を行います。引き続きスマートフォン関連の光学薄膜技術レベルアップの必要性は高く、当該装置へのニーズが高いと見込まれるため、当社の研究開発力を集中的に配分し、成果実現を計ります。
光学蒸着装置では、OTFC及びGenerに関し、スマートフォン関連・新たなIoT関連及びLED関連の需要は今後伸びると思われ、装置の大型化・成膜性能のさらなる改善・生産性の向上に取り組んで行きます。最近時では、自動車関連の車載カメラ・衝突防止センサー等向け光学薄膜装置需要が生じており、将来性が見込まれる分野です。海外が現在は先行していますが、今後、日本国内での装置需要も伸びてくると思われますので、国内外を通じ、新たな受注獲得のため、顧客ニーズを的確に把握し、最高レベルの成膜技術を反映した、光学薄膜装置の受注に向け、注力して行きます。その他のIoT関連でも、生体認証の応用分野の拡大やAR/VRの進展、さらに半導体関連でも光学薄膜技術が用いられ、生産方法の効率化・小型化が進行しておりますので、当社は先行的に対応してまいります。
(2) 多様な装置生産体制の確立と生産の効率化
顧客のニーズ多様化に伴い、光学薄膜装置は様々な成膜要求に応えていく必要が生じております。顧客のニーズにあった製品を、高品質かつ低価格で供給するための生産設備、生産管理体制の確立が必要となっています。これに応え、装置製造原価を抑えながら様々な装置生産を行っていくため、装置設計の見直し、工場生産ライン管理の徹底、材料費、労務費、経費等の節減に努め、成果を上げていく必要があります。
また、品質管理体制の強化を行い良質な製品提供を行うことで当社への一層の信頼感醸成が必要と考えております。
(3) 拠点ネットワーク強化によるグループ総合力アップ
研究開発体制
日本本社に研究開発本部を置いており、急速に高度化している光学薄膜技術の基礎的研究を行っております。加えて、光馳科技(上海)有限公司及び光馳科技股份有限公司(台湾)にも研究開発機能を持たせ、顧客に近接しているメリットを生かし、顧客依頼の成膜実験によるデータ収集や、現場での装置の応用開発を行い、顧客ニーズを詳細に反映し、求める最終製品用成膜を精密に実現する体制としております。国・地域をまたいだ横断的研究開発体制を拡充するため、光学薄膜技術者の採用を全拠点で行い、成膜プロセスに関する知見の蓄積を積極的に行うことで、成膜ソリューション提供力を一層強化してまいります。
生産体制
光馳科技(上海)有限公司及び光馳科技股份有限公司(台湾)の装置生産能力拡充に努め、本社の支援体制も拡充し、グループ全体での生産性向上に取り組みます。現在求められている短納期で品質に優れた競争力のある製品をタイムリーに供給できる体制を目指します。とりわけ、上海と台湾では、組み立てアウトソーシングを積極的に活用し、装置組み立て・最終チェック・出荷・顧客工場でのソリューションアドバイス・検収完了のプロセスを円滑かつ迅速に行える体制を益々充実させてまいります。
販売とメンテナンス体制
日本・中国・台湾の営業拠点をフルに活用し、横断的なグローバル販売体制を強化します。各拠点で光学薄膜技術に明るい現地のスタッフを積極的に採用して体制作りを行っております。今後はさらに人材の強化に努め、顧客とのコンタクト頻度をさらに増やし、装置への技術的な反映を迅速かつ正確に出来るよう、販売及びメンテナンス体制の強化に注力して行きます。
(4) 新規事業の育成・強化
当社グループが持続的に成長していくためには、現在の成膜装置事業の他に新たな事業の育成・強化が必要です。その実現のため東海光電股份有限公司、浙江晶馳光電科技有限公司を合弁会社として設立し、光学薄膜事業で収益基盤の確保に努めてまいります。光学薄膜市場は世界的に巨大な市場です。今後の成長性も高いものがあり、当社が参入しても、光学薄膜装置販売に関し影響は出ないとの見通しから、新たな事業領域として光学薄膜への参入を決定いたしました。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1.事業環境に由来するリスク
(1) 顧客ニーズへの対応について
デジタル家電、モバイル機器製造メーカー等の真空成膜装置に対する要求は益々多様化しています。当社グループが、かかる顧客の要請に応えられなかったり、また、顧客の要請に応えたとしても、顧客と共同で製品設計及び開発を行ううえで、当社グループによる多大な経営資源を投入する場合もあります。従って、当社グループが顧客の要求水準に見合った製品を開発できなかった場合、又は適切なタイミングで効率的に顧客の要請に応えることができない場合、当社グループの市場占有率が低下し、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 顧客の設備投資の変動について
現在の当社光学薄膜装置の主要な用途であるスマートフォン・タブレット端末のライフサイクルは短期化の傾向を強めており、顧客の設備投資の動向も短期で変動する傾向があります。光学薄膜装置に対する顧客の需要が、当社の想定よりも急激な増減を起こした場合、急激な需要増に対応し切れずに受注機会を逸したり、急激な需要減により受注獲得が困難になるあるいは受注のキャンセルが生じる可能性があり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 販売代金の決済条件について
当社グループは標準的な決済条件として受注時及び出荷時に販売代金の一部を回収する条件としておりますが、顧客によっては検収後に販売代金の全額を回収する条件となることもあります。従って、当該取引が増加した場合、当社グループの必要運転資金が増加し、資金繰りに影響した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料の仕入価格の影響について
真空成膜装置は部品数約2,000にも及ぶ部品組み立てが必要な製品です。さらに高い性能を発揮するために、部品を外部部品メーカーに特注する場合も多くあります。また装置性能を試験するために二酸化ケイ素等の高価な化合材料を蒸着に使用しております。従って、これら部品、化合材料の価格推移が装置原価に大きく影響します。
他方でデジタル家電の世界的な消費拡大のため原材料価格は上昇傾向にあります。とりわけ真空部品メーカーは限られており、装置メーカーが集中して部品を発注する場合、部品メーカーの売り手市場となり、価格高騰の原因となる可能性があります。当社グループは極力計画的な部品発注を行うとともに、協力部品メーカーとの関係深耕、新たな部品メーカーの発掘、育成に努力しております。しかしながら、さらに市場が拡大し、各メーカーによる装置生産が増大した場合、一層の部品価格上昇を招き、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 国際情勢の影響について
当社グループは今後の業績伸展には海外での事業展開が不可欠と考えております。このため、東アジアを生産、販売の拠点として、2000年12月に光馳科技(上海)有限公司、2013年9月に光馳科技股份有限公司(台湾)をそれぞれ設立いたしました。また、中国、台湾、韓国の企業と販売代理店契約を締結しております。
このような当社グループの海外展開は業績伸展に不可欠と考えておりますが、昨今の国際情勢は、各国の国情を敏感に反映した複雑な状況になっており、政治的な背景が各国経済に影響を与える可能性があります。何らかの関連法規制の変更、紛争等が発生した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定の地域情勢の影響について
当社グループは、2017年12月期における地域別の連結売上高の90%を中国が占めております。近年、当社の顧客となる光学部品メーカー及び最終製品メーカーの多くが製造拠点を中国に集中していることに伴い、当社製品の納入先も顧客の製造拠点である中国となるケースが増加しているためです。また、当社グループは、主として光馳科技(上海)有限公司で生産を行っております。したがって、今後も当社にとって中国は重要な事業展開地域であり、今後中国の経済、政治、法律、社会情勢等に何らかの変化があった場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 外国為替相場の変動について
当社グループは従来円建て売上がほとんどでしたが、近年、スマートフォンやLED向け成膜装置販売が伸びており、これらの売上は米ドル・中国元建てのものが多くなっており、為替変動の影響を受けるようになってきております。今後外貨建てによる売上がさらに増えた場合、もしくは外貨建てによる費用支払いが増えた場合、外国為替相場の変動が当社グループの業績に大きく影響を与える可能性があります。当社グループは、為替変動リスクをヘッジするための方策を適宜活用していく方針でありますが、当社グループの想定を超える外国為替相場の変動があった場合等には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 法的規制について
当社グループ製品に使われる部品の一部が、大量破壊兵器輸出に関する規制(キャッチ・オール)の対象となっています。当社グループでは、取引先の事業や信用に関する調査を実施しており、上記規制のブラックリスト企業の情報を当局からも入手し、関連する省庁への届出や連携を適宜行うことで、上記規制に抵触しないよう細心の注意を払っております。しかしながら、上記規制が変更された場合や、万が一に意図せず上記規制に抵触してしまった場合、そのための対応費用が生じる可能性があり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 環境法規制について
当社グループは、環境理念及び行動指針を定め、環境問題に積極的に取り組んでおります。しかしながら、天災、人為的なミス等により環境汚染等に至るリスクが発生した場合や、関係法令の改正等により新たな設備投資等の必要性が生じた場合には、コストの増加を招き、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.事業内容に由来するリスク
(1) 売上計上について
当社グループの製品は受注生産を行っております。個別装置により仕様は様々であり、生産ラインでの装置完成後、工場内検収を行い、完了した装置について、出荷、顧客工場での据付、再検収を行います。このプロセスが終了した時点で、検収書を顧客より受領し、納品が完了いたします。場合によってはこのプロセスで顧客からの性能に関する追加的な要望や検収までに装置の使用方法を納入先の従業員に教育することが求められる等の当社グループではコントロールしがたい追加的なプロセスに時間を要し、最終の検収期間が遅れる可能性があります。当社グループは、売上を顧客による製品検収後に計上するため、上記のような理由により、製品の納入又は検収が当初予定の時期よりも遅れた場合には、売上計上が遅れることになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定顧客への依存について
当社グループは、「2 生産、受注及び販売の状況(3)販売実績」に記載のとおり、2017年12月期においては、特定顧客への依存度が高くなっております。当社グループは、新規事業や新規得意先の開拓により特定の得意先に依存しない収益体制を構築すべく努めている他、今後においても従来の重要な得意先からの受注獲得に努め、良好な関係を維持していく方針であります。しかしながら今後も依存度の高い顧客から継続的な受注を得られる保証は無く、何らかの理由により顧客との関係に変化が生じた場合や、既に受注した案件についてキャンセルが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 特定技術への依存について
当社グループの製品はイオンビームアシスト蒸着方式(IAD)、スパッタリング方式による成膜装置であり、コスト、時間、品質を総合的に勘案して、最良の方式を顧客に提案しております。ただし、技術開発の方法や顧客の要求内容によっては、他社が当社グループの用いる成膜方法より優れた方法を提供できる可能性があります。当社グループとしましては、既存製品についてより競争力を持たせるために改良開発を加速化するとともに、他の技術を用いた成膜方法にも注目し、研究開発を展開するようにしております。しかしながら、加工対象物である最終製品に使われる光学部品の形状、材質が今後大きく変化したり、格段の技術的進歩があり当社グループの技術が陳腐化した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 専門性の高い技術力に見合う人材の確保について
当社グループが事業拡大を進めていくためには、物理学、電気工学等の専門スキルの高い優秀な人材を確保することが重要であると考えております。しかしながら、これらの人材の獲得競争は激しく、業務上必要とされる知識及び経験を備えた人材を確保することができない可能性があります。
当社グループでは、優秀な人材の採用については最重要の課題として積極的に取り組んでおりますが、優秀な人材を十分かつ適時に確保できなかった場合及び社内の有能な人材が流出してしまった場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特許・知的財産権の制約について
当社グループは、国内外において特許を保有し、積極的に新規権利獲得に努めています。しかしながら、特許の登録を受けられるとは限らず、また特許を獲得しても将来において知的財産権を充分に保護できない可能性もあります。当社グループでは、製品等の開発、製造、使用及び販売、その他事業活動によって、第三者の特許・知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行い、かつ継続的に他社特許出願・許諾状況をモニターしておりますが、第三者の特許・知的財産権を侵害し紛争となる可能性は否定できません。これらの知的財産に関する問題が発生した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 生産拠点の集中について
当社グループは主として光馳科技(上海)有限公司で生産を行っており、2014年2月から光馳科技股份有限公司(台湾)でも生産を始めました。両拠点での生産を始めたことにより、生産コスト、部品品質の両面で最善の成果を上げることが出来ると考えておりますが、今後、中国における雇用環境の変化により、外注も含めた人員確保や育成が計画通りに進まなかった場合や、労働条件に係る諸規制に変更が生じた場合、現地での労働争議の発生、自然災害、政治的状況の変化による生産への制約等の外的要因が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 真空成膜装置の開発及び製造に関するリスクについて
真空成膜装置の設計及び製造過程は極めて複雑であり、顧客の規格に合わない製品や、欠陥を含む製品又は欠陥を含むと顧客が認識する製品、あるいは顧客が対象とするエンドユーザーの規格に適合しない製品が製造される可能性があります。当社グループでは品質管理部門スタッフの拡充により、常時綿密な品質チェックを行う体制を確保するとともに、外部業者からの部品入手時の受け入れ品質検査、装置生産時の工場品質管理及び装置出荷時の最終品質チェックを十分に行っておりますが、これらの作業の対応には多額の費用(人件費や在庫の評価減を含む)を要することもあります。当社グループの製品の出荷後に、顧客の規格との不一致、不適合又は欠陥等の問題が生じた場合には、当社グループは、製品の交換又は顧客への補償にかかる債務を負うこととなる場合があるだけでなく、重要な顧客との関係や業界における評判が長期にわたって損なわれる可能性がある他、顧客や部品の仕入先である外部業者との間で訴訟が発生し、多額の訴訟対応費用が生じる可能性があります。これらはいずれも、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製造物責任について
当社グループが提供する製品は、厳しい品質管理のもとに設計・製造されておりますが、当社グループ製品の使用により万一顧客に深刻な損失をもたらした場合には損失に対する責任を問われる可能性があります。さらに、これらの問題による当社グループの企業イメージの低下は、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 価格競争の激化について
真空成膜装置業界は日本国内メーカーに加え中国、韓国、ヨーロッパ等にメーカーが多数存在しており、激しい競争の状況にあります。当社グループは、高機能の成膜装置を提供し続けることを目指し、販売を拡大させていますが、今後の技術開発競争及び価格競争等により競争がさらに激化した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)新規事業について
当社グループは事業拡大のために光学薄膜成膜への参入等成膜装置事業と関連ある新規事業への展開を進めておりますが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、これらの事業が必ずしも当社グループの計画どおりに推移する保証はなく、その場合には当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.その他のリスク
(1) その他の関係会社である浙江水晶光電科技股份有限公司との関係について
同社は、本書提出日現在において、当社株式の議決権の被所有割合の20.0%を保有しております。
当社と同社の間には、成膜装置の販売に関する営業取引があり、社外取締役1名を招聘しておりますが、従業員の派遣出向及び受入出向並びに営業外取引は発生しておりません。また、当社の事業戦略、人事政策及び資本政策等について何ら制約等も受けておりません。
当社と同社との2017年12月期の取引状況は次のとおりであります。
|
種類 |
会社等の名称又は氏名 |
所在地 |
資本金又は出資金 |
事業の内容又は職業 |
議決権等の所有(被所有)割合 (%) |
関連当事者との関係 |
取引の内容 |
取引金額 (千円) |
科目 |
期末残高 (千円) |
|
その他の 関係会社 |
浙江水晶光電科技股份有限公司 |
中国 浙江省 |
千人民元 664,098 |
光学部品製造販売 |
(被所有) 直接 20.0 |
当社製品の販売 役員の兼任 |
当社製品の販売 |
1,296,700 |
売掛金 |
772 |
|
部品の購入 |
623 |
買掛金 |
324 |
取引条件及び取引条件の決定方針等
製品の販売については、一般の取引条件と同様に決定しております。
2017年8月に当社と浙江水晶光電科技股份有限公司は、共同出資により浙江晶馳光電科技有限公司を設立いたしましたが、当該合弁会社の生産する成膜製品と同一の成膜生産活動に関与すること以外は、当社グループの装置生産・販売、成膜事業展開に制約はないと認識しております。
なお、同社は、今後も当面の間、大株主であり続けるものと思われますが、将来において何らかの要因により、同社が経営方針や営業戦略等(当社株式の保有方針等を含む)を変更した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)災害に関するリスク
当社グループでは、地震、台風等の自然災害による操業停止をせざるを得ない様な事態の発生に備え、リスク分散を実施し従業員の安全確保、災害の未然防止、早期復旧、取引先との連携等を実施しております。しかしながら、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損などによる生産の中断等が生じた場合、顧客への製品供給が遅れること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは顧客のニーズを把握し、的確かつ現実的な研究開発目標を設定し、市場変化に対応した開発スピードを維持しながら、顧客の求める開発成果を真空成膜装置に迅速に反映することを、基本方針としております。
当社技術開発部門を中心に、中国・台湾における各子会社にも技術部門を配置し、顧客ニーズを迅速に捉えるため、当社グループは横断的に積極的な研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、2,466百万円であり、主な研究開発活動の成果及び内容は以下のとおりです。
・マルチ式連続成膜装置の開発・成膜技術向上
・プラスチック基板用IAD装置の開発・成膜技術向上
・小型スマートフォン用スパッタNSP成膜装置の開発
・小型スマートフォン用高性能ARAS成膜装置の開発
・ハードARAS膜プロセス技術の開発
・マルチ式AlN成膜装置の開発(注)1
・インラインRPDITO成膜装置の開発(注)2
・高性能、高効率DBR成膜装置の開発(注)3
・車載用ARAS膜、HM膜等の成膜装置の開発(注)4、5
(注)1.マルチ式AlN成膜装置とは、通常のRPD装置(下に記載)に蒸着装置を組み合わせたものです。窒化アルミニウム(AlN)薄膜はRPD装置で、保護層であるSiO2薄膜は蒸着で堆積できるようにした複合装置のことを指します。
2.インラインRPDITO成膜装置とは、反応性プラズマ蒸着(RPD: Reactive Plasma Deposition)法を適用したITO膜を製造するインライン式装置をいいます。
3.高性能、高効率DBR成膜装置とは、LEDの輝度を高くするために、高反射率かつ高熱伝導率を有するDBRを製造する装置のことをいいます。DBRとはDistributed Bragg Reflectorの頭文字を取った反射膜のことであり、ある特定波長の光を効率良く反射するよう、一定の周期で屈折率が変化するような構造を持った反射膜をいいます。
4.車載用ARAS膜とは、車の各種光学センサに特化した反射防止性(AR)かつ防汚性(Anti-smudge)を有する膜のことをいいます。
5.HM膜とは、ヘッドアップディスプレイに搭載されるハーフミラー(Half Mirror)膜のことです。入射する光の一部を反射し、一部を透過する鏡のうち、入射光と透過光の強さがほぼ同じものをハーフミラーと呼びます。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成には、資産、負債、収益及び費用の測定等に経営者の見積り及び仮定を含んでおります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 経営成績の分析
経営成績については、第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績に記載しております。
(3) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、52,255百万円と前連結会計年度末に比べ32,081百万円の増加となりました。増加した要因は、現金及び預金や仕掛品が増加したことなどによるものです。
固定資産は、4,169百万円と前連結会計年度末に比べ2,613百万円の増加となりました。増加した要因は、有形固定資産が増加したことなどによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、32,038百万円と前連結会計年度末に比べ22,457百万円の増加となりました。増加した要因は、短期借入金や前受金が増加したことなどによるものです。
固定負債は、1,780百万円と前連結会計年度末に比べ264百万円の増加となりました。増加した要因は、長期借入金の返済などはあったものの、繰延税金負債が増加したことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、22,606百万円と前連結会計年度末に比べ11,972百万円の増加となりました。増加した要因は、利益剰余金が増加したことなどによるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。