第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

 当社グループは、韓国をはじめ、中国、東南アジア、欧米からのインバウンド旅行需要の取り込みによって事業運営を行っております。2020年1月頃より顕在化した新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、2020年3月5日に新型コロナウィルス感染症対策本部により「水際対策の抜本的強化に向けた新たな措置」(「本件措置」)が決定され、2020年3月9日より中国及び韓国をはじめとする一部地域からの入国が制限されており、また本書提出日現在においても本件措置の解消時期は不透明であります。

 本件措置の運用開始を契機とする観光客数の急激な減少により当社グループの各事業において重要な影響が生じており、当社グループがその事業を継続するだけの新たな資金調達が困難な状況に至るおそれがあり、本書提出日現在において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況(「重要事象等」)が存在しております。

 新型コロナウイルス感染症の収束時期をはじめ当社グループを取り巻く経営環境は先行き不透明な状況であり、重要事象等の存在を完全に解消するには至っておりませんが、当該事象を解消又は改善するため、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・内容検討及び当該重要事象を解消し、又は改善するための対応策」に記載した対応策を、継続して実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性はないと認識しております。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、引き続き厳しい状況にあります。各国で感染防止策が講じられ、政府による給付金の実施や消費刺激策により持ち直しの動きが見られますが、収束時期は依然として不透明であり、観光産業へのマイナス影響は長期化することが懸念されております。

このような環境の中、当社グループでは、全事業において抜本的な固定経費の見直しに注力しました。

レンタカー事業の譲渡、全事業人員削減、旅行事業における営業拠点の統廃合、バス事業の休止、さらにTマークシティホテル札幌の営業自粛を実施し、厳しい状況への対応とともに、新型コロナウイルス感染症が収束した際の旅行市場の回復を見据えた新商品の企画開発、「Go To Travelキャンペーン」の国内旅行需要など販売チャネルの拡充に取り組んでおります。

また、オンラインプラットフォーム「Gorilla」について国内向けBtoCサイトの開発、グループ管理部門共通の管理システムの導入など、システム開発は計画通りに進めております。

これらの活動の結果、売上高816,560千円(前年同期比85.2%減)、営業損失1,697,153千円(前年同期は営業利益505,752千円)、経常損失2,062,688千円(前年同期は経常損失684,089千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失2,286,124千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失479,829千円)となりました。

セグメント別の業績は、次のとおりであります。各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。

 

① 旅行事業

当第3四半期連結累計期間のインバウンド旅行市場は新型コロナウイルス感染症の拡大により、訪日外客数が前年比83.7%減の397万人(出典:日本政府観光局(JNTO))と、前年を大きく下回りました。特に4月以降は前年比99%減が続いている状況であります。

2020年4月、固定経費の構造改善策として、大阪・九州・北海道・沖縄の各営業所を閉鎖し、東京本社に統合しております。

海外渡航が制限されるなか、「Go To Travelキャンペーン」の需要を取込むため、国内向けBtoCサイト版の「Gorilla」を開発し、在日外国人を含む国内個人旅行者向け商品を販売することで売上回復を試みましたが、東京都の除外や感染者数の増加の影響から、回復は限定的となりました。

当第3四半期連結累計期間の旅行事業の売上高は130,373千円(前年同期比92.8%減)、セグメント損失は287,376千円(前年同期はセグメント利益477,329千円)となりました。

 

② バス事業

貸切観光バス、周遊観光バス「くるくるバス」ともに、中国や台湾、香港、東南アジアなど韓国以外の訪日客からの受注があったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大によるキャンセルにより、大幅な減収となっております。

貸切観光バスは2020年5月、経費削減の観点から事業を休止しておりましたが、同年10月より事業を再開することとし、「くるくるバス」とともに「Go To Travelキャンペーン」による需要を取込むため、国内旅行会社への営業活動を実施、周遊観光の新規商品開発に取り組みました。

 当第3四半期連結累計期間のバス事業の売上高は191,639千円(前年同期比88.2%減)、セグメント損失は330,828千円(前年同期はセグメント利益156,155千円)となりました。

 

③ 免税販売店事業

日韓情勢の影響、新型コロナウイルス感染症の拡大により、福岡店、大阪店、札幌店の各店舗ともに集客数が伸び悩み、一時的に、新型コロナウイルス感染症対策の衛生商品(マスク、アルコール消毒液等)を国内向けに小売・卸売を実施いたしました。

また、2020年4月以降さらに人員削減を実施し、必要最低限のランニングコストで運用しております。

当第3四半期連結累計期間の免税販売店事業の売上高は99,049千円(前年同期比93.2%減)、セグメント損失は142,668千円(前年同期はセグメント利益37,442千円)となりました。

 

④ ホテル等施設運営事業

Tマークシティホテル札幌、札幌大通、東京大森ともに2020年1月までは、国内需要の取込みなどから、客室稼働率及び平均客室単価は順調に推移していたものの、同年2月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、稼働率、平均客室単価ともに伸び悩んでおります。

また、清掃費用の契約見直し等、固定経費の削減とともに、「Go To Travelキャンペーン」の需要取込のため企画商品の開発販売に努めておりましたが、東京都の除外や感染者数の増加の影響から、売上の回復は限定的となりました。

 なお、Tマークシティホテル札幌については、北海道における新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を受け、感染症拡大防止の観点から業務を自粛することを目的とし、2020年3月20日から同年7月15日まで、一時休業しております。

当第3四半期連結累計期間のホテル等施設運営事業の売上高は456,060千円(前年同期比68.3%減)、セグメント損失は676,631千円(前年同期はセグメント利益185,074千円)となりました。

 

⑤ その他

レンタカー事業は、日韓情勢の影響等市場環境が変化する中、今後の方針を検討した結果、2020年1月に事業譲渡いたしました。

システム開発事業のHANATOUR JAPAN SYSTEM VIETNAM COMPANY LIMITEDは当社グループのシステム開発を中心に行っており、当連結会計年度のセグメント間内部売上は堅調に推移しております。

当第3四半期連結累計期間の売上高は39,848千円(前年同期比76.2%減)、セグメント利益5,450千円(前年同期はセグメント損失33,441千円)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は11,361,185千円となり、前連結会計年度末に比べ8,941,219千円減少いたしました。これは主に、外貨定期預金を円転し短期借入金を返済したことにより現金及び預金が6,926,271千円減少したこと、新型コロナウイルス感染症の拡大による売上高の減少に伴い売掛金が792,778千円減少したこと、旅行事業において観光施設の入場券、交通パス等の前払額の減少に伴い前渡金が68,725千円減少したこと、消費税の還付によりその他の流動資産に属する未収還付消費税が272,293千円減少したこと、レンタカー事業の譲渡によりレンタカー車両のリース契約の承継などに伴いリース資産が319,459千円減少したこと、減損損失の認識により有形、無形固定資産が111,854千円減少したこと等によるものであります。

当第3四半期連結会計期間末における負債は8,992,784千円となり、前連結会計年度末に比べ6,453,957千円減少いたしました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の拡大による売上高の減少に伴い仕入債務である営業未払金が329,985千円減少したこと、短期借入金が返済により6,179,498千円減少したこと、流動・固定負債のリース債務が333,423千円減少したこと、未払法人税等が171,772千円、その他の負債に含まれる未払消費税等が153,529千円それぞれ減少したこと、一方、資金調達のため新規借入契約を締結したことにより長期借入金が930,700千円増加したこと等によるものであります。

当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,368,401千円となり、前連結会計年度末に比べ2,487,262千円減少いたしました。これは、配当金217,799千円の支払、親会社株主に帰属する四半期純損失が2,286,124千円となったこと等によるものであります。

なお、旅行事業に係る売上高は、取扱高と仕入高を相殺した純額で表記しており、その結果売掛金残高が売上高に対して高い水準となっております。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

    該当事項はありません。

 

(5)事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・内容検討及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策

当社グループには、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が本書提出日において存在しております。

当社グループは当該事象等を解消・改善するために、以下の施策を実施することにより、事業基盤並びに財務基盤の安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。

・本書提出日現在において所有している現金及び預金残高は当面の運転資金を大きく上回る状況でありますが、人員削減や固定費用の圧縮を 図ることで、継続的成長への基盤を強化してまいります。

・新型コロナウイルス感染症の影響が長期化した場合を想定し、中長期的な資金需要に対応するためにグループ親会社からの資金支援を受ける体制を構築しております。また、メインバンクを中心に取引金融機関には継続して経営改善を前提とした支援を要請している状況にあります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。