(注) 1.当社は中間連結財務諸表を作成しておりますので、提出会社の主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.第20期中間連結会計期間及び第20期の潜在株式調整後1株当たり中間(当期)純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.第21期中間連結会計期間の潜在株式調整後1株当たり中間純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.旅行事業に係る売上高は、仕入高と相殺した純額、バス事業、ホテル等施設運営事業の一部の売上高は仕入高もしくは販売費及び一般管理費と相殺した純額にて表示しております。全事業の総額(全事業の取扱高)は以下のとおりであります。
当中間連結会計期間において、当社グループが営む事業の内容について、重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における経営環境は、米国による追加関税措置を背景に、世界的な経済成長の減速リスクが懸念されるなか、日本におけるインバウンド旅行市場は堅調に推移し、一部のアジア地域においては地震に関する風評の影響が見られたものの、訪日外客数は過去最速で2,000万人を突破するなど、引き続き安定した成長を見せております。
一方で、ホテル等の宿泊施設や観光バス業界においては、人手不足の状況が継続しており、加えて一部地域におけるオーバーツーリズムの顕在化など、インバウンド市場の持続的成長に向けた課題も散見される状況にあります。
このような経営環境のもと、当社グループでは、FIT(個人旅行)を含むインバウンド需要獲得に向けた営業活動を強化するとともに、社内業務のデジタル化を通じた生産性向上やペーパーレス化を推進し、各事業における人員配置の最適化や経費抑制を通じ、業務の効率化と収益性の改善に取り組んでまいりました。
基幹事業である旅行事業においては、ライフスタイルの多様化に対応したサービス提供を目的に、FIT(個人旅行)向けの新たなプラットフォームの開発に取り組み、グループ全体で持続的な成長を目指し、業容拡大と利益率向上に努めております。
これらの活動の結果、売上高3,467,287千円(前年同期比5.5%増)、営業利益942,888千円(前年同期比10.3%増)、経常利益905,000千円(前年同期比8.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益813,408千円(前年同期比8.4%増)となり、当中間連結会計期間の営業利益は過去最高を記録いたしました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
① 旅行事業
当中間連結会計期間のインバウンド旅行市場は、訪日外客数が2,151万人(出典:日本政府観光局(JNTO))と、前年同期比21.0%増、過去最高を記録する結果となりました。
韓国市場においては、日本国内の地震に関する風評が、比較的年齢層の高い団体パッケージ利用者の訪日需要に影響を与える一方で、団体パッケージに比して安価で若年層を中心としたFIT(個人旅行)が堅調に推移し、増加が目立ちました。あわせて風評による訪日需要の一時的な低迷を背景に、日韓航空路線の運賃が下落したことも若年層のFIT(個人旅行)を後押しする要因となりました。
こうした市場環境のもと、当社の韓国向け団体パッケージにおいては、FIT(個人旅行)との競合を踏まえ、価格を抑えた販売戦略を展開いたしました。その結果、旅行事業全体で取扱高は前年を上回ったものの、売上高は前年を下回る結果となりました。
韓国以外の地域では、東南アジア、欧州地域の旅行エージェントを中心に営業を強化した結果、日本国内の地震に関する風評が限定的であったことも後押しとなり、売上高は前年を上回る水準となりました。
FIT(個人旅行)向け全般では、海外有力予約サイトとのAPI連携を活用し、現在はアジア圏を中心に展開しているオンラインプラットフォーム「Gorilla」にてホテルや旅ナカ商材の取扱いを拡大しております。FIT(個人旅行)需要は全体として堅調に推移しているものの、日本国内の地震に関する風評の影響により、台湾・香港・中国や韓国を中心にホテルの販売単価の伸び悩みや予約のキャンセル等が発生しました。一部でこのような影響が見られたものの、売上高は前年を上回る結果となっております。
さらにFIT(個人旅行)向けの新たなプラットフォームの開発にも着手しており、これまでFIT(個人旅行)としての取扱いが少なかった欧米豪市場における需要の獲得を図るとともに、業務の効率化を通じた生産性、利益率の向上を目指しております。
当中間連結会計期間の旅行事業の売上高は1,524,242千円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益は579,826千円(前年同期比7.0%減)となりました。
② バス事業
当中間連結会計期間のバス事業における貸切観光バスは、東京、大阪、北海道と福岡の4拠点にて、韓国を中心に台湾や東南アジア、欧州などからのインバウンド需要の獲得及び、国内向けの営業活動の強化に取り組んでまいりました。旅行事業と同様に、インバウンド需要については、日本国内の地震に関する風評の影響により、一部で予約キャンセルや受注の伸び悩みが見られた結果、売上高は前年並みで推移いたしました。
送迎バスでは、羽田営業所で行っている海外航空会社のクルー送迎、北海道の札幌営業所における半導体製造工場の建設工事作業員の送迎と、ともに堅調に推移いたしました。
また、業界全体でドライバー不足が続くなか、最適人員数の確保に向けて採用活動を継続するとともに、社内業務のデジタル化による運行管理の効率化や、間接部門の人員最適化等を通じた業務効率化を推進し、利益率の向上に努めてまいりました。その結果、当中間連結会計期間におけるバス事業のセグメント利益は過去最高を記録いたしました。
当中間連結会計期間のバス事業については、売上高1,074,060千円(前年同期比0.0%減)、セグメント利益258,663千円(前年同期比6.9%増)となりました。
③ ホテル等施設運営事業
当中間連結会計期間においては、国内外の旅行エージェントへの営業強化、OTA(オンライントラベルエージェント)を通じた積極的なキャンペーンの実施等から、国内需要、インバウンド需要はともに増加し、一部で日本国内の地震に関する風評の影響がみられたものの、全体的に稼働率、ADR(客室平均単価)は上昇する結果となり、当中間連結会計期間のセグメント利益は過去最高を記録いたしました。
Tマークシティホテル札幌、札幌大通、東京大森のADR(客室平均単価)は前年同期比13%~19%増となっており、稼働率も増加いたしました。
Tマークシティホテル金沢においては、能登半島地震からの復興遅延により金沢市全体における国内観光需要の回復が遅れている状況であり、前年の稼働率、ADR(客室平均単価)を下回る結果となっております。
各ホテル継続して、国内、東アジアや東南アジアの旅行エージェントへの営業強化、近隣の飲食店やレジャー施設とのセット商品等の企画など、観光需要とともに、ビジネス需要の取込みに注力し、利益拡大を目指してまいります。
当中間連結会計期間のホテル等施設運営事業の売上高は1,548,340千円(前年同期比17.0%増)、セグメント利益は335,187千円(前年同期比92.6%増)となりました。
④ その他
システム開発事業のHANATOUR JAPAN SYSTEM VIETNAM COMPANY LIMITEDは、当社旅行事業のプラットフォーム「Gorilla」、FIT(個人旅行者)向けの新規プラットフォームの開発など、当社グループのシステム開発・運用、保守を行っており、当中間連結会計期間の売上はセグメント内部取引相殺(内部利益相殺)のため前年同期に対し減少しておりますが、生産高は堅調に推移しております。
当中間連結会計期間の売上高は21,648千円(前年同期比28.7%減)、セグメント損失は1,299千円(前年同期はセグメント利益5,764千円)となりました。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は10,187,383千円となり、前連結会計年度末に比べ548,111千円減少いたしました。これは主に、売掛金及び契約資産が431,996千円減少、前渡金が82,012千円減少したこと、リース資産が減価償却により114,355千円減少したこと、敷金及び保証金が返戻により32,621千円減少したこと、一方、バス車両の購入に伴い機械装置及び運搬具(純額)が117,210千円増加したこと等によるものであります。
当中間連結会計期間末における負債は6,275,384千円となり、前連結会計年度末に比べ982,453千円減少いたしました。これは主に、営業未払金が357,439千円減少したこと、未払費用が30,166千円減少したこと、流動・固定負債のリース債務が支払いにより121,341千円減少したこと、短期・長期借入金が約定弁済に加え金利負担軽減のため一部早期弁済により504,753千円減少したこと、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が54,677千円減少したこと、一方、未払法人税等が101,088千円増加したこと等によるものであります。
当中間連結会計期間末における純資産は3,911,998千円となり、前連結会計年度末に比べ434,341千円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する中間純利益が813,408千円となったこと、一方、配当金の支払に伴い利益剰余金が376,665千円減少したこと等によるものであります。
なお、旅行事業に係る売上高は、取扱高と仕入高を相殺した純額で表記している他、バス事業、ホテル等施設運営事業に係る一部の売上高について、取扱高と仕入高もしくは販売費及び一般管理費を相殺した純額で表記しているため、その結果売掛金及び契約資産の残高が売上高に対して高い水準となっております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ440,732千円減少し、2,096,913千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動により得られた資金は1,110,826千円(前中間連結会計期間は881,354千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益が911,938千円、減価償却費が171,834千円、売上債権の減少額が431,982千円となり資金が増加した一方、仕入債務の減少額が275,426千円、未払費用の減少額が30,166千円、未払消費税等の減少額が55,697千円、利息の支払額が35,329千円となり資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動により使用した資金は543,067千円(前中間連結会計期間は83,630千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が22,789千円、敷金及び保証金の回収による収入が39,262千円となり資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出が170,802千円、無形固定資産の取得による支出が21,783千円、定期預金の預入による支出が400,000千円となり資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動により使用した資金は1,002,111千円(前中間連結会計期間は494,370千円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純減額が400,000千円、長期借入金の返済による支出が104,753千円、リース債務の返済による支出が121,341千円、配当金の支払額が375,978千円となり資金が減少したことによるものです。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。