第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、経営の基本方針として以下の事項を「経営理念」として掲げております。

 

 『森六グループは、未来を先取りする創造力と優れた技術で高い価値を共創し、時を越えて、グローバル社会に貢献します。』

(法令遵守)

国内外の法令を遵守し、公平で公正な企業活動を通じ、信頼される企業グループをめざします。

(人間尊重)

社員一人ひとりが自主性、創造性を発揮し、一緒に働く仲間の人格や個性を尊重します。

(顧客満足)

お客様に満足いただける、価値ある情報、質の高いサービス、優れた製品を提供します。

(社会貢献)

地球環境に配慮し、地域に根ざした企業活動を通し、「良き企業市民」として社会に貢献します。

(進取の精神)

時代を先取りし、継続的に企業価値向上に努めます。

(同心協力)

チームワークを尊重し、理想を追求する企業グループをめざします。

 

(2)経営戦略等

 2020年度は、生産現場や営業活動において新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限があり、当社グループの事業運営も一定の影響を受けました。そのような状況下、当社グループでは、従業員の健康と安全確保を最優先とし、事業環境変化による得意先の生産変動への迅速な対処が出来るよう、合理的な稼働体制の確保を行い、国内外全拠点において製品とサービスの安定した供給に努め、事業活動の継続に取り組んでおります。

 当社グループの主な事業領域である自動車業界では、世界各国において脱炭素モビリティへの転換が打ち出され、環境影響に配慮した電気自動車、燃料電池車に関する技術革新へのスピードが加速しております。また、自動運転技術も加えた次世代自動車への新規参入企業はスマートカーやモビリティという大きな枠組みで自動車を捉えており、これまで完成車メーカーが担っていた製造領域は全体の一部となり、自動車部品製造は水平分業化が進む兆しが見られます。

 変化する自動車部品の調達モデルに追随できる様、サプライチェーンの多様化による調達体制および国内外の生産体制の見直し、ならびに独自製品開発に繋がるオープンイノベーション投資を行い、新たなモビリティ業界に対応できる事業体質強化を進めます。

 当社グループは、第12次中期経営計画『MI400(Moriroku Innovation 400)(2020年3月期~2022年3月期)』を推進しております。400年企業として勝ち残るために、新たな顧客の獲得による事業基盤強化、樹脂製品および素材の新技術開発推進、国内外の拠点拡充による事業構造変革、働きがいのある会社を目指した人材取り組み、環境負荷低減や事業活動を通じた社会貢献による持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。第12次中期経営計画の概要につきましては、以下のとおりであります。

 

a.スローガン

MOVING  FORWARD  WITH  MI 400(Moriroku Innovation 400)

 

b.基本方針

環境変化を先取りし、新事業創造と変革に挑み続けることでグローバル市場で勝ち抜ける経営基盤を構築する

 

c.基本戦略

Ⅰ.経営基盤強化 : 上場企業としての企業価値の向上

Ⅱ.付加価値創造 : モビリティ革新への新技術の事業化

Ⅲ.事業構造変革 : 新スマート社会での新たな事業基盤の実現

 

d.重点的施策

・グローバル経営基盤の強化を図ることで変革の加速を実現

・地球環境変化への対応、豊かな暮らしつくりへの社会貢献の実行

・新成長事業育成への資源配分、ポートフォリオの最適化

・次世代モビリティへの技術・商品開発の挑戦(グループ横断での取組・外部パートナーとの提携)

・環境変化を先取りした新たな生産技術の確立

・グローカライズビジネスの拡大

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益に注視し、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本および資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げております。また、第12次中期経営計画におきましては、最終年度である2022年3月期の目標値を営業利益率5.0%以上、ROE(自己資本利益率)9.0%以上、株主総還元性向30%以上に設定しております。

 

(4)経営環境

 2021年度に入り、世界ならびに国内における新型コロナウイルス感染は続いていますが、各地域における感染防止策によって製造企業の経済活動は回復状況にあります。

 自動車業界においては、半導体供給不足長期化による各社生産計画への影響が心配されますが、米国および中国の二大市場を主体に生産台数の増加が予想されます。また、脱炭素社会に向けた環境規制の強化により電気自動車需要の拡大が中国、欧州を主体に進んでおり、自動運転車を加えた次世代自動車に対する技術革新は業種の垣根、地域を越えてさらに広がりを見せております。モビリティ領域での新たな部品開発ニーズが期待されると同時に部品調達におけるサプライチェーンの多様化が進んでおります。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自動車業界、化学業界における需要や消費の前年度からの増加が予想され、同事業領域における生産および市況の強含みが見込まれます。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当面は、新型コロナウイルスの感染状況、半導体不足の影響による事業環境変化や得意先の生産変動への迅速な対処が出来るよう、合理的な稼働体制の確保を実施します。更に次世代自動車の安全性、快適性、環境性能の向上に繋がる技術、製品、材料開発をグループ横断で追求するとともに、グローバル市場で持続的な成長に向けた新たな市場獲得を行い、強固な経営基盤を構築してまいります。

 一方、当社グループは、持続的に成長する企業集団を目指し、400年企業として勝ち残るために、第12次中期経営計画において全従業員の総力を結集して、以下の課題に重点的に取り組んでまいります。

 

・グローバル経営基盤の強化を図ることで変革の加速を実現

 持続可能な社会に向けて、ダイバーシティの推進とESG経営を強化するとともに、グループ全体における最適な内部統制システムの整備・運用を通じて、より強固な経営基盤を構築してまいります。

・地球環境変化への対応、豊かな暮らしつくりへの社会貢献の実行

 樹脂加工製品事業とケミカル事業を通じて、モビリティ、情報・通信・電子材料、生活・環境、ファインケミカル、メディカル・ヘルスケアの5つの分野に経営資源を集中して投入してまいります。

・新成長事業育成への資源配分、ポートフォリオの最適化

 主とする5つの分野を事業ポートフォリオマネジメントで評価して、戦略を実行していきます。特に、最重要分野であるモビリティ事業については、高効率生産の実現と独自技術の開発を進め、事業規模および利益の拡大を目指していきます。

・次世代モビリティへの技術・商品開発の挑戦(グループ横断での取組・外部パートナーとの提携)

 ケミカル事業の機能性樹脂素材開発と、樹脂加工製品事業の軽量化部品開発の技術を融合し、さらに外部パートナーとの連携も加え、高剛性で軽量な自動車用樹脂部品開発を展開するとともに、ボディ全体の樹脂化に挑戦してまいります。

・環境変化を先取りした新たな生産技術の確立

 既存顧客との取引を強化しつつ、既存顧客以外の自動車メーカー、次世代自動車への新規参入企業との新たな取引を進めることでより安定した事業基盤を確立してまいります。

・グローカライズビジネスの拡大

 さらなる成長が期待できる中国・アジアに新たな経営資源を投入し、樹脂加工製品事業においては工場の自動化と現地開発体制の強化、ケミカル事業においては新たな地域へ事業領域の拡大を進めてまいります。

2【事業等のリスク】

 新型コロナウイルス感染拡大に関しては、各事業の売上減少や国内外各工場の生産変動等により当社グループの経営成績、財政状態等に多大な影響をもたらしています。

 各国、地域における感染防止対策の活動制約が長期化または更なる感染拡大が続けば、従業員等への感染による人財リスク、世界的な景気の悪化および消費行動の減退に伴う需要減、顧客工場の低稼働による需要減、原材料確保の困難や物流サービス混乱によるサプライチェーンの寸断等、当社グループの業績および財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。

 

① 主な事業の状況

 樹脂加工製品事業

 新型コロナウイルスの影響により各国で工場停止や減産となりましたが、中国や北米が牽引する形で生産台数は回復しました。現在は、各地域で感染防止対策を行った上で稼働しております。

 

 ケミカル事業

 自動車向けの原材料の受注減はありましたが現在は回復しており、ファインケミカルや電機・電子分野においては、好調に推移しております。

 

② 原材料調達の状況

 現時点では調達上の問題はありません。しかしながら、調達先の多様化、基幹部品の内製化等、サプライチェーンの見直しを継続して行い、生産体制の強化に取り組んでおります。

 

③ 資金の状況

 当社グループといたしましては、代替流動性として、2021年5月31日現在で当座貸越契約55億円、コミットメントライン契約20億円を確保しております。いずれの契約においても、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。

 

④ 当社グループの取り組み

 当社グループでは、従業員の健康と安全確保を最優先とし、事業環境変化による得意先の生産変動への迅速な対処が出来るよう、合理的な稼働体制の確保を行い、国内外全拠点において製品とサービスの安定した供給に努め、事業活動の継続に取り組んでおります。

 

《 感染防止対応策 》

・グループ企業各拠点においては各国政府・自治体からの指示に従い、業務活動を実施

・安全衛生面の徹底(マスク着用、検温、外部との接触の自粛等)

・全社員の海外・国内出張の禁止・制限の実施

・事務所勤務社員の在宅勤務・時差勤務の拡大

・イベントや会議の自粛

・製造現場での社員の検温・消毒の徹底、セパレーター設置

・お取引先様への訪問は自粛し、面談はリモート活用で実施

 

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、他に以下のようなものがあります。

 なお、記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

リスク項目

リスクの説明

リスク対策

市場の変化

 当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しております。これらの市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観の変化、燃料・原料価格の変動および金融危機などは購買意欲の低下につながり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、世界各国の経済状況の変化を随時把握し、状況に応じた対策を行っております。

・本社と各海外拠点が一体となった情報分析と事業運営の実施

・原料調達、サプライチェーンの多様化推進

・本社経理部門主導での為替対応

 

海外活動

 当社グループは、海外市場への進出を積極的に進めており、海外では予期しない法規制の変更、慣習等に起因する予測不能な事態の発生等、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、現地の法的規制や慣習等へ適切に対応するために、現地情報の収集を積極的に行い、当社グループ内で情報共有しております。これらについて、社内セミナー等を開催し、社員教育を更に充実させてまいります。

特定の得意先への依存

 当社グループの主要な販売先は、本田技研工業㈱およびそのグループ会社(以下、「同社」)であり、樹脂加工製品事業においては、売上高の90%以上を占めております。

 同社の自動車生産および販売動向に変動があった場合は、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、独自の樹脂加工技術、ケミカル材料技術を融合することで新たな技術革新を行い、モビリティ領域での新規顧客獲得を推進しております。

 また、新事業育成への資源配分やポートフォリオの最適化を進め、他業種への参入を目指しております。

 

原材料、部品および商品の一部の取引先への依存

 当社グループは、多数の外部取引先から原材料、商品および部品(以下、購入品)を購入しておりますが、製品の製造および販売に使用するいくつかの購入品については、一部の取引先にその多くを依存しております。このため、これらの購入品について、何らかの理由により主要な取引先から安定的な供給を受けられない場合は、当社グループの生産活動および販売活動に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、購入品の安定調達において、顧客との確認を行いながら複数の調達先を確保できるよう、サプライチェーンの多様化を推進しております。

・国内および海外の複数拠点からの調達

・拠点がある地域でのサプライヤー確保

・購入品を同一品質で供給できるメーカーの複数確保

 

製品の品質

 当社グループが製造する製品に、万一、欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、品質マネジメントシステムISO9001や自動車産業品質マネジメントシステムISO/TS16949の認証を受け、当該規格下において各種製品の製造、品質管理を行い、品質の保持、向上に努めております。

 万一、問題が発生したときには、市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。

 

 

リスク項目

リスクの説明

リスク対策

取引先の信用

 当社グループは、多様な商取引により国内外の販売先に対して信用取引を行っており、信用リスクを負っております。安定かつ継続的な商品・製品の調達に努めておりますが、仕入先等の財務状況の悪化や経営破綻等により、商品・製品の継続的な供給が困難となる場合もあります。これらのリスクが顕在化することによって、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、取引先の信用情報を随時収集し、当社グループ内で情報共有しております。これらの情報より、取引条件の見直し、事業推移や財務状況に応じた取引金額の制限を実施することで、信用リスクの軽減につながる与信管理を行っております。

研究開発活動

 当社グループは、新製品の開発を進めておりますが、業界と市場の変化を十分に予測できず、顧客や市場からの支持を獲得できる新製品または新技術が投入できない可能性があります。この場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、独創的な新製品、新技術の開発を展開しております。顧客への技術プレゼンテーション、国内外の展示会への開発製品の出展などにより、業界関係者との意見交換を行い、市場ニーズを捉えながら研究開発活動を実施しております。

原材料の価格変動

 当社グループは、ナフサを原料として製造される石油化学製品の取扱いを樹脂、工業薬品、有機化学、塗料、油脂加工、電子材料、自動車分野など広範囲に行っております。石油化学製品はこれら原料市況ならびに需給バランスの要因から、製品ごとに固有の市況を形成しており、その変動は当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、石油化学製品の価格設定をナフサ価格に連動する方式に基づく取引契約を締結するなど、市況変動のリスクの低減化を行っております。

 在庫商品は、当該ロットに関して、数量・価格を決めた契約を取引先と締結するなど、市況影響を受けない収益体質の強化を進めております。

為替レートの変動

 当社グループは、外貨建による取引を行っており、外貨建取引については為替変動により円換算後の価格が、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建の財務諸表を作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。

 当社グループでは、外貨建による取引での為替変動リスクを最小限にするために、為替予約によるヘッジを実施しております。

金利の変動

 当社グループは、営業活動や投資活動に係る資金を金融機関からの借入等により資金調達しておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあり、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、今後の金利上昇に備えて、長期資金については、固定金利を選択するなど、金利動向に伴うリスクの軽減に努めております。

株価の変動

 当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を有しており、これら株価の変動により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、保有株式を継続的に見直し、整理する等リスクを軽減する施策を講じております。

 

 

リスク項目

リスクの説明

リスク対策

知的財産権

 当社グループが保有する知的財産権が違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。また、当社グループの製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性や損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。これらの要因により、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、製造する製品に関する特許および商標を保有、もしくはその権利を取得することで、当社グループが保有する技術等について保護しております。また、他社の知的財産権に対する侵害のないようリスク管理に努めております。

災害・戦争・テロ・伝染病・暴動・ストライキ等

 当社グループは、世界各国において事業展開しており、それらの事業は自然災害・戦争・テロ・伝染病・暴動・ストライキ等の影響を受ける可能性があり、これらの事象が発生した地域においては、原材料や部品の購入、製品の生産・販売および物流サービス等に遅延、混乱および停止が生じる可能性があります。また、一つの地域でこれらの事象が発生した場合には、それ以外の地域へ影響する可能性もあり、これらの遅延、混乱および停止が生じ、それが長引くようであれば、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、事象発生内容に応じて危機管理に関する方針とガイドラインに従い、対策を実施しております。事象の被害内容によっては、社長を本部長とする対策本部を設置し、グループ一体で事態対応を行ってまいります。

法的規制

 当社グループは、事業展開する各国において、商品の販売、安全基準、有害物質や生産工場からの汚染物質排出レベルなどの様々な法的規制の適用を受け、これらの関連法規を遵守した事業活動を行っております。

 しかしながら、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、法的規制等の変化へ適切に対応するために、情報の収集を積極的に行い、当社グループ内で情報共有しております。

 万一、法的規制に抵触したときには、市場対応が迅速かつ確実に行われるよう体制を整備しております。

情報セキュリテイ

 当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しておりますが、外部からの予期せぬ攻撃や自然災害等で重要なシステムが使用不可能な状態になり当社グループの業務遂行に支障が生じる場合、または内部からの情報漏洩や不正使用が発生し当社グループの信用が低下した場合、当社グループの経営成績および財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、情報システム資源に対する適切な取り扱い方法を明確にした情報システムセキュリティ規定を策定し、ハードウェア、ソフトウェア、データなどの情報資産を保護するための安全対策を実施しております。また、従業員へ情報セキュリティ教育を実施し、情報セキュリティの知識と意識付けの定着を推進しております。

固定資産の減損損失

 当社グループは、有形固定資産などの固定資産を保有しております。このため、当該資産または資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化などにより、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、固定資産のうち減損の兆候があるかどうかの判定を実施し、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額することとし、随時適切に減損処理しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から大きく低迷したものの、中国では早期に経済が回復し、北米や我が国でも年度後半から持ち直しの動きが見られました。しかしながら、感染再拡大の懸念もあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。

 当社グループの主な事業領域である自動車業界では、年間を通して、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の悪化から持ち直しの動きが見られたものの、第4四半期に入り、世界的な半導体不足による部品供給の乱れが生産に影響を及ぼしました。なお、化学品の販売価格形成の基準となるナフサ価格は、第2四半期に急落したのち低水準で推移しましたが、足元では需要の戻りを背景に徐々に上昇しております。

 このような事業環境のもと、当社グループは、徹底した感染防止対策を講じたうえで各拠点の事業活動を継続しながら、需要変動に応じた最適生産体制の維持や、工程改善による原価低減、経費抑制等の収益改善施策を推進してまいりました。

 また、第12次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)に基づいた取り組みとして、樹脂加工製品事業では、部品の領域拡大に向けて当社グループ初となるドアライニング(ドアの内張り)の量産をスタートさせたほか、ケミカル事業では、グローバルビジネス強化を目指してインド拠点の営業を開始するなど、将来の成長に向けた戦略を進めてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高は155,460百万円(前年同期比9.0%減)、営業利益は5,672百万円(同3.2%増)、経常利益は5,595百万円(同1.3%減)となりました。なお、工場の操業・営業休止期間中の固定費(人件費・減価償却費等)および当感染症に対処するために直接要した費用総額2,258百万円、ならびに国内工場の減損損失2,593百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は375百万円(89.3%減)となりました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

増 減

売上高

170,773

155,460

△15,313

営業利益

5,497

5,672

175

 営業利益率(%)

3.2

3.6

+0.4pt

経常利益

5,668

5,595

△72

親会社株主に帰属する当期純利益

3,525

375

△3,149

1株当たり当期純利益(円)

212.89

22.68

△190.21

1株当たり配当金(円)

94.00

50.00

△44.00

為替(円/ドル)

108.7

106.1

△2.6

KL当たりナフサ価格(円/KL)

(期中平均)

42,900

31,300

△11,600

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の冒頭部分にまとめて記述しておりますので、そちらをご覧ください。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(樹脂加工製品事業)

 樹脂加工製品事業においては、第1四半期において、新型コロナウイルス感染症の影響による各国の工場操業停止や減産を受け、生産台数は大きく落ち込みましたが、第2四半期以降、中国や北米が牽引するかたちで生産台数は急速に回復しました。しかしながら、インドやインドネシア等で感染前の水準に戻るまで時間を要していることや、第4四半期において、車載半導体の供給不足により、日本と北米を中心に主要顧客の減産の影響を受けた結果、売上高は前年同期比で減収となりました。

 利益面では、中国の増産効果や北米の生産体質の向上に加えて、各拠点で生産ロス削減や要員効率の向上に取り組んだことにより減収影響を吸収し、ほぼ前年並みとなりました。

 このような結果、当連結会計年度の売上高は93,304百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は4,579百万円(同0.6%増)となりました。

(ケミカル事業)

 ケミカル事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、売上高はほぼ前年並みとなりました。特に、中国、国内、タイの自動車市場の回復に伴い、下期に自動車向け原材料の取引量が増加したほか、ファインケミカル分野でコロナ禍における商材の安定供給に努めた結果、既存取引先に対する販売量が増加しました。電機・電子分野ではテレワークの拡大や5G基地局需要に牽引され、5G向け、液晶向け材料等がグローバルで増加しました。

 利益面では、活動経費の減少と合理化によるコスト削減効果により、前年同期比で増益となりました。

 このような結果、当連結会計年度の売上高は62,155百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は1,389百万円(同14.3%増)となりました。

 

 また、地域別の売上高の状況は次のとおりであります。

(日本)

 日本では、新型コロナウイルス感染症や半導体不足の影響により、生産台数は減少しました。一方、ケミカル事業では、ファインケミカルや電機・電子分野の取引が堅調に推移しました。その結果、売上高は59,042百万円と、前連結会計年度に比べて5,235百万円(8.1%)の減収となりました。

(北米)

 北米では、新型コロナウイルス感染症の影響による工場の操業停止等により、上期は生産台数が減少しました。下期にかけて回復傾向にありましたが、第4四半期に半導体不足による減産の影響を受けました。その結果、売上高は48,470百万円と、前連結会計年度に比べて8,720百万円(15.2%)の減収となりました。

(アジア)

 アジアでは、中国において、早期に経済が回復し、自動車生産台数や原材料取引は前期を上回って好調に推移しました。一方、新型コロナウイルスの感染収束が遅れるインドやインドネシア等では回復の長期化がみられました。その結果、売上高は47,582百万円と、前連結会計年度に比べて1,164百万円(2.4%)の減収となりました。

(その他)

 その他の地域の売上高は364百万円と、前連結会計年度に比べて194百万円(34.8%)の減収となりました。

 

②財政状態

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2020年3月31日)

当連結会計年度

(2021年3月31日)

増 減

流動資産

58,624

67,360

8,736

固定資産

63,869

65,527

1,657

資産合計

122,493

132,887

10,393

流動負債

44,933

51,049

6,115

固定負債

11,092

11,701

609

負債合計

56,025

62,750

6,724

純資産合計

66,467

70,136

3,668

自己資本比率(%)

53.3

51.8

△1.5pt

自己資本額

65,229

68,813

3,584

負債純資産合計

122,493

132,887

10,393

 

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は67,360百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,736百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が6,266百万円、受取手形及び売掛金が1,331百万円増加したこと等によるものであります。

 また、固定資産は65,527百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,657百万円増加しました。これは主に、建設仮勘定が4,603百万円減少した一方、建物及び構築物(純額)が2,296百万円、株価上昇により投資有価証券が4,067百万円増加したこと等によるものであります。

 これらの結果、資産合計は132,887百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,393百万円増加しました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は51,049百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,115百万円増加しました。これは主に短期借入金が4,522百万円、支払手形及び買掛金が1,251百万円増加したこと等によるものであります。

 また、固定負債は11,701百万円となり、前連結会計年度末に比べ609百万円増加しました。これは主に繰延税金負債が909百万円増加したこと等によるものであります。

 これらの結果、負債合計は62,750百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,724百万円増加しました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は70,136百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,668百万円増加しました。これは主に、その他有価証券評価差額金が3,129百万円増加したこと等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

増 減

営業活動によるキャッシュ・フロー

6,042

9,693

3,651

投資活動によるキャッシュ・フロー

△12,857

△5,260

7,597

フリー・キャッシュ・フロー

△6,815

4,432

11,248

財務活動によるキャッシュ・フロー

△112

1,633

1,745

現金及び現金同等物の増減額(△減少)

△7,254

6,279

13,533

現金及び現金同等物の期末残高

11,653

17,933

6,279

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より6,279百万円増加し、17,933百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは9,693百万円(前年同期は6,042百万円)となりました。これは主に、減価償却費7,085百万円、税金等調整前当期純利益2,596百万円、減損損失2,593百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは△5,260百万円(前年同期は△12,857百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出△7,382百万円、投資有価証券の売却による収入1,641百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは1,633百万円(前年同期は△112百万円)となりました。これは主に、短期借入金の増加額4,408百万円、長期借入金の返済による支出△2,630百万円等によるものであります。

 

④生産、受注および販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

樹脂加工製品事業(百万円)

100,762

86.7

ケミカル事業(百万円)

9,692

99.7

合計(百万円)

110,454

87.7

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

樹脂加工製品事業

94,474

91.7

4,813

269.1

ケミカル事業

62,545

98.1

2,257

121.4

合計

157,019

94.2

7,070

193.8

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

樹脂加工製品事業(百万円)

93,304

87.3

ケミカル事業(百万円)

62,155

97.4

合計(百万円)

155,460

91.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Honda Manufacturing of Alabama LLC

19,086

11.2

16,697

10.7

本田技研工業株式会社

17,357

10.2

16,240

10.4

Honda of America Mfg., Inc.

17,135

10.0

13,302

8.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容

 経営成績等の状況に関する認識および分析、検討内容については、「第2部 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 経営成績に影響を与える要因については、「第2部 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合った商品・製品を提供することにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減した上で、適切な対応を図ってまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フロー)

 「第2部 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

 当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金と設備資金の二つです。運転資金の主なものは、製造子会社で製品を製造するための原材料仕入と製造費、商社として機能するための商品の仕入、共通するものとして販売費及び一般管理費等があります。設備資金の主なものは、増産や自動化・効率化、生産品目のモデルチェンジ対応のための建物や機械装置、金型等の有形固定資産取得に加え、情報処理のための無形固定資産取得等があります。

 

(財務政策)

 当社グループは、事業活動のために健全なバランスシートと適正な流動資産の保持を財務方針としております。運転資金、設備資金については,まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を充当し、不足分について有利子負債での調達を実施しております。長期借入については、事業計画に基づく資金需要、金利動向、既存借入金の返済時期等を考慮の上、調達を行っており事業継続に必要な資金を十分に賄えていると考えております。なお、投資有価証券の売却により調達した資金は、設備資金に充当いたします。

 また、不測の事態に備え、取引金融機関とコミットメントライン契約並びに、当座貸越契約を締結し、代替流動性を確保しています。

 

③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益に注視し、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本および資産の効率性判断の指標にROE(自己資本利益率)、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げております。また、当社グループは2020年3月期から2022年3月期までの中期経営計画を策定しており、最終年度である2022年3月期の目標値を営業利益率5.0%以上、ROE(自己資本利益率)9.0%以上、株主総還元性向30%以上に設定しております。

 当連結会計年度を含む、直近2会計年度の各指標の推移は、次のとおりであります。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

営業利益率

3.2%

3.6%

ROE(自己資本利益率)

5.4%

0.6%

自己資本比率

53.3%

51.8%

株主総還元性向

44.2%

220.5%

 

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

研究開発体制

 樹脂加工製品事業においては、主に自動車樹脂部品の研究開発を行っており、森六テクノロジー㈱開発センターを中心に、北米はGreenville Technology, Inc.(米国・オハイオ州)、中国は広州森六塑件有限公司、アジアはMoriroku Technology (Thailand) Co.,Ltd.に研究開発部門を設置しており、設計部門を主体とする新機種開発や開発部門を主体とする新製品および新技術の開発など各地域の顧客ニーズに合わせた取り組みを行っております。

 また、ケミカル事業においては、四国化工㈱に共押出多層技術を核とした研究開発部門を設置しており、未来を見据えた環境に優しい製品、顧客ニーズに応える製品、顧客への提案製品、今までの包装という分野とは異なる新たな機能製品を研究開発し、提供することを基本方針としております。

 当社グループでは、多様化・高度化する顧客ニーズに応える製品を研究開発し、提案・提供することを目的とし、顧客や社会の要請に応える新製品や高品質化技術およびコスト競争力強化のための製造技術の研究開発を行っております。

 当連結会計年度における事業の種類別セグメントの研究開発活動の状況は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は総額で2,579百万円となっております。

 

(1)樹脂加工製品事業

 日本国内では、当事業の強みである樹脂製品の成形技術および加工技術の活用拡大施策の一環として、大型で付加価値の高い外装部品や内装部品を対象とした開発品製作や品質試験等の研究開発活動を展開しております。また、北米、中国、タイの各開発拠点においても、日本国内の研究開発活動と連携しながら、現地生産機種を対象とした企画や提案モデルの試作品を製作し、現地の主要顧客に対してプレゼンテーションを実施しており、この活動は今後も他の開発拠点への拡大を予定しております。主な研究開発活動の内容は下記に記載しております。

 これにより、樹脂加工製品事業に係る研究開発費は2,452百万円であります。

 

①自動車の軽量化

 自動車業界では環境に対する配慮から燃費向上とCO₂排出量削減が大きな課題となっており、EV・PHV等の次世代自動車へシフトする動きがグローバルで展開されております。これに伴い、自動車メーカー各社は車両の「軽量化」に取り組んでおり、当社も樹脂部品サプライヤーの強みを生かした貢献ができるよう注力しております。

 近年取り組んできた新領域部品となるドアライニング(ドアの内側部分)においては、軽量化技術と車両側面衝突要件などが両立した社内開発が完了、当事業年度より量産が開始いたしました。現在は国内での実績から海外も含めた受注拡大に向けた取り組みと、更に進化させるための研究開発を継続展開しております。

 外装部品においてはテールゲートの樹脂化(軽量化社内目標 鉄対比30%減)に関する材料・工法等の基礎研究開発、自社での性能評価を終え、新規受注に向けた更なる商品競争力・価値向上に取り組んでおります。

 この様な「軽量化」への取り組みは今後も継続させて行くと共に、主要顧客へのプレゼンテーションを国内外で適宜実施しております。

 

② 加飾技術

 従来からある塗装技術、また当社が得意とするフィルムシートを用いた真空貼合、インモールド、インサートなど幅広い加飾技術を生かし、魅力ある意匠と廉価な工法を兼ねそろえた開発を進化継続させ、世界各地域での多様なニーズに適応しております。

 また、自動運転が普及する中、車内の快適さや居住性を高める「内装のリビング化」に向けた研究も進めております。当社が得意とする加飾技術と、電装やイルミネーション技術を融合させることで、更なる魅力ある商品を展開してきます。

 

③ 地球環境保護への対応

 当社は、自動車産業に携わる一員として、地球環境保護を重要課題と認識しており、環境に配慮した工法や素材開発に注力しております。

 メッキ加工の代替技術として、既に採用されているホットスタンプ工法(箔押し)を用いた内装部品への適用と大型外装部品への新規適用に向けた開発を行い、環境へ配慮した工法の適用拡大提案を進めております。

 また、サスティナブル材料として期待される植物繊維の活用に向けた基礎研究にも取り組んでおります。植物由来繊維は、その特徴を生かした外観部品や、剛性素材としての活用が期待されています。各々の自動車部品性能に適した材料の研究・選定を行い、適用に向けたアクションを進めていきます。

 

④ 顧客ニーズの吸上げ

 近年激変する自動車業界において主要顧客と定期的にニーズや情報を共有、当社独自の要素を反映した商品企画開発につなげております。

 この様な最新の市場ニーズやトレンドを考慮した製品コンセプトの企画から設計、具現化試作モデルを製作し主要顧客へのプレゼンテーションを日本国内および海外において実施、魅力ある製品としての高付加価値化に取り組んでおります。

 

(2)ケミカル事業

 当事業の主な研究開発活動は、四国化工㈱において、食品加工業界および医療業界向け用途拡大を図るべく、同社の中核技術である「共押出多層フィルム」の製造設備、生産技術の質的拡大および新製品の研究開発等を展開しております。

 これにより、ケミカル事業に係る研究開発費の金額は126百万円であります。