第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、パーパスを設定し、その実現に向けて事業を展開しております。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としております。

 今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループでは、創業来の主力サービスであるインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」が持つ大量の広告配信データと顧客基盤を活かし、広告主向けの「GENIEE DSP」「GENIEE DMP」といったアド・プラットフォーム事業を展開しています。また、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索ASP・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などBtoB向けSaaSプロダクトの提供も開始し、事業領域を拡大しております。さらに、2012年(創業3年目)からは海外事業展開に着手し、サービス提供地域の拡大も図っております。

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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、収益の源泉となる「売上高」と収益力の基礎指標である「売上総利益」に加えて、当社グループとしてM&Aを活用した事業基盤の強化や拡大を積極的に目指していく中、各国の会計基準の差異にとらわれることなく企業比較が可能なEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)の3指標を重視しております。

 

(4)対処すべき課題

 当社グループが対処すべき主な課題は、以下のとおりです。

 

① 技術革新及びインターネット業界の変化への対応

 当社グループが事業を展開するインターネット業界は、第4次産業革命とも言われるデジタル産業革命が進む中、大きな変化と可能性が想定されます。主力事業が属するインターネット広告市場では、ビッグデータやAI(人工知能)の活用による広告配信の精度向上や自動化の促進、IoTの進展やデジタルサイネージの活用による広告バリエーションの増加等の変化が考えられます。また、マーケティングSaaS事業が属する情報通信サービス市場では、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するサービスの提供が強く求められています。こうした中、当社グループは、インターネット業界の技術革新を牽引し、新たな市場の変化を捉えたプロダクトをいち早く開発・提供することが、今後の事業規模拡大に必要不可欠であると考えております。

 

② 新規事業の創出及びM&A等による事業領域の拡大

 当社グループは、創業来の主力サービスであるインターネットメディア向けの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」を主軸とするアドテクノロジー領域に加え、2016年7月よりマーケティングオートメーション「GENIEE MA」の提供を開始し、マーケティングテクノロジー領域における事業領域を拡大しております。SaaSビジネス領域を拡大するため、2021年8月には、顧客獲得・管理チャットボットを開発・提供する株式会社REACTを完全子会社化しました。さらに、2022年2月に、重点領域であるEC顧客(D2C)へのサービス拡充及び収益機会の拡大のため、CATS株式会社を完全子会社化しました。今後も、国内外の企業様が抱える様々なマーケティング課題の解決に向け、新規事業の創出や事業シナジーが発揮できる分野でのM&A等により、積極的に事業領域の拡大に取り組んでまいります。

 

③ 海外市場におけるシェア拡大及び新市場の開拓

 当社グループは、2012年から海外事業展開に着手し、現在、シンガポール・ベトナム・インドネシア・タイに現地拠点を置き、現地の大手通信キャリアやアドネットワーク等、現地企業様向けに「GENIEE SSP」等のサービスを提供しています。今後も、インターネット広告市場の高い成長率が見込まれるアジア地域を中心に、既存拠点における顧客開拓、さらには未展開地域の市場開拓に取り組み、グループ全体の事業規模拡大を図ってまいります。

 

④ 開発体制の強化

 当社グループでは、提供しているプロダクトの企画や開発・運用等を内製化しております。このため、技術革新や市場の変化を捉えた最先端のプロダクトを開発・提供することが、事業規模拡大に必要不可欠であると認識しております。今後も、最先端の技術動向のキャッチアップと技術力の向上を図り、顧客ニーズを捉えた開発をスピーディーに行うべく、開発体制の強化に取り組んでまいります。

 

⑤ 優秀な人材の確保及びグローバル組織体制の強化

 当社グループは、更なる事業拡大と業界革新を実現していく上で、優秀な人材の確保やグローバル組織体制の強化が必要不可欠であると認識しております。このため、各事業フェーズに合わせ即戦力となる人材確保を目的とした中途採用と、組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行っています。また、グローバルで業界を牽引する人材の育成を重点課題と位置づけ、職種別・階層別研修の実施や、専門資格の取得支援、英語学習支援等、幅広い成長機会の創出・支援を行っています。さらに、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力、情熱を持つ人材を積極的に登用し、適材適所を見極めながら事業状況に合わせた臨機応変な組織改編をスピーディーに行うことで、グローバルで強い組織体制を作ってまいります。

 

⑥ ブランディングの強化

 当社グループは、アドテクノロジー業界において一定の認知を得ているものの、中長期で更なる事業拡大を図り成長を加速していく上で、会社及びプロダクトのブランディングを強化していく必要があると考えております。2022年1月にお客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。国内はもちろんのこと、グローバルでのPR活動を含めて、費用対効果を見極めた広告宣伝活動及び広報活動等を行ってまいります。

 

⑦ 内部管理体制の強化

 当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、J-SOXに対応した内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。

 

⑧ システムの安定性の確保

 当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたり、国内外での市場シェア拡大や新規プロダクトの提供、海外拠点の効率的運用等を念頭に置いた、サーバー設備の増強や負荷分散システムの導入等が必要不可欠であると認識しております。今後も、中長期的な視点から設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでまいります。

 

⑨ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について

 当社グループは、顧客に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めてまいります。

 

⑩ 新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当社グループとしては、従業員の勤務体系を出社とリモートワークを組み合わせたものとし、顧客等社外の打ち合わせもビデオ会議などリモートでの対応を取り、柔軟に事業を継続できる体制整備に努めております。一方、広告主の出稿抑制や見込み顧客の投資抑制により、新たな案件の獲得が想定通りに進まない可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、状況の変化に対応しつつ、適宜計画の見直しと必要な施策を実施してまいります。

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる事項は、以下のとおりです。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

 ① インターネット広告市場の動向及び競争環境について

 当社グループが主たる事業を展開するインターネット広告業界は、市場規模が過去10年足らずで急速に拡大いたしました。インターネットに限らず、広告事業は一般的に景気動向の影響を受けやすい傾向があります。今後、景気の悪化、広告予算の減額、または市場規模が想定したほど拡大しなければ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、依然として激しい競争環境の中で、当社グループは競合優位性を確立し競争力を高めるべく様々な施策を講じております。しかしながら、必ずしもこのような施策が奏功し競合優位性の確立につながるとは限らず、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 技術革新への対応について

 当社グループのサービスは、インターネット関連技術に基づき事業展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。また、広告を表示するデバイス面においては、スマートフォンやタブレットなどの端末の普及が急速に進んでおり、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。

 このため、当社グループは、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、また特にスマートフォンに関する技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。

 しかしながら、係る知見やノウハウの獲得が困難な場合、また技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社グループの技術力低下、それに伴うサービス品質の低下、そして競争力の低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 海外事業のリスクについて

 当社グループは、シンガポール、ベトナム、インドネシア、タイに子会社を有しており、アジア地域でインターネット広告事業を展開しております。海外事業は、当社グループの将来の成長投資と位置づけており、今後も適宜事業を展開してまいりますが、各国特有の商習慣や政府規制等に対応できない等により事業の推進が困難になった場合には、投資を回収できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 自然災害等について

 当社グループの事業活動に必要なサーバーについては、自然災害、事故等が発生した場合に備え、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めております。ただし、万一、当社本社の所在地である東京都において大地震や台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社が提供するサービスの継続に支障をきたす可能性があります。また、損害を被った設備等の修復や被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤ 新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当社グループとしては、従業員の勤務体系を出社とリモートワークを組み合わせたものとし、顧客等社外の打ち合わせもビデオ会議などリモートでの対応を取り、柔軟に事業を継続できる体制整備に努めております。一方、広告主の出稿抑制や見込み顧客の投資抑制により、新たな案件の獲得が想定通りに進まない可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、状況の変化に対応しつつ、適宜計画の見直しと必要な施策を実施してまいります。

 

(2)事業内容に関するリスク

 ① 広告プラットフォーム事業について

 ⅰ 季節変動について

 当社グループの広告プラットフォーム事業の売上は、広告主の広告予算により構成されるため、広告主による月ごとの予算配分に影響を受け、12月及び決算月(主に3月)に集中する傾向にあります。

 このため、安定的に月次業績が推移する業種に比べ、売上及び利益の変動が起こりやすいほか、繁忙期に業務が継続するような労働力を確保しておく必要があるため、変動が大きく下振れ幅が顕著な場合には当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

 ⅱ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について

 当社グループの広告プラットフォーム事業においては、顧客に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引の減少に努めております。しかしながら、万一、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じた場合、顧客への損害補填が必要となる等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② マーケティングSaaS事業について

 マーケティングSaaS事業においては、2016年7月よりマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、2018年6月よりCRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、2018年11月よりチャット接客ツール「GENIEE CHAT」の提供を開始し、2020年11月にはサイト内検索サービス、ECサイト検索サービスなどを提供しているビジネスサーチテクノロジ株式会社を完全子会社化し、2021年8月に株式会社REACTを、2022年2月にCATS株式会社を完全子会社化し積極的に事業領域を拡大しております。

 現在、シェア獲得と事業の拡大に注力していますが、顧客企業の獲得やマネタイズ(収益化)方策の進捗等が計画通りに推移しない場合には、事業の黒字化が遅滞し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)事業の拡大・展開に関するリスク

 ① 特定事業への依存について

 当社グループの収益は、当事業年度時点において、創業期から経営資源を集中してきた主力事業である「GENIEE SSP」の割合が高くなっております。現在、「GENIEE DSP」やデジタルOOH領域の事業、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」など事業領域の拡大を図ることで収益基盤の強化・拡大を図っております。今後につきましては、各事業の市場シェア拡大を図るとともに、新機能・新規サービスの開発にも取り組んでまいります。

 しかしながら、事業環境の変化等により、当社グループの上記施策が想定通りに進まない場合や、取引先における配信ポリシーの変更又はシステム障害等により取引量等が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② ソフトバンクグループとの取引について

 当連結会計年度末現在において、当社グループは、当社議決権を31.7%所有するソフトバンク株式会社を含むソフトバンクグループに属しており、ソフトバンクグループは当社グループのその他の関係会社に該当いたします。ソフトバンクグループの中で、当社グループは持分法適用会社として属しておりますが、当社取締役会の承認事項に関して特別取り扱いを定めた契約等は締結しておらず、当社グループの取締役会の独立性は確保されております。

 また、提出日現在の当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名のうち1名は、その豊富な経験に基づく経営体制の強化等を目的として、ソフトバンク株式会社から招聘しております。その者の氏名並びに当社及びソフトバンクグループにおける主な役職は以下のとおりであります。

 

当社における役職

氏名

ソフトバンクグループにおける主な役職

取締役(非常勤)

町田 紘一

ソフトバンク株式会社 デジタルマーケティング本部 新規事業推進室長

 

 当連結会計年度における当社グループのソフトバンクグループ(注)との取引総額は、当社グループの売上については1,517,656千円(当社グループの売上に占める割合は10.5%)、費用に係る取引総額は1,477,407千円(当社グループの売上原価と販売費及び一般管理費に占める割合は10.8%)であります。ただし、ソフトバンクグループの事業方針等により取引条件の変更が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(注)「ソフトバンクグループ」とは、ソフトバンクグループ株式会社とその子会社ソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社及びLINE株式会社等を意味しております。

 

 ③ サービス領域の拡大について

 当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが速いインターネットを軸とした多岐にわたる事業をサービス領域としています。新しいサービスを創出し、また時代の流れに即したビジネスモデルを構築する目的で、新規のサービス領域に参入を行っています。新規サービスを開始するに当たっては、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、そのサービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスク要因でも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。

 新規参入した市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があります。また、サービスの停止、撤退等においては、事業用資産の処分や償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 他企業の買収や投資等に関するリスク

 当社グループは成長戦略の一環として、他企業の買収や他企業への投資を行うことがあります。買収を行う際には、対象企業の事業モデル、財務内容、契約関係、及び労務関係等について詳細な事前調査を行い、事業リスクを極力回避するように努めておりますが、買収を実施した後に、偶発債務や未認識債務の発生、被買収企業に対して当社グループの内部統制を適切かつ有効に運用できないことにより不正行為やコンプライアンス上の問題等が発生する可能性も考えられます。また、買収によって新たにのれんが発生し、その償却費用が増加する可能性があります。これらの要因により、期待する成果を達成できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 

 ⑤ 減損に関するリスク

 当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産(ソフトウェア、のれん等)及び投資有価証券を保有しております。経営会議及び取締役会にて事業リスクの把握と速やかな対処を行い、極力事業リスクを回避するように努めておりますが、市場環境の急激な悪化や競争環境の激化などにより、有形固定資産及び無形固定資産を保有する事業に減損兆候があり、かつ事業収益から得られる割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合は減損処理を行います。投資有価証券は、投資先企業の財政状況の悪化などにより、投資価値が毀損したと判断した場合には減損もしくは引当金計上の処理を行います。これら減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスク

 ① 人材の確保及び育成について

 当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材を採用し育成することは当社グループにとって重要な課題であると認識しております。したがって、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、事業内容の急速な変化、事業規模の急拡大に伴う業務量の増加、及び人材マーケットの需給バランスやその他何らかの要因により、必要な人材の確保や育成ができなかった場合、若しくは重要な人材の流出や想定以上の退職者が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ② システムリスクについて

 当社グループの事業は、そのサービスを、サーバーを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客に提供しております。これらのサービスにおいては、システムの増強やバックアップ体制の強化など安定稼動のために常に対策を講じておりますが、機器の不具合、自然災害、想定を超える急激なアクセス増、コンピュータウィルス等によりコンピュータシステムや通信ネットワークに障害が発生したり、不正なアクセスによりプログラム等の内容が改ざんされた場合、サービスの停止を余儀なくされる他、状況によっては顧客からの信用が低下したり損害賠償を請求されたりするなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 訴訟リスク、取引上のトラブルについて

 当社グループは、リスク管理体制の整備・改善を継続的に図ってまいりますが、国内外を問わず積極的に事業拡大を推進していく上で、顧客・取引先・株主・従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 法的規制について

 インターネットを規制する国内の法律として「個人情報の保護に関する法律」があります。当社グループは、SSP、DSP、DMP等のサービスのプラットフォームを通じて、Cookie(クッキー)技術を利用し、当社と提携するWebサイトを閲覧したユーザーの行動履歴(アクセスしたURL、コンテンツ、参照順等)等を取得することがあります。

 現時点では当社グループの事業の阻害要因になっておりませんが、今後、インターネット広告に関するサービスを提供するうえで新たな法律の制定や既存の法律が改正されたり、自主規制が求められたりした場合には、サービスの提供が制約を受け、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤ 情報セキュリティ及び個人情報の管理について

 当社グループでは、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、マーケティングオートメーション「GENIEE MA」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」にて、導入企業様から顧客情報等の情報資産をお預かりしております。当社グループは、これらの個人情報の管理に関して、プライバシーポリシーを策定し、その遵守に努めております。さらに、プライバシーマーク認定を取得するなど、個人情報の管理に関して水準の維持・向上に取り組んでおります。しかしながら、何らかの事情によって外部からの不正手段によるサーバー等のネットワーク内への侵入や役職員の不適切な作業により、システム障害や情報流出事故が発生した場合は、当社グループの社会的な信用低下、被害を受けた企業・個人等からの損害賠償等によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑥ 知的財産権について

 当社グループでは、第三者の知的財産権侵害の可能性については調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループのサービスにおいて、知的財産権侵害の可能性を完全に把握することは困難であります。何らかの事情により当社の保有する知的財産権について、侵害があった場合もしくは他社の知的財産権を侵害し、差止請求もしくは損害賠償請求を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑦ 内部管理体制について

 当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令・ルールの遵守及び定期的な内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生する可能性は皆無ではないため、これらの事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 ⑧ 特定人物への依存について

 当社の代表取締役社長である工藤智昭は、当社の創業者であり、創業以来の最高経営責任者であります。同氏は、インターネット広告におけるサービスの開発技術及びそれらに関する豊富な経験と知識を有しており、技術的判断、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

 当社グループでは、取締役会や経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。

 しかしながら、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑨ 社歴が浅いことについて

 当社は2010年4月に設立された社歴の浅い会社であります。現在まで、収益について成長を継続しておりますが、インターネット広告業界を取り巻く環境はスピードが速く流動的であるため、当社グループにおける経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。また、そのような中で過年度の財政状態及び経営成績からでは今後の業績を予測するには不十分な面があります。

 

(5)その他

 ① 配当政策について

 当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

 しかしながら、現時点では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針です。

 

 ② ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について

 当社は、当社取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストック・オプションを発行する可能性があります。

 これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、2022年3月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は85,369株であり、発行済株式総数(自己株式を除く)17,717,861株の0.5%に相当しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当社グループは、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人としての性質が強いと判断されるものについては、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識することとしています。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減分析および前期比(%)を記載せずに説明しております。

 

 当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの成長を続け、運用型広告のさらなる拡大や巣ごもり需要によるソーシャル広告、動画広告の増加により2021年のインターネット広告媒体費は前年比122.8%の2兆1,571億円となり、2022年には2兆4,811億円(※1)まで拡大すると見込まれております。

 また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業における働き方の変化や業務のデジタル化推進など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として成長をさらに加速させており、2024年には約1兆1,000億円(※2)へ拡大する見通しです。

 国内経済においては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、先行き不透明な状況が続いております。その一方で、テレワークの普及やオンラインショッピング、非接触型決済の拡大など、デジタル技術を活用した生活・消費行動への移行が進んでおります。

 このような事業環境の下、当社グループは、企業のあらゆるマーケティング活動をテクノロジーで支援し、日本とアジアに貢献するため、パーパスを新たに設定しました。Business Purpose(ジーニーのプロダクトやサービスが実現する世界観)として、「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」、Corporate Purpose(組織の長期目標・存在意義)として、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」としました。また、Purpose実現に向けて、お客様にサービスをより分かりやすく、使いやすく提供できるよう、新ブランド「GENIEE Marketing Cloud」「GENIEE Ads Platform」を立ち上げ、プロダクト名とロゴを刷新しました。

 今後も日本発のテクノロジーカンパニーとして、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、事業セグメントを広告プラットフォーム事業、マーケティングSaaS事業、海外事業として開示しております。従来、マーケティングソリューション事業(現マーケティングSaaS事業)に含まれていた一部の事業を広告プラットフォーム事業に変更しております。また、上記の通り「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、当連結会計年度におけるセグメント別の業績については、前連結会計年度との比較分析を行っておりません。

・広告プラットフォーム事業

 広告プラットフォーム事業では、Webサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しております。具体的には、インターネットメディア向けの「GenieeSSP」や広告主/広告代理店向けの「GenieeDSP」等があり、これらプラットフォームのOEM提供も行っております。

 「GenieeSSP」や「GenieeDSP」経由で広告が配信されると、広告表示回数や単価に応じて広告主から当社グループへ広告掲載料(=当社グループの売上)が支払われます。広告代理店や他社DSP、アドネットワーク、OEM提供先を介して広告が配信される場合は、広告主からそれらを経由して広告掲載料をいただいております。

 当期は、サプライサイドビジネスにおいて、媒体社の広告収益とユーザーエンゲージメントを高める「Web動画リワード広告」フォーマットの提供を開始したほか、気象庁ホームページの広告運用事業における広告配信システムの提供や大型媒体との取引開始など、プロダクトの大幅なアップデートや拡販を行いました。また、デマンドサイドビジネスにおいては、コロナ禍でも伸びているECサイトやオンラインサービスを中心に事業を拡大しました。さらに、自社開発及び他社との連携による3rd Party Cookieに依存しない共通IDを活用する広告配信の検証を開始しました。

 デジタルOOH(※3)領域においては、屋外広告媒体との新規取引や新規DSPとの連携など、広告配信面の拡大と流通量の増加に努めました。

 この結果、同事業の売上高は、11,246百万円、セグメント利益は1,727百万円となりました。

 

 

・マーケティングSaaS事業

 マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを中心に、顧客企業の広告運用代行サービスを含めた各種ソリューションを提供しております。具体的には、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)及び顧客管理システム(CRM)「GENIEE SFA/CRM」、企業のマーケティング活動を自動化し、効率的に潜在顧客の集客や購買意欲等の向上を実現するマーケティングオートメーション「GENIEE MA」、国内有数の導入企業社数4,500社を誇るチャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」などがあります。

 「GENIEE SFA/CRM」「GENIEE MA」「GENIEE CHAT」「GENIEE SEARCH」などのSaaSプロダクトでは、基本的に導入企業様より月額でシステムやサービスの利用料(=当社グループの売上)をいただいております。

 当期は、「GENIEE SFA/CRM」などの各プロダクトの機能強化を進めたほか、新商品「GENIEE DATA CONNECT」、「GENIEE BI」の提供を開始しました。また、オンラインセミナーの開催やオンライン展示会などへの参加により、プロダクトの拡販に努めました。さらに、SaaSプロダクトの機能やサービスの拡充のため、積極的なM&Aを実施しました。業務提携においては、不動産事業に特化したSaaS型サービスを展開するSS Technologies株式会社と、不動産事業者向けにDXを推進するためのシステムの共同構築を開始しました。重点領域であるEC顧客(D2C)へのサービス拡充及び収益機会の拡大のため、株式会社REACT及びCATS株式会社を完全子会社化し、顧客獲得・管理チャットボット機能や広告効果測定、分析レポート機能を追加しプロダクト機能を強化・拡充しました。

この結果、同事業の売上高は、1,176百万円、セグメント利益は125百万円となりました。

 

・海外事業

 海外事業では、インターネットメディア向けの「GenieeSSP」や広告主/広告代理店向けの「GenieeDSP」をはじめとした事業を中心に展開しております。

 当期は、リセラー及びパートナーシップビジネスの強化を推進しました。また、DAILYMOTION ASIA PACIFIC及びGLIACLOUDとAPACにおける事業拡大に向けた提携を行いました。

この結果、同事業の売上高は、2,131百万円、セグメント利益は163百万円となりました。

 

 この結果、当期の業績は、売上高14,459百万円、営業利益738百万円(前期は営業利益195百万円)、経常利益746百万円(前期は経常利益149百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益335百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益101百万円)となりました。

 なお、当社グループでは、M&Aを活用した事業基盤の強化や拡大を積極的に目指していく中、各国の会計基準の差異にとらわれることなく企業比較が可能なEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を経営指標として重視しており、当期のEBITDAは1,325百万円(前期は587百万円)となりました。

 

注.1 株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI) /株式会社 D2C /株式会社電通 /株式会社電通デジタル調べ

注.2 出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」

注.3 OOHとは、Out Of Homeの略で、交通広告や屋外広告など自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,476百万円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、1,139百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益499百万円、減価償却費の計上412百万円、のれん償却費の計上174百万円、売上債権の増加497百万円、仕入債務の増加522百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、1,273百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出675百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出544百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、483百万円となりました。これは主に、短期借入による収入1,209百万円、長期借入による収入800百万円、短期借入金の返済による支出813百万円、長期借入金の返済による支出326百万円、自己株式の取得による支出299百万円等によるものです。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2)受注実績

 当社グループで行う事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

広告プラットフォーム事業

11,224,484

94.29

マーケティングSaaS事業

1,176,980

175.85

海外事業

2,057,988

138.25

合計

14,459,453

102.83

 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

        2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Google Inc.

5,141,089

36.6

5,138,102

35.5

ヤフー株式会社

991,603

7.1

1,429,868

9.9

3.上記のGoogle Inc.に対する売上高には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等の各社に対する売上高が含まれております。

 

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理を行う可能性があります。

 

(有価証券の評価)

 当社グループは、長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を保有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に、株式等の減損処理を実施することとしております。従って、経済情勢の変化等により、投資先企業の財政状態の悪化に伴い、投資価値が毀損することがあり、その場合、必要と認められた額について引当金又は減損処理を行う可能性があります。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は3,815百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,088百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が384百万円増加し、売掛金が540百万円増加したことによるものであります。固定資産は3,520百万円となり、前連結会計年度末に比べ595百万円増加いたしました。これは主にのれん390百万円増加、ソフトウエア仮勘定95百万円増加などにより無形固定資産が527百万円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は7,336百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,684百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は3,488百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,334百万円増加いたしました。これは主に、買掛金が500百万円増加、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が630百万円増加、また未

払法人税等が142百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,114百万円となり、前連結会計年度末に比べ274百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金が237百万円増加、資産除去債務が17百万円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は4,603百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,608百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は2,732百万円となり、前連結会計年度末に比べ75百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上335百万円及び自己株式の取得299百万円によるもので

す。

 この結果、自己資本比率は37.1%(前連結会計年度末は47.0%)となりました。

 

(3)経営成績の分析

 経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(6)当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資及びM&A等の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,237百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,476百万円となっております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)業務提携契約等

当社グループは以下のとおり、業務提携契約等を締結しております。

 

契約先名

契約の名称

契約内容

契約締結日

ソフトバンクグループ株式会社

業務提携契約

1.ソフトバンクグループ株式会社に対する日本における当社システム及び当社サービスの使用及び第三者への再許諾/付与に関する非独占的許諾

2.ソフトバンクSSPにて取得したデータの双方での共有

3.ソフトバンクグループ株式会社の持つネットワークを活用した、ソフトバンクSSPの営業強化

4.人材交流によるパートナーシップの醸成

2014年10月9日

(以降1年毎自動更新)

業務委託契約

ソフトバンクグループ株式会社が当社に対し、広告配信・掲載業務を委託し、当社が当該業務を実施する。

2016年10月28日

(以降1年毎自動更新)

販売代理店基本契約

ソフトバンクグループ株式会社の広告配信プラットフォームの非独占的使用権を、当社が、第三者に販売する。

2016年11月15日

(以降1年毎自動更新)

 

(2)株式取得による子会社化

 当社は、2021年6月24日開催の取締役会において、株式会社REACTの株式を取得することを決議し、2021年8月2日付けで既存株主より同社の全株式を取得して子会社化いたしました。

 また、2022年1月27日開催の取締役会においてCATS株式会社の株式を取得することを決議し、2022年2月28日付けで既存株主より同社の全株式を取得して子会社化いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、広告主とインターネットユーザーとの関連度の分析、また、インターネットメディアのカテゴリー分類の研究であり、研究開発費は2,412千円であります。

 研究開発体制について、専属で行う部署、人員は存在しておりませんが、R&D統括本部基盤技術開発部を中心に各部が臨機応変に協力して分析・研究活動を行っております。