第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

国際財務報告基準

移行日

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2021年

4月1日

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上収益

(千円)

14,399,385

6,455,074

8,012,511

11,321,923

税引前利益

(千円)

717,256

2,279,008

1,277,180

2,267,436

親会社の所有者に帰属する
当期利益

(千円)

500,637

2,114,713

1,031,897

1,954,240

親会社の所有者に帰属する
当期包括利益

(千円)

529,016

2,166,415

2,201,498

1,635,458

親会社の所有者に帰属する
持分

(千円)

2,609,013

2,841,894

4,995,430

7,248,376

7,887,322

総資産額

(千円)

5,884,694

7,659,487

17,780,313

19,197,059

23,883,632

1株当たり親会社所有者
帰属持分

(円)

144.56

160.40

282.50

409.29

321.10

基本的1株当たり当期利益

(円)

27.86

119.52

58.31

136.30

希薄化後1株当たり
当期利益

(円)

27.73

119.45

58.29

136.22

親会社所有者帰属持分比率

(%)

44.3

37.1

28.1

37.8

33.0

親会社所有者帰属
持分当期利益率

(%)

18.4

54.0

16.9

25.8

株価収益率

(倍)

41.0

17.6

19.0

11.6

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,235,891

1,389,468

1,139,702

2,231,377

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,202,642

5,967,149

831,131

1,146,666

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

316,409

5,926,344

836,984

777,658

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,091,864

1,476,761

2,875,883

2,494,494

2,861,486

従業員数

(名)

307

346

566

617

877

(ほか、平均臨時
雇用人員)

(59)

(84)

(100)

(116)

(317)

 

(注) 1.第13期より国際財務報告基準(以下「IFRS」という)に準拠して連結財務諸表を作成しております。

2.第14期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第13期の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。

 

 

 

 

回次

日本基準

第11期

第12期

第13期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高

(千円)

14,061,504

14,459,453

6,455,074

経常利益

(千円)

149,217

746,331

660,725

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

101,711

335,862

1,649,546

包括利益

(千円)

103,913

369,335

1,726,492

純資産額

(千円)

2,657,329

2,732,548

4,428,708

総資産額

(千円)

5,652,042

7,336,257

15,845,659

1株当たり純資産額

(円)

147.12

153.60

250.05

1株当たり当期純利益

(円)

5.66

18.69

93.28

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

5.61

18.61

93.17

自己資本比率

(%)

47.0

37.1

27.9

自己資本利益率

(%)

3.9

12.5

46.6

株価収益率

(倍)

159.5

61.1

22.5

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

431,300

1,139,885

1,162,747

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

1,456,268

1,273,938

5,967,149

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

912,441

483,710

6,153,065

現金及び現金同等物の
期末残高

(千円)

1,091,864

1,476,761

2,875,883

従業員数

(名)

307

346

566

(ほか、平均臨時雇用人員)

(59)

(84)

(100)

 

(注) 第13期の日本基準に基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

売上高

(千円)

12,511,834

11,908,406

4,691,415

5,928,699

7,902,063

経常利益又

(千円)

122,670

626,898

549,106

715,982

850,983

当期純利益
 

(千円)

99,971

271,830

148,798

287,227

580,627

資本金

(千円)

1,549,591

1,549,591

1,549,591

1,553,336

100,000

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

 

18,048,200

18,048,200

18,048,200

18,056,400

18,056,400

A種優先株式

 

10,000,000

純資産額

(千円)

2,668,866

2,647,034

2,767,705

3,083,162

2,537,144

総資産額

(千円)

5,417,810

6,870,772

13,034,293

13,617,301

16,065,674

1株当たり純資産額

(円)

147.76

149.24

156.35

173.96

120.97

1株当たり配当額

 

 

 

 

 

 

普通株式

(円)

(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

A種優先株式

(円)

5.06

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

5.56

15.13

8.40

16.23

37.94

潜在株式調整後1株当たり
当期純利益

(円)

5.52

15.06

8.40

16.22

37.96

自己資本比率

(%)

49.2

38.5

21.2

22.6

15.8

自己資本利益率

(%)

3.8

10.2

5.5

9.8

20.7

株価収益率

(倍)

162.4

75.5

250.2

68.3

41.5

配当性向

(%)

従業員数

(名)

224

235

300

380

489

(ほか、平均臨時雇用人員)

(58)

(81)

(99)

(99)

(149)

株主総利回り

(%)

146.1

184.8

340.1

169.3

255.0

(比較指標:東証グロース
市場250指数)

(%)

(194.0)

(127.4)

(120.9)

(120.4)

(105.1)

最高株価

(円)

1,140

1,611

2,320

1,649

1,876

最低株価

(円)

484

650

842

851

808

 

(注)1.最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所マザーズ市場におけるものであります。

2.第15期の1株当たり純資産は、自己株式数を除外した期末発行済株式総数により算出しています。また、A種優先株式に優先して配分される残余財産額を純資産の部の合計額から控除して算定しており、計算結果はマイナスとなっています。

 

 

2 【沿革】

当社は、“日本発の世界的なテクノロジー企業をつくりたい”という想いのもと、2010年4月に設立された会社です。当時、インターネット広告業界において「RTB」(注1)という新しい技術が登場し、ドラスティックな変化と成長の可能性が感じられた頃でした。こうした中、当社は、RTB技術を活用したインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「SSP」(注2)の開発・提供を始めました。

当社の設立から現在に至るまでの沿革は、以下のとおりであります。

 

年月

事項

2010年4月

東京都港区西新橋に株式会社ジーニーを設立

2011年2月

Google AdSenseリセラープログラム(注3)に参加し、Google AdSenseの提供を開始

2011年4月

本社を東京都港区新橋に移転

「GENIEE SSP」の提供を開始

2012年3月

本社を東京都港区六本木に移転

2012年8月

インターネット広告事業を運営する子会社としてGeniee International Pte., Ltd.(シンガポール)を設立

2013年9月

インターネット広告事業を運営する子会社としてGeniee Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)を設立

2014年3月

「GENIEE DSP」の提供を開始

2014年10月

ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)を割当先とする第三者割当増資を実施し、資本業務提携を開始

2015年3月

本社を東京都新宿区西新宿へ移転

2015年8月

株式会社ユニコンから、スマートフォンにおけるプッシュ通知サービス「Fello」事業を、吸収分割により承継

2015年9月

インターネット広告事業を運営する子会社としてPT. Geniee Technology Indonesia(インドネシア)を設立

2015年10月

「GENIEE PMP」の提供を開始

2016年7月

マーケティングオートメーション「MAJIN」の提供を開始

2016年8月

現地企業との連携強化を目的として、インドネシアにPT. Adstars Media Pariwaraを設立

2017年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2018年3月

プライバシーマークを取得(登録番号:第22000250(01)号)

2018年6月

ちきゅう株式会社から、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「ちきゅう」事業を、吸収分割により承継

2018年9月

東京都新宿区西新宿(住友不動産新宿オークタワー)へ移転

2018年10月

トレーディングデスクサービス提供業を運営するAdskom India Private Limited(インド)の株式を取得し子会社化

2018年11月

チャット接客ツール「Chamo」の開発・販売事業を運営する株式会社チャモ(日本)の株式を取得し子会社化

2019年10月

子会社である株式会社チャモを吸収合併

2020年11月

ビジネスサーチテクノロジ株式会社の全株式を取得し連結子会社化

2021年8月

株式会社REACTの全株式を取得し連結子会社化

2022年2月

CATS株式会社の全株式を取得し連結子会社化

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東証マザーズからグロース市場に移行

2022年7月

Hypersonic株式会社の全株式を取得し連結子会社化

2023年2月

Zelto,Inc.の全株式を取得し連結子会社化

2023年4月

子会社である株式会社REACTを吸収合併

2023年4月

AIを活用したプロダクト開発・販売を行う子会社 JAPAN AI株式会社を設立

2023年6月

サイジニア株式会社のグループ会社であるデクワス株式会社が運営するネット広告サービス事業を事業譲受

2023年7月

連結子会社であるJAPAN AI株式会社がNavier株式会社の運営するAI関連事業を譲受

2023年9月

子会社であるHypersonic株式会社を吸収合併

2024年4月

子会社であるビジネスサーチテクノロジ株式会社を吸収合併

2024年7月

エクイティファイナンスを実行し、JAPAN AI株式会社を持分法適用会社化

2024年7月

ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)が保有する当社株式を全量取得

2024年7月

ソーシャルワイヤー株式会社を連結子会社化

2024年9月

HiCustomer株式会社が運営する事業の一部であるデジタルセールスルーム「Arch by HiCustomer」事業を譲受

 

(注) 1.RTBとは、Real-Time Bidding(リアルタイムビッディング)の略称で、インターネット広告の表示機会が発生するたびに広告枠の競争入札をオークション方式でリアルタイムに行い、最も単価の高い広告が配信されるよう決定する、インターネット広告の入札の仕組みのことを指します。

2.SSPとは、Supply Side Platform(サプライサイドプラットフォーム)の略称で、RTB技術を用いて、インターネットメディア(Webサイト、アプリ等)の広告収益の最大化を支援するシステムのことを指します。

3.Webサイトの収益化に関するコンサルティングサービスを提供されている事業者や、Web制作会社など、多数のサイト運営者と関わりのある企業が、日本国内におけるGoogle AdSense(Google社が提供している広告配信サービス)の提案・販売活動を行うための支援プログラムです。

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、Geniee International Pte., Ltd.(シンガポール)、Geniee Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)、PT. Geniee Technology Indonesia(インドネシア)、PT. Adstars Media Pariwara(インドネシア)、Zelto,Inc.(アメリカ)、Adpushup Software India.,Ltd.(インド)、ZELTO-FZCO(UAE)、CATS株式会社、ソーシャルワイヤー株式会社、アットクリッピング株式会社、CROSSCOOP PHILIPPINES INC.(フィリピン)、Crosscoop (Thailand) Co., Ltd.(タイ)、Crosscoop Vietnam Consulting Company Limited.(ベトナム)、MK1Technology VIETNAM Company Limited(ベトナム)の8か国計15社で構成されております。

当社グループは、当社が独自開発したインターネットメディアの広告収益最大化プラットフォーム「GENIEE SSP」を主軸に、「GENIEE SSP」が持つ大量の広告配信データと顧客基盤を活かした広告主向けの「GENIEE DSP」などの広告プラットフォーム事業を展開しております。また、マーケティングSaaS事業として、営業活動における商談管理のための営業管理システム(SFA)及び顧客管理システム(CRM)「GENIEE SFA/CRM」、チャット型Web接客プラットフォーム「GENIEE CHAT」、サイト内検索・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」、広告効果測定ツール「GENIEE ANALYTICS」などを展開しております。また、2012年からは海外事業展開に着手し、サービス提供地域の拡大を図っております。このように、当社グループは、事業領域(事業軸)とサービス提供地域(地域軸)の2軸を拡大することで、成長を続けてまいりました。

 

<当社グループの特徴>

当社グループは、技術開発力と事業推進力の相乗効果により、売上収益の拡大を実現してきました。

・技術開発力について

当社グループでは、テクノロジーの進化の速さや、国内外のメディア企業・広告主・広告代理店といった顧客企業の利用ニーズに対応すべく、各プロダクトの企画から開発、運用、提供、サポートまで内製化しております。これにより、顧客企業様からいただくご要望や技術進化へタイムリーな対応を可能にしています。また、アドテクノロジー領域における最先端の技術開発力を強みに、独自開発した広告配信プラットフォームを自社ブランドとして直接顧客へ提供するだけでなく、国内外の企業様へOEM(注1)提供しております。

当社グループの広告配信プラットフォーム上では、1秒間に数十万件の入札(広告配信注文)があり、膨大なデータを超高速で処理するため、システム基盤を自社開発で構築しています。また、ビッグデータやAI(人工知能)を活用することで、広告配信の精度向上や自動化の促進等に取り組んでおります。

その他にも、コンピュータサイエンスの博士/修士課程出身のエンジニアが多数所属しており、日々新技術の研究開発に取り組んでおります。

・事業推進力について

当社は、プロダクトを開発するエンジニア(作り手)と提供する営業・サポート担当(売り手)の比率が多く、連携して事業拡大を推進しております。2025年3月末時点の職種別従業員構成(連結)は、エンジニア:31%、ビジネス:57%、コーポレート:12%となっております。

また、当社は、国内外の通信キャリアや有力企業と資本業務提携し、OEM提供やデータ連携等を行っております。

 

<当社グループの事業環境>

当社グループを取り巻く事業環境については、「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(※1)によれば、2024年の日本の総広告費は、企業収益や消費意欲の高まり、インバウンド需要の拡大、世界的イベントの影響等を背景に、前年比4.9%増の7兆6,730億円となり、3年連続で過去最高を更新いたしました。中でも、社会のデジタル化を受けてインターネット広告市場が著しく成長しており、動画広告需要の拡大を主因として、インターネット広告費は前年比9.6%増の3兆6,517億円と過去最高を記録しております。

また、当社グループが事業領域を拡大しているSaaS市場は、企業の働き方や業務プロセスなどのDX(※2)推進により、その活動領域を拡大しており、2027年度には2兆990億円(※3)に拡大すると見込まれています。近年、OpenAI社が開発・公開した大規模言語モデルを用いた高度な対話型AI「ChatGPT」の急速な普及を契機として、AI技術への関心が一層高まっております。実際に、AIを業務改善やビジネスプロセスの最適化に活用する企業が増加しており、今後もこの潮流は一層加速していくものと見込まれます。

 

※1.株式会社 CARTA COMMUNICATIONS(CCI)/株式会社電通 /株式会社電通デジタル /株式会社セプテーニ調べ

※2.デジタルトランスフォーメーションの略称。

※3.出典元:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」

 

<主要サービスの概要>

当社グループは、「広告プラットフォーム事業」、「デジタルPR事業」、「マーケティングSaaS事業」、「海外事業」を展開しており、具体的な事業内容は次のとおりであります。

 

(1) 広告プラットフォーム事業

広告プラットフォーム事業では、WEBサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるプラットフォームを提供しております。具体的には、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主/広告代理店向けの「GENIEE DSP」等があり、2019年より、新たにデジタルOOH(注2)領域の事業化にも取り組んでおります。

 

① 「GENIEE SSP」(インターネットメディア事業者向けサービス)

「GENIEE SSP」は、Supply Side Platformと呼ばれる、インターネットメディア等の広告収益を最大化させるプラットフォームです。インターネットサイトやアプリ上の広告枠を閲覧するユーザー毎に、RTB技術によりオークション形式で選択された最適な広告を配信する仕組みです。配信される広告は、ユーザーの属性や行動履歴等のデータに基づいて選択された、最適で収益性の高い広告であり、ユーザーがサイトにアクセスしてから選択された広告が表示されるまで、平均0.1秒以下という速さで行われています。「GENIEE SSP」は、国内外のDSPやアドネットワーク等とシステム連携することで、広告取引(オークション)への参加者の獲得に努めており、産学連携によって研究開発された、独自の広告配信最適化アルゴリズムによって、より効果的な広告配信を実現しています。

 

② 「GENIEE DSP」(広告主・アドネットワーク事業者向けサービス)

「GENIEE DSP」は、Demand Side Platformと呼ばれる、広告主の利益を最大化するための広告買い付けプラットフォームです。「GENIEE DSP」は、「GENIEE SSP」等に接続することで、広告主のニーズに合わせて選択された枠へ配信することができます。広告枠は、インターネットユーザーの過去の行動履歴や購入履歴、位置情報等のデータに基づいて選択された、広告主にとって有望な見込み顧客と想定されるユーザー群の枠となります。

また、PMP(注3)機能により、広告主が指定した媒体に対してのみ広告配信することもできます。

 

(2) デジタルPR事業

デジタルPR事業は、2024年7月に連結子会社となったソーシャルワイヤー株式会社を中心に展開する新設セグメントです。ニュースワイヤー事業ではプレスリリース配信代行サービス「@Press」や「NEWSCAST」を提供し、インフルエンサーPR事業ではSNSインフルエンサーによる商品PRサービス「Find Model」を運営しています。さらに、クリッピング事業の「@クリッピング」ではメディア記事の精査・報告を行い、リスクチェック事業の「RISK EYES」では取引先の反社会的勢力関係や不祥事情報の確認を支援しています。

 

(3) マーケティングSaaS事業

マーケティングSaaS事業では、企業のマーケティング活動の支援を目的としたBtoB向けSaaSプロダクトを提供しております。具体的には、CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」、チャット接客ツール「GENIEE CHAT」、サイト内検索AS・ECサイト向け商品検索サービス「GENIEE SEARCH」、広告効果測定ツール「GENIEE ANALYTICS」などがあります。

 

① CRM(顧客管理)/SFA(営業管理)システム「GENIEE SFA/CRM」

「GENIEE SFA/CRM」は、顧客管理のためのCRM(Customer Relationship Management)及び営業活動における商談管理のためのSFA(Sales Force Automation)システムで、「顧客管理」「商談管理」「データ分析」等が一体となったクラウド型サービスです。直感的に使用できる操作性、一覧性が高くカスタマイズ自由な画面設計に加え、顧客情報・営業情報をリアルタイムに可視化できる点に特長を持ち、時間・場所・デバイスを選ばず、誰でも状況把握が可能となり、生産性の向上や業務の効率化を実現します。

また、当社のマーケティングオートメーションプラットフォーム「GENIEE MA」と併用することで、商談化率を向上させ、確度の高い見込顧客のスクリーニング等を実施することができます。マーケティングと営業の効率的な連携により、営業機会の最大化を実現することが可能になります。

 

② チャット接客ツール「GENIEE CHAT」

「GENIEE CHAT」は、Webサイトにチャットサポートを簡単に設置できるチャット接客ツールです。問い合わせ対応、シナリオによる業務効率化、CVR向上など、有人・無人のいずれも対応できます。自動プッシュ通知や匿名コミュニケーションなどの特徴もあり、工数削減と問い合わせ数の増加を同時に実現することができます。

 

③ サイト内検索「GENIEE SEARCH」

「GENIEE SEARCH」はWEBサイト内の検索性を向上し、顧客体験を向上するサイト内検索ツールです。Webサイトに検索機能をASPの形態で手軽で安全に、かつ柔軟にカスタマイズしてご導入することができます。Webページ(HTML)、PDFファイルなどを検索対象として、検索結果画面を表示する機能や、キーワード検索と詳細情報ページをダイレクトに繋ぐナビゲーションツールなどがあり、最短でスムーズな情報到達を実現します。

 

④ 広告効果測定ツール「GENIEE ANALYTICS」

「GENIEE ANALYTICS」は、正確な広告効果計測とコンバージョン数最大化を実現するツールです。また、サーバー間通信により媒体への情報漏洩を防ぎ、実際のコンバージョンデータを媒体に連携することで機械学習の精度を向上します。これにより、ターゲティングの最適化やCPA(顧客獲得単価)の改善が期待できます。さらに、1つの管理画面で全案件を一元管理でき、レポート出力もスプレッドシートで自動化可能なため、各媒体の管理画面での集計作業を削減し、運用工数や人件費の大幅な削減に貢献します。

 

(4) 海外事業

海外事業では、インターネットメディア向けの「GENIEE SSP」や広告主・広告代理店向けの「GENIEE DSP」を中心に展開しております。

2023年2月にZelto, Inc.(以下、Zelto)を完全子会社化し、「GENIEE SSP」や海外事業における弊社サービスとの連携・機能拡充を図ることで、世界各地のインターネットメディアや現地企業へ価値提供を実現しています。さらに、2024年9月より国内外のサプライサイド事業(Zeltoを含む)の組織体制およびオペレーションを統合し、グローバル一体型の運営体制へ移行しました。この統合を財務報告に反映させるため、2026年3月期第1四半期より、現行の「広告プラットフォーム事業」と「海外事業」を統合し、新たに「広告プラットフォーム事業」として報告する予定です。

 

(注1)Original Equipment Manufacturingの略で、他社ブランドのSSPやDSP等を開発提供すること。

(注2)OOHとは、Out Of Homeの略で、交通広告や屋外広告など自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称。

(注3)PMPとは、Private Market Placeの略で、参加できるメディアと広告主が限定された広告取引市場のこと。

 

 

<補足説明:RTBによるインターネット広告配信の仕組み>

当社グループは、Webサイトやスマートフォンアプリ上に、各々の閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示させる技術(アドテクノロジー)を使って、インターネットメディアや広告主の広告収益や効果を最大化させるシステム(プラットフォーム)を提供しております。

 


 

RTB(Real‐Time Bidding)とは、広告の表示ごとにオークション方式で最も高単価な広告を配信する仕組みで、リアルタイムにインターネット広告枠を取引できる技術です。

広告主には「できるだけ安い広告費で、ターゲットユーザーを集客したい」というニーズが、インターネットメディア等には「自社の持つ広告枠にできるだけ高い広告を載せて収益を上げたい」というニーズがあります。こうした相反するニーズに対して、システム上で広告枠をオークション形式により売買させるのがRTBで、ユーザーの属性や行動履歴等のデータに基づき、広告1枠ごとに最適化した広告配信を行います。

RTBの技術を活用し、インターネットメディア等に対して、広告収益を最大化させるプラットフォームを提供しているのがSSP事業者です。インターネットメディア等はSSPを導入することで、自社の持つ広告枠へ自動的にオークション形式で広告の入札が行われるようになるため、高単価の広告案件が掲載されやすくなり、広告収益の最大化が期待できるようになります。

一方、広告主や広告代理店等、広告枠を買う側に対して取引プラットフォームを提供しているのがDSP事業者です。

SSP事業者とDSP事業者は互いに接続し合い、SSP事業者が提供する入札リクエスト(広告の配信対象者や掲載面、配信場所などの条件)に対して、複数のDSP事業者が応札し、最も高単価で応札したDSP事業者の広告が配信されることになります。

 

<用語集>

・アドテクノロジー

インターネット広告の配信や流通のための技術で、広告主やインターネットメディア、インターネットユーザー各々にメリットをもたらします。

広告主に対しては、より費用対効果の高い広告出稿を実現することで、収益増加や商品・サービスの認知度向上等に貢献します。インターネットメディアに対しては、自社メディアに合ったより高単価な広告を表示させることで、収益増加に貢献します。インターネットユーザーに対しては、高度なターゲティング技術により、各自の興味・関心に合った情報の取得に貢献します。

 

・アドネットワーク

複数のインターネットメディア等の広告枠を集めて広告配信ネットワークを作り、広告の販売や配信を一元管理する仕組みです。広告主や広告代理店等は、そのネットワークに参加し自社のターゲット層に合ったカテゴリのメディアへ一度に大量出稿ができ、1つ1つのメディアへ広告出稿するよりも配信や管理の手間が削減できるメリットがあります。

・アドエクスチェンジ

複数のインターネットメディア等やアドネットワークを横断し、広告枠をインプレッション(広告表示)ベースで売買する市場です。

 

以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりとなります。

 


 

 


 

 


 

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
又は被所有
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

Geniee International Pte., Ltd.(注)3

シンガポール共和国

Peck Seah Street

千米ドル

7,012

広告プラットフォーム事業

100.0

営業取引

営業外取引

役員の兼務1名

Geniee Vietnam

Co., Ltd.(注)3

ベトナム社会主義共和国

ハノイ市

千ベトナムドン

3,671,600

広告プラットフォーム事業

100.0

(100.0)

営業取引

役員の兼務1名

PT. Geniee Technology Indonesia(注)3

インドネシア共和国

ジャカルタ市

千インドネシアルピア

3,440,750

広告プラットフォーム事業

100.0

(99.0)

営業取引

役員の兼務1名

PT. Adstars Media Pariwara

インドネシア共和国

ジャカルタ市

千インドネシアルピア

2,600,000

広告プラットフォーム事業

51.0

(51.0)

営業取引

役員の兼務1名

Zelto,Inc.

(注)3

アメリカ合衆国デラウェア州

千米ドル

2,656

広告プラットフォーム事業

100.0

営業取引

役員の兼務1名

Adpushup Software India.,Ltd.

インド共和国ニューデリー市

千インドルピー

100

広告プラットフォーム事業

100.0

(100.0)

ZELTO-FZCO

アラブ首長国連邦ドバイ市

千ディルハム

110

広告プラットフォーム事業

100.0

MK1 TECHNOLOGY VIETNAM

COMPANY LIMITED(注)3、5

ベトナム社会主義共和国ハノイ市

米ドル

89,864

デジタルPR事業

0.0

(49.0)

CATS株式会社(注)3

東京都新宿区

10

マーケティングSaaS事業

100.0

営業取引

営業外取引

ソーシャルワイヤー株式会社

(注)2、3、5

東京都港区

1,017

デジタルPR事業

49.0

営業取引

営業外取引

役員の兼務2名

アットクリッピング株式会社(注)3、5

東京都港区

40

デジタルPR事業

0.0

(42.6)

営業取引

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

JAPAN AI株式会社

(注)4

東京都新宿区

20

マーケティングSaaS事業

11.5

営業取引

営業外取引

役員の兼務1名

トランスマート株式会社

(注)4

東京都新宿区

10

翻訳事業

0.0

(11.5)

営業取引

営業外取引

役員の兼務1名

 

(注) 1.議決権の所有又は被所有割合欄の( )内は、間接所有割合で内数となっております。

2.有価証券報告書の提出会社であります。

3.特定子会社に該当しております。

4.前連結会計年度において子会社であったJAPAN AI株式会社については、当連結会計年度において第三者割当増資により持分比率が減少しておりますが、実質的な影響力を持っているため持分法適用関連会社としております。

5.当連結会計年度において、買収によりソーシャルワイヤー株式会社及びその連結子会社6社を当社の子会社としております。

6.上記のほか、当社は連結子会社2社を有しておりますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

広告プラットフォーム事業

154

(45)

デジタルPR事業

125

(132)

マーケティングSaaS事業

255

(96)

海外事業

218

(2)

全社(共通)

125

(42)

合計

877

(317)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(パートタイマー、派遣社員及び業務委託を含む)の年間の平均人員を外数で記載しております。

2.従業員数の増減は、主にソーシャルワイヤー株式会社の連結子会社化に伴い、前期末と比較して増加しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

489

(149)

32.0

2.6

6,490

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

広告プラットフォーム事業

154

(45)

デジタルPR事業

6

(-)

マーケティングSaaS事業

240

(60)

海外事業

5

(2)

全社(共通)

84

(42)

合計

489

(149)

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、正社員及び契約社員の合計であります。なお、従業員数の( )は臨時雇用者数(パートタイマー、派遣社員及び業務委託を含む)の年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.従業員数の増減は、主に新卒採用を積極的に推進したことにより、前期末と比較して増加しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。

 

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

うち正規雇用
労働者

うち非正規
労働者

9.4

27.3

74.7

74.0

209.4

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

② 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。