第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、以下の経営理念を掲げ、経営の基本方針としております。

 

経営理念

未来への扉を。『家に価値タス』ことを通じて、地域とお客様に。

 

事業に取り組む基本姿勢及び事業を通じて実現したいこと

・私たちは、お客様の顕在ニーズと潜在ニーズを把握することに努め、リフォームの企画と仕上がりにこだわり続けることにより、持ち家を望むすべての人に、手の届く価格で、安心・清潔・実用的な住まいを提供する。

・私たちは、十分に活用されず地域に埋もれてしまっている家や、一般的な中古住宅市場では売りにくい家に対しても、潜在的な価値と需要を見出し、自ら買い取って付加価値を加えるリフォームを企画することで、中古住宅に新たな生命を吹き込む。

・私たちは『家に価値タス』活動を通じて、地域とそこに暮らす人々の生活に一つでも多くの『未来への扉』を提供し、新築中心の日本の住まい方から、家を再生して住みつなげるという新しい住まい方を提唱して、地域の活性化・発展を支援し続けていく。

 

(2) 経営戦略等

 2019年5月に当社とリプライス両社の強みを発揮しながら継続的な成長を目指せる体制を構築し、長期的には年間販売件数1万件を目指して新中期経営計画(2019年度から2021年度)を策定しました。急速な成長を志向せず、提供する住まいの質と価値を維持・向上しながら、売上高は10%程度の年平均成長率で1,100億円程度、営業利益は10%超の年平均成長率で130億円程度を2021年度において実現することを目指し、安定的な成長を継続してまいります。

 新中期経営計画を達成するための成長戦略は以下の様に定めております。

① 中古住宅再生事業のエリアマーケティングの強化

 当社グループが属する中古住宅再生事業における競合他社の多くが三大都市圏を中心とした都市部をターゲット市場としておりますが、当社グループは三大都市圏に依存せず、地方都市及び都市郊外の築古の戸建物件を中心に取り扱っております。競合他社は、築古の中古住宅、特に戸建て住宅に潜む特有のリスクが大きいこと、取引事例が少なく参考情報が少ないこと等からビジネスリスクが大きく、進出が難しい市場であると認識しています。その様な中で、当社グループは、下記の内容により全国の各エリアにおけるマーケティングを強化することで、更なるマーケットシェアの拡大を図ってまいります。

 ・市場特性に合わせて営業組織を分化して最適化

 ・各種制度等の導入によりエリア長や店長の育成・支援を強化

 ・地元工務店との共同を継続して商品力を強化

② 市場開拓の促進

 当社グループは、人口5万人から50万人の幅広い人口規模をターゲット市場としております。2015年10月1日現在において当該人口規模の市区町村は全国で特別区を除き493市区町村ありますが、店舗の展開方針については、上記の人口を有する市区町村を対象に、人口密度及び都心部へのアクセス状況、高速道路の整備状況や移動手段の利便性等を総合的に勘案して店舗を設置しております(出典:総務省「総計」2015年国勢調査>人口速報集計>人口統計表 2016年2月26日公表)。

 2020年3月31日現在の店舗数はグループ全体で129店舗となり、概ね全国展開ができていると判断しておりますが、2020年3月期においてはさいたま店、入間店及び薩摩川内店の3店舗を新設する等、開拓・拡大可能な市場は多くあると判断しております。

 並びに、店舗展開しているエリアにおいても、エリア間での取扱件数の差が生じていることからも成功エリアの横展開を行うことや優秀な人材を配置することで市場開拓が可能であると判断しており、下記の内容により市場開拓を促進してまいります。

 ・成功エリアの手法を開拓余地のあるエリアへ横展開

 ・成長エリアに対する人材の積極配置

 ・本部機能の拡充等による業務効率の改善

③ 既存戦略等の継続強化

 当社グループは、不動産及びリフォームに関する専門的な知識及び事業成長のためのチームマネジメントを行うことができる人材の確保が必要と考えております。また、当社グループは全国展開していることから全国での人材採用が必要となります。並びに、仕入対象となる物件情報を入手するための不動産仲介会社への訪問、仕入対象物件の調査と選定、リフォームの企画、販売活動と一連の工程を当社グループの従業員が一気通貫で行っていることから、人材の確保に加えて一連の工程を高いレベルで実施できる人材へと育成することが必要となっております。上記より、人材の確保と育成が重要であると判断し、今後も定期採用と中途採用に注力してまいります。

 また、当社は、キッチン・トイレ・洗面台・ユニットバス等の水周り交換や、壁紙や床の張替え、間取り変更、外壁塗装、駐車場拡張等の外構工事等を企画し・施工していることから、リフォーム期間に1~2ヶ月を要しております。在庫期間を短縮化するためにも、リフォーム期間中に成約するリフォーム中契約を主要な販売戦略としてまいりました。リフォーム中契約は、在庫期間の短縮化だけでなく、初回販売価格で販売されることで値引きによる利益減少を抑えることができることから今後も主要な販売戦略して推進してまいります。

 上記に加えて、当社グループは、「(4) 経営環境」に記載の様に、日本における既存住宅流通及びその関連事業には拡大余地は十分にあると判断しております。その様な中で、中古住宅再生事業でNo.1にポジショニングしている当社グループのビジネスモデルの強み及び蓄積したノウハウを基に、既存アセットを活かした空家問題の幅広い解決を目指す新しい事業やその他のM&A等の検討も強化してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 売上高、営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、これらの向上を図ってまいります。達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議、週次での商況モニタリング会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。

 

(4) 経営環境

 今後の我が国経済の見通しにつきましては、少子高齢化等の人口構造の変化による需要の変化や新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内経済のさらなる悪化も懸念され、先行き不透明な状況となっております。

 当社グループが属する中古住宅再生事業におきましては、中長期的な視点では政府による中古住宅取得支援策の一層の充実等により伸長していくと見通しておりますが、国内経済や雇用・所得環境の不安から短期的には住宅購入意欲の減退も懸念されております。

 一方、当社グループの仕入物件の対象となる空き家におきましては、1978年には空き家数は268万戸、空き家率は7.6%であったものの、2018年には空き家数は849万戸、空き家率は13.6%となり、空き家数及び空き家率共に年々増加しており、今後も増加されるものと見込まれることから、(出典:総務省資料「平成30年住宅・土地統計調査 確報集計」)当社グループの仕入対象物件は増加すると見通しております。

 2016年3月18日に国土交通省が発表した「住生活基本計画(全国計画)」において既存住宅流通市場の市場規模を2013年時点の4兆円から2025年までに8兆円市場にすることを国家戦略として掲げていることからも、今後の成長産業として期待されております。実際に、日本における既存住宅の流通シェアは約14.7%(2013年)と、米国の83.1%、英国88.0%、仏国68.4%と欧米諸国と比べて小さい状況であり、市場規模の拡大余地は十分にある市場となっております(出典:国土交通省「中古住宅市場活性化・空き家活用促進・住み替え円滑化に向けた取組について」)。

 一方、三大都市圏への人口の集中と地方都市の高齢化が懸念されておりますが、中古再生事業を行う競合他社や新築分譲会社、ホームビルダーが三大都市圏に集中する中で、当社グループは全国に事業展開を行い各地方都市で継続的に販売を行い成長しております。これは、上記の様に三大都市圏に不動産会社が集中した結果、地方都市での住宅購入の需要に対して供給が不足するという状況が生じていることが背景にあり、今後も地方都市における中古再生住宅のニーズは拡大すると見立てております。新卒採用を中心に、優秀な人材の採用と育成により生産性を高めつつ、店舗あたり人員を増やすことでエリア展開のメッシュを細かくし、未開拓エリアへの進出を継続的に実行することで、今後も三大都市圏に依存せず、地方都市を中心とした事業展開によって一層の事業拡大を図ってまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① エリアマーケティングの強化

 2018年3月期以降の仕入は、それまで物件供給量が不安定な競売が中心であったものを価格が安定している買取仕入を中心に移行させてまいりましたが、エリア間での既存住宅流通市場に占めるシェアにバラつきが見られることから、今後、営業組織体制を更に細分化しエリア毎の成長戦略を企画実施できるようにすることで成長ポテンシャルの高いエリアの開拓を進め、引き続きより多くの買取仕入を安定的に行うことで計画的かつ持続的な成長を図ってまいります。

② 商品力の向上・管理の徹底

 当社の販売用不動産は、仕入前に当社独自のチェックリストに基づいて営業担当者がリフォーム協力会社及び白蟻調査会社も交えた三者立会いによる入念な調査を可能な限り実施して品質の良いリフォーム済み中古住宅の販売を行うことはもちろん、瑕疵保険付や耐震補強施工付の住宅の推進により外部機関のインスペクション効果を取り込み、中古住宅は安心だという社会的認知度・お客様満足度を高めることに努め、既存住宅流通を活性化させるという社会的責任を担っていると自負しており、これを更に高めてまいります。そのためには、住宅という商品作りの担い手であるパートナー工務店ネットワークの維持・拡充が重要であるとの認識から、定期的な事例研究の場を設け、品質の高いリフォーム済み住宅の安定的な提供に全力を傾けてまいります。

③ 在庫回転率の向上

 当社グループの販売用不動産は仕入後にリフォーム工事を行い、販売を行うことから、仕入計上から販売までに一定の期間を要しております。物件取得からお客様への引渡しまでの期間が長期化することは財務体質の脆弱化を招くと共に営業現場の効率を低下させる可能性があります。そこで、買取り後すぐにリフォームの着手が行えるようパートナー工務店と連携して商品化までの期間を短縮し、またWEB上でのリフォーム期間中の完成過程を積極的に公開することや、過去の販売時に作成した潜在的顧客のリストに基づき、近隣の住宅を仕入れた際には当該顧客に個別に情報提供を行うこと等により、リフォーム完了前の成約率を向上させ、在庫回転率の向上、財務体質の強化を引き続き図ってまいります。

④ 当社グループの認知度の向上

 当社は「買取りのカチタス」としてブランディング戦略を立て、2013年7月より放映を開始したテレビCMやラジオCMは地方部を中心に行っていたことから、2013年10月以降、3ヶ月に一度継続的に社名認知度調査(毎回、テレビCM実施エリアを中心とした10道府県をローテーションして1,100件に対しWEBアンケートにて実施)を実施しております。

 2020年1月調査では、テレビCM実施エリアに限れば41.3%の社名認知を獲得するに至りました。さらに「『家を売る先の会社』と言われてどこが思い浮かびますか?」との質問に対しては、大手不動産会社を抑えて当社が13.8%と1位の想起を得ております。引き続き認知度向上のため地方エリアにおけるCMを始めとするプロモーションを継続的に強化してまいります。

⑤ 人材の確保と育成

 当社グループでは優秀な人材を確保・育成していくことが経営課題解決のための重要課題の柱であると認識しております。また、全国各地の販売網に人材を供給するため、優秀な人材を全国的に採用する必要があり、ここ数年間継続して新卒の定期採用活動を行っており、2020年3月31日時点で在籍する新卒入社の従業員数は322名とグループ全体のうち4割超が新卒定期採用により入社した社員となっております。今後も安定した新卒採用と即戦力となる中途採用を並行して行い、さらなる事業規模の拡大を図ってまいります。また、当社グループでは仕入物件の選定・調査・仕入、リフォームの企画、販売活動といった一連の工程を当社グループの従業員が一気通貫で行うという独自の体制を取っていることから、これに資するための社内教育・研修制度及び業績評価に連動した報酬制度並びにリフレッシュ休暇制度の充実・構築を図り、個々人の能力向上を促し、従業員一人一人の長所を活かし、モチベーションを高めながら成長をサポートできる仕組みの継続強化を図ってまいります。

⑥ 金融機関との安定した取引

 当社グループは、外部金融機関からの調達に過度に依存しない財務体質にすべく在庫回転率の向上を図っているものの、不動産業として仕入時に取り扱う金額が大きいため金融機関からの融資が必要となります。また、現状、当社グループの借入は主にシンジケートローンによる借入であることから、シンジケートを構成する金融機関との良好な関係維持が重要であります。そのためにも、健全な財務状況の確保と迅速かつ正確な適時開示を行うことで金融機関との強固かつ良好なパートナーシップを築き、安定的かつ継続的な融資取引を図ってまいります。

⑦ 内部管理体制とコンプライアンスの強化

 当社グループは、取締役会による内部統制の構築及び監査役による業務監査を行うことで、常に法令等を遵守すると共に適切な経営が行われる管理体制を構築しておりますが、多様化・複雑化する法令・制度及び社内規定等に抵触するケースが生じる可能性は否定できません。これらの違反等に対応するために、代表取締役社長、営業本部長、管理本部長、常勤監査役、社外監査役、内部監査室室長、管理部長等が出席し、原則として毎月1回コンプライアンス委員会を開催しております。また管理担当役員をコンプライアンス担当役員に任命し、コンプライアンス担当役員、監査役を中心に法令等の遵守状況を定期的に確認するためのセミナーや業界団体の勉強会に参加してまいります。また、社内に向けても定期的にコンプライアンス事例の共有等を図りながら注意喚起を行うことで、企業全体としてコンプライアンス意識を醸成し、倫理観の高い組織風土を継続的に構築してまいります。

⑧ 株式会社ニトリホールディングスとの業務提携

 当社は、2017年4月に、株式会社ニトリホールディングス(以下、「ニトリ」という。)との間で、それぞれが有する技術、ノウハウ、商流・物流ネットワークその他経営資源を相互に利用し、両社の事業価値の最大化を図ることを目的に業務提携契約を締結しております。前連結会計年度より、ニトリ製の家具を設置した家具付き住宅の展開を順次始めております。これは、当社グループの販売用不動産に付加価値を付けると共に、お客様が購入後の生活空間をイメージし易くすることを目的としております。また、営業現場の販売活動を支援するために、訴求力の高いニトリの商品券を有効活用することで成約に繋がり、着実に成果が現れております。今後も、ニトリとの業務提携を通じたシナジー効果を発揮すべく、お客様の利便性向上及び両社のコストダウンに資する施策の具体化を進めてまいります。

⑨ ESGを重視した経営

 近年、ESGを重視した経営が企業の社会的責任として求められ、SDGsに代表される社会課題解決の取り組みにおいて企業が果たす役割がますます重要となっております。当社グループの中古住宅再生事業が、新築住宅と比較してCO2排出量や木材使用量を大幅に抑えていることから環境保護に資するものと捉えられ、そして空き家を再生して流通させることで、政府が取り組む全国の空き家問題を解決することに貢献できるものと考えております。また、リフォームや住居に興味のある女性社員を積極的に採用し多様性の確保に寄与するとともに、コンプライアンス事案を社内のみならず社外の取締役・監査役にも共有しリスク管理・監督機能の強化を図っているところであります。今後は、それらの活動を更に充実させて社会課題の解決を堅実に図りながら持続可能な成長の実現を目指すことをテーマに取り組んでまいります。

⑩ 新型コロナウイルス感染症の影響への対応

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、国内経済及び企業業績の減速、個人の消費意欲の減退等が懸念され、先行き不透明な経済環境が続く可能性があります。一方、この様な情勢下では、今支払っている月額の家賃と比較して、住宅ローンの支払いが高額になる物件を避け、同水準又は安くなる物件を選ぶ層が増えると想定することもできます。また、在宅によるテレワークが定着すれば、都心部で高額な住宅を買うより、地方又は都市郊外で安くて品質の良い住宅を選ぶ層が増えると想定することもできます。上記の様な、中長期的に変化が期待される顧客ニーズを適時かつ的確に捉えながら販売の拡大に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 また、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、必ずしもリスク要因に該当しない事項でも積極的に開示しております。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の損失最小化に努めておりますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。以下の記載は、当社株式への投資に関する全てのリスクを網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではなく、実際の結果とは異なる場合があります。

 

(1) 経済情勢と不動産市況の動向について

 当社グループの属する不動産業界は、経済情勢、地価動向、金利動向、住宅税制等の影響を受けやすいという特性があります。一般に、経済情勢の悪化や所得の低下等により将来設計の先行き不安等の状況が生じた場合には、お客様の住宅購入意欲の減退につながり、不動産市況全体の販売価格が下落することで、当社グループの中古再生住宅も当初計画した販売価格よりも値下げして販売する可能性があります。当社グループの中古再生住宅は、市場価格の影響を受けにくい地方での取り扱いが多いものの、市況の影響により値下げ販売を行う物件が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は地方都市、リプライスは三大都市圏の郊外及び地方都市の中心部をターゲットエリアとしていますが、ターゲットとする地域の経済環境の悪化や、地方都市から都市部への人口流入や少子高齢化等による日本全体の人口動態、中古再生住宅に対する消費者志向の変化等の影響を受けます。当社グループの属する既存住宅流通市場の全体規模が、当社が見込むほどに成長しない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 消費税等の増税について

 当社グループが取り扱う商品である中古再生住宅は、一般家庭で購入する最も高額な耐久消費財と言われていることから、消費税率の動向により需要が大きく左右される特性があります。消費税等は、住宅の土地・建物の建物部分に課されることから、経年により建物価格が償却された中古再生住宅は、新築住宅に比して消費税増税の影響は小さくなっております。しかしながら、消費税率が引き上げられた場合、家計の実質所得の目減りとなることから個人消費を抑制する要因として、お客様の住宅購入意欲の減退につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 住宅ローン金利の変動について

 当社グループの中古再生住宅を取得・保有するにあたっては、約8割のお客様が住宅ローンを利用されております。住宅ローンの金利は、経済情勢の変動や日銀の政策的な金利調整により大幅に変動する可能性があります。住宅ローンの金利が大幅に上昇した場合には、月々の住宅ローン支払い負担の増加や金利変動への不安感から、お客様の住宅購入意欲の減退につながる可能性や、金融機関からの住宅ローンの貸し付け条件が厳しくなる可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 不動産に係る税制について

 当社グループの中古再生住宅を取得・保有するにあたって不動産取得税、固定資産税等の各種の租税公課が発生します。現在、国策として住宅の取得を推進しているため、不動産取得税の税率軽減措置や固定資産税の負担調整措置等の税負担の軽減措置が講じられております。しかしながら、上記の税負担の軽減措置が行われなくなった場合、住宅の取得・保有にかかる負担が増加することから、お客様の住宅購入意欲の減退につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害及び人為的災害等について

 当社グループの中古再生住宅は、地震・火災・水害等の自然災害や大規模な事故やテロ行為等による人為的災害により滅失又は毀損した場合には、販売不能になる又は販売価値が著しく低下する可能性があります。また、大規模地震対策特別措置法第3条第1項に定める地震防災対策強化地域として指定された地域での営業を行っていることから、当該地域にて自然災害が発生した場合には当社グループの中古再生住宅が販売不能又は販売価値が著しく低下する可能性があります。当社グループは、全国に事業展開を行っており、保有在庫を分散しているため在庫1件の損壊による影響は少ないと考えております。しかしながら、災害による損害を保険により十分に填補できなかった場合や、災害等によりリフォーム協力会社・不動産仲介会社において事業を停止せざるを得ない状況が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザウイルス等の伝染病の流行について

 新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザウイルス等の伝染病の流行により、本部機能の停止、店舗の営業活動の停止及び国内外での流通制限等により当社グループの事業活動に制限が生じる可能性があります。また、感染者の拡大により社会的・政治的混乱の発生による経済活動に著しい停滞等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 競合他社の参入について

 当社グループの属する不動産業界は、主な法的規制は宅地建物取引業法であり、宅地建物取引業免許を有していれば参入することができます。現状では、大手の新築ハウスメーカー及び大手不動産仲介会社、パワービルダー等は買取再販事業には積極的に参入しておりません。また、仕入、リフォーム及び販売を一気通貫で行う当社にとって地場工務店及びマンションリノベーション業者等も競合他社となりえますが、現状ではこれらの企業も積極的に中古住宅再生事業に参入しておりません。他方、リプライスがターゲットエリアとする三大都市圏の郊外及び地方都市の中心部については、競合他社が多いことから競争が激しくなりやすい市場といえます。今後、当社グループより知名度や資金力等の経営資源に優れた競合他社が参入した場合、当社の優位性が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 中古住宅の仕入について

 当社グループが営む中古住宅再生事業においては、中古住宅を安価に仕入れることが重要となります。当社グループは、地方部での築年数の古い物件から都市部での築年数の浅い物件まで幅広い仕入とリフォームを行うノウハウを有しているものの、不動産市況や競争激化等による価格の変動、資金調達余力や労働力の不足、災害、風評被害等、何らかの事由により安定的に中古住宅の仕入が行えなくなる可能性や買取価格が上昇する可能性があります。当社グループは、安定的な中古住宅の仕入のために認知度の向上や不動産仲介会社との緊密な関係の構築を図っているものの、安定的な中古住宅の確保が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 棚卸資産の長期化

 当社グループでは、中古住宅の仕入前に周辺の住環境の調査や不動産仲介会社へのヒアリングによるニーズ調査等を実施して、住宅購入ニーズがあるとの調査を行った上で仕入を行っているものの、不動産市況が悪化した場合、価格や立地等のニーズ調査の認識を誤った場合、商品化の過程で当初想定していない瑕疵が発見された場合、リフォーム中に事故等が生じた場合、リフォーム協力会社が倒産した場合等において、棚卸資産の保有期間が長期化する可能性があります。当社グループは、長期化した棚卸資産について、販売可能見込価格までの低下損の計上や経過期間に応じた評価損の計上により未然に会計上の手当てを行っているものの、長期化した棚卸資産の保有比率が高まる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 訴訟等について

 当社グループには、現段階において業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟の事実やお客様との大きなトラブルはありません。また、物件1件当たりの住宅の価格は少額であり、訴訟となった場合でも訴額の金額的重要性は低いものと判断しております。しかしながら、当社グループの中古再生住宅は、中古住宅にリフォーム工事を行って販売するという商品特性から、隠れた瑕疵等により購入されたお客様とのトラブルが発生する可能性を内包しています。競売により仕入れた物件については、仕入れ前の内覧が困難であることから隠れた瑕疵等が発見できない可能性があります。当社グループは、今後も継続して中古再生住宅の品質管理徹底と購入されたお客様への追加リフォーム及びメンテナンスの実施等のアフターサービスを行い、お客様満足度の向上を図ってまいります。しかしながら、訴訟等が発生することで当社グループの信用を大きく毀損する可能性もあり、また、これに対応するための費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 関東信越国税局との見解の相違に基づく処分について

 当社は、2020年4月に関東信越国税局(以下、「国税当局」という。)から受領した「消費税及び地方消費税の更正通知書並びに加算税の賦課決定通知書」に基づく更正処分等(以下、「更正処分等」という。)が行われたことを公表いたしました。当社は、国税当局からの更正処分等は到底承服できるものではないため、これに対して、速やかに不服申立て等の必要な手続きを行う予定でおります。

 しかし、更正処分等に係る不服申し立て等の手続きによる当社の主張が認められず、国税当局の見解が認められた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材の確保と育成について

 当社グループは全国展開を行っていることから全国での人材採用が必要となります。また当社グループの属する不動産業界での競争優位性を維持・向上させるためには不動産に関する専門的な知識を有し、事業成長のためにチームマネジメントを行うことの出来る人材の確保が必要です。さらに仕入対象となる物件情報を入手するための不動産仲介会社への訪問から仕入対象物件の調査と選定、リフォームの企画、販売活動と一連の工程を当社グループの社員が一気通貫で行っていることから、確保した人材に対して一連の工程を高いレベルで実施する能力の育成が重要となっております。こうした観点から、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、当社グループは、2013年4月採用以降、継続して新卒の定期採用活動を行っており、今後も安定した新卒採用と即戦力となる中途採用を並行して行うことにより、さらなる事業規模の拡大を図ってまいる所存です。しかしながら、計画に基づく採用ができなかった場合及び教育研修の成果が発揮されなかった場合、短期間に多くの人材が流出してしまった場合等には、競争力の低下及び人材確保のための報酬額の増加等が生じ得るところであり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 経営陣への依存に関するリスク

 当社グループの戦略決定及び事業運営は、現在の経営陣による討議の結果、意思決定され、運営されております。当該経営陣が当社グループの事業から離脱する場合、代替的人材を迅速に確保することができないか、又は同水準のコストで確保できない可能性があり、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 法的規制や免許・許認可事項について

 当社グループの各セグメントにおいては、以下の様な法令等に基づいて事業を運営しており、これらの法的規制を受けております。

セグメントの名称

主な適用法令

中古住宅再生事業

宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、不当景品類及び不当表示防止法、不動産の表示に関する公正競争規約、住宅の品質確保の促進等に関する法律、個人情報の保護に関する法律等

 当社グループは、上記の法令等を遵守し、現時点において法令違反等の事象は発生しておりません。当社グループでは、コンプライアンス担当役員及び営業企画部を中心に研修等を行うことで、役職員に対するコンプライアンスの徹底を図っております。しかしながら、将来に何らかの理由により、法令違反の事象が発生した場合や、規制の強化や費用負担を招きかねない法令等の大幅改正が行われた場合、何らかの理由により免許、登録、許可の取消等の処分を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、法的規制について、その有効期間が法令等により定められているものは下表のとおりであります。

(許認可等の状況)

会社名

免許・許可等

有効期間

関係法令

取消条項

株式会社カチタス

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(6)第5475号

自 2019年3月29日

至 2024年3月28日

宅地建物

取引業法

同法第5条

及び第66条

株式会社リプライス

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣(3)第7920号

自 2019年10月21日

至 2024年10月20日

宅地建物

取引業法

同法第5条

及び第66条

 

(15) 契約不適合責任について

 当社グループでは販売する中古再生住宅に対し、民法及び宅地建物取引業法の規定に基づき、引渡し後2年間の契約不適合責任を負っております。当社グループにおいては、品質管理を徹底するためにリフォーム工事が完工した際には、必ず独自のチェックリストを用いてリフォーム完了チェックを行っており、在庫1件当たりの契約不適合箇所の補修金額は少額となっております。また、工事保証引当金を計上することで将来の契約不適合箇所の補修に要する費用を見込んでおります。しかしながら、新築時には他社が施工を行った物件を仕入れていることから初期施工の不具合や経年劣化による不具合等が潜んでいる可能性があります。当社グループから販売・引渡し後に多額の補修費用を要する契約不適合箇所が発見された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) ブランドイメージの毀損に伴うリスク

 当社グループのブランドは、当社グループの事業の成功にとって重要な要素です。当社グループのブランドイメージは、提供する中古再生住宅の欠陥・品質不良又はその風評、顧客からの苦情及び当社グループの従業員やリフォーム協力会社・不動産仲介会社等の第三者が関与する不適切行為その他事故等が生じた場合に損なわれる可能性があります。また、ネガティブなイメージは、従業員の就労状況への不満等、メディア報道又はインターネット若しくはSNSサイトへの不適切な書き込み等によっても生じる可能性があります。

 当社グループにとって好意的でない評判によりブランドイメージが毀損した場合には、その真偽にかかわらず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 国が進める中古住宅に関する各種施策による影響について

 当社グループの中古再生住宅は、自社で仕入前及び商品化後のチェックを重点的に行う等、品質の維持・向上に努めていると共に、引渡し後2年間の契約不適合責任を負っていることからも第三者によるリフォーム・耐震診断は実施しておりません。特に当社は、買取内覧時に自社だけでなく、リフォーム協力会社及び白蟻調査会社の三者による立会検査を行っており、リフォームの際にも累計販売戸数5万件以上の中古住宅の再生販売を行ってきたリフォームのノウハウを明文化してリフォーム協力会社に開示し、リフォーム工事の品質を確保し、自社基準のインスペクションを実施しております。しかしながら、国が進める中古住宅に対する施策が、当社グループが想定する施策を超える内容となった場合等(例えば、中古住宅の流通時に全ての住宅に国が認定した第三者によるインスペクションの実施が義務化された場合、耐震診断の実施が義務化された場合、現在検討されている中古住宅の優良認定制度が当社グループで標準としている中古再生住宅の品質基準と大幅に異なる基準で制定された場合)は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 個人情報等の管理について

 当社グループは、個人情報等、重要な情報を多数取り扱っております。当社グループにおいては、「個人情報の保護に関する法律」に基づき、社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じると共に、役職員等に対して個人情報保護に係る研修を定期的に実施することで情報漏洩と不正使用を未然に防止するように努めております。しかしながら、人為的なミスや内外からの何らかの不正な方法で当社グループが保有する個人情報が漏洩したことにより、当社グループの信用力が低下した場合や多額の賠償責任を負った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) リフォーム工事について

 当社グループの中古再生住宅は、リフォーム協力会社にリフォーム工事を外注して施工を行っております。これは、当社グループが全国に事業展開していることから、自社でリフォーム工事の施工部署を設けることによる人的コストや物件までの移動コストと外注コストを比較考量した結果です。当社は、リフォーム協力会社のリフォーム工事の品質管理のために「当社の求めるリフォーム品質の明文化」「独自に制定したリフォーム発注フォーマットに則った工事発注」、当社及び株式会社リプライスでは、「工事担当部署の設置」及び「独自のチェックリストでのリフォーム完了チェック」を行うことでリフォーム協力会社のリフォーム工事の品質を確保しております。また、リフォーム工事担当部署及び営業現場である各店舗において、特定のリフォーム協力会社が業務過多で工期を遵守できないといった状況を未然に防止する目的から、新規のリフォーム協力会社の発掘を積極的に行っております。しかしながら、リフォーム工事を外注先に依存していることから、大工不足等により外注コストが増加した場合や、リフォーム工事の品質管理を十分に行わなかったこと等によりリフォームの品質すなわち販売物件の品質が低下した場合、工期が大幅に遅延した場合、また新築の場合と比べれば影響は限定的であると考えられるものの資材コストが上昇した場合等には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20) 資材等の調達について

 当社グループの中古再生住宅のリフォームに用いる資材(例えば、システムキッチン、トイレ、洗面台及びユニットバス等の水回り資材。床材、クロス、木材及び接着剤等の内装資材。ペンキ、コンクリート及び敷石等の住宅外部用の資材)は、外部調達による方法で仕入れております。複数のメーカーと取引を行うことで特定少数の調達先に依存しないように努めておりますが、調達先が何らかの事象により同時に受注・生産が停止する等、資材の調達が困難になった場合や価格が著しく上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 多額の借入金、金利の変動及び財務制限条項への抵触について

 当社グループの負債純資産合計の内、外部金融機関からの借入金額が占める割合は2020年3月末時点で41.2%となっております。当社グループは、外部金融機関からの調達に過度に依存しない財務体質にすべく在庫回転率の向上を図ると共に、金利交渉を行い、市場金利の変動により支払利息が増加することを可能な限り低減することに努めております。しかしながら、当社グループの財政状態が悪化した場合等、何らかの理由により取引金融機関の融資姿勢が変更され取引が行われなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の借入金は変動金利であるため、経済情勢の変化等により市場金利が上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、多額の負債は円滑な資金調達を妨げ、また事業への十分な支出を困難にする等、当社グループの事業に重要な影響を与える可能性があります。

 さらに、当社が締結している金銭消費貸借契約の中には、後記「第5 経理の状況 注記事項 (追加情報)」に記載した財務制限条項があり、これらに違反又は抵触する場合には、貸付人は当社の期限の利益を喪失させることができ、その場合、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

(22) 親会社等との関係について

 当社は、2017年5月31日付でニトリから出資を受け入れ、2020年3月末時点でニトリは当社発行済株式総数の34.0%(議決権比率ベースでは34.8%)を保有するその他の関係会社に該当しております。また、当社はニトリの持分法適用関連会社となり、当社の社外取締役である白井俊之氏及び社外監査役である福田述氏はニトリから招聘しております。

 また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、当社とニトリは、業務提携契約を締結し、同契約に基づき、業務提携を開始しております。なお、ニトリとの取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保する方針です。

 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、現状、ニトリに対して事前承認を要する事項はなく、独立性・自律性は保たれていると認識しております。また、ニトリは当社株式を中長期にわたって保有する意向であると認識しております。しかしながら、将来において、ニトリにおける当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいはニトリの事業戦略が変更された場合やニトリとの業務提携が成功しなかった場合等には、当社株式の流動性及び株価形成、並びに当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの経営その他の事項に関するニトリの利益は、他の株主の利益とは異なる可能性があります。

 

(23) 買収(M&A)及び事業提携等について

 当社グループは、買収(M&A)や事業提携等の戦略投資を成長のための経営戦略の1つとして位置付けており、新規市場への参入や新領域事業の拡大等のために買収や事業提携等の戦略投資を実施する可能性があります。これらを行う際には、対象企業の詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、費用削減を含むシナジー効果が実現できない可能性、統合作業や費用等の増加、顧客・人材維持の失敗、対象企業の過大評価又は提携先へのノウハウ流出等、事前に十分把握できなかった問題が顕在化する可能性や、事業展開が計画どおりに進まない可能性があり、かかる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(24) 中期経営計画に関するリスク

 当社グループは2019年5月に「2019年度-2021年度 新中期経営計画」(以下、「中期経営計画」という。)を公表しており、その中で成長戦略としては、①エリアマーケティングの強化、②市場開拓の促進及び③既存戦略等の継続強化を掲げています。

 しかしながら、当社グループがかかる目標を達成することができるかは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受けます。

 中期経営計画を策定するための各種の前提が変化した際に、当社グループがかかる変化に対応した成長戦略又は事業運営を立案又は実行することができない場合には、中期経営計画を達成できない可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善から個人消費も緩やかな回復基調で推移したものの、工業生産の低調を背景とする企業収益の弱含みや消費税増税後の消費者マインドの減退、大型台風発生等による相次ぐ自然災害の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内経済のさらなる悪化も懸念され、先行き不透明な状況となっております。

当社グループは、地方都市及び地方都市郊外の中低所得層を主な顧客層として「新築」「中古」「賃貸」に代わる「第四の選択肢」を提供することを目指し、商品化が難しい築古の戸建物件をリフォームして、物件に価値を足して販売しております。

販売面において、上期は2019年5月の大型連休を見据えた4月の物件引渡し及び消費税増税前9月の物件引渡し希望が増加した一方、下期は消費税増税による消費マインドの減退、大型台風の発生により販売活動が鈍化する等、厳しい状況でありました。2020年1月以降は消費税増税の影響も一巡し、売上高は前連結会計年度比10.6%増となりました

利益面においては、長期在庫の販売の促進により売上総利益率は前連結会計年度比0.6ポイント低下したものの、販売費及び一般管理費については、引き続きコスト意識を高く持ち運営をおこな、営業利益率は前連結会計年度比0.1ポイント上昇いたしました。

なお、2020年4月28日に公表しました「関東信越国税局からの更正通知書受領及び業績予想の修正に関するお知らせ」に記載したとおり、更正処分等に伴い、当連結会計年度において、消費税等差額として特別損失に2,014百万円計上し、一方で法人税等還付税額を562百万円計上しております。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度の資産合計は、53,435百万円となり、前連結会計年度末の47,406百万円から6,029百万円増加、負債合計は、30,698百万円となり、前連結会計年度末の28,057百万円から2,640百万円の増加、純資産合計は、22,737百万円となり、前連結会計年度末から3,388百万円増加となりました。

(経営成績)

 当連結会計年度の業績については、販売件数は5,801件(前連結会計年度比8.4%増)、売上高は89,978百万円(前連結会計年度比10.6%)、営業利益は10,121百万円(前連結会計年度比11.2%)、経常利益は9,895百万円(前連結会計年度比13.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,190百万円(前連結会計年度比12.4%減)となりました。また、調整後親会社株主に帰属する当期純利益(P24(参考情報)をご覧ください。)は6,671百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。

 なお、当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしており、その他の事業については量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,742百万円増加して9,137百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は2,392百万円(前連結会計年度比15.6%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を7,874百万円計上し、未払消費税等の増加額が2,034百万円あった一方、物件仕入が順調に行われたことによりたな卸資産の増加額が3,696百万円及び法人税等の支払額3,418百万円があったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は23百万円(前連結会計年度比16.1%増)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が10百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が16百万円、投資有価証券の取得による支出が10百万円あったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は625百万円(前連結会計年度は1,283百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の増加額が2,000百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が750百万円及び配当金の支払額が2,019百万円あったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。

 当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、買取仕入と競売仕入の仕入方法別に記載を行っております。

セグメントの名称

仕入方法

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

仕入件数(件)

仕入高(百万円)

中古住宅再生事業

買取仕入

5,905

43,790

103.9

競売仕入

212

2,697

95.7

小計

6,117

46,487

103.3

その他

12

718.5

合計

6,117

46,500

103.4

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.上記金額には、外注加工費は含まれておりません。

3.前年同期比は、仕入高の金額で比較を行っております。

 

c.受注実績

 当社グループは受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 当社グループは中古住宅再生事業を単一の報告セグメントとしていることから、地域別の販売実績に分けて記載を行っております

地域別

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

販売件数(件)

販売高(百万円)

東京圏

637

13,896

119.3

名古屋圏

621

10,326

114.9

大阪圏

298

4,854

90.6

北海道

385

4,952

106.3

東北

829

11,660

110.5

関東

477

6,337

103.5

中部

783

11,332

104.1

関西

102

1,527

120.6

中国

515

7,699

118.9

四国

302

4,352

110.1

九州

852

12,600

113.5

その他

443

126.9

合計

5,801

89,978

110.6

 

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

3.上記は、総務省で定める地域区分の三大都市圏、都道府県毎に集計を行っており、当社グループの店舗別販売実績とは異なります。

4.前年同期比は、販売高の金額で比較を行っております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

 

(経営成績)

a.売上高

 当連結会計年度の売上高は、89,978百万円となり、前連結会計年度の81,356百万円から8,622百万円の増加(前連結会計年度比10.6%増)となりました。その主な要因は、主力である中古住宅再生事業の販売件数が前連結会計年度の5,352件から5,801件に増加したことによります。

 

b.売上原価、売上総利益

 当連結会計年度の売上原価は、69,962百万円となり、前連結会計年度の62,802百万円から7,159百万円の増加(前連結会計年度比11.4%増)となりました。その主な要因は、仕入件数が前連結会計年度の5,796件から6,117件に増加したことによります。また、継続的な取組みとして、自社ホームページ及び住宅ポータルサイトにてリフォーム進捗状況の定期更新、リフォーム金額を考慮した仕入れを行うことによる仕入価格の低減、かつ、リフォーム中販売を推進し、契約までの保有日数の短縮による値引き販売抑制により、1物件当たりの利益向上、に努めたことによります。

 以上の結果により、当連結会計年度の売上総利益は、20,016百万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、9,894百万円となり、前連結会計年度の9,448百万円から445百万円の増加(前連結会計年度比4.7%増)となりました。その主な要因は、給料手当及び賞与が219百万円増加、租税公課が142百万円、並びに販売に伴う仲介手数料が66百万円増加したことによるものであります。

 以上の結果により、当連結会計年度の営業利益は、10,121百万円(前連結会計年度比11.2%増)となりました。

 

d.営業外損益、経常利益

 当連結会計年度の営業外収益は、受取手数料9百万円及び受取保険金2百万円等の計上により、29百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息189百万円及びシンジケートローン手数料39百万円等の計上により、256百万円となりました。

 以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は、9,895百万円(前連結会計年度比13.2%増)となりました。

 

e.特別損益、税金等調整前当期純利益

 当連結会計年度の特別利益は、賃貸用として保有していた収益物件の固定資産売却益6百万円の計上により、6百万円となりました。また、当連結会計年度の特別損失は、減損損失7百万円、災害による損失4百万円、並びに消費税等差額2,014百万円の計上により、2,027百万円となりました。

 以上の結果により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、7,874百万円(前連結会計年度比9.7%減)となりました。

 

f.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、5,190百万円(前連結会計年度比12.4%減)となりました。

 

(財政状態)

a.流動資産

 当連結会計年度末における流動資産は、51,346百万円となり、前連結会計年度末の45,058百万円から6,288百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が1,742百万円、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が3,693百万円、並びに未収還付法人税等が582百万円それぞれ増加したことによります。

 

b.固定資産

 当連結会計年度末における固定資産は、2,089百万円となり、前連結会計年度末の2,348百万円から259百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産が35百万円、のれんが198百万円それぞれ減少したことによります。

 

c.流動負債

 当連結会計年度末における流動負債は、11,336百万円となり、前連結会計年度末の7,964百万円から3,372百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金が2,000百万円、未払消費税等が2,034百万円それぞれ増加した一方、買掛金が195百万円、未払法人税等が216百万円及び賞与引当金が149百万円それぞれ減少したことによります。

 

d.固定負債

 当連結会計年度末における固定負債は、19,361百万円となり、前連結会計年度末の20,093百万円から731百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金が750百万円減少したことによります。

 

e.純資産

 当連結会計年度末における純資産は、22,737百万円となり、前連結会計年度末の19,348百万円から3,388百万円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を5,190百万円計上した一方、剰余金の配当2,020百万円を行ったことによります。この結果、自己資本比率は42.3%となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況)

 当連結会計年度の事業計画に対する達成状況は以下のとおりであります。

 売上高は、計画比106百万円増(達成率100.1%)となりました。これは、消費税増税による消費マインドの減退、大型台風の発生により販売活動が鈍化する等の厳しい状況にありましたが、2020年1月以降は消費増税の影響が一巡、また、お客様の需要は堅調であったことにより、計画の達成なりました。

 

 

2019年度

指標

計画

実績

計画比(達成率(%))

売上高

89,872百万円

89,978百万円

106百万円 (100.1%)

営業利益

10,356百万円

10,121百万円

△234百万円 ( 97.7%)

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

 キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの運転資金につきましては、内部資金または借入により資金調達しております。このうち、借入による資金調達は、限度額4,000百万円のコミットメントラインを含む総額24,750百万円のシンジケートローンを組成して調達しております。

 当連結会計年度末における長期借入金(1年以内返済予定を含む)の残高は20,000百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9,137百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断については、過去の実績及び状況等から合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。

 

 

(参考情報)

 当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出された調整後親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後1株当たり当期純利益を重要な経営指標として位置づけており、各指標の推移は以下のとおりであります。

 なお、前連結会計年度では、調整金額は発生しておりません。

 

親会社株主に帰属する当期純利益及び調整後親会社株主に帰属する当期純利益

(単位:百万円)

 

2019年3月期

2020年3月期

親会社株主に帰属する当期純利益

5,926

5,190

(調整額)

 

 

 +消費税等差額(注1)

2,014

 -法人税等還付税額

△562

 -法人事業税還付額に係る法人税等調整額

28

調整額合計

1,480

調整後親会社株主に帰属する当期純利益

(注2)(注4)(注5)

5,926

6,671

 対売上高比率

7.3%

7.4%

 調整後1株当たり当期純利益(円)

(注3)(注6)

78.81

87.36

 

(注)1.関東信越国税局からの税務調査により更正決定された金額

2.調整後親会社株主に帰属する当期純利益=親会社株主に帰属する当期純利益+消費税等差額-法人税等還付額+法人事業税還付額に係る法人税等調整額

3.調整後1株当たり当期純利益=調整後親会社株主に帰属する当期純利益÷期中平均株式数

4.調整後親会社株主に帰属する当期純利益は、当社グループが投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目(通常の営業活動の結果を示していると考えられない項目、あるいは競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目)の影響を除外しております。

5.調整後親会社株主に帰属する当期純利益は、当期純利益に影響を及ぼす項目の一部を除外しており、分析手段としては重要な制限があることから、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。

6.当社は、2020年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(多額の資金の借入)

 当社は、2020年5月13日に株式会社みずほ銀行、及び2020年5月15日に株式会社三菱UFJ銀行のそれぞれと金銭消費貸借契約を締結しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)、及び2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。