文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
人生は「ある日」の積み重ねでできています。そしてお客さまにとって住宅を持つ日こそ、かけがえのない「ある日」。日本初のモーゲージバンクとして創業した当社グループは、住宅ローン専門金融機関のパイオニアとして、さまざまなニーズにお応えする住宅ローン商品を、全国の店舗をはじめとする多様なチャネルにてご提案することで、お客さまの大切な「ある日」が最高のものとなるようにお手伝いします。
さらに、お客さまの新しい生活がより楽しく、充実したものとなるよう、理想の家探しや、日々の暮らしのコストを下げるサポートなど、ライフステージに合わせたサービスをご提供します。新しい生活のはじまりから、ずっと寄り添うようにお付き合いさせていただく「住生活プロデュース企業」として、当社はお客さまの豊かな住生活の実現を応援します。そのために、当社グループは、「お客さまの満足の追求」を大切にし、企業価値の向上に努めております。住宅ローン専門金融機関のリーディングカンパニーとして、スピード感を持ってイノベーション・チャレンジを続けることに今後も引き続き取り組んでまいります。また、これらの取り組みを支えるチームワークと、風通しの良いカルチャーを一層促進するために、尊敬と感謝の気持ちを重んじて、確実性・持続性のある企業体制の構築に努めております。
(2)経営戦略等
当社グループは経営の基本方針に基づき、お客さまや不動産事業者にご満足いただける商品やサービスの拡充に努めております。多様な商品、多様なチャネル、テクノロジーを駆使したサービスを活かした住宅ローンの契約を核に、お客さまとの長期にわたる関係を活かし、お客さまと金融機関、不動産事業者、消費者向けメーカーやサービス業者の住まいと暮らしに関するあらゆるニーズをマッチングするためのプラットフォームの構築を目指しております。
また、住宅ローンのサービスを提供するにあたっては、お客さまのニーズに応えるため迅速でタイムリーなオペレーションを重視するとともに、住宅ローンの実行から発生する信用リスクや金利リスクを極力回避するため、基本的にローン資産を継続して保有しない方針としており、ローン資産の流動化を積極的に行っています。
これらの戦略をとることにより、住宅ローン市場ならびに周辺のサービス事業における市場ポジションを拡大し、収益性とリスク抑制に関しバランスのとれた成長をめざすこととしております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、2018年3月期から2023年3月期までを対象とした中期経営計画を策定しております。当社グループの主たる収益源は、住宅ローンの新規貸付及び回収に係る売上であり、「住宅ローン取扱高、国内No.1」を目指して住宅ローン事業の一層の強化に取り組んでおります。
財務目標とその2020年3月期進捗状況は、以下に記載のとおりであります。
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指標 |
CAGR目標 (2018年3月期-2023年3月期) |
CAGR実績 (2018年3月期-2020年3月期) |
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住宅ローン新規借入実行件数 |
15.0% |
13.5% |
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営業収益 |
10.0% |
13.2% |
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税引前利益 |
15.0% |
18.6% |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①市場環境
当面の当社グループが属する住宅関連業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の拡大などがあるものの、消費税増税後の反動により新設住宅着工戸数は緩やかに減少しており、さらに、新型コロナウイルスの感染拡大により景気の動向が極めて不透明になっている状況のなか、住宅ローンの需要についても減少することが懸念されています。
一方で、やや中期的には、地方から大都市圏への人口流入、ライフステージ・ライフスタイルに合わせたマイホームの買い替え、単身世帯の増加、在宅勤務の広がりによる地方エリアへの移住等を背景とした住宅需要の活性化が予想され、また、国の中古物件流通促進政策を背景とした中古物件流通量の増加等、住宅ローン市場において引き続き成長が見込める領域(潜在マーケット)が存在すると想定され、当社の中核ビジネスである住宅ローン市場を取り巻く環境には多くのビジネス機会があるものと考えられます。
②競合他社の状況と商品ラインアップ
日本銀行によるマイナス金利政策や変動金利型住宅ローン金利引き下げ競争の激化を背景として、住宅ローンによる利息収益が期待できない環境が続き、銀行をはじめとする民間金融機関の住宅ローン事業の縮小・撤退が報じられておりますが、変動金利商品を提供する大小の銀行は、依然として全住宅ローンの80%を超える市場を占有しています。一方、インターネット専業銀行は住宅ローンの商品性・サービスの強化を推し進めており、銀行のなかではポジションを拡大しつつある状況にあります。
当社グループは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利商品で、従来から提供する「ARUHIフラット35」(フラット35買取型)に加え、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」(フラット35保証型)を数年前から市場に投入・拡大することにより、固定金利市場の拡大を図っております。「ARUHIスーパーフラット」シリーズは全体の実行件数を押し上げる原動力となっており、2019年度のフラット35の実行件数(借換を含む)シェアは27.5%となり、10年連続で第1位となりました。さらに、銀行代理商品やオリジナル変動金利商品等の変動金利商品の導入・拡充により、市場規模の大きな分野に参入し、住宅ローン事業のさらなる拡大を図っております。今後は、お客さまの属性やニーズの違いを的確に分析・判断し、最適な商品を開発することに加え、新たな顧客層や不動産事業者等への営業基盤強化等が課題であると認識しております。
③販売チャネル
当社グループは、FC店舗、直営店舗、直販ホールセール営業やWebチャネルなど、様々な販売チャネルを拡大して提供することで、より大きな市場により効率よくアクセス可能な体制を整備してまいりました。今後も、全国に展開されるリアルチャネルとWebチャネルの融合を推進することで、お客さまの多様化するニーズへの対応に引き続き取り組んでまいります。
一方、FC店舗網の強化に取り組む上で、FC店舗を含む人材の安定的な確保と雇用の拡大、能力向上とコンプライアンス体制の強化が課題であると認識しております。従って、FC運営法人の指導サポート体制の強化、新規出店及び新規店舗の早期育成、許認可事業の全社横断的管理、継続的な臨店監査の実施等に積極的に取り組むべく専門部署を設置し、引き続き販売体制及びコンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。
④オペレーション体制
当社グループは、住宅ローン業務において、OCR(Optical Character Recognition)やRPA(Robotic Process Automation)、AI等の最先端テクノロジーを活かして、お客さまの利便性と事務効率の向上への取り組みを加速させております。また、不正に利用される疑いのある住宅ローンの申込みを数秒で検知するAIを活用したリスク管理システム「ARUHI ホークアイ1.0」を導入し、イノベーションを通じたさらなる企業価値の向上に努めております。今後も引き続き当社グループ独自の先進的なテクノロジーを活用し、住宅ローン業務の自動化・ペーパーレス化等を通じた更なる事務処理能力、精度の向上及び事務コストの削減に取り組んでまいります。
また、当社グループは、事務コストを削減したい、煩雑な事務作業を外注したい、といった銀行等の民間金融機関からのご要望にお応えすべく、今後もさまざまな金融機関と話を進めてまいります。従来コストセンターだった住宅ローン事務のプロフィットセンター化を実現することで、事務受託事業の拡大を目指しております。
⑤会社が考えるサステナビリティ
当社グループは、住生活プロデュース企業として、住宅ローンを中心としたさまざまな商品・サービスを提供することで、多くの人が安心して暮らし続けることができる社会の実現を目指しています。また、お客さま・ビジネスパートナー・地域社会などのステークホルダーのみなさまの期待・要請に応え、社会規範と高い倫理観のもとに住まいと暮らしをサポートするさまざまな事業を開発・推進することで、社会的課題の解決と持続的な企業価値の向上を図っております。
これらを実現するための基本的な課題として、当社グループは「コンプライアンス・ファースト」のスローガンを掲げ、テクノロジーの活用やオペレーションの改善を通じ、ルールに沿った適切な運営を行えるよう体制を整えております。FC店を含めたこれらの取組みは継続して強化してまいることが重要と認識しており、FC店を含む営業部門・オペレーション部門など第一線の社員に対しコンプライアンス重視の徹底を教育・研修などを通じて浸透させるとともに、コンプライアンス部門・監査部門の継続的な体制強化が課題と認識しております。
その上で当社グループは、お客さまの満足度向上についても最も重要な経営課題の一つであると考えております。当社の考える「お客さま」とは、メインビジネスである住宅ローンにおける資金需要者だけでなく、ビジナスパートナー、地域社会、従業員等を含むさまざまなステークホルダーであると定義しています。全社をあげて顧客満足への取り組みを行うため、社内のすべての会議体・すべての部署に対してお客さま満足に関する提言を行うCSD(カスタマー・サティスファクション・ディレクター)を設置し、「カスタマーファースト」をスローガンの1つとして、全社的な顧客満足への取り組みを行っております。
また、環境への取り組みにおいては、「良いものを受け継ぎ長く使う、循環型社会の構築に貢献する」「地球環境に配慮した、良質な住宅の普及を促進する」との考え方をベースに企業活動を行っており、当該考え方に基づいたグリーンRMBSを発行いたしました。グリーンRMBSの裏付け資産は、省エネルギー性能の高い住宅に対するローンである、フラット35Sより適格基準のものを選定しており、省エネルギー性に優れた住宅の普及促進に貢献しております。こうしたグリーンRMBSの発行は、日本初の取り組みとなるもので、今後も金融機関として環境負荷を減らす取り組みに努めてまいります。
地域活性への取り組みにおいては、「本当に住みやすい街大賞」の選定を行っております。当社グループは、住宅ローン事業で得られた膨大なデータを元に、あこがれやイメージではなく「実際にその地域で生活する」という視点から、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準について、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会によって、公平な審査のもとに毎年「本当に住みやすい街」を選定し、ランキングを発表しています。このランキングはTV、雑誌、インターネットなどの多くのメディアに取り上げられ話題となっており、選出された街の商店街の看板やWebサイトなどにランキングを利用していただくことで、街のPRを後押ししております。また、選定された街と連携し地域活性化に向けた取り組みを行うことで、街の持続的な発展に貢献しております。
⑥内部管理体制及び経営管理体制
コンプライアンス意識の更なる向上と法令遵守体制の一層の強化の必要性が増している中、当社グループは、「コンプライアンス・ファースト」をスローガンに掲げ、当社グループ従業員及びFC店舗の従業員に対し法令遵守、情報管理やコンプライアンスに関し定期的な研修を行い、その意識の向上に努めています。また、許認可事業を全社横断的に管理する組織を設置するとともに、コンプライアンスを統括する部署に検査・指導グループを設け、定期的な検査・指導を臨店にて行うなど、内部管理体制の強化に取り組んでおります。また、ガバナンス体制の継続的な見直し、ERM(統合リスクマネジメント)の導入、管理会計システムの強化等、経営管理体制の強化に取り組んでおります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する記載のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項目中の記載内容については、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市場環境に関するリスク
①市場環境について
当社グループの主要な事業である住宅ローンの需要は、景気動向、消費動向、金利動向等の経済情勢、人口動態、世帯動態等の社会構造、不動産市況、住宅着工件数の動向、住宅に関連する税制の変更、政府の方針の変化等により影響を受けやすく、住宅ローンの新規需要が減少した場合は、融資実行業務、ファイナンス業務に関する営業収益の減少など当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、このようなリスクに対し、①住宅ローン市場の中でも成長が見込まれる分野への注力②景気動向・金利動向によってそれぞれ変動する固定金利・変動金利商品などの選好に対し、どのような環境にも対応しやすい商品の品揃え、③営業費用のうち固定費用の割合を抑えることにより損益分岐点売上高の低水準化、などの施策をとることにより、業績変動の抑制に努めております。
新型コロナウイルスの感染拡大による景気の下振れは不可避であると思われます。当社グループの業績への影響につきましては、今後の動向を留意する必要があります。
②競合他社との競争環境について
住宅ローン市場における主要なプレイヤーである銀行をはじめとする民間金融機関の間では、住宅ローンに対する取り組みの強弱に大きな違いが生じつつありますが、当該市場は依然として非常に多くの金融機関が参加し、当社グループは厳しい競争環境に置かれています。このため、こうした競合他社の状況が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。我が国の住宅ローンの市場は年間約20兆円の巨大な市場であることから、0.1%の市場シェアの変動は、約200億円の融資実行の変動に繋がり、当社が代理店を経由する場合の典型的な取引では約4億円の融資実行業務関連営業収益の変動などの影響が齎されます。
当社グループは、全国店舗網の充実、審査スピードの更なる改善、商品ラインナップの拡充、住宅ローンの金融機関選択にとって重要な役割を果たすことの多い不動産会社との関係強化等により同業他社との差別化を図ることにより、市場シェアの維持・拡大に努めております。
(2)事業に関するリスク
①単一事業であることについて
2020年3月期の当社グループの営業収益の大半は住宅ローン事業に関するものであり、住宅ローン市場に影響する環境変化が発生した場合には、他事業によるカバーが困難であるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、住宅ローン事業から派生する不動産事業者・金融機関・消費者などのステークホルダーに対し、さまざまなサービスを提供することを目指すプラットフォーム事業の構築を核にした事業多角化に取り組むことにより、当該リスクの軽減に努めております。
②新規事業及びM&Aを伴う業容拡大について
当社グループは、成長戦略の1つとして、住宅ローンの契約を核に、顧客との長期にわたる関係を活かし、顧客と金融機関、不動産会社、消費者向けメーカーやサービス業者の住まいと暮らしに関するあらゆるニーズをマッチングするためのプラットフォームの構築を目指しております。プラットフォーム企業として今後も新しいサービスを提供するため、新規事業開始に加えて、M&A(企業や事業の合併及び買収)を含む積極的な業容拡大を進めてまいりますが、これらの新規事業開始や業容拡大等がもたらす影響について、当社グループが予め想定しなかった結果が生じ、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、M&Aを含む新規事業への進出においては、決められた期間において達成すべき業績指標 (KPI)、経営成績及び財政状態への影響、当社の主要事業である住宅ローン事業とのシナジーなどさまざまな観点からの検討を取締役会等において議論し、取締役会等での機関決定を前提とするとともに、実行後も当該事業の継続したモニタリングをすることにより、当該リスクの軽減に努めております。
③法的規制及び法改正について
当社グループは事業活動を行うにあたり、関係監督官庁から許認可を受けております。
その主な内容及び関連する法規制については次のとおりであります。
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法規制等の名称 |
貸金業法 |
銀行法 |
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取得年月 |
2017年6月 |
2017年6月 |
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許認可等の名称 |
貸金業者登録 |
銀行代理業者許可 |
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所管官庁等 |
関東財務局 |
関東財務局 |
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許認可等の内容 |
関東財務局長(2) 第01512号 |
関東財務局長(銀代) 第319号 |
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有効期限 |
2023年6月6日 |
期限なし |
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法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
登録取消事由 貸金業法第24条の6の5に該当した場合 |
許可失効事由 銀行法第52条の57に該当した場合 |
なお、本書提出日現在において、登録取消事由又は許可失効事由に該当する事実はありませんが、将来何らかの理由により登録の拒否又は取消、許可の失効があった場合には、当社グループの事業活動に重大な支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、今後、当該各種法規制の改正があった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社は、法令等遵守を徹底するとともに、内部管理・内部統制体制を整備することにより、登録・免許の取消事由を惹起することのない業務運営に努めております。
④住宅金融支援機構への依存について
2020年3月期に当社グループが実行した住宅ローンのうち、融資実行後住宅金融支援機構に譲渡することを前提とする商品である「フラット35」の占める割合は7割弱、また、同機構による保険・保証を前提として融資実行後証券化する「スーパーフラット」の占める割合は2割強であり、当社グループの事業は住宅金融支援機構に大きく依存しております。そのため、住宅金融支援機構との提携関係に何らかの変化が生じた場合、住宅金融支援機構の信用力の低下、その他の理由により住宅金融支援機構が発行する貸付債権担保住宅金融支援機構債券の利回りが上昇した場合、政府の住宅金融支援機構に関する方針の変化若しくは住宅金融支援機構が提供するプログラムの変更等が生じた場合、又は「フラット35」の商品競争力が低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、住宅金融支援機構と良好な関係を維持し、自らも「フラット35」の競争力の維持に努めると同時に、オンライン・バンクとの提携により販売する銀行代理商品(変動金利商品・固定金利商品)や大手地方銀行のひとつである静岡銀行との提携による変動金利商品「ARUHI 変動S」、等住宅金融支援機構とは独立した商品の販売拡大に努めております。また、今後も各種の金融機関と提携することで多岐にわたる商品ラインナップの拡充を続け、合わせてプラットフォーム事業の構築をはかることにより、住宅金融支援機構への依存度の軽減に努めてまいります。
⑤FC店舗展開について
当社グループは住宅ローン事業を行うにあたり、全国に154の拠点を展開していますが、このうち代理店運営法人によるFC店舗および他取扱拠点の数は141であり、それらの店舗を経由した住宅ローンの実行件数は全体の76%を占めています。当社グループは、FC店舗数の拡大を販売力強化のための重要な施策と位置付けておりますが、FC店舗の運営法人が見つからない場合、出店計画地域において適当な物件が見つからない場合、運営法人側の諸事情を理由とする撤退、FC運営法人との間で契約が維持できなくなった場合等は、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、FC運営法人のサポートとして、研修制度・OJT教育の拡充、各種業務サポートツールの構築、多店舗展開を活かした情報の共有・分析データの還元、表彰制度による功績に対する評価等により、FC運営法人と当社グループは良好なパートナーシップと信頼関係の維持に努めております。
⑥銀行代理業に関するリスクについて
当社グループは変動金利の住宅ローンを含む取扱商品の多様化のため、複数のオンライン銀行との間で契約を締結して銀行代理業を行っております。固定金利に対する変動金利の住宅ローンの割合の拡大、住宅金融支援機構への依存度の軽減などの観点からも、銀行代理業による融資の実行拡大は当社のリスク軽減のため重要な施策のひとつでありますが、提携するオンライン銀行との協業による事業の拡大が計画どおり進行しない場合は、当社グループの業績、財務状況、及び事業のリスク状況に影響を与える可能性があります。
⑦事務リスクについて
当社グループは、住宅ローン事業における事務処理を行ううえで、各種情報システムの活用や担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施等、業務の正確性、効率性を高めるための様々な取組を実施しております。しかしながら、一部においては人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きのミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務手続きのミスが安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは社内研修の拡充による業務遂行に必要な知識の共有、社内規範や事務手続きの標準化及び文書化に取り組むと同時に、RPA(Robotic Process Automation)などのIT技術を利用することにより、事務リスクの軽減に努めております。
また、新型コロナウイルス対策として、在宅勤務・テレワークを推進しておりますが、こうした働き方の変化による事務リスクについても対応を行っております。
(3)財務に関するリスク
①有利子負債に関するリスクについて
当社グループは、金融機関を貸付人とする融資契約にもとづく借入金、及び金融市場で発行するコマーシャルペーパーなど、2020年3月末において約591億円の有利子負債があります。このうち、1年以上の返済期間をもつ長期借入金は181億円(流動化に伴う借入債務を含む)であり、2021年3月期において約35億円の約定返済が予定されています。残りの375億円の有利子負債は、いずれも短期の有利子負債であり、主に債権流動化を行うまでに一時的に保有する住宅ローンの実行資金として使用しています。これらの有利子負債については、当社グループの事業計画の未達等など当社に起因するもののみならず、金融市場の混乱などにより、金融機関の融資姿勢に変化が生じ借換えが困難になった場合には、住宅ローン実行資金など事業資金の減少や事業環境の変化への適応力の低下等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対して、当社グループでは、長期安定性を有する資金の調達を進め、コミットメントライン契約による短期借入金枠を設定するなど、資金調達の安定性を図ると共に、2018年12月に格付投資情報センターよりBBB+/a2、また2019年4月に日本格付研究所よりA-/J1の発行体格付けを取得し、社債発行の準備をするとともにコマーシャルペーパーを発行するなど直接市場調達による調達多様化を図っています。
また、上記の融資契約に基づく借入金については、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財務状況及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入についても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に影響を与える可能性があります。
②証券化に関するリスクについて
a.資金調達リスク
当社グループの住宅ローン事業は、住宅ローン事業の資金調達を原則、債権譲渡や住宅ローン債権の証券化により行っております。資本市場の混乱などにより金融機関が証券化により組成される信託受益権を購入しなくなる場合や、当社の信用力の低下その他様々な内外部環境の変化により、住宅金融支援機構が債権譲渡に応じなくなる場合、又は金融機関が当社に対する貸付を行わなくなる場合などにおいて資金調達ができなくなり、結果としてローン商品の販売を停止せざるを得なくなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、資金調達先の分散を図ると共に、金融市場の混乱などによりフラット保証型商品の流動化に支障が生じた場合に備えたバックアップラインの設定を行うなど、資金調達における適切なポートフォリオの構築に取り組んでおります。また、急激な金融市場の変動に備えるため、金融機関、格付機関、債券投資家などと日常的に意思疎通を密にすることにより、調達環境が不透明な状況にあっても適切に調達できる環境を整えることに努めております。
b.見積将来キャッシュ・フローの変動リスク
当社グループでは、住宅ローン債権(住宅ローン債権を裏付資産とした信託受益権を含む。)の債権譲渡の結果、当社に残存することとなる回収サービス権又は配当受領権について、当該権利から発生する将来キャッシュ・フローを見積り、当該見積将来キャッシュ・フローの現在価値を資産として認識しております。この評価は、繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)、割引率等について一定の前提条件を設定して行っておりますが、当該前提条件が市場動向の変化等により修正された場合、当該資産の評価が変動し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、見積将来キャッシュ・フローの上記計算前提をきめ細かくフォローする体制を整えており、当該前提条件については過去の実績を反映させ、慎重に設定することにより、将来の資産評価価値の下落リスクを抑えております。
c.信用リスク
当社グループの住宅ローン事業の主力商品である「フラット35」は、貸付後速やかに債権譲渡されるため、当社は原則として信用リスクを負いません。「フラット35」以外の商品についても、住宅金融支援機構の融資保険の付保を前提に証券化・流動化を実施、あるいは当社グループとしては販売のみを行う商品の取り扱いなど、極力信用リスクを負わないビジネスモデルをとっています。したがって、当社グループの負う信用リスクは非常に限定されていると言えます。
しかしながら、経済環境の変化や景気変動等の要因により、当該ローン債権の延滞やデフォルトが想定を上回った場合は、住宅金融支援機構に支払う融資保険料の引き上げや、流動化・証券化のコストが上昇するなど、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
d.買戻しリスク
当社グループが実施している流動化・証券化スキームの契約においては、債権譲渡先である住宅金融支援機構や信託銀行に対する当社の事実表明や譲渡した住宅ローン債権に関する事実表明に重要な点における瑕疵等があった場合、一旦譲渡された住宅ローン債権を債権譲渡先から当社が買い戻すことが義務付けられております。このような義務にもとづく買戻しの発生は極めて限定されていますが、買戻しが発生した場合には、買戻しのための資金が必要になることに加え、当該住宅ローンについての回収リスクを負う場合もあるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、このような買戻しの義務の発生を避けるため、住宅ローンの融資実行のプロセスにおいて、住宅金融支援機構や信託銀行との契約に定められた事項につき、厳格に対応するルールを徹底するとともに、IT技術を利用して人為的ミスを極力排除することに努めております。
e.金利変動リスク
当社グループが利用している一部の債権流動化・証券化スキームにおいては、当社グループが住宅ローンの融資を実行し住宅ローン債権を保有してから、証券化による資金調達を行うまでの間に最大で数ヶ月のタイムラグが発生するため、市場金利の変動により、当社グループが融資実行時に想定していた金利水準と証券化時に投資家から求められる金利水準が異なった場合には、貸付債権流動化関連収益が想定した水準から変動するリスクがあります。このようなリスクに関連する債権流動化は2020年3月期には月間の平均が約160億円であり、貸付債権の見込実質期間を勘案すると、0.01%の金利の変動は約14百万円の収益の変動に繋がることになります。
当社グループは、金利変動によるかかるリスクは極力排除することを方針としており、毎月、予想される流動化債権の金額に対して金利スワップによるヘッジ取引を行い金利変動リスクの極小化に努めております。
③のれん等の減損リスクについて
当社は、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けにより取得しており、本書提出日現在、のれんを24,464百万円(連結総資産の16%)計上しております。当社はIFRSに基づき連結財務諸表を作成しているため、当該のれんの償却は行っておらず、また当該のれんについては、第三者による当社の将来の収益力評価を適切に反映したものですが、のれんの対象となる事業の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
④会計・税務リスクについて
a.株式取得費用
当社は、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けにより取得しており、その際に発生した株式取得費用を税務上損金として処理しておりますが、税務当局が当社と異なる見解を採用する場合、当社の申告する損金の全部又は一部が、税務当局から損金として認定されず課税所得が増加する結果、法人所得税費用が増加し、加算税・延滞税の支払いを命じられる可能性があり、その場合当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
b.消費税処理
当社は、課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に係る消費税額の算出にあたり、個別対応方式による計算を行っておりますが、課税期間における個々の課税仕入れ等を、課税売上対応分、非課税売上対応分及び共通対応分に区分する際の区分方法について、税務当局が当社と異なる見解を採用する場合、課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等にかかる消費税額が減少する結果、消費税費用が増加し、加算税・延滞税の支払いを命じられる可能性があり、その場合当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
c.流動化・証券化取引
住宅ローンの流動化・証券化取引は、世界的な金融・経済危機により、その取引に係る税務・会計上の法規や基準等の制度は細部に至って規制が強化されております。当社グループでは、個別案件の取組に際し、取引に係る税務・会計上の処理及びスキームが及ぼす影響について、都度、税理士・公認会計士等の専門家とともに慎重な検討・判断を行っております。しかしながら、今後、取引に係る税務・会計制度が新たに制定された場合や現行法規等の解釈に変化が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、当社グループが計上する貸付債権流動化関連収益については、見積将来キャッシュ・フローに繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)、割引率などにつき前提条件を設定することにより算定しております。このため当該前提条件の見積もりが変化することにより貸付債権流動化関連収益が変動することとなります。
当該貸付債権流動化関連収益のうち、キャッシュによる回収が行われていない部分については金融資産として計上されますが、当該金融資産の評価価値は、前提条件の見積りの変化によって変動する可能性があります。当社グループでは当該見積前提条件を設定するにあたっては、過去の実績を反映させ、慎重に設定することにより、将来の金融資産の評価価値の下落リスクを抑えております。
また、当社グループが行っている債権流動化取引については、関連するIFRSの規定・ガイダンスが複雑で多岐にわたるとともに変更されることもあることから、それらの変更、又は認識・判断の変更などによって、その適用の仕方が変更される可能性があります。
従来にない新スキームによる住宅ローンの流動化・証券化取引については、外部専門家等を起用するとともに、監査法人と慎重に議論をすることなどにより、適切な会計方法を適用することに努めております。
(4)コンプライアンスに関するリスク
①貸金業法等に係るコンプライアンスリスク
当社グループの主たる事業である住宅ローン事業は、貸金業法第3条に定める登録に基づく貸金業及び銀行法第52条の36に定める許可に基づく銀行代理業であります。このため、当社が各業法に定められる処分事由に抵触する場合、各業法に基づき行政処分又は登録・許可の取り消しを受ける可能性があります。
当社グループは、各業法に基づく当局及び所属銀行の検査を定期的に受検しており、また、グループ全体でのコンプライアンス体制強化に努めております。
②個人情報の管理について
当社グループの主たる事業である住宅ローン事業は、個人の顧客を対象に住宅ローンを提供しており、住宅ローンの相談、申込にあたり各種個人情報を収集しております。このため、当社は、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当し、個人情報の取扱いについて規制の対象となっており、当該法律に即して業務の運営を行っております。しかしながら、外部からの侵入者及び当社関係者並びに業務委託先等により、個人情報が外部に流出し、不正に使用された場合又は何らかの事由により個人情報の漏洩や毀損等が起こった場合、民事上又は行政上の法的責任を問われるとともに、当社グループ全体に対する信用及び当社グループのプラットフォームに対する信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、個人情報保護方針等の個人情報保護に関する各種規程を定めて運用し、顧客情報の流出や不正アクセス行為などにより、顧客の利益が侵害されないようセキュリティ対策を講じ、顧客情報の保護に細心の注意を払っております。また、個人情報管理体制の適正な運用に努めており、当該リスクの抑制に努めております。
しかしながら、万一当該事象が発生した場合、できる限り速やかにマスコミ等に公表することにより、お客さま等関係者への影響を最小限に抑えるとともに関係者からの信頼を確保するために全力を尽くす所存です。
③当社グループ従業員、顧客又は不動産業者等の不正により損失を被るリスクについて
当社グループの主たる事業である住宅ローン事業において、当社グループの従業員、FC店舗の従業員、顧客又は不動産業者による詐欺やその他の不正が発生した場合、当社が直接的な損失を被る可能性や行政処分の対象となる可能性があります。また、当該不正等の発生により、当社グループ全体のイメージが悪化すると共に社会的信用が低下し、ひいては当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、「コンプライアンス・ファースト」をスローガンに役員及び当社グループの従業員、さらにはFC店舗の従業員まで、当社グループ全体でのコンプライアンス意識を高めることに努めております。
具体的には、コンプライアンスやリスクマネジメントに関する委員会組織を設置し、基本方針・行動計画の決定及びモニタリング等を当該委員会で実施しております。また当社グループ従業員及びFC店舗の従業員に対し、指導・研修等を行うことで、コンプライアンス体制の強化に努めております。特に、住宅ローンを取扱う有人チャネルである直営店及びFC店舗に対しては、コンプライアンスを統括する部署に検査・指導グループを設け、全店舗への定期的な検査・指導を臨店にて行っております。その上で、各FC運営法人においてもコンプライアンス責任者を設置し、法令・規則に従って業務運営がなされるよう同社従業員の指導・監督にあたっております。
さらに、2019年12月には住宅ローン不正利用検知システム「ARUHI ホークアイ1.0」の本格稼働を開始しました。今後もさまざまなデータの学習を継続し、2021年3月期中には「ARUHI ホークアイ2.0」の稼働を予定しております。
以上のとおり、コンプライアンスを遵守する企業風土の醸成や研修・検査・指導体制の構築、さらにはシステムを導入した不正検知等予防対策を講じておりますが、万一当該事象が発生し損害が生じた(または可能性がある)場合には、法的措置を含めあらゆる措置を検討し損失を回避いたします。
④労務に関するリスクについて
当社グループでは、人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)・差別的行為(セクシャルハラスメント等)から生じる人的資産の損失・損害を未然に防止するため、コンプライアンスの研鑽等、適切な管理に努めております。また、健全な業務運営のため、労務関連法令諸規則を踏まえた人事関連諸制度を制定し、適正な運用を行うとともに、定期的な従業員意識調査に基づく人事管理・運用の見直しや在宅勤務・テレワークの積極的な活用を含めた働きやすい職場環境の整備等、適切な人事処遇や労務管理に努めております。
しかしながら、当社従業員の不適切な行動や人事労務上の問題に関連する重大な訴訟が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤知的財産権について
当社グループは、保有する商標等の知的財産権の保護に努めておりますが、当社グループのノウハウや知的財産権が適切に保護される保証はありません。また万一、当社グループが事業を推進する中で第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、当社の知的財産権の保護及び第三者の知的財産権を侵害しない体制として、知的財産管理に関する規程を定めるとともに、当該規程において知的財産権の管理に関する業務を所管する部署を定め、必要に応じて顧問弁護士や弁理士等の意見を聴取する等、知的財産の適正な管理に努めております。
⑥重要な訴訟事件等の発生に関するリスクについて
当社グループにおいて、業績等に重大な影響を及ぼす可能性のある係争中の訴訟事案はありません。しかしながら、当社グループの営む事業の性質上、契約違反、不法行為、労働問題、消費者保護等に関する訴訟が発生する可能性があり、将来業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、かかる訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合又は当社グループに不利な和解がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
⑦反社会的勢力との取引に関するリスクについて
当社グループは、反社会的勢力との関係が疑われる者との取引を排除すべく、新規の取引に先立ち、反社会的勢力との関係に関する情報の有無の確認や反社会的勢力ではないことの表明及び確約書の徴求など、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。しかしながら、当社グループの厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との取引を排除できない可能性があります。このような問題が認められた場合、その内容によっては、監督官庁等より業務の制限又は停止や課徴金納付命令等の処分・命令を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
万一、反社会的勢力から不当な要求を受けあるいは何らかの問題が生じた場合は、関係行政機関や法律専門家とも協力し、速やかに対処します。
(5)その他経営環境等のリスク
①情報システムに関するリスクについて
当社グループは、住宅ローン事業において、FC店舗及び直営店舗といったチャネルに加え、インターネット及び情報システムの仕組みに基づき、住宅ローンを提供しており、インターネット接続環境やシステムネットワークインフラが良好に稼動することが事業を円滑に運営する上で求められております。しかしながら、不正アクセス、社外からの破壊行為、サイバー攻撃、地震や水害等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピューターウイルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者、システム事業者に起因するサービスの中断や停止などの外的要因だけでなく、システム開発における不備、人為的ミス、機器故障、外部委託先の瑕疵などの現段階では予測不可能かつ当社グループのコントロールを超えた事由により、システムに重大な支障が生じた場合、当社グループの顧客(潜在的な顧客を含みます。)に対してサービスを提供することができず、当社グループの顧客の個人情報及び取引情報その他の情報の保護に問題が生じ、又は当社グループの財務・会計・データ処理その他のシステム及び設備が適切に稼働しない可能性があります。これらの事象が生じた場合、データの喪失や当社グループの処理能力に影響が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、セキュリティ対策プログラムを有すると共に、コンピューターシステムについて、安定稼動のためのシステム運用やバックアップシステムの構築などの対策を講じており、当該リスクの顕在化の抑制に努めております。
②風評等のリスクについて
当社グループの主たる事業である住宅ローン事業は、個人の顧客に対して資金の貸出を行うという事業特性上、当社グループに対する社会的信用度合いが重要となります。そのため、事実の有無にかかわらず、当社グループの業務、技術、コーポレート・ガバナンス及び規制当局の行為等から生じ得る否定的な世論、又はマスコミ報道やインターネット上の誹謗中傷等により、当社の風評が著しく悪化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③新株予約権の行使による株式希薄化について
当社は、新株予約権方式によるストック・オプション制度を導入しており、当社グループの役員及び従業員に対して、中長期的な業績及び企業価値向上のインセンティブを与えること等を目的として新株予約権を発行しております。将来においてこれらの新株予約権が行使された場合には、当社株式価値が希薄化する可能性があります。本書提出の前月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は1,455,200株であり、発行済株式総数の4.03%に相当しております。但し、新株予約権それぞれの行使期間に制限がある点では、新株予約権の全てが即時に行使され、即時に当社株式価値が希薄化する予定はありません。新株予約権の詳細は、「第4 提出会社の状況 1.株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。
当社グループは、新株予約権の将来的な行使に備えるため、時に応じて自己株式取得を行うことにより株式希薄化の最小化に努めております。
④人的資源に関するリスクについて
当社グループは、成長過程にあるため、今後の更なる業容の拡大及び業務内容の多様化に対応して、優秀な人材の積極的な採用・確保、従業員の育成体制の強化が必要とされておりますが、優秀な人材の採用及び育成が困難となる場合や、在籍する人材の社外流出が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループでは従来から継続的に社員の意識調査を実施し、その情報などに基づき社員満足度向上に努めておりますが、2020年3月期には新たに人材開発部を設け、継続的かつ計画的な教育体系を実施することにより、人材育成の強化を行いました。また、定年年齢を従来の60歳から65歳へ変更し、高年齢者が意欲と能力に応じて働き続けられる労働環境を構築しました。これらの施策の実施により、2020年3月期の退職率は1年前の2019年3月期の7.7%から5.2%へと低下しました。継続的な優秀な新規人材の採用及び社員満足度の向上を図る施策の実行により、人的資源に関するリスクの低減に努めております。
⑤経営陣等への依存に係るリスクについて
当社グループは、当社の代表取締役会長兼社長CEO兼COOである浜田 宏を含む経営陣の先見性及びリーダーシップ及び専門的知識を有する従業員が業務執行について重要な役割を果たしております。このため、同氏を含む経営陣又は従業員が何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経営陣の後継者育成プラン(サクセッションプラン)を策定し、同プランに基づいた人材育成を行っております。また、このような施策により、取締役会をはじめとして特定の人物に依存しないガバナンス体制に基づく業務運営に努めております。
(6)営業収益・営業費用の構造について
2020年3月期連結会計年度における当社グループの営業収益の合計は26,202百万円となり、その内訳の割合は、融資実行業務54%、債権管理回収業務8%、保険関連業務6%、ファイナンス業務30%、その他業務1%という結果でした。これらの業務にかかる営業収益のうち、融資実行業務及びファイナンス業務に関しましては、それぞれ、連結会計年度に実行される融資の実行額及び実行された融資のうち証券化される金額との連動性が非常に高い性格を有しています。当連結会計年度においては、それら融資の実行と証券化に連動して計上された営業収益は合計で約84%を占めたということになります。一方、それ以外の約16%の営業収益は、過去に実行されたローンの蓄積に関連する収益が主体であり、長期的に安定した収益としての性格を有しています。
これら営業収益の変動性に関する特徴に対して、営業費用(2020年3月期18,451百万円)の内訳をみた場合、融資実行業務関連営業収益と非常に連動性が高いものとして販売費及び一般管理費のうち支払手数料(2020年3月期7,616百万円)があり、又ファイナンス業務関連収益とある程度の連動性をもつものとして金融費用(2020年度3月期2,617百万円)がある一方、それ以外の営業費用(2020年3月期8,216百万円)は営業収益との連動性は低いものと分類されます。したがって、2020年3月期連結会計年度においては、営業収益の総額に対して、営業収益との連動性が低いいわゆる固定的な営業費用の割合は約31%であったこととなり、固定費率はかなり低水準であると言えます。これらのことから、いわゆる損益分岐点の売上高(営業収益)は比較的低水準であり、営業収益の変動に対して利益確保のための財務体質は比較的に強固であると考えています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、世界経済における米中貿易摩擦問題などの影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、原油市場・金融市場の不安定さが増大しており、景気は足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にあります。
当社グループが属する住宅関連業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策の拡大などがあったものの、消費税増税後の反動により新設住宅着工戸数は緩やかに減少しており、先行きについても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による厳しい状況が続き、当面、弱含みで推移していくと見込まれております。
このような状況のもと、当社グループは、提供商品の多様化を進めることでお客さまの幅広いニーズにお応えするとともに、RPAなどのテクノロジーを活用することで住宅ローン手続の迅速化を実現するなど、顧客価値の向上に積極的な取り組みを継続しております。その結果、当連結会計年度の当社グループの新規融資実行件数は、前年同期比較で7.7%の増加となりました。主な要因は、当社独自の商品である「ARUHIスーパーフラット」の販売が好調に推移したことに加え、消費税率の引上げに伴う駆け込み需要の影響により、特に当連結会計年度の前半に融資実行件数の伸長が大きかったことなどによるものです。
営業収益については、融資実行業務では、新規融資実行件数が伸長したことによりオリジネーション・フィー売上が8.5%増加となりました。また、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」が好調であることなどからファイナンス業務売上が18.7%増加し、結果、当連結会計年度の営業収益は26,202百万円(前年同期比9.9%増)となりました。一方、中長期成長に向けた人材の確保、積極的なプロモーション活動などの戦略的な費用が増加したことにより費用は増加しましたが、税引前利益は7,315百万円(同16.8%増)となりました。当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は4,972百万円(同15.3%増)となりました。
なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14,811百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,331百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは7,407百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ10,906百万円の収入増加となりました。これは主に、税引前利益7,315百万円、営業貸付金の減少額5,748百万円などのキャッシュの増加要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,018百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,061百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4,057百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払い1,654百万円、自己株式の取得による支出801百万円などによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループの事業の性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。
c.販売の実績
1)販売実績
当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりです。なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
|
業務 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比 |
|
融資実行業務 |
14,061 |
108.5% |
|
債権管理回収業務 |
2,196 |
77.0% |
|
保険関連業務 |
1,700 |
141.5% |
|
ファイナンス業務 |
7,859 |
118.7% |
|
その他業務 |
384 |
180.0% |
|
合計 |
26,202 |
109.9% |
(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。
2)融資実行業務売上
当連結会計年度における融資実行業務売上の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円(前年同期比を除く。))
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比 |
|
新規借入 |
13,347 |
111.4% |
|
投資用マンションローン |
145 |
28.1% |
|
借換 |
568 |
125.8% |
|
合計 |
14,061 |
108.5% |
(注)融資実行業務売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。
3)融資実行件数
当連結会計年度における融資実行件数は、次のとおりです。
(単位:件(前年同期比を除く。))
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比 |
|
新規借入 |
25,287 |
107.7% |
|
投資用マンションローン |
657 |
32.0% |
|
借換 |
1,395 |
122.3% |
|
合計 |
27,339 |
102.5% |
(参考情報)
投資情報としての有用性の観点から、参考情報として実質上の存続会社である旧アルヒ株式会社の2016年3月期から2020年3月期に係る融資実行件数については、新規借入・投資用マンションローン・借換の区分別に四半期ごとの実行件数を下記に記載しております。
1)新規借入
(単位:件)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
2016年3月期 |
3,936 |
3,976 |
4,053 |
4,146 |
16,111 |
|
2017年3月期 |
3,822 |
4,078 |
4,279 |
4,543 |
16,722 |
|
2018年3月期 |
4,455 |
4,630 |
5,042 |
5,490 |
19,617 |
|
2019年3月期 |
5,262 |
5,517 |
6,134 |
6,573 |
23,486 |
|
2020年3月期 |
5,761 |
6,756 |
6,202 |
6,568 |
25,287 |
2)投資用マンションローン
(単位:件)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
2016年3月期 |
44 |
187 |
467 |
941 |
1,639 |
|
2017年3月期 |
949 |
1,017 |
1,217 |
1,149 |
4,332 |
|
2018年3月期 |
1,178 |
987 |
1,199 |
934 |
4,298 |
|
2019年3月期 |
841 |
741 |
314 |
154 |
2,050 |
|
2020年3月期 |
146 |
197 |
211 |
103 |
657 |
(注)投資用マンションローンについては、2020年2月をもってその取扱を中止するとともに、当該事業から完全撤退しております。
3)借換
(単位:件)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
2016年3月期 |
844 |
283 |
178 |
1,378 |
2,683 |
|
2017年3月期 |
3,584 |
3,907 |
1,343 |
856 |
9,690 |
|
2018年3月期 |
699 |
441 |
367 |
290 |
1,797 |
|
2019年3月期 |
230 |
328 |
288 |
295 |
1,141 |
|
2020年3月期 |
300 |
440 |
441 |
214 |
1,395 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は132,585百万円となり、前連結会計年度末に比べ33,186百万円増加いたしました。これは主に営業貸付金及びその他の金融資産がそれぞれ24,548百万円、19,650百万円増加したこと、預け金及び無形資産がそれぞれ6,297百万円、6,652百万円減少したことなどによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は105,950百万円となり、前連結会計年度末に比べ30,405百万円増加いたしました。これは主に、その他の金融負債が、営業貸付金及びその他の金融資産の増加に伴い30,275百万円増加したことなどによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本は26,634百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,781百万円増加いたしました。これは当期利益が4,972百万円計上されたことに加え剰余金の配当1,656百万円ならびに自己株式の取得による支出801百万円などによるものであります。
2)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度と比較して9.9%増加の26,202百万円となりました。主な要因は新規借入件数増加に伴い融資実行業務が1,106百万円の増収となったこと、また当社独自の商品である「ARUHIスーパーフラット」の増加に伴いファイナンス業務が1,236百万円の増収になったことなどによるものであります。
(営業費用)
当連結会計年度の営業費用は、前連結会計年度と比較して8.8%増加の18,451百万円となりました。主な要因は積極的な人員採用により人件費が716百万円増加したこと、また融資実行した際に受領するオリジネーション・フィー売上の増加に伴いFC(フランチャイズ)運営法人へ支払う手数料が増加したことにより支払手数料が701百万円増加したことなどによるものであります。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比較して15.3%増加の4,972百万円となりました。
(連結経営指標等)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比 |
|
営業収益 |
23,844 |
26,202 |
2,357 |
|
融資実行業務 |
12,955 |
14,061 |
1,106 |
|
債権管理回収業務 |
2,850 |
2,196 |
△654 |
|
保険業務 |
1,201 |
1,700 |
498 |
|
ファイナンス業務 |
6,623 |
7,859 |
1,236 |
|
その他業務 |
213 |
384 |
170 |
|
営業費用 |
△16,963 |
△18,451 |
△1,487 |
|
金融費用 |
△3,705 |
△2,617 |
1,087 |
|
販売費及び一般管理費 |
△13,234 |
△15,787 |
△2,553 |
|
人件費 |
△2,952 |
△3,669 |
△716 |
|
広告宣伝費 |
△790 |
△1,215 |
△424 |
|
支払手数料 |
△6,915 |
△7,616 |
△701 |
|
使用料費用 |
△1,309 |
△1,214 |
94 |
|
減価償却及び償却費 |
△578 |
△1,021 |
△443 |
|
営業貸付金減損損失 |
△33 |
△52 |
△18 |
|
租税公課 |
△477 |
△812 |
△334 |
|
その他 |
△178 |
△185 |
△7 |
|
その他の費用 |
△23 |
△46 |
△22 |
|
その他の収益 |
△616 |
△435 |
181 |
|
その他の収益 |
26 |
19 |
△7 |
|
その他の費用 |
△642 |
△454 |
188 |
|
税引前利益 |
6,264 |
7,315 |
1,051 |
|
法人所得税費用 |
△1,951 |
△2,343 |
△392 |
|
当期利益 |
4,312 |
4,972 |
659 |
|
親会社の所有者に |
4,312 |
4,972 |
659 |
|
配当性向(%) |
36.5 |
36.1 |
△0.4 |
(事業データ)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比 |
|
拠点数 |
155 |
154 |
△1 |
(市場環境指標)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比 |
|
10年国債 期中平均金利(%) |
0.058 |
△0.098 |
△0.156 |
|
新設住宅着工戸数(戸) (持家+分譲住宅) |
554,885 |
543,070 |
△11,815 |
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
住宅ローン事業は金利動向や住宅市場の状況、人口動態、世帯動態等の市場環境に大きく影響を受けます。特に足元においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、景気が大幅に下押しされており、住宅ローン事業への影響も想定されるところですが、中期的には当社グループは事業環境の分析を踏まえて適切なセグメントに対する最適なリソース配分を行うことで、更なるシェアアップによる成長が可能であると考えております。
2)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、住宅ローン市場の中でも成長が見込まれる分野への注力、当社の強みを活かした運営を通じたシェアアップによる住宅ローン事業の中期的な成長を基盤とした事業拡大を進めております。
2018年3月期に発表した中期経営計画における方向性、“変動金利型住宅ローン市場への参入等により商品ラインナップを充実させ、全国店舗網を通じた住宅ローン事業の成長を推進すると同時に、住宅ローン事業で構築したポジショニング、データベース、インフラを活用し、お客さまの生涯を通じて価値を提供できるよう事業領域の拡大を目指していく”に大きな変更はありません。直近の新型コロナウイルスの感染拡大による市場の不透明さを受け、当社グループの中軸事業である住宅ローン事業の更なる強化を中心に積極的に事業に取り組んでまいります。
3)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、引き続き中核ビジネスである住宅ローン事業の成長を実現させていくことに力を注ぎ、従来のローンビジネスの枠組みを超えた顧客サービスの提供が継続的にできるよう確立していくのが課題であると認識しております。このため、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、人工知能(AI)などの新技術を積極的に取り入れ、またベンチャー企業を始めとした業界他社との連携を強化し、当社グループのプラットフォームを通じて、お客さまのニーズに合わせた高付加価値サービスの構築及び収益化に引き続き取り組んで参ります。
なお、本項目については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載事項もご参照ください。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等
中期経営計画において、以下を経営目標としており、引き続き、経営目標の達成に向け取り組んでまいります。
当連結会計年度は年度の後半になり、消費税引上後に住宅ローン実行件数の伸長が弱含んだこと、銀行代理商品につき所属銀行の異動があったことなどから、住宅ローン新規借入実行件数の伸長の伸びが減少し、前年比1,801件の増加ではありましたものの、成長率では若干の目標未達になりました。一方、営業収益においては、当社独自の商品である「ARUHIスーパーフラット」の販売が好調に推移したことによるファイナンス業務関連の営業収益が増加したことなどにより、目標を上回る結果となっています。その結果、税引前利益についても、目標を上回る結果となっています。
引き続き、中期経営計画の重要施策を継続的に推進してまいります。
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指標 |
CAGR目標 (2018年3月期-2023年3月期) |
CAGR実績 (2018年3月期-2020年3月期) |
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住宅ローン新規借入実行件数 |
15.0% |
13.5% |
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営業収益 |
10.0% |
13.2% |
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税引前利益 |
15.0% |
18.6% |
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金調達の基本方針
当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として銀行等からの長期借入金、及びコミットライン付き短期借入金により資金調達を行っています。100%子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、アルヒ株式会社からの貸付を行うことにより、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。また、お客さまに貸付けた住宅ローン債権は、貸付実行後速やかに債権譲渡・流動化を行うことでオフバランス化しております。
2)資金需要の主な内容
当社グループのオンバランス資金需要は、大きく分けて通常資金需要と貸付資金需要の2つになります。通常資金需要は主に、人件費、販売費及び一般管理費、システム開発などになります。一方、貸付資金需要は、当社のお客さまへの住宅ローン貸付のための資金需要になりますが、これら貸付金は全て貸付実行後速やかに債権譲渡・流動化などが行われ回収されるため、資金需要はそれまでの間の短期間のつなぎ資金となります。
3)資金調達手段
当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用を行うと共に、金融機関からの借入及び融資実行した貸付金の住宅金融支援機構への債権譲渡、及び市場での貸付債権証券化などを行っております。
このようなオペレーションを行うに当たっては、複数の金融機関からコミットメントラインを含む十分な借入枠の確保を行うと共に、安定的な貸付債権証券化の消化ができる環境整備を行うなど、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。
また、当社グループは、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しています。2020年3月31日現在の格付けは下記のとおりです。当社グループとしては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。
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R&I |
JCR |
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長期発行体格付 |
BBB+ |
A- |
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見通し |
安定的 |
安定的 |
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コマーシャルペーパー |
a-2 |
J-1 |
③重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。
a.のれんの評価
当社グループは、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けした際の買収価額と純資産の公正価値との差額をのれんとして認識しております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、年1回回収可能価額を見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。
減損判定における資金生成単位の回収可能価額は、見積り・前提を使用するため、見積り・前提は減損が認識されるか否かの判定及び認識される減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
のれんの減損判定において、当社は独立した外部の評価機関を利用しております。見積将来キャッシュ・フローは社内で作成した3ヶ年事業計画を使用し、付随する財務資料、内部資料等を加え、一般に入手可能な市場情報も考慮に入れております。割引率に株主資本コストを使用しております。
2020年3月31日時点における評価の結果は、減損損失を認識することはありませんでした。
b.金融商品の公正価値
当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、市場価値に基づく価額により見積っております。市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価技法により見積っております。
c.繰延税金資産
資産及び負債の会計上の帳簿価額と課税所得の計算に使用される対応する税務基準額との一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る税効果については、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において、期末日に制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、当該差異及び税務上の繰越欠損金の解消時に適用されると予測される税率を用いて繰延税金資産を認識しております。
(業務上の重要な契約)
当社グループの経営上の重要な契約には、当社が住宅金融支援機構と締結した住宅ローン債権売買基本契約及び買取債権管理回収業務委託契約並びに当社と各代理店の運営法人との間で締結した代理業務委託契約等があり、主な契約内容は以下のとおりです。
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名称 |
契約内容 |
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住宅ローン債権売買基本契約 |
イ.契約相手方:住宅金融支援機構 ロ.契約締結日:2004年12月1日、毎年1年間自動更新 ハ.契約の目的及び内容:「フラット35」債権の売買 ニ.契約金額及び代金授受方法: 契約金額:指定なし 代金授受方法:当社が買取申請し住宅金融支援機構が買取承認をした「フラット35」債権に対し、その債権額が住宅金融支援機構から入金されます。 ホ.契約の重要な内容:当社及び住宅金融支援機構間で「フラット35」債権の売買を行います。 「フラット35」債権の売却代金は月に3回、住宅金融支援機構が指定する日に当社に入金されます。 |
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買取債権管理回収業務委託契約 |
イ.契約相手方:住宅金融支援機構 ロ.契約締結日:2004年12月1日、毎年1年間自動更新 ハ.契約の目的及び内容:「フラット35」債権回収業務等の受託 ニ.委託手数料:業務内容に応じて住宅金融支援機構から委託手数料が支払われます。 |
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代理業務委託契約 |
イ.契約相手方:各代理店の運営法人 ロ.契約締結時期及び契約期間:運営法人との個別契約による ハ.契約の目的及び内容:住宅ローン業務等の委託 ニ.契約金額及び代金授受方法(基準)等:当社から代理店の運営法人に対して住宅ローン融資金額に一定料率を乗じて算出された金額を支払います。 ホ.契約の重要な内容:代理店の運営法人は当社から委託を受けて住宅ローンに関する業務を遂行し、当社は代理店の運営法人に対して住宅ローン融資金額に事前に定められた比率を乗じて算出された金額を翌月に支払います。 |
(株式会社みずほ銀行等と締結しているタームローン契約)
当社は2017年11月21日に株式会社みずほ銀行をアレンジャー兼エージェント、株式会社三井住友銀行をコ・アレンジャーとする金銭消費貸借契約書(以下「タームローン契約」という。)を締結しております。主な契約内容は、以下のとおりです。
1.契約の相手先
契約の締結先は株式会社みずほ銀行ほか6社となります。
2.借入金額の残高(2020年3月31日時点)
タームローンA:10,000百万円
タームローンB:3,563百万円
3.金利
TIBOR(東京銀行間取引金利)+スプレッド
スプレッドはタームローン契約において予め定められた料率とされております。
4.返済期限
タームローンA:2025年2月28日を最終回とする分割返済
タームローンB:2025年2月28日を最終回とする分割返済
5.主な借入人の義務
(ア)タームローン契約において許容される場合を除き、担保提供又は保証提供を行わないこと。
(イ)タームローン契約において許容される場合を除き、合併等の組織再編行為、事業・資産の一部又は全部の譲渡・譲受等を行わないこと。
(ウ)タームローン契約において許容される場合を除き、主たる事業の内容を変更しないこと。
(エ)財務制限条項を遵守すること。
該当事項はありません。