第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

人生は「ある日」の積み重ねでできています。そして住宅を持つ日は、お客さまにとってかけがえのない「ある日」。当社グループは、住み替える人々に必要なさまざまなサービスと商品を、全国の店舗をはじめとする多様なチャネルを通じご提供することで、お客さまの大切な「ある日」が最高のものとなるようにお手伝いします。

お客さまにとって本当に住みやすい街やライフスタイルに合った家のご紹介、不動産売買のお手伝い、さまざまな暮らしのサービスが付いた住宅ローンなど、住み替えに必要なサービスと商品をワンストップでご提供します。

 

(2)中期的な経営戦略

新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」)の拡大は、日本社会における働き方の意識を変え、都心から郊外、マンションから戸建など、住環境に求めるニーズの大きな転換点となりました。このような住環境ニーズの大きな変化を捉え、当社グループは、2022年3月期から2026年3月期までの5年間を対象とする「中期経営計画2021」を策定し、2021年5月に公表いたしました。

これまでの「住宅ローンカンパニー」からお客さまをワンストップでフルサポートする総合的な「住み替えカンパニー」への進化を目指し、既存の住宅ローン事業に加えて、不動産事業並びに住み替えに関するコンシューマーサービス事業を本格的にスタートいたしました。住宅ローンを核として、お客さま一人ひとりのライフスタイルや価値観に合った住みやすい街の提案から、住み替え時や住み替え後の暮らしまで、ライフステージに合わせたさまざまな商品・サービスをご提供するために、下記の取組みを行います。

 

①住宅ローン事業

多様化するニーズに対応し、お客さまの住み替えをサポートするため、商品ラインアップの拡充、全国への地域支社への展開をはじめとした販売チャネルの強化に加え、デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」)の加速によるお客さまの利便性の向上とともにオペレーションや店舗業務の効率化を推進しています。

また、新規事業である不動産事業との連携を進めることで、お客さまの住み替えの上流工程からサポートできる体制を整え、更なる事業成長を目指します。

 

②不動産事業

人生のさまざまなライフステージで住み替えを希望するお客さまを、ご検討の初期段階からお手伝いします。一人ひとりのライフスタイルや価値観に合った本当に住みやすい街を提案するWebサービス「TownU(タウニュー)」の提供を2021年11月に開始しました。今後、同サービスに物件情報の掲載などの機能拡充を行ってまいります。物件購入・売却、住宅ローンなどの住み替えについてのコンサルティング業務を行う住み替えコンシェルジュでは、TownUとの連携強化、外部サービスとの連携を増やすことで、住み替えを希望するお客さまの流入を増強するなど事業基盤の強化に取り組んでまいります。買取再販事業では、堅調な需要を背景に事業拡大期と捉え、仕入・販売エリアの拡大を推進してまいります。

 

③コンシューマーサービス事業

当社の住宅ローンをお申し込みいただいたお客さまに対し、お得な引越しや生活インフラなど、住宅購入時や購入後の新生活に必要な優待サービスをご提供することで、住宅ローン事業や不動産事業へのシナジーを実現してまいります。

 

 

(参考)住み替えカンパニーへの進化 -2022年度以降展望-

 各機能間連携を進め、街・家探し~住宅購入~住宅ローンまでの繋がりを強化し、住宅ローンに繋げると共に各事業の成長を通じ、住み替えカンパニーとしての成長基盤の確立を目指します。

 

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(3)目標とする経営指標

中期経営計画2021における財務目標は、次のとおりであります。

 

指標

2022年3月期(実績)

2026年3月期

営業収益

251億円

610億円

税引前利益

61億円

170億円

住宅ローン新規借入実行件数

2.0万件

5.3万件

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当面の住宅市場は、昨今のテレワークの普及などライフスタイルの変化を踏まえ、より快適な住環境を求める傾向は続いており、住宅取得の意欲は底堅く推移することが見込まれます。感染症やウクライナ情勢などの影響による原油価格、建築資材の高騰等による物件価格の高止まり、更に金利が上昇した場合に購入検討の見送りが発生する懸念は残るものの、中~高所得者層を中心に住宅需要は底堅く推移すると予想しています。

やや中期的には、地方から大都市圏への人口流入、ライフステージ・ライフスタイルに合わせた住み替え、単身世帯の増加等を背景とした住宅需要の活性化が予想されます。また、国の中古物件流通促進政策を背景とした中古物件流通量の増加等、住宅ローン市場において引き続き成長が見込める領域(潜在マーケット)が存在すると想定されます。

上記環境を踏まえたうえで、複数の切り口から対処すべき課題について記載します。

 

①競合他社の状況と商品ラインアップ

住宅ローン市場においては、変動金利商品を提供する大小の銀行が全住宅ローンの80%を超える市場を占有し、特に三大都市圏における競争が激化しています。銀行による積極的な貸出が行われた一方、フラット35市場については、感染症の長期化による就業不安や物件価格の高騰などから利用顧客層の購入見送りなどの影響が見られました。外部環境の変化に合わせた商品ラインアップの拡充に加え、新たな顧客層や不動産事業者等への営業基盤強化等が課題であると認識しています。

当社グループは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利商品で、従来から提供する「ARUHIフラット35」(フラット35買取型)に加え、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」(フラット35保証型)を市場に投入・拡大することにより、固定金利市場の拡大を図っています。「ARUHIスーパーフラット」シリーズは全体の実行件数を押し上げる原動力となっており、2022年3月期のフラット35の実行件数(借換を含む)シェアは27.3%となり、12年連続で第1位(注)となりました。

変動金利商品においては、固定と変動の金利差を背景に銀行の積極的な融資スタンスが継続すると予想されることから、ネット銀行の変動金利商品の拡販やオリジナル変動金利商品の拡充により、市場規模の大きな分野に参入し、住宅ローン事業の更なる拡大を図っています。

今後も2022年5月に商品改定を行った「ARUHIスーパー40」のような毎月の返済額を抑える超長期住宅ローンの導入をはじめとして、外部環境の変化に合わせた商品ラインアップの拡充に引き続き取り組んでまいります。

(注)取扱全金融機関のうち借換を含むフラット35実行件数(当社調べ)

 

②販売チャネル及び営業体制

当社グループは、FC店舗、直営店舗、直販ホールセール営業や、来店不要で手続きが可能な非対面チャネルなど、様々な販売チャネルを拡大して提供することで、より大きな市場により効率よくアクセス可能な体制を整備してまいりました。足元の外部環境の変化を踏まえ、今後は、当社の強みである店舗ネットワークにおける業務の更なる効率化やオンラインチャネルとのハイブリッド化、店舗の営業活動や接客スキルの平準化や向上を目的としたデジタル営業ツールの拡充など、DXを加速させ、お客さまの多様化するニーズへの対応に引き続き取り組んでまいります。また、2021年4月1日付で営業体制を再編し、従来のFC店舗の支援・管理機能と直営店舗の営業機能を一本化することで、より高度かつ機動的な営業戦略の策定・遂行を図るとともに、全国に支社を設立しFC店舗と連携した大手不動産事業者開拓やFC店舗へのきめ細かいサポートなど、地域密着型マーケティングの強化を目指してまいります。

一方、適正な店舗運営の強化に取り組む上で、FC店舗を含む人材の安定的な確保、研修などの教育制度による能力向上及びコンプライアンス体制の強化が課題であると認識しており、こうした営業体制の再編により、店舗チャネルの戦略的な運営を従来以上に推し進め、販売体制とコンプライアンス体制の強化に継続的に取り組んでまいります。

 

③オペレーション体制

当社グループは、住宅ローン業務において、OCR(Optical Character Recognition)やRPA(Robotic Process Automation)、AI等の最先端テクノロジーを活かして、お客さまの利便性と営業及び事務効率の向上への取組みを加速させています。また、審査プロセスの強化・AIを活用した住宅ローン不適正利用検知システム「ARUHI ホークアイ」を導入するなど、住宅ローンの不適正利用の予防に取り組んでおります。今後も引き続きテクノロジー活用領域の拡張を行い、事務を極小化した新型店舗の開発などの事務処理の効率化に取り組んでまいります。オペレーション体制の強化においては、イノベーション・チャレンジを継続することが当社グループの責務かつ課題であると認識しています。

 

④サステナビリティ

当社グループは、経営優先テーマ「マテリアリティ」を策定し、社会や環境への配慮などの取組みをより一層事業戦略と結びつけ、社会と自社の成長につなげていきます。

 

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a.環境への取組み

1)「ストック型・循環型社会の形成」による環境負荷の軽減及び気候変動への対応

環境への取組みにおいては、「良いものを受け継ぎ長く使う、ストック型・循環型社会の形成に貢献する」「地球環境に配慮した、良質な住宅の普及を促進する」との考え方をベースに企業活動を行っております。当該考え方に基づき、当社は、日本で初めてグリーンRMBSを発行し、ARUHIスーパーフラットSのうち「省エネルギー性に関する技術基準」を満たす住宅を対象とする貸付金に対する資金調達を行っております。グリーンRMBSの発行を通じ、省エネルギー性に優れた住宅の普及促進に貢献しております。こうしたグリーンRMBSの発行は、日本初の取組みとなるもので、2021年4月には「ディール・オブ・ザ・イヤー2020」で「ベスト・ストラクチャード・プロダクト」を受賞いたしました。

また、温室効果ガス排出量については、Scope2まで開示を行いました。当社は、2022年6月に、金融安定理事会(FSB)により設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」が2017年6月に公表した提言への賛同を表明いたしました。TCFD提言に沿って、気候変動に関連するリスクと機会を識別し、それらの財務的影響を分析・評価したうえで取組みを検討し、コーポレートサイト上に、その内容を開示いたしました。今後も気候変動に関連するリスク及び機会の評価や管理を行い、適切な情報開示を行うとともに、低炭素社会を実現する取組みに努めてまいります。

 

 

b.社会への取組み

1)自分らしい豊かでサステナブルなライフスタイルの提案

当社グループは、ARUHIフラット35をはじめ様々な金融商品や住み替えに関わる各種サービスの提供を通じ、より多くの人に豊かな住まいと暮らしを提供してまいります。

地域活性への取組みにおいては、「本当に住みやすい街大賞」の選定を行っております。住宅ローン事業で得られた膨大なデータを元に、あこがれやイメージではなく「実際にその地域で生活する」という視点から、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準について、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会によって、公平な審査のもとに本当に住みやすい街を選定しランキングを毎年発表しております。主要な地域別に公表しているこのランキングはTV、雑誌、インターネットなどの多くのメディアに取り上げられ話題となっており、選出された街の商店街の看板やWebサイトなどにランキングを利用していただくことで、街のPRを後押ししております。また、2022年4月には、川口市と移住促進、地域活性化のためのリーフレットを制作し、無料配布を開始しました。選定された街と連携し地域活性に向けた取組みを行うことで、街の持続的な発展に貢献しております。さらにWebサービス「TownU(タウニュー)」の提供を通じ、一人ひとりに合った本当に住みやすい街を提案することで、自分らしい豊かな生活の実現をサポートしてまいります。

 

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2)カスタマーファースト

当社グループはお客さまの満足度向上は最も重要な経営課題の一つであると考えております。当社グループの考える「お客さま」とは、住宅ローンにおけるお客さまだけでなく、ビジネスパートナー、地域社会、従業員等を含むさまざまな方であると定義しております。全社をあげて顧客満足度の向上への取組みを行うため、社内のすべての会議体・すべての部署に対してお客さま満足に関する提言を行うCSD(Customer Satisfaction Director)を設置し、「カスタマーファースト」をスローガンとして、全社的な取組みを行っております。

 

3)社会価値を生み出す人材の育成・開発と個の尊重

当社グループは、従業員一人一人がそれぞれのワークスタイル・ライフスタイルに合わせてその能力を最大限発揮できる多様性のある職場環境をめざし、その一環として、リモートワーク体制の積極的推進やコアタイムがないスーパーフレックス制度を導入しております。また、最長3年の育児休業や小学校6年生までの育児時短勤務などに加え、産休・育休中は先輩従業員に復職後のアドバイスを受ける「ワーキングペアレントコミュニティ」を開催するなど、出産や育児が必要な従業員をサポートしております。教育研修については、人材開発に関する専門部署を設けており、階層別研修や外部研修への参加を推奨するなど従業員のスキル向上やキャリア形成をサポートする体制を整えることにより、従業員全員がその能力を最大限に発揮できる環境づくりと人材育成に取り組んでおります。

 

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c.持続的成長に向けたガバナンス強化

1)コーポレート・ガバナンス

当社は、コーポレートガバナンス・コードを重視した透明で健全な企業経営を継続的に行ってまいります。なお、コーポレート・ガバナンスの詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

2)リスク管理

当社グループは、リスク管理基本方針に基づくERM(Enterprise Risk Management)体制により、グループ全体のリスクを統合的に管理しております。事業領域の拡大や商品拡充に伴う新規リスクや既存リスクの継続的なモニタリングにより、リスクを適切にコントロールしながらビジネスの拡大による企業価値向上に取り組んでまいります。

なお、リスク管理の詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

3)コンプライアンス

当社グループは、当社の「Mission、Value」の企業理念を具現化した「アルヒ・コンプライアンス行動規範」を定め、FC店舗従業員を含む全役職員に周知しております。この行動規範では、社外のステークホルダーの皆さま(お客さま・株主・社会全般など)への行動規範と帰属する組織の一員(よりよい企業風土・組織の一員・経営者など)としての行動規範を定めております。

当社は、こうした行動規範を日常業務で継続的に想起し行動につなげるため、「コンプライアンスファースト」をスローガンに掲げるとともに、「コンプライアンス・ハンドブック」を作成し、FC店舗従業員を含む全役職員に配布しております。また、テクノロジーの活用やオペレーションの改善を通じ、ルールに沿った適切な業務運営を行えるよう体制を整えております。FC店舗を含めたこれらの取組みは継続して強化していくことが重要と認識しており、FC店舗を含む全役職員に対する定期的な教育・研修及び月1回行う自主点検に加えて、定期検査を通じた管理体制を維持することでコンプライアンス風土の醸成に引き続き努めてまいります。

また、全国に設置する支社にコンプライアンス推進責任者(管轄する直営店舗及びFC店舗のコンプライアンスに関する管理・指導責任者)を設置し、地域に密着したきめ細かいコミュニケーションによるコンプライアンス活動を実践しております。

 

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する記載のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、本項目中の記載内容については、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.リスク管理の方針

当社グループは、経営の健全性・安全性を確保し、収益力の向上を図るため、事業におけるリスクを適切に管理することが事業遂行における重要な課題の一つであるとして、リスク管理体制の構築・整備に取り組んでおります。また、新商品の開発時等におけるリスク評価及びリリース後の定期的なモニタリングを実施し、リスクに関するPDCAサイクルを機能すべく努めております。

当社グループは、リスク管理に関する組織体系や役割の明確化を目的として「リスク管理基本方針」を定め、グループ全体がリスクについて共通認識を持ち、各種リスクの管理に努めております。また、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスク及びその他の管理すべきリスクを「リスク管理規程」に定めるとともに、当該リスクの管理・報告体制を規定し、より実効性の高いリスク管理体制の構築に取り組んでおります。

 

2.リスクの管理体制

当社グループは、各種リスクを所管する部門を定め、以下の管理体制のもと、リスクの評価や定期的なモニタリングに加え、当社事業におけるKRI(Key Risk Indicator)のモニタリング結果を、ERMに関する重要事項を審議する諮問機関として設置した「ERM委員会」にて、代表取締役をはじめとする経営陣に向け定期的に報告を行っております。

 

 

 

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3.個別リスク

(1)市場環境に関するリスク

事業等のリスク

リスクカテゴリー

個別リスクの例

ビジネスリスク

戦略リスク

市場環境に関するリスク

競合他社との競争環境に関するリスク

単一事業に関するリスク

新規事業及びM&Aを伴う業容拡大に関するリスク

経営陣等への依存に係るリスク

住宅金融支援機構への依存

FC店舗展開及び運営管理に関するリスク

銀行代理業に関するリスク

子会社に関するリスク

財務リスク

10

有利子負債に関するリスク

11

資金調達(オフバランス)に関するリスク

12

見積将来キャッシュ・フローの変動リスク

13

信用リスク

14

買戻しリスク

15

金利変動リスク

16

のれん等の減損リスク

会計・税務リスク

17

株式取得費用に関するリスク

18

消費税処理に関するリスク

19

流動化・証券化取引に関するリスク

20

新株予約権の行使による株式希薄化に関するリスク

オペレーショナルリスク

事務リスク

21

事務リスク

人的リスク

22

労務に関するリスク

23

人的資源に関するリスク

システムリスク

24

情報システムに関するリスク

法務リスク

25

法的規制及び法改正に関するリスク

26

知的財産権に関するリスク

27

重要な訴訟事件等の発生に関するリスク

コンプライアンスリスク

28

個人情報の管理に関するリスク

29

当社グループ従業員、顧客又は不動産業者等の不正により損失を被るリスク

30

反社会的勢力との取引に関するリスク

レピュテーションリスク

31

風評等のリスク

エマージングリスク

エマージングリスク

32

大規模災害やパンデミック等のエマージングリスク

33

感染症の拡大に関するリスク

 

 

ビジネスリスク

戦略リスク

1.市場環境に関するリスク

当社グループの主要な事業である住宅ローンの需要は、国際情勢、景気動向、消費動向、金利動向等の経済情勢、人口動態、世帯動態等の社会構造、不動産市況、住宅着工件数の動向、住宅に関連する税制の変更、政府の方針の変化等により影響を受けやすく、住宅ローンの新規需要が減少した場合は、融資実行業務、ファイナンス業務に関する営業収益の減少など当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、このようなリスクに対し、主に以下の施策をとることにより、業績変動の抑制に努めております。

a.住宅ローン市場の中でも成長が見込まれる分野への注力

b.景気動向・金利動向によって変動する固定金利・変動金利商品などの選好に対応した商品ラインアップ

c.DXによる更なる効率化

2.競合他社との競争環境に関するリスク

住宅ローン市場における主要なプレイヤーである銀行では、固定と変動の金利差を背景に積極的な融資スタンスが継続すると予想され、当該市場は依然として非常に多くの金融機関が参加し、特に三大都市圏における競争が激化しております。このため、こうした競合他社の状況が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。我が国の住宅ローンの市場は年間約20兆円(注)の巨大な市場であることから、0.1%の市場シェアの変動は、約200億円の融資実行の変動に繋がり、当社がFC店舗を経由する場合の典型的な取引では約4億円の融資実行業務における営業収益の変動などの影響がもたらされます。

当社グループは、足元の外部環境の変化を踏まえ、今後は、当社の強みである店舗ネットワークと非対面チャネルとのハイブリッド化など、DXを加速させ、お客さまの多様化するニーズへの対応に引き続き取り組んでまいります。

また、FC店舗・直営店を統括する支社による地域密着型マーケティングの確立・強化に加え、銀行代理商品の拡販及び新商品の展開などを積極的に行うことで、新たな顧客層や不動産事業者等への営業基盤強化等に努め、同業他社との差別化を図ることにより、市場シェアの維持・拡大に努めております。

(注)出典:住宅金融支援機構(2020年度)

3.単一事業に関するリスク

2022年3月期の当社グループの営業収益の大半は住宅ローン事業に関するものであり、住宅ローン市場に影響する環境変化が発生した場合には、他事業によるカバーが困難であるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、お客さまをワンストップでフルサポートする総合的な「住み替えカンパニー」として、既存の住宅ローン事業に加えて、不動産事業並びに住み替えに関するコンシューマーサービス事業をスタートし、当該リスクの軽減に努めております。

4.新規事業及びM&Aを伴う業容拡大に関するリスク

当社グループは、今後も新しいサービスを提供するため、新規事業開始に加えて、M&A(企業や事業の合併及び買収)を含む積極的な業容拡大を進めてまいりますが、これらの新規事業開始や業容拡大等がもたらす影響について、当社グループが予め想定しなかった結果が生じ、結果として当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、M&Aを含む新規事業への進出においては、決められた期間において達成すべき業績指標(KPI)、経営成績及び財政状態への影響、当社の主要事業である住宅ローン事業とのシナジーなどさまざまな観点からの検討を取締役会等において議論し、取締役会等での機関決定を前提とするとともに、実行後も当該事業の継続したモニタリングをすることにより、当該リスクの軽減に努めております。

5.経営陣等への依存に係るリスク

当社グループは、先見性、リーダーシップ及び専門的知識を有する経営陣や従業員が業務執行について重要な役割を果たしております。このため、経営陣又は従業員が何らかの理由によって退任、退職し、後任者の採用が困難となった場合、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、経営陣の後継者育成プラン(サクセッションプラン)を策定し、同プランに基づいた人材育成を行っております。また、このような施策により、取締役会をはじめとして特定の人物に依存しないガバナンス体制に基づく業務運営に努めております。

 

 

ビジネスリスク

戦略リスク

6.住宅金融支援機構への依存に関するリスク

2022年3月期に当社グループが実行した住宅ローンのうち、融資実行後、住宅金融支援機構に譲渡することを前提とする商品である「ARUHIフラット35」の占める割合は7割弱、また、住宅金融支援機構による保険・保証を前提として融資実行後証券化する「ARUHIスーパーフラット」の占める割合は2割強であり、当社グループの事業は住宅金融支援機構に大きく依存しております。そのため、住宅金融支援機構との提携関係に何らかの変化が生じた場合、住宅金融支援機構の信用力の低下、その他の理由により住宅金融支援機構が発行する貸付債権担保住宅金融支援機構債券の利回りが上昇した場合、政府の住宅金融支援機構に関する方針の変化、若しくは住宅金融支援機構が提供するプログラムの変更等が生じた場合、又は商品競争力が低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、住宅金融支援機構と良好な関係を維持し、自らも「フラット35」の競争力の維持に努めると同時に、銀行代理商品(変動金利商品・固定金利商品)や、「ARUHIスーパー40」等、オリジナル変動金利商品の販売拡大に努めております。また、今後も各種の金融機関と提携することで多岐にわたる商品ラインアップの拡充を続け、住宅金融支援機構への依存度の軽減に努めてまいります。

7.FC店舗展開及び運営管理に関するリスク

当社グループは住宅ローン事業を行うにあたり、全国に152の拠点を展開しておりますが、このうちFC店舗及び他取扱拠点の数は131であり、それらの店舗を経由した住宅ローンの実行件数は全体の8割弱を占めております。当社ビジネスモデルにおいては、FC運営法人側の諸事情を理由とする撤退、FC運営法人との間で契約が維持できなくなった場合、又は運営上生じる予期できない法令違反、不祥事等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、FC運営法人のサポートとして、研修制度・OJT教育の拡充、店舗運営指導、各種業務サポートツールの構築、多店舗展開を活かした情報の共有・分析データの還元、表彰制度による功績に対する評価等により、FC運営法人と当社グループは良好なパートナーシップと信頼関係の維持に努めております。また当社グループでは、FC店舗の支援及び管理体制の強化等を目的に営業体制の再編を行うなど、法令違反又は不祥事等の発生防止に向け、従来以上にコンプライアンス体制を強化すべく努めております。

8.銀行代理業に関するリスク

当社グループは変動金利の住宅ローンを含む取扱商品の多様化のため、複数のネット銀行との間で契約を締結して銀行代理業を行っております。固定金利に対する変動金利の住宅ローンの割合の拡大、住宅金融支援機構への依存度の軽減などの観点からも、銀行代理業による融資の実行拡大は当社のリスク軽減のため重要な施策のひとつでありますが、契約を締結しているネット銀行との協業による事業の拡大が計画どおり進行しない場合は、当社グループの業績、財務状況、及び事業のリスク状況に影響を与える可能性があります。

9.子会社に関するリスク

当社グループは、お客さまにとって本当に住みやすい街やライフスタイルに合った家のご紹介、不動産売買のお手伝い、さまざまな暮らしのサービスが付いた住宅ローンなど、住み替えに必要なサービスと商品をワンストップでご提供するため、今後も各子会社とのシナジーを最大限に活用し、グループ全体の企業価値向上を目指してまいりますが、子会社の事業展開が計画どおりに進まない、経営状況が悪化又は予測不能な事態が発生した場合には当社グループの経営成績及び財務状態に影響を与える可能性があります。

また、子会社の事業拡大にあたり、当社グループの収益に占める子会社の割合が増加していくことが想定されます。従って、子会社の業績及び財務状況の悪化等は、現在想定している影響度より大きなものになる可能性があります。

 

 

ビジネスリスク

財務リスク

10.有利子負債に関するリスク

当社グループは、金融機関を貸付人とする融資契約にもとづく借入金、及び金融市場で発行するコマーシャル・ペーパーなど、2022年3月末において約657億円の有利子負債があります。内訳は、長期借入金は約380億円(流動化に伴う借入債務を含む。)、1年内の返済予定長期借入金は28億円、短期借入金は249億円となります。これらの有利子負債については、当社グループの事業計画の未達等など当社に起因するもののみならず、金融市場の混乱などにより、金融機関の融資姿勢に変化が生じ、借換えが困難になった場合には、住宅ローン実行資金など事業資金の減少や事業環境の変化への適応力の低下等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

このようなリスクに対して当社グループは、コミットメントライン契約による短期借入金枠の設定、借入金の返済時期の分散や長期安定性を有する資金の調達など、資金調達の安定性を図るとともに、2018年12月に格付投資情報センターよりBBB+/a2、また2019年4月に日本格付研究所よりA-/J1の発行体格付けを取得し、社債発行の準備をするなど調達手段の多様化を図っております。

また、上記の融資契約に基づく借入金については、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財務状況及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、かかる資金の確保ができない場合は、当社グループの他の借入についても期限の利益を喪失することが予測され、当社グループの存続に影響を与える可能性があります。

11.資金調達(オフバランス)に関するリスク

当社グループは、原則、住宅ローン事業の資金調達を債権譲渡や住宅ローン債権の証券化等により行っております。金融市場の混乱、当社の信用力の低下その他様々な内外部環境の変化により、住宅金融支援機構や金融機関等が債権譲渡に応じなくなる場合や投資家が証券化により組成される信託受益権を購入しなくなる場合などにおいて資金調達ができなくなり、結果として住宅ローン商品の販売を停止せざるを得なくなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、経済環境の変化や景気変動等の要因により、当該ローン債権の延滞やデフォルトが想定を上回った場合は、住宅金融支援機構に支払う融資保険料の引き上げや、資金調達のコストが上昇するなどの可能性があります。

当社グループは、資金調達先の分散を図ると共に、金融市場の混乱などにより住宅ローン債権の証券化に支障が生じた場合に備えたバックアップラインの設定を行うなど、資金調達における適切なポートフォリオの構築に取り組んでおります。また、急激な金融市場の変動に備えるため、金融機関、格付機関、投資家などと日常的に意思疎通を密にすることにより、調達環境が不透明な状況にあっても適切に調達できる環境を整えることに努めております。

12.見積将来キャッシュ・フローの変動リスク

当社グループは、住宅ローン債権や住宅ローン債権を裏付資産とした信託受益権を債権譲渡・売却した結果、当社に残存することとなる回収サービス権又は配当受領権について、当該権利から発生する将来キャッシュ・フローを見積り、当該見積将来キャッシュ・フローの現在価値を資産として認識しております。この評価は、繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)、割引率等について一定の前提条件を設定して行っておりますが、当該前提条件が市場動向の変化等により修正された場合、当該資産の評価が変動し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、見積将来キャッシュ・フローの上記計算前提をきめ細かくフォローする体制を整えており、当該前提条件については、外部第三者機関の公表データを反映させ、又はこれに加えて外部第三者機関の公表データに過去実績等を勘案して合理的に見積った調整を反映させ、慎重に設定することにより、将来の資産評価価値の下落リスクを抑えております。

13.信用リスク

当社グループの住宅ローン事業の主力商品である「ARUHIフラット35」は、貸付後遅滞なく債権譲渡されるため、当社は原則として信用リスクを負いません。「ARUHIフラット35」以外の商品についても、住宅金融支援機構の融資保険の付保を前提に証券化を実施、あるいは当社グループとしては販売のみを行う商品の取扱いなど、極力信用リスクを負わないビジネスモデルをとっております。したがって、当社グループの負う信用リスクは非常に限定されていると言えます。

 

 

ビジネスリスク

財務リスク

14.買戻しリスク

当社グループが実施している流動化・証券化スキームの契約においては、債権譲渡先である住宅金融支援機構や信託銀行に対する当社の事実表明や譲渡した住宅ローン債権に関する事実表明に重要な点における瑕疵等があった場合、譲渡された住宅ローン債権を債権譲渡先から買い戻すことが義務付けられております。このような義務にもとづく買戻しの発生は極めて限定されておりますが、買戻しが発生した場合には、買戻しのための資金が必要になることに加え、当該住宅ローンについての回収リスクを負う場合もあるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、このような買戻しの義務の発生を避けるため、住宅ローンの融資実行のプロセスにおいて、住宅金融支援機構や信託銀行との契約に定められた事項につき、厳格に対応するルールを徹底するとともに、IT技術を利用して人為的ミスを極力排除することに努めております。

15.金利変動リスク

当社グループは、住宅ローンの融資を実行してから証券化による資金調達を行うまでの間に最大で数ヶ月のタイムラグが発生します。市場金利の変動により、当社グループが融資実行時に参照した金利水準と証券化において使用した金利水準が異なった場合には、貸付債権流動化関連収益が想定した水準から変動するリスクがあります。このようなリスクに関連する住宅ローン債権は、2022年3月期の月間平均で約120億円あり、住宅ローン債権の平均残存期間を勘案すると、0.01%の金利変動は約11百万円の収益の変動に繋がることになります。

当社グループは、金利変動によるリスクを極力排除する方針としており、金利スワップによるヘッジ取引を行い、当該金利変動リスクの極小化に努めております。

16.のれん等の減損リスク

当社は、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けにより取得しており、本書提出日現在、のれんを24,464百万円(連結総資産の約16%)計上しております。当社グループは国際会計基準に基づき連結財務諸表を作成しているため、当該のれんの償却は行っておらず、また当該のれんについては、のれんの減損判定において、当社は独立した外部の評価機関を利用しておりますが、のれんの対象となる事業の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。

会計・税務リスク

17.株式取得費用に関するリスク

当社は、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けにより取得しており、その際に発生した株式取得費用を税務上損金として処理しておりますが、税務当局が当社と異なる見解を採用する場合、当社の申告する損金の全部又は一部が、税務当局から損金として認定されず課税所得が増加する結果、法人所得税費用が増加し、加算税・延滞税の支払いを命じられる可能性があり、その場合当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります

18.消費税処理に関するリスク

当社は、課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に係る消費税額の算出にあたり、個別対応方式による計算を行っておりますが、課税期間における個々の課税仕入れ等を、課税売上対応分、非課税売上対応分及び共通対応分に区分する際の区分方法について、税務当局が当社と異なる見解を採用する場合、課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等にかかる消費税額が減少する結果、消費税費用が増加し、加算税・延滞税の支払いを命じられる可能性があり、その場合当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

ビジネスリスク

会計・税務リスク

19.流動化・証券化取引に関するリスク

住宅ローンの流動化・証券化取引は、世界的な金融・経済危機により、その取引に係る税務・会計上の法規や基準等の制度は細部に至って規制が強化されております。当社グループでは、個別案件の取組みに際し、取引に係る税務・会計上の処理及びスキームが及ぼす影響について、都度、税理士・公認会計士等の専門家とともに慎重な検討・判断を行っております。しかしながら、今後、取引に係る税務・会計制度が新たに制定された場合や現行法規等の解釈に変化が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

また、当社グループが計上する貸付債権流動化関連収益については、見積将来キャッシュ・フローに繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)、割引率などにつき前提条件を設定することにより算定しております。このため当該前提条件の見積りが変化することにより貸付債権流動化関連収益が変動することとなります。

当該貸付債権流動化関連収益のうち、キャッシュによる回収が行われていない部分については金融資産として計上されますが、当該金融資産の評価価値は、前提条件の見積りの変化によって変動する可能性があります。当社グループは、当該見積前提条件を設定するにあたっては、外部第三者機関の公表データを反映させ、又はこれに加えて外部第三者機関の公表データに過去実績等を勘案して合理的に見積った調整を反映させ、慎重に設定することにより、将来の金融資産の評価価値の下落リスクを抑えております。

また、当社グループが行っている債権流動化取引については、関連するIFRSの規定・ガイダンスが複雑で多岐にわたるとともに変更されることもあることから、それらの変更、又は認識・判断の変更などによって、その適用の仕方が変更される可能性があります。

従来にない新スキームによる住宅ローンの流動化・証券化取引については、外部専門家等を起用するとともに、監査法人と慎重に議論をすることなどにより、適切な会計方法を適用することに努めております。

20.新株予約権の行使による株式希薄化に関するリスク

当社は、新株予約権方式によるストック・オプション制度を導入しており、当社グループの役員及び従業員に対して、中長期的な業績及び企業価値向上のインセンティブを与えること等を目的として新株予約権を発行しております。将来においてこれらの新株予約権が行使された場合には、当社株式価値が希薄化する可能性があります。本書提出の前月末現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は865,600株であり、発行済株式総数の2.39%に相当しております。但し、新株予約権それぞれの行使期間に制限がある点では、新株予約権の全てが即時に行使され、即時に当社株式価値が希薄化する予定はありません。新株予約権の詳細は、「第4 提出会社の状況 1.株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。

当社グループは、新株予約権の将来的な行使に備えるため、時に応じて自己株式取得を行うことにより株式希薄化の最小化に努めております。

オペレーショナルリスク

事務リスク

21.事務リスク

当社グループは、住宅ローン事業における事務処理を行ううえで、各種情報システムの活用や担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施等、業務の正確性、効率性を高めるための様々な取組みを実施しております。しかしながら、一部においては人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きのミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務手続きのミスが安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクに対し、当社グループは社内研修の拡充による業務遂行に必要な知識の共有、社内規範や事務手続きの標準化及び文書化に取り組むと同時に、RPA(Robotic Process Automation)などのIT技術を利用することにより、事務リスクの軽減に努めております。

また、感染症対策として、在宅勤務やテレワークを推進しておりますが、働き方の変化による事務リスクに関しては「情報セキュリティ管理ガイドライン」や「テレワークにおけるシステム利用管理ガイドライン」を制定するなど、適正な業務運営に努めております。

 

 

オペレーショナルリスク

人的リスク

22.労務に関するリスク

当社グループは、人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)・差別的行為(セクシャルハラスメント等)から生じる人的資産の損失・損害を未然に防止するため、コンプライアンスの研鑽等、適切な管理に努めております。また、健全な業務運営のため、労務関連法令諸規則を踏まえた人事関連諸制度を制定し、適正な運用を行うとともに、定期的な従業員意識調査に基づく人事管理・運用の見直しや在宅勤務・テレワークの積極的な活用を含めた働きやすい職場環境の整備等、適切な人事処遇や労務管理に努めております。また、2021年9月より「心身の健康の相談窓口」としてEAP相談室を設置し、在宅勤務やテレワークによるメンタルヘルス不調への対応や職場や家庭等で発生する問題への対応を行う等、従業員の心身の健康維持に努めております。

しかしながら、当社従業員の不適切な行動や人事労務上の問題に関連する重大な訴訟が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

23.人的資源に関するリスク

当社グループは、成長過程にあるため、今後の更なる業容の拡大及び業務内容の多様化に対応して、優秀な人材の積極的な採用・確保、従業員の育成体制の強化が必要とされておりますが、優秀な人材の採用及び育成が困難となる場合や、在籍する人材の社外流出が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、従来から継続的に社員の意識調査を実施し、その情報などに基づき社員満足度向上に努めております。また従前から導入しているフレックスタイム制度や在宅勤務、テレワークの推進により、働き方の多様化を推進しております。また、年次有給休暇の取得推進により、有給休暇取得率は、2022年3月期には2021年3月期の71.2%を上回り、76.7%になりました。これらの施策の実施により、2021年度の従業員満足度調査における総合満足度は3.45/5.0と高い水準を維持しております。今後も継続的に優秀な新規人材の採用及び社員満足度の向上を図る施策を実行することにより、人的資源に関するリスクの低減を図ってまいります。

システムリスク

24.情報システムに関するリスク

当社グループは、住宅ローン事業において、FC店舗及び直営店といった販売チャネルに加え、インターネット及び情報システムの仕組みに基づき、住宅ローンを提供しており、インターネット接続環境やシステムネットワークインフラが良好に稼動することが事業を円滑に運営する上で求められております。しかしながら、不正アクセス、社外からの破壊行為、サイバー攻撃、地震や水害等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピューターウイルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者、システム事業者に起因するサービスの中断や停止などの外的要因だけでなく、システム開発における不備、人為的ミス、機器故障、外部委託先の瑕疵などの現段階では予測不可能かつ当社グループのコントロールを超えた事由により、システムに重大な支障が生じた場合、当社グループの顧客(潜在的な顧客を含みます。)に対してサービスを提供することができず、当社グループの顧客の個人情報及び取引情報その他の情報の保護に問題が生じ、又は当社グループの財務・会計・データ処理その他のシステム及び設備が適切に稼働しない可能性があります。これらの事象が生じた場合、データの喪失や当社グループの処理能力に影響が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、セキュリティ対策プログラムを有すると共に、コンピューターシステムについて、安定稼動のためのシステム運用やバックアップシステムの構築などの対策を講じており、当該リスクの顕在化の抑制に努めております。

 

 

オペレーショナルリスク

法務リスク

25.法的規制及び法改正に関するリスク

当社グループは事業活動を行うにあたり、関係監督官庁から許認可を受けております。

その主な内容及び関連する法規制については次のとおりであります。

法規制等の名称

貸金業法

銀行法

取得年月

2017年6月

2017年6月

許認可等の名称

貸金業者登録

銀行代理業者許可

所管官庁等

関東財務局

関東財務局

許認可等の内容

関東財務局長(2)

第01512号

関東財務局長(銀代)

第319号

有効期限

2023年6月6日

期限なし

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

登録取消事由

貸金業法第24条の6の5に該当した場合

許可失効事由

銀行法第52条の57に該当した場合

当社グループの主たる事業である住宅ローン事業は、貸金業法第3条に定める登録に基づく貸金業及び銀行法第52条の36に定める許可に基づく銀行代理業であります。このため、当社が各業法に定められる処分事由に抵触する場合、各業法に基づき行政処分又は登録・許可の取り消しを受ける可能性があります。

当社グループは、各業法に基づく当局及び所属銀行の検査を定期的に受検しており、また、グループ全体でのコンプライアンス体制強化に努めております。

なお、本書提出日現在において、登録・免許取消事由又は許可失効事由に該当する事実はありませんが、将来何らかの理由により登録・免許の拒否又は取消、許可の失効があった場合には、当社グループの事業活動に重大な支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、今後、当該各種法規制の改正があった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社は、法令等遵守を徹底するとともに、内部管理・内部統制体制を整備することにより、登録・免許の取消事由を惹起することのない業務運営に努めております。

26.知的財産権に関するリスク

当社グループは、保有する商標等の知的財産権の保護に努めておりますが、当社グループのノウハウや知的財産権が適切に保護される保証はありません。また万一、当社グループが事業を推進する中で第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、当社の知的財産権の保護及び第三者の知的財産権を侵害しない体制として、知的財産管理に関する規程を定めるとともに、当該規程において知的財産権の管理に関する業務を所管する部署を定め、必要に応じて顧問弁護士や弁理士等の意見を聴取する等、知的財産の適正な管理に努めております。

27.重要な訴訟事件等の発生に関するリスク

当社グループにおいて、業績等に重大な影響を及ぼす可能性のある係争中の訴訟事案はありません。しかしながら、当社グループの営む事業の性質上、契約違反、不法行為、労働問題、消費者保護等に関する訴訟が発生する可能性があり、将来業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、かかる訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合又は当社グループに不利な和解がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

オペレーショナルリスク

コンプライアンスリスク

28.個人情報の管理に関するリスク

当社グループの主たる事業である住宅ローン事業は、個人の顧客を対象に住宅ローンを提供しており、住宅ローンの相談、申込にあたり各種個人情報を収集しております。このため、当社は、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当し、個人情報の取扱いについて規制の対象となっており、当該法律に即して業務の運営を行っております。しかしながら、外部からの侵入者及び当社関係者並びに業務委託先等により、個人情報が外部に流出し、不正に使用された場合又は何らかの事由により個人情報の漏洩や毀損等が起こった場合、民事上又は行政上の法的責任を問われるとともに、当社グループ全体に対する信用及び当社グループに対する信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、個人情報保護方針等の個人情報保護に関する各種規程を定めて運用し、顧客情報の流出や不正アクセス行為などにより、顧客の利益が侵害されないようセキュリティ対策を講じ、顧客情報の保護に細心の注意を払っております。また、個人情報管理体制の適正な運用に努めており、当該リスクの抑制に努めております。

しかしながら、万一当該事象が発生した場合、できる限り速やかにマスコミ等に公表することにより、お客さま等関係者への影響を最小限に抑えるとともに関係者からの信頼を確保するために全力を尽くす所存であります。

29.当社グループ従業員、顧客又は不動産業者等の不正により損失を被るリスク

当社グループの主たる事業である住宅ローン事業において、当社グループの従業員、FC店舗の従業員、顧客又は不動産業者による詐欺やその他の不正が発生した場合、当社が直接的な損失を被る可能性や行政処分の対象となる可能性があります。また、当該不正等の発生により、当社グループ全体のイメージが悪化すると共に社会的信用が低下し、ひいては当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

当社グループは、「コンプライアンスファースト」をスローガンに、役員及び当社グループの従業員、さらにはFC店舗の従業員まで、当社グループ全体でのコンプライアンス意識を高めることに努めております。

具体的には、コンプライアンスやリスクマネジメントに関する委員会組織を設置し、基本方針・行動計画の決定及びモニタリング等を当該委員会で実施しております。また当社グループ従業員及びFC店舗の従業員に対し、指導・研修等を行うことで、コンプライアンス体制の強化に努めております。特に、直営店及びFC店舗に対しては、コンプライアンスを統括する部署に検査・指導グループを設け、全店舗への定期的な検査・指導を臨店にて行っております。支社にコンプライアンス推進責任者(管轄する直営店舗及びFC店舗のコンプライアンスに関する管理・指導責任者)及び各FC運営法人においてもコンプライアンス責任者を設置し、法令・規則に従って業務運営がなされるよう同社従業員の指導・監督にあたっております。

さらに、住宅ローン不適正利用検知システム「ARUHI ホークアイ」の稼働により、不適正案件の排除に取り組んでおります。以上のとおり、コンプライアンスを遵守する企業風土の醸成や研修・検査・指導体制の構築、さらにはシステムを導入した不正検知等予防対策を講じておりますが、万一当該事象が発生し損害が生じた(又は可能性がある)場合には、法的措置を含めあらゆる措置を検討し損失を回避いたします。

30.反社会的勢力との取引に関するリスク

当社グループは、反社会的勢力との関係が疑われる者との取引を排除すべく、新規の取引に先立ち、外部情報等も活用した反社会的勢力との関係に関する情報の有無の確認や、反社会的勢力ではないことの表明及び確約書の徴求など、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。しかしながら、当社グループの厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との取引を排除できない可能性があります。このような問題が認められた場合、その内容によっては、監督官庁等より業務の制限又は停止や課徴金納付命令等の処分・命令を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

万一、反社会的勢力から不当な要求を受けあるいは何らかの問題が生じた場合は、関係行政機関や法律専門家とも協力し、速やかに対処します。

レピュテーションリスク

31.風評等のリスク

当社グループの主たる事業である住宅ローン事業は、個人の顧客に対して資金の貸出を行うという事業特性上、当社グループに対する社会的信用度合いが重要となります。そのため、事実の有無にかかわらず、当社グループの業務、技術、コーポレート・ガバナンス及び規制当局の行為等から生じ得る否定的な世論、又はマスコミ報道やインターネット上の誹謗中傷等により、当社の風評が著しく悪化した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

 

エマージングリスク

エマージングリスク

32.大規模災害やパンデミック等のエマージングリスク

当社グループは、フランチャイズ方式により全国に店舗展開をしており、緊急時を想定した事業継続計画(Business Continuity Plan)に関する事項の規定、安否確認システムの導入等を行っておりますが、大規模な地震・台風等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の蔓延などが発生した場合には、店舗の閉鎖や業務の停止等を余儀なくされ、当社グループの事業運営及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

特に大規模な自然災害又は有事等により、当社グループの情報システムに障害が生じた場合やデータサーバーが機能不全に陥ることで、当社グループにおいて重要な住宅ローン融資実行業務及び住宅ローン回収業務等が中断されることになり、事業運営に障害又は遅延をきたす可能性があります。

33.感染症の拡大に関するリスク

当社グループでは、従業員、外部委託先等、当社グループの業務やオペレーションに携わる多数の人員が感染症に罹患することで、業務やオペレーションに支障が生じ、業務の停止又は店舗の閉鎖等を余儀なくされることにより、当社グループの業務運営や業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは、お客さまと従業員の安全確保を最優先に、お客さまに対する住宅ローンWeb申込の受入体制強化、動画を使用した非対面での契約手続きの実施及び従業員に対する在宅勤務・時差出勤の推奨など新しい働き方の提案を行うことで、従来と変わらぬサービスを提供し、感染症の影響が拡大する環境下でも事業を継続するために様々な取組みを行っております。また、長引く感染症による市場環境、経済環境への影響を受け、従業員、顧客、取引先を始めとする全てのステークホルダーの皆様の健康と安全に配慮しながら、事業拡大に向け取り組んでまいります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における住宅関連業界は、通年の新設住宅着工戸数が、感染症拡大前の水準に近づいた一方で、住宅の引き渡しについては、一部でウッドショック・原油価格の高騰による建築資材不足、住宅設備機器の欠品・遅延が発生したことによる影響が見られました。また、仲介成約件数も通年では感染症拡大前の水準となりましたが、年央から中古物件の在庫不足、給湯器等の調達遅延の影響を受けるなど、新築・中古ともに、テレワークの普及による在宅時間の増加などから、より快適な住環境への住み替えニーズを背景とした住宅需要が底堅く推移したものの、住宅供給面で感染症による影響がありました。

住宅ローン市場において、預金増を背景とした銀行による積極的な貸出が行われた一方で、フラット35市場については、感染症の長期化による就業不安や物件価格の高騰などから利用顧客層の購入見送りなどの影響が見られました。

 

このような状況のもと、当社グループは、「中期経営計画2021」の初年度となる当連結会計年度において、「住み替えカンパニー」への進化のため、「住み替えを希望するお客さまを街・家探し~住宅購入~住宅ローンに繋げる基盤」の構築を進めてまいりました。

住宅ローン事業では、関西・中部・南関東で地域支社を設立し、FC店舗と連携した大手不動産事業者開拓及びFC店舗へのきめ細かいサポートなど、地域密着型マーケティングを開始しました。また、FC店舗でも多様な商品ラインアップの中からお客さまに合った商品を選択していただけるよう、直営店のみで取り扱っていたauじぶん銀行の住宅ローンの紹介業務を開始しました。

新規事業については、アルヒ不動産テクノロジーズ株式会社において不動産の買取再販事業をスタートし、仕入・販売ネットワークなどの事業基盤を確立しました。さらに、住宅ローンや物件購入・売却など住み替えについてのコンサルティング業務を行うアルヒ住み替えコンシェルジュ株式会社においても、相談受付から物件紹介までのビジネスプロセスを確立しました。また、一人ひとりのライフスタイルや価値観に合った本当に住みやすい街を提案するWebサービス「TownU(タウニュー)」の提供を開始し、お客さまの住み替え需要の喚起に取り組んでまいりました。

しかしながら、フラット35市場の低迷、当社の得意とする中古物件を取り扱う中小規模事業者における物件不足や、三大都市圏における住宅ローン市場の競争激化などにより、当社の融資実行件数(借換含む)は、前年同期比17.5%減少となりました。

 

当連結会計年度の営業収益は、債権管理回収業務が前年同期比14.0%増加、保険関連業務が前年同期比25.2%増加とリカーリング収益が好調に推移したことに加え、新規事業などのその他業務が前年同期比71.1%増加した一方、融資実行業務が前年同期比14.5%減少、ファイナンス業務が前年同期比10.7%減少したことで、前年同期比1,632百万円減となる25,189百万円(前年同期比6.1%減)となりました。営業費用は、中長期的な成長に向けた人員採用やテクノロジー活用のための投資などの戦略的な投資を行った一方、その他固定費の抑制に努め前年と同水準となったことで、税引前利益については前年同期比1,594百万円減となる6,151百万円(同20.6%減)、当期利益は4,225百万円(同18.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,239百万円(同18.1%減)となりました。

なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は22,232百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,171百万円の減少となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは3,716百万円の収入(前連結会計年度は4,750百万円の収入)となりました。これは主に、税引前利益が6,151百万円となり、営業貸付金の減少額6,442百万円などのキャッシュの増加要因があった一方で、預り金の減少額3,355百万円、法人所得税の支払による支出2,672百万円などのキャッシュ減少要因があったことによるものであります。

 

 

投資活動によるキャッシュ・フローは698百万円の支出(前連結会計年度は777百万円の支出)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出522百万円によるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは18,189百万円の支出(前連結会計年度は18,620百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入による収入14,000百万円などのキャッシュ増加要因があった一方、短期借入金の減少額23,300百万円などのキャッシュの減少要因があったことによるものであります。

 

③販売の実績

1)販売実績

当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりであります。なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。

(単位:百万円(前年同期比を除く。))

業務

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比

融資実行業務

12,192

85.5%

ファイナンス業務

6,574

89.3%

債権管理回収業務

2,840

114.0%

保険関連業務

2,843

125.2%

その他業務

737

171.1%

合計

25,189

93.9%

(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。

 

2)融資実行業務売上及び件数

当連結会計年度における融資実行業務売上の内訳は、次のとおりであります。

(単位:百万円(前年同期比を除く。))

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比

新規借入

11,869

85.5%

借換

323

84.9%

合計

12,192

85.5%

(注)融資実行業務売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。

 

当連結会計年度における融資実行件数は、次のとおりであります。

(単位:件(前年同期比を除く。))

区分

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比

新規借入

20,061

82.3%

借換

883

86.0%

合計

20,944

82.5%

 

 

(参考情報)

投資情報としての有用性の観点から、参考情報として2018年3月期から2022年3月期に係る四半期ごとの実行件数を以下に記載しております。

 

1)新規借入

(単位:件)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

2018年3月期

4,455

4,630

5,042

5,490

19,617

2019年3月期

5,262

5,517

6,134

6,573

23,486

2020年3月期

5,761

6,756

6,202

6,568

25,287

2021年3月期

5,644

6,199

6,393

6,133

24,369

2022年3月期

5,699

5,107

4,795

4,460

20,061

 

 

2)借換

(単位:件)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

2018年3月期

699

441

367

290

1,797

2019年3月期

230

328

288

295

1,141

2020年3月期

300

440

441

214

1,395

2021年3月期

166

255

306

300

1,027

2022年3月期

233

211

208

231

883

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末における資産は150,713百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,049百万円減少いたしました。これは主に現金及び現金同等物が15,171百万円、営業貸付金が2,945百万円とそれぞれ減少したことによるものであります。

 

当連結会計年度末における負債は118,835百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,832百万円減少いたしました。これは主に、借入債務が14,776百万円、預り金が3,355百万円とそれぞれ減少したことによるものであります。

 

当連結会計年度末における資本は31,877百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,783百万円増加いたしました。これは主に当期利益を4,225百万円計上した一方、剰余金の配当2,124百万円により減少したことによるものであります。

 

2)経営成績

当連結会計年度の営業収益は、債権管理回収業務が前年同期比14.0%増加、保険関連業務が前年同期比25.2%増加とリカーリング収益が好調に推移したことに加え、新規事業などのその他業務が前年同期比71.1%増加した一方、融資実行業務が前年同期比14.5%減少、ファイナンス業務が前年同期比10.7%減少したことで、前年同期比1,632百万円減となる25,189百万円(前年同期比6.1%減)となりました。

 

営業費用は、中長期的な成長に向けた人員採用やテクノロジー活用のための投資などの戦略的な投資を行った一方、その他固定費の抑制に努め前年と同水準となったことで、税引前利益については前年同期比1,594百万円減となる6,151百万円(同20.6%減)、当期利益は4,225百万円(同18.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,239百万円(同18.1%減)となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

経営成績に重要な影響を与える要因についての分析は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

2)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

今後の方針につきましては、「中期経営計画2021」に基づき、取組みを推進します。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

1)資金調達の基本方針

当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として銀行等からの長期借入金やコミットメントラインにより資金調達を行っております。子会社についてはアルヒ株式会社から借入を行うことにより、資金調達の一元化と資金効率化を図っております。また、お客さまに対する貸付債権は、融資実行後遅滞なく債権譲渡・流動化を行うことでオフバランス化しており、貸付債権に関するリスクを最小化しております。

 

2)資金需要の主な内容

当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金需要と貸付資金需要の2つになります。運転資金需要は主に、人件費、販売費及び一般管理費、システム開発、証券化に係る準備金や未収債権などになります。一方、貸付資金需要は、お客さまへの住宅ローン融資実行のための資金需要になりますが、これらの貸付債権は、融資実行後遅滞なく債権譲渡・流動化を行い資金化するため、貸付資金需要は融資実行から資金化までの短期間のつなぎ資金となります。

 

3)資金調達手段

当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用を行うと共に、金融機関からの借入、住宅金融支援機構への貸付債権の譲渡及び貸付債権を裏付資産とする信託受益権の売却などを行っております。

このようなオペレーションを行うに当たっては、複数の金融機関から長期借入金やコミットメントラインを含む十分な借入枠の確保を行うと共に、安定的に貸付債権の証券化が実施できる環境整備を行うなど、円滑な事業活動に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。

また、当社グループは、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しております。2022年3月31日現在の格付けは次のとおりであります。当社グループとしては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針であります。

 

格付機関名

長期発行体格付

見通し

コマーシャル・

ペーパー

株式会社格付投資情報センター(R&I)

BBB+

安定的

a-2

株式会社日本格付研究所(JCR)

A-

ポジティブ

J-1

 

③重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は国際会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。

a.のれんの評価

当社グループは、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けした際の買収価額と純資産の公正価値との差額をのれんとして認識しております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、年1回回収可能価額を見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。

減損判定における資金生成単位の回収可能価額は、見積り・前提を使用するため、見積り・前提は減損が認識されるか否かの判定及び認識される減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

のれんの減損判定において、当社は独立した外部の評価機関を利用しております。見積将来キャッシュ・フローは社内で作成した3ヶ年事業計画を使用し、付随する財務資料、内部資料等を加え、一般に入手可能な市場情報も考慮に入れております。割引率に株主資本コストを使用しております。

2022年3月31日時点における評価の結果は、減損損失を認識することはありませんでした。

 

b.金融商品の公正価値

当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、市場価値に基づく価額により見積っております。市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価技法により見積っております。

これら金融商品のうち住宅ローン債権の債権譲渡により生じた受益権(配当受領権)は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しており、公正価値の評価においては、繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)を将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用し、割引率等についても一定の前提条件を設定しております。

将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用するCPR、CDRについては、外部第三者機関の公表データを参照して見積っております。但し、一部のパッケージローンについては、CPRの見積りにおいて、外部第三者機関の公表データに、過去実績等を勘案して合理的に見積った調整を反映しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(業務上の重要な契約)

当社グループの経営上の重要な契約には、当社が住宅金融支援機構と締結した住宅ローン債権売買基本契約及び買取債権管理回収業務委託契約並びに当社と各代理店の運営法人との間で締結した代理業務委託契約等があり、主な契約内容は次のとおりであります。

名称

契約内容

住宅ローン債権売買基本契約

イ.契約相手方:住宅金融支援機構

ロ.契約締結日:2004年12月1日、毎年1年間自動更新

ハ.契約の目的及び内容:「フラット35」債権の売買

ニ.契約金額及び代金授受方法:

契約金額:指定なし

 代金授受方法:当社が買取申請し住宅金融支援機構が買取承認をした「フラット35」債権に対し、その債権額が住宅金融支援機構から入金されます。

ホ.契約の重要な内容:当社及び住宅金融支援機構間で「フラット35」債権の売買を行います。

 「フラット35」債権の売却代金は月に3回、住宅金融支援機構が指定する日に当社に入金されます。

買取債権管理回収業務委託契約

イ.契約相手方:住宅金融支援機構

ロ.契約締結日:2004年12月1日、毎年1年間自動更新

ハ.契約の目的及び内容:「フラット35」債権回収業務等の受託

ニ.委託手数料:業務内容に応じて住宅金融支援機構から委託手数料が支払われます。

代理業務委託契約

イ.契約相手方:各代理店の運営法人

ロ.契約締結時期及び契約期間:運営法人との個別契約による

ハ.契約の目的及び内容:住宅ローン業務等の委託

ニ.契約金額及び代金授受方法(基準)等:当社から代理店の運営法人に対して住宅ローン融資金額に一定料率を乗じて算出された金額を支払います。

ホ.契約の重要な内容:代理店の運営法人は当社から委託を受けて住宅ローンに関する業務を遂行し、当社は代理店の運営法人に対して住宅ローン融資金額に事前に定められた比率を乗じて算出された金額を翌月に支払います。

 

(株式会社みずほ銀行等と締結しているタームローン契約)

当社は2017年11月21日に株式会社みずほ銀行をアレンジャー兼エージェント、株式会社三井住友銀行をコ・アレンジャーとする金銭消費貸借契約書(以下「タームローン契約」という。)を締結しております。主な契約内容は、次のとおりであります。

 

1.契約の相手先

契約の締結先は株式会社みずほ銀行ほか6社となります。

 

2.借入金額の残高(2022年3月31日時点)

6,000百万円

 

3.金利

TIBOR(東京銀行間取引金利)+スプレッド

スプレッドはタームローン契約において予め定められた料率とされております。

 

4.返済期限

2025年2月28日を最終回とする分割返済

 

5.主な借入人の義務

(ア)タームローン契約において許容される場合を除き、担保提供又は保証提供を行わないこと。

(イ)タームローン契約において許容される場合を除き、合併等の組織再編行為、事業・資産の一部又は全部の譲渡・譲受等を行わないこと。

(ウ)タームローン契約において許容される場合を除き、主たる事業の内容を変更しないこと。

(エ)財務制限条項を遵守すること。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。