第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社では、今後も更に事業を拡大させ、新しい付加価値を創出していく上で、対処すべき課題として以下の項目に取り組んでおります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

① コンテンツの拡充

当社は、学習塾マーケットをターゲットとしてきたため、塾で学習する生徒の多い「国語・算数/数学・英語教科」を中心にコンテンツを提供してきました。拡大するマーケットからのニーズを受け、2020年3月に小・中学校の理科・社会コンテンツの提供を開始します。今後も多様化する教育ニーズに対応すべく、新しいコンテンツを企画し拡充して参ります。自社開発以外にも教育関連企業等と共同して、新しい技術新しい分野でのコンテンツの制作に邁進します

 

② 公立学校マーケットの開拓

Society5.0時代におけるICTを活用した新しい学びを実現するため、国はGIGAスクール構想を掲げ、1人1台の学習者用端末と高速大容量の通信ネットワークの整備を一体的に推進しています。文部科学省では、2019年度補正予算ならびに2020年度予算において、この予算措置を講じており、全国の自治体では、PCや通信ネットワークといったICT環境の整備のみならず、ICTを活用した指導体制の構築やデジタル教材など、教育のデジタル化が一気に進むものと思われます。当社はこれまで学校マーケットとしては、私立学校を中心にマーケティングを進めて参りましたが、今後は大手メーカーや販社などと連携し、公立学校のマーケット開拓に積極的に取り組んでまいります。

 

③ BtoCマーケットの開拓

当社はこれまで学習塾や学校法人等のBtoBtoCマーケットを主な顧客として事業を展開してきました。当社が今後より成長していくためには、BtoCマーケットのさらなる開拓と深耕が必要であると認識しております。当社のBtoCマーケットのメイン顧客は、発達障がい・学習障がいや不登校など深刻な悩みを抱える層であり、その悩みを解決するための商品力の強化・拡充や口コミを広げるための広報PR活動に引き続き注力してまいります。

 

④ 海外マーケットの開拓

当社の顧客は日本国内の塾や学校が大半をしめております。当社が今後も成長を続け、また当社が企業ミッションとして掲げる「人生を切り開く力をすべての子どもたちに」を実現するためには、eラーニングサービスの特徴を活かし、当社サービスを海外で積極的に展開してまいります。そのために、スリランカとインドネシア共和国での拡大を引き続き行なうとともに、インド、フィリピンその他の国などにおいて、積極的に日本の大手企業や現地企業などとの連携を強化し、開拓してまいります。

 

⑤ 開発体制の構築

eラーニングコンテンツの技術革新のスピードは、非常に早く、新たなサービスや競合他社が続々と現れることが予想されます。当社が、競合企業とのサービスの差別化、競争優位性の確立を図るためには、迅速な開発体制の構築が不可欠となります。当社は、これらを実現するために、社内開発スタッフの技術向上、最先端の技術動向の調査、ビッグデータを活かした商品開発等に継続的に取り組んでまいります。

 

⑥ 営業力の強化

当社は小規模組織であることから、少数精鋭の人員体制で運営されており、営業部門は、「すらら」サービスの提供、学習塾や学校法人等に対する各種経営支援により蓄積されたノウハウを活かした企画及び提案により、営業活動を推進してまいりました。今後も、継続的に事業を拡大し、受注の獲得機会を増加させていくためには、営業力の強化、営業人員の早期育成に注力する方針であります。具体的には、既存営業人員の育成と同時に、引き続き営業人員の採用を行うこと、また、教育研修制度の拡充、営業ツールやマニュアル等の整備、社内ナレッジ・ノウハウの蓄積等を行うことにより、営業力の強化を図ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び万一発生した場合でも業績及び財務状況に与える影響を最小限にすべく対応に努める方針であります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

1.業界環境に関するリスク

① eラーニングサービス市場について

近年、IT技術の発展やペーパーレス化の流れ等により、日本におけるeラーニングサービスのニーズは高まりを見せております。今後もスマートフォンやタブレット端末の普及により、eラーニングサービスに関するユーザーの需要は活発化していくことが予想されます。しかしながら、これらの市場のニーズや成長が大きく鈍化し、もしくは縮小した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② インターネット関連事業について

当社は、eラーニングサービス関連事業を主たる事業対象としているため、当社事業の継続的な拡大発展のためには、更なるインターネット環境の整備、インターネットの利用拡大が必要と考えております。しかしながら、インターネットの利用等に関する新たな規制の導入や技術革新、その他予期せぬ要因によって、今後の利用拡大に大きな変化が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 少子化による影響について

教育業界は、長期にわたる出生率低下に伴う少子化により、学齢人口の減少という問題に直面しております。少子化による影響や、子どもにかかる学習費や学習塾の事業所数が増加傾向であることも相まって、教育業界では同業間での生徒数確保に向けた競争が激化していくことが予想されます。

このような状況の下、当社は、子どもたちには、「大人になっても役に立つ真の学力」と「努力をすれば結果が出るという自信」を身につけて頂くこと、当社のサービスを使って学習塾を独立開業される方等には、その経営を成功して頂くこと等を目指して事業展開を進める所存でありますが、今後、少子化が急速に進行し、教育市場全体が著しく縮小した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 教育制度の変化について

近年、教育分野においては、グローバル化やICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)化の必要性が高まりを見せております。大学入試においても新制度導入が検討される等、今後も環境が変化し、また、子どもや保護者の教育に対するニーズも急速に多様化、個別化していくことが予想されます。

このような状況の下、当社は、細分化された顧客ニーズに対応した商品・サービスを提供するよう、新技術の開発やノウハウの取得を推進しております。しかしながら、将来において教育環境及び顧客ニーズが当社における対応を上回る規模で急激に変化した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

2.事業に関するリスク

① 他社との競合について

当社は、「すらら」サービスをはじめとする特色あるサービスの提供や機能の強化、サービスラインナップの充実、学習塾や学校法人に対する経営支援体制の強化等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。しかしながら、当社と同様にeラーニングサービスを提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 他社との業務提携について

当社では、教育コンテンツの提供企業との業務提携等を通じた事業の拡大に取り組んでおります。当社と提携先が持つコンテンツや事業運営ノウハウ等を融合することにより、大きなシナジー効果を発揮することを目的としておりますが、当初見込んだ効果が発揮されない場合、またこれらの提携が解消された場合、業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 技術革新への対応について

当社が事業を展開するeラーニングサービス業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われております。これらの変化に対応するため、当社は、開発スタッフの採用・育成や最先端の技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、また技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のために追加的なシステム投資、人件費等の支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 当社の業務委託先のリスクについて

当社は、コンテンツ・システムのプログラミング等の一部の業務を外部に業務委託しております。当社は、業務委託先が開発遅延等を起こさないようにプロジェクトの進捗管理を慎重に実施しております。しかしながら、業務委託先において開発遅延、経営破綻、法令違反等が生じる等、サービス提供に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 事業拡大に伴う継続的な設備投資について

当社は、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、システムインフラ等への設備投資を行ってまいりましたが、当社の計画を上回る急激な利用者数及びアクセス数の増加等があった場合には、設備投資、減価償却費負担の増加が想定され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 校舎数と解約数の推移について

当社のサービスを導入する学習塾や学校等の校舎数は、広告宣伝活動や営業活動による新規導入校数の増加等により拡大傾向にありますが、学習塾の独立開業者の減少や学習塾・学校における「すらら」の導入が進まないこと等により、新規校舎獲得数が計画を下回る場合や、解約数が当社の想定よりも増加する場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ ID数の推移について

当社は、学習塾や学校等の導入校に対する各種経営支援を通じて生徒数増加のための取組を推進しており、これらの活動等によって当社のサービスを利用するID数は増加傾向にありますが、当社から導入校に対する経営支援活動を行っても導入校において生徒数が増加せず、想定どおりのID数が得られない場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑧ 法人顧客の解約について

当社では、個人塾のみならず、複数の校舎や多くの生徒を有する学習塾運営会社や学校法人等の法人顧客との契約数の増加に向けた取組を推進しており、これらの学習塾運営会社や学校法人においては、「すらら」を活用した反転授業を教育カリキュラムに組み込むこと等により、「すらら」の継続的な活用を促しております。

しかしながら、今後において、複数の校舎や多くの生徒を有する法人顧客において、他社サービスへの切り替えやその他の理由により、当社サービスの利用契約の解約が生じた場合、校舎数及びID数が大幅に減少することが想定されるため、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 営業部門の人材の確保について

当社は、今後の更なる事業拡大を推進する上で営業部門における優秀な人材の確保及びその人材の育成が重要であると認識しており、適切な時期を見定めながら新卒や中途採用活動を実施し、また、採用した人材のモチベーションを向上させる人事諸制度の構築や教育の実施を進めております。しかしながら、現状においては、営業部門が少人数であり、一人当たりの役割が多いため、人材の新規採用が予定通りに進まない場合や既存の人材の社外流出等が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ ソフトウエア開発について

当社は、競争優位性を高めるために、新サービスの開発や機能追加を行ってまいりましたが、サービス品質の向上や品揃えの充実のため、今後においてもソフトウエア資産の増加が見込まれます。

今後において当社の想定を超えるソフトウエアの開発が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があるほか、想定どおりの収益を獲得できず、営業損失を計上することとなった場合等には減損損失が発生する可能性があります。また、当社では一部の開発を外部委託しており、外部委託先からの納品物の品質に問題が生じた場合にはソフトウエアの改修に係る費用や損失が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ システム障害について

当社のサービスは、情報システム及び通信ネットワークを通じて提供しております。当社はシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、以下のとおり対策を講じております。

 

1) 新規サービスのリリース時において事前検証を徹底する
2) 委託先が運営するデータセンターのサーバーを負荷分散し、障害時に備え日次バックアップを行う
3) サーバーの保守・運営・管理業務は外部の専門会社へ委託し、障害の兆候が見受けられる時や障害が発生した時には、委託先から当社のシステム運用要員に通知する体制を整える

 

しかしながら、以下のようなシステム障害が発生した場合、当社のサービスは停止する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。

 

・電力供給不足、災害や事故等により通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合

・コンピューターウイルス、不正アクセスによる被害にあった場合

・ソフトウエアや機器に不具合・欠陥が生じた場合等

 

 

3.法的規制に関するリスク

① 法的規制について

当社事業は、「個人情報の保護に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「電気通信事業法」等による法的規制を受けております。当社は、社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備・強化しておりますが、不測の事態により、万が一当該規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化され、もしくは新たな法令等が定められ当社の事業が制約を受ける場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 個人情報の管理について

当社は、当社のサービスを利用する生徒、取引先、従業員、株主等に関わる個人情報を有しております。当社は社内規程の整備、従業員への教育指導等、個人情報の管理には万全を期しております。しかしながら、何らかの事情により個人情報が外部に漏洩した場合は、当社の社会的信用の失墜により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 知的財産権に関するリスク

当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している場合、または、今後当社が属する事業分野において第三者の権利が成立する場合には、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社の知的財産が侵害された場合には、当社の事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

4.経営管理体制に関するリスク

① 代表取締役 湯野川孝彦への依存について

代表取締役である湯野川孝彦は、当社の創業者であり、創業以来当社の代表取締役を務めております。同氏は、eラーニングサービスをはじめとする新規事業の立ち上げや顧客に対する経営支援に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

当社は、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 小規模組織における管理体制について

当社は、本書提出日現在、取締役3名(内1名は非常勤)、監査等委員である取締役3名、従業員42名と小規模組織にて運営しており、内部管理体制もこれに応じたものとなっております。今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

5.その他のリスク

① 配当政策について

当社の利益配分につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。

しかしながら当社は、成長過程にあり、今後の事業発展及び経営基盤強化といった、内部留保の充実を図るため、配当を行っておりません。現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。

 

② 調達資金の使途について

当社が計画している公募増資による調達資金については、既存事業の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及びコンテンツ・システムの開発に係る設備投資資金に充当する予定であります。しかしながら、当社が属するeラーニング学習市場においては変化が著しいため、計画の変更に迫られ、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性があります。

 

③ ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について

当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は、70,000株であり、発行済株式総数の5.5%に相当しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (業績等の概要)

(1) 業績

 当期におけるわが国の経済は、堅調な企業収益と雇用情勢の改善を背景に、緩やかな回復基調が持続してまいりました。しかしながら、国際経済における新興国経済の成長鈍化、ブレグジットが成立した欧州情勢、米国と中国やイランとの緊張関係、継続する香港の民主化デモ、新型コロナウィルス感染の世界的な広がりなど、世界は不安定要因や景気下振れリスクをはらみ、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました

 わが国の教育業界においては、従来からの少子化の流れの中で、企業間競争が激しさを増しており、経営環境は依然厳しい状況で推移しているものの、当社が属するeラーニング学習市場につきましては、政府のGIGAスクール構想の進捗とともに、教育現場でのスマートフォンやタブレット端末の普及と活用が進み、今後も引き続き市場と顧客層の拡大が見込まれます。

 当社はこのような環境の中、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念として社員全員が共有し、その実現に取り組んでおります。

 主要顧客である「学習塾マーケット(学習塾を対象とした販路を指します。)」においては、「低学力の生徒に対する学力向上教材」として強固なポジショニングの認知が進んでいるとともに、当社のサービスを使って独立開業される方や、従来塾を経営されている個人顧客に加え、地方の大手塾や放課後等デイサービス施設との新たな契約が堅調に進捗したことにより、当期末時点の導入校数は831校(前期末比74校増加)、ID数は18,149ID(前期末比2,911ID増加)となりました。その結果、学習塾マーケットの当期における売上高は621,266千円(前年同期比12.4%増加)となりました。

 次に「学校マーケット(学校を対象とした販路を指します。)」においては、私立学校における活用の拡大と深化が進んだことに加え、通信制高校や地方部の公立学校などでの採用などが進み、契約数は堅調に増え、当期末時点の導入校数は183校(前期末比29校増加)、ID課金数(校舎課金を除く。)は33,476ID(前期末比4,216ID増加)となりました。その結果、学校マーケットの当期における売上高は336,488千円(前年同期比14.4%増加)となりました。

 さらに当社では学習塾・学校に続く第3の事業の柱として「個人学習者向けのBtoCマーケット(個人学習者を対象とした販路を指します。)」における事業展開を進めております。従来のWebマーケティングと、昨今、社会問題として注目されつつある不登校に関する問い合わせの増加により、ID数は増加傾向にあり、当期末時点のID数は2,349ID(前期末比1,227ID増加)となりました。その結果、BtoCマーケットの当期における売上高は174,595千円(前年同期比111.3%増加)となりました。

 また、当社が今後も成長を続けるとともに当社が掲げる企業理念を実現するためには、「海外マーケット(日本国外を対象とした販路を指します。)」の更なる開拓が必要であると考えております。このような中長期的な方針のもと、海外マーケットにおいては、主にスリランカ及びインドネシアにおいて現地の私立学校との契約が堅調に進捗したことにより、スリランカでのテロによる一時的なID数の減少はあったものの、当期末時点の海外マーケットにおけるID数は2,401ID(前期末比153ID増加)となりました。

 

 その結果、当社全体の当期における売上高は1,141,158千円(前年同期比22.0%増加)となりました。また、当社全体の当期末時点における導入校数は1,056校(前期末比116校増加)、利用ID数は69,967ID(前期末比9,157ID増加)となりました。

 一方、費用につきましては、業容の拡大とガバナンス体制の強化に向けて営業、開発及び管理の人員を増やし、WebマーケティングやTVコマーシャルなどの広告宣伝に積極的に取り組んでまいりました。その結果、当社全体の当期における売上原価は241,947千円(前年同期比17.9%増加)、販売費及び一般管理費は834,715千円(前年同期比58.1%増加)となりました。

 以上の結果、当期の営業利益は64,495千円(前年同期比68.1%減少)、経常利益は65,763千円(前年同期比70.6%減少)、当期純利益は43,972千円(前年同期比68.1%減少)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前事業年度末に比べ79,952千円減少し、533,228千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は50,700千円(前年同期比82.6%減)となりました。その主な内訳は税引前当期純利益64,958千円、減価償却費92,511千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は130,832千円(同5.7%増)となりました。その主な内訳は無形固定資産の取得による支出122,477千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は93千円(前期は8,000千円の収入)となりました。その内訳は自己株式の取得による支出93千円であります。

 

 (生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2) 受注状況

当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比
(%)

eラーニング関連事業(千円)

1,141,158

122.0

合計(千円)

1,141,158

122.0

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社の事業セグメントは、eラーニング関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の

販売実績は記載しておりません。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

  損益計算書の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

4.マーケット別の販売実績は次のとおりであります。

マーケットの名称

当事業年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比
(%)

学習塾(千円)

621,266

112.4

学校(千円)

336,488

114.4

BtoC(千円)

174,595

211.3

その他(千円)

8,809

137.1

合計(千円)

1,141,158

122.0

 

 

  (財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

当期の総資産は1,033,555千円となり、前事業年度末に比べ5,917千円増加いたしました。

これは主に、3月に放映しましたTVコマーシャルにかかる費用を計上し、それに伴い現金及び預金が減少しましたが、売上高増加に伴う売掛金の増加及びサービスの新規開発に伴うソフトウエアが増加したことによるものでもあります

企業の安全性を示す自己資本比率は前事業年度末82.4%に対し、当事業年度末は86.2%と3.8ポイント増加しております。また、支払能力を示す流動比率は前事業年度末408.0%に対し、当事業年度末は486.2%と78.2ポイント増加しております。

 

(流動資産)

当期における流動資産は692,700千円となり、前事業年度末に比べ43,476千円減少いたしました。これは主にサービスの新規開発に伴うソフトウエアへの投資、契約数を増加させるためのプロモーション活動に注力したこと、税金を支払ったことにより現金及び預金が79,952千円減少したこと、及び契約数の増加に伴う売上高の増加により売掛金が21,536千円増加したことによるものであります。

 

(固定資産)

当期における固定資産は340,855千円となり、前事業年度末に比べ49,394千円増加いたしました。これは主にサービスの新規開発に伴うソフトウエア投資による無形固定資産が53,647千円増加したことによるものであります。

 

(流動負債)

当期における流動負債は142,468千円となり、前事業年度末に比べ37,961千円減少いたしました。これは未払金29,339千円増加した一方で、未払法人税等53,172千円と未払消費税等22,885千円を支払い減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当期における純資産合計は891,087千円となり、前事業年度末に比べ43,879千円増加いたしました。これは主に当期純利益を43,972千円計上したことによるものであります。

 

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は1,141,158千円(前年同期比22.0%増加)、営業利益は64,495千円(前年同期比68.1%の減少)、経常利益は65,763千円(前年同期比70.6%の減少)、当期純利益は43,972千円(前年同期比68.1%の減少)となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1)業績」をご参照下さい。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

当社は、設立以来、インターネットを通じてコンピューターで学ぶことができるeラーニングサービス関連事業を展開してまいりました。

現在の「すらら」の契約数は、機能の追加、学習塾や学校等に対する経営支援、無料勉強会の定期開催、他社とのコラボレーションによるコンテンツの品揃えの充実等の施策により堅調に推移しております。

当社は今後、自社コンテンツの新規開発及び既存のサービスの機能強化に加え優良コンテンツを保有する他社とのコラボレーションによりサービスの品揃えを拡大することにより更に顧客の獲得を強化していく方針であります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念として事業を展開しております。世の中には、学力や所得、地域の格差などによって十分な教育を受けることができない子どもたちがいます。当社はそうした子どもたちにも、ひとりひとりに合った新しい学習体験を届け、この学習体験を通じて、子どもたちが「大人になっても役に立つ真の学力」と「努力をすれば結果が出るという自信」を身に付ける支援をしております。当社はこれらを実現するために、新しい学びの形を、学習塾や学校、その他の教育機関と共に築いてまいります。また、いずれはこれらの取り組みを世界に拡げ、貧しい子どもたちでも高品質な教育が安価に受けられるようにし、所得格差と教育格差の負のスパイラルという社会の問題を解決することをビジョンとしております。当社は、このようなビジョンに基づいて事業を展開し業績の向上を図るとともに、株主利益や社会貢献に十分に配慮し、企業価値の向上に努める所存であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。