当社は、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念とし、新しい学習体験を届ける事業活動を通じ、学習者に「大人になっても役に立つ真の学力」と「努力をすれば結果が出るという自信」を得られる機会を提供しています。貧困や障がいに苦しむ子どもたち、低学力の生徒、世界中の教育格差という社会課題を、最先端技術で解決する。教育格差を根絶することが当社の使命であると考えています。
当社教材は、従来の進学塾・予備校、人による個別指導塾や映像配信型の教材とは異なり、無学年式で、学習内容のさかのぼり、先取りを学年、学校種を超えて行える(高校生が小学校の復習に取り組むなど)特長を活かし、偏差値30~60と低学力層を含めた幅広いレンジの生徒が利用でき、一人ひとりの学力向上のみならず学習塾・学校全体の学力底上げを目指すコンテンツです。また、幅広い機能を有する学習管理機能により、教員の働き方改革への貢献も可能となります。当社は今後も、教材の開発・提供、教育現場でのEdTech活用のためのコンサルテーションならびに、学習者の学習履歴や解答情報をはじめとするビッグデータの活用や、AIのさらなる活用など、新しい教材やサービスの開発、提供を加速し、当社独自のポジションを確立していきます。
わが国の教育業界においては、従来からの少子化の流れの中で、企業間競争が激しさを増しており、経営環境は依然厳しい状況で推移しているものの、当社が属するEdTech市場は、新型コロナウイルス感染症対策による全国の小中高校の臨時休校をきっかけとするオンライン学習への関心・注目の急速な高まり、政府のGIGAスクール構想の進捗に伴う教育現場におけるパソコンやタブレット端末の普及により、今後も引き続き市場と顧客層の拡大が見込まれます。EdTech市場の市場規模は、2020年度には1,574億円と見込まれていますが、2026年度には2,430億円に拡大することが予測されています。(出典:「ITナビゲーター2021年版」野村総合研究所 東洋経済新報社EdTech市場規模予測「コンテンツ(教科学習)」)
また、新学習指導要領が2020年度(小学校)、2021年度(中学校)、2022年度(高等学校)に実施され、新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実が図られます。新学習指導要領ではSociety 5.0 の実現を目指し、主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点からの学習過程の改善が行われます。情報活用能力が、言語能力、問題発見・解決能力等と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けられ、「各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図る」ことが明記されるなど、今後の学習活動において、積極的にICTを活用することが想定されています。同時に文部科学省からは、「学校における働き方改革に関する緊急対策」が発表され、ICTを活用することにより教員の働き方改革を実現することも期待されています。
文部科学省では、新学習指導要領の実施を見据え「2018年度以降の学校におけるICT環境の整備方針」を取りまとめるとともに、当該整備方針を踏まえ「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)」を策定しました。2020年に起こった新型コロナウイルス感染症拡大により、臨時休校が長期化し教育課程の実施に支障が生じる事態に備え、今回のような事態にも対応可能な遠隔教育など、Society 5.0の実現を加速していくこととなりました。そこで、1人1台端末や、家庭でも繋がる通信環境の整備等、GIGAスクール構想におけるハード・ソフト・指導体制を一体とした整備を加速させる方針が発表され、当初のスケジュールでは2023年度中となっていた1人1台端末配備を前倒し、2020年度中の完了を目指すとしています。
一方、経済産業省では2020年度にEdTech導入実証事業が進められました。EdTech導入実証事業は、EdTechを学校などに導入実証する事業者に費用の一部を補助する制度で、学校や教育委員会などの費用負担を軽減することによりEdTechを導入しやすくし、教育のイノベーションにつなげることを目的とした事業であり、当社も採択されています。このように、教育のICT化に向けた取り組みはいっそう加速しており、新型コロナウイルス感染症拡大による学校休校も契機の一つとなり、教育現場へのEdTech導入がさらに広がっていくことが予想されています。
3.対処すべき課題
① コンテンツの拡充
② 公立学校マーケットの開拓
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う休校を経験し、教育現場において「学びを止めない」ためのオンライン学習の重要性が増しています。政府は、2019年度より1人1台の学習者用端末と高速大容量の通信ネットワークを整備する GIGAスクール構想を推進していますが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、その取り組みが加速しています。2020年8月には、経済産業省によるEdTech導入 補助金交付が決定し、当社は公立小中学校を中心とする616校、約21万人の学習 をサポートしました。2021年度以降も教育のICT化がさらに加速するものと思われます。さらなるマーケットニーズの拡大に対応するため、当社はこれまで以上に大手メーカーや販社などとの連携を深め、引き続き公立学校のマーケット開拓に積極的に取り組んでまいります。
③ BtoCマーケットの開拓
④ 海外マーケットの開拓
⑦ 内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化
なお、2021年2月22日に情報管理体制の強化のためにISMSを取得しております(認証番号IS740730)。
2020年3月、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府からの臨時休校要請により、全国の小中高校が一斉に休校となりました。休校をきっかけとして、教育現場におけるICT化に対する期待が高まっています。このような中、当社は子どもたちの「学びを止めない」ため、2020年3月から2020年5月まで、休校した小中高校に約15万IDを無償で発行しました。 営業活動においては、対面でのセミナーや商談が制限されるなど一定の影響はあったものの、オンラインセミナーやオンライン商談の積極的な活用を実施しています。そのため、新型コロナウイルス感染症拡大が当社の財政状態及び経営成績に与えるネガティブな影響は現時点においては限定的なものであります。しかしながら、先行きについては不透明な部分もありますので継続的に注視してまいります。 当社では、従業員の健康と安全の確保を第一に考え、在宅勤務やオンラインツールを活用した打合せの推奨等、感染リスク低減のための措置を実施しております。
当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び万一発生した場合でも業績及び財務状況に与える影響を最小限にすべく対応に努める方針であります。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
近年、IT技術の発展やペーパーレス化の流れ等により、日本におけるEdTechのニーズは高まりを見せております。今後もスマートフォンやタブレット端末の普及により、EdTechに関するユーザーの需要は活発化していくことが予想されます。しかしながら、これらの市場のニーズや成長が大きく鈍化し、もしくは縮小した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、EdTech関連事業を主たる事業対象としているため、当社事業の継続的な拡大発展のためには、更なるインターネット環境の整備、インターネットの利用拡大が必要と考えております。しかしながら、インターネットの利用等に関する新たな規制の導入や技術革新、その他予期せぬ要因によって、今後の利用拡大に大きな変化が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
教育業界は、長期にわたる出生率低下に伴う少子化により、学齢人口の減少という問題に直面しております。少子化による影響や、子どもにかかる学習費や学習塾の事業所数が増加傾向であることも相まって、教育業界では同業間での生徒数確保に向けた競争が激化していくことが予想されます。
このような状況の下、当社は、子どもたちには、「大人になっても役に立つ真の学力」と「努力をすれば結果が出るという自信」を身につけて頂くこと、当社のサービスを使って学習塾を独立開業される方等には、その経営を成功して頂くこと等を目指して事業展開を進める所存でありますが、今後、少子化が急速に進行し、教育市場全体が著しく縮小した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
近年、教育分野においては、グローバル化やICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)化の必要性が高まりを見せております。大学入試においても新制度導入が検討される等、今後も環境が変化し、また、子どもや保護者の教育に対するニーズも急速に多様化、個別化していくことが予想されます。
このような状況の下、当社は、細分化された顧客ニーズに対応した商品・サービスを提供するよう、新技術の開発やノウハウの取得を推進しております。しかしながら、将来において教育環境及び顧客ニーズが当社における対応を上回る規模で急激に変化した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、「すらら」サービスをはじめとする特色あるサービスの提供や機能の強化、サービスラインナップの充実、学習塾や学校法人に対する経営支援体制の強化等に継続的に取り組み、競争力の向上を図っております。しかしながら、当社と同様にEdTechを提供している企業や新規参入企業との競争激化による顧客の流出やコストの増加等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社では、教育コンテンツの提供企業との業務提携等を通じた事業の拡大に取り組んでおります。当社と提携先が持つコンテンツや事業運営ノウハウ等を融合することにより、大きなシナジー効果を発揮することを目的としておりますが、当初見込んだ効果が発揮されない場合、またこれらの提携が解消された場合、業績に影響を与える可能性があります。
当社が事業を展開するEdTech業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われております。これらの変化に対応するため、当社は、開発スタッフの採用・育成や最先端の技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。しかしながら、かかる知見やノウハウの獲得に困難が生じた場合、また技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のために追加的なシステム投資、人件費等の支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、コンテンツ・システムのプログラミング等の一部の業務を外部に業務委託しております。当社は、業務委託先が開発遅延等を起こさないようにプロジェクトの進捗管理を慎重に実施しております。しかしながら、業務委託先において開発遅延、経営破綻、法令違反等が生じる等、サービス提供に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、システムインフラ等への設備投資を行ってまいりましたが、当社の計画を上回る急激な利用者数及びアクセス数の増加等があった場合には、設備投資、減価償却費負担の増加が想定され、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社のサービスを導入する学習塾や学校等の校舎数は、広告宣伝活動や営業活動による新規導入校数の増加等により拡大傾向にありますが、学習塾の独立開業者の減少や学習塾・学校における「すらら」等の導入が進まないこと等により、新規校舎獲得数が計画を下回る場合や、解約数が当社の想定よりも増加する場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、学習塾や学校等の導入校に対する各種経営支援を通じて生徒数増加のための取組を推進しており、これらの活動等によって当社のサービスを利用するID数は増加傾向にありますが、当社から導入校に対する経営支援活動を行っても導入校において生徒数が増加せず、想定どおりのID数が得られない場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社では、個人塾のみならず、複数の校舎や多くの生徒を有する学習塾運営会社や学校法人等の法人顧客との契約数の増加に向けた取組を推進しており、これらの学習塾運営会社や学校法人においては、「すらら」を活用した反転授業を教育カリキュラムに組み込むこと等により、「すらら」等の継続的な活用を促しております。
しかしながら、今後において、複数の校舎や多くの生徒を有する法人顧客において、他社サービスへの切り替えやその他の理由により、当社サービスの利用契約の解約が生じた場合、校舎数及びID数が大幅に減少することが想定されるため、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、今後の更なる事業拡大を推進する上で営業部門における優秀な人材の確保及びその人材の育成が重要であると認識しており、適切な時期を見定めながら新卒や中途採用活動を実施し、また、採用した人材のモチベーションを向上させる人事諸制度の構築や教育の実施を進めております。しかしながら、現状においては、営業部門が少人数であり、一人当たりの役割が多いため、人材の新規採用が予定通りに進まない場合や既存の人材の社外流出等が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、競争優位性を高めるために、新サービスの開発や機能追加を行ってまいりましたが、サービス品質の向上や品揃えの充実のため、今後においてもソフトウエア資産の増加が見込まれます。
今後において当社の想定を超えるソフトウエアの開発が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があるほか、想定どおりの収益を獲得できず、営業損失を計上することとなった場合等には減損損失が発生する可能性があります。また、当社では一部の開発を外部委託しており、外部委託先からの納品物の品質に問題が生じた場合にはソフトウエアの改修に係る費用や損失が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社のサービスは、情報システム及び通信ネットワークを通じて提供しております。当社はシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、以下のとおり対策を講じております。
しかしながら、以下のようなシステム障害が発生した場合、当社のサービスは停止する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。
・電力供給不足、災害や事故等により通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合
・コンピューターウイルス、不正アクセスによる被害にあった場合
・ソフトウエアや機器に不具合・欠陥が生じた場合等
当社事業は、「個人情報の保護に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「電気通信事業法」等による法的規制を受けております。当社は、社内の管理体制の構築等によりこれら法令を遵守する体制を整備・強化しておりますが、不測の事態により、万が一当該規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化され、もしくは新たな法令等が定められ当社の事業が制約を受ける場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、当社のサービスを利用する生徒、取引先、従業員、株主等に関わる個人情報を有しております。当社は社内規程の整備、従業員への教育指導等、個人情報の管理には万全を期しております。しかしながら、何らかの事情により個人情報が外部に漏洩した場合は、当社の社会的信用の失墜により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、調査可能な範囲で対応を行っております。しかしながら、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している場合、または、今後当社が属する事業分野において第三者の権利が成立する場合には、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社の知的財産が侵害された場合には、当社の事業及び業績に重要な影響を与える可能性があります。
代表取締役である湯野川孝彦は、当社の創業者であり、創業以来当社の代表取締役を務めております。同氏は、EdTechをはじめとする新規事業の立ち上げや顧客に対する経営支援に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社は、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、本書提出日現在、取締役3名(内1名は非常勤)、監査等委員である取締役3名、従業員49名と小規模組織にて運営しており、内部管理体制もこれに応じたものとなっております。今後の事業の拡大及び多様化に対応して、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社の利益配分につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。
しかしながら当社は、成長過程にあり、今後の事業発展及び経営基盤強化といった、内部留保の充実を図るため、配当を行っておりません。現時点において当社は、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。しかしながら、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
当社が計画している公募増資による調達資金については、既存事業の拡大に係る人件費、その採用費、広告宣伝費及びコンテンツ・システムの開発に係る設備投資資金に充当する予定であります。しかしながら、当社が属するEdTech市場においては変化が著しいため、計画の変更に迫られ、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性があります。
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストックオプション制度を採用しております。現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存の株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は、210,000株であり、発行済株式総数の3.2%に相当しております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国の経済は、堅調な企業収益と雇用情勢の改善を背景に、緩やかな回復基調が持続してまいりました。しかしながら、国際経済における新興国経済の成長鈍化、ブレグジットが成立した欧州情勢、米国と中国やイランとの緊張関係、継続する香港の民主化デモ、新型コロナウィルス感染症の世界的な広がりなど、世界は不安定要因や景気下振れリスクをはらみ、景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
わが国の教育業界においては、従来からの少子化の流れの中で、企業間競争が激しさを増しており、経営環境は依然厳しい状況で推移しているものの、当社が属するEdTech市場につきましては、新型コロナウイルス感染症対策による全国の小中高校の臨時休校をきっかけとするオンライン学習への関心・注目の急速な高まり、政府のGIGAスクール構想の進捗に伴う教育現場におけるパソコンやタブレット端末の普及により、今後も引き続き市場と顧客層の拡大が見込まれます。
当社はこのような環境の中、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念として社員全員が共有し、その実現に取り組んでおります。
主要顧客である「学習塾マーケット(学習塾を対象とした販路を指します。)」においては、これまでの「低学力に強い学力向上教材」というイメージに加え、先取り学習・反転授業など幅広い学力層での活用拡大、新型コロナウイルス感染症拡大による休校要請時におけるオンライン自宅学習切り替えへの迅速な対応実績から「通塾でも自宅学習でもオンラインでシームレスに対応できるAI教材」として急速に認知が拡大しています。当社のサービスを使って独立開業される方や、従来塾を経営されている私塾に加え、中堅ローカル塾での大型契約の獲得、放課後等デイサービス施設での採用拡大や、3月にリリースした理科・社会コンテンツの導入校における採用が堅調に進捗し、当期末時点の導入校数は1,075校(前期末比244校増加)、ID数は24,866ID(前期末比6,717ID増加)となりました。その結果、学習塾マーケットの当期における売上高は719,497千円(前年同期比15.8%増加)となりました。
次に「学校マーケット(学校を対象とした販路を指します。)」においては、これまでの私立学校における活用の拡大、通信制高校や海外の日本人学校における採用が堅調に進捗するとともに、経済産業省の先端的教育用ソフトウエア導入実証事業費補助金(以下、EdTech導入補助金)の交付により、自治体を通じて公立小中高校における「すらら」ならびに「すらら」姉妹版「すららドリル」の採用が進み、契約数が大幅に増加しております。当期末時点の導入校数は1,096校(前期末比913校増加)、ID課金数(校舎課金を除く。)は334,566ID(前期末比301,090ID増加)となりました。その結果、学校マーケットの当期における売上高は615,316千円(前年同期比82.9%増加)となりました。
さらに当社では学習塾・学校に続く第3の事業の柱として「個人学習者向けのBtoCマーケット(個人学習者を対象とした販路を指します。)」における事業展開を進めております。新型コロナウイルス感染症拡大による自宅学習需要の拡大と昨今社会問題として注目されつつある不登校生の利用増加により、ID数は増加傾向にあり、当期末時点のID数は3,416ID(前期末比1,067ID増加)となりました。その結果、BtoCマーケットの当期における売上高は307,867千円(前年同期比76.3%増加)となりました。
また、当社が将来の成長の鍵として注力しております「海外マーケット(日本国外を対象とした販路を指します。)」では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う現地の休校が継続しており、当期末時点の海外マーケットにおけるID数は1,936ID(前期末比465ID減少)となりました。
その結果、当社全体の当期における売上高は1,649,465千円(前年同期比44.5%増加)となりました。また、当社全体の当期末時点における導入校数は2,226校(前期末比1,170校増加)、利用ID数は373,783ID(前期末比303,816ID増加)となりました。
業容の拡大に向けた営業・開発人員の増強、小・中学校の理科・社会教科のリリース、新コンテンツ・システムへの開発投資、ID数増加に対応するためのサーバー増強、当社サービスの認知度を高め契約数を増加させるためのプロモーション活動等に、積極的に取り組んでまいりました。一方、前期実施したTVコマーシャルを今期実施しなかったこと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、新しい生活様式、働き方のスタイルを取り入れ、対面での営業活動やセミナーなどを一部オンラインへ切り替えたことにより広告宣伝費、販売促進費、旅費交通費など一部の経費については減少しております。
その結果、当社全体の当期における売上原価は357,113千円(前年同期比47.6%増加)、販売費及び一般管理費は751,869千円(前年同期比9.9%減少)となりました。
以上の結果、当期の営業利益は540,482千円(前年同期比738.0%増加)、経常利益は548,871千円(前年同期比734.6%増加)、当期純利益は379,996千円(前年同期比764.2%増加)となりました
当事業年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
(a)財政状態
当事業年度末の総資産は1,780,673千円となり、前事業年度末に比べ747,117千円増加いたしました。
これは主に、売上高の増加による現金及び預金と売掛金が増加したこと、コンテンツ・システム開発に伴うソフトウエアが増加したものであります。
企業の安全性を示す自己資本比率は前事業年度末86.2%に対し、当事業年度末は72.1%と14.1ポイント減少しております。また、支払能力を示す流動比率は前事業年度末486.2%に対し、当事業年度末は267.0%と219.2ポイント減少しております。
当事業年度末における流動資産は1,326,139千円となり、前事業年度末に比べ633,438千円増加いたしました。これは主に契約数の増加に伴う売上高の増加により現金及び預金が419,900千円、売掛金が229,715千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は454,533千円となり、前事業年度末に比べ113,678千円増加いたしました。これは主にコンテンツ・システム開発により無形固定資産が101,851千円、繰延税金資産が13,482千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は496,628千円となり、前事業年度末に比べ354,159千円増加いたしました。これは主に未払法人税等184,582千円と未払消費税等55,807千円、未払金79,001千円、前受金11,476千円および賞与引当金13,800千円が増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,284,044千円となり、前事業年度末に比べ392,957千円増加いたしました。これは主に当期純利益を379,996千円計上したこと、新株予約権(ストック・オプション)の行使と、譲渡制限付株式報酬としての新株の発行により、資本金及び資本準備金がそれぞれ6,779千円増加したことによるものであります。
(b)経営成績
当事業年度の経営成績は、売上高1,649,465千円(前年同期比44.5%増加)、営業利益は540,482千円(前年同期比738.0%増加)、経常利益は548,871千円(前年同期比734.6%増加)、当期純利益は379,996千円(前年同期比764.2%増加)となりました。
②キャッシュフローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前事業年度末に比べ419,900千円増加し、953,129千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は600,354千円(前年同期は50,700千円の収入)となりました。その主な内訳は税引前当期純利益548,871千円、減価償却費105,492千円、仕入債務の増加額59,768千円、売上債権の増加額229,715千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は187,296千円(前年同期は130,832千円の支出)となりました。その主な内訳は無形固定資産の取得による支出187,237千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は7,243千円(前年同期は93千円の支出)となりました。その内訳は新株予約権の行使による株式の発行による収入7,840千円と、自己株式の取得による支出596千円であります。
③生産、受注及び販売の状況
(a)生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社の事業セグメントは、eラーニング関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の
販売実績は記載しておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合。
損益計算書の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
4.マーケット別の販売実績は次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
財務諸表の作成においては、以下の会計方針が見積り及び判断に重要な影響を及ぼすと考えております。
当社は、繰延税金資産について、将来減算一時差異の解消時期をスケジューリングし、繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(a)財政状態の分析
当事業年度末の総資産は1,780,673千円となり、前事業年度末に比べ747,117千円増加いたしました。
詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (a)財政状態」をご参照下さい。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は1,649,465千円(前年同期比44.5%増加)となりました。詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
(営業利益、経常利益及び当期純利益)
業容の拡大に向けた営業・開発人員の増強、小・中学校の理科・社会教科のリリース、新コンテンツ・システムへの開発投資、ID数増加に対応するためのサーバー増強、当社サービスの認知度を高め契約数を増加させるためのプロモーション活動等に、積極的に取り組んでまいりました。一方、一昨年実施したTVコマーシャルは実施しなかったこと、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、新しい生活様式、働き方のスタイルを取り入れ、対面での営業活動やセミナーなどを一部オンラインへ切り替えたことにより広告宣伝費、販売促進費、旅費交通費など一部の経費については減少しております。その結果、当社全体の当期における売上原価は357,113千円(前年同期比47.6%増加)、販売費及び一般管理費は751,869千円(前年同期比9.9%減少)となりました。
この結果、営業利益は540,482千円(前年同期比738.0%増加)、経常利益は548,871千円(前年同期比734.6%増加)、当期純利益は379,996千円(前年同期比764.2%増加)となりました。
(c)キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュフローの状況」に記載しております。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。当社の資金需要の主なものは、コンテンツ・システムの開発費、人件費及び販売活動のための広告宣伝費等の運転資金であります。これらの資金需要に対して、営業活動により必要となる資金を調達しており、資金の流動性は十分に確保されております。今後新たな資金需要が出てきた場合には、金融機関からの借入や新株の発行等により、最適な方法による資金調達にて対応する方針です。
(d)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております
(e) 経営戦略の現状と見通し
当社は、設立以来、インターネットを通じてコンピュータで学ぶことができるeラーニングサービス関連事業を展開してまいりました。
現在の「すらら」の契約数は、機能の追加、学習塾や学校等に対する経営支援、無料勉強会の定期開催、他社とのコラボレーションによるコンテンツの品揃えの充実等の施策により堅調に推移しております。
当社は今後、自社コンテンツの新規開発及び既存のサービスの機能強化に加え優良コンテンツを保有する他社とのコラボレーションによりサービスの品揃えを拡大することにより更に顧客の獲得を強化していく方針であります。
(f) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念として事業を展開しております。世の中には、学力や所得、地域の格差などによって十分な教育を受けることができない子どもたちがいます。当社はそうした子どもたちにも、ひとりひとりに合った新しい学習体験を届け、この学習体験を通じて、子どもたちが「大人になっても役に立つ真の学力」と「努力をすれば結果が出るという自信」を身に付ける支援をしております。当社はこれらを実現するために、新しい学びの形を、学習塾や学校、その他の教育機関と共に築いてまいります。また、いずれはこれらの取り組みを世界に拡げ、貧しい子どもたちでも高品質な教育が安価に受けられるようにし、所得格差と教育格差の負のスパイラルという社会の問題を解決することをビジョンとしております。当社は、このようなビジョンに基づいて事業を展開し業績の向上を図るとともに、株主利益や社会貢献に十分に配慮し、企業価値の向上に努める所存であります。
特記すべき事項はありません。
該当事項はありません。