第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の分析

当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、内需及びインバウンド需要など、社会活動の正常化の流れが進む一方で、国際情勢不安、原料・エネルギー価格の高騰や急激な為替相場の変動などの要因により、先行きは不透明な状況となっております。

当社グループにおいては、従来からの少子化の流れの中で企業間競争が激しさを増しており、経営環境は依然厳しい状況で推移しています。当社が属するeラーニング事業は、令和5年6月に閣議決定された「新たな教育復興基本計画(計画期間2023年~2027年)」をふまえ、当社が開発したICT教材を通じた社会課題の解決と、事業成長の同時実現に向けて活動を行っております。さらに、将来的な競争力強化と市場拡大に向けて、AI技術やビッグデータ分析を活用した次世代教育プラットフォーム開発に着手しています。

eラーニング事業を行っているすららネットでは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を企業理念とし、他社に先駆けた様々な取り組みに挑戦しています。不登校、発達障がい、低学力、貧困といった社会課題に対し、当社ICT教材とコンサルティング力の強みを生かして、一人ひとりに合った学習体験を届け、学校や学習塾、家庭学習、海外等、多種多様な市場において社会的インパクトの創出を推進しています。

当中間連結会計期間では、新たな市場への取り組みとして、デジタル情報量の爆発的増加を背景に数値情報の分析、活用ができる人材育成に伴うニーズの高まりを受け、リスキリング教材として「仕事に役立つ数学基礎コース」を公益財団法人日本数学検定協会と共同で開発リリースしました。多様化する学びや課題に対し、新たな取り組みを進めております。

学校マーケットでは、日本最大級の学校数を展開する専門学校グループとの新規契約や自治体契約の増加はあったものの、3月年度末に大口の自治体契約が終了し、その後の新規自治体の案件獲得が目標に届かなかったことにより、今期見通しが大きく減少する結果となりました。今後はすでに取り組んでいるeポータルとの連携や、代理店との販路拡大を引き続き増やし、当社ICT教材の特性を活かした現場への普及活動に尽くしたいと考えています。塾マーケットでは、放課後等デイサービスは堅調に推移しており、中堅大手塾の生徒数も増加し、契約校舎数及び利用ID数は復調基調です。一方で、それ以外の既存塾契約校は通塾生徒数の減少や、塾が使用しているEdTech教材の多様化等の影響があり、売上は減少しました。今後は既存契約塾へフリースクールの併設等新たな施策を提案し、マーケットの強化に尽力いたします。

経営指標である課金対象導入校数と利用ID数につきましては、国内マーケットにおける契約校舎数は堅調に推移しておりますが、先述のとおり、学校マーケットでは大口の自治体での解約や、少子化等による既存契約校の入学生徒数が減少したことと、前年と同じく実証事業として採択されました「令和5年度補正予算探究的な学びに資する民間サービス等利用活用促進事業「働き方改革支援補助金2024」」の採択校数が減少したことにより、利用ID数が減少しました。また、海外マーケットではアジア開発銀行研究所との大型パイロット事業が前期で終了したことにより、導入校数と利用ID数が減少しました。

その結果、すららネットでの当中間連結会計期間末における導入校数は2,379校(前年同期比158校増加)、利用ID数は233,290ID(前年同期比36,578ID減少)となりました。

 

 

なお、業容の拡大に向けた営業・開発人員の増強、新コンテンツ・システムへの開発投資等については、引き続き積極的に取り組んでまいりました。

その結果、当社グループ全体の当中間連結会計期間における売上高は967,413千円(前年同期比7.3%減少)、売上原価は348,303千円(前年同期比9.1%増加)、販売費及び一般管理費は503,768千円(前年同期比6.9%減少)となりました。

当社グループ全体の当中間連結会計期間における営業利益は115,341千円(前年同期比37.1%減少)、経常利益は117,675千円(前年同期比37.0%減少)、連結子会社であるファンタムスティック株式会社に係るのれんの減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する中間純損失は7,269千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益135,657千円)となりました。

 

また、当社グループの事業セグメントは、eラーニング、受託開発、アプリ開発ではありますが、受託開発及びアプリ開発の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント毎の記載を省略しております。

 

〈すららネット課金対象導入校数の推移及びID数の推移〉

年月

導入校数

利用ID数

学習塾

学校

海外

合計

学習塾

学校
(注2)

海外

BtoC

合計

2023年6月

1,182

944

95

2,221

19,564

237,827

8,128

4,349

269,868

2023年12月

1,177

1,366

53

2,596

18,571

402,045

3,204

4,301

428,121

2024年6月

1,190

1,142

47

2,379

19,744

206,864

2,492

4,190

233,290

 

(注) 1.当社ICT教材の導入校数、利用ID数を各マーケット毎に表しています。

2.ご利用いただいている当社ICT教材は以下となります。

すらら:主要5教科の学習を一人一人の理解度に合わせて進めることができるアダプティブなICT教材

すららドリル:ドリル機能、テスト機能に特化した公立小中学校向け「すらら」の姉妹版ICT教材

すららSatellyzer:宇宙をテーマに必要な基礎スキルを身につけていく高校生向け探究学習ICT教材

 

〈すららネット公立学校の導入校数及びID数〉

年月

公立学校
(注1)

探究的な学び支援
(注2)

学校数

ID数

学校数

ID数

2023年6月

702

186,298

2023年12月

1,034

326,866

282

133,296

2024年6月

885

153,885

94

23,542

 

(注) 1.経済産業省探究的な学び支援により利用している学校数・利用ID数を含めております

2.経済産業省探究的な学び支援により利用している学校数・利用ID数から、当社既存契約校舎が採択された学校数・利用ID数は控除しております。

 

②財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて52,477千円減少し、2,656,178千円となりました。

企業の安全性を示す自己資本比率は、前連結会計年度末82.0%に対し、当中間連結会計期間末は81.4%となり、0.6ポイント減少となりました。また、支払能力を示す流動比率は、前連結会計年度末357.0%に対し、当中間連結会計期間末は340.6%となりました。

 

(流動資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて60,155千円減少し、1,530,975千円となりました。これは主に、現金及び預金が105,665千円増加した一方、売掛金が163,047千円減少したことによるものであります。

 

(固定資産)

当中間連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて7,677千円増加し、1,125,202千円となりました。これは主に、連結子会社であるファンタムスティック株式会社に係るのれんの減損損失の計上により、のれんが90,253千円減少した一方、ソフトウエア仮勘定が100,267千円増加したことなどによるものであります。

 

(流動負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,879千円増加し、449,525千円となりました。これは主に、未払金が27,982千円減少した一方、賞与引当金が20,113千円、前受金が15,297千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて56,357千円減少し、2,195,252千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失を7,269千円計上したこと、及び自己株式の取得が49,965千円あったことによるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ105,665千円増加し、1,260,408千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は365,122千円となりました。その主な内訳は、税金等調整前中間純利益31,169千円、売上債権163,047千円の減少、減価償却費127,588千円、法人税等の支払43,344千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は207,892千円となりました。その主な内訳は、無形固定資産の取得による支出208,282千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は51,665千円となりました。その主な内訳は、自己株式の取得による支出50,165千円、長期借入金の返済による支出1,500千円であります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(6) 従業員数

当中間連結会計期間において、従業員数に著しい増減はありません。

 

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当中間連結会計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性について

当中間連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性に関する事項について重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。