当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1)経営成績に関する説明
当中間会計期間における我が国経済は、雇用や所得環境の改善など緩やかに回復基調が見られる一方、長期化する地政学的リスクを起因とした資源価格の高騰やそれに伴う物価価格の上昇、金融政策の見直しによる急激な為替の変動による影響もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
ホテル業界全体におきましては、国土交通省が発表する宿泊旅行統計調査(2024年7月・第2次速報、2024年8月・第1次速報)にて、宿泊事業全体の延べ宿泊数は7月5,666万人泊(前年同月比4.1%増、2019年同月比9.4%増)、8月6,611万人泊(同2.7%増、同4.5%増)となり前年、感染症発生前と比較しインバウンド需要の回復もあり全体の宿泊需要は堅調に推移している結果となりました。また当社の属するビジネスホテル業界の稼働率に関しては、7月73.9%、8月74.8%と、感染症以前の経済活動を取り戻した状況となりました。
こうした経済環境のもとで、当社はお客様の更なる満足度向上のため特に観光立地の朝食メニューを見直しするなど、宿泊稼働率の維持に努めました。また人件費や資源価格の高騰によって生ずる様々なコスト増加に対応するため、削減面では、一部店舗において実施していた自社清掃店舗を拡大しコストの削減を実施し、価格面では以前より行っていたレベニューマネジメントを更に磨きをかけ、コスト削減と適正価格の設定を両軸とした施策を実施いたしました。宿泊ニーズの高い立地での運営に加え、当社の主要顧客であるビジネスのお客様が堅調に推移し、尚且つインバウンド需要や国内の旅行需要が増加したことによって1室あたりの宿泊単価は上昇しながら稼働率の適正化を図った結果、前々期までに開業した既存33店舗の中間会計期間平均宿泊稼働率は86.1%(前年同期比3.2ポイント減)となりました。
当中間会計期間におきましては、2024年9月三重県初出店となる「ABホテル伊賀上野」を出店し、新規開業店舗を含め運営店舗は35店舗となり、客室数は4,562室となりました。
この結果、当中間会計期間における売上高は5,185百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益1,929百万円(同8.9%増)、経常利益1,903百万円(同9.1%増)、中間純利益1,185百万円(同8.9%増)となりました。また当社の主要KPIである経常利益率は36.7%となり、売上高、営業利益、経常利益、中間純利益は、いずれも中間会計期間における過去最高をそれぞれ更新いたしました。
なお、当社はホテル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
①資産・負債及び純資産の状況
(資産)
当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ2,430百万円増加の25,290百万円となりました。主な要因といたしましては、有形固定資産が「ABホテル」の新規出店等により2,651百万円増加した一方、現金及び預金が332百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
負債総額は、前事業年度末に比べ1,471百万円増加の13,898百万円となりました。主な要因といたしましては、
「ABホテル」の建設による借入金並びにリース債務が1,669百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ959百万円増加し11,392百万円となりました。主な要因といたしましては、利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は45.0%(前事業年度末は45.6%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動による資金増加が1,387百万円あった一方、ビジネスホテル建設等の投資活動による支出が2,998百万円、財務活動による収入が1,277百万円ありました。
その結果、現金及び現金同等物は5,253百万円となり前事業年度末と比べ332百万円の減少となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,387百万円(前年同期は1,162百万円の収入)となりました。これは主に税引前中間純利益が1,903百万円、減価償却費が407百万円あった一方、利息の支払額が34百万円、法人税等の支払額が732百万円あったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,998百万円(前年同期は710百万円の支出)であります。これは主にABホテル新規開業等に伴う固定資産の取得による支出が3,027百万円あったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,277百万円(前年同期は89百万円の収入)であります。これはビジネスホテルの建設等に伴う借入金による収入が2,489百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が841百万円、配当金の支払による支出が226百万円あったこと等を反映したものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当中間会計期間において、前事業年度末より当社の従業員数(臨時社員を含む)は、36名増加し221名となりました。主な要因は、ホテル運営を外部に委託していた店舗を自社運営店舗に変更したためであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものは、人件費及び販売手数料であります。
今後も「ABホテル」の開発により、設備投資資金の需要は大きくなるものと予想されますが、リースバック方式の導入等資金需要の伴わない開発等を検討し、投資による資金需要を最小限に抑える創意工夫を行ってまいります。
(8)経営者の問題認識と今後の方針について
当社の事業環境におきましては、観光立国推進基本法に基づき、2023年3月31日に閣議決定した「観光立国推進基本計画」の持続可能な観光地域づくり、インバウンド回復、国内交流拡大の3つの戦略に政府が主導となり取り組んでいくことが期待されます。
しかしながら一方で、海外情勢並びに為替の影響等によるエネルギー資源の高騰等、コスト面や消費者動向など先行き不透明な状況が続いております。お客様の更なる満足度向上のため朝食メニューの見直しをするなど、リピート客確保の施策を実施しながらも、継続的に経費削減に取り組みます。
また、成長戦略として市場環境等を見極めたうえで、年間3店舗以上を目標に新規開発を行ってまいります。人件費増加等に伴う新規開発の設備投資額増加や長期借入金調達コストの増加については、建設プランの見直し等により開発コストの低減に努めるとともに、投資コストに見合う収益構造の構築や資金調達の多様化を図り、継続した成長戦略を推進してまいります。
(1)私募リートに係るスポンサーサポート契約の解除
当社は、2020年1月7日付で、当社と東祥東海リート投資法人(以下、「東祥東海リート」という。)及び当社の親会社である株式会社東祥(以下、「東祥」という。)の100%子会社である東祥アセットマネジメント株式会社(以下、「東祥アセットマネジメント」という。)との間でスポンサーサポート契約を締結しておりましたが、東祥が東祥アセットマネジメントを株式譲渡したことによって、2024年8月1日をもって私募リートに係るスポンサーサポート契約の解除をいたしました。解除した契約は以下のとおりであります。
① 本契約の目的
当社が、東祥東海リート及び東祥アセットマネジメントに対してスポンサーサポート業務(その内容は「②本契約書の概要」に記載。)を提供することにより、東祥東海リートの安定的かつ継続的な不動産等の取得の機会を確保し、また、東祥東海リート及び東祥アセットマネジメントの不動産運営管理を向上させ、東祥東海リートの持続的な成長及び安定運用を図ることを目的とします。
② 本契約書の概要
有効期間 本契約の締結日から5年間
スポンサーサポート業務の主な内容
a.売却物件の優先交渉権の付与
b.第三者売却物件の優先情報提供
c.ウェアハウジング機能の提供
d.資産の取得業務及び運営業務等の支援
e.リーシングサポートの提供
f.プロパティマネジメントの提供
g.その他の支援