当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 経営の基本方針
当社グループは、「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、地域とともに成長し、活力あふれる未来の創造に貢献します。」という経営理念のもと、地域のお客さまから愛され信頼される金融グループを目指し、企業価値向上に取り組んでおります。
② 中長期的な経営戦略
当社グループは、第3次中期経営計画(2024年4月~2027年3月)において、「地域信頼度ナンバー1金融グループ」をビジョンとして掲げております。
本計画では、地域のお客さまとの圧倒的なリレーションの構築を通じて、お客さまの経営課題やニーズに対して多様なソリューションを提供し、お客さまの期待に応えることで、ビジョンの実現を目指しており、DX戦略の推進と人的資本経営の実践を変革のエンジンとして「リレーション&ソリューションの進化」「経営の効率化・最適化」「経営基盤の強靭化」の3つの基本方針に基づく各種施策に取り組むことで、従業員の働きがいと生産性の向上を図ってまいります。
③ 目標とする経営指標
第3次中期経営計画の目標とする経営指標は、以下のとおりであります。
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<ビジョンの実現に資するKPI> |
2024年4月~2027年3月 (目標) |
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2024年4月~2025年3月 (1年累計、年度末現在) |
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ビジネスマッチング成約件数 |
2024年4月~2027年3月累計 |
3,000件 |
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2,010件 |
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事業承継支援件数 |
2024年4月~2027年3月累計 |
3,600件 |
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1,173件 |
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地元(三重県+愛知県) 事業性貸出残高 |
2027年3月末 |
14,200億円 |
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13,620億円 |
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NISA口座数 |
2027年3月末 |
55,000口座 |
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43,415口座 |
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投資信託積立月額 |
2027年3月 |
15億円/月 |
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9.5億円/月 |
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平準払保険新規成約件数 |
2024年4月~2027年3月累計 |
24,900件 |
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8,891件 |
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女性役席者比率※ (旧女性管理職比率) |
2027年3月末 |
19%以上 |
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18.1% |
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<財務目標> |
2027年3月期目標 |
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2025年3月期実績 |
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収益性 |
ROE |
FG連結 |
5%以上 |
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4.12% |
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当期純利益 |
FG連結 |
110億円 |
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86億円 |
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効率性 |
コアOHR |
銀行単体 |
67%未満 |
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72.7% |
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健全性 |
自己資本比率 |
FG連結 |
8.4%程度 |
|
8.48% |
※女性役席者比率…女性管理職比率から女性役席者比率に変更しました。なお、当該比率の算出方法については変更ございません。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
景気は、企業部門での人手不足への対応や好調な企業業績を背景に企業の設備投資意欲は底堅く、設備投資の増加基調が続いていることなどにより、総じてみると、緩やかに回復しています。
また、地域金融機関の経営環境は人口減少や高齢化の進展等社会の構造的な変化が及ぼす地域経済への影響増大に加え、サステナビリティへの関心の高まり、IT・デジタル化の進展、これまで長らく続いてきた金融緩和の方針が見直され、金利ある世界が到来するなど大きく変化しており、こうした環境変化への対応力がこれまで以上に求められております。
このような経営環境下、当社グループは、第3次中期経営計画において、DX戦略の推進と人的資本経営の実践を変革のエンジンとして、3つの基本方針である「リレーション&ソリューションの進化」「経営の効率化・最適化」「経営基盤の強靭化」に基づく各種施策に着実に取り組むことにより、従業員の働きがいと生産性の向上を実現し、ビジョンとして掲げる「地域信頼度ナンバー1金融グループ」を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ
① ガバナンス
当社グループは、サステナビリティに関する課題に適切に対応するため、グループ経営会議の下部組織として、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会は、原則として年2回開催し、サステナビリティに関する対応方針、取組み等を協議しております。同委員会での重要な協議事項については、「グループ経営会議」や子銀行の「経営会議」に報告し、当該経営会議において協議・決定しております。また、年1回、当社及び子銀行の取締役会に取組状況等を報告し、当該取締役会において、サステナビリティに関する取組状況等のモニタリングと監督を行うとともに、経営戦略やリスク管理に反映させる体制としております。
② 戦略
当社グループでは、持続可能な社会・経済の実現と当社グループの企業価値向上を図るため、以下のとおり「サステナビリティ方針」を制定し、4つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。これらの課題に対する取組方針を定め、当社グループ全体で課題解決に向けて取り組んでおります。
[サステナビリティ方針]
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三十三フィナンシャルグループは、経営理念「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、地域とともに成長し、活力あふれる未来の創造に貢献します。」のもと、企業活動を通じて「持続可能な社会・経済の実現」と「当社グループの企業価値向上」の好循環を目指します。 |
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マテリアリティ(重要課題) |
取組方針 |
関連するSDGs |
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①地域経済・地域社会の 持続的発展への貢献 |
お客さまの課題やニーズに応じた最適なソリューションの提供と地域の社会課題解決の取組みを通じて、地域経済の持続的発展と将来にわたる豊かな地域社会の実現に貢献します。 |
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②気候変動への対応・環境保全 |
気候変動対応や環境負荷低減に向けた取組みを通じて、地球にやさしい環境づくりに貢献します。 |
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③ダイバーシティ& インクルージョンの推進 |
人材育成、女性活躍推進、働き方改革等の取組みを通じて、個性が尊重され多様な人材が溢れる職場環境の整備に努めます。 |
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④ガバナンスの高度化 |
多様性のあるガバナンス体制の構築を通じて、経営の効率性と実効性を高めるとともに、適切な情報開示やステークホルダーの皆さまとの対話に努めます。 |
|
③ リスク管理
当社グループは、様々なリスクが経営に及ぼす影響を把握・分析し、リスク管理の強化を図っております。なお、リスク管理体制の概要については、「
④ 指標及び目標
当社グループは、第3次中期経営計画において、ビジョンの実現に資するKPIや財務目標を定めておりますが、これに加えて、サステナビリティについても指標及び目標を設定しております。気候変動への対応や人的資本に関する指標及び目標については、「
(2) 気候変動への対応(TCFD提言への取組)
近年、世界各国で異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化しており、日本においても豪雨、台風等による大きな被害が発生するなど、気候変動が企業の事業活動に及ぼす影響は大きくなっております。こうした中、当社グループは、気候変動を含む環境対策は経営上の重要な機会とリスクになり得るとの認識の下、2021年12月にTCFD提言に賛同しました。気候変動がお客さまや当社グループに及ぼすリスク・機会を把握・評価しながら、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については、「
② 戦略
当社グループは、地域経済の持続的発展に貢献していくなかで、気候変動を含む環境対策は重要な経営課題の一つとしており、環境活動及び環境に配慮した金融商品・サービスなどの提供を通じて、気候変動リスクの低減に向けた取組みを進めております。
イ.機会とリスク
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評価項目 |
主な機会・リスクの内容 |
時間軸 (注) |
リスクカテゴリー |
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機会 |
再生可能エネルギー関連融資やESG関連投資等、サステナブルファイナンスの増加及び脱炭素支援に関するコンサルティングサービスの増加 |
短期~長期 |
―――― |
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省資源、省エネルギー化による事業コスト低減 |
短期~長期 |
|||
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リスク |
移行リスク |
投融資先における炭素税の導入に伴うコストの増加 |
中期~長期 |
信用リスク |
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投融資先における脱炭素技術の開発・導入促進に伴う研究開発や設備投資コストの増加 |
短期~長期 |
信用リスク |
||
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気候変動への取組や開示が不十分なことに伴う当社の企業価値の低下 |
短期~長期 |
オペレーショナルリスク |
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物理的リスク |
集中豪雨や台風、洪水などによる融資先から供される担保不動産の浸水に伴う追加引当の発生 |
短期~長期 |
信用リスク |
|
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集中豪雨や台風、洪水などによる投融資先の販売・製造拠点の浸水に伴う移転コストの発生や、営業停止・事業撤退に伴う売上の減少 |
短期~長期 |
信用リスク |
||
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集中豪雨や台風、洪水などによる当社拠点の浸水に伴う建替コストの発生 |
短期~長期 |
オペレーショナルリスク |
||
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海面の上昇による投融資先の販売・製造拠点の浸水に伴う移転コストの発生や、事業撤退に伴う売上の減少 |
中期~長期 |
信用リスク |
||
(注)短期:5年程度、中期:10年程度、長期:30年程度
(気候変動関連のビジネス機会)
[お客さまへの取組み]
●「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の取扱い
企業活動が「社会・経済・環境」のいずれかに与えるインパクトを包括的に分析・特定し、ポジティブインパクトが期待できる活動と、ネガティブインパクトを低減する活動を支援する融資商品です。お客さまが設定したSDGs達成に資するKPI(評価指標)について、お客さまから情報開示を受けながら、その過程を定期的にモニタリングすることで、脱炭素などに向けた取組みを継続的に支援します。
●「脱炭素スタートパッケージ」の取扱い
エネルギー起源のCO₂排出量を算定し、削減目標・計画の設定のご支援をするもので、これから脱炭素に取組まれるお客さまやコストや手間を極力かけずに脱炭素への取組みを始めたいと考えられるお客さまに沿うサービスです。
[地域との協働]
●伊賀市及びバイウィルとの「カーボンニュートラルに関する連携協定」締結
J-クレジットをはじめとした各種環境価値に関する情報の共有化、事業の推進等を通じて相互の連携を強化し、地域におけるカーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーの実現に寄与することを目的とするものです。
●松阪市及びバイウィルとの「地域脱炭素社会の実現に向けた包括連携協定」締結
公共施設のLED化に伴うJ-クレジット創出連携事業の実施を通して、松阪市の脱炭素化施策を推進し、松阪市域における脱炭素社会の実現に寄与することを目的とするものです。
●「よっかいちクリーンエネルギー株式会社」の設立
四日市市、東邦ガス株式会社、日鉄エンジニアリング株式会社と共同で、四日市市におけるエネルギーを市内で循環させる地産地消型の地域新電力会社「よっかいちクリーンエネルギー株式会社」を設立いたしました。四日市市のごみ処理施設「四日市市クリーンセンター」で発電した電力などを市内の公共施設に供給することで、エネルギーの地産地消及び四日市市の脱炭素化の推進に取り組みます。また、事業利益を市内の脱炭素化に資する取組みに活用するなど、資金の地域循環を通じて市の課題解決に取り組みます。
ロ.シナリオ分析
当社グループは、気候変動が財務に及ぼす影響を評価するため、一定のシナリオのもと、移行リスク、物理的リスクについてシナリオ分析を実施しております。移行リスクについては、GHG排出量の大きい「電力セクター」と地域の基幹産業である「自動車セクター」の2セクターを分析対象としております。また、物理的リスクについては、近年の水害の激甚化・頻発化を踏まえ、大規模水害を分析対象としております。なお、これらの分析結果は、一定の前提のもと、現時点で得られる限定的な情報に基づき計算したものです。
<移行リスク>
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内容 |
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分析対象 |
電力セクター、自動車セクターに対する与信 |
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シナリオ |
IEAの1.5℃シナリオ(NZE)、2℃シナリオ(SDS) |
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分析内容 |
脱炭素社会への移行に伴う、与信先の各種のコスト増加による業績悪化等を通じた与信費用への影響 |
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分析手法 |
IEAのシナリオに基づき、対象与信先について将来の財務状況を予想し、債務者区分への影響を推計 |
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分析結果 |
2050年までに発生し得る追加与信費用 累計約23億円 |
<物理的リスク>
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内容 |
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分析対象 |
事業性与信 |
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シナリオ |
IPCCの1.5℃シナリオ(SSP1-1.9)、4℃シナリオ(SSP5-8.5) |
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分析内容 |
気候変動に起因する大規模水害による、担保不動産の毀損及び営業停止に伴う業績悪化を通じた与信費用への影響 |
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分析手法 |
IPCCのシナリオから豪雨の発生頻度、河川氾濫状況の変化をシミュレーションし、洪水ハザードマップの浸水深レベルに応じた影響を推計 |
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分析結果 |
2050年までに発生し得る追加与信費用 最大約53億円 |
ハ.炭素関連資産
株式会社三十三銀行の貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は、以下のとおりであります。
|
2023年度 |
30.2% |
2024年度 |
30.4% |
③ リスク管理
当社グループは、気候変動リスクを事業・財務に影響を及ぼす重要リスクとして認識しております。2025年度リスク管理の運営方針において、気候変動リスクへの対応を明記し、気候変動が及ぼす影響の分析及び把握に努めるとともに、TCFD提言に基づき段階的に開示内容の充実を図ってまいります。また、気候変動対策及び持続可能な社会の実現の観点から、環境に影響を及ぼすセクターについて投融資方針を以下のとおり定めております。
<環境・社会に配慮した投融資方針>
持続可能な社会の形成に向け、環境・社会への配慮に向けた取組みを積極的に支援するとともに、環境や社会に対してリスクや負の影響を与える可能性のある特定の事業等に対する投融資については慎重に判断し、その影響を低減・回避するよう努めます。
|
石炭火力発電 |
石炭火力発電所が気候変動や大気汚染等、環境に重大な影響を及ぼすことを踏まえ、石炭火力発電所の新設や拡張を資金使途とする新規投融資は、原則として行いません。例外的に対応する場合は、所在国のエネルギー政策や国際的なガイドライン等を参考に、慎重に判断します。 |
|
森林伐採 |
違法な森林伐採・焼却を行う事業に対する投融資は行いません。また、大規模な森林伐採事業に対する投融資については、森林の持つ二酸化炭素の吸収・貯蓄機能の重要性や生物多様性への影響等を踏まえ、慎重に対応を検討します。 |
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大量破壊兵器等 |
核兵器・生物化学兵器等の大量破壊兵器や対人地雷・クラスター弾等については、その非人道性を踏まえ、これらを開発・製造する事業者に対する投融資は行いません。 |
④ 指標及び目標
イ.サステナブルファイナンス目標
お客さまの再生可能エネルギー関連の取組みや、脱炭素化に向けた設備投資など、持続可能な社会実現のための融資に関して、下記の目標を設定しております。2024年度実績は1,131件、839億円となりました。
2024年度から2026年度の3年間で、「サステナブルファイナンス累計実行額1,500億円」の目標を掲げております。
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2024年度実績 |
2025年度目標 |
2024~2026年度累計目標 |
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1,131件 |
839億円 |
700億円 |
1,500億円 |
ロ.CO2排出量
Scope1及びScope2について、2030年度目標を2013年度比70%削減に設定するとともに、2050年度までにカーボンニュートラルを目指してまいります。
2024年度実績は2013年度比44.6%の削減となりました。
CO2排出量削減目標<Scope1、Scope2>
※2022年度までは株式会社三十三銀行単体で算出し、2023年度より当社連結ベースで算出しております。
[当社グループの温室効果ガス排出量]
事業活動に起因する温室効果ガス排出量の計測範囲の拡大のため、2024年12月に株式会社NTTデータが提供する温室効果ガス排出量算定ツール「C-Turtle® FE」を導入し、GHGプロトコルに基づく排出量の算定を行っております。
なお、Scope3カテゴリ15については、国内法人向け融資を対象に算定を行いました。
(単位:tCO2)
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算定項目 |
2024年度実績 |
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Scope1 |
直接的エネルギー消費(ガス・ガソリン・軽油 等) |
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Scope2 |
間接的エネルギー消費(電力 等) |
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Scope3 (注) |
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カテゴリ1 |
購入した製品・サービス |
9,807 |
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カテゴリ2 |
資本財 |
5,066 |
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カテゴリ3 |
燃料エネルギー関連 |
734 |
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カテゴリ4 |
輸送・配送(上流) |
(カテゴリ1に含む) |
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カテゴリ5 |
事業から出る廃棄物 |
304 |
|
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カテゴリ6 |
出張 |
235 |
|
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カテゴリ7 |
通勤 |
1,825 |
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カテゴリ8~14 |
- |
該当なし |
|
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カテゴリ15 |
投融資 |
3,791,377 |
(注) Scope3については株式会社三十三銀行単体で算出しております。
(3) 人的資本に関する取組み
① 戦略
当社グループは、第3次中期経営計画の基本戦略の一つである「人材の育成及び魅力ある組織風土の醸成」に取り組むことで、生産性を高めるとともに、全役職員の働きがい(エンゲージメント)向上を実現してまいります。この基本戦略を実現するため、人材育成方針を「お客さまの期待を超え、感動を届けられる人材になるための成長支援」、社内環境整備方針を「活力あふれる職場環境の構築と、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への取組み」と定めたうえで、人材戦略として、イ.専門人材、ロ.主体性、ハ.DX戦略、ニ.人材ポートフォリオ、ホ.成長意欲、ヘ.多様性、ト.働き方の7つのドライバーを設定し、それぞれの施策に取り組んでまいります。
人的資本経営の実践
イ.専門人材
誰もがチャレンジできる環境を創造していくため、外部トレーニー派遣や外部研修への参加等の機会を拡充することで、専門的なスキルを持った人材を創出してまいります。
ロ.主体性
全職員が主体的に学習する文化を創造していくため、年次に捉われない公募研修の拡充や、e-learningを通じたリスキリングの推進等、学びたいときに学べる環境を整備することで、職員のリスキリングに対する意欲を後押ししてまいります。
ハ.DX戦略
変革への意識を持ち、IT/DX人材が育つ風土を創造していくため、最適なDX人材ポートフォリオを構築し、必要な人材育成及び採用を実施してまいります。
ニ.人材ポートフォリオ
職員のリスキリングやキャリアアップに対する意欲を向上させるため、タレントマネジメントシステム等のツールを導入することで、職員のキャリア形成をサポートする環境を構築してまいります。
ホ.成長意欲
コミュニケーションが充実し、自然にキャリア形成等の成長支援ができる職場文化を創造していくため、新たな研修の開催や、1on1ミーティング及び人事部面接を継続的に実施する等、職員の成長支援を図ってまいります。
ヘ.多様性
互いに尊重し合い、個々人が誇りを持って働くことができる環境を醸成していくため、ハラスメントの再認識や女性活躍支援等に取り組んでまいります。
ト.働き方
心身を充実させ、仕事で力を発揮する原動力につなげていくため、健康経営への取組みや、ワークライフバランスの推進に注力してまいります。
② 指標及び目標
人材戦略の項目を踏まえたKPI※を設定し、施策の浸透状況をモニタリングしております。
※連結グループに属する全ての会社では行われていないため、主要な連結子会社である株式会社三十三銀行におけるKPIを設定しております。
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項目 |
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KPI |
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(目標値) |
2024年度 (計画) |
2024年度 (実績) |
2025年度 (計画) |
2026年度 (計画) |
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[専門人材] 専門スキルを有する 人材の育成 |
外部トレーニー派遣 外部研修等 参加者数 |
延べ 以上 |
80名 以上 |
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80名 延べ160名 以上 |
80名 延べ240名 以上 |
|
外部トレーニー派遣等への参加者数を、延べ240名以上にする |
||||||
|
[主体性] 個の能力を高めるため の継続的な学習支援 |
主体的な研修等 受講率 |
以上 |
450% 以上 |
|
450% 以上 |
450% 以上 |
|
主体的な研修等受講者数を、従業員数対比400%以上にする |
||||||
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[DX戦略] IT/DX戦略の推進 |
e-learning 受講修了者数 |
以上※1 |
200名 以上 |
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100名 累計400名 以上 |
100名 累計500名 以上 |
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IT/DX関連のe-learning受講修了者数を、500名以上にする |
||||||
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[成長意欲] 成長意欲の支援 |
人事部面接 実施人数 |
延べ 以上 |
200名 以上 |
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250名 延べ400名 以上 |
200名 延べ600名 以上 |
|
人事部面接の実施人数を、延べ600名以上にする |
||||||
|
[多様性] 多様な働き方への 理解(D&I) |
女性役席者比率※2 (旧女性管理職比率) |
以上 |
18% 以上 |
|
19% 以上 |
19% 以上 |
|
女性役席者比率(旧女性管理職比率)を、19%以上にする |
||||||
|
男性育児休業 取得率 |
以上 |
100% 以上 |
|
100% 以上 |
100% 以上 |
|
|
男性育児休業取得率を、100%以上にする |
||||||
|
[働き方] 活き活きと働くことが できる職場環境の構築 |
年次有給休暇 取得日数 |
以上 |
17日/人 以上 |
|
17日/人 以上 |
17日/人 以上 |
|
年次有給休暇取得日数を、年間17日/人以上にする |
||||||
|
全役職員の働きがい 向上の実現 |
|
以上 |
7点 以上 |
|
7点 以上 |
7点 以上 |
|
エンゲージメント指数※3を、7点以上にする |
||||||
※1.e-learning受講修了者数・・・目標値を400名から500名に上方修正しました。
※2.女性役席者比率・・・女性管理職比率から女性役席者比率に変更しました。なお、当該比率の算出方法については変更ございません。
また、2026年度の目標値を前倒し、2025年度で19%以上を計画しています。
※3.エンゲージメント指数・・・会社への信頼度、愛着度を指標化し、会社と職員間の関係性を数値化したもので、ストレスチェックの結果を援用し、10点評価で算出しており、6.3点以上でポジティブな結果となります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの財政状態、経営成績等に影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載したリスクのうち信用リスク及び市場リスクがあげられます。
当社グループは、当該リスクについて、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率(信頼区間99%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積もり、把握しております。
これらのリスクが顕在化した場合、自己資本を毀損する可能性があるため、当社グループでは自己資本の充実度を評価する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。
(1) 持株会社のリスク
当社は銀行持株会社であるため、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下で、銀行法及び会社法その他法令上の規制又は契約上の制限等により、その金額が制限される可能性があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合、当社株主へ配当を支払えなくなる可能性があります。
(2) 信用リスク
① 不良債権の増加
当社グループは、厳正な審査体制に加えて、不良債権のオフバランス化、貸倒引当金の計上をはじめ、不良債権に対する処置や対応を進めております。しかしながら、国内外の経済環境の悪化、不動産価格及び株価の変動、取引先の経営状況の変動等によっては、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 貸倒引当金の積み増し
当社グループは、取引先の財務状況、担保等による債権保全及び経済全体に関する前提・見積もりに基づいて、貸倒引当金を計上しておりますが、実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における前提・見積もりを上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。また、経済、景気全般の悪化により設定した前提・見積もりを変更せざるを得なくなり、あるいは担保価値の下落その他の予想し得ない理由により、貸倒引当金の積み増しが必要となり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 権利行使の困難性
当社グループは、不動産市場や有価証券市場における流動性の欠如や価格の下落等の事情により、担保権を設定した不動産もしくは有価証券の換金、または取引先の保有する資産に対して強制執行することが事実上困難となる可能性があります。この場合、与信関係費用等が増加するとともに不良債権処理が進まず、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 市場リスク
① 金利変動リスク
当社グループは、銀行業を主たる業務としており、資金運用手段である貸出金の金利や債券投資等の利回り、資金調達手段である預金の金利等は、市場金利の動向の影響を受けております。資金運用と資金調達に金額または期間等のミスマッチが存在しているなかで予期せぬ金利変動が発生した場合には、資金の調達金利の上昇が運用利回りの上昇を上回るなど利鞘が縮小し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 価格変動リスク
当社グループは、国債をはじめとした債券や市場性のある株式等の有価証券を保有しております。市場環境の悪化により、これらの有価証券価格が下落し、評価損や売却損が発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替変動リスク
当社グループは、資産及び負債の一部を外貨建てで保有しております。外貨建て資産と負債が通貨毎に同額ではなく互いに相殺されない場合、為替相場の不利な変動によって、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 流動性リスク
当社グループは、適切な流動性管理に努めておりますが、経済環境の変化や金融市場全般または当社グループの信用状況の悪化等により、必要な資金が確保できなくなる場合や、通常よりも著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) オペレーショナルリスク
① 事務リスク
当社グループは、預金、融資、為替等の各種銀行取引に際し、事務手順を定めた事務規程を整備しておりますが、職員が正確な事務を怠ったり、事故や不正を起こしたりすることにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② システムリスク
当社グループは、銀行業務を行うために、コンピュータシステムの安定稼働を維持できるようシステム運用、監視、メンテナンスを行い業務運営に万全を期しておりますが、コンピュータシステムの停止または誤作動等の障害、不正使用やサイバー攻撃等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法務リスク
当社グループは、業務を遂行する上で、銀行法、金融商品取引法、会社法等の規制を受けるほか、各種取引上の契約を締結しております。当社グループは、コンプライアンスを経営の最重要課題と位置づけ、コンプライアンスを重視した企業風土の醸成、コンプライアンスの着実な実践を図るため法務リスク管理を行っておりますが、違反行為等により法令等や契約内容を遵守できなかった場合に、罰則費用や損害賠償等に伴う損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 人的リスク
当社グループは、適切な労務管理や安全衛生管理に努めておりますが、人事処遇や労働時間管理等の人事労務上の問題や職場の安全衛生管理上の問題等に関連する重大な訴訟等が発生した場合、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 有形資産リスク
当社グループは、事業活動を行う上で、土地、建物、車両等の有形資産を所有ないし賃借しております。これら有形資産が自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等の結果、毀損、焼失あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 風評リスク
当社グループは、経営情報を積極的に開示しておりますが、取引先、投資家、報道機関、インターネット等を通じて、当社グループに対する悪評、信用不安につながる噂等が広まった場合、その内容の正確性に拘らず、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自己資本比率に関するリスク
当社グループは、海外営業拠点を有しておりませんので、連結自己資本比率を「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた国内基準である4%以上に維持する必要があります。また、当社の銀行子会社は、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である4%以上に維持する必要があります。
当社グループの自己資本比率(国内基準)は十分な水準を維持しておりますが、要求される水準を下回った場合、金融庁長官から、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。
当社グループの自己資本比率に影響を与える主な要因として以下のものがあります。
①債務者の信用力悪化及び不良債権処理の増加に伴う与信関係費用の増加
②保有有価証券の時価の下落に伴う減損処理の増加
③貸出金等リスクアセットポートフォリオの変動
④自己資本比率の基準及び算定方法の変更
⑤その他の不利益な展開
(7) その他のリスク
① 地域経済の動向に影響を受けるリスク
当社グループは、三重県、愛知県及び近接地域を主たる営業地盤としております。地域経済が低迷あるいは悪化した場合、業容の拡大が図れないほか、取引先の業況悪化等により信用リスクが増加し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 競争に伴うリスク
近年日本の金融制度は大幅に規制が緩和されてきており、これに伴い他業種、他業態を交えた競争が激化してきております。当社グループがこうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 規制変更のリスク
当社グループは、現時点における様々な法令諸規制に従って、業務を遂行しております。将来におけるこれら法令諸規制の変更、並びにそれらに伴って発生する事態が、当社グループの業務運営及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 情報漏洩等のリスク
当社グループは、多くのお客さまの情報を保有しているほか、様々な経営情報等の内部情報を有しております。これらの情報の漏洩、紛失、不正使用等がないよう最大限の努力を払っておりますが、万が一何らかの事由により情報の漏洩等が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 金融犯罪に関するリスク
当社グループは、キャッシュカードの偽造、盗難をはじめとする金融機関を狙った犯罪が多発している状況を踏まえ、金融犯罪による被害発生を未然に防止するため、セキュリティ強化に努めております。しかしながら、金融犯罪の高度化等から、その対策費用や被害に遭われたお客さまへの補償等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策に関するリスク
当社グループは、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策の態勢強化に努めております。しかしながら、当社グループの商品・サービスがマネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融に利用された場合、態勢不備による行政処分や風評の悪化、信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 自然災害等に関するリスク
当社グループが営業を行う地域は、南海トラフ地震等の発生が危惧されている地域です。当社グループでは、大規模地震等の自然災害のほか、停電等のインフラ障害、テロ等の発生に備え、業務継続に関する規程・マニュアル等を定めるとともに、対策訓練の実施、備蓄品の確保等により、人的・物的被害の回避・軽減及び業務継続体制の実効性向上に努めております。しかしながら、今後、未曾有の災害等に見舞われた場合には、当社グループの役職員・店舗等各種拠点、地域経済に甚大な被害が及び、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 感染症の流行に関するリスク
新型インフルエンザや新型コロナウイルス等深刻な感染症の流行により、地域経済が停滞し、取引先の業況が大幅に悪化する場合や、当社グループの役職員が感染し、事業活動の停止を余儀なくされる場合等には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 気候変動に関するリスク
近年、世界各国で異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化しており、こうした被害の状況によっては、取引先の資産や事業活動への影響及び業況の変化等による信用リスクの増大等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、気候関連の規制強化等への対応といった脱炭素社会への移行の影響を受ける取引先の信用リスクの増大等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 繰延税金資産に関するリスク
当社グループは、現時点の会計基準に基づき、様々な予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的かつ保守的に見積もって繰延税金資産を計上しております。しかしながら、実際の課税所得が想定と異なることや、予測・仮定の前提条件が変わることにより、繰延税金資産の一部または全部を回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 退職給付債務に関するリスク
当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務について、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理計算上の前提・仮定に基づいて算出しております。しかしながら、年金資産の時価下落や運用利回りの低下、算出前提・仮定の変更、年金制度の変更に伴う未認識の過去勤務費用の発生、金利環境の変動その他の要因による退職給付債務の未積立額及び年間積立額の増加等があった場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、保有する固定資産について「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)を適用しております。市場価格の著しい下落、使用範囲又は方法の変更、収益性の低下等により固定資産の減損損失を計上することになる場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済を振り返りますと、家計部門では、2024年春闘の5%を超える賃上げが実施されたこと、6月に所得税・個人住民税の定額減税が実施されたことなどが、個人消費の回復を後押ししたものの、コメや生鮮食品などの価格が高止まりしており、家計の節約志向が高まっていることから、個人消費は緩やかな伸びに留まりました。また企業部門では、人手不足への対応や好調な企業業績を背景に企業の設備投資意欲は底堅く、設備投資は増加基調が続いています。総じてみれば、景気は緩やかに回復しています。
当社グループの主な営業基盤であります三重県においては、大企業を中心に高い賃上げが実施されたものの、物価高による節約志向の高まりを受け、個人消費は伸び悩みました。一方、世界的な半導体関連需要の回復を受けた電子部品・デバイスや、自動車の生産停止の影響が緩和した輸送用機械を中心に企業の生産は増加しました。総じてみれば、一部で弱さがみられるものの、県内景気は緩やかに回復しています。
このような経営環境の下、当社の連結ベースの業績は次のようになりました。
財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末比758億円増加し4兆5,108億円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末比71億円減少し、2,060億円となりました。
主要な勘定残高につきましては、預金等(譲渡性預金を含む)は、前連結会計年度末比453億円増加し3兆9,331億円、貸出金は、前連結会計年度末比854億円増加し3兆143億円、有価証券は、前連結会計年度末比59億円減少し9,497億円となりました。
損益状況につきましては、経常収益は、貸出金利息が増加したことなどから、前連結会計年度比70億65百万円増加し749億13百万円となりました。経常費用は、預金利息が増加したことなどから、前連結会計年度比50億70百万円増加し631億62百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比19億96百万円増加し117億51百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比17億49百万円増加し86億53百万円となりました。
セグメントごとの損益状況は、「銀行業」の経常収益は、前連結会計年度比69億5百万円増加し603億79百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比15億15百万円増加し116億89百万円となりました。また、「リース業」の経常収益は、前連結会計年度比21百万円減少し149億43百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比93百万円増加し4億6百万円、「その他」の経常収益は、前連結会計年度比8億39百万円増加し60億35百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比6億98百万円増加し35億19百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金が増加したことなどから、97億円のプラス(前連結会計年度比573億円減少)となりました。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却・償還による収入を上回ったことなどから、116億円のマイナス(前連結会計年度比350億円減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により、21億円のマイナス(前連結会計年度比1億円増加)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度比40億円減少し4,223億円となりました。
③ 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支は、国内・国際業務部門ともに増加したことにより、全体で前連結会計年度比20億66百万円増加して358億18百万円となりました。また、全体の役務取引等収支は前連結会計年度比2億15百万円減少して109億84百万円となり、全体のその他業務収支は前連結会計年度比17億42百万円減少して△11億39百万円となりました。
|
種 類 |
期 別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額 |
合 計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
32,220 |
1,531 |
- |
33,752 |
|
当連結会計年度 |
34,269 |
1,549 |
- |
35,818 |
|
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
32,625 |
1,643 |
△32 |
34,235 |
|
当連結会計年度 |
37,213 |
1,761 |
△141 |
38,833 |
|
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
404 |
111 |
△32 |
482 |
|
当連結会計年度 |
2,944 |
211 |
△141 |
3,014 |
|
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
11,153 |
45 |
- |
11,199 |
|
当連結会計年度 |
10,968 |
16 |
- |
10,984 |
|
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
14,737 |
101 |
- |
14,838 |
|
当連結会計年度 |
15,073 |
108 |
- |
15,182 |
|
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
3,583 |
55 |
- |
3,638 |
|
当連結会計年度 |
4,105 |
92 |
- |
4,197 |
|
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
408 |
194 |
- |
603 |
|
当連結会計年度 |
△1,411 |
272 |
- |
△1,139 |
|
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
1,400 |
642 |
- |
2,042 |
|
当連結会計年度 |
1,639 |
272 |
- |
1,911 |
|
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
991 |
447 |
- |
1,439 |
|
当連結会計年度 |
3,050 |
- |
- |
3,050 |
(注) 1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。
3.相殺消去額欄の計数は、国内業務部門と国際業務部門間の資金貸借の利息であります。
④ 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
全体の資金運用勘定においては、平均残高は預け金の増加を主因に前連結会計年度比1,920億42百万円増加して4兆3,547億86百万円、利息は貸出金利息の増加を主因に前連結会計年度比45億98百万円増加して388億33百万円、利回りは前連結会計年度比0.07ポイント上昇して0.89%となりました。
一方、全体の資金調達勘定においては、平均残高は借用金の増加を主因に前連結会計年度比1,052億90百万円増加して4兆2,835億9百万円、利息は預金利息の増加を主因に前連結会計年度比25億32百万円増加して30億14百万円、利回りは前連結会計年度比0.06ポイント上昇して0.07%となりました。
イ.国内業務部門
|
種 類 |
期 別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
(161,065) 4,152,120 |
(32) 32,625 |
0.78 |
|
当連結会計年度 |
(170,789) 4,345,614 |
(141) 37,213 |
0.85 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
2,909,600 |
28,425 |
0.97 |
|
当連結会計年度 |
2,966,088 |
31,790 |
1.07 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
399 |
2 |
0.58 |
|
当連結会計年度 |
86 |
0 |
0.38 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
766,277 |
3,773 |
0.49 |
|
当連結会計年度 |
781,667 |
4,190 |
0.53 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
311,260 |
332 |
0.10 |
|
当連結会計年度 |
422,504 |
1,040 |
0.24 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
4,169,508 |
404 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
4,275,766 |
2,944 |
0.06 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
3,779,058 |
290 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
3,828,746 |
2,504 |
0.06 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
77,659 |
4 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
75,684 |
131 |
0.17 |
|
|
うち債券貸借取引 受入担保金 |
前連結会計年度 |
109,263 |
10 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
57,721 |
99 |
0.17 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
233,701 |
75 |
0.03 |
|
当連結会計年度 |
314,026 |
180 |
0.05 |
(注) 1.平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度93,212百万円、当連結会計年度25,467百万円)を控除して表示しております。
4.資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度32,021百万円、当連結会計年度2,489百万円)及び利息(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。
5.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ロ.国際業務部門
|
種 類 |
期 別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
171,689 |
1,643 |
0.95 |
|
当連結会計年度 |
179,961 |
1,761 |
0.97 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
6,516 |
58 |
0.89 |
|
当連結会計年度 |
8,235 |
87 |
1.06 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
158,271 |
1,571 |
0.99 |
|
当連結会計年度 |
165,344 |
1,661 |
1.00 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
(161,065) 169,775 |
(32) 111 |
0.06 |
|
当連結会計年度 |
(170,789) 178,532 |
(141) 211 |
0.11 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
8,596 |
78 |
0.91 |
|
当連結会計年度 |
7,734 |
70 |
0.90 |
(注) 1.国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
2.国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度19百万円、当連結会計年度16百万円)を控除して表示しております。
4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ハ.合計
|
種 類 |
期 別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
|
小計 |
相殺 消去額 |
合計 |
小計 |
相殺 消去額 |
合計 |
|||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
4,323,809 |
△161,065 |
4,162,744 |
34,268 |
△32 |
34,235 |
0.82 |
|
当連結会計年度 |
4,525,575 |
△170,789 |
4,354,786 |
38,974 |
△141 |
38,833 |
0.89 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
2,916,116 |
- |
2,916,116 |
28,483 |
- |
28,483 |
0.97 |
|
当連結会計年度 |
2,974,324 |
- |
2,974,324 |
31,877 |
- |
31,877 |
1.07 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
399 |
- |
399 |
2 |
- |
2 |
0.58 |
|
当連結会計年度 |
86 |
- |
86 |
0 |
- |
0 |
0.38 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
924,548 |
- |
924,548 |
5,344 |
- |
5,344 |
0.57 |
|
当連結会計年度 |
947,011 |
- |
947,011 |
5,851 |
- |
5,851 |
0.61 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
311,260 |
- |
311,260 |
332 |
- |
332 |
0.10 |
|
当連結会計年度 |
422,504 |
- |
422,504 |
1,040 |
- |
1,040 |
0.24 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
4,339,284 |
△161,065 |
4,178,219 |
515 |
△32 |
482 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
4,454,299 |
△170,789 |
4,283,509 |
3,155 |
△141 |
3,014 |
0.07 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
3,787,654 |
- |
3,787,654 |
369 |
- |
369 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
3,836,481 |
- |
3,836,481 |
2,574 |
- |
2,574 |
0.06 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
77,659 |
- |
77,659 |
4 |
- |
4 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
75,684 |
- |
75,684 |
131 |
- |
131 |
0.17 |
|
|
うち債券貸借取引 受入担保金 |
前連結会計年度 |
109,263 |
- |
109,263 |
10 |
- |
10 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
57,721 |
- |
57,721 |
99 |
- |
99 |
0.17 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
233,701 |
- |
233,701 |
75 |
- |
75 |
0.03 |
|
当連結会計年度 |
314,026 |
- |
314,026 |
180 |
- |
180 |
0.05 |
|
(注) 1.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度93,231百万円、当連結会計年度25,484百万円)を控除して表示しております。
3.資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度32,021百万円、当連結会計年度2,489百万円)及び利息(前連結会計年度2百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。
⑤ 国内・国際業務部門別役務取引の状況
国内業務部門の役務取引等収益は、前連結会計年度比3億36百万円増加して150億73百万円、国際業務部門は前連結会計年度比7百万円増加して1億8百万円となりました。この結果、全体では前連結会計年度比3億44百万円増加して151億82百万円となりました。
一方、役務取引等費用は、全体では前連結会計年度比5億59百万円増加して41億97百万円となりました。
|
種 類 |
期 別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合 計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
14,737 |
101 |
14,838 |
|
当連結会計年度 |
15,073 |
108 |
15,182 |
|
|
うち預金・貸出業務 |
前連結会計年度 |
6,518 |
- |
6,518 |
|
当連結会計年度 |
7,174 |
- |
7,174 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
1,756 |
97 |
1,854 |
|
当連結会計年度 |
1,769 |
105 |
1,875 |
|
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
2,125 |
- |
2,125 |
|
当連結会計年度 |
2,325 |
- |
2,325 |
|
|
うち保護預り・貸金庫業務 |
前連結会計年度 |
118 |
- |
118 |
|
当連結会計年度 |
122 |
- |
122 |
|
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
3,283 |
- |
3,283 |
|
当連結会計年度 |
2,846 |
- |
2,846 |
|
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
933 |
3 |
937 |
|
当連結会計年度 |
835 |
3 |
838 |
|
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
3,583 |
55 |
3,638 |
|
当連結会計年度 |
4,105 |
92 |
4,197 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
184 |
15 |
199 |
|
当連結会計年度 |
229 |
16 |
245 |
(注) 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
⑥ 国内・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
|
種 類 |
期 別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合 計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
預 金 合 計 |
前連結会計年度 |
3,798,397 |
8,168 |
3,806,565 |
|
当連結会計年度 |
3,850,052 |
9,105 |
3,859,158 |
|
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
2,526,717 |
- |
2,526,717 |
|
当連結会計年度 |
2,525,529 |
- |
2,525,529 |
|
|
うち定期性預金 |
前連結会計年度 |
1,261,681 |
- |
1,261,681 |
|
当連結会計年度 |
1,312,803 |
- |
1,312,803 |
|
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
9,998 |
8,168 |
18,166 |
|
当連結会計年度 |
11,718 |
9,105 |
20,824 |
|
|
譲 渡 性 預 金 |
前連結会計年度 |
81,202 |
- |
81,202 |
|
当連結会計年度 |
73,992 |
- |
73,992 |
|
|
総 合 計 |
前連結会計年度 |
3,879,599 |
8,168 |
3,887,767 |
|
当連結会計年度 |
3,924,044 |
9,105 |
3,933,150 |
(注) 1.国内業務部門は円建諸取引、国際業務部門は外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金+定期積金
⑦ 貸出金残高の状況
イ.業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業 種 別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内 (除く特別国際金融取引勘定分) |
2,928,955 |
100.00 |
3,014,371 |
100.00 |
|
製造業 |
259,246 |
8.85 |
261,789 |
8.68 |
|
農業,林業 |
5,191 |
0.18 |
4,648 |
0.15 |
|
漁業 |
1,769 |
0.06 |
1,536 |
0.05 |
|
鉱業,採石業,砂利採取業 |
2,995 |
0.10 |
3,760 |
0.13 |
|
建設業 |
146,777 |
5.01 |
152,163 |
5.05 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
143,517 |
4.90 |
142,805 |
4.74 |
|
情報通信業 |
12,266 |
0.42 |
17,578 |
0.58 |
|
運輸業,郵便業 |
113,820 |
3.89 |
111,305 |
3.69 |
|
卸売業,小売業 |
226,388 |
7.73 |
242,711 |
8.05 |
|
金融業,保険業 |
187,820 |
6.41 |
183,567 |
6.09 |
|
不動産業,物品賃貸業 |
625,099 |
21.34 |
658,133 |
21.83 |
|
各種サービス業 |
258,309 |
8.82 |
253,978 |
8.43 |
|
地方公共団体 |
89,159 |
3.04 |
84,867 |
2.82 |
|
その他 |
856,594 |
29.25 |
895,525 |
29.71 |
|
特別国際金融取引勘定分 |
- |
- |
- |
- |
|
政府等 |
- |
- |
- |
- |
|
金融機関 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
|
合 計 |
2,928,955 |
- |
3,014,371 |
- |
(注) 「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
ロ.外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
⑧ 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
|
種 類 |
期 別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合 計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
国債 |
前連結会計年度 |
154,508 |
- |
154,508 |
|
当連結会計年度 |
148,634 |
- |
148,634 |
|
|
地方債 |
前連結会計年度 |
287,063 |
- |
287,063 |
|
当連結会計年度 |
312,419 |
- |
312,419 |
|
|
社債 |
前連結会計年度 |
167,210 |
- |
167,210 |
|
当連結会計年度 |
161,797 |
- |
161,797 |
|
|
株式 |
前連結会計年度 |
71,150 |
- |
71,150 |
|
当連結会計年度 |
67,012 |
- |
67,012 |
|
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
120,129 |
155,631 |
275,761 |
|
当連結会計年度 |
96,300 |
163,598 |
259,899 |
|
|
合 計 |
前連結会計年度 |
800,062 |
155,631 |
955,694 |
|
当連結会計年度 |
786,164 |
163,598 |
949,762 |
(注) 1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.国際業務部門の「その他の証券」は、外国債券であります。
⑨ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
○ 主な損益状況
第3次中期経営計画のもとで、地域のお客さまとの圧倒的なリレーションの構築を通じて、お客さまの経営課題やニーズに対して多様なソリューションを提供し、お客さまの期待に応えるため、経営指標の達成に向けて諸施策に取り組んだ結果、当連結会計年度における主な損益状況は以下のとおりとなりました。
連結粗利益は、前連結会計年度比1億10百万円増加し456億64百万円となりました。また、営業経費は、人件費の減少を主因に前連結会計年度比83百万円減少し371億3百万円、与信関連費用は、一般貸倒引当金繰入額が増加したことなどから前連結会計年度比6億62百万円増加し21億94百万円、株式等関係損益は、前連結会計年度比23億2百万円増加し30億25百万円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比19億96百万円増加し117億51百万円となりました。
特別損益は、前連結会計年度比6億71百万円減少し21百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比17億49百万円増加し86億53百万円となりました。
|
|
前連結会計年度 (百万円) (A) |
当連結会計年度 (百万円) (B) |
増減(百万円) (B)-(A) |
|
連結粗利益 |
45,554 |
45,664 |
110 |
|
資金利益 |
33,752 |
35,818 |
2,066 |
|
役務取引等利益 |
11,199 |
10,984 |
△215 |
|
その他業務利益 |
603 |
△1,139 |
△1,742 |
|
営業経費 |
37,186 |
37,103 |
△83 |
|
与信関連費用 |
1,532 |
2,194 |
662 |
|
貸出金償却 |
3 |
10 |
7 |
|
一般貸倒引当金繰入額 |
△2,211 |
△610 |
1,601 |
|
個別貸倒引当金繰入額 |
3,498 |
2,360 |
△1,138 |
|
偶発損失引当金繰入額 |
231 |
369 |
138 |
|
その他 |
11 |
65 |
54 |
|
償却債権取立益 |
0 |
0 |
0 |
|
株式等関係損益 |
723 |
3,025 |
2,302 |
|
株式等売却益 |
1,135 |
3,534 |
2,399 |
|
株式等売却損 |
358 |
434 |
76 |
|
株式等償却 |
53 |
75 |
22 |
|
その他 |
2,196 |
2,359 |
163 |
|
経常利益 |
9,755 |
11,751 |
1,996 |
|
特別損益 |
692 |
21 |
△671 |
|
税金等調整前当期純利益 |
10,447 |
11,773 |
1,326 |
|
法人税、住民税及び事業税 |
2,389 |
2,897 |
508 |
|
法人税等調整額 |
1,128 |
221 |
△907 |
|
法人税等合計 |
3,518 |
3,119 |
△399 |
|
当期純利益 |
6,929 |
8,654 |
1,725 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
24 |
0 |
△24 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
6,904 |
8,653 |
1,749 |
② 財政状態の分析
○ 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比854億16百万円増加し3兆143億71百万円となりました。
<参考>金融再生法開示債権及びリスク管理債権
|
|
|
前連結会計年度末 (百万円) (A) |
当連結会計年度末 (百万円) (B) |
増減(百万円) (B)-(A) |
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
12,238 |
15,395 |
3,157 |
|
|
危険債権 |
58,313 |
49,612 |
△8,701 |
|
|
要管理債権 |
7,207 |
7,024 |
△183 |
|
|
|
三月以上延滞債権 |
397 |
284 |
△113 |
|
|
貸出条件緩和債権 |
6,809 |
6,739 |
△70 |
|
小 計 |
77,758 |
72,033 |
△5,725 |
|
|
正常債権 |
2,900,179 |
2,994,380 |
94,201 |
|
|
合 計 |
2,977,938 |
3,066,414 |
88,476 |
|
○ 有価証券
有価証券は、前連結会計年度末比59億32百万円減少し9,497億62百万円となりました。
|
|
前連結会計年度末 (百万円) (A) |
当連結会計年度末 (百万円) (B) |
増減(百万円) (B)-(A) |
|
国債 |
154,508 |
148,634 |
△5,874 |
|
地方債 |
287,063 |
312,419 |
25,356 |
|
社債 |
167,210 |
161,797 |
△5,413 |
|
株式 |
71,150 |
67,012 |
△4,138 |
|
その他 |
275,761 |
259,899 |
△15,862 |
|
うち外国債券 |
155,631 |
163,598 |
7,967 |
|
合 計 |
955,694 |
949,762 |
△5,932 |
○ 預金
預金と譲渡性預金を合わせた預金等の残高は、前連結会計年度末比453億83百万円増加し3兆9,331億50百万円となりました。
○ 純資産の部
純資産の部の合計は2,060億11百万円となりました。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益86億53百万円等により、前連結会計年度末比65億36百万円増加し1,476億98百万円となりました。
その他有価証券評価差額金は、債券の評価差額が減少したことなどから、前連結会計年度末比145億40百万円減少し△18億39百万円となりました。
③ 連結自己資本比率(国内基準)
当連結会計年度末の連結における自己資本の額は、前連結会計年度末比54億48百万円増加し2,028億94百万円となりました。リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比149億17百万円減少し2兆3,905億42百万円となりました。この結果、連結自己資本比率は、前連結会計年度末比0.28ポイント上昇し、8.48%となりました。
|
|
前連結会計年度末 (百万円) (A) |
当連結会計年度末 (百万円) (B) |
増減(百万円) (B)-(A) |
|
1.連結自己資本比率 (2/3) |
8.20% |
8.48% |
0.28% |
|
2.連結における自己資本の額 |
197,446 |
202,894 |
5,448 |
|
3.リスク・アセットの額 |
2,405,459 |
2,390,542 |
△14,917 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
96,218 |
95,621 |
△597 |
④ キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金が増加したことなどから、97億42百万円のプラス(前連結会計年度比573億51百万円減少)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却・償還による収入を上回ったことなどから、116億67百万円のマイナス(前連結会計年度比350億52百万円減少)、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により、21億23百万円のマイナス(前連結会計年度比1億64百万円増加)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度の期末残高は、前連結会計年度末比40億48百万円減少し4,223億62百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当面の設備投資、成長分野への投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定であります。また、貸出金や有価証券の運用については、大部分を顧客からの預金にて調達するとともに、必要に応じて日銀借入金や債券貸借取引により資金調達をしております。
なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
|
|
前連結会計年度 (百万円) (A) |
当連結会計年度 (百万円) (B) |
増減(百万円) (B)-(A) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
67,093 |
9,742 |
△57,351 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
23,385 |
△11,667 |
△35,052 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△2,287 |
△2,123 |
164 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
426,410 |
422,362 |
△4,048 |
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円,%)
|
|
2025年3月31日 |
|
1.連結自己資本比率 (2/3) |
8.48 |
|
2.連結における自己資本の額 |
2,028 |
|
3.リスク・アセットの額 |
23,905 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
956 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社三十三銀行の貸借対照表の有価証券中の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社三十三銀行(単体)の資産の査定の額
|
債権の区分 |
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
115 |
147 |
|
危険債権 |
576 |
489 |
|
要管理債権 |
72 |
70 |
|
正常債権 |
29,203 |
30,176 |
(注) 未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。