文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を有しております。
(1) 経営方針
当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、各種産業分野の技術発展に寄与し、創薬や再生医療をはじめとした先端技術の研究及び実用化の促進に役立つことにより、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」ことを経営方針に定めております。
(2) 経営環境等
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により鈍化の動きがみられたものの、経済・社会活動に対する制限の緩和により、徐々に正常化に向かう動きを見せつつあります。一方で、世界的には長期化するウクライナ情勢、ゼロコロナ対策に伴う中国経済の停滞、急激なインフレの懸念など、先行きの不透明感が強まっております。
オプティカル事業においては、中国ではゼロコロナ政策による各種活動の制限が続いておりますが、世界の放射光施設では、国内や欧米各国にて投資計画が進み、コロナ関連の基礎研究や治療薬などの研究開発が積極的に行われるなど、研究活動が復調してきております。
2021年6月3日の米国、同年11月29日の中国、2022年1月17日の日本と、各種高精度ミラーの大型受注のお知らせを公表いたしましたが、これら以外にも世界各地で大型放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設の新設及び第4世代へのアップグレードが計画されており、受注活動が活発になってまいりました。
このように、当社ミラーの市場は伸びている状況であるため、勝機を逃がさずに特に当社の得意とする超高精度ミラーや第4世代向けミラーを中心に投入することにより売上増加に注力してまいります。
ライフサイエンス・機器開発事業においては、大型自動細胞培養装置や簡易型自動細胞培養装置「MakCell®」に注力するとともに、水晶振動子ウエハ加工システムにおいて国内外の水晶振動子メーカーに向けた拡販に注力してまいります。
また、2022年5月30日に公表しましたInnovation2030に記載している通り、今後の取り組みとして、既存市場のみならず半導体等の新市場への参入を目指してまいります。
特に注力する分野として、プラズマCVM加工技術を用いた水晶振動子ウエハ加工システムの実績をさらに伸ばしていくほか、新しい加工技術であるCAREの実用化を推進しており、次世代パワー半導体等の各種デバイスに対応した研磨装置の開発に注力してまいります。
また、子会社の電子科学株式会社の主力製品である昇温脱離分析装置(TDS)においては、現在の半導体や液晶業界向けのみならず、鉄鋼、電機、自動車、水晶振動子等の様々な産業分野にも市場拡大が見込まれるため、機能を絞った低価格装置を開発し販売するなど新規顧客開拓に注力してまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業活動に関わる課題
(オプティカル事業)
・放射光施設関連
オプティカル事業の主なユーザーである国内外の放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設は研究活動が復調してきており、ミラーの需要もコロナ前の状態に回復してきております。
欧州、米国、中国では新設及び第4世代へのアップグレードに伴う新設ビームラインの中期的な開発計画が提案され、すでに多くの各種超高精度ミラーの問い合わせを頂いており、仕様の検討、議論に着手しております。一方国内においても、大型放射光施設SPring-8や自由電子レーザー施設SACLAだけでなく、2024年稼働予定の東北大学に隣接する次世代放射光施設(Nano Terasu)からの引合いも増え、受注も順調に推移しております。
当社は、このように世界規模で拡大している放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設向けの高精度Ⅹ線ミラーの需要に応えるため、生産施設の増強、生産工程の効率化を図り、更なる高精度化を進めていくことが引続き重要課題であると認識しております。栃木に新設した生産技術開発センターにおいては、前加工工程の連携強化を図り生産工程全体の効率化を目指してまいります。
また、世界各地で放射光施設やⅩ線自由電子レーザー施設の新設や第4世代放射光施設へのバージョンアップによって光源の強化が図られており、当社の主力製品である高精度KB型集光ミラーのみならず、それらに対応できる新しい光学系の構築が求められております。形状可変ミラー、回転楕円ミラー、各種ウォルターミラー等の次世代放射光施設向けの新しい集光系のⅩ線ミラーの開発・販売を推進してまいります。
・宇宙・半導体等に関連する光学部品への展開
各種Ⅹ線ミラー(光学素子)は、従来技術では不可能であった表面形状の超高精度化を実現することができ、さまざまな産業分野においてビジネスを展開するための技術的ポテンシャルを有しております。
例えば、宇宙や半導体といった産業において光学部品は必要不可欠な存在であり、これらに対し、当社がこれまで大阪大学との共同研究で開発を進めてきたナノ加工技術(EEM、プラズマCVM、CARE)とナノ計測技術(RADSI、MSI)が精度的に十分活用できるレベルにあるため、特に高性能化傾向が強く量産化速度の高い半導体分野に参入する上で重要な要素技術となります。
現在、宇宙ならびに半導体の露光、検査に関わる高精度光学部品の問い合わせを複数頂いており、技術検討から開始し、すでに開発・試作フェーズに進んでいる案件も多くあります。当社は今後、積極的かつ迅速に新規技術開発と多角的な営業活動を進め、従来の放射光分野の枠を超えた新規市場の開拓を図ってまいります。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
・ライフサイエンス事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続く中、コロナ治療薬の探索のために、自動細胞培養装置「CellMeister®」のカスタム製品の引合いが増えております。さらに、新型コロナウイルス感染症対策でテレワークや時差出勤などを推奨している企業が多く、手軽な汎用型自動細胞培養装置「MakCell®」の引合いも増えており、今後は海外展開も含め営業活動を推進してまいります。
また、2017年1月に上市したiPS細胞用の回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS®」やオルガノイド向け回転浮遊培養装置「CellPet®CUBE」は、プロモーションを継続的に行い、着実に販売台数を増やしてきております。海外では、まず中国、米国にてマーケティングを開始しており、日本での研究成果発表を追い風に拡販を行ってまいります。
さらに、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)からの委託事業であり、これまで長らく公立大学法人横浜市立大学と神奈川県立こども医療センターと推進してきた弾性軟骨デバイスによる鼻咽腔閉鎖機能不全症の再生医療について、臨床治験に向け本格的な準備が整いました。
また、医療機器の開発も積極的に進めており、特にAMEDからの競争的資金を受け、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構及び日本光電工業株式会社と進めている、脳梗塞治療用の幹細胞分離機器(医療機器)の共同開発も計画通り推進してまいります。
・機器開発事業
当社設立当初より各種自動細胞培養装置を開発してまいりましたが、その自動化設計技術を活かし、当社の高精度KB型集光ミラーを用いた集光装置や各種OEM製品の製品開発を手掛けてまいりました。
また、新規事業として独自のプラズマCVM加工技術を適用し進めてきた、水晶振動子ウェハ加工システムの商品化に成功しウェハの厚みの均一加工に導入いたしました。
さらに、現在参入を目指しているパワー半導体や電子デバイス関連の産業では、さらなる高性能・高速化がトレンドとなっており、基本材料となるSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)等に対し高精度化の要求が急速に高まってきております。当社の有する独自の加工技術であるプラズマCVMや新技術であるCAREが、この高精度化を実現できる要素技術と認知され、既に多くの企業より問い合わせを受けその有効性の確認をしており、次の段階として量産を視野に入れた装置開発と実装を迅速に進め、広く普及されるよう努めてまいります。
ライフサイエンス・機器開発事業においては、ライフサイエンス分野や半導体分野における独自の製品開発を積極的に進めて顧客を獲得するとともに、市場の拡大に備えるために優秀な技術者の確保、生産体制の強化、保守サービスの構築が重要課題であると認識しております。このため当社では、優秀な技術者の確保のために積極的な中途採用活動を展開する一方で、生産体制の強化や保守サービスの構築につきましては、電子科学株式会社や新たな協力会社との関係構築によって対応してまいります。
(電子科学株式会社)
電子科学は、超高真空環境下で試料を加熱することで放出される微量の気体成分(主に水素、水)を高精度に分析する昇温脱離分析装置(TDS)を製造・販売しており、半導体や液晶業界を中心に材料の研究や、製造工程の評価、品質管理において高い評価を得ております。昨年度は海外におけるコロナ禍の影響を大きく受けましたが、今年度は以前からの主要な市場である韓国、台湾に加え日本国内からの引き合いが急増し、すでに複数案件の受注を獲得し納品も開始しております。
今後は、電子科学の分析技術と当社の自動化技術との連携を行い、第一弾として水素脆化に特化した新製品の共同開発を進めてまいります。海外営業についても、当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用いて積極的に推進し、販売台数と受託分析件数の増加を図ってまいります。
② 技術開発体制の構築
当社グループの顧客の多くは基礎研究に取り組んでいる研究機関・大学・企業の研究者であり、この基礎研究の分野で成長するためには、最先端の技術動向のキャッチアップと継続的な技術開発を行う体制を構築し、継続的に付加価値を提供することが重要であると考えております。
このような認識のもと、オプティカル事業では国内外で開催される国際学会での企業展示だけでなく、当社の製品や最新の技術紹介等を積極的に発信してまいります。また、ライフサイエンス・機器開発事業においては細胞培養センターを活用し、オープンイノベーションの拠点として、最先端の技術開発に取り組んでいる研究機関や大学との共同研究や企業との事業連携を積極的に推進してまいります。
③ 営業力の強化
当社グループにおいて、事業規模を拡大させるためには営業力の強化が重要であると考えております。しかしながら、取り扱う製品はコンサルティング営業ができるような技術知識が必要となるため、即戦力となる営業人材の確保が難しく、継続的な営業人材の確保と強化が重要な課題であると考えております。具体的には、技術者の社内ローテーションや物理学等の基礎学力を有している人材の採用活動によって営業人材を確保し、加えて既存営業マンによる継続的な現場教育の推進によって営業力の強化に注力してまいります。
オプティカル事業においては、世界的に新型コロナウイルス感染症拡大の影響が終息しつつあり世界各地で外出禁制限や自粛要請が解除され、展示会や学会なども従来どおり開催されるようになりましたが、特に海外においては営業効率を考慮し、今まで培ったWEB会議も併用して商談を有効に進めてまいります。
ライフサイエンス・機器開発事業においても、訪問とWEB会議を組み合わせて有効に営業活動を進めてまいります。また、同事業においても海外展開を視野に入れており、まずは中国、米国での代理店網の構築を進めてまいります。
④ 生産管理体制の強化
オプティカル事業において、需要が拡大しグローバルな競争に生き残っていくためには、生産管理の役割が大きくなっており、組織力強化が重要であると考えております。一方、ライフサイエンス・機器開発事業は、ファブレスによる柔軟な生産体制にて事業を展開しており、協力企業と緊密な連携体制が重要であると考えております。
さらに、今後の量産化に向けて、それぞれの製造工程、生産管理や品質管理等における最適なチェック体制を構築し、安定した品質を維持する仕組みが必要不可欠となるため、生産管理体制を強化してまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
ここ数年の当社の急速な成長に伴い、内部管理に関係する業務が多岐にわたって発生しておりますが、今後のさらなる成長のためには内部管理体制の一層の強化を図る必要があると認識しております。そのためには、内部管理の重要性に対する全社的な認識の強化を図り、また経理・人事・広報・法務等に精通した人材も積極的に登用することによって、業務の有効性と効率性を高めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。また、本書に記載した事項は事業等に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。
(1) 技術の陳腐化について
当社グループのオプティカル事業における製造技術は、大阪大学独自の原子数個レベルの平坦さを実現する究極のナノ加工技術(ナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSI)を基にしたもので、1ナノメートルレベルの形状精度を実現しております。本書提出日の現在においてこの状況に変化はありません。
しかしながら、将来において当社の製造方法と同等の精度レベル(本技術を超える精度は物理的に不可能)を実現する新たな製造方法が確立された場合には、価格面で影響を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 国内外政府の施策とその影響について
当社グループのオプティカル事業の製品である放射光施設用のX線ナノ集光ミラー等は、放射光施設という専門性の高い施設等で使用されるもので、その施設の多くは公的研究施設、公的プロジェクトまたは大学等がビームライン(実験ハッチ)ごとに別々に研究事業を運営しております。当社製品を利用したこれら施設ではナノテクノロジー、バイオテクノロジーや産業利用まで幅広い最先端の研究がおこなわれており、今後も技術向上を図り、より優れた研究成果を創出し、継続していくものと予想されます。
また、現在国内では東北に新しい放射光施設Nano Terasu(旧称 SLiT-J)の建設計画(2023年完成予定)が具体化し、また海外では中国、欧州、アメリカ、ブラジルなどに第4世代の放射光施設の建設やバージョンアップの計画が進んでおり、今後少なくとも20年は世界的に需要が拡大傾向にあると判断しておりますが、将来国内外の政府の研究事業の実施方針において、放射光利用の重要度が大きく変更された場合、または制度の変更があった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 日本国政府の施策とその影響について
当社グループのライフサイエンス・機器開発事業の製品である各種自動細胞培養装置は、再生医療等においてiPS細胞をはじめとする各種細胞を培養するものであります。これらの製品は再生医療及び創薬の研究開発用として使用され、今後もこの分野での研究開発が進み、同時に市場が拡大するものと予想しておりますが、日本国政府の施策により、関連法令等が大幅に改正された場合、または研究開発活動が法規制により制限が加えられた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 外注先について
当社グループのオプティカル事業は、当社でのEEMによるナノ加工の前工程である粗加工仕上げ工程について、需要の拡大に対応するために内製化を進めておりますが、未だ多くを外注加工業者に委託しております。当社が外部委託先を選定するにあたっては事業の継続性を鑑み、良好な協力関係の構築・維持または高い品質管理能力を主な判断材料として慎重に選定しております。
しかしながら、今後需要が急拡大し外注先で対応しきれない場合や、また新しい外注委託先が増え、これらの管理が疎かになり、品質面及び納期面等において何らかの不具合が発生した場合には、当社の業務に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製品に関する不具合、クレームについて
当社グループが販売・開発する製品等に関し、ユーザー等から訴訟を提起され、または損害賠償請求を受けたことはありません。また、不具合が生じたとしても早期に発見し是正するべく、サポート体制を構築しておりますが、当社が販売した製品等に予期しがたい欠陥等が発生し、製品回収や損害賠償等が発生した場合、多大な損害賠償金及び訴訟費用が必要となること等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製造装置について
当社グループのオプティカル事業は、独自に設計・製作した製造装置を使用しております。これら製造装置については、高品質な製品の製造を実現するために、停電対策や所要のメンテナンスを随時実施しておりますが、何らかの不具合が発生した場合や自然災害や突発的な事故により製造装置が稼働不能となった場合等には、当社グループの業務に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 為替リスクについて
当社グループは、海外輸出製品が多く、為替レートの変動は外貨建ての直接取引の売上高に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、想定を超える為替レートの変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 輸出について
輸出にあたり、仕向地ごとの政治や経済情勢、さらには文化や習慣等について調査・把握に努めておりますが、もしそれらが要因となる予期せぬ事件、事故等の事象が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 業績の変動について
当社グループの主力製品であるX線ナノ集光ミラーは、その製造過程でナノ加工EEMとナノ計測RADSI及びMSIについて仕様を満たすまで交互に何度か繰り返す必要があることから、製造工程は製品ごとに異なり、受注から出荷までの期間が1年程度かかります。また、研究開発の要素の高い仕様の場合、出荷予定月を過ぎることも起こり得ます。このような状況が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、X線ナノ集光ミラーの単価は非常に高額で3,000万円近くするものもあり、あわせて受注時期が偏る傾向にあるため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。
(10) 知的財産権
当社グループは、新たな技術や独自のノウハウを蓄積し、知的財産権として権利取得するなど法的保護に努めながら研究開発活動を推進しています。また、仮に特許侵害が試みられたとしても同様の製品が製造されないよう独自のノウハウは公開しておりません。しかし、特定地域での法的保護が得られない可能性や、当社の知的財産権が不正使用される可能性があることは否めず、さらに人材移転や悪意を前提とする情報漏洩等により技術・ノウハウが外部に流出する可能性もあります。このような状況が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
他方、他社が有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、当社が第三者の知的財産権を侵害していると司法判断された場合、当社グループの生産・販売の制約や損害賠償金の支払いが発生する可能性もあります。
(11) 固定資産の減損
当社グループでは、土地、建物、機械設備等多くの有形固定資産を保有しています。当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価していますが、当該資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能性が低下した場合、固定資産の減損を行う必要が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 配当政策について
当社グループの配当政策につきましては、当社グループの利益成長とそれを支える礎となる財務体質の強化が重要との認識から、業績の状況をベースに内部留保の充実と配当性向等とのバランスを図りながら、株主に対して積極的に利益還元を行うことを基本方針としております。
ただし、当面はコスト競争力の強化や生産能力向上のための設備拡充及び急成長市場での事業展開を実現するための今以上の研究開発体制の構築のための投資が重要になると考え、その原資となる内部留保の充実を図る方針であります。これらについてある一定の目処が立てば、安定的・持続的な配当による株主への利益還元政策を行う方針であるものの、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(13) 新型コロナウイルス感染症について
未だ世界的に流行している新型コロナウイルス感染症について、中国のゼロコロナ政策をはじめとして各国の経済活動が著しく制限された場合は深刻な経済収縮が起こり、その収束時期は不透明となります。日本を含む世界各国において感染症の拡大が長期化した場合は、営業活動の縮小、製造活動の遅延、製品出荷の遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、当連結会計年度において、海外における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受け、営業損失71,221千円を計上しており、2期連続の営業損失となることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると判断しております。
当社グループは、当該状況を解消するために、販売先とのコミュニケーションを密にすることや、販売先の国や地域における状況を勘案して製造体制を柔軟に対応する等、不測の事態にも十分対処できるよう努めてまいります。
また、これらの状況によって当社及び電子科学株式会社それぞれの売上について翌期への期ずれとなるものの、現時点における案件ごとの収益性や、資金繰りに影響が出ているという事実は認められないため、事業面及び財務面における安定性は十分に確保されているものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、前連結会計年度が連結初年度であり、また、連結子会社のみなし取得日を前連結会計年度末日としていることから、前連結会計年度においては、貸借対照表のみを連結しているため、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。
そのため、経営成績及びキャッシュ・フローに関する記載につきましては、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により鈍化の動きがみられたものの、経済・社会活動に対する制限の緩和により、徐々に正常化に向かう動きを見せつつあります。一方で、世界的には長期化するウクライナ情勢、ゼロコロナ対策に伴う中国経済の停滞、急激なインフレの懸念など、先行きの不透明感が強まっております。
このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業により、経営基盤の強化と拡充に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ155,010千円減少し、3,227,032千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ124,755千円減少し、999,315千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ30,254千円減少し、2,227,717千円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,150,981千円、営業損失71,221千円、経常損失26,981千円、親会社株主に帰属する当期純損失32,127千円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は779,892千円、セグメント利益は245,422千円となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は262,552千円、セグメント利益は5,795千円となりました。
その他事業は、売上高は108,537千円、セグメント損失は60,973千円となりました。
なお、2021年6月期連結会計年度より電子科学株式会社を株式の取得により子会社化し、連結の範囲に含めております。2021年6月30日をみなし取得日としており、かつ連結決算日との差異が3か月を超えないことから、当連結会計期間の経営成績においては同社の2021年7月から2022年3月までの9か月分の業績を計上しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、当連結会計年度末には732,324千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は284,185千円となりました。これは主に、棚卸資産の増加108,870千円及び未払費用の減少33,292千円による支出があった一方で、売上債権の減少160,343千円及び契約負債の増加167,850千円による収入があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は132,592千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出112,873千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は273,583千円となりました。これは主に、短期借入金の純減少額200,000千円及び長期借入金の返済による支出75,456千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|
|
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
オプティカル事業 |
957,635 |
- |
|
ライフサイエンス・機器開発事業 |
292,232 |
- |
|
その他事業 |
154,734 |
- |
|
合計 |
1,404,601 |
- |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.前連結会計年度は、貸借対照表のみ連結しているため、前期との比較は行っておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
オプティカル事業 |
1,105,305 |
- |
919,636 |
- |
|
ライフサイエンス・機器開発事業 |
182,425 |
- |
2,616 |
- |
|
その他事業 |
272,217 |
- |
191,272 |
- |
|
合計 |
1,559,948 |
- |
1,113,526 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.前連結会計年度は、貸借対照表のみ連結しているため、前期との比較は行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
オプティカル事業 |
779,892 |
- |
|
ライフサイエンス・機器開発事業 |
262,552 |
- |
|
その他事業 |
108,537 |
- |
|
合計 |
1,150,981 |
- |
(注)1.前連結会計年度は貸借対照表のみ連結しているため、前期との比較は行っておりません。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|
|
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
国立研究開発法人理化学研究所 |
230,565 |
20.0 |
(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、前連結会計年度が連結初年度であり、また、連結子会社のみなし取得日を前連結会計年度末日としていることから、前連結会計年度においては、貸借対照表のみを連結しているため、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書は作成しておりません。
そのため、経営成績及びキャッシュ・フローに関する記載につきましては、前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,301,395千円となり、前連結会計年度末に比べ170,644千円減少いたしました。これは主に、仕掛品が91,757千円増加した一方で、売掛金が162,224千円及び現金及び預金が115,376千円減少したことによるものであります。固定資産は1,925,636千円となり、前連結会計年度末に比べ15,634千円増加いたしました。これは主に、建物及び構築物が33,763千円減少した一方で、土地が21,450千円及び機械装置及び運搬具が20,022千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,227,032千円となり、前連結会計年度末に比べ155,010千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は385,654千円となり、前連結会計年度末に比べ50,278千円減少いたしました。これは主に、受注増に伴う前受金の増加等により契約負債が129,680千円増加した一方で、短期借入金が200,000千円減少したことによるものであります。固定負債は613,661千円となり、前連結会計年度末に比べ74,476千円減少いたしました。これは主に、約定返済が進んだことにより長期借入金が75,456千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は999,315千円となり、前連結会計年度末に比べ124,755千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,227,717千円となり、前連結会計年度末に比べ30,254千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を32,127千円計上したことによるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、1,150,981千円となりました。これは主に、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーの売上が牽引したことによります。また、当連結会計年度より、子会社の電子科学株式会社の売上が寄与しております。この結果、売上総利益は699,906千円となりました。また、販売費及び一般管理費は771,128千円となり、当連結会計年度における営業損失は71,221千円となりました。
(経常利益)
営業外収益では、経済産業省による戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)における補助金収入等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息等を計上しました。これらの結果、当連結会計年度における経常損失は26,981千円となりました。
(当期純利益)
特別損失を1,041千円計上したこと、また、繰延税金資産の取り崩しにより法人税等調整額が減少したこと等により、当連結会計年度における当期純損失は32,127千円となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
当第4四半期は、アメリカ(施設:APS、LCLS)向け、国内(施設:Nano Terasu:旧称SLit-J)向け、中国(施設:IHEP、SSRF)向け、スウェーデン(施設:MAX Ⅳ)向け等の売上が業績を牽引しました。
Ⅹ線ナノ集光ミラーの主な販売先である国内外の放射光施設やⅩ線自由電子レーザー施設においては、コロナ禍の影響で一部の運用に制限があるものの、概ね通常稼働状態に戻ってきております。国内の次世代放射光施設Nano Terasu(旧称SLiT-J)をはじめ、中国及び欧米の放射光施設のバージョンアップや新設計画により、多くの受注を獲得することができました。
しかしながら、中国のゼロコロナ政策に伴う4月からの上海の長期ロックダウンの影響によって中国全土にて混乱が生じ、輸入手続きが事実上ストップとなりました。その後も輸入制限がかかった影響に伴い、中国向けの多くの製品において納入に至らない結果となりました。また、アメリカ向けにおいては、急な仕様変更依頼に対応したため、納品にまで至らない案件がありました。いずれにつきましても、オプティカル事業は受注生産方式をとっているため失注となることはなく、現在作業を継続しており翌期に売上がずれる見込みであります。
このような状況ではありますが、現在、中国では他に類を見ない規模の放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設の建設や既設のバージョンアップの計画が進んでおり非常に有望な市場であります。北京市に建設中の次世代大型放射光施設「IHEP」は世界最大規模の施設となる見込みであり、すでに昨年度より大型受注を取得している状況であります。
さらに中国においては、複数施設にて第4世代へのアップグレードの他、上海市、深圳市、武漢市においては大型放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設の新設が同時に計画されており、さらなる超高精度ミラーの需要の拡大が見込まれております。
営業活動につきましては、中国への渡航制限は続いているものの新規受注は増えてきており、引き続き重点地域として注力してまいります。また、欧米各国においては渡航による対面営業活動を再開しており、きめ細かな営業活動によって更なる需要の掘り起こしを行ってまいります。
この結果、売上高は779,892千円、セグメント利益は245,422千円となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当第4四半期は、韓国の放射光施設(PAL)向け集光装置、再生医療分野における受託研究開発に係る売上、高密度培養装置、グラビア印刷試験機(GP-10)による売上が業績を牽引しました。
一方で、水晶振動子ウエハ加工システムにおいては、国内のパイロットユーザーに続いて海外の水晶振動子メーカーへの拡販を進めておりましたが、コロナ禍の影響により導入計画が遅れたことにより成約に至りませんでした。
この結果、売上高は262,552千円、セグメント利益は5,795千円となりました。
(その他事業)
その他事業は子会社の電子科学株式会社であります。電子科学の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)、装置のメンテナンス業務、受託分析業務の3つに分かれますが、主力である装置販売において売上が予定を大きく下回る結果となりました。装置販売につきましては受注生産であり設置・導入作業が必須となりますが、主なユーザー企業のある韓国及び台湾においてコロナ禍の影響により入国が制限されていたため、作業が行えず売上計上に至りませんでした。これらにつきましては、作業を再開する翌期に売上がずれる見込みであります。
この結果、売上高は108,537千円、セグメント損失は60,973千円となりました。
なお、2021年6月期連結会計年度より電子科学株式会社を株式の取得により子会社化し、連結の範囲に含めております。2021年6月30日をみなし取得日としており、かつ連結決算日との差異が3か月を超えないことから、当連結会計期間の経営成績においては同社の2021年7月から2022年3月までの9か月分の業績を計上しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資やM&A投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金、設備投資資金及びM&A投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金やM&A投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は674,063千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、放射光施設用X線ナノ集光ミラー等の開発販売を推進する「オプティカル事業」、及び主に創薬、再生医療及びiPS細胞等に関連した培養技術の開発や各種細胞培養装置や各種自動化装置販売する「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を柱としております。現在の研究開発活動は、これら事業の関連技術を中心に実施しており、主にX線ナノ集光ミラーを中心としたX線光学素子、独自の培養技術を用いた各種細胞培養装置及び独自の加工・計測技術をもとにした各種自動化装置等を中心に研究開発を継続しております。
さらに、現在同時に4件の競争的資金をもとに研究開発事業(委託研究事業、研究助成事業)を進め、製品化を目指しております。
なお、研究開発費については、細胞培養センターで行っている各セグメントに配分できない基礎研究費用11,065千円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) オプティカル事業
当連結会計年度のオプティカル事業においては、以下の研究開発を推進してまいりました。
① 放射光施設用X線集光ミラーの生産性の向上や高精度化を目指したナノ加工技術及びナノ計測技術に関する研究開発
・当連結会計年度継続の研究助成事業
「X線測定・分析の高効率化に資する高精度2次元集光X線ミラーの製造法の開発」令和3年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省2021年~2023年度、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学、名古屋大学、宇宙科学研究所(JAXA)、アドバイザー:理化学研究所、高輝度光科学研究センター
② 放射光施設向けの次世代商品の開発
・形状可変ミラー、回転楕円ミラー、回転ウォルターミラー等
③ X線光学素子の新しい事業展開を目指した計測・加工技術の適用化開発
大気圧プラズマを利用したドライエッチング技術である「プラズマCVM」、及び触媒表面基準エッチング技術である「CARE」の実用化開発を実施し、半導体、宇宙分野での光学素子への適用化開発を進めております。
その結果、オプティカル事業に係る当連結会計年度の研究開発費は
(2) ライフサイエンス・機器開発事業
当連結会計年度のライフサイエンス・機器開発事業においては、以下の通りの機器開発や競争的資金(委託研究事業、研究助成事業)を積極的に活用し、以下の研究開発を推進してまいりました。
① 汎用型自動細胞培養装置の開発
・MakCell®(iPS細胞用の自動細胞培養装置CellPet®シリーズの後継機種)の量産化開発を実施しました。
② 再生医療関連の研究開発
・当連結会計年度継続の委託研究事業
「ヒト弾性軟骨デバイスを用いた頭頚部形態異常疾患に対する新規治療法の開発」
令和2年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2020年~2021年度、研究代表機関:横浜市立大学、参加機関:東京大学、神奈川県立こども医療センター、株式会社ジェイテックコーポレーション
・その他の共同研究
iPS細胞による心筋細胞の臨床研究(大阪大学医学部との共同研究)を目指した共同研究を実施しました。
・当連結会計年度継続の研究助成事業
「iPS 細胞等による分化製造プロセスにおける高効率な大量細胞凝集塊分散技術ならびに自動化装置の研究開発」令和2年度「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」経済産業省:2020年~2022年度
参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、大阪大学医学部、大阪大学工学部
③ 医療機器の開発
・当連結会計年度継続の委託研究事業
「治療機序に基づき最適化した効率的な脳梗塞治療用幹細胞分離機器の研究開発」
令和3年度「橋渡し研究戦略的推進プログラム」日本医療研究開発機構(AMED):2021年~2023年度
研究代表機関:公益財団法人神戸医療産業都市推進機構、参加機関:株式会社ジェイテックコーポレーション、日本光電工業株式会社
医療機器として脳梗塞治療用の幹細胞分離機器の製造販売を目指します。
・薬剤徐放デバイス製造装置(東北大学医学部)
第2相の治験での適用を目指し、上記装置を試作開発しました。
④ 機器開発事業の取組み
・水晶振動子ウエハ加工システム(PCVM加工装置、膜厚検査装置及び搬送ユニット)の機器開発
昨年パイロットユーザーに納入し、実績を上げました独自のプラズマCVM加工技術を用いた水晶振動子ウエハの厚みを均一に加工する量産加工システムの拡販に向けた改良、開発を継続しました。今後は、国内外の水晶振動子メーカーに販売してまいります。
さらに新しくCARE(触媒基準エッチング法)加工を技術導入して実用化開発を進めてまいりました。本技術を用いてパワー半導体や半導体デバイス向けの研磨装置の試作開発へと進めてまいります。
その結果、ライフサイエンス・機器開発事業に係る当連結会計年度の研究開発費は
また、当社の細胞培養センターでは、当連結会計年度は当社が開発した自動細胞培養装置KB2000、MakCell®や新しい培養容器の上市に向けた培養評価等の実施や、大阪大学医学部や横浜市立大学医学部との共同研究を実施しました。また、その他大学や企業と様々な培養技術に関する共同研究を積極的に実施してまいりました。
(3) その他事業
電子科学株式会社の昇温脱離分離装置(TDS)は当社のオプティカル事業の海外チャンネルを用い、営業の強化を図ってまいりますが、さらに同社の装置製造は、ファブレス方式のため、当社のライフサイエンス・機器開発事業の生産体制と同方式で、今後は、当社の生産管理をもとに体制を強化し、製造の効率化も図ってまいります。
また、同社の分析技術と当社の自動化技術を融合し、特に半導体分野において、共同で新しい製品の企画、開発を進めてまいります。第一弾として水素量に特化した昇温脱離水素分析装置「Cryo TDS-100H2」の共同開発を急いでおります。
このように、当社とは営業面だけでなく、製造面や開発面でもシナジー効果が期待できます。
その結果、その他事業に係る当連結会計年度の研究開発費は