第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

 当社グループは、事業だけではなく地球環境も含めた持続可能性を高め、中長期的な競争優位性を確立するため、「Circular Design for the Earth and Us」をパーパスに定め、「Circular Design Company」の実現を目指しております。顧客とパートナーとの関係を通じてValuenceを中心にモノが循環する世界を実現するため、顧客やパートナーに対して様々な選択肢を提供することで、当社が保有するモノだけではなく、顧客やパートナーが保有するモノの循環を促進し、新たな収益機会を創出してまいります。

 

(2)経営環境

 当社グループが属するリユース業界においては、フリマアプリの拡大・浸透をはじめとして市場が活性化しており、サステナビリティへの関心もあってリユースの注目度は更に高まっております。また、今後も継続的な成長が見込まれており、2022年のリユース市場規模は前年比7.4%増の2兆8,976億円となり、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれております。(出所:株式会社リフォーム産業新聞社「リユース業界の市場規模推計2023(2022年版)」(2023年9月))

 このような状況の中、一般消費者からの買取は依然として競争が激しく、販売面においても、小規模なものも含めると数多くの事業者向けオークションが乱立しております。今後も、新規参入やM&Aなどによる企業再編の動きが加速するものと予想されます。

 一方で、海外においては組織的にCtoBtoBのビジネスモデル(一般消費者から買取を行い、リユース事業者に販売するモデル)を展開する事業者は不在であると認識しております。

 上記の認識に基づき、当社グループは、現状のビジネスモデルのITを活用した効率化(DX化の推進)に加え、エンゲージメントを高める施策を通じてグループ全体で顧客との長期的な関係を築くことで、継続的な収益を生むリカーリング型のビジネスモデルへと転換を図ります。また、グローバル展開を加速していくことで、更なる成長を目指してまいります。

 

(3)経営戦略及び優先的に対処すべき事業上の課題

 当社グループは、2025年8月期を最終年度とする中期経営計画「VG1000」を2022年10月に「VG1000 ver2.0」として見直しを行いました。現中期経営計画においては一般消費者から買取を行い、買取した商品を主に当社グループが運営しているオークションを通じて国内外パートナーに販売するという既存事業をベースに、toB及びtoCのそれぞれにおいて新規領域への投資を行う計画としております。

 

[ビジネスモデル]

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 既存のCtoBtoBモデルのグローバル展開、グローバルも含めた小売の強化、顧客・パートナーとの関係強化によるリカーリング型ビジネスへの転換を戦略とし、事業を推進しております。なお、現中期経営計画の対象期間は、2026年8月期以降の飛躍に必要なあらゆる機能の実装・充実を進める投資期と位置付けておりますが、投資は行いつつも利益成長も遂げていく計画としております。

 

[重点投資領域]

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 事業戦略は次のとおりであります。

 

① 仕入拡大に向けた取組

 当社グループの仕入は店頭買取が中心であり、店舗数の増加が仕入拡大に寄与すると考えており、当事業年度においては国内10店舗、海外10店舗の新規出店を行いました。

 国内においては新規出店に加え、他業種とのアライアンス強化による仕入拡大も図ってまいります。海外においては、当社グループとしてリスクの少ない出店形態であるパートナーとの協業による出店を中心に、スピード感を持った出店を行ってまいります。

 マーケティング施策としては、当社グループの強みであるSEO対策をはじめとしたWEBマーケティングに注力することにより集客拡大を図ってまいります。また、国内で培ったWEBマーケティングのノウハウを海外で展開することにより、海外での更なる仕入拡大を目指します。加えて、CRM強化によりリピーターを獲得することで、効率的な集客を行ってまいります。

② 販売拡大に向けた取組

 当社グループは、これまでCtoBtoBモデルを中心に事業を成長させてまいりました。今後は既存のビジネスモデルを進化させることで更なる成長を目指してまいります。フルフィルメントサービス、おまかせ出品やSaaS型新機能の提供といった付加価値サービスを展開し、パートナーの利便性を向上させつつ参加パートナーの開拓も推進していくことで、当社グループの強みであるtoBプラットフォームを更に強化し、より魅力的なプラットフォームとしてまいります。

 加えて、海外各拠点でのグローバルECの構築、出店を含む店舗強化などtoCチャネルを強化することにより、国内外の顧客との接点を拡大してまいります。また、toCチャネルをきっかけとし、買取や他サービスも利用していただくなど継続的な関係を構築し、当社グループ内でシナジーを創出することで収益の最大化を目指してまいります。

③ ジャンル拡大による収益機会の最大化

 当社グループはブランド品、骨董品・美術品を中心とした商材を取り扱っております。加えて、既存領域のみならず、車や不動産なども含めた様々な実物資産の取扱いを広げております。2023年2月には自動車の買取・販売・整備に強みを持つ株式会社米自動車を連結子会社化いたしました。今後も実物資産におけるジャンル拡大を進め、顧客の抱える問題をワンストップで解決し、顧客のLTVを向上させることで収益機会の最大化を図ってまいります。

 また、実物資産のみならず、心の豊かさを提供することを領域としてビジネスを拡大し、モノや思いをつなぐ新たな循環型経済圏をつくることで、企業価値の向上を目指してまいります。

 

④ サステナビリティへの取組

 近年、サーキュラーエコノミーという言葉が広く一般に浸透し、企業にも環境問題や社会課題への対応が一段と求められてきております。当社グループの中核事業である「リユース」は、不要になったモノを廃棄するのではなく次に必要な方へとつなげる、循環型社会における重要な取組の一つであります。

 事業だけではなく、地球環境も視野にサステナビリティの取組に注力することで、持続可能な社会の実現と当社の持続的な成長につなげてまいります。

 

(対処すべき課題)

① 集客の拡大と効率化

 当社グループは、創業時よりWEBマーケティングを中心に集客を行っており、機能を内製化することで高い効果を発揮しております。一方で、競争環境の激化により顧客獲得コストが上昇していることから、CRM施策によるリピーター顧客の獲得や集客の効率化が必要であると認識しております。

 今後もSEO対策をはじめとするWEBマーケティングを中心に、潜在顧客・顕在顧客の双方にアプローチしつつ、SNSなどのマス広告も活用し指名検索を増加させることで、顧客獲得単価の低減や、顧客とのエンゲージメント強化によるグループ内送客の体制構築と顧客のリピーター化による効率的な集客を実現できるものと考えております。

② 査定能力の標準化

 リユース品は新品と異なり決まった価格が存在せず、相場も一定ではないことから、値付けが非常に難しいという特徴を持っております。当社グループにおいては、研修体制の整備や現場でのOJTを進めることで買取スタッフの能力向上に努めておりますが、これに加え、査定能力を標準化するための仕組みの構築が重要であると認識しております。

 そのため、社内システムの機能改善やデータベースの整備、本部による店頭サポート体制の強化を継続しておりますが、今後はこれらに加え価格算出にAIを活用することで、更なる能力標準化と買取の効率化に努めてまいります。

③ オークションプラットフォームの拡大

 当社グループの主力販路であるSBAは、オンラインで開催しており、海外の事業者も数多く参加するグローバルなブランドリユースオークションプラットフォームとして規模を拡大しております。

 今後も更に多くの国内外パートナーが参加するプラットフォームとして魅力を高めるとともに、委託拡大に向けた取組も展開することで、GMV(流通取引総額)の拡大を図ってまいります。また、パートナーが落札した商品の保管・小売販売までを一気通貫で請け負うフルフィルメントサービスの構築や、パートナー企業が市場主となってオークション開催が出来るSaaS型新機能の提供により、更なる収益力向上を目指してまいります。

④ 小売販売の強化

 当社グループは現在、実店舗3店舗とECサイトにて、一般消費者に向けた小売販売を行っております。

 今後は、グローバルEC構築に向けた海外拠点でのECサイト開設、国内における小売店舗の出店など、グローバルも含めた小売強化に注力してまいります。小売販売の強化はビジネスモデルをリカーリング型に転換するための重要施策と位置付けております。顧客との接点を拡大し、買取をはじめとした当社グループサービスの利用につなげることでエンゲージメント強化を図るほか、「ALLU」ブランド強化によりフルフィルメントサービスにおける小売委託をより多く獲得できるようになり、パートナーとのエンゲージメント強化にも貢献すると考えております。

⑤ 顧客とのエンゲージメント強化

 当社グループの事業は、顧客からの買取がビジネスモデルの起点にあるため、より多くの顧客と接点を持つことが事業を拡大する上で重要と考えております。

 今後は、買取のみならず、小売販売をはじめとするtoCサービスの拡大、取扱いジャンルの拡充やグループ内送客の体制強化などにより、顧客とのエンゲージメントを高めてまいります。これによりグループ全体で顧客との長期的な関係を築くことで、継続的な収益を生むリカーリング型のビジネスモデルへと転換していく方針です。

⑥ グローバル展開の加速

 当社グループは、香港をはじめ欧米や東南アジアに子会社を設け、現地におけるSBAパートナーの開拓と、買取店舗の展開を進めております。買取においては直営のみならず、パートナーとの協業による出店に注力し、当社グループとしてリスクを最小限にした店舗展開をしております。国内リユース市場における競争が依然として激しい現状において、海外へとビジネスを拡大していくことが重要であると認識しております。

 WEBマーケティングのノウハウを海外でも活かすことにより、国内で培ったCtoBtoBのビジネスモデルのグローバル展開と、グローバルも含めた小売強化を行うことで、更なる規模拡大を図ってまいります。

⑦ サステナビリティの取組強化

 当社グループのメイン事業である「リユース」は、循環型社会における重要な取組の一つであり、リユース事業をグローバルに展開していくことが、持続可能な社会の実現、ひいては当社グループの持続的な成長につながると考えております。TCFD提言に基づく情報開示をはじめ、リユースによる環境フットプリントの削減貢献量を可視化した「Resale Impact」の事業ブランドへの展開や、カーボンニュートラル達成に向けた国際的イニシアチブの認証取得などの取組を行っております。

 今後も循環型社会の実現を牽引する存在として、サステナビリティを経営戦略の中核に据え、環境や社会に配慮した取組を積極的に行っていくことで、持続的な社会の実現と企業価値向上を目指してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画「VG1000 ver2.0」において、以下のとおり重要経営目標と主要KPIを定めております。

 2030年に「Circular Design Company」の実現を目指すにあたり、現中期経営計画期間は投資期と位置づけておりますが、利益成長も確り達成すべく成長性指標として2022年8月期の営業利益を基準とし、2025年8月期まで営業利益の年平均成長率は40%、また資本収益性指標としてROE20%を目標として設定しております。なお、株主の皆様への利益還元については最も重要な経営課題の一つと考え、株主還元指標として配当性向30%以上を定めております。主要KPIにつきましては、国内外における買取店舗網の拡大が当社グループの事業成長に直結するため、2025年8月期に国内170店舗、海外100店舗の出店を計画しております。また、既存のCtoBtoBモデルのグローバル展開にあたり、海外パートナー数の拡大及び売上高比率の向上を目標に設定しております。

 中期経営計画の推進及び経営目標の達成を通じて更なる成長を実現し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

<中期経営計画の重要経営目標(2022年8月期~2025年8月期)>

成長性指標

目標値

 

営業利益成長率

CAGR40%

(2022年8月期を起点とする)

収益性指標

目標値

 

ROE

20%

(2025年8月期時点)

株主還元指標

目標値

 

配当性向

30%以上

 

<目標とする数値(主要KPI)>

 

2025年8月期(目標)

2023年8月期(実績)

売上高

1,000億円

761億円

国内店舗数

170店舗

135店舗

海外店舗数

100店舗

38店舗

海外パートナー数

1,000社

892社

海外売上高比率

30.0%

22.3%

 

※詳細は、当社コーポレートサイト(https://www.valuence.inc/ir/investor/plan/)をご覧ください。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.サステナビリティ全般

(1)ガバナンス

 サステナビリティへの対応は重要な経営課題の一つという認識のもと、関連する重要事項については取締役会で審議、決定しております。サステナビリティに関する計画及び進捗については、取締役会の支援機関として設立されたESG推進委員会が取締役会へ原則年4回報告を実施し、その中でサステナビリティに係るリスク・機会についても議論を行っております。加えて、サステナビリティに係るリスク全般の管理については、リスクマネジメント委員会からも同委員会の開催後に取締役会へ報告を行っております。

 取締役会は、ESG推進委員会及びリスクマネジメント委員会で協議、決議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティ課題への対応方針及び実行計画等についての議論、審議を行うとともに、執行の監督を担っております。代表取締役はリスクマネジメント委員会の委員長を務め、サステナビリティリスクを含むリスクマネジメントに係る執行の最終責任を負っております。また、ESG推進担当取締役はESG推進委員会の委員長を務め、サステナビリティの取組に係る執行責任を負っております。

 

[推進体制]

 

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(2)戦略

 当社グループは、「Circular Design for the Earth and Us」というパーパスに基づき、全社横断的にサステナビリティに資する取組を推進しております。取組の推進にあたり、当社グループが特に対処すべき社会・環境課題として、18のESG課題(マテリアリティ)を特定し、Planet(E)、People(S)、Transparency(G)の各項目について目指す姿を定めております。事業活動を通じて戦略的にマテリアリティに取り組むことで、誰もが大切なことにフォーカスし、自分らしく生きることのできる、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

[マテリアリティ・マトリクス]

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(3)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティに係るリスク・機会について主要事業を中心に対象活動を選定し、ESG推進委員会でより詳細に検討を行っております。ESG推進委員会において議論・検討された内容は取締役会で報告され、特に重要とされたリスク・機会は当社グループの戦略に反映し、ESG推進委員会が中心となって管理を行っております。

 また、サステナビリティに係るリスクの分析結果や取組の状況についてはグループ全体のリスク管理を行うリスクマネジメント委員会に共有され、同委員会によりリスク管理状況がモニタリングされます。ESG推進委員会及びリスクマネジメント委員会が連携し、サステナビリティに係るリスクの管理を行っております。

 

(4)指標及び目標

 持続可能な社会への貢献と当社グループの持続的な成長を目指し、Planet(E)、People(S)、Transparency(G)について具体的な目標を以下のとおり設定しております。目標の達成に向け、サステナビリティへの取組を加速してまいります。

テーマ

指標

目標

Planet

GHG排出量(注)1

2030年8月期までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル

People

従業員エンゲージメントスコア(注)2

2025年8月期までに4.2

女性管理職比率

2025年8月期までに25.0%

男性育休取得率

2025年8月期までに70.0%

男女賃金格差:全労働者(注)3

2025年8月期までに82.0%

Transparency

取締役会女性比率

2030年8月期までに30.0%

(注)1.自社の直接・間接排出(Scope 1、Scope 2)に加え、その他の事業活動に関わる間接的な排出(Scope 3)を対象に算出しております。

2.外部エンゲージメントサーベイ「会社満足度」「仕事満足度」「上司満足度」「職場満足度」における各スコア平均値(1~5段階評価)を算出しております。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

4.女性管理職比率及び男性育休取得率は、提出会社・バリュエンスジャパン株式会社の2社に在籍する正社員(出向社員を含む)を対象に算出しております。

 

2.気候変動

(1)ガバナンス

 気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般のガバナンスに含みます。詳細は「1.サステナビリティ全般(1)ガバナンス」をご参照ください。

 

(2)戦略

[短期・中期・長期のリスク・機会]

 気候関連のリスク・機会は、長期にわたり当社グループへ影響を及ぼす可能性があるため、マイルストーンを設定し検討することが必要であると認識しております。そこで、2025年、2030年、2050年をそれぞれ短期、中期、長期と位置付け、気候関連のリスク・機会を検討いたしました。

 

[リスク・機会が事業・戦略・財務計画に及ぼす影響の判断プロセス]

 気候変動が当社グループに与えるリスク・機会及びそのインパクト、戦略のレジリエンスの把握、更なる施策の必要性の検討を目的に、シナリオ分析を実施いたしました。主要事業であるブランド品、骨董・美術品の買取販売のバリューチェーンを対象としております。

 リスクの抽出にあたっては、移行リスク(政策/規制、テクノロジー、市場、評判)、物理リスク(急性・慢性)の視点で洗い出しを行いました。洗い出されたリスクの影響度は、財務・人的安全・社会的批判の観点から検討しております。なお、移行リスクについては「Net‐Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」(IEA、2021年)を、物理リスクについては「Representative Concentration Pathways(RCP8.5)」(IPCC、2014年)を参照しております。

 

[シナリオ分析の結果と戦略のレジリエンス]

 当社グループは、カーボンニュートラル実現に向け戦略のレジリエンスを継続的に強化していく必要があると認識しております。そのためには、リスクを適切に移転・回避・軽減するとともに、機会に対しては積極的に対応することが重要との考えのもと、具体的な対応を検討いたしました。特に重要とされた項目については当社グループの戦略に反映し、管理しております。

 当社が特定した主なリスク・機会は以下の表のとおりであります。

特定した主なリスク・機会の概要

発現時期

移行

リスク

政策/

規制

・炭素税等、GHG排出を抑制する政策導入

・規制強化による調達・輸送等のコストの増加

・グリーン電力証書の購入等によるGHG排出削減コストの増加

・地政学的リスクに伴う再生エネルギー等のエネルギー調達コストの増加

中期

(2030年)

市場

・ESG格付の低下に伴う資本コストの増加

中期

(2030年)

評判

・気候変動対応が不十分と判断された時の

 - ビジネスパートナーとの協働機会の損失

 - 消費者からのレピュテーション低下

 - 優秀な人材の獲得能力や従業員エンゲージメントの低下

短期

(2025年)

物理

リスク

急性

・気候変動に起因する自然災害による

 - 店舗・事業所の稼働停止

 - 店舗・事業所の損害に対する保険や修繕費の増加

 - サプライチェーン混乱に伴う物流の停止

 - 配送中の荷物の被災

 - 社員の被災

中期

(2030年)

慢性

・物流の停滞に伴う調達コストの増加

・平均気温上昇等に伴う空調利用の増加と光熱費の上昇

・気象の極端な変化や感染症の蔓延に伴う店舗来客数の減少

・海面上昇による沿岸部に位置する店舗・事業所等への影響

長期

(2050年)

機会

資源効率

・省エネルギー推進による電気料金の抑制

・配送方法の効率化による運送に関わる資源・エネルギーの抑制

短期

(2025年)

製品と

サービス

・資源の希少性の高まりに伴うラグジュアリーブランドの中古価格上昇

・サーキュラーエコノミーの普及に伴うリユース・リサイクルの需要増加

短期

(2025年)

市場

・グリーンボンド等ESG投資増による資金調達機会の増加

中期

(2030年)

 以上のシナリオ分析の結果、当社グループにおいては、気候変動対応が不十分と判断された時の事業機会の損失やレピュテーション低下、人材獲得能力や従業員エンゲージメントの低下を重要な移行リスクとして改めて認識いたしました。また物理リスクにおいては、自然災害による店舗やオフィス、倉庫への影響を大きなリスクとして認識いたしました。

 一方で、サーキュラーエコノミーの普及に伴い、当社グループの主要事業であるリユース市場の拡大という機会も再認識いたしました。このため、認識されたリスクに対応することが事業機会の追求や企業価値向上にも繋がるとの考えのもと、カーボンニュートラルの達成に向け取組を積極的に進めております。

 特に、影響度の高いリスクへの対応は喫緊の課題でもあり、各種施策の検討・実施を推進しております。具体的には、各種イニシアチブへの参加・賛同や、気候変動対応に関する開示の拡充、災害に備えた体制強化等を進めてまいります。CO排出削減については、Scope 1、Scope 2の削減はもとより、Scope 3においても排出量の多いカテゴリから優先的に対応を検討し、カーボンニュートラルを目指してまいります。

 

(3)リスク管理

 気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ全般のリスク管理に含みます。詳細は「1.サステナビリティ全般(3)リスク管理」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、気候変動に対する取組の指標としてGHG排出量を設定し、2030年8月期までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げております。GHG排出量実績は、当社コーポレートサイト Sustainabilityページ ESGデータ(https://www.valuence.inc/sustainability/data/)で開示しております。

 今後、GHG排出量の算定を含む現状の把握と環境負荷低減に向けた具体的な施策の検討を進めるとともに、更なる開示の拡充に取り組んでまいります。

 

3.人的資本

(1)戦略

 当社グループは、パーパスの実現に向けて、人材の専門性の強化及び組織としての多様性の確保に取り組み、人材の価値を最大限に引き出すことが必要不可欠であると認識しております。すべての社員が最も生産的かつ満足度の高い状態で働ける状態を目指し、以下のとおり人材育成及び社内環境整備に関する方針を定めております。

 

[人材育成方針]

 すべての社員が自分の好きなこと・得意なことを仕事にし、自分らしくイキイキと働けるよう、「OJT」「Off-JT」「自己啓発」の3つの観点で人材育成を推進いたします。

OJT(実務経験)

Off-JT(座学)

自己啓発(主体的な学び)

・実務経験

・定期的な振り返り

・理念浸透

・知識習得

・スキル習得

・自己啓発支援

 

[ダイバーシティポリシー]

 当社グループは、全ての社員が自分らしく仕事に取り組めるよう、人種、宗教、年齢、性別、国籍、障がい、性的指向、性自認等、あらゆる差別を禁止し人権を尊重いたします。職場において社員があらゆるハラスメントを受けることなく、更なる多様性を受け入れるしなやかな組織に向けた啓蒙活動を継続して行ってまいります。

 

[健康宣言]

 当社グループは、「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」というミッションを掲げ、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮することが企業価値向上に繋がるという考えのもと、私たちに関わるあらゆる人々が健康かつ安全・安心に働くことができる世の中を目指してまいります。

 

 これらの方針に基づき、中期経営計画「VG1000 ver2.0」の達成に向けて、事業成長と人材成長の観点で人事戦略を立案し、施策を展開しております。

組織・人事戦略

概要

事業成長

組織力強化

世界No.1のラグジュアリーリユースプラットフォームの地位を確立していくにあたり、事業成長・環境変化に柔軟に対応できる組織を編成

グローバル化加速

海外拠点の強化に向け、ローカル社員及び赴任者の働きがい・働きやすさを向上

企業価値向上

人的資本経営を意識した指標を設定し、対外的な開示を通じた企業価値向上

D&I推進

多様な個性が互いに尊重・協働でき、かつ社員一人ひとりが個性・能力を発揮できる環境の創出

人材成長

採用・配置

要員計画充足を考慮しつつ、当社の理念・組織風土に適合する社員の採用と、キャリア希望を踏まえた配置

処遇・育成

パフォーマンスだけでなく、当社のValue Mindを体現し自ら学び続ける人材の適切な処遇

定着

当社の理念・組織風土に適合する社員の働きがい・働きやすさの確保を通じた定着率の向上

 

(2)指標及び目標

 人材育成方針及び社内環境整備方針に関連する指標及び目標については以下のとおりであります。

指標

2025年8月期(目標)

2023年8月期(実績)

従業員エンゲージメントスコア(注)1

4.2

3.3

女性管理職比率

25.0%

18.7%

男性育休取得率

70.0%

32.0%

男女賃金格差:全労働者(注)2

82.0%

76.0%

(注)1.外部エンゲージメントサーベイ「会社満足度」「仕事満足度」「上司満足度」「職場満足度」における各スコア平均値(1~5段階評価)を算出しております。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。

3.女性管理職比率及び男性育休取得率は、提出会社・バリュエンスジャパン株式会社の2社に在籍する正社員(出向社員を含む)を対象に算出しております。

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループの事業又は本株式の投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1)仕入体制について

① リユース品の仕入について

 当社グループの事業において、リユース品の買取仕入は収益確保における基盤となっております。しかしながら、リユース品の買取仕入は新品と異なり、お客様の売却希望商品の持込数に依存することから、仕入量の調節が難しいという環境にあります。そのため、より安定した買取仕入を行うべく、インターネット上でのSEO対策の強化に加え、カスタマーサポートの充実や、電話やSNS「LINE」を使用した事前査定を実施することで当社グループ買取店舗への誘導を図っております。また、宅配買取、出張買取、オンライン買取も実施し、仕入体制の強化に努めております。更に、海外での買取も開始しております。

 しかしながら、今後における景気動向の変化、競合の買取業者の増加、顧客マインドの変化、宝石・貴金属等における相場変動等によって、質・量ともに安定的なリユース品の確保が困難となった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

② 仕入担当者について

 リユース品の仕入金額については、金やプラチナ等の相場がある場合を除き、あらかじめ流通価格が決まっているものはありません。また、ブランドの人気の移り変わりや近年におけるリユース品流通量の増大により、当社グループのリユース品仕入においては、商品の真贋チェック(当社グループの規定に準ずるか否かのチェック。以下同じ。)を行い、その時々の状況に合わせた適正な買取価格を提示できる買取スタッフの存在が欠かせません。従って、専門知識と経験を持ち合わせた買取スタッフの人員確保は、当社の重要な経営課題であると認識しております。

 以上により、買取スタッフの人員確保が計画どおり進まない場合、当社グループのリユース品買取仕入活動及び店舗の出店計画は制約を受けるため、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

③ コピー商品の買取リスクについて

 バッグや時計といったブランド品については、一部ブランドの「コピー商品」の流通が広範囲にわたっており、社会的な問題となっております。当社グループにおいては、日頃から各買取スタッフの真贋チェック能力を養うことにより、コピー商品の買取防止に努めております。また、お客様(パートナー及び一般消費者)に安心して商品をお買い求めいただくために、販売前にも再度入念な真贋チェックを行っており、誤って仕入れたコピー商品については、全て返品もしくは廃棄処理を行い、コピー商品の販売防止に努めております。また、必要に応じて、社外に真贋チェックを依頼しております。

 しかしながら、各ブランドの正規店からの仕入ではなく二次流通にて一般消費者から商品を仕入れるという特性上、常にコピー商品の買取・販売のリスクを含んでおり、当該トラブルの発生及びこれに伴う信頼低下により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

④ 盗品の買取リスクについて

 買い取った商品が盗品であると発覚した場合、民法の規定では2年以内、古物営業法に関する規定では民法の認める場合に加えて古物商が公の市場より仕入れてから1年以内であればこれを無償で被害者に回復することとされております。当社グループにおいては、少しでも盗品と疑わしい商品については買取を控え、警察当局とも密に連携を図る等、盗品の流通を阻止すべく体制を整えております。

 また、古物営業法及び民法遵守の観点から、古物台帳(商品の買取記録を詳細に記載した台帳)を業務システムと連携させることで、盗品買取が発覚した場合には適時適切に警察当局の捜査に協力し、盗品を被害者へ無償返還できる体制を整えております。しかしながら、事業特性上、盗品の買取を完全に防止することは困難であり、盗品の買取による仕入ロスや当該トラブル発生に起因した信頼低下により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(2)店舗・事業所展開、運営について

① 今後の店舗出店について

 当社グループはこれまで、買取店舗「なんぼや」「BRAND CONCIER」「古美術八光堂」を全国に展開することにより、買取仕入量を確保してまいりました。

 今後、更なる成長へ向けて仕入力の強化が必須でありますが、今後の買取店舗の出店が計画どおりに進まなかった場合、リユース商品の仕入が計画を下回り、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

② 当社グループの営業エリアについて

 当社グループは、取扱商品におけるマーケット規模が大きい三大都市圏の中心である東京特別区、大阪市、名古屋市及びその周辺に買取店舗が多く存在しております。これらのことから、三大都市圏及びその周辺に影響を与える大規模災害の発生等により事業設備の損壊、各種インフラの供給制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

③ 賃貸借契約による店舗退店、賃料上昇について

 当社グループが展開する買取店舗は賃借店舗であることから、何らかの理由により契約が更新できない場合、また、契約更新時などに賃料が上昇した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

④ システム障害について

 当社グループの事業においては、インターネットによる集客をはじめ、店舗での現金払出しに関連する不正防止や買取から販売までの間の個別の商品の管理、買取及び販売の相場データの収集、オンライン上でのオークション販売に至るまでITシステムへの依存が大きくなっております。

 このため、数日間のシステム停止であれば人の組織的な対応で事業を継続できる側面がありますが、想定以上のシステム停止等が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

⑤ 減損会計の適用について

 当社グループは、買取店舗及び小売店舗を展開しておりますが、事業環境の変化等により各店舗の採算性が低下した場合、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、減損処理が発生しないよう各拠点の収益管理を徹底し、採算性の悪い拠点に対しては対策を講じておりますが、不採算拠点の増加や閉鎖が増加した場合には、多額の減損損失が発生する可能性があります。

 

(3)外部環境の変化による影響について

① 外部環境の変化に伴う業績変動について

 当社グループは、貴金属、時計、地金、宝石及びブランド品が主な取扱商材となっており、そのほか、骨董・美術品等も取り扱っており、特定の商品に依存しない安定した販売体制を構築しております。また、今後の更なる収益拡大に向け、自動車、不動産など取扱商品のジャンルを拡大し、世界中で共通の価値がある実物資産を幅広く取り扱ってまいります。

 しかしながら、取扱商材によっては流行の変化に伴う経済的陳腐化や、為替相場、貴金属・地金相場及び時計相場の変動等により価値下落がもたらされるもの、牽引役となる人気商品・ヒット商品の有無により販売動向が大きく左右されるものが存在しており、為替・株式市況等の乱高下、景況感の急激な変化等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 なお、特に貴金属・地金相場及び時計相場の変動により、計画どおり仕入ができない場合、売上高が影響を受ける可能性があります。また、自社オークションを始めとする複数の販路を有しており、各相場動向を見ながら販路選択を行い、在庫回転期間を長期化させることなく販売することが可能ですが、計画どおりの売上総利益率が確保できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

② 自然災害等による影響について

 新型コロナウイルス感染症拡大による政府の緊急事態宣言発令を受け、一部の店舗営業の臨時休業等を行った結果、リユース品の買取及び販売において若干の影響が生じておりました。現在は、販売については自社開催のオークションをオンライン化し、買取については顧客と従業員の安全の確保を大前提として感染拡大に留意しながら通常の体制で営業を行っておりますが、今後、緊急事態宣言の発令やそれに類する事態が発生した場合、また、その他自然災害の発生によって店頭買取・出張買取といった商品買取をはじめとした営業活動に支障をきたす可能性があります。

③ 為替相場の変動に伴う売上の減少及び利益率の悪化について

 当社グループは、買取った商品を自社開催のオークションを通じて国内外のリユース業者へ卸販売しております。オークション参加業者の中には短期間で海外へと転売するビジネスモデルを採る業者も存在することから、構造的に為替変動の影響を受ける側面があります。オークションにおける落札価格に為替の影響が加味されるため、円安時は金額が伸びやすく、円高時は金額が抑えられる傾向にあります。

 この傾向は、様々な国や地域からのオークション参加が増えることで軽減されると考えておりますが、為替変動のタイミングとその時のオークション参加パートナーの国別割合によって、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

④ 競合の激化について

 当社グループでは主に商品の買取において同業他社との競合が生じており、当社においては、マーケティングの強化、利便性の高い立地への出店、店舗におけるサービスクオリティーの向上、継続的な人材教育により、競争力の向上及び競合他社との差別化を推進していく方針であります。

 しかしながら、今後において、新規参入企業により一層の競合激化が生じた場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

⑤ 有利子負債への依存度について

 当社グループは、運転資金の多くを金融機関からの借入金等に依存しているため、金融情勢の変化などにより計画通り資金調達ができない場合には、事業展開等に影響を受ける可能性があります。なお、2023年8月期末時点の有利子負債(リース債務含む)は15,260百万円(有利子負債比率(注)179.8%)であります。また、今後は小売販売も強化してまいりますが、小売販売の割合が高まることに伴い、有利子負債の比率が上昇する可能性があります。当社グループは、複数の金融機関との間で総額110億円のコミットメントライン契約を締結することで、十分な資金の流動性を確保しております。加えて、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引金融機関との良好な取引関係を維持しております。更に、金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には利益を圧迫し、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(4)法的規制について

① 古物営業法に関する規制について

 当社グループは、古物営業法にかかる法的規制を受けており、古物営業の許可を都道府県公安委員会より受けております。古物営業の許可には有効期限は定められておりませんが、古物営業法又は古物営業に関する他の法令に違反した場合、盗品等の売買等の防止もしくは盗品等の速やかな発見が著しく阻害される恐れがあると認められる場合には、公安委員会は古物営業法第24条に基づき営業の停止もしくは許可の取消しを行うことができるとされております。

 当社グループは、古物商の許可を受けて古物の売買を行っており、古物市場主の許可を受け、かつ競り売りの届出を行い古物商間及び海外パートナーとの古物の売買をしております。また、同法に関する社内教育を徹底し、同法に定められている買取依頼者の本人確認、古物台帳の管理の徹底等、同法を遵守した営業活動を行っており、事業継続に支障をきたす事象発生は無いものと認識しております。

 しかしながら、今後、同法に抵触するような事件が発生し、許可の取消し等が行われた場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

② 個人情報の管理について

 当社グループでは、店舗業務や販売促進等において、顧客の住所、氏名、職業、年齢、クレジットカード情報等を取り扱っており、これら個人情報も帳簿等に記載又は電磁的方法により記録し、管理しております。このため、当社グループにおいては個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備し、プライバシーマークを取得する他、社内規程等ルールの整備、社内管理体制の強化、社員教育の徹底、情報システムのセキュリティ強化等により、個人情報保護マネジメント機能の向上を図り、「個人情報の保護に関する法律」の遵守、個人情報の漏洩防止に努めております。また、海外におけるGDPR、CCPA、PDPA等の法規則にも対応できるよう整備しております。

 しかしながら、個人情報の漏洩が発生した場合、社会的信用の失墜、事後対応による多額の経費発生等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

③ 犯罪による収益の移転防止に関する法律について

 当社グループの事業は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が適用されます。当社グループが同法令の遵守を怠った場合、行政庁による指導、助言及び勧告並びに罰則を受けることがあり、その場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 

(5)海外の事業展開について

 当社グループでは、事業拡大を図るために、グループ事業の海外展開を進めていく方針であります。そのなかで、各国の景気変動、政治的・社会的混乱、法規制等の変更、大幅な為替変動などが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。また、海外で買取店舗を運営する海外パートナーは当社グループの屋号を使用して店舗運営を行うため、現地パートナーの店舗運営に関してネガティブな情報や風評が流れた場合には、ブランドイメージの低下を招くことにより、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性があります。

 

(6)株式価値の希薄化について

 当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、また、譲渡制限付株式報酬制度を導入し当社グループの役員及び従業員に譲渡制限付株式を付与しております。今後もこれらの制度の活用を検討しておりますが、新株予約権が行使された場合、また、譲渡制限付株式を付与した場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 なお、新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

 

(7)新規事業、企業買収及び投資に係るリスクについて

 当社グループは、新規事業への進出、既存事業強化等のため、シナジー効果が期待できるM&A及び投資を実践していくことで、グループにおける企業価値の向上を目指しておりますが、M&A対象会社又は投資対象先に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等は影響を受ける可能性があります。

 

(8)SFプロパティマネジメント株式会社との取引について

 当社連結子会社であるバリュエンスジャパン株式会社は、運営するVALONに設置する美術品について当社グループの事業戦略上、富裕層ビジネスの展開を目的として、当社代表取締役である嵜本晋輔が代表取締役を務めるSFプロパティマネジメント株式会社と、2023年8月に関連当事者取引を行っております。取引内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  注記事項  関連当事者情報」に記載のとおりです。

 当社グループは、関連当事者取引を行わないことを原則としておりますが、関連当事者取引を行う場合には、取引の合理性や取引価格の妥当性の検証を含めて十分に審議し、独立役員、監査等委員の見解を踏まえた上で取締役会の承認を得なければならないこととしております。事業年度毎に取引が継続する場合も同様としております。また、取締役会に実施状況を定期的に報告するとともに、監査等委員会による監査や内部監査における監査で取引内容等のチェックを行うことで、取引の健全性及び適正性の確保に努めております。

 

(9)下期への業績偏重について

 当社グループは、店頭買取が約90%であることから、年末年始や営業日数が他の月より少なくかつ平均気温が1年を通じで最も低い2月等は、集客及び仕入が減少する傾向にあります。また、当社グループの流通取引総額の5割超を占める自社オークションにおいては、オークション参加事業者が年末商戦に向けた仕入を7~8月で加速させる傾向にあります。これらの要因により、当社グループの業績は下期に偏重となる傾向があります。

 

(注)有利子負債比率は、短期借入金、1年以内償還予定の社債、1年以内返済予定の長期借入金、社債、長期借入金及びリース債務の合計額を純資産合計から新株予約権を控除した額で除して算出しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 なお、当社は「ブランド品、骨董・美術品等リユース事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

① 経営成績の状況

 当社グループは、地球環境も含めた持続可能性を高め中長期的な競争優位性を確立することが必要不可欠であるという認識のもと、「Circular Design for the Earth and Us」をパーパスに設定し、2030年に「Circular Design Company」の実現を目指しております。

 2023年8月期は、特に人への投資を重点的に行う年と位置付け、新規出店及び事業規模拡大のための人員拡充に加え、従業員の能力向上、スキル習得等、積極的な人への投資を行いました。また、仕入拡大やオークションプラットフォームの充実に向けた投資は継続し、株式会社米自動車のM&Aや小売店舗の出店、グローバルEC構築に向けたECサイトリプレイスなど、2024年8月期以降の投資テーマである領域拡大、グローバル投資についても着手しております。

 当連結会計年度の連結業績は以下のとおりとなりました。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年9月1日

  至 2022年8月31日)

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

前期比

増減額

増減率

売上高

63,385

76,130

12,744

20.1%

営業利益

1,888

2,183

294

15.6%

経常利益

1,791

2,034

243

13.6%

親会社株主に帰属する

当期純利益

969

1,050

81

8.4%

 

(仕入高)

 当連結会計年度の仕入高は56,168百万円(前期比6,758百万円増、同13.7%増。株式会社米自動車の仕入高を除く)となりました。WEBマーケティングによる集客、1to1マーケティングによるリピーター獲得が好調だったことに加え、新型コロナウイルス感染症が第5類に移行したことや、アライアンスの取組が拡大したこと、地金相場高騰の影響等により好調に推移いたしました。

 

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は76,130百万円(前期比12,744百万円増、同20.1%増)となりました。インバウンド需要を見越した国内事業者の買い意欲が高まったことでオークション売上高が伸長したことに加え、インバウンド需要回復による店舗売上高の増加やALLU AUCTION開催等により小売売上高も好調に推移いたしました。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は56,116百万円(前期比9,046百万円増、同19.2%増)、売上総利益は20,013百万円(前期比3,697百万円増、同22.7%増)となりました。売上総利益率につきましては、オークション委託拡大における手数料売上の増加や、売上総利益率の高い小売売上高の伸長などにより26.3%(前期比0.5ポイント増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、売上高営業利益率)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は17,829百万円(前期比3,402百万円増、同23.6%増)となりました。これは主に、積極的な人への投資に伴う人件費の増加や、WEBマーケティング強化による広告宣伝費の増加、新規出店等に伴う地代家賃が増加したこと等によるものであります。また、オークションプラットフォームをはじめとしたシステム開発・保守運用に関連する業務委託費等も増加いたしました。

 これらの結果、営業利益は2,183百万円(前期比294百万円増、同15.6%増)となりました。売上高営業利益率については2.9%(前期比0.1ポイント減)となりました。

 

(営業外損益、経常利益、売上高経常利益率)

 当連結会計年度の営業外損益は、人材雇用に係る助成金収入の減少等により営業外収益が36百万円(前期比12百万円減、同25.5%減)、また、営業外費用は、支払利息や為替差損の増加等により185百万円(前期比38百万円増、同26.5%増)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の経常利益は2,034百万円(前期比243百万円増、同13.6%増)、売上高経常利益率は2.7%(前期比0.2ポイント減)となりました。

 

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益、売上高当期純利益率)

 当連結会計年度の特別損益は、本社移転に係る債務免除益の発生等により特別利益が107百万円(前期比107百万円増)、また、買取店舗の減損損失の発生や本社移転に係る事務所移転費用の発生等により特別損失が228百万円(前期比120百万円増、同111.4%増)となりました。法人税等合計は、法人税の増加等により863百万円(前期比149百万円増、同21.0%増)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,050百万円(前期比81百万円増、同8.4%増)、売上高当期純利益率は1.4%(前期比0.1ポイント減)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末におきましては、主に仕入が好調に推移したこと等で商品が増加したことによる流動資産の増加や買取及び販売店舗の新規出店や本社移転等による固定資産が増加した結果、資産合計は27,675百万円となりました。仕入資金、株式会社米自動車の株式取得や本社移転等にかかる資金調達により社債や長期借入金が増加した結果、負債合計は18,841百万円となりました。

 また、主に配当金の支払いによる減少と親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加の結果、純資産合計は8,834百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におきましては、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費が増加し、棚卸資産の増加や法人税等の支払いによる資金の減少の結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、1,374百万円の収入となりました。

 投資活動としましては、主に買取及び販売店舗の新規出店や本社移転による固定資産の取得や株式会社米自動車の株式取得による支出の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、2,538百万円の支出となりました。

 財務活動としましては、主に投資活動に係る長期借入れによる収入の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,723百万円の収入となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当社グループでは生産活動を行っていないため該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループでは受注活動を行っていないため該当事項はありません。

 

c.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

ブランド品、骨董・美術品等リユース事業

56,901,849

115.2

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

ブランド品、骨董・美術品等リユース事業

76,130,018

120.1

(注)主な相手先別の最近2連結会計年度における販売実績については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年8月31日)

当連結会計年度

(2023年8月31日)

増減額

流動資産

16,804

19,227

2,423

 

現金及び預金

7,807

8,336

528

 

商品

6,329

7,633

1,304

 

その他

2,667

3,257

590

固定資産

6,445

8,448

2,002

 

有形固定資産

2,846

3,806

960

 

無形固定資産

852

2,093

1,240

総資産

23,249

27,675

4,425

負債

15,395

18,841

3,445

 

有利子負債

12,515

15,260

2,744

 

その他

2,880

3,580

700

純資産

7,853

8,834

980

負債・純資産合計

23,249

27,675

4,425

 

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産合計は19,227百万円(前期比2,423百万円増)となりました。この主な要因は、資金調達による現金及び預金の増加528百万円や、株式会社米自動車の子会社化の影響を含めた商品の増加1,304百万円があったことに加え、未収消費税等の増加250百万円等によるものであります。固定資産合計は8,448百万円(前期比2,002百万円増)となりました。この主な要因は、販売店舗の新規出店・本社移転等に伴う有形固定資産の増加960百万円、株式会社米自動車の子会社化に伴うのれんの発生や、システム開発に伴うソフトウェア及びソフトウェア仮勘定等の計上等による無形固定資産の増加1,240百万円によるものであります。これらの結果、資産合計は27,675百万円(前期比4,425百万円増)となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債合計は14,822百万円(前期比501百万円増)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少799百万円等があった一方で、1年内償還予定の社債の増加200百万円や、1年内返済予定の長期借入金の増加623百万円があったほか、新オフィスのフリーレント契約による未払費用の発生等によるその他流動負債の増加459百万円によるものであります。固定負債合計は4,018百万円(前期比2,943百万円増)となりました。この主な要因は、社債の増加700百万円、長期借入金の増加1,989百万円があったこと等によるものであります。これらの結果、負債合計は18,841百万円(前期比3,445百万円増)となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は8,834百万円(前期比980百万円増)となりました。この主な要因は、配当金の支払による減少があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加729百万円があったほか、新株発行による資本金及び資本準備金の増加242百万円等によるものであります。

 

b.経営成績

 買取面においては、新規出店及びWEBマーケティング等による効率的な集客拡大に向けた取組を展開いたしました。また、更なる仕入拡大に向け、他業種とのアライアンスによる買取等も強化しております。これらの結果、当連結会計年度における仕入高は56,168百万円(前期比6,758百万円増、同13.7%増。株式会社米自動車の仕入高を除く)となりました。

 出店戦略については、新規出店や店舗移転を推進し、より利便性の高い店舗網を構築するとともに、不採算店舗については退店を行うなど、店舗効率の最大化を進めてまいりました。これらの結果、当連結会計年度末におけるグループ全体の買取店舗数は、国内135店舗、海外38店舗となりました。

 

[仕入高・店舗数]

0102010_005.png

※店舗数には海外店舗も含み、( )はそのうちの海外店舗数であります。

 

 販売面においては、自社オークション「STAR BUYERS AUCTION(以下、「SBA」という。)」及び小売における売上高が好調に推移し、当連結会計年度の売上高は76,130百万円(前期比12,744百万円増、同20.1%増)となりました。

 当連結会計年度における売上総利益率は、26.3%(前期比0.5ポイント増)となりました。小売売上高の拡大に加え、SBAの月4回開催が定着したことや、自社オークションにおける委託落札額が伸長したことで、売上総利益率は上昇いたしました。

 

[売上高・売上総利益率]

0102010_006.png

 

 国内だけでなく海外パートナーが数多く参加しているラグジュアリー品に特化したグローバルプラットフォームとしてSBAの認知が拡大してきた結果、当連結会計年度の自社オークション売上高は40,393百万円(前期比6,480百万円増、同19.1%増)となりました。また、2023年3月からSaaS型新機能の提供を開始したこともあり、自社オークションにおける委託落札額が伸長し、当連結会計年度の自社オークション手数料売上高は2,851百万円(前期比724百万円増、同34.1%増)となりました。

 また、株式会社米自動車の業績貢献により卸売・その他(地金除く)売上高は10,749百万円(前期比2,645百万円増、同32.6%増)となり、金相場が引き続き好調に推移したことから卸売(地金)売上高は13,007百万円(前期比488百万円増、同3.9%増)となりました。

 小売施策としては、2022年12月に「ALLU心斎橋店」をオープンしたほか、個人向けオークションである「ALLU AUCTION」を2023年1月より四半期毎に開催するなど、顧客との関係性深化及びALLUブランドの認知向上を図ることで小売強化に努めました。小売店舗においては、訪日外国人向けの販売が店舗売上高の5割を超え、好調に推移いたしました。これらの結果、当連結会計年度の小売売上高は9,127百万円(前期比2,404百万円増、同35.8%増)となりました。

 

[売上高(販路別)]

0102010_007.png

※当連結会計年度より、株式会社米自動車の売上高を卸売・その他(地金除く)に含めております。

 

 インバウンド需要の回復に伴い国内パートナーの買い意欲が旺盛であったことや、小売店舗における訪日外国人向けの販売が好調であったこと、加えて株式会社米自動車の業績を含む卸売・その他売上が拡大したこと等により、国内売上高は59,117百万円(前期比10,573百万円増、同21.8%増)となりました。また、海外売上高比率は22.3%と高い水準で推移いたしました。

 

[売上高(国内・海外)]

0102010_008.png

 

 フルフィルメントサービスやSaaS型新機能などのオークションプラットフォーム等のシステム開発、SEOをはじめとしたWEBマーケティングの強化、新規出店等や荷量増加に伴う人材採用や積極的な人材育成等を行ったことにより、販売費及び一般管理費は17,829百万円(前期比3,402百万円増、同23.6%増)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度の営業利益は2,183百万円(前期比294百万円増、同15.6%増)となりました。

 

[販売費及び一般管理費]

0102010_009.png

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年8月31日)

当連結会計年度

(2023年8月31日)

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

△1,716

1,374

3,090

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,536

△2,538

△1,001

財務活動によるキャッシュ・フロー

2,691

1,723

△967

現金及び現金同等物の期末残高

7,806

8,334

528

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて528百万円増加し、8,334百万円となりました。

 当連結会計年度中における各区分のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,374百万円の収入(前連結会計年度は1,716百万円の支出)となりました。これは税金等調整前当期純利益1,914百万円や、減価償却費971百万円、株式報酬費用169百万円等による資金の増加があった一方、棚卸資産の増加額934百万円や、未収消費税等の増加額245百万円、法人税等の支払額840百万円等による資金の減少があったためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,538百万円の支出(前連結会計年度は1,536百万円の支出)となりました。これは買取及び販売店舗の新規出店やオフィス移転等の有形固定資産の取得による支出1,341百万円や、オークションプラットフォーム等のシステム開発に伴う無形固定資産の取得による支出831百万円があったことに加え、株式会社米自動車の株式取得による支出471百万円等の資金の減少があったためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,723百万円の収入(前連結会計年度は2,691百万円の収入)となりました。これは短期借入金の減少額898百万円や、長期借入金の返済による支出718百万円、配当金の支払額320百万円があった一方、社債の発行による収入1,000百万円や、長期借入れによる収入3,050百万円等の資金の増加があったためであります。

 

b.資金調達

 当社グループは、事業の維持拡大に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安全性維持を資金調達の基本方針としております。資金調達手段の多様化と資本効率の向上を企図し、金融機関からの借入等、一部有利子負債を活用しております。また、複数の金融機関との間で総額11,000百万円のコミットメントライン契約を締結することで、十分な資金の流動性を確保しております。

 当連結会計年度末における有利子負債(リース負債除く)の残高は、15,008百万円であります。

 当社グループでは、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握・管理しております。また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関と良好な取引関係を維持し、加えて財務体質の強化にも努めております。

 

c.資金需要の主な内容

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、商品買取に係る仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資資金需要は、主に、オークションプラットフォーム構築や買取・販売に係る社内システムの改修に係るシステム投資、買取店舗や小売店舗の新規出店に係る設備投資によるものであります。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務健全性の維持と資本効率性の向上を両立させながら対応していく方針であります。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。

 当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

①コミットメントライン契約

 当社グループは、運転資金の効率的な調達のため、取引銀行と総額11,000百万円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。なお、当該契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は600百万円であります。

 

②株式譲渡契約及び株式交換契約

 当社は、2022年12月22日開催の取締役会決議に基づき、同日付で株式会社米自動車(以下、「米自動車」という。)の株式取得に係る株式譲渡契約及び株式交換契約を締結いたしました。株式譲渡契約書に基づき、2023年1月31日付で米自動車の発行済株式の一部を取得するとともに、株式交換契約に基づき、2023年2月28日付で当社を株式交換完全親会社、米自動車を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を実施し、同社を完全子会社化いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、自社研究及び国立大学法人 北海道大学 大学院情報科学研究院との共同研究を通じて、人工知能を活用し、外部環境等を反映したオークション価格の動的設定や買取査定価格の自動算出についての研究を行っております。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は26百万円であります。