第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について、当社は主に以下の項目を認識しております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) IoT(Internet of Things、以下「IoT」という。)による産業構造の変化と、それに対する当社への期待貢献

当社をとりまく経営環境について、当社では、IoTによって各種メーカーの事業に、1.メーカーとエンドユーザーがサービスによって直接繋がる、2.このため、メーカーが決済機能を有する必要が生じる、3.これらメーカーとエンドユーザーの関係性の変化にその特性が合致する、サブスクリプション型ビジネスへの転換が更に進むという3つの構造的な変化がもたらされるものと想定しております。当社製品「Bplats®」はこれらの変化に追随可能なプラットフォームとして稼働実績を有しておりますが、今後より多くのニーズと顧客事業規模の拡大に追従するため、機能の強化と信頼性の更なる向上のために製品開発に積極的な投資を行う必要性があることを対処すべき課題と認識しております。

 

(2) 拡大する市場に対する対応

わが国においては、平成29年6月に閣議決定された新たな成長戦略である「未来投資戦略2017」において「第4次産業革命(IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボット、シェアリングエコノミー等)」が掲げられております。当社のサブスクリプション事業の分野別売上高の構成は、当事業年度においてIoT分野37.4%、クラウド分野33.0%、通信分野27.6%、その他2.0%となっており、わが国におけるIoT市場の高まりに、当社も後押しされる形となっているものと考えております。このような経営環境のもと、当社「Bplats®」への潜在的なニーズは更に高まるものと認識しており、それら潜在したニーズに当社の認知度や市場への浸透力が対応しうるか、また、顕在化したニーズに対し商品力の強化・稼働環境の堅牢化や安定化が追従しうるか、ということが対処すべき課題と認識しております。

 

(3) データ流通に対する取り組み

クラウド上に蓄積されたビッグデータをどう流通しビジネスとしていくか、その管理や決済を含む仕組み作りのニーズが今後高まっていく経営環境となるものと当社は想定しております。既に当社製品「Bplats®」では、クラウドコンピューティングのみならず、その上で蓄積されたビッグデータの売買にも対応できる機能を備えておりますが、黎明期にあるこの市場のニーズは、実現手段としての機能のみならず、むしろ、無形のデータに対する値付けのルール等、より前段階のビジネス設計のための啓蒙的なニーズが非常に高いものと認識しております。当社は、これまで顧客と蓄積してきた先行的な知識をフィードバックし、これら新たな市場の拡大を加速する役割を期待されていることを対処すべき課題として捉えており、商品・サービスの価格決定スキーム等に示される「プライシングサイエンス」の研究概念を提唱し、各教育・学術機関と協力して取り組みを進める経営方針を有しております。

 

(4) Fintechのうち決済機能の強化

当社製品「Bplats®」では、流通される商品に最大約1万項目のパラメータを設定し、1通貨単位以下で精緻に料金を算出できる機能を有しており、既に様々な顧客、特にクラウドコンピューティングの領域において利用されております。一方、現在当社が提供する決済手段においては、最低の取引単位が1通貨(1円)単位となるため、それ以下の計算結果は丸め処理を行っております。今後、仮想通貨の更なる普及等を背景に、1通貨単位を下回る取引(マイクロペイメント)や、実通貨以外の決済ニーズが高まってくる経営環境となるものと当社では想定しており、これらの領域を機能として取り込んでいく必要性を対処すべき課題として認識しております。

 

(5) 製品開発への積極的な投資

経営方針として、製品開発に対する積極的な投資による、製品の高付加価値化、新製品の開発を進めてまいります。当社事業の根幹となる製品開発に対する投資は、製品の高付加価値化をもたらし、より多くの顧客を獲得するとともに、製品単価の向上等、より良好な収益構造の構築を可能にするものであり、既に顕在化しているニーズに対応するのみならず、更なる当社業域の拡大を目指すものであります。

 

 

(6) 主要事業領域での顧客数の増大・売上伸長

IoT、クラウド、通信の3つの主要事業領域において、既存事業の強化に加えて、AWSモジュール(Amazon Web Services, Inc.の製品とBplats®の連携モジュール)、SORACOMモジュール(株式会社ソラコムの製品とBplats®の連携モジュール)等、業態特化型サービスの開発・投入を更に進めていくことで、顧客数・売上高の安定的かつ持続的な成長を目指して、事業を進めてまいります。

 

(7) 戦略提携を通じた拡販力の強化

成長における時間効率とダイナミズムを実現するため、戦略提携を強化する方針であります。パートナー戦略(販売協力・OEM)を推進しているほか、パートナーと協力した海外市場への積極的な展開も目指してまいります。

 

(8) 当社市場の更なる拡大

「Bplats®」は利用モデルや業種に捉われることなく活用していただけるシステムとなっており、「所有から利用へ」というサブスクリプション型のビジネスが、多くの産業において新しいビジネスの潮流となるなか、規制緩和が進む電力、ガスといった利用量課金型のサービス、また、シェアオフィスやカーシェアリング等に代表される「シェアリングエコノミー」型ビジネス、レンタルサービス、会員制サービス等、今後更に多くの分野でも「Bplats®」の採用が市場で拡大することを当社は期待しております。

 

(9) システム技術・インフラの強化

当社が提供するプラットフォームビジネスは、お客様の契約情報、課金情報等を一元的に管理する目的から、システムの安定的な稼働及びクラウドサービスやIoT等の技術革新への対応が重要な課題と考えております。これに対し、当社ではサーバー等のシステムインフラを安定的に稼働させるべく、 継続的なインフラ基盤の強化及び専門的な人員の確保に努めるとともに、必要に応じ他社が提供するサービスを利用し、技術革新にも迅速に対応できる体制構築に努めてまいります。

 

(10) 海外市場への展開

当社は、国内のみならず、今後IoT等を中心にサブスクリプション市場の拡大が見込まれる海外市場にいち早くプラットフォームを提供することが重要な課題であると考えております。現在、当社のプラットフォームを用いた日本国内企業の海外事業展開を実現させております。当社では、今後もより一層の事業拡大を実現させるべく、事業拡大に応じた内部体制の更なる強化、人員の確保及び育成を行い海外市場への更なる展開を行ってまいります。

 

(11) 優秀な人材の確保と組織体制の強化

当社は、今後の更なる事業拡大のために、優秀な人材の確保及び当社の成長フェーズに応じた組織体制の強化が不可欠であると認識しております。人材の確保においては、当社の企業風土にあった国内・海外の人材の採用・登用に努め、あわせて従業員の入社年数等の段階にあわせた教育プログラムを体系的に実施することによって、各人のスキル向上を図ってまいります。組織体制につきましては、国内及び海外にて事業拡大に応じた内部体制の更なる強化を図り、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業展開その他に関し、リスク要因となる可能性があると認識している主な事項を以下の項目に記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスクについて

① 情報サービス産業における技術革新について

当社が属する情報サービス産業においては、技術革新が激しくそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが求められております。当社としても、技術革新に応じたシステムの拡充・改善及び事業戦略の修正等を迅速に行う必要があるものと考えており、システム開発並びに企業運営においても相応の体制を敷いております。

しかしながら、技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、事業環境の変化等により顧客企業のIT投資ニーズが急速かつ大きく変化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報セキュリティリスクについて

当社では、サービス提供において、業務上、顧客企業が保有する個人情報や顧客企業の機密情報を知り得る場合があります。このため、当社では情報セキュリティ体制の強化に努めるとともに、平成29年2月にISO/IEC 27001:2013(情報セキュリティマネジメント)及び平成29年3月にISO/IEC 27017:2015(クラウドサービスセキュリティ)の規格に適合する証明を取得しております。しかしながら、コンピュータウイルス、不正アクセス、人為的過失、あるいは顧客システムの運用障害、その他の理由により、これらの機密情報の漏洩が発生した場合、顧客企業等からの損害賠償請求や当社の信用失墜の事態を招き、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合について

当社が属する情報サービス産業においては、一般的に激しい企業間競争が発生しやすい環境にあります。当社は製品における独自性・先行優位性を活かして事業を推進していく所存でありますが、将来において当社の製品が顧客のニーズに合致せず、市場から受け入れられない場合には事業計画どおりの売上を達成できず、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスクについて

① サブスクリプション事業への依存について

当社の売上高は、主たる事業であるサブスクリプション事業に依存しており、サブスクリプション管理システムの需要が国内・海外において成長を維持すると見込んでおりますが、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 解約等のリスクについて

当社主力製品であるサブスクリプションプラットフォーム「Bplats®」の利用契約において、利用期間は基本的に1年間としておりますが、その後、顧客の意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社としては顧客に「Bplats®」の利用を継続いただけるよう、顧客ニーズの継続的な把握及び当該ニーズを反映するための機能改善開発に取り組んでおります。しかしながら、顧客の事業変化等により、当社製品のニーズが低くなり解約数が増加した場合や、顧客である事業者の販売高に連動する従量型の利用料が想定どおりに増加しない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 製品の不具合の発生による影響について

当社は、平成29年2月にISO 9001:2015(品質マネジメント)を取得し、これに基づく品質管理基準に従って不具合等の発生防止に最大限の注意を払っております。しかしながら、当社製品の不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償請求を受けたり、当社に対する信頼性の喪失により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 業績の季節変動について

わが国においては、商習慣上3月を期末月とする企業が多く、当社製品は企業向けに事業転換・事業創出を支援するものであることから、当社顧客は新年度である4月に向けて、3月までに当社製品の導入を求める例が多くみられます。そのため、当社の売上高は、当社の第4四半期(1月から3月まで)、特に3月に偏在する傾向があり、特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難であります。また、当社の期末月でもある3月に売上計上を計画する案件については、販売パートナーや当社顧客の業務その他の要因により、売上計上の実施が4月以降となる等の変更が生じる可能性があります。これらの事項は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品の開発及びシステムの運用等に関連するリスクについて

① 製品の開発について

当社は、主力製品であるサブスクリプションプラットフォーム「Bplats®」に代表される製品群の開発・維持に係る投資を継続的に行っておりますが、これらの開発においては、計画どおりの品質を確保できない場合や、開発計画の遅延等によりコスト増大の可能性があり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、生産能力の確保、コスト効率化、技術力・ノウハウの活用のため複数の業務委託会社を活用しておりますが、期待した生産性や品質が維持できない可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害について

当社の事業はネットワーク環境、特にインターネットへの依存度が高くなっており、当社においては、インターネット並びに所定のネットワーク環境下で「Bplats®」をはじめとする当社製品群を収容するシステムを安定的かつ継続的に運用していくことが要求されます。当社では、システム障害の発生防止のために、システムの冗長化、脆弱性検査、不正アクセス防御等の対策を講じておりますが、これらの対策を講じているにも拘わらず、自然災害、事故、不正アクセス等によって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能等の障害が発生する可能性があり、これらの障害が発生した場合には、システムの作動不能や欠陥等に起因する取引の停止等について、システムへの信頼性の低下を招き、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業運営体制について

① 特定経営者への依存について

代表取締役社長である藤田健治は、当社の創業以来代表取締役を務めております。同人は、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、各部門の事業推進、外部との折衝等において重要な役割を果たしております。当社は、同人に過度に依存しない経営体制の構築を目指し、組織の体系化、人材の育成及び強化並びに権限の委譲等組織的な事業運営に注力しておりますが、同人が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

当社は現時点において小規模な組織であるため、当社の事業活動にあっては人材への依存度が大きく、今後更なる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が必要であると考えております。しかしながら必要な人材の確保及び育成が想定どおりに進まない場合、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 内部管理体制について

当社は、今後更なる事業拡大を図るために、内部管理体制についても一層の充実を図ることが必要不可欠と考えております。しかしながら、事業拡大により、内部管理体制の構築が追いつかない事態が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他

① 配当政策について

当社では、財務体質の強化及び積極的な事業展開に備えるための内部留保の充実を優先させるため、当事業年度までの過去において配当を行っておりません。当社は株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、毎期の経営成績並びに繰越利益剰余金のマイナスを含む財政状態を勘案しつつ、将来の事業拡大のために必要な内部留保とのバランスを図りながら配当による株主への利益還元を安定的かつ継続的に実施する方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期につきましては未定であります。

 

② 調達資金の使途について

当社の公募増資による調達資金の使途については、全額をソフトウエア開発に充当する計画であります。しかしながら、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化に対応するため、調達資金を予定外の使途に充当する可能性があります。また、予定どおりの使途に充当された場合でも、想定どおりの効果を上げることができず、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて

当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の当社株式の所有割合は、当事業年度末日現在35.4%であります。当社の株式上場後において、当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストック・オプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためのストック・オプションを発行する可能性があり、現在付与している新株予約権等に加え、今後付与される新株予約権等について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

なお、当事業年度末日現在、新株予約権による潜在株式数は107,000株であり、発行済株式総数1,009,480株の10.6%に相当しております。

 

⑤ 繰越欠損金について

当社は、事業拡大のための積極的な人材投資等を行ってきたことから、最近5事業年度では第11期事業年度において当期純損失を計上しており、当事業年度末日現在において278,890千円の繰越欠損金(税務上。以下本項において同じであります。)が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であるため、繰越欠損金を利用することにより将来の税額を減額することができます。しかしながら繰越欠損金の利用額と利用期間には、税務上、一定の制限も設けられております。よって計画どおりに課税所得が発生しない場合、繰越欠損金を計画どおり利用できないこととなるため、通常の税率に基づく法人税等が課税されることになり、当期純利益やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、各種政策の効果等を背景に企業収益や雇用情勢の改善が進み、景気は緩やかな回復基調が続いております。

当社を取り巻く事業環境としては、製造業を中心に「モノのインターネット化」であるIoT(Internet of Things、以下「IoT」という。)の本格的な立ち上がりが加速してきており、加えて、クラウド業界、通信業界を含め、様々な業界のサブスクリプション型ビジネスが活性化してきているものと認識しております。当社においても、IoT分野の伸長がめざましく、分野別売上の変遷において、前年同期比140.3%増と、当社内の他分野と比べ突出した成長がみられます。また、サブスクリプション事業の分野別売上高の構成においても、前事業年度においてはIoT分野18.5%、クラウド分野42.5%、通信分野36.9%、その他2.1%となっておりましたが、当事業年度においてはIoT分野37.4%、クラウド分野33.0%、通信分野27.6%、その他2.0%と変質しており、わが国におけるIoT市場の高まりに、当社も後押しされる形となっているものと考えております。

このような環境の中、当社は主力製品であるBplats®の新エディション「Bplats® Platform Edition」の販売を平成29年6月より開始しました。この新エディション「Bplats® Platform Edition」は、当事業年度における新規顧客の初期費用、初期開発費用等の売上高において60.8%を占める等、新規顧客の獲得を含め順調な立ち上がりとなりました。同時に企業運営基盤の強化にも引き続き取り組み、開発の効率化による売上原価低減も進めてまいりました。

 

以上の結果、当事業年度における売上高は561,148千円(前年同期比11.1%増)となり、営業利益は46,624千円(前年同期は29,619千円の営業損失)、経常利益は51,764千円(前年同期は29,215千円の経常損失)、当期純利益は40,469千円(前年同期は30,653千円の当期純損失)となりました。

 

また、当事業年度末における当社の財政状態については下記のとおりとなっております。

(資産)

当事業年度末の総資産は476,745千円となり、前事業年度末に比べ128,679千円の増加となりました。これは主に現金及び預金が36,416千円増加、売掛金が61,740千円増加、ソフトウエアが10,708千円増加し、ソフトウエア仮勘定を23,910千円計上したこと等が要因であります。

(負債)

当事業年度末の負債合計は238,926千円となり、前事業年度末に比べ11,790千円の減少となりました。これは主に未払法人税等が12,942千円増加、前受収益が23,465千円増加、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を除く。)が71,363千円減少したこと等が要因であります。

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は237,819千円となり、前事業年度末に比べ140,469千円の増加となりました。これは第三者割当増資の払込みにより、資本金が50,000千円増加、資本準備金が50,000千円増加したこと、利益剰余金のマイナスが40,469千円減少したことが要因であります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、税引前当期純利益の計上、売上債権の増加、長期借入による収入、長期借入金の返済による支出、株式の発行による収入等により、前事業年度末に比べて36,416千円増加し、116,869千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、106,828千円(前年同期は14,135千円の支出)となりました。これは主に税引前当期純利益51,764千円、減価償却費68,489千円、売上債権の増加61,740千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、97,339千円(前年同期は85,857千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出94,894千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果増加した資金は、26,928千円(前年同期は99,228千円の収入)となりました。これは長期借入による収入40,725千円、長期借入金の返済による支出113,397千円、株式の発行による収入99,600千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社のサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績を事業別及びサービス別に示すと、次のとおりであります。

事業及びサービスの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

サブスクリプション事業

542,966

118.7

 

初期費用・初期開発等

274,595

109.0

 

 

月額利用料等

268,371

130.7

その他の事業

18,181

38.0

合計

561,148

111.1

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

当事業年度
(自 平成29年4月1日
 至 平成30年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

富士通株式会社

65,913

13.0

64,034

11.4

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

その他重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等について、当社の中長期的な事業戦略に基づき当事業年度に実施しました諸施策に関係づけて分析すると、以下のとおりであります。

a.売上高

当社が注力するIoT、クラウド、通信(MVNO・光コラボレーション)の3つの重点領域を中心に、既存顧客の安定的な売上に加え、Bplats®の新エディション「Bplats® Platform Edition」の順調な立ち上がりによる新規顧客の獲得にも成功しており堅調に推移した結果、前年同期比55,993千円増の561,148千円となりました。

b.売上原価、売上総利益

当事業年度においては、前事業年度に引き続き商品力の向上を目指した積極的な開発投資、企業運営基盤の整備に引き続き取り組んだ一方で、「Bplats®」の初期開発(カスタマイズ)の必要性が低減し、よりパッケージ化が進んだこと、並びに企業運営基盤の整備を通じて開発の効率化がなされていること等により、売上原価が前年同期比64,428千円減の192,384千円となり、売上総利益は前年同期比120,422千円増の368,764千円となりました。

c.販売費及び一般管理費、営業利益

主に適時開示及び内部監査機能の強化等の管理部門の体制強化に伴う人員数の増加に伴う人件費の増加、新規上場に伴う関連費用の増加等により、販売費及び一般管理費は前年同期比44,178千円増の322,139千円となり、営業利益は46,624千円となりました(前年同期は29,619千円の営業損失)。

d.営業外損益、経常利益

補助金収入等の結果、営業外収益は前年同期比4,905千円増の7,677千円、営業外費用は前年同期比169千円増の2,537千円となり、その結果、経常利益は51,764千円となりました(前年同期は29,215千円の経常損失)。

e.特別損益、当期純利益

特別損益は該当ありません。法人税、住民税及び事業税の増加等の結果、当期純利益は40,469千円となりました(前年同期は30,653千円の当期純損失)。

 

当社の将来の経営成績に重要な影響を与える要因のうち、投資者の判断に重大な影響を与える可能性の事項については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 

 

資本の財源及び資金の流動性については下記のとおりと考えております。

資本の財源については、当事業年度末においては第三者割当による新株式発行による資本増強を実施したころに加え、長期借入金の返済により有利子負債も減少していることから自己資本比率が改善しております。

また、資金の流動性については、当事業年度末における流動比率は143.1%を確保しており、事業の円滑な運用に必要な流動性を確保できているものと考えております。

 

当社の経営戦略の現状と見通しについては次のとおりと考えております。

当社の注力分野であるIoT、クラウド、通信(MVNO・光コラボレーション)という分野においては、既存の流通網ではなく、業種を越えた乗り入れ等による新しい市場開拓が進んでおります。

事業者は1つのサービス商材専用にシステムを開発するのではなく、参入するビジネスのための管理ノウハウの詰まった当社プラットフォームをクラウドサービスとして活用することで、自社での開発や継続したシステムメンテナンスが不要となり、初期投資や固定費の削減、市場参入までのスピードを得ることが可能となります。サブスクリプションビジネスの特徴として、事業者にとってはストック型の継続収益が見込めるビジネスである一方、旧来の売買取引とは異なり、事業者が有する顧客との契約に基づいた料金の計算や請求といった煩雑な管理業務が発生するため、コスト増となりがちな課題部分について当社プラットフォームを活用することで軽減することが可能となります。

当社は事業者向けのプラットフォームを提供し、月額の固定使用料に加え、サービスの料金計算や管理の複雑さ等により設定した事業者の販売高に連動する従量型の利用料を収益として得ることになります。

また、当社プラットフォームを事業者の基幹システムと連携する等の事業者毎の適応においては初期費用と追加対応費用としてスポットでの収益も得ております。

当社のプラットフォーム自体が様々なサービス商材への対応を増やしている点で、プラットフォームに参加する販売側の事業者も増えていくモデルとなっており、サービス商材と販売側の事業者が互いにn対n(多対多)で接続されていき、顧客数及び取扱規模を拡大することを計画しております。

 

当社の収益モデル


 

経営者の問題意識と今後の方針については次のとおりと考えております。

当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後更に成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識したうえで、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発費の総額は6,873千円であります。

平成29年8月より収益モデルが複雑化する新産業において、合理的な料金化ルールや収益モデルを示唆するための研究領域「プライシングサイエンス」を提唱し、北九州市立大学と共同研究を開始しております。

なお、当社の主たる事業はサブスクリプション事業であり、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。