当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「Solve with idea, Solve with you.」というタグラインのもと、ストックビジネスコンサルティングを提供し、顧客の事業の活性化および収益化を支援することを目指しております。
様々な課題に対応する豊富なアイデアで、ともに考え、ともに解決することが当社グループの使命・アイデンティティであると考え、クライアントの共創パートナーとして、事業を展開しております。
(2)経営環境及び経営戦略
①企業構造及び主要サービス
当社グループは、当社及び子会社5社で構成され、保証・デジタルマーケティング・システムコンサルティング・業務運営・組込型金融により構成される独自のSAaaS(Smart Assurance as a Service)メソッドを通じて、顧客のストックビジネス創出を支援するストックビジネスコンサルティングを提供しております。
②競争優位性
当社グループは、業界初の保証サービス・組込型金融サービスを多数生み出す商品開発力及びそれらの提供に関する一連の業務運営機能(ハイブリッドコンタクトセンター・顧客情報管理・メンテナンス実施のための全国ネットワーク等)、保証申込等をオンラインで完結できるデジタルプラットフォーム、電子マネーの積立・管理・利用を一気通貫で行うことができるモバイルアプリ、ハイブリッドコンタクトセンター受付システムなど、SaaS開発を含めたシステムコンサルティング、集客支援・ロイヤルカスタマー化支援などのデジタルマーケティングを一貫して開発・提供できることが競争優位性であると考えております。
③事業を行う市場の状況
HomeworthTech事業を取り巻く環境に目を向けると、国内の新設住宅着工戸数は年々減少のトレンドが予想されている一方、既存住宅マーケットに対する各住宅事業者の関心は年々高まっており、新たな収益源の獲得やストックビジネスの確立を目的とした当社サービスの導入及び検討が加速度的に増加している状況です。また、国内の住宅・不動産業界は他業界に比してDX化が遅れていることから、当社が近年開発・提供を推進しているデジタルプロダクトがより重要な役割を果たし、当社グループのHomeworthTech事業をさらに加速させる要因になると捉えております。
また、ExtendTech事業を取り巻く環境に目を向けると、環境的・社会的持続性の確保という世界的な潮流、とりわけ再生可能エネルギー領域における国を挙げての継続的な施策が当社グループのExtendTech事業を加速させる状況であると捉えております。さらに、これまでに当社が中核事業領域として取り組んでまいりました住宅・再生可能エネルギー・教育ICT以外の領域においても、アフターサービスの重要性が認知されてきており、新たな収益源の獲得やストックビジネスの確立を目的とした当社サービスの導入及び検討が増加するものと捉えております。
加えて、LifeTech事業を取り巻く環境に目を向けると、主たる活動領域であるIT業界において、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進強化・デジタル投資の拡大を背景に、システム設備投資、アプリ開発、デジタルマーケティング関連の需要は今後も継続的に拡大するものと捉えており、当社グループのLifeTech事業を加速させる状況であると捉えております。
いずれの事業においても、暮らしやビジネスの在り方が変化する中で、アイデアやリソースだけでは対応できない様々な課題に対して、新たな課題解決の形が求められており、当社グループが提供するストックビジネスコンサルティングのニーズも今後加速度的に増加するものと捉えております。
④経営戦略
当社グループの中期目標及びそれに対する強化ポイントは以下のとおりです。
|
事業 |
目指す姿 |
強化ポイント |
|
全社共通 |
・ストックビジネスコンサルティングの提供を通じ、顧客事業の活性化および収益化を支援 |
・SAaaS(Smart Assurance as a Service)メソッドの強化 ・保証ソリューションの拡充 ・デジタルマーケティング機能の強化 ・システムコンサルティング機能の強化 ・業務運営機能の強化 ・組込型金融サービスの拡充 ・戦略コンサルティング機能の強化 ・上記を遂行するための人材の確保、育成 |
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①人材の採用・育成
当社グループの中長期戦略を実現するにあたって、優秀な人材を継続的に確保・育成することが重要な課題であると認識しております。特にデジタル企画・開発や戦略コンサルタント人材の拡充は、事業の拡大と業務の効率化に大きな影響を与えるため、新卒・キャリア採用のほか、研修強化を積極的に行うとともに、働きやすい職場環境の整備に取り組むことで、優秀な人材の確保・育成に努めてまいります。
②SAaaS(Smart Assurance as a Service)メソッドの強化
当社グループの中長期戦略を実現するにあたって、強みであるSAaaS(Smart Assurance as a Service)メソッドの強化が重要な課題であると認識しております。保証・デジタルマーケティング・システムコンサルティング・業務運営・組込型金融の各ソリューションを強化するとともに、質の高いストックビジネスコンサルティングを提供するための戦略コンサルティング機能も強化してまいります。
③新規事業の創出
当社グループは、既存事業をさらに強化していく一方で、新たな収益の柱として、新規事業を創出する活動が必須であると認識しております。現事業で積み上げた利益を、新たなる保証領域・SaaS事業・FinTech事業等の事業開発へと積極的に投資してまいります。
④当社グループの認知度の向上
当社グループの中長期戦略の実現のためには、人材の確保やマーケットの拡大が不可欠であり、それにあたりグループの認知度向上が重要な課題になると認識しております。そのために、広報・IR活動を強化することで認知度の向上を図ってまいります。
⑤内部管理体制の強化
当社グループが今後も業容拡大を図り、企業価値を継続的に高めていくためには、業務の効率化やリスク管理のための内部管理体制のさらなる整備・強化が重要な課題であると認識しております。社内規程や業務マニュアルの整備、業務フローの周知徹底、定期的な社内研修の実施等を通じて業務効率の向上や法令遵守の徹底を図り、経営の公正性・透明性を確保するための体制強化に取り組んでまいります。
⑥業務系IT基盤の整備・強化
当社グループは、今後の企業規模拡大や事業環境の変化に対応するためにITシステムを強化することが重要な課題であると認識しております。また、当社グループの財務諸表を作成するにあたって、ITシステム等の信頼性を担保することが重要な課題であると認識しております(注)。これらの課題に対処するため、システム開発本部を組織し、人材の確保及び育成を図り、基幹システム等のIT基盤の整備・強化に取り組んでまいります。
(注) 当社の主要なサービスである保証サービスに係る売上高、前受収益及び長期前受収益等の金額の計算においては、ITシステムのIT全般統制並びに各業務プロセスに対して整備・運用された内部統制に依拠した会計処理が実施されております。具体的には、顧客より一括にて収受した保証料を保証期間にわたって均等に期間配分し、当連結会計年度に対応する額を収益計上し、未経過分の保証料については前受収益又は長期前受収益に計上しております。保証サービスに係る個々の取引金額は、売上高全体に比べて極めて少額であり、契約件数は非常に多く、また、新商品の開発が継続的に行われていることから、商品の種類も増加傾向にあります。保証サービスに係る大量の契約情報は、当社が自ら設計、開発したITシステムによって一元的に管理されており、商品ごとに登録される商品マスターの情報と個々の契約ごとに入力される申込書の情報に基づいて、売上高、前受収益及び長期前受収益等の金額が自動計算され、その計算結果が会計システムに連携されます。
⑦社会課題解決を実現するサステナビリティ経営
当社グループはこれまで、HomeworthTech事業及びExtendTech事業において、住宅・不動産業界のDX推進、中古住宅流通の活性化、教育機関のICT環境整備の推進、再生可能エネルギー関連機器普及の推進といったサステナビリティの取り組みを推進してまいりました。
今後も、サステナビリティ経営を重要課題と位置付け、独自のアフターサービスソリューションを通じて、良いモノを永く愛せる、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、グループ全体でサステナビリティ活動に取り組んでまいります。
(1)考え方・体制・ガバナンス
当社グループはグループを取り巻く環境や社会課題に目を向け、企業価値の向上につながる取組を進めることが重要な経営課題の一つであると認識し、経営方針を定め、経営計画等を策定しております(「
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組については、当社ウェブサイトもご参照ください。
https://solvvy.co.jp/corporate/sustainability/
当社グループは、上記考え方のもと、サステナビリティ関連課題の事業への影響を分析し、対応を進めております。これらに係る基本方針や重要事項は、適宜取締役会に報告する体制を整えております。
(2)リスク管理
当社グループでは様々なリスクに対応するため、代表取締役社長安達慶高が指名した常任委員、非常任委員、弁護士等の外部有識者(必要な場合のみ)によって構成される「リスク・コンプライアンス委員会」を設置し、未然防止の観点からリスクの認識と対応策の整備・運用を行うとともに、リスクが顕在化あるいはその恐れが生じた場合には、早期に適正な対応をとる体制を整えております。サステナビリティ関連のリスクについては、リスク・コンプライアンス委員会にて特定されたリスクを管理し、その運用評価・問題点に関する情報を、その都度取締役会に報告しております(「
(3)戦略
人的資本に関する戦略
① 人材戦略の考え方
当社グループは、「Solve with idea, Solve with you.」というタグラインのもと、ストックビジネスコンサルティングを提供し、顧客の事業の活性化及び収益化を支援することを目指しており、これらの実現に向け市場のニーズに応えていくことが結果として利益の最大化にも繋がると考えております。このような社会貢献性と思想は、当社グループの採用競争力や当社グループ社員のエンゲージメントの源泉となっております。
また、多様な思考をもった人材の確保と社員が能力を発揮できる環境を提供することが重要であると認識し、人材戦略を策定しております。年齢・性別・国籍によらない採用方針により、安定的なオペレーション業務を支える人材、事業拡大を見据えた法人営業人材、新システムや業務のデジタルシフトを推進するデジタル企画開発人材を採用・育成するほか、すべての社員が能力を最大限発揮できるための環境整備、公平公正な評価・処遇を行うことを人材戦略の基本としております。
② 人材の採用・育成について
中長期計画の実現に向けては、法人営業人材、企画開発人材の強化が特に重要であると考えております。法人営業人材の強化においては、営業組織の分業体制を強化することで求められる採用要件を詳細に定義しております。一方で、営業組織内での社内交流会などを通じ、部門間でのコミュニケーションを活発にすることで、社員の能力伸長や適性の発見を図っており、より高度な専門人材を育成しております。また、デジタル企画開発人材の強化においては、システム開発本部を組織し、デジタル領域でのキャリア形成を希望する人材の拡充に繋げ、急速な技術の進展に対応できる高度専門人材の採用に繋げていきたいと考えております。加えて、エンジニア職人材を除く全社員に対し、等級ランクアップ試験の受験要件としてITパスポートの資格取得を必須とするなど、グループ全体でデジタル企画開発及び業務のDX化を推進できる組織を作り上げてまいります。
③ 社員が能力を最大限発揮できるための環境整備
当社グループは全ての社員が能力を最大限に発揮するためのウェルビーイングを重要視しております。社員のエンゲージメントの把握及び人事施策の改善へと繋げるためにエンゲージメントサーベイを実施しております。組織エンゲージメント・スコアを定点で観測するとともに、スコアの向上に努めてまいります。
また、健康経営の推進に向けた取組については、働く環境の向上に努めております。社内フリースペースやオフィス内設備を拡充させるとともに、産業医と連携した取組を行うことで、健康経営の推進体制のさらなる強化及び傷病等の未然防止に向けた活動にも注力し、すべての社員が最大限の能力を発揮できる環境を整備してまいります。
(4)指標及び目標
当社グループは、現時点でサステナビリティに関する事項について「指標と目標」を設定しておりませんが、現状分析及び対応策について協議を行っております。
人的資本に関する事項については、女性管理職比率、有給休暇の平均取得率、育休からの復職率といった項目について、厚生労働省による全国の企業平均を上回ることを目標として環境整備を進めてまいります。
事業の状況、経理の状況等に記載した事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)外部経営環境による影響について
当社グループが展開しているHomeworthTech事業は住宅・不動産市況の影響を受け、ExtendTech事業のうち、特に延長保証事務の受託業務については延長保証の対象となる住宅用太陽光発電・蓄電システム機器等の需要等に影響を受けます。そのため、新築着工件数や既存住宅流通件数の低迷やリフォーム市場の縮小、住宅用太陽光発電システム機器等の需要の減退等、事業環境が悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。これに対して提供ソリューションの拡大や、新規事業領域への拡大といった戦略を講じることで対応してまいります。
(2)競合について
当社グループが提供している「保証サービス」は、業界に対する法規制が少ないことから、様々な企業が新規参入を目指しております。競争の激化により各サービスの収益性が低下する場合や競合他社による類似のサービス展開により当社グループの独自性が失われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループでは、業界初の保証サービス・組込型金融サービスを多数生み出す商品開発力及びそれらの提供に関する一連の業務運営機能(ハイブリッドコンタクトセンター・顧客情報管理・メンテナンス実施のための全国ネットワーク等)、保証申込等をオンラインで完結できるデジタルプラットフォーム、電子マネーの積立・管理・利用を一気通貫で行うことができるモバイルアプリ、ハイブリッドコンタクトセンター受付システムなど、SaaS開発を含めたシステムコンサルティング、集客支援・ロイヤルカスタマー化支援などのデジタルマーケティングを一貫して開発・提供することで、他社との差別化を図り対応してまいります。
(3)損害保険会社との契約及び提携関係について
当社グループが提供しているソリューションのうち「保証サービス」は、お客様から一定の保証料をいただくことでメーカー保証期間終了後に故障や不具合が発生した場合でも、保証期間内であれば何度でも無料修理を受けることができるサービスです。この「保証サービス」の提供に伴い発生する将来の修理コスト等を担保するために長期(概ね保証期間2年超)の保証契約に対して損害保険会社との間で保険契約を締結しており、保証期間と同一の保険期間を設定することで、「保証サービス」の提供に係る実質的なリスクを移転しております。しかしながら、保険料設定時の想定を超えた故障や不具合が発生した場合は、将来の支払保険料増加などのコスト上昇に繋がる恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは当連結会計年度末現在、損害保険会社との提携関係により顧客開拓を進めている事業があるため、業務提携が解消された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらに対して当社グループは、複数の損害保険会社との契約や提携により、当社グループ内でのリスク管理体制・顧客開拓体制を強化することで情勢の変化に対応してまいります。
(4)検査補修サービスの外注について
当社グループは、検査補修サービスにおける業務の一定割合を外部に業務委託しております。そのため、委託件数の多い業務委託先との契約解除や業務委託先の経営破綻等が生じ、代替先の選定や委託取引の開始までに時間を要した場合には、当社グループが取引先から受注している業務及び契約を確実に履行できなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループが取り扱う業務は、「資金決済に関する法律」、「建設業法」、「建築士法」、「宅地建物取引業法」、「割賦販売法」及び関連する各種法令による規制を受けております。当社グループは、関連法令を遵守し、当連結会計年度末現在において法令違反等の事象は発生しておりません。また、当社グループでは、リスク・コンプライアンス委員会及びコンプライアンス研修を定期的に開催し、役職員に対するコンプライアンスの徹底を図っております。しかしながら、将来に何らかの理由により法令違反の事象が発生した場合や、規制の強化や法令等の大幅な改正が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在における当社グループの許認可等取得状況は、以下のとおりです。
|
会社名 |
免許・許可等 |
取得年月・有効期間 |
関連法令 |
取消条件 |
|
Solvvy株式会社 |
一級建築士事務所 東京都知事登録 第63955号 |
自 2020年8月25日 至 2025年8月24日 |
建築士法 |
第9条、第10条の7、 第10条の16、 第10条の23 |
|
一般建設業許可(般-2) 第152448号 |
自 2020年9月14日 至 2025年9月13日 |
建設業法 |
第28条、第29条、 第29条の2、 第29条の4、 |
|
|
リビングポイント 株式会社 |
前払式支払手段(第三者型)発行者登録 関東財務局長第00676号 |
2015年5月15日 (期限の定めなし) |
資金決済に関する法律 |
第10条、第25条、 第27条、第28条 |
|
リビングファイナンス株式会社 |
個別信用購入あっせん業者登録 関東(個)第113号 |
自 2024年1月15日 至 2027年1月14日 |
割賦販売法 |
第35条の3の32 |
|
株式会社メディアシーク |
医療機器製造業者登録 登録番号 13BZ201677 |
自 2022年8月18日 至 2027年8月17日 |
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 |
第75条 |
(6)個人情報の流出可能性及び流出した際の影響について
当社グループは、HomeworthTech事業及びExtendTech事業において、多数の個人情報を取得及び保有しております。これらの個人情報は、当社グループの管理下にあるデータベースにて保管しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社グループでは、個人情報に関する管理方針を明確にした上で、プライバシーポリシー及び社内規程に従って厳格に取り扱っておりますが、万一、外部からの不正アクセスや社内管理体制の瑕疵等による情報の外部流出が発生した場合、当社グループに対する損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)風評等のリスク
当社グループの属する延長保証業界又は資金決済業界に対して否定的な風評が広まった場合、又は競合他社の不祥事や経営破綻によって業界の評判が悪化した場合には、当社グループの業務遂行及び信用に影響を及ぼす可能性があります。
(8)システム障害について
当社グループは、事業の特性上、顧客との契約管理を中心に多数のシステムを保有しております。従来より、システム事故やエラーが生じないよう高度なシステム技術を駆使するとともに、システムネットワークのセキュリティ強化やデーターサーバーの多重管理等、万全の体制を構築するよう努めておりますが、万一、自然災害、事故及び外部からの不正手段によるコンピュータへの侵入等により、システム不良や作動不能等の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の確保・育成について
当社グループは、今後の企業規模の拡大や事業発展のためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠と考えております。そのため、当社グループでは新卒・キャリア採用活動や各種社内研修の実施等を積極的に取り組んでおり、人材の確保と育成に注力しております。しかしながら、必要な人材の採用が計画どおりに進まない場合や、重要な人材が流出した場合には、当社グループの今後の事業拡大及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)内部管理体制の強化について
当社グループは、企業価値の向上を図るためにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しており、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対して当社グループは、内部統制の有効性に関する評価を適正に行い、その評価結果に対し、適切かつ迅速な是正措置を講じることで、内部管理体制の強化を図ってまいります。
(11)自然災害等による影響について
当社グループの本店所在地がある首都圏において、地震や台風等の大規模な自然災害や事故、火災等によって人的・物的被害を受けた場合には、事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)サステナビリティ推進への対応について
当社グループを取り巻く環境や社会課題に目を向け、企業価値の向上につながる取組みを進めることが重要な経営課題の一つであるとの考え方のもと、各方針や戦略を策定し、全社横断的に施策を実施しておりますが、対応が十分でない場合には、当社グループに対する信頼の低下、収益機会の逸失に繋がる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績の状況
(当連結会計年度の経営成績の概況)
|
|
2024年6月期 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
2025年6月期 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
増減額 |
増減率 (%) |
|
売上高(千円) |
5,359,054 |
6,705,733 |
1,346,678 |
25.1 |
|
営業利益(千円) |
1,240,314 |
1,620,453 |
380,138 |
30.6 |
|
経常利益(千円) |
1,512,170 |
1,977,122 |
464,952 |
30.7 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)(千円) |
973,305 |
△628,165 |
△1,601,470 |
- |
|
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)(円) |
96.93 |
△56.95 |
- |
- |
(注)当社は、2025年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。2024年6月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。
当社グループは、「Solve with idea, Solve with you.」というタグラインのもと、独自のストックビジネスコンサルティングの提供を通じて顧客事業の活性化及び収益化を支援することを目指しております。
暮らしやビジネスの在り方、人々の価値観までもが加速度的に変化する中、様々な課題に対応する豊富なアイデアで、ともに考え、ともに解決することが当社グループの使命であり、アイデンティティであると考え事業を展開しております。
保証・デジタルマーケティング・システムコンサルティング・業務運営・組込型金融により構成される独自のSAaaS(Smart Assurance as a Service)メソッドを通じて、住宅領域に特化した事業展開を行っているHomeworthTech(ホームワーステック)事業、再生可能エネルギー・教育ICT領域の製品・サービスを中心に事業展開を行っているExtendTech(エクステンドテック)事業、システム開発や情報技術のコンサルティングを提供するLifeTech(ライフテック)事業及びカスタマーファイナンスサービスなどを提供するFinTech事業その他の4事業を主力事業として展開しております。
当連結会計年度(2024年7月1日から2025年6月30日まで)においても、中期経営計画の達成に向けた人材・デジタル領域への積極的投資を継続する一方で、それを上回る形での既存事業の進展及び社内業務DXの推進が奏功し各事業とも大きく成長いたしました。
他方で、下記のとおり、ExtendTech事業において保証損失2,797百万円の特別損失を計上することとなりました。
当社はExtendTech事業において、教育ICT端末の延長保証サービスの運営事務を端末販売元企業から受託しております。本サービスは、損害保険会社からの紹介案件として2020年4月に開始し、当社は損害保険契約の締結代行や修理受付・手配、保険金請求事務などを担ってまいりました。ExtendTech事業におけるその他サービススキームと同様に、当社は運営事務のみを行う形態と認識しておりました。一方、本件は案件が紹介された時点で、サービススキーム、保険金支払限度額、料金設定等が、損害保険会社及び端末販売元企業との間で既に決定済みであり、結果として当社に保証リスクが内包されるスキームとなっておりました。
本来、本サービス開始時点で保険金支払限度額を超える修理費が発生した場合のリスク等について評価・精査を行った上で契約締結判断をすべきところ、事業部判断にてリスクヘッジが不十分な内容にて契約締結に至っておりました。
このような状況でサービスが開始されましたが、児童・生徒による持ち運びの影響、新型コロナウイルスの影響による持ち帰り学習の普及などにより、一般的なPC端末の故障発生率を遥かに上回り、メーカー修理費用の相次ぐ値上げも相まって、修理件数・修理費用が急増しました。これを受け、故障発生率が突出して高い自治体を中心に、製品欠陥端末の全件免責化、修理可否判定の厳格化、非正規修理の活用などにより修理件数・単価の削減を図ってまいりましたが、当連結会計年度に修理費用の累計金額が保険金支払限度額を超過するに至りました。
保険金支払限度額超過分の負担について、保険会社や全国の地方自治体・学校、端末販売元企業との債権債務関係の協議を進めてまいりましたが、結果として、2020年6月期及び2021年6月期に締結した保証契約について、所有者や端末販売元企業との債権債務関係が確定していない部分については、回収可能性がないものとして、損失として1,460百万円を計上いたしました。さらに、2026年6月期以降、契約期間が終了するまでに見込まれる保険金支払限度額超過分について、修理費用高騰なども考慮に加えた上で、将来の損失として1,336百万円を保証損失引当金として計上いたしました。以上により、支払済みの保証損失及び将来損失見込額の合計2,797百万円を特別損失として計上しております。
本サービスにおける2022年6月期以降に締結した保証契約については、損失計上を要する案件が存在しないことを確認しております。また、同様事案の再発防止に向けた社内調査を継続しております。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高6,705百万円(前年同期比25.1%増)、営業利益1,620百万円(同30.6%増)、経常利益1,977百万円(同30.7%増)、親会社株主に帰属する当期純損失628百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益973百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較は変更後の報告セグメントの区分に基づき記載しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(セグメント別売上高)
|
|
2024年6月期 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
2025年6月期 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比 |
|||
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
金額(千円) |
構成比 (%) |
増減額(千円) |
増減率 (%) |
|
|
HomeworthTech事業 |
2,978,309 |
55.6 |
3,775,008 |
56.3 |
796,698 |
26.8 |
|
ExtendTech事業 |
2,316,528 |
43.2 |
2,441,991 |
36.4 |
125,462 |
5.4 |
|
LifeTech事業 |
- |
- |
457,938 |
6.8 |
457,938 |
- |
|
FinTech事業その他 |
64,216 |
1.2 |
30,794 |
0.5 |
△33,421 |
△52.0 |
|
合計 |
5,359,054 |
100.0 |
6,705,733 |
100.0 |
1,346,678 |
25.1 |
(セグメント別利益)
|
|
2024年6月期 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
2025年6月期 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前年同期比 |
|||
|
金額(千円) |
構成比 (%) |
金額(千円) |
構成比 (%) |
増減額(千円) |
増減率 (%) |
|
|
HomeworthTech事業 |
676,991 |
26.5 |
1,475,644 |
44.6 |
798,652 |
118.0 |
|
ExtendTech事業 |
1,825,004 |
71.3 |
1,720,012 |
52.0 |
△104,992 |
△5.8 |
|
LifeTech事業 |
- |
- |
135,880 |
4.1 |
135,880 |
- |
|
FinTech事業その他 |
56,371 |
2.2 |
△26,497 |
△0.8 |
△82,869 |
- |
|
報告セグメント計 |
2,558,368 |
100.0 |
3,305,039 |
100.0 |
746,671 |
29.2 |
イ.HomeworthTech事業
HomeworthTech事業では、住宅領域に特化した事業展開を行っております。
創業以来の代表的サービスである住宅設備の長期保証「住設あんしんサポート」、建物本体を引き渡し後20年間にわたり保証する「建物20年保証バックアップサービス」等、各種保証サービスの提供を通じて、住宅事業者のフロービジネス強化及びストックビジネスの創出を支援しております。
当連結会計年度においては、住宅設備や建物の長期保証契約の獲得に引き続き注力することや、地震保証などの新たな保証契約の獲得を推進するとともに、住宅事業者が抱える経営課題に対して、ストックビジネスコンサルティング等の総合的な支援を通じて、事業の活性化及び収益化を支援してまいりました。
これらの施策により、主要なKPIである新規契約獲得金額5,421百万円(前年同期比20.3%増)、前受収益・長期前受収益残高14,203百万円(同20.9%増)、電子マネー発行サービスの導入社数158社(同31.7%増)・未使用残高2,604百万円(同10.2%増)といずれも前年同期比で成長しております。この結果、売上高は3,775百万円(前年同期比26.8%増)、セグメント利益は1,475百万円(同118.0%増)となりました。
ロ.ExtendTech事業
ExtendTech事業では、再生可能エネルギー関連領域や教育ICT領域の製品・サービスに対する事業展開及び既存事業に続く新規領域の創出を行っております。
太陽光発電・蓄電システム等の再生可能エネルギー領域や、GIGAスクール構想により小中学校など教育機関への普及が急速に進んだタブレット等の教育ICT領域では、社会的なニーズの高まりを受けてビジネスが成長しております。
当連結会計年度においては、前連結会計年度と同様に蓄電システムをはじめとした住宅用再生可能エネルギー設備に対する社会的ニーズに応える形で進展したほか、オペレーション業務の受託が拡大したことにより教育ICT領域も堅調に推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は2,441百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益は1,720百万円(同5.8%減)となりました。
ハ.LifeTech事業
LifeTech事業においては、株式会社メディアシークがもつ豊富な実績・技術開発リソースに基づくシステムインテグレーション提供を基軸に、法人向けシステムコンサルティングや画像解析・AI、教育・ヘルスケア・エンターテイメント領域におけるオンラインサービス開発など各種事業を運営しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は457百万円、セグメント利益は135百万円となりました。
ニ.FinTech事業その他
FinTech事業その他は、リビングファイナンス株式会社が取り組んできたカスタマーファイナンスに関するサービスやHomeworthTech事業、ExtendTech事業及びLifeTech事業には含まれないサービスを提供しております。
当連結会計年度の売上高は30百万円(前年同期比52.0%減)、セグメント損失は26百万円(前年同期はセグメント利益56百万円)となりました。
(KPI推移)
|
(単位:百万円、社) |
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|
2024年6月期 |
|||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
年度計 |
||
|
実績 |
実績 |
実績 |
実績 |
実績 |
||
|
[HomeworthTech事業] |
|
|
|
|
|
|
|
新規契約獲得金額 |
837 |
997 |
1,227 |
1,445 |
4,508 |
|
|
前受収益・長期前受収益残高 |
9,830 |
10,339 |
11,054 |
11,746 |
11,746 |
|
|
売上高 |
保証サービス |
485 |
518 |
572 |
758 |
2,335 |
|
検査補修サービス |
86 |
106 |
117 |
119 |
429 |
|
|
その他 |
57 |
46 |
59 |
49 |
213 |
|
|
電子マネー |
導入社数 |
107 |
114 |
119 |
120 |
120 |
|
未使用残高 |
2,165 |
2,229 |
2,296 |
2,362 |
2,362 |
|
|
[ExtendTech事業] |
|
|
|
|
|
|
|
売上高 |
再生可能エネルギー |
313 |
376 |
370 |
733 |
1,794 |
|
家電・その他 |
139 |
122 |
126 |
132 |
522 |
|
|
[LifeTech事業] |
|
|
|
|
|
|
|
売上高 |
コーポレートDX |
- |
- |
- |
- |
- |
|
ライフスタイルDX |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
|
2025年6月期 |
||||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
年度計 |
|||
|
実績 |
実績 |
実績 |
実績 |
実績 |
前年同期比 |
||
|
[HomeworthTech事業] |
|
|
|
|
|
|
|
|
新規契約獲得金額 |
1,098 |
1,210 |
1,339 |
1,772 |
5,421 |
120.3% |
|
|
前受収益・長期前受収益残高 |
12,228 |
12,750 |
13,335 |
14,203 |
14,203 |
120.9% |
|
|
売上高 |
保証サービス |
682 |
726 |
807 |
964 |
3,181 |
136.2% |
|
検査補修サービス |
109 |
111 |
94 |
91 |
406 |
94.6% |
|
|
その他 |
49 |
48 |
46 |
42 |
187 |
87.8% |
|
|
電子マネー |
導入社数 |
125 |
135 |
146 |
158 |
158 |
131.7% |
|
未使用残高 |
2,430 |
2,504 |
2,567 |
2,604 |
2,604 |
110.2% |
|
|
[ExtendTech事業] |
|
|
|
|
|
|
|
|
売上高 |
再生可能エネルギー |
466 |
353 |
429 |
630 |
1,880 |
104.8% |
|
家電・その他 |
156 |
149 |
134 |
121 |
561 |
107.6% |
|
|
[LifeTech事業] |
|
|
|
|
|
|
|
|
売上高 |
コーポレートDX |
- |
30 |
56 |
85 |
172 |
- |
|
ライフスタイルDX |
- |
77 |
102 |
105 |
285 |
- |
|
(注)売上高については四半期連結会計期間の数値を使用しております。
b. 財政状態の分析
(当連結会計年度末の財政状態の概況)
|
|
2024年6月期 |
2025年6月期 |
増減額 |
|
総資産(千円) |
24,593,712 |
29,619,524 |
5,025,811 |
|
純資産(千円) |
3,005,264 |
4,190,876 |
1,185,611 |
|
自己資本比率(%) |
12.2 |
14.1 |
- |
|
1株当たり純資産(円) |
299.07 |
361.96 |
- |
(注)当社は、2025年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。2024年6月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産を算定しております。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて5,025百万円増加し29,619百万円となりました。これは主に、立替金が1,240百万円減少した一方、売掛金が1,326百万円、投資有価証券が2,697百万円、投資不動産(純額)が1,074百万円それぞれ増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,840百万円増加し25,428百万円となりました。これは主に、保証損失引当金が1,336百万円、住宅設備の延長保証事業を行うため一括で受領した保証料のうち1年超の期間に収益化される予定の長期前受収益が2,104百万円それぞれ増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,185百万円増加し4,190百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されたこと等により利益剰余金が703百万円減少した一方、株式交換により資本剰余金が2,572百万円増加したことによるものです。
なお、当社の自己資本比率は14.1%となっており、他の事業会社と比較して低い水準となっております。これはサービス提供前に保証料を収受する当社のビジネスモデルに起因するものです。当社の負債の割合の内訳は、前受収益及び長期前受収益(将来の利益)が59.2%、預り金及び長期預り金(主に現金及び預金)が21.9%という構成であり、有利子負債は9.0%と低水準となっております。さらに、流動比率も173.2%と十分な水準となっており、財務の健全性は十分に担保されております。
②キャッシュ・フローの状況
(連結キャッシュ・フローの状況)
|
|
2024年6月期 |
2025年6月期 |
増減額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
922,416 |
2,099,998 |
1,177,581 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
△2,086,715 |
△1,342,062 |
744,653 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
167,998 |
△549,549 |
△717,548 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額(千円) |
1,514 |
△6,079 |
△7,593 |
|
現金及び現金同等物の増減額(千円) |
△994,786 |
202,307 |
1,197,093 |
|
現金及び現金同等物の期首残高(千円) |
3,799,310 |
2,804,524 |
△994,786 |
|
株式交換による現金及び現金同等物の増加額(千円) |
- |
407,116 |
407,116 |
|
現金及び現金同等物の期末残高(千円) |
2,804,524 |
3,413,948 |
609,423 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より609百万円増加し、3,413百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,099百万円(前年同期比127.7%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上857百万円、売上債権の増加1,160百万円等による資金の減少があった一方で、保証損失の計上2,797百万円、長期前受収益の増加2,104百万円等による資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,342百万円(前年同期は2,086百万円の使用)となりました。これは主に、投資不動産の売却による収入901百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出1,280百万円、投資不動産の取得による支出1,327百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は549百万円(前年同期は167百万円の取得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出356百万円があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
HomeworthTech事業 |
- |
- |
- |
- |
|
ExtendTech事業 |
- |
- |
- |
- |
|
LifeTech事業 |
374,613 |
- |
64,429 |
- |
|
FinTech事業その他 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
374,613 |
- |
64,429 |
- |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
HomeworthTech事業 |
3,775,008 |
126.8 |
|
ExtendTech事業 |
2,441,991 |
105.4 |
|
LifeTech事業 |
457,938 |
- |
|
FinTech事業その他 |
30,794 |
48.0 |
|
合計 |
6,705,733 |
125.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態の分析)
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経営成績の分析)
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,346百万円増加し、6,705百万円となりました。
売上高の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ541百万円増加し、1,897百万円となりました。主な要因は、HomeworthTech事業の「保証サービス」において契約件数が堅調に推移したこと等により、住宅設備保証に伴い発生する修理コスト等を担保するための損害保険会社に対する支払保険料が増加し、取扱店・代理店に支払う販売手数料や業務委託報酬が増加したほか、株式会社メディアシークとの統合によりエンジニア費用が売上原価計上となったことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ805百万円増加し、4,807百万円となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ424百万円増加し、3,187百万円となりました。主な要因は、DXによる業務効率化が進み人件費や各種手数料が抑制された一方で、業容拡大を目的とする法人営業・デジタル企画開発の人材採用を推進・加速したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ380百万円増加し、1,620百万円となりました。
d. 営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ152百万円増加し、619百万円となりました。主な要因は、投資不動産売却益によるものであります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ67百万円増加し、262百万円となりました。主な要因は、投資不動産賃貸費用によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ464百万円増加し、1,977百万円となりました。
e. 特別損益、税金等調整前当期純損失
当連結会計年度の特別損失は、ExtendTech事業の教育ICT領域向け保証関連業務受託サービスにおいて発生した保証損失2,797百万円によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、857百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益1,305百万円)となりました。
f. 親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額は△229百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、628百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益973百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(経営成績に重要な影響を与える要因について)
当社グループは、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、組織体制、法令遵守、市場動向、人材の確保等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化を図りながら、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開することにより、リスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
経営者の問題認識につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、長期保証サービスのリスク移転先への損害保険料、短期保証サービスの検査補修費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の購入、収益不動産の購入等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の事業の性質上役務提供前にその対価を収受するものとなりますので、基本方針に沿って財源を確保しております。よって、運転資金は自己資金としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
(LifeTech事業に関する契約)
株式会社メディアシークが締結している契約は以下のとおりであります。
|
相手先 |
契約の名称 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
株式会社NTTドコモ |
iモード情報サービス提供者契約書 |
NTTドコモの携帯電話向けに情報サービスを提供するための基本契約 |
2000年7月17日から 2001年3月31日まで (自動継続) |
|
iモードサービスに関する料金収納代行回収契約書 |
株式会社メディアシークがNTTドコモの携帯電話向けに提供する情報サービスの利用料を、NTTドコモが株式会社メディアシークに代わって利用者より回収するための契約 |
||
|
ソフトバンク株式会社 |
コンテンツ提供に関する基本契約書 |
ソフトバンクの携帯電話向けに情報サービスを提供するための基本契約 |
2001年9月1日から 2002年3月31日まで (自動継続) |
|
債権譲渡契約書 |
株式会社メディアシークがソフトバンクの携帯電話向けに提供する情報サービスの利用料をソフトバンクが株式会社メディアシークに代わって利用者より回収するための契約 |
||
|
KDDI株式会社 |
コンテンツ提供に関する契約書 |
KDDIグループ各社の提供する携帯電話向けに情報サービスを提供するための基本契約 |
2001年11月1日から 2002年10月31日まで (自動継続) |
|
KDDI株式会社及びそのグループ会社1社 |
情報料回収代行サービスに関する契約書 |
株式会社メディアシークがKDDIグループ各社の携帯電話向けに提供する情報サービスの利用料を、KDDIグループ各社が株式会社メディアシークに代わって利用者より回収するための契約 |
2001年11月1日から 2002年10月31日まで (自動継続) |
|
Apple Inc. |
Apple Developer Program License Agreement |
iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
1年間 (1年毎の自動更新) |
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Google Inc. |
Google AdSenseオンライン利用規約 |
株式会社メディアシークが提供するアプリ等に広告を掲載し対価を得るための基本的契約 |
契約期間は定められておりません。 |
(注)1.(自動継続)の表記がある契約については、当初の契約期間が満了している契約についても自動延長・更新規定が1年毎に適用されているため、契約の効力が存続しております。
2.対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。
3.上記のGoogle Inc.に対する契約の内容には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等のGoogleグループ各社に関する契約の内容が含まれております。
(株式交換契約及び経営統合契約の締結)
当社と株式会社メディアシーク(以下「メディアシーク」という。当社とメディアシークを併せ、以下「両社」という。)は、両社の間で2024年4月26日に締結した基本合意書に基づき、2024年8月9日に開催した両社の取締役会において、両社の株主総会の承認を得られることを前提として、株式交換(以下「本株式交換」という。)による経営統合を行うことを決議し、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」という。)及び経営統合契約を締結いたしました。
本株式交換は、2024年9月25日開催の当社の定時株主総会及び2024年9月26日開催のメディアシークの定時株主総会の決議により、本株式交換契約の承認を得て、2024年11月1日付で本株式交換を実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
また、本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の概要は以下のとおりであります。
|
(2024年11月1日時点) |
|
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商号 |
Solvvy株式会社 |
|
本店の所在地 |
東京都新宿区西新宿四丁目33番4号 |
|
代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 安達慶高 |
|
事業内容 |
保証・デジタルマーケティング・システム開発・業務運営・組込型金融等の提供を通じた企業向けストックビジネスコンサルティング |
|
資本金 |
212,336千円 |
該当事項はありません。