(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益の堅調な推移や雇用・所得環境の改善が続いており、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、海外経済の不確実性や地政学的リスクの高まりに留意する必要があり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社が属する不動産業界におきましても、日本銀行のマイナス金利政策により良好な資金調達環境が継続し、投資用不動産に対する個人投資家、事業法人等からの投資需要は高く推移しており、今後も堅調な推移が見込まれております。
このような状況のもと、当社は、主軸である不動産販売事業において優良な収益不動産の取得、開発及び販売の推進を継続し、一方で不動産賃貸事業、不動産管理事業で安定収益を確保してまいりました。
この結果、当事業年度の業績として、売上高は6,376,023千円(前年同期比34.5%増)、営業利益は400,968千円(同33.7%増)、経常利益は352,742千円(同36.0%増)、当期純利益は274,035千円(同74.7%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(不動産販売事業)
不動産販売事業におきましては、主に中古物件を購入しリーシングやリノベーションを行い、付加価値を高めたうえで不動産投資家への販売を手掛けてまいりました。当事業年度は、レジデンス17棟、店舗付きレジデンス7棟、介護施設1棟、オフィスビル1棟、ホテル1棟を売却いたしました。その結果、当事業年度における売上高は5,602,136千円(前年同期比39.4%増)、セグメント利益は522,068千円(同44.0%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業におきましては、従来より安定的に収益を上げている貸しコンテナ、コインパーキング、その他オーナーより借り上げている中古不動産等に加え、東北での復興事業者向け宿泊施設としてのビジネスホテルの運営による収益の増加により、賃料収入等が増加いたしました。その結果、当事業年度における売上高は658,750千円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は55,569千円(同11.6%減)となりました。
(不動産管理事業)
不動産管理事業におきましては、既存顧客に対する管理サービスの向上に努めるとともに、安定収入を増やすべく、販売した投資用不動産の管理受託にも取り組んでまいりました。その結果、当事業年度における売上高は115,137千円(前年同期比2.6%増)、セグメント利益は35,625千円(同10.5%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ394,940千円増加し、1,982,010千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は292,876千円となりました(前年同期は408,019千円の獲得)。
これは主に、税引前当期純利益433,181千円、減価償却費75,725千円、未払金の増加額76,730千円が生じた一方、たな卸資産の増加額145,911千円及び法人税等の支払額140,528千円が生じたこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は274,569千円となりました(前年同期は471,384千円の使用)。
これは主に、有形固定資産の取得による支出342,764千円が生じた一方、有形固定資産の売却による収入94,688千円が生じたこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は376,633千円となりました(前年同期は487,295千円の獲得)。
これは主に、短期借入金の純増加額868,948千円、長期借入れによる収入485,000千円及び社債の発行による収入244,835千円が生じた一方、長期借入金の返済による支出1,118,315千円、社債の償還による支出90,200千円が生じたこと等によるものであります。
(1)生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注状況
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
(3)販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
不動産販売事業(千円) |
5,602,136 |
139.4 |
|
不動産賃貸事業(千円) |
658,750 |
107.8 |
|
不動産管理事業(千円) |
115,137 |
102.6 |
|
合計(千円) |
6,376,023 |
134.5 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成28年3月1日 至 平成29年2月28日) |
当事業年度 (自 平成29年3月1日 至 平成30年2月28日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社big ones |
- |
- |
944,984 |
14.8 |
|
株式会社グローバルエージェンツ |
564,241 |
11.9 |
- |
- |
|
株式会社Valuable Style |
- |
- |
650,472 |
10.2 |
|
株式会社アドベンチャー |
- |
- |
646,797 |
10.1 |
|
個人 |
- |
- |
640,457 |
10.0 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、『空室のない元気な街を創る』の経営理念のもと、不動産販売事業、不動産賃貸事業及び不動産管理事業を展開しております。当社の最大の強みは空室率の改善力であり、今後も、①不動産販売事業においては、その力を活かして収益力の落ちた投資用不動産を生まれ変わらせて不動産投資家へ再販するビジネスを深化させていきます。また、②不動産賃貸・管理事業におけるスケール(受託戸数)の拡大や多様な空室・遊休地に対する多様なソリューションの深化、③東北・都市型ビジネスホテルの運営における物件の取得運営拡大にも注力してまいります。
(2)経営環境
当社を取り巻く事業環境は、政府や日銀による経済・金融政策の効果が下支えする中で、景気は緩やかな回復基調が続くものと予想されます。
中長期的には、オリンピック・パラリンピックの東京開催決定の追い風もあり、海外投資マネーの更なる流入が不動産投資市場の拡大を加速させ、当社が販売する投資用不動産の購入ニーズも上昇傾向に推移すると想定されます。また、相続税に関する新税制が施行され、相続税における評価額の低い不動産への資産の組み替えが増加しております。一方で、居住用不動産の販売は、競合増加に伴う仕入価格の上昇や販売ターゲット層の実質所得の伸び悩み、長期的な人口の減少による空室率の上昇等を背景に厳しい事業環境が想定されます。
(3)対処すべき課題
当社の事業別の課題は、以下のとおりであります。
① 不動産販売事業
付加価値を生み出す開発力を高めることが当面の課題であると認識しております。物件の付加価値を向上させて収益力を高めるには、難易度の高いバリューアップが必要となるため、ノウハウの蓄積及び人材育成、組織力強化を進めてまいります。また、当該事業においては資金需要が旺盛であり、かつ機動的な資金も必要であるため、多様な資金調達手段を確保し、更なる財務基盤の強化を進めてまいります。
② 不動産賃貸事業
イ.不動産賃貸領域
中古物件を借り上げ、または取得し、リニューアルにより高収益が得られる不動産に再生することができる、企画力・開発力・デザイン力を強化し、バリューアップできる対象物件・手法の拡大をしてまいります。
ロ.空間再生領域
空室率が悪化する中で、他物件と差別化できるリノベーション提案力、物件の選定力を高めることが当面の課題であります。そのためには、取引先との関係を強化しリノベーション提案力を高めることと、物件選定力を高めるための人材育成を進め、長期不稼働になっている建物や遊休地を保有する不動産所有者から所有不動産の再生利用を受託できる能力の強化を進めてまいります。
ハ.ビジネスホテル領域
建築コストが高騰する中で、ビジネスホテルを建築、運営して収益を上げていくために、建築コストを削減する努力が必要であると認識しております。そのため、当社ではホテルの建築において建築工期の短縮と低コストでの建築を可能とするモジュール工法を採用しております。また、質の高いサービスの提供に努めることにより、それにふさわしい販売単価の上昇による収益性の向上を図ることも課題であると認識しております。そのためには、顧客ニーズの調査を常に行い顧客満足度を高めるサービス提供を進めてまいります。
③ 不動産管理事業
顧客である不動産所有者より信頼して不動産管理を任せて頂けるよう、不動産関連知識のさらなる向上に努めてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)業界動向について
① 経済動向及び不動産市況について
当社は、景気動向、地価動向、空室率の推移、不動産販売価格動向、不動産税制、消費税増税、金利の上昇等の影響を受けやすいため、諸情勢に変化があった場合には、用地及び収益不動産の仕入価格、販売価格や販売スケジュールの変更、賃貸収入の減少、資金調達コストの増加や調達資金の不足及び棚卸資産評価損の計上により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制について
当社は、事業を運営するにあたって、主に、借地借家法、宅地建物取引業法、建設業法、建築基準法、建築士法、都市計画法、国土利用計画法、金融商品取引法、個人情報の保護に関する法律、旅館業法、消防法、食品衛生法、保険業法等の規制を受けております。
当社は、上記の主要な許認可を含め関係法令の遵守に努めており、事業に必要な免許及び許認可に関して、取消や行政処分を受けたことはありません。しかしながら今後、法令等の違反や不正等により許認可の取消や行政処分等を受け、当社の事業範囲が制限された場合、社会的信用が低下し顧客からの解約等が発生する可能性があります。
また、法的規制の改廃及び新設等により規制が強化された場合や、法的規制の解釈・運用が変化した場合、当社事業範囲の制限、費用負担の増加が生じる可能性があります。
以上の結果、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、法規制について、その有効期限やその他の期限が法令、契約等により定められているものは下表のとおりであります。
(許認可等の状況)
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許認可等の名称 |
許認可(登録)番号 |
有効期限 |
許認可等の取消または更新拒否の事由 |
|
宅地建物取引業者免許 |
国土交通大臣(1)第8764号 |
平成32年3月11日 |
宅地建物取引業法第66条 |
|
一般建設業免許 |
埼玉県知事(般-25)第58196号 |
平成31年3月14日 |
建設業法第29条 |
|
賃貸住宅管理業者登録 |
国土交通大臣(2)第243号 |
平成33年12月19日 |
賃貸住宅管理業者登録規程第13条 |
|
旅館業法に基づく許可 |
岩手県指令大保第205-10号 |
- |
旅館業法第8条 |
※ 旅館業法に基づく許可については、営業所ごとに取得しております。
③ 不動産の表示に関する公正競争規約について
不動産業界は公正取引委員会の認定を受けて、「不動産の表示に関する公正競争規約」および「不動産業における景品等の提供の制限に関する公正競争規約」を設定しております。当社はこれらの規則を遵守するよう努めておりますが、万が一、不測の事態によって規則に違反する行為が行われた場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合等の影響について
当社は、一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を中心とした営業エリアの物件を対象としていますが、当該首都圏近隣は特に大手デベロッパー等との価格競争が激しくなっております。また、宅地建物取引業免許を交付されれば、初期投資の必要はほぼなく事業を始められますので、市況の回復に伴い新規参入する業者が増える可能性がございます。当社は、バリューアップの拡充等により競争力の向上を図り、不動産販売事業の拡大を推進しております。しかしながら、今後、当社が優良な物件を取得できなくなった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 偶然不測の事象及び地域偏在について
当社は一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を中心とし、岩手県、宮城県においても事業を展開しておりますが、それらの地域において火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火及び津波並びに電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故並びに戦争、暴動、騒乱、テロ等の災害により、当社が保有する販売用不動産やホテル、その他サブリース物件について滅失、劣化又は毀損し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、偶然不測の事故・自然災害により不動産に対する投資マインドが冷え込んだ結果、不動産需要が減り、当社の事業が影響を受け、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の運営しているホテルにおいて食中毒が発生した場合や、近隣地域にて伝染病が流行した場合、宿泊客の減少、営業停止等などにより売上減が発生し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 瑕疵担保責任について
当社は、不動産販売事業において当社が顧客に販売した物件において、通常、瑕疵担保責任を負っております。重大な瑕疵が発見された場合には、その直接的な原因が当社によるものではなくても、当社が瑕疵担保責任を負うことがあります。その結果、多額の補修費用が発生し、社会的信用が低下した場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 事業用地瑕疵について
当社は、事業用地の取得にあたり、土地汚染や地中埋蔵物等について可能な限り調査を行い、取得後に万一瑕疵が発見された場合の売主の瑕疵担保責任については土地売買契約書上に明記しておりますが、取得後において土地汚染や地中埋蔵物等による瑕疵が発覚した場合には、建築工事の延長等により追加費用が発生するなど、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容について
① 物件の売却時期による業績の変動について
当社は、保有物件のバリューアップ完了後に不動産投資家に対して売却を行いますが、当該事業の売上高及び売上原価は物件の引渡時に計上されます。一取引当たりの金額が非常に高額なものもあることから、売却時期による業績の変動が大きくなる場合があります。高額物件の売却時期により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 棚卸資産の評価及び固定資産の減損に関する会計処理の適用等について
当社の不動産販売事業において開発した販売用不動産について、経済情勢や不動産市況の悪化等により販売用不動産としての価値が帳簿価額を下回った場合には、棚卸資産の簿価切下げ処理に伴う損失が発生し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の東北地方のビジネスホテルを中心とした不動産賃貸事業に供する資産等について、当該保有不動産の生み出す割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合は、減損損失が発生し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ マスターリース契約の特性について
当社は、不動産賃貸事業において、不動産所有者へ一定期間一定額の賃料を支払う契約で土地・建物等を借り上げ、当社が貸主として当該土地・建物等をテナントに賃貸しております。これをマスターリース契約と呼びます。賃料決定のプロセスにおいては、近隣の同種物件の成約情報の収集や、候補物件の現地調査を行い、契約期間における空室の発生や賃料の下落を勘案して決定しております。原則、テナントの有無にかかわらず不動産所有者へ一定額の支払が発生するため、テナントの要望による賃料減額や、テナントが退去し空室となった場合、当該物件における賃貸利益が減少するもしくはマイナスとなる可能性があります。
当社は、不動産所有者との賃貸借契約をテナントの有無に応じてより柔軟なものにする等、対策を講じておりますが、長期間にわたる空室や賃料減額が多数の物件において発生した場合は、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、マスターリース契約はお互いの同意の上中途解約が可能であり、所有者の相続発生や対象物件の譲渡等で、収益性が高いにも関わらず所有者が解約を申し出る可能性があります。このような事例が立て続けに発生した場合、想定通りの賃料収入が得られず、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ ホテルの運営等について
当社の運営するホテルは、景気動向、個人消費の動向等の影響を受けやすい傾向にあり、景気の低迷による企業の出張需要の減少や個人のレジャー需要、訪日外国人数の減少、新規ホテルの開業による客室の供給過剰等により、客室料金や客室稼働率の低下が起こる場合等、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 委託先への依存について
当社は、不動産管理事業において、主に管理物件の建築設備保守点検業務や清掃業務、工事を委託会社へ発注しております。当社は、委託先や発注先の選定に際して、財務状況や経営状態、品質管理能力、技術力等を総合的に勘案して行っておりますが、委託先や発注先を十分に確保できず納期遅延が発生した場合や、委託先や発注先の倒産や工事中の事故などが発生した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産賃貸事業のビジネスホテル運営については、運営委託会社へ運営委託しております。運営委託先の倒産や事故などが発生した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新規ビジネスについて
当社は、シェアオフィス・貸会議室の運営や東北地方におけるビジネスホテルの運営など、新規ビジネスを開始しております。新規ビジネスの収益性に関しましては、慎重な検討を行っておりますが、万が一見込んでいた収益が得られない場合や計画通りにビジネスが進まない場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 訴訟等の可能性について
本書提出日現在、当社が関係する重大な訴訟はありません。しかしながら、当社が管理する物件における管理状況に対する顧客からのクレーム、入退去時のテナント等とのトラブル等を起因とする、又はこれらから派生する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 有利子負債への依存について
当社は、不動産販売事業における不動産の取得資金を主に金融機関からの借入金によって調達しております。そのため、平成30年2月期末時点において、有利子負債比率は476.6%となっております。
当社では、特定の金融機関に依存することなく、新たな金融機関との新規取引や資金調達手段の多様化を進めておりますが、当社の財務状態が著しく悪化し当社の信用力が低下して金融機関からの融資が受けられない場合、事業計画が変更となり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 借入金にかかる確約条項について
当社は、設備投資にかかる資金調達方法の一つとして金融機関より融資を受けておりますが、これらのうちには2期連続して経常利益を一定の水準以下にしないことや純資産額を一定以上に保つこと、借入の担保となる資産の稼働状況を一定以上に保つことを確約する条項が存在するものがあります。万が一当社の業績や財政状況が悪化したり、当該資産の稼働状況が悪化してこれらの条項に抵触し、追加担保の差し入れを行わなければならなくなった場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 資金繰りリスクについて
当社では、販売用不動産購入資金として金融機関から融資を受ける場合、おおむね返済期限は1年に設定しておりますが、当該不動産が販売計画通りに売却できず返済期限を迎えた場合、当社の資金繰りが著しく悪化する可能性があります。また、販売用不動産購入資金としての融資の返済原資は販売用不動産売却代金としており、計画よりも販売価格が大きく下落した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業体制について
① 個人情報の管理について
当社は、事業を運営するにあたり、顧客や不動産所有者等の情報を保有しております。これらの情報は関連法令及びガイドラインに沿って適切に管理しておりますが、万が一、外部漏洩やデータ喪失等が発生した場合、当社の社会的信用の低下や損害賠償請求等による費用の発生により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 小規模組織であることについて
当社は、平成30年2月末日現在、従業員40名と小規模であり、内部管理体制についても組織の規模に応じたものとなっております。当社は今後、業容の拡大に応じて人材の採用を行うとともに社内管理体制の強化・充実に努める予定であります。しかしながら、当社が事業の拡大に対して適切かつ充分な対応ができなかった場合には、当社の事業遂行及び拡大に制約が生じ、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の確保について
当社は、経営課題の克服及び今後の事業の発展のためには、優秀な人材が必要不可欠であると認識しております。したがって、人事制度の充実を図り、当社の経営理念や経営方針を理解した社員の育成に努めるとともに、必要に応じて、優秀な人材を採用する方針であります。
しかしながら、当社の求める人材が十分に確保できなかった場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 代表取締役への依存について
当社の代表取締役社長である松本俊人は、当社の経営方針や事業戦略の立案、決定並びに事業の推進において重要な役割を果たしております。当社の事業拡大とともに同氏に過度に依存しない体制の構築を進めておりますが、何らかの事情により同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ M&A、資本提携等について
当社は、事業領域拡大及び競争力の強化等を目的として、企業や事業の買収、資本提携等を行うことは、事業戦略上有効と認識しております。買収、資本提携等を行う際には、事前調査により最大限リスクを低減する努力をし、慎重に検討を重ねた上で決定する方針であります。しかしながら、買収、資本提携等を行った後に、偶発債務等が発見されたり、想定したシナジー効果や成果があげられない場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
① ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について
当社は、取締役および従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的に、ストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在におけるストック・オプション制度による新株予約権の潜在株式数は合計30,000株であり、発行済株式総数940,500株に対する割合は3.19%となっております。これらの新株予約権の行使がなされた場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
② 配当を行っていないことについて
当社は、財務基盤を強固にすること、持続的な成長を可能とする収益力の強化が重要であると考え、設立以来普通株式の配当を実施しておりません。一方で、株主への利益還元につきまして、重要な経営課題であると認識しており、将来の事業展開と経営体制の強化のための内部留保を確保しつつ、剰余金の配当を検討する考えであります。
しかしながら、現時点での配当実施の可能性及びその実施時期については未定であります。
③ 会計基準及び税制等の変更
新たな会計基準の適用や新たな税制の導入・変更によって、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、税制等の改正や税務申告における税務当局との見解の相違により、当社に予想以上の税負担が生じる可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は3,887,676千円となり、前事業年度末に比べ557,270千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が410,131千円、販売用不動産が163,778千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,369,511千円となり、前事業年度末に比べ281,936千円増加いたしました。これは主に、東北にホテルを一棟新規開設したことにより278,971千円、神田シェアオフィス開業に係る投資により14,122千円、東陽町シェアオフィス開業に係る投資により31,427千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は2,864,271千円となり、前事業年度末に比べ1,036,443千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が868,948千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は1,587,586千円となり、前事業年度末に比べ471,422千円減少いたしました。これは主に、社債が138,300千円増加し、長期借入金が628,061千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は805,331千円となり、前事業年度末に比べ274,186千円増加いたしました。これは主に、当期純利益を274,035千円計上したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、6,376,023千円(前年同期比34.5%増)となりました。これは主として、販売用不動産の販売が好調であり、件数が順調に増加したことや、自社物件の増加による不動産賃貸事業での収益の増加、並びに東北におけるビジネスホテルの運営が順調に拡大していることによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、5,345,456千円(前年同期比36.1%増)となりました。これは主として、販売用不動産の販売件数が増加したことによるものであります。
その結果、当事業年度の売上総利益は、1,030,567千円(前年同期比26.4%増)となり、売上高に対する売上総利益の比率は前事業年度から1.0ポイント減少し16.2%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、629,598千円(前年同期比22.2%増)となりました。これは主として、人件費の増加や上場関連費用によるものであります。
その結果、当事業年度の営業利益は400,968千円(前年同期比33.7%増)となり、売上高に対する営業利益の比率は前事業年度から変動なく、6.3%となっております。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、7,542千円(前年同期比42.9%減)となりました。これは主として、会費収入、補助金収入及び受取保険金収入等の減少によるものであります。また、営業外費用は55,768千円(前年同期比3.9%増)となりました。これは主として、支払利息、社債発行費の増加によるものであります。
その結果、当事業年度の経常利益は352,742千円(前年同期比36.0%増)となり、売上高に対する経常利益の比率は前事業年度から0.1ポイント増加し、5.5%となっております。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は、86,753千円(前年同期発生なし)となりました。これは固定資産の売却益を計上したことによるものであります。また、当事業年度の特別損失は、6,314千円(前年同期比41.4%減)となりました。これは主として、固定資産の売却損を計上したことと、複数の固定資産に関して減損損失が発生したことによるものであります。また、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額をあわせた税金費用は、159,145千円(前年同期比73.3%増)となりました。
その結果、当事業年度の当期純利益は274,035千円(前年同期比74.7%増)となり、売上高に対する当期純利益の比率は前事業年度から1.0ポイント増加し、4.3%となっております。
(4)キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。