第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表記がない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの企業理念は「新しい価値の創造と機会の拡大」の追求であり、それはCreation Of New Value And New Opportunities の頭文字を取り「Convano(コンヴァノ)」と名付けられた社名にも込められております。

この企業理念に基づき、従来の常識や既成概念にとらわれず課題にチャレンジし続けることで、従来は一般的に高価格で施術に時間がかかるものと考えられていたネイルサービスを、リーズナブルな価格とスピーディーな施術で提供することを可能としてまいりました。

今後はネイル業界全体の発展に貢献するためにも、当社グループはブランド認知の促進を図ることにより潜在需要を掘り起こし、より多くの方々に「ジェルネイル」を経験していただくべく、新規ユーザーの開拓ならびに雇用機会の創出に取り組んでまいります。

 

(2) 経営環境

当社グループの属するネイル業界は、ネイル利用者の裾野の広がりと安定した需要に支えられ、市場動向は堅調に推移しておりますが、国内の構造的な人手不足を背景とする採用難及び雇用維持に伴う人件費の上昇、不動産賃料の高騰などのコスト増加要因により厳しい経営環境となっております。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う消費者心理の冷え込みにより、経営環境は一段と厳しくなると予想されます。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは主要財務指標として、全社及び各事業の売上収益、営業利益、EBITDA及びその成長率を重視しています。また独自のオペレーションによる高い生産性が当ビジネスモデルの根幹であるため、各ネイリスト別の施術時間や顧客の店舗での滞在時間など、様々な時間の動向を注視しております。さらに予約によるご来店が大半であるため、予約手段の割合や、予約可能数に対する予約率、キャンセル率などの動向を事業上の重要な指標として注視しております。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

近年、ジェルネイルが一般的に認知されてきたとは言えども、ネイルサロンを利用されたことのある方々は、ヘアーサロン利用者などと比較すると未だ少数であり、これは「値段が高い」「時間がかかる」など、従来のネイルサロンに対するネガティブなイメージを払拭できていないことが主原因であると考えられます。
 当社グループが展開するネイルサロン「ファストネイル」は、低価格でありながら安定した技術力とスピーディーな施術、デザインの豊富さ、明朗な会計などが特色であり、これらを顧客に向けてよりいっそう訴求し、安心して通えるネイルサロンのトップブランドとして認知していただくことが不可欠です。
 そこで、効果的かつ効率的な広告宣伝活動を続けると同時に、過去には出店場所を首都圏や関西・東海の駅近郊のビル内をメインとして進めてまいりましたが、近年は優良商業施設内の高い認知が期待できる場所への出店に軸足を移しております。
 さらに今後は、地方都市などの未開拓地域への出店を図るため、既にそれらの地域に密着したビジネスを展開しておられる、ヘアーサロンなどの事業者をパートナーとしたフランチャイズ展開も推進し、事業規模の一層の拡大を図ってまいります。

 

 

(5) 会社の対処すべき課題

①ウィズコロナ時代へ向けた変革

当社グループではこれまで、お客様と従業員の安全と健康を第一に、各店舗での感染予防対策の徹底を図ってまいりました。さらに、オフィスにおきましてもリモートワークや時差出勤などを行い、間接部門の働き方の見直しと生産性の向上並びにコストの抑制を進めてまいりました。

しかしながら、現時点でも新型コロナウイルス感染症の収束見通しが見えない中、当社グループの主たる事業であるネイル事業においても、外出自粛に伴うリピート客の減少並びに原材料や輸送費など各種コストの上昇があり、少なからず影響を受けております。また、長きに渡るコロナ禍により、今後も人々の行動はウィズコロナの時代に向けて様々な行動変容が起きるものと考えられ、他社との競争もますます激化すると思われます。

よって今後は、従業員の採用と育成をさらに強化して獲得可能な売上のキャパシティを増強し、新たな顧客層も開拓すべくこれからのライフスタイルに合った魅力的なプロダクトの開発や、ウィズコロナにより変化した商圏を吟味し、これまで以上に厳選した利便性の高い優良物件への出店とフランチャイズパートナーの開拓を進め、お客様に心から選ばれるブランド創りを目指してまいります。

また、様々な物価上昇によるコスト増にも対応すべく、生産性の向上並びに物流の拠点と方法の見直しなど、コスト削減につながる投資を積極的に行ってまいります。

 

②人材価値の向上と、長く働きやすい環境の実現

当社グループのビジネスの成長において最も大切な経営資源は「優秀な人材」であり、従業員の採用・育成・定着が要であることに変わりはございません。また、ネイリストのスキルは他社に対する競争力の差別化に直結するものであり、継続的な技術力の向上が不可欠であります。

よって当社としましては、継続的な採用活動と従業員教育の充実並びに改善に注力し、より、お客様から支持される人材を店舗へ配属できるよう取り組んでまいります。

また、優秀な人材が長期で働けるよう、結婚や出産、育児、介護などのライフステージの変化が起きた際に、柔軟な働き方が選択可能な雇用区分の再設計を実施いたしましたが、今後も福利厚生の一層の充実などに取り組み、個々人の環境変化に対応した働きやすい環境の強化を目指してまいります。

尚、引き続きオンラインでの新卒・中途採用活動を継続するとともに、人材価値の向上を目的に、e-ラーニングの積極的な導入など、事業成長を推進する中核人材の育成を図ってまいります。

 

③デジタル戦略を中心とした、多様化するマーケティング手法への対応

この度、自社オリジナルの予約システム「FASTNAIL TOWN」のリニューアルを行いましたが、さらにリピート客の創出と広告宣伝コストの削減に寄与すべく、今後も段階的に機能の拡充を行い、利便性の向上による集客の増大と生産性の向上によるコスト削減を進めてまいります。

また、スマートフォンの進化とともに著しく多様化・分散化するマーケティング手法へ対応し、効率的な広告宣伝がスピーディーに実施できるよう、社内体制の構築とマーケティング関連企業との連携などを強化し、入口から店舗体験まで一貫した、他社にない価値を常にお客様に提供できるよう努めていく方針であります。

 

④変革と成長を支える経営基盤の強化

当社グループを取り巻く経営環境は、デジタル技術の進化や消費ニーズの多様化、新型コロナウイルス感染症の影響など大きな変化に直面しており、企業リスクへの迅速な対応が強く求められていると認識しております。

このような環境変化を踏まえ、当社グループは企業価値をさらに高め、株主の皆様をはじめとするステークホルダーに信用され、支持される企業となるために、コーポレート・ガバナンスへの積極的な取り組みが不可欠であると考えております。そのため、さらなる事業規模の拡大の基盤となる経営管理組織を拡充していくために、今後においても意思決定の明確化、組織体制の最適化、内部監査体制の充実に加えて、監査役及び会計監査人による監査との連携を強化し、また、加えて全従業員に対しても継続的な啓蒙、教育活動を行っていく方針であります。

 

⑤業務チェック体制の強化

当社がこれまでに受給した雇用調整助成金について、 申請内容を精査したところ計算の誤りが判明し、過受給額の自主返還を申し出ました。

今回の事象を真摯に受け止め、今後このような事象が再発しないよう業務チェック体制の強化に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスクとなる可能性が考えられる主な事項を記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項記載事項及び本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、本文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があるとともに、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 市場動向と競合他社について

当社グループが属しているネイル産業は2008年頃までに急成長してきましたが、その当時と比較すると現在は伸び率も鈍化しており、ほぼ成熟期に移行し始めたものと思われます。また、当社グループがサロンを主に出店している関東地区は競争が激化しており、過当競争である可能性も否定できません。他業界と比較するとネイルサロン事業は投資コストや法規制などにおいて参入障壁が低く、個人商店の開業も含めて当面、継続して出店が発生するものと考えられます。

当社グループといたしましては、ファストネイルブランドの特徴と強みを一般消費者により一層アピールすることによる潜在需要の掘り起こしを強化してまいりますが、競合状態がさらに激化した場合には、既存店舗の売上が減少し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 人材の確保や人件費の高騰について

当社グループは、今後、店舗展開を行う上で新たな人材の確保が不可欠となりますが、ネイル業界特有の事情で女性比率が高く、結婚、出産等のライフステージの変化により、平均勤続年数が短く、離職率が高い傾向にあります。ネイリストの技術向上、労働環境の改善・充実を今後も図っていく方針ですが、給与相場の上昇、求人費用の増加、労働力需要の増加などに伴い、採用環境が悪化した場合、あるいは退職者数が想定を大きく上回った場合、当社グループが必要とする従業員を適切なコストで確保することができなくなり、新規出店の遅延や既存店の売上減少など業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 新規出店計画について

当社グループの基本的な出店方針は、主要駅を基軸とし特定の出店地域ごとに店舗数を拡大していく方式であり、各地域における有力不動産業者や商業施設ディベロッパーなどからの情報に基づき、立地条件、賃貸条件、売上予測、投資採算性などを慎重に検討し、出店地を決定しております。しかしながら、当社のニーズに合致した物件が必ずしも確保できるとは限らず、また仮に確保できたとしても不動産賃料の高騰などにより計画された店舗収益を確保できない可能性もあり、新規出店が計画通り行われず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 出店時に発生する費用、敷金及び保証金について

当社グループでは初期投資を抑えた出店を基本戦略としておりますが、新規出店時には内装工事や什器備品、販売促進に伴う費用が一時的に発生するため、大量の新規出店、期末に近い時点での新規出店は、その期の利益を押し下げる要因となります。また、賃貸物件による出店を基本としているため、出店時には賃貸人に対して敷金及び保証金を預け入れます。契約に際しては、物件所有者の信用状況の確認など行い、検討しておりますが、賃貸人の経営状況によっては、当該店舗における営業に支障が生じ、契約満了による退店をした際に敷金及び保証金などの全部または一部が返還されない可能性があります。

また、当社グループ側の都合により不採算店舗の契約を中途解約する場合など、締結している賃貸借契約の内容によっては、敷金及び保証金などの全部または一部が返還されない場合があり、当社グループの財務状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、第9期連結会計年度末における総資産に占める敷金及び保証金の割合は6.3%となっております。

 

 

(5) 個人情報の保護について

当社グループは会員登録の際にお客様から頂く情報、採用した従業員の情報など、多数の個人情報を保有しており、社内規程に則った管理に努めております。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、法令違反、損害賠償などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) システム障害について

当社グループはインターネット回線を通じてオーダーシステム、予約システム、ホームページなどを専門の外部業者が所有するレンタルサーバーにて、また売上管理、原材料の受発注、電子帳票類の保管などを、自社内のサーバーにて運用しております。データのバックアップや予備機の設置、定期的なウイルスチェックなどの対策を講じておりますが、災害や機械の故障、回線業者側の不具合など、不測の事態によってシステム障害が発生した場合には、店舗の運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 財務制限条項と金利変動について

当社グループは、吸収合併時の株式譲渡に係る資金を金融機関からの借り入れにより調達しており、係る金銭消費貸借契約に基づく借入金には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば本契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財務状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があるとともに、係る資金の確保ができない場合には、当社グループの存続に影響を及ぼす可能性があります。

また、今後の出店などに伴う支出についても、経済情勢や金利動向、財務バランスを総合的に勘案し、有利子負債の適正水準の維持に努めながら借入を行う方針ですが、想定した借入が実行できない場合、もしくは借入金利が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、第9期連結会計年度末における総資産に対する借入金の割合は34.3%となっております。

 

(8) 減損損失について

のれん及び無形資産の商標権は、当社グループの資産の相当な部分を占めます。旧㈱コンヴァノの買収により発生したのれん及び無形資産の商標権は、第9期連結会計年度末現在それぞれ650,260千円、488,000千円であり、合わせて当社グループの総資産の47.0%を占めています。IFRSのもとでは、のれん及び無形資産の商標権は償却の対象とはならず、毎年及び減損の兆候があると認められた場合にはその都度、減損テストが実施されます。また、当社グループの有形固定資産も、帳簿価額を回収することが出来ない可能性を示す事象や状況変化があった場合には減損テストが実施されます。

外部環境の著しい変化などにより当社グループの店舗収益が悪化し、事業計画において計画したものと業績が大きく乖離した場合、有形固定資産、のれん及び無形資産の商標権について減損損失を計上することとなり、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 天候不順や自然災害について

当社グループは関東、関西、東海、中国、九州地区に店舗を展開しております。これらの地区において天候不順や異常気象が発生した場合には、客数が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、地震や台風などの天変地異により、特定の店舗に留まらず、ある程度のエリアの店舗に跨ってお客様の来店や従業員の出勤が困難になった場合、もしくは店舗の破損・停電・道路の寸断などによって営業が困難になった場合には、店舗の売上が大幅に減少することが考えられます。さらに被害の程度によっては、修繕費などの多額の費用が発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)感染症の影響について

日本国民の多くがその免疫をもっていない新型コロナウイルス等の感染症が国内で拡大した場合、お客様や従業員が感染リスクに晒され、店舗の営業や本社の業務遂行に支障をきたすほか、感染拡大防止のための外出自粛要請等による消費マインドの低下、臨時休業等により営業自粛等の対応を行わざるを得なくなった場合、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。

また、従業員への感染による、店舗の休業や本社の業務の一時的な閉鎖、物流の遅延による店舗の営業への支障、風評被害によるブランドイメージの低下等、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(11)インテグラル株式会社及びその運営ファンドとの関係について

当社は本書提出日現在では、インテグラル株式会社及びその運営ファンドが大株主となっております。当社上場後も相当数の当社株式を保有し、当社の企業価値の向上をサポートする方針を示しております。しかしその保有・処分方針の変更があった場合、当社株式の一部または全部を売却される可能性もあり、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)インターネットなどによる風評被害について

当社グループの展開する「ファストネイル」は、来店前の予約手段や広告宣伝の多くをインターネットに依存しております。そのため、商標などの不正使用や、ソーシャルメディアの急激な普及にともなうインターネット上の書き込み、悪意のあるクチコミ投稿などによる風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの競合他社に対する風評被害であっても、ネイル産業全体の社会的評価や評判が下落することにより、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)業歴が浅いことによるリスクについて

当社は設立が2013年であり、未だ成長途上にあるため、さらなる事業拡大に対応する上での必要な経験等が十分に蓄積されていないと考えております。よって、今後の事業及び経営成績を予測するうえで見込みと異なる推移となった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(14)内部管理体制について

当社グループは、今後の事業展開や成長を支えるためにも内部管理体制のより一層の充実を図っていく方針でありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的な対応ができなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)店舗における顧客からのクレームや事故について

当社グループの事業は、その性質上、顧客からの仕上がり品質やサービスに対するご指摘、ご不満などのクレームを受ける可能性があります。またお客様に店舗に直接ご来店いただくことから、店舗において何らかの重大な事故などが発生した場合、当社グループの事業、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要
  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

 (以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大に伴い緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が実施され、経済活動は引き続き停滞しました。ワクチン接種が進み新規感染者数が減少に転じたものの、感染力の強いオミクロン株が世界的に流行するなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループの属するネイル業界におきましても、コロナ禍による外出自粛等の影響により、非常に厳しい経営環境で推移しました。

このような環境の中、当社グループは、一部の店舗で臨時休業や時短営業を余儀なくされましたが、ジェルネイルの新たなメニューやデザインの導入やフットネイルのキャンペーンを実施するなど、新規顧客の獲得とリピーターへの移行促進及び客単価向上の取り組みが奏功し、全店舗で約2ヶ月間の臨時休業を実施した前連結会計年度に比べて大幅な増収となり利益は黒字に転じました。

直営の店舗展開では、コスト削減及び生産性向上を図るため4店舗の統廃合を実施する一方、9月にファストネイルシャポー本八幡店(千葉県市川市)、3月にファストネイル京都ザ・キューブ店(京都市下京区)の2店舗を新規出店しました。

ファストネイル・ロコモデルのフランチャイズ展開では、福岡県・静岡県・大阪府に合計4店舗を新規出店しました。

商品展開では、D2Cブランド「CONST」第1弾商品のネイルセラムが好評を博すとともに、新商品としてハンドセラム、ネイルオイルをそれぞれ発売しました。

損益では、固定費の削減に取り組み、雇用調整助成金等を活用しましたが、当社がこれまでに受給した雇用調整助成金について、社内で申請内容を精査したところ計算誤りが判明し、外部専門家に依頼した再計算に基づく自主返還見積額の81百万円を引当金として計上しました。

以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益は2,143百万円(前連結会計年度比32.6%増)、営業利益は89百万円(前連結会計年度は営業損失313百万円)、税引前利益は82百万円(前連結会計年度は税引前損失318百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は51百万円(前連結会計年度は親会社の所有者に帰属する当期損失217百万円)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

(a)ネイル事業

(店舗数)

 

ブランド名

地域

2021年3月31日

新規出店

統合・閉店

2022年3月31日

 

ファストネイル

関東

39(1)

1

40(1)

 

 

東海

7

△2

5

 

 

関西

4

1

△1

4

 

 

中国

2

△1

1

 

 

九州

1

1

 

 

53(1)

2

△4

51(1)

 

ファストネイル・プラス

関東

3

3

 

ファストネイル・ロコ

関東

3

3

 

 

東海

1(1)

1(1)

 

 

関西

1(1)

1(1)

2(2)

 

 

九州

2(2)

2(2)

 

 

4(1)

4(4)

8(5)

 

合計

 

60(2)

6(4)

△4

62(6)

 

 (注)( )内はフランチャイズ店舗であり内数であります。

 

<参考> ネイリスト育成サロン数

 

サロン名

2021年3月31日

増減

2022年3月31日

 

NAIL FLAPS(ネイルフラップス)

1

1

 

 

(新規出店、統合・閉店)

 

内容

 

2021

ファストネイル 広島本通店(広島市中区)をファストネイル 広島パルコ店(広島市中区)に統合し、閉店

 

 

 

ファストネイル 江坂店(大阪府吹田市)をファストネイル 大阪梅田店(大阪市北区)に統合し、閉店

 

 

ファストネイル 名古屋伏見駅店(名古屋市中区)をファストネイル アスナル金山店(名古屋市中区)に統合し、閉店

 

 

 

ファストネイル ロコ 春日店(福岡県春日市)を新規出店

 

 

ファストネイル ロコ 大名店(福岡市中央区)を新規出店

 

 

 

ファストネイル ロコ ららぽーと沼津店(静岡県沼津市)を新規出店

 

 

ファストネイル シャポー本八幡店(千葉県市川市)を新規出店

 

2022

ファストネイル 栄店(名古屋市中区)をファストネイル 名駅店(名古屋市中村区)に統合し、閉店

 

 

ファストネイル ロコ ららぽーと和泉店(大阪府和泉市)を新規出店

 

 

ファストネイル 京都ザ・キューブ店(京都市下京区)を新規出店

 

 

(業績)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上収益

1,608

2,132

523

 

セグメント利益(△は損失)

△309

92

401

 

 

(b)メディア事業

(業績)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

売上収益

9

13

4

 

セグメント利益(△は損失)

△5

△4

1

 

 

 ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28百万円増加し、393百万円となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は366百万円(前連結会計年度は80百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費を227百万円、助成金返還損失引当金を81百万円それぞれ計上したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は93百万円(前連結会計年度比45百万円の支出増)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出を68百万円計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は245百万円(前連結会計年度は213百万円の収入)となりました。これは主に、リース負債の返済による支出を203百万円計上したことによるものであります。

 

  ③生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

  当社グループで行う事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略し

ております。

 

   b. 仕入実績

  当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

ネイル事業

132,563

155.9

メディア事業

合計

132,563

155.9

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

 c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上収益(千円)

前期比(%)

ネイル事業

2,131,614

132.6

メディア事業

13,305

144.1

調整

△1,993

合計

2,142,926

132.6

 

(注) 1.主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先が無いため記載を省略しております。

2.調整はセグメント間の相殺消去であります。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。

当連結会計年度では、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大に伴い緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が実施され、当社グループは、一部の店舗で臨時休業や時短営業を余儀なくされました。ワクチン接種が進んでいるものの、感染力の強いオミクロン株が世界的に流行するなど依然として収束時期が見通せない状態が続いております。

このような状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症による当社グループの業績への影響は2022年4月以降も2023年3月期中は一定期間継続するものと仮定し、会計上の見積りを行っておりますが、現時点で全ての影響について予測を行うことは困難な状況であるため、収束時期等によって変動する可能性があります。

 

  ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  a. 財政状態の分析

  当連結会計年度末における資産、負債及び資本の状況は以下のとおりであります。

 (単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 

資産合計

2,406

2,423

17

 

負債合計

1,617

1,575

△42

 

資本合計

789

848

59

 

 

  (資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ14百万円減少し、591百万円となりました。これは主に、未収法人所得税等が33百万円減少した一方で、現金及び現金同等物が28百万円増加したことなどによるものであります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べ31百万円増加し、1,832百万円となりました。これは主に、無形資産が68百万円増加した一方で、繰延税金資産が31百万円減少したことなどによるものであります。

その結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ17百万円増加し、2,423百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ4百万円増加し、1,170百万円となりました。これは主に、引当金が79百万円増加した一方で、その他の流動負債が66百万円減少したことなどによるものであります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、405百万円となりました。これは主に、借入金が50百万円減少したことなどによるものであります。

その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ42百万円減少し、1,575百万円となりました。

 

(資本)

資本合計は、当期利益の計上などにより前連結会計年度末に比べ59百万円増加し、848百万円となりました。

 

 b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

    当社グループの売上は、経済情勢、消費者の嗜好の変化、他社との競合、天候不順、出店計画等による影響を受 け、また当社グループの費用は、原材料価格、光熱費、不動産賃料、人件費等による影響を受けます。したがって、これらの変動要因が発生し、当社グループによる対応策が有効に機能しなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 c. 経営戦略の現状と見通し

ファストネイルは、コロナ禍以前は安定的な収益を確保しており、現状はコロナ禍の影響を受けておりますが、女性の「キレイでいたい」「おしゃれをしたい」といった普遍的な欲求に応えるビジネスであることから、日常生活の回復とともに需要も徐々に従前の水準に戻るものと考えております。
 よって当社グループは、既存店の集客と収益力強化のために人材教育や魅力的なプロダクトの開発・提供に力を入れ、さらに優良物件への積極的な出店と、新たなフランチャイズパートナーの開拓を進めることにより、今後も事業規模の拡大を図ってまいります。

 

 d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

主として運転資金、設備投資、長期借入金の返済、法人税等の支払に資金を充当しております。

運転資金のうち主なものは、人件費、地代家賃、材料費等であります。

設備投資は主に、ネイルサロン「ファストネイル」の新規出店にかかる有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入等であります。

② 資本の財源

営業活動によるキャッシュ・フローにより得た資金を基本としておりますが、運転資金につきましては、状況に応じて取引銀行から短期借入れを行っております。

③ 資金の流動性

・当座貸越契約

当社は、取引銀行6行との間で貸越極度額合計500百万円の当座貸越契約を締結しております。

当連結会計年度末において、当該契約に基づく借入を380百万円実行しております。

・コミットメントライン契約

当社は、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、2020年5月に取引銀行2行との間で借入極度額合計500百万円のコミットメントライン契約を締結しました。

当連結会計年度末において、当該契約に基づく借入を200百万円実行しております。

・劣後特約付金銭消費貸借契約

当社は、新型コロナウイルス感染症の影響により毀損した財務基盤の中長期的な安定を図り、将来の業績拡大を見据えた事業展開を推進するため、2021年3月31日付で株式会社商工組合中央金庫と劣後特約付金銭消費貸借契約を締結し、200百万円の借入を実行しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

本書提出日現在における経営上の重要な契約等は次のとおりであります。

 

1.コミットメントライン契約

当社が2021年5月に更新及び延長したコミットメントライン契約の契約期間は1年間ですが、新型コロナウイルス感染症は依然として収束の目途が立たない状況であることから、当該契約を更新及び延長いたしました。

契約締結先

株式会社みずほ銀行

株式会社りそな銀行

借入極度額

300,000千円

200,000千円

契約締結日

2022年5月27日

(契約の延長)

契約期間

2022年6月1日から1年間

2022年6月1日から1年間

契約形態

個別相対方式

個別相対方式

担保

無担保・無保証

無担保・無保証

財務制限条項

事業年度(第2四半期を含む)の連結決算における純資産の部の金額をプラスに維持すること

事業年度(第2四半期を含む)の連結決算における純資産の部の金額をプラスに維持すること

 

 

 2.劣後特約付金銭消費貸借契約

契約締結先

株式会社商工組合中央金庫

借入金額

200,000千円

契約締結日

2021年3月31日

借入期間

2021年3月31日~2026年4月20日(期限一括返済)

利率

業績により変動

担保

無担保・無保証

 

 

5 【研究開発活動】

特記事項はありません。