第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更および追加があった事項は以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度まで継続して、営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期(中間)純損失を計上しております。2022年12月期には債務超過の解消はしたものの、当中間連結会計期間においても営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する中間純損失を計上し継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。

当社グループでは、当該事象又は状況を解消するために、以下の施策を実施しております。


① 資本政策による財務基盤の安定化

当社にとって収益力を高めていくためには、人材の採用を含めた基盤整備、業容拡大のための投資が不可欠と考えており、そのため2024年10月度取締役会において、第11回、第12回及び第13回新株予約権の発行を決議し、前連結会計年度及び当中間連結会計期間において、第11回新株予約権の一部行使及び第13回新株予約権の行使完了により資金調達を図りましたが、依然として当社の資本は脆弱であり、今後も資本政策について多角的な検討を進めてまいります。
 
② 収益力の向上

当社は、主力商品である「アンバサダープログラム」の開発・運用の実績から、アンバサダーのクチコミ効果を分析する独自のテクノロジーや、アンバサダーの行動によるビジネス貢献の分析モデル等のノウハウを保有しております。

これらのテクノロジーやノウハウとのシナジーが期待できる事業分野への投資等の取り組みによって、収益の黒字化の速やかな実現を図ってまいります。

当社はすでに前連結会計年度において「ECによる小売業」を開始し、また株式会社グローリーの子会社化により、「幼児用教材事業」に進出することで成果を挙げています。

また、前連結会計年度及び当中間連結会計期間において、以下の子会社及び持分法適用会社の設立及び出資により新規事業に進出しています。

 

●連結子会社及び持分法適用会社
・株式会社ミライル(コンタクトレンズ製造販売)
・株式会社BEBOP(タレントマネージメント事業)
・株式会社インプレストラベル(旅行業)
・有限会社辻元(酒類販売)
・株式会社cadre(総合家電・美容商品)
・東京書店株式会社(出版)
・株式会社V-TOKER(TikTokに特化したVライバーの育成支援)
・株式会社みっとめるへん社(幼児向け絵本・児童向け読み物・遊具・アパレル等)
・株式会社sayuri-style(ファッション通販)
 

今後も、エンターテインメント、旅行、消費財等の領域でのM&Aや新規事業への投資を行い、事業の多角化により新たな収益源確保を推進してまいります。
 
③ 人材の採用及び育成の強化

業容の拡大及び事業の多角化推進に伴い、当社では今後専門的スキルを持つ人材ニーズが高まっております。

当社では人材の確保を喫緊の課題と捉え、今後、積極的な人材採用を行うとともに、多様性を重視し、社内における人材育成を推進してまいります。

 

しかしながら、これらの対応策は、今後の経済情勢等により収益が計画通り改善しない可能性があることや、資本政策はご支援いただく利害関係者の皆様のご意向に左右されるものであり、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。なお、中間連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を中間連結財務諸表には反映しておりません。

 

(2)暗号資産投資事業におけるビットコイン投資に関するリスク

当社では、暗号資産投資事業の一環として、暗号資産取引所を通じて暗号資産(ビットコイン)に対する投資を行っております。これらの投資については、市場の変化等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

具体的なリスクは以下の通りです。

 

①価格変動リスク

ビットコインは市場参加者の需給、投機的取引、外部環境の変化により価格が大きく変動する可能性があります。これにより、当社の財務状況や業績に影響を及ぼすおそれがあります。

 

②セキュリティリスク

当社が保有するビットコインは、暗号資産取引所に保管しております。かかる保管方法においては、暗号資産取引所に対するハッキング、不正アクセス等のサイバー攻撃やシステム障害、及び当社に対するサイバー攻撃等によるパスワード漏洩等が発生した場合、当社保有の暗号資産が紛失、盗難、毀損等の被害を受ける可能性があり、当社の資産に対して重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

③法規制・税制の変更リスク

暗号資産に関する法規制及び税制は、国内外において流動的であり、将来的な制度変更等により、当社の運用方針、財務負担、開示義務等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、物価高と輸出減少を背景に足踏み状態が続いています。雇用面では一定の改善が進む一方、実質賃金の低迷が持続し、個人消費は弱含みで推移しました。また、季節需要の影響による一部消費の上昇が見られたものの、物価上昇と国際情勢の不確実性が押し下げ要因となっています。これにより、国内経済全体の安定的な回復には依然として課題が残り、不安定な状態が続いています。

このような状況のなか、当中間連結会計期間においては、業績不振から脱却するために前期より行っている施策などが奏功し、売上高は増加してきております。

利益についても、前期よりコスト削減に取り組んでおり、販売費及び一般管理費は前年同期と比べて大幅な削減ができております。

また特別損益区分においては、損害賠償請求訴訟の一部和解による特別利益が発生した一方で、弁護士費用による特別損失が発生しております。

以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は202,241千円(前年同期比27.1%増)となりました。営業損失は143,341千円(前年同期は営業損失179,645千円)、経常損失は151,181千円(前年同期は経常損失180,113千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は93,590千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失186,027千円)となりました。

当社グループのセグメントは、2024年12月期より、「アンバサダー事業」「製造販売業」「小売業」の3区分により報告セグメントの開示を行っております。

当中間連結会計期間におけるセグメント別の状況は次のとおりであります。

 

 

営業収益内訳(セグメント別)

 

2024年12月期

中間連結会計期間

2025年12月期

中間連結会計期間

増減率

アンバサダー事業

売上高

140,008千円

122,789千円

△12.3%

セグメント損益

(△は損失)

△70,919千円

△37,459千円

製造販売業

売上高

17,895千円

15,192千円

△15.1%

セグメント損益

(△は損失)

△31,623千円

△6,461千円

小売業

売上高

1,111千円

64,249千円

セグメント損益

(△は損失)

254千円

△19,465千円

その他

売上高

119千円

9千円

△92.4%

セグメント損益

(△は損失)

△10,111千円

△4,991千円

 

(アンバサダー事業)

「アンバサダー事業」では、企業や商品のファンを組織化し、SNSを通じた1人ひとりのクチコミの促進・分析が可能なアンバサダープログラムの提供を行っております。当中間連結会計期間において、前年同期比でアンバサダープログラムの受託数が減少したこと等により、アンバサダー事業の売上高が前年同期より減少いたしました。当中間連結会計期間の売上高は122,789千円(前年同期比12.3%減)、セグメント損失は37,459千円(前年同期損失は70,919千円)となっております。

 

(製造販売業)

「製造販売業」では、酸素ボックス等の高気圧酸素機器及び酸素発生機の設計、開発、製造、販売、並びにレンタルを行っております。当中間連結会計期間の売上高は15,192千円(前年同期比15.1%減)、セグメント損失は6,461千円(前年同期損失は31,623千円)となっております。

 

(小売業)

「小売業」では、当社及び子会社のand health株式会社の運営するECサイトにて、カラーコンタクトレンズ、音楽・映像(CD・DVD)、家電などの小売販売を行っています。当中間連結会計期間の売上高は64,249千円(前年同期売上は1,111千円)、セグメント損失は19,465千円(前年同期は254千円のセグメント利益)となっております。

なお、当該ECサイトによる販売は前年6月より開始しており、前年同期の売上は1カ月分のみの計上であることから、比較的低水準となっております。今期は1年間の継続運用を通じて取引件数が増加し、前年同期比で売上高が増加しております。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ214,211千円増加し、771,783千円となりました。これは、流動資産が70,147千円増加し554,112千円となったこと及び固定資産が144,063千円増加し217,670千円となったことによるものであります。

流動資産の主な増加は、商品及び製品の増加42,085千円、現金及び預金の増加24,593千円、受取手形及び売掛金の増加21,594千円、前払費用の増加9,060千円等によるものであります。固定資産の主な増加は、投資有価証券の増加107,698千円、貸倒引当金の減少23,570千円等によるものであります。

一方、負債については、前連結会計年度末に比べ流動負債が13,970千円増加し118,145千円となったこと及び固定負債が9,000千円増加し、119,460千円となったことにより237,605千円となりました。

流動負債の主な増加は、1年内返済予定の長期借入金の増加6,072千円、未払金の増加4,304千円等によるものであります。固定負債の主な増加は、長期借入金の増加9,000千円によるものです。

純資産については、前連結会計年度末に比べ191,240千円増加し534,177千円となりました。これは資本金、資本剰余金が第11回及び第13回新株予約権による第三者割当増資により、それぞれ140,057千円ずつ増加したこと等によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、368,712千円となりました。なお、当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の営業活動の結果減少した資金は101,677千円であります。これは主に、税金等調整前中間純損失(△)95,969千円の計上に対して、営業債務及びその他の債務の増減及び和解による特別損益として和解金50,610千円、貸倒引当金戻入益23,570千円及び訴訟関連費用18,545千円があったことに加え、和解金の受取額75,680千円及び供託金の返還25,300千円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の投資活動の結果減少した資金は、124,960千円であります。これは主に投資有価証券の取得による支出104,381千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間の財務活動の結果増加した資金は、251,230千円であります。これは長期借入金の返済による支出14,608千円、株式の発行による収入265,838千円によるものであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

1.有限会社辻元の株式取得

当社は、2025年1月20日開催の取締役会において、有限会社辻元の全株式を取得し、同社を子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2025年1月30日付で株式の取得を完了しております。

 

2.株式会社cadreの株式取得

当社は、2025年3月10日開催の取締役会において、株式会社cadreの発行済株式のうち51%を取得し、同社を子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2025年4月1日付で株式の取得を完了しております。

 

3.東京書店株式会社の株式取得

当社は、2025年3月11日開催の取締役会において、東京書店株式会社の全株式のうち25%を取得し、持分法適用関連会社化することについて決議し、2025年3月17日付で株式譲渡契約を締結し、2025年4月1日付で株式の取得を完了しております。

 

4.合弁会社の設立

当社は、2025年3月12日開催の取締役会において、インフルエンサーZ株式会社との共同出資により、合弁会社(株式会社V-TOKER)を設立することを目的として合弁契約を締結することを決議し、2025年3月13日付で合弁契約を締結し、2025年4月1日付で合弁会社(株式会社V-TOKER)の設立を完了しております。

 

5.株式会社みっとめるへん社の株式取得

当社は、2025年3月17日開催の取締役会において、株式会社みっとめるへん社の全株式のうち25%を取得し、持分法適用関連会社化することについて決議し、2025年3月24日付で株式譲渡契約を締結し、2025年4月1日付で株式の取得を完了しております。

 

6.株式会社sayuri-styleの株式取得

当社は、2025年5月26日開催の取締役会において、株式会社sayuri-styleの発行済株式のうち50%を取得し、かつ、株式会社sayuri-styleの取締役の過半数を当社役員が兼務することにより、同社を子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結し、2025年6月2日付で株式の取得を完了しております。