第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 「世界を驚かすサービスを創出する」という理念のもと、将棋等の頭脳ゲームAIを開発する過程で培った技術力を活用し、またグループ会社で蓄積されたSaaS関連技術・セキュリティ関連技術等もフルに活かして、AI革命を起こし、未来を創っていく集団であり続けることを当社グループの基本方針としております。

 

(2)経営環境・経営戦略

 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。

 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。

 また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。

 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。

 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。

 また、当連結会計年度は、2024年8月に、当社のグループ会社であるVOIQ株式会社が、bizy株式会社の展開するセールス支援事業等の譲受を行いました。HEROZグループでは、グループ各社が持つ強みと当社が持つAI技術力でシナジーを創出・拡大し、社会やビジネスにおけるAIXをさらに推進させるべく、今後も「オーガニックな成長」「企業価値向上のためのM&A」の両方に積極的に取り組んでまいります。

 

 セグメント別の事業戦略は、以下となります。

・AI/DX事業

 当社グループに蓄積されたAI技術・ノウハウ・データを活用し、個別のAIソリューション開発とAI SaaSの両軸から、企業のAIXを支援する事業となります。具体的には、HEROZ株式会社の提供するBtoCサービス、BtoBサービスに加えて、株式会社ストラテジット、株式会社エーアイスクエア及び株式会社ティファナ・ドットコム、VOIQ株式会社が運営する事業が含まれています。

 

・AI Security事業

 マネージドセキュリティサービス・インテグレーションサービスを中心に、AI技術を利用して高度なインターネットセキュリティの実現を目指す事業が対象となります。具体的には、バリオセキュア株式会社が提供するAI Security事業になります。

 

 

 

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは、継続的な事業拡大のため、以下の課題について対応が必要であると考えております。

① AI・SaaS関連の新技術への対応

 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通しているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化した「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げてまいりたいと考えております。

 上記の戦略推進においては、AI関連・SaaS関連の技術が根幹となりますが、これらの技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下で当社グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術にスピード感をもって対応していくことが必要であると認識しております。

 特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとしてAIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、またAIエージェントに関する注目・機運も高まる中で、各企業がAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。

 当社では、現在所属している一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員や一般社団法人「日本ディープラーニング協会」の正会員として最先端の情報収集に努めており、技術力向上に取り組んでおります。 また、2024年5月に当社で生成AIを用いたAIアシスタントSaaS「HEROZASK」を、グループ会社の株式会社ストラテジットでSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースしており、同サービスの事業拡大・各種連携を進めることで社会全体のAI実装・AIXをさらに加速していきたいと考えております。それに加えて、今後、各種SaaSサービスのアップデート・機能拡充のみならず、次世代のAIエージェント実現や、従来なかった新規分野・領域におけるAIXを目指し、AI・SaaS・セキュリティ分野等における積極的な研究開発も引き続き進めてまいります。

 

② セキュリティサービス関連の新技術への対応

  当社のグループ会社であるバリオセキュア株式会社はインターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、インターネットセキュリティ関連分野においては、クラウドサービスの利用拡大やワークスタイルの変化、そして、巧妙化するサイバー攻撃により、セキュリティの脅威は社外、社内という境界を越えて存在するようになりました。このような環境下、同社では、外部からのリスクを防御するマネージドセキュリティサービスに加え、セキュリティリスクを検知し、脅威を除去する端末側のセキュリティサービスやデータの保護・復旧を行うバックアップサービスなど、事業領域を拡大してまいりました。同社の中期経営計画では、セキュリティサービスを包括的に提供する統合セキュリティベンダーとして、各種サービスの提供を行っていく予定です。今後も新たなセキュリティ課題に対する需要が拡大する中、市場の変化に対応したサービスを提供してまいります。

 

③ 人材の確保

 当社グループは、AI市場をはじめとする情報サービス業界全体の拡大、新規参入企業の増加、顧客・ユーザのニーズの多様化、急激な技術革新等に迅速に対応していくため、最先端の技術を有する人材の確保、育成が必要と考えております。しかし、優秀な技能を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。当社グループとしましては、技術力の高さを通じて市場でのプレゼンスを高めることや、採用領域における次世代型AIエージェントの実現・機能向上、広報活動・マーケティング活動の強化、及び優秀な人材が興味や関心を持つ分野での各種取り組みを強化すること等により、会社の魅力を訴求していくことが重要であると考えております。また、社内研修の強化等を図っていくことで人材の育成につなげるほか、人事制度の整備・運用やエンゲージメントサーベイなどを実施し、従業員の定着率向上に努めてまいりたいと考えております。

 

④ 情報管理体制の強化

 当社グループでは、現在、様々な業界に対してAI SaaS関連サービスの提供を行っております。このようなAI・SaaS関連のソリューション提供のためには、それぞれの業界において蓄積されたデータが必要になるため、データを有する企業とのパートナーシップ戦略を採用しております。その結果、顧客の機密情報を扱うこととなっているため、情報管理規程等に基づいた管理を徹底しており、今後も社内教育を継続して行ってまいります。

 

⑤ SDGsに関する課題への対応

 当社グループは、グループ内に蓄積されたAI・SaaS関連技術、データ等を活用して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するべく、以下の重点方針に従い、SDGs(Sustainable Development Goals)に関する取り組みを進めてまいります。

<重点方針>

・AIXの推進

 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。これらの戦略・事業活動を通じて、国内における労働人口不足問題の解決に取り組むとともに、人とAIが当たり前に協走・協創する社会の実現を目指し、各産業のAI BPaaSを推進してまいります。

 

・AIを通じた地域社会や地球環境への貢献

 温度や湿度等を快適にする建物制御システムに当社のAIを搭載する等、省エネルギー化につながるAIを提供し、環境負荷を軽減する取り組みに参加いたします。

 

・働きがいのある環境づくり

 在宅勤務の導入や休暇取得の促進等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しております。また、残業時間のモニタリングや産業医面談等、長時間労働や過重労働を防ぐための体制を作り、役職員の健康管理にも配慮しております。

 

・人材育成・価値発揮

 社員一人一人が、自己の能力を高めることができる業務体制や人事制度を整えているほか、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、社員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。また、人事制度に関してはグループ内で適宜見直しを行い、臨機応変に整備を行うことにより人材力の強化に努めております。

 

・最先端技術のリード

 「① AI・SaaS関連の新技術への対応」に記載した内容とも関連しますが、最新技術に関する情報収集等をスピード感をもって行い、高品質で最先端なAIを提供するよう努めております。また、後述の「⑦ 知的財産権の確保等について」にも関連した内容となりますが、当社グループが発案した知的財産の権利化を進め、可能な限り、知的財産を活用できる取り組みも進めております。

 

⑥ システム基盤の強化

 当社グループの収益の基盤となるサービスを展開するためには、大量の情報処理やシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、システムを安定的に稼働させるための人員の確保及びサーバの最適化を通じて、安定稼働に努めてまいります。

 

⑦ 知的財産権の確保等について

  当社グループでは、日々のAIソリューション提供やSaaS関連サービスの提供から生じた新規性のある独自技術の保護のために、単独又は共同開発企業等と共同で、それらに関する特許権等の知的財産権の取得を図っております。

  しかしながら、AI・SaaS関連分野においては、国内外大手IT企業等が知的財産権の取得に積極的に取り組んでいるため、当社も特許権等の取得により当社の活動領域を確保することが課題であると認識しております。今後、様々な業界に対してAIを開発することによって有用な知見が得られることが期待されるため、外部専門家とも協力しながら、独自の技術分野については、他社に先立って戦略的に特許権等を取得していきます。

 

⑧ サービスの安全性及び健全性の確保

 当社グループでは、BtoB領域において「HEROZ ASK」「JOINT」「QuickSummary2.0」「AIさくらさん」等のSaaS関連サービスを提供しておりますが、今後これらのサービスをさらに提供・拡大していくにあたり、サービスの品質や安全性の向上は重要な課題であると考えております。今後、生成AI関連の技術も含め最新技術の収集に努めるとともに、より長期的にご利用いただけるサービスを目指し、妥協のない新機能開発・向上を追求していきたいと考えております。

 また、当社では、BtoCサービスにおいて「将棋ウォーズ」等の個人向けアプリサービスを提供しており、ユーザが安心して同サービスをご利用いただけるように、下記のガイドラインを設け、その安全性・健全性の確保に努めております。

 

当社の安全性・健全性に関するガイドライン

第1条(目的)

 このガイドラインは、HEROZ株式会社(以下「当社」という)が運営・提供するゲーム等のサービスについて、当該サービスを利用する者(以下「利用者」という)が安心・安全に楽しめるサービスの提供を実現するために必要な施策を示すことを目的とする。

 

第2条(施策)

 前条の目的を達するために以下の施策を行う。

(1)法令遵守の徹底

 サービスの開発・提供に際して、景品表示法その他の関連する法令を遵守する。提供するサービスについて将来的に違法と判明した場合は、直ちに停止する。

(2)18歳未満の利用者の保護の徹底

 入会時もしくは課金時に年齢認証を行い、18歳未満の利用者による過度な課金利用を未然に防止する。月間課金上限額(税抜)については、18歳未満利用者の場合、月額20,000円とし、16歳未満の場合は月額5,000円とする。

(3)リアル・マネー・トレード(RMT)の禁止

 RMTは一切禁止とする。利用規約においてRMTを禁止している旨を明記するとともに、RMT利用が判明した利用者には、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。

(4)不適切行為に対する措置

 利用規約違反など、サービスにおいて不適切と判断される行為を行った利用者に対しては、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。

(5)利用者間コミュニケーションの監視

 利用者間のコミュニケーションが安心・安全に行われるよう、定期的に監視し、利用者間の不適切なコミュニケーションを発見した場合には迅速な対処を行う。

(6)適切な有料アイテム出現確率

 有料ガチャのようにランダムで出現する有料アイテムについては、その出現確率を適切な水準に設定する。

(7)社員研修・教育

 サービスの安全性・健全性を向上させるため、社員の研修・教育を実施する。

第3条(更新)

 サービスの変化、利用者の状況の変化、その他社会状況等の変化に鑑み、当ガイドラインの内容を最適な状態とするべく努力をする。

 

⑨ 内部管理体制の強化

 当社グループにおきましては、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、当社及び当社グループの事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。

 また、当社及び当社グループの成長速度に見合った人材の確保及び育成も重要な課題と認識しており、継続的な採用活動と研修活動を行ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

  当社グループは、中長期的な企業価値の向上のため、今後、サステナビリティに関する取組みを拡充・充実させていく必要があると認識しており、特に、人的資本・知的財産への投資等が非常に重要であると認識しております。現在、当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針を策定し、AIを通じた地域社会や地球環境への貢献及び価値あるサービスやプロダクトの創出を目指しているほか、そういったサービスの特許取得による知的財産保護や、人材確保・定着のための取組みの拡大等を実施しております。

  また、当社グループは新たにHEROZ3.0としてグループ戦略「AI BPaaS」を掲げておりますが、これは、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AI等を駆使し大幅に自動化されたWorkというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことにより、AIが人間の仕事を奪うのではなく、AIを活用したWorkの提供により、人がより本質的な意思決定や自己実現活動等に注力できるようにし、人とAIが協創していけるサステナブルな社会の実現を目指すものであります。少子高齢化が進む日本国内において、人とAIが今後どのように関わっていくかはますます重要な課題となると考えており、当社グループはAI関連技術をフルに活用したWorkを提供し、各産業においてAI革命を実現していくことで、人とAIが協創(協走)していくサステナブルな社会の実現にも貢献していきたいと考えております。

  そして、当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針やその具体的な取組みについて、実効性が確保されているかを取締役会やその他の社内会議で検証し、改善を図りつつ方針を実行する経営体制を構築しております。

 

(2)戦略

  当社グループは、サステナビリティに関する取組みのうち、特に人材確保・定着に関する取組みを経営上重要であると考えており、従業員は事業の成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取組んでおります。具体的な取組みとして、働きがいのある環境づくりのため、在宅勤務の導入や休暇取得の促進等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しており、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、社員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。

  また、社員一人一人の自己能力を高めることができる業務体制や年齢、国籍、性別等区別することなく、意欲と能力のある従業員が平等に管理職への登用への機会等が得られるような人事制度を整えております。

 

(3)リスク管理

  当社グループでは、「リスク管理規程」等に基づき、取締役会、コンプライアンス委員会の設置やその他の社内会議等を通じてサステナビリティに係るリスクの識別・評価・管理を行うためのプロセスを整備し、リスクの未然防止及び会社損失の最小化に努めております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、弁理士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、内部監査及び監査等委員による監査を通じて、潜在的なリスクの早期発見に努めております。今後もサステナビリティ関連の課題について引き続き取締役会等で検討し、適切な対応を行っていく予定です。

 

(4)指標及び目標

  当社グループでは、小規模な組織体制であるため、重要性も加味したうえで、年齢、国籍、性別等の区分で管理職の構成割合や人数の目標値等は定めておりません。ただし、当社グループが掲げるミッションを実現し、事業成長を加速するためには、様々な局面において多様な意見を反映することが重要であるという認識の下、女性や中途採用者の管理職への登用を推進しており、その数は増加傾向にあります。また、当社では、第15期定時株主総会において、女性役員を1名選出し、連結子会社であるバリオセキュア株式会社では、第9期定時株主総会において、女性役員を2名選出しております。今後も期待する役割に応じた能力と実績に基づき、積極的に登用を進めるとともに、これらの者が成果を最大化し、適切に能力が評価されるような施策や環境の整備に取組んでまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループに係る株式に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、当社グループはリスク管理を実施することで、以下のリスクに対してその発生可能性を一定程度低い水準まで抑えられていると考えております。また、これらのリスクの発生時期及び顕在化した場合に当社の経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。

 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)事業内容・事業環境に関するリスク

① AI・SaaS関連市場について

 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツール提供会社にとどまらず、生成AI等を駆使し大幅に自動化されたWorkというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIトランスフォーメーション(AIX)を起こしていくことを目指しておりますが、その根幹となるAI関連・SaaS関連の技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。なお当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、ととらえております。

 特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとして生成AIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、各企業が同モデルを含むAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しているほか、SaaS市場に関しても、生成AIの広まりとともに市場自体が成長を続ける中で、各種SaaS間のシームレスな連携・ストレスフリーな利活用に関する需要も拡大していくものと考えられます。

 このような環境は、当社グループにとって追い風となる一方で、AI・SaaS関連市場の成長は、AI・SaaS関連技術の開発、利用、普及等を制限するような法規制、政策、景気動向、技術革新、関連する市場の動向等の様々な要因により影響を受けます。これらの要因により、関連市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社グループが同様のペースで順調に成長しない可能性があり、かかる場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ネットワークセキュリティ市場の動向について

 当社のグループ会社であるバリオセキュア株式会社(以下、「バリオセキュア」という。)は、インターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、同社の主たる事業領域であるネットワークセキュリティ市場は、急速な技術的革新、ユーザ企業のニーズの多様化、頻繁な新商品やサービスの登場を特徴としております。同社は将来のニーズを予測し、サービスや商品の開発を行っておりますが、それらが的確に行われない場合、または、新規の顧客の要求と合致しない場合、新規需要喚起ができない等の問題が生じ、このような変化に同社が対応することができない場合、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ AI・SaaS関連の技術革新等について

 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや

複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic

Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通し

ているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化

されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化し

た「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行

し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げ

てまいりたいと考えております。

 上記の戦略推進においては、AI関連・SaaS関連の技術が根幹となりますが、これらの技術は、将来的な利用可

能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下で

当社グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術にスピード感をもって対応していくことが必要

であると認識しております。

 特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとしてAIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、またAIエージェントに関する注目・機運も高まる中で、各企業がAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。当社グループは、よりスピード感をもってそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めており、AI・SaaS関連技術を活用したビジネスにより収益の拡大を図っていく所存でありますが、今後において技術革新のスピードやこれに伴う新たなビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化に、当社グループが適時適切に対応出来ない場合、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクへの対策として、当社グループでは、AI・SaaS関連市場における技術動向を今後も継続的に注視し、また必要に応じて資本提携を含む業務提携等の経営戦略を推進し、AI・SaaS関連市場におけるシェアの維持及び拡大を進めてまいります。具体的には、現在所属している一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員や一般社団法人「日本ディープラーニング協会」の正会員として最先端の情報収集に努めており、技術力向上に取り組んでおります。また、2024年5月には、当社で生成AIを用いたAIアシスタントSaaS「HEROZ ASK」を、ストラテジットでSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースしており、同サービスの事業拡大・各種連携を進めることで社会全体のAI実装・AIXをさらに加速していきたいと考えております。

 それに加えて、今後、各種SaaSサービスのアップデート・機能拡充のみならず、大規模言語モデルを含むAI・SaaS・セキュリティ分野における積極的な研究開発も引き続き進めてまいります。

 

④ セキュリティ関連の技術革新等について

 バリオセキュアの主たる事業領域であるネットワークセキュリティ市場は、技術革新の著しい市場であり、競争力維持のために継続した研究開発が要求されます。同社が市場の技術革新に対応できない場合、また、研究開発体制を維持できない場合は、既存製品の陳腐化あるいは技術革新に対応するための開発コストの増大を招く可能性があります。この場合、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 企業の設備投資の動向について

 各企業・産業において、AIX・AIエージェントの急速な広がりに伴い、AI・SaaS関連技術への投資や、ネットワークセキュリティの維持向上に対する重要性は日々高まっております。この結果、国内外において上記に関連する設備投資は今後さらに増加するものと考えております。

 しかしながら、景気の動向等により各産業において設備投資が抑制・削減された場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 機密情報の管理体制について

 当社グループのAIが学習対象とする情報や、SaaS関連のソリューション提供等の過程で利用する情報の中には、顧客の経営戦略上極めて重要かつ機密性が高い情報が含まれる場合があります。また、当社のBtoCサービスでは、ユーザに関連する一部の情報も扱っております。当社グループでは、これらの情報の管理においては、アクセス制限等を行うことで社内での機密性確保並びに漏洩防止を図っておりますが、万が一社員の故意・過失、事故、災害、悪意を持った第三者の不正アクセスやサイバー攻撃などにより、これらの情報の漏洩が生じた場合、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生し、また、当社への信頼性が揺らぐことにより、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があり、その結果、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社のグループ会社であるバリオセキュアはインターネットセキュリティ関連事業を営んでおり、事業の性質上同様のリスクが存在しております。

 同社は、2016年6月20日に、情報セキュリティマネジメントの国際規格である「ISO20000」の認証を取得し、2017年12月1日には「ISO/IEC 27001:2013」「JIS Q 27001:2014」を更に取得し、当社のユーザ、役員及び従業員の個人情報をも含めた社内の情報管理には十分な注意を払っております。具体的には、社内システムは複数のファイアウォール、アンチウイルスシステム、メールチェックシステム等により保護され、セキュリティの信頼性を高めております。また、主要サーバは複数台で稼働させる方式をとっており、厳重に管理された複数のデータセンターに設置され、事故、障害時に迅速に回復できるよう運用しております。

 また、ユーザ保守データは、社内ネットワークへのパスワードのみならず、それぞれのサーバデータへのアクセスも制限されており、社外からのサーバへのアクセスも暗号化されたシステム構成となっております。

 さらに、同社は、プライバシーマークを取得し個人情報の管理体制を強化するとともに、すべての役員、従業員との間において入社時及び退職時に機密保持にかかる「秘密保持契約書」を個別に締結するなど、情報の漏洩の未然防止に努めております。

 しかしながら、意図せざるシステム障害、誤操作、外部からの侵入や攻撃等によるデータの漏洩などが生じ、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、同社が損害賠償請求を受ける可能性があります。また、同社及び当社グループの信用が失墜し、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 競合の動向について

 当社は、2024年5月に生成AIを活用したアシスタントサービス「HEROZ ASK」を正式リリースしましたが、AI・SaaS関連事業分野においては、本書提出日現在で競合他社・競合サービスが全世界に存在しているほか、新規参入事業者も非常に多く見受けられ、今後も他業種大手企業から高度に専門化した新興企業に至るまで、様々な事業者が新規に参入する可能性があります。特に、昨今ではChatGPTのリリースに端を発し、各産業において大規模言語モデルを含むAIXに関する投資が急速に進んでおり、ChatGPT等を活用した各種サービスが増加しております。

 これらの競合他社や新規参入事業者は、その資金力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループよりも優れている場合があり、その優位性を活用してサービスの開発に取り組んだ場合、当社グループが競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービスを提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。また、AI関連市場はいまだ発展途上であるため、かかる新規参入や競合他社の動向等により、市場シェアの構成が急激に変化する可能性があり、かかる場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしましては、これまで培ってきたAI技術を活かし、また「HEROZ ASK」の機能拡充・強化も含めた研究開発投資を加速し、顧客・ユーザのニーズに合致したAI・SaaS関連サービスの提供を継続していく所存であります。しかし、競争環境の更なる激化等、競合の状況によっては、価格低下圧力による利益率の悪化、対策のための追加のコストの負担等の原因により、当社及び当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 自社プロダクト等の開発・運用について

 当社では、各産業におけるAIX投資加速の動きを受け、大規模言語モデルを含む生成AIに関する研究開発・プロダクト開発を強化しているほか、グループ会社においても、開発計画に基づき自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等の開発を行っております。2024年5月に正式リリースした「HEROZ ASK」「JOINT iPaaS for SaaS」を含め、グループ全体で様々なSaaS・プロダクトを提供しており、今後も機能拡充・強化や新製品の開発等に取り組んでいきたいと考えております。

 当社グループでは、自社プロダクトの適切な開発・運用に努めておりますが、開発した自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等において不具合が発生した場合、追加コストが発生し、また、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信頼が損なわれることとなるため、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、開発した自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等について、ユーザ企業に提供・販売するのに十分な品質が確保されていないと判断された場合、追加の開発・検証作業等を行うこととなり、当該ソフトウエア等の提供・販売開始時期が遅延し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、自社プロダクト・製品(ソフトウエア)等の開発期間は長期に及ぶこともあるため、その間のユーザ企業のニーズの動向又は当社グループの売上計画の変化、もしくは当初想定していた規模を上回る技術革新があった場合等に、当該ソフトウエアの提供・販売開始前に開発を中止することもあるほか、当初販売計画どおりの設置・販売ができない場合には想定どおりの収益を獲得できず、当該ソフトウエア等の開発に要したコストを回収することができなくなり、ソフトウエアの減損が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしましては、自社プロダクトのリリース・運用に関する適切な体制の構築や、当該ソフトウエアに関する開発状況の定期的なモニタリング、及び市場動向等の認識に関して定期的にアップデートを実施すること等により、これらのリスクに備えてまいります。

 

⑨ 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について

 当社は極めて速い技術革新のスピードに対応していくために、必要な研究開発資金を適時適切に投入するとともに、サーバ等の設備に順次投資を行っていく必要があります。しかし、このような研究開発投資や設備投資にもかかわらず、当社の想定を上回る急激な事業環境の変化等により、想定した投資効果を得ることができない可能性があります。その結果、業績の悪化、将来のキャッシュ・フローの見積額の減少等が生じた場合、サーバ等の固定資産に関して減損損失等が発生し、当社及び当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑩ プラットフォーム運営事業者の動向

 当社のBtoCサービスは、大手プラットフォーム事業者がサービス提供するプラットフォーム上において、各プラットフォーム事業者のサービス規約に従いサービスを提供しており、ユーザへのサービス提供に係るシステムの利用、ユーザ獲得、代金回収等において、かかるプラットフォーム事業者に実質的に依存しております。今後、何らかの理由でプラットフォーム事業者との契約継続が困難となった場合、プラットフォーム事業者による手数料や利用料等の料率変更やサービス内容の変更、事業戦略の転換があった場合には、当社のBtoCサービスの提供が困難になる等、当社のサービス内容の変更や手数料等の負担が増加する可能性があり、その結果、当社及び当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ モバイルアプリについて

 当社が提供するモバイルアプリにおいては、アプリおよびゲーム内でのアイテム課金や月額プレイ課金による収益が主たる収入となっているため、ユーザの嗜好にあった課金アイテムの提供を行うとともに、イベントの開催、アプリのアップデート等を通じてユーザの利用を活性化しユーザに継続してアプリを利用してもらえるように運営しております。しかし、かかる施策が適時適切に行えなかった場合、または施策が功を奏さなかった場合のほか、競合他社が当社のモバイルアプリよりも魅力あるタイトルを市場に投入するなどして、当社の提供するモバイルアプリの競争力が低下した場合等には、ユーザのアイテム課金や月額プレイ課金が継続して利用されない状況になり、想定していた収益が得られない可能性があります。この結果、当社及び当社グループの事業および業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑫ モバイル関連市場について

 我が国のモバイル関連市場は、モバイル端末の普及に伴って継続的な拡大が続いてきたものの、個人のモバイル端末の保有率の更なる上昇の余地には限界があることから、成熟期へと移行しつつあるものと認識しております。

 また、モバイル関連事業は国内外の経済状況の変動、法的規制、政策、技術革新、関連する市場の動向等様々な要因による影響を強く受けるため、今後新たな法的規制の導入や技術革新、通信事業者に関する動向の変化などにより、市場の成長ペースが更に鈍化する可能性があります。当社がこのような市場環境の変化に適切に対応できなかった場合には、当社及び当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ システム障害について

 当社の事業は、サービスの基盤をインターネット通信網に依存しております。そのため、自然災害や事故等により通信ネットワークが遮断された場合には、サービスを提供することが不可能な場合があります。また、アクセスの一時的な増加による負荷増大によって、当社のサーバが停止し、サービス提供に支障が出る場合があるほか、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等の犯罪や当社担当者の過誤等によって、当社のシステムに重大な影響が出る場合があります。

 また、当社のAIソリューション提供においては、当社技術者が開発したアルゴリズムをもとに、教師データ(学習の元になるデータ)等を活用した機械学習を行うことで、未知の状況においても、学習により構築したモデルに基づいて、AIが精度の高い判断を行うことが可能になっております。そのため、システム障害により当社のアルゴリズム、または機械学習に利用される教師データ等が消失した場合には、当社でのAI関連サービスの続行が不可能となり、または、機械学習によるAIの精度向上が困難となり、当社の提供するAIサービスの質が低下する可能性があります。また、学習済みのモデルが消失した場合にも、AIサービスの提供に支障が生じる可能性があります。

 当社としましては、定期的なシステムのバックアップを実施するとともに、外部のデータセンターを利用することでセキュリティ強化や安定的なシステム運用ができるような体制の構築に努めておりますが、前述のような状況が発生した場合には、サービスの提供が困難になる可能性があり、その結果、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社への損害賠償等により当社の事業および業績に直接的な影響が生じる可能性があるほか、当社および当社システムやサービスへの信頼の低下により、間接的に当社及び当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社では、サービスの安定稼働および事業成長のために、システムインフラ等への継続的な設備投資や維持・管理費用が必要となります。当社の想定を上回る急激なユーザまたはトラフィックの拡大や、セキュリティその他の要因によるシステム対応強化が必要となった場合、想定外の追加投資や費用の増加等が必要となる可能性があり、当社及び当社グループの事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑭ 自然災害、事故等について

 当社では、自然災害、事故等に備え、定期的なバックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社所在地近辺において大地震等の自然災害やテロ攻撃・システムトラブル等が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等により、事業継続に支障をきたす可能性があります。また、当社設備、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・回収するために多額の費用負担が発生する可能性があり、復旧に相当時間を要した場合、その間の収益機会を喪失するおそれがあるほか、信頼性や企業イメージが低下することにより、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社及び当社グループの事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社のグループ会社であるバリオセキュアにおいても、事業の性質上同様のリスクが存在しております。

 同社は、多数の製品在庫を販売代理店や多くの業務委託先の倉庫等に預けており、また複数の拠点にデータセンターを設けておりますが、地震や台風等の自然災害、テロ攻撃、システムトラブル又は伝染病といった事象が発生し、同社がそれらの影響を受けた場合、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 同社では複数の拠点にデータセンターを設けたり、システムの一部をクラウドで管理したりするなど、リスクの分散を図っておりますが、同社の拠点・地域において、これら自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、同社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 法的規制・法制度の変更について

 当社グループの事業は、「電気通信事業法」「不当景品類及び不当表示防止法」「資金決済に関する法律」「特定商取引に関する法律」等による法的規制を受けており、またグループ会社であるバリオセキュアは、電気通信事業者として総務省へ届出により登録を行っているため、通信の秘密の保護等の義務が課されております。また、当社グループでは、コンテンツ制作等を第三者に外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」の適用対象となります。さらに、今後の事業の拡大の中で、当該事業に必要な各種許認可を得る必要が生じ、当該許認可にかかる規制の下におかれる可能性があります。

 当社グループでは、これらの法令を遵守するために、コンプライアンス体制の整備等を含む管理体制充実に取り組んでおります。しかしながら、将来において、当社グループが提供するサービスやコンテンツが法的規制に抵触する可能性を完全に否定することはできず、また、今後インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする新たな法令等の制定や法解釈の変更がなされることにより、当社グループが提供するサービスの事業展開に制約が生じる可能性があります。また、当局から行政処分等を受け、または、取引先から契約の解除や損害賠償の請求を受けること等により、当社グループや当社グループのサービスに対する信頼性の低下、法規制等への対応に要する費用や負担の増加等の事態が発生した場合、当社グループの業績及び企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑯ 機器の調達リスクについて

 グループ会社であるバリオセキュアは、セキュリティサービスの基幹となる自社開発のセキュリティ機器VSRの製造を台湾のメーカー2社へ委託しております。また、中小規模企業向けに販売しているセキュリティ機器VCRについては、イギリスのメーカー1社から調達しています。これらの製造委託先又は調達先の地政学的リスク、原材料価格の高騰、経営方針の変更や、M&Aによる組織変更等により、当該企業での製造又は調達が困難となった場合、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、一部のメーカーとは最低購入保証に関する契約を締結しており、販売数量が計画通り進捗しない場合には、過剰な在庫となり同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑰ 提供サービスの不具合について

 バリオセキュアがユーザ企業に貸与・設置しているセキュリティ機器は、ユーザ企業が所有するネットワークとインターネットとのゲートウェイに位置します。従いまして、当該機器に何らかの不具合が発生した場合、ユーザ企業においてインターネットの利用が不可能となる可能性があります。また、複数台のセキュリティ機器を集中的に管理する目的で当該機器と連動して動作するサーバ機器が当社データセンターに設置されております。これらのサーバにおいて何らかの不具合が発生した場合、サービスの一部若しくは全部の提供が不可能となる可能性があります。

 以上を要因として、結果的にユーザに対し機会損失を与える若しくは利益を逸失させる可能性があります。一般的にはシステム(ソフトウエア及びハードウエア)の不具合(いわゆるバグ)を完全に解消することは不可能とされておりますが、同社の重大な過失による不具合が発生した場合、不具合を修正するための費用が発生することが予想され、また、契約において免責事項を定めてはいるものの、ユーザに機会損失等を与えた場合、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、同社が提供するシステム若しくはサービスに重大な過失による不具合が発生した場合、セキュリティサービスを提供する企業としてのレピュテーションが低下する可能性が高く、今後の事業計画の遂行が予想どおりに進まない可能性があります。

 

⑱ 従業員又は業務委託先の過失によるサービスの不具合について

 バリオセキュアがユーザ企業に設置しているセキュリティ機器は、同社又は業務委託先の技術員により設定や運用が行われております。同社または業務委託先の技術員スキルや習熟度の向上のために定期的な指導を実施しておりますが、これら技術員の過失により設定や運用を誤って行う可能性は否定できません。万が一、設定等の誤りにより、インターネット利用の際に不具合が生じる、または利用不可能となる、若しくは外部の第三者によってユーザ企業のネットワークへ侵入される等の事故が発生した場合、ユーザ企業に機会損失を与える、利益を逸失させる、若しくは信頼を失墜させる可能性があります。

 同社では、販売代理店との間で委託業務内容及び手数料等の取引条件を定めた契約書、並びにユーザ企業向けの約款において免責事項並びに損害賠償額を定めてはいるものの、このような状況が発生した場合、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、セキュリティサービスを提供する企業としてのレピュテーションが低下し、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑲ インターネット接続及びデータセンターについて

 バリオセキュアは、ユーザ企業に同社が設置したセキュリティ機器と、データセンターに設置している同社機器との間でインターネットを経由した常時通信を行うことにより、動作の監視や設定変更、統計情報の収集等の運用管理を行っております。また、ユーザに対してはインターネットを通じて各種統計情報等を提供しており、ユーザからの機器の設定変更等の各種依頼やサポートに関するお問い合わせ等もインターネットを通じて行っております。このため、同社が利用するデータセンターやインターネット回線に何らかの問題が発生し、セキュリティ機器の継続的な運用が不可能となる若しくはインターネットへの接続が失われた場合、サービスの一部又は全部の提供が継続できない可能性があります。ユーザ企業向けの約款において免責事項並びに損害賠償額を定めてはいるものの、このような状況が発生した場合は、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑳ 事業基盤の拡充及び新規事業について

 当社グループは、今後、事業規模の拡大と収益の多様化を実現するため、事業基盤の拡充や新規事業に取り組んでいく方針であります。社会全体において、「AIエージェント」に関する機運が高まっている中で、当社グループは、次世代の自律型AIエージェント「AI Agent2.0」の実現を目指し、従来なかった新規分野・領域に関しても、積極的に資本を投下し研究開発活動を強化していきたいと考えております。また、事業基盤の拡充及び新規事業展開に際しては、資本又は業務上の提携やM&Aも有効な手段であると認識しているほか、同様の目的で、事業会社への出資などの投資活動も行っています。

 当社グループは、事業基盤の拡充や新規事業については、既存サービスとのシナジーやリスク等に関して、企画及び開発段階において十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針です。しかしながら、かかる施策が功を奏する保証はなく、新規参入による競争激化や法制度の改正、経済状況・金融市場の変化等により影響を受けるリスクが存在するため、これらのリスク要因が顕在化した場合、投下資本の回収可能性や当社の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

 また、提携、M&A、出資等の方法により、事業基盤の拡充及び新規事業展開を実施する場合には、当社グループの想定どおりに提携先等との関係構築・強化が進捗しない、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない、デュー・ディリジェンスの限界等から法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生する、または期待した投資のリターンが得られない等の可能性があり、これらに起因して当社グループの事業又は業績に影響を及ぼす可能性があります。そして、かかる施策が当社グループの想定どおり進捗せず、または期待した収益を得られなかった場合には、保有する有価証券やのれんの減損損失等が発生する可能性があり、またこれらの取り組みに付随した追加投資が必要となる可能性があります。

 当社グループでは、事業基盤の拡充及び新規事業展開に際して、専門家からもヒヤリングを行いつつ綿密な市場調査やリスク分析を実施するとともに、取締役会等の会議体で定期的に意見交換を実施したうえで、慎重な意思決定を行っております。また、提携先や投資案件については、デュー・ディリジェンスの徹底や進捗状況の定期的なモニタリングを実施し、リスクの早期発見と迅速な対応を図る体制を整えております。

 

(2)事業運営・組織体制に関するリスク

① 組織的経営について

 当社グループの持続的な成長及び長期的な企業価値向上を可能にするためには、事業計画等の達成のための計画立案とその実行、進捗管理及び改善実施のPDCAとモニタリングを通して、新規サービス創出を行っていかなければならないと考えております。そのためには、特定の個人に依存した経営を行うのではなく、業務執行を担う責任者が、スピード感をもって意思決定を行うとともに、会社間・事業部間の連携を通して全社的な問題発見・解決を図ることができる次世代マネジメント人材として成長していくことが必要と考えております。

 そのためには、マネジメントスキル向上のための研修や実務経験を有した外部人材の登用等が必要となっておりますが、今後必要な人材の育成・確保ができなかった場合、当社グループの事業計画等の推進に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 知的財産権の管理等について

 当社グループは、運営するコンテンツ・サービス及び保有する業務スキル・ノウハウに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払うとともに、契約書・約款等において知的財産権に関する制限等を明示することにより、グループ内の知的財産権保護に努めております。

 しかしながら、今後当社グループが属する事業分野において第三者の権利侵害が成立した場合は、第三者より損害賠償および使用差止め等の訴えを起こされる可能性および権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があり、また当社グループの知的財産が侵害された場合においても、当社グループの事業および業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、AI Security事業において他者からライセンス等を受けている知的財産権については、ライセンス元の倒産といった不測の事態も想定されます。

 特に、当社がサービス提供するAIに関するプログラムコマンドであるソースコードについては、当社のビジネスに不可欠なものであるものの、特許の取得等の方法による権利保護が困難であるため、当社のAIに関するライセンスを第三者に付与する場合等には、ソースコードの流出を防止するために必要な措置を講じております。しかしながら、第三者の故意又は過失その他の事由により、ソースコードが流出、模倣等された場合には、当社がサービス提供するAIの優位性が損なわれ、結果として、当社及び当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ソースコードの漏洩や模倣等に対する損害賠償等により、当社及び当社グループの事業および業績に影響が生じる可能性があります。

 当該リスクへの対策としては、顧問弁護士や外部専門家と連携することで、知的財産権の管理に対するリスク低減に努めてまいります。

 

③ 人材の採用・育成・定着等について

 当社グループが、今後更なる業容拡大に対応するためには、知見及び専門性が高く優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内における研修、各種勉強会の開催、福利厚生の充実等、社員の育成および人材の流出に対応した各種施策を推進しております。しかし、当社グループが注力するAI・SaaS・セキュリティ関連領域におけるエンジニアの数は国内において限定的であり、高度な技術を持つエンジニアその他の人材の確保は非常に競争が激しくなっております。新規の採用や社内における人材の確保・育成が計画通りに進まず、適正な人員配置が困難になった場合には、外部への業務委託も困難であるため、競争力のあるサービスの開発と提供を行うことが困難となり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。また、将来において、人材の獲得、確保、育成にかかる費用が当社グループの想定を超えて増加した場合には、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社が注力するAI領域においては、ユーザに提供するサービスの付加価値や優位性が、その基礎となるAIの能力に依存するため、当社の提供するサービスの基幹となるAIの開発に携わる高度かつ専門的な技術を有する特定のエンジニアへの依存度が高くなる傾向にあります。2022年11月以降、「ChatGPT」がリリース・アップデートされるなど大規模言語モデルが大きな注目を集めておりますが、ChatGPT等の活用法についてもエンジニアの力量が問われる部分となります。そのため、このようなエンジニアが何らかの理由により開発に関与することができない事態になった場合には、当社の提供するAIサービスの付加価値や優位性を保つことができず、当社及び当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループでは、人材の確保・育成のためには、労働基準法をはじめとする労働関係法令の遵守とそのための適切な労務管理や労働環境の整備が重要であると考えており、各種人事労務規程の整備等を行っておりますが、当社グループが、適用のある労働関連法令を適切に遵守できなかった場合や、適切な労務管理や魅力のある労働環境の整備を実現できなかった場合には、当局からの処分又は指導や労働者からの訴訟の提起等により、これらに対応するための費用が増加し、または必要な人材の確保に支障が生じるなど、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループとしては、下記のような取り組みを行うことにより、上記のリスクに対応してまいりたいと考えております。

 

(ⅰ)ダイレクトスカウトの活用

(ⅱ)技術力の高さやAI活用を通じて、市場でのプレゼンスを高めること

(ⅲ)自社プロダクト等における広告宣伝活動・マーケティング活動の強化

(ⅳ)社内研修の強化

(ⅴ)人事制度の整備・運用・エンゲージメントサーベイの実施

 

④ 小規模組織であることについて

 当社グループは、当連結会計年度末現在において、従業員数294名という体制となっておりますが、当社及び各グループ会社については事業規模に比してまだ小規模な組織であり、内部管理や業務執行についてもそれに応じた体制となっております。当社グループでは、今後の業容拡大・業務内容の多様化・持続的成長等に対応するため、人員の増強及び内部管理体制や業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、当社グループが必要とする人材を事業の拡大に合わせて確保するのは容易ではありません。これらの施策が適時適切に進行しなかった場合や、これらの施策の遂行に要する費用等の負担が増大したり、既存社員が社外に流出したりした場合には、当社グループの業績および事業展開に影響を与える可能性があります。

 当社グループとしては、上記③「人材の採用・育成・定着等について」にも記載した通り、人材の確保・育成・定着のための各種取り組みを進め、これらのリスクに対応してまいりたいと考えております。

 

⑤ 内部管理体制について

 当社は、企業価値の持続的な増大を図るために、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、人材、資本、サービス、情報資産の適正かつ効率的な活用をすることが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性および財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。

 そのためにも、当社では内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、今後の事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社及び当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 資金使途について

 当社が上場時に実施した公募増資による調達資金につきましては、主にサーバ等への設備投資、外部サーバ費用等の通信費、研究開発費、事業拡大に必要な人件費や人材採用費、広告宣伝費等に充当しました。また、2019年12月24日に実施した公募増資による調達資金については、新規人材の採用関連費用、機械学習用サーバ等への設備投資、同サーバ費用等の通信費、オフィス増床の為の敷金及び費用、当社事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資、運転資金等に既にその一部を充当しております。その一環として、2022年にストラテジット株式・バリオセキュア株式を、2023年11月には株式会社エーアイスクエア(以下、「エーアイスクエア」という。)の株式を、2024年3月には株式会社ティファナ・ドットコム(以下、「ティファナ・ドットコム」という。)の株式を取得しいずれも連結子会社化いたしました。また、当連結会計年度は、新たに株式会社VOIQもグループ会社として新設しており、AIを活用したインサイドセールス支援事業を展開しております。

 残額については、引き続き当社グループの事業に応用可能な周辺技術を有する企業等への投融資資金に充当する想定であります。しかしながら、当初の計画に沿って調達した資金を使用しても想定した投資効果が得られない場合、当社の経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 当社の配当政策について

 当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

 しかしながら、当社は、本書提出日現在では配当を行っておらず、また今後の配当実施の可能性および実施時期については未定であります。内部留保の使途については、AIエンジニア等の人材採用や当社事業に応用可能な周辺技術を有する企業への投融資等、事業の拡大へ振り向ける方向で想定しておりますが、将来的にはこれらとのバランスを見ながら配当についても検討してまいります。

 

⑧ 訴訟等について

 現時点において、当社及び当社グループの事業、業績または財政状態に重要な影響を及ぼす係属中の訴訟はありません。しかしながら、将来において当社及び当社グループの取締役、従業員の法令違反等の有無にかかわらず、当社グループについて予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性は否定できません。かかる訴訟が発生した場合には、その内容や賠償金額によって、当社及び当社グループの業績および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクへの対策としては、グループ内で顧問弁護士や外部専門家と連携することで、訴訟等のリスク低減に努めてまいります。

 

⑨ 特定の販売代理店への依存について

 バリオセキュアの提供するセキュリティサービス事業は、販売代理店を経由した取引が主であり、2025年2月期において、売上高の66.9%を上位5社の販売代理店に依存しております。同社は、販売代理店各社と委託業務内容及び手数料等の取引条件を定めた契約書において、継続的に同社サービスを提供する旨の契約を締結しております。今後とも各販売代理店とは良好な関係を構築し、安定した売上の計上に努めてまいりますが、各社の販売方針の変更や同社との関係が悪化した場合には、同社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、M&A等により販売代理店が統合され、取扱商品が変更された場合、同社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 為替変動リスクについて

 バリオセキュアは、セキュリティサービスの基幹となるセキュリティ機器や一部のライセンスを海外から仕入れております。外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、原価率が上昇する可能性があり、同社及び当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)その他のリスク

① のれんの減損の可能性について

 当社グループでは、当連結会計年度末時点において、連結貸借対照表において1,896,451千円ののれんを計上しております。これらは、各グループ会社の株式を取得し連結子会社化した際に発生したものであり、いずれも、取得時点での対象会社の将来の事業計画等に基づいて超過収益力を検討し、計上しております。

 当該のれんについては、グループ会社における継続した営業損失の発生、経営環境の著しい悪化、事業計画からの大幅な乖離等の有無をもとに減損の兆候の有無を検討しています。減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しています。減損損失の認識が必要と判定された場合、当該のれんについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。

 当連結会計年度においては、減損の兆候はなく、減損損失は計上しておりません。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、グループ会社の事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 当社グループとしては、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいります。

 

② その他の固定資産の減損の可能性について

 当社グループでは、のれんの他にも、有形固定資産、ソフトウエアなどの固定資産を保有しており、当連結会計年度末時点において、連結貸借対照表において有形固定資産を215,401千円、無形固定資産(のれんを除く)を675,947千円計上しております。

 その他の固定資産の減損判定にあたっては、定期的に各資産グループについての減損の兆候の判定を行い、減損の兆候がある場合には、その回収可能価額を見積もっております。回収可能価額の見積りには、当該資産グループから得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用しております。将来キャッシュ・フローの予測は、将来の市場動向や事業活動の状況等を勘案して策定しておりますが、将来キャッシュ・フローの予測が変更され、回収不能と判断される場合、減損損失を計上する可能性があり、当連結会計年度においては、グループ会社の株式会社ストラテジットにおけるソフトウエアの一部に関して、減損損失96,987千円を計上しております。

 上記の減損損失計上に関しては、判定に使用する事業計画の策定及び回収可能価額の算定等において、当該資産グループに紐づく売上高・費用見込みや設備投資予定額、将来キャッシュ・フローの不確実性等を考慮した割引率が主要な仮定となっており、過去及び直近の実績や経営環境等を勘案して決定しております。株式会社ストラテジットのソフトウエアに関しては、上記の仮定に基づき事業計画・将来キャッシュ・フロー等を精査した結果、回収不能と認められる部分について、減損損失を計上することとなりました。

 なお、当連結会計年度に計上することとなった減損損失はソフトウエアの一部であり、今後の事業計画・経営環境等を鑑みて、回収可能と認められる部分については引き続きソフトウエアとして計上しております。当連結会計年度末時点での当該ソフトウエアの残高は、98,006千円となります。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

 当社グループとしては、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいります。

 

③ 預け金について

 当社グループでは、成長戦略・AIX推進の一環として、新規事業に関する研究開発を積極的に進めております。その過程において、一部の取引所に対して預け金を行う必要が生じる場合があります。これらの取引所が関与する市場は、新興分野のものも含まれており、当該預け金は、市場環境・金融市場の状況や取引所の信用リスク、さらには取引所の経営状態に関する破綻リスク等、外部環境の変化による不確実性にさらされています。これらのリスク要因が顕在化したり、想定外の事象等が発生したりした場合には、当該預け金の残高や当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、こうしたリスクを十分に認識しており、資金を投下するにあたり、事前に各種リスク要因を分析したうえで慎重な意思決定を行っております。また、リスク低減のため、金融市場の動向や預け金の状況・取引所の信用状況に関する情報を定期的に収集・モニタリングし、リスク状況の分析・評価を実施しています。

 加えて、預け金の金額や期間の設定についても、リスク分散を図る観点から慎重に検討を行い、適切な管理を実施しています。これにより、当社グループの財務状況への影響を最小限に抑えることを目指しております。

 

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社及びバリオセキュアでは、取締役及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブ等を目的として、新株予約権を付与しているほか、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。また、新株予約権の行使により発行された株式が、一度に大量に市場に流入することになった場合等には、適切な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 当連結会計年度末において、当社における新株予約権による潜在株式数は229,200株であり、当社の発行済株式総数15,174,468株の1.51%に相当しております。

 また、2025年2月28日時点において、バリオセキュアにおける新株予約権による潜在株式数は64,040株であり、発行済株式総数4,522,961株の1.42%に相当しております。

 また、当社及びバリオセキュアは、取締役(社外取締役を除く)や執行役員・従業員向けに譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、今後も優秀な人材確保・定着のため譲渡制限付株式を発行する可能性があります。当該制度に基づく株式の発行又は処分が行われた場合には、新株予約権と同様に、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

 

⑤ AI/DX事業のBtoBサービスに関する収益認識について

 当社グループが営む事業のうち、AI/DX事業におけるBtoBサービスの初期設定取引については、取引毎に履行義務の内容が異なっており、当社では内部統制の整備及び運用を通じて、その契約形態や取引実態等に応じて履行義務を識別し収益認識を行っております。しかしながら、各取引の実態を反映した収益認識を行うにあたり、各契約における収益額が、収益認識基準に基づき履行義務の充足とともに適切に計上されているかの判断は複雑な会計上の判断を必要とすることから、何らかの理由により、この判断を適切に実施出来なかった場合には、当社及び当社グループの経営成績及び財政状態を正しく把握出来ない可能性があります。

 

⑥ 関係会社株式の減損の可能性について

 当社は、当事業年度末時点で、貸借対照表において関連会社株式2,566,409千円を計上しております。このうち、バリオセキュア株式は市場価格のある有価証券に該当するものであるため、株式市場の変動等により市場価格が著しく下落し、かつ回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価損を当事業年度の損失として認識しております。

 また、その他のグループ会社の株式はいずれも市場価格のない株式等に該当するため、取得価額をもって貸借対照表価額とし、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時には、回復可能性が十分な論拠によって裏付けられている場合を除いて、相当の減額を行い、評価損を当事業年度の損失として認識しております。

 当事業年度は、株式会社ストラテジットの株式について231,892千円の関係会社株式評価損を計上しております。

 当社は、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいりたいと考えておりますが、今後の経営環境の変化等により株式の市場価格の著しい下落や業績状況の著しい悪化等が発生し、減損処理が必要となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 多額の借入及び金利の変動について

 当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2025年4月30日現在での連結貸借対照表において、総資産額に占める有利子負債比率は25.22%となっております。当該借入金は、元本が変動金利となっているものが多く、市場金利が上昇する場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、かかる借入れがあることから、機動的な資金調達の妨げとなり、より財務基盤の充実した競合他社との競争に不利になり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、金利上昇に係るリスクに対応するため、主に以下の取組みを実施しております。

1)収益性を重視した経営管理が行われていること

持続的な成長により安定した収益を獲得していくことが重要と考えており、売上高、営業利益を重要な経営指標として収益性の管理を行っております。各種会議体において、経営陣との間で売上高、営業利益等の情報共有を図り、課題等に対して迅速な対処を行う体制としております。

2)財務バランスを意識した投資計画、資金計画の立案と実行を行っていること

借入金の返済を計画的に実行するとともに、中長期の事業成長に向けた設備投資は手元流動性資金のバランスを勘案して実施しております。設備投資は、収益性とコスト削減効果を毎期、適切にモニタリングしながら実施しております。

3)金利条件に係る金融機関との交渉を継続して行っていること

金融機関との取引関係は良好でありますが、金利の市場動向や当社の業績及び信用力から妥当な水準の金利条件について継続して交渉を行い、財務リスクの低減に努めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

Ⅰ 経営成績等の状況の概要

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。

 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。

 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。

 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。当連結会計年度は、AI/DX事業・AI Security事業ともに、当社グループが提供する様々なAIエージェントが事業成長を牽引し、前連結会計年度から更に売上成長を達成しました。

 また、2024年8月には、当社のグループ会社であるVOIQ株式会社が、bizy株式会社の展開するセールス支援事業等の譲り受けを行いました。本事業譲受を通じて、VOIQ社がグループ全体におけるインサイドセールスの機能を担うとともに、セールス領域・コンタクトセンター領域において、当社グループのAI関連技術を活用し、AIエージェントとしての成長・AI BPaaSモデルの推進を進めております。VOIQ社は、事業譲受後、早々に当社やバリオセキュア株式会社を中心にインサイドセールス機能を担ったほか、HEROZ ASKの活用等を通じてその他のグループ会社についても支援を広げており、またグループ外の顧客への受注も増加しております。今後も、スピード感をもってシナジー増大を進めてまいります。

 

 なお、セグメント別の経営成績の概況は以下のとおりです。

(ⅰ)AI/DX事業

 当連結会計年度において、当社グループのAI/DX事業については、BtoC領域におけるコラボ企画の実施・新サービスリリース・機能追加や、BtoB領域におけるグループ会社追加・オーガニックでの案件数増加等の効果により、安定した収益を上げました。なお、当連結会計年度に子会社化したVOIQ株式会社は、AI/DX事業となります。

 BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げました。当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には、将棋ウォーズで累計対局数10億局を達成し、達成を記念して新サービス「スプリント」をリリースしました。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。

 また、BtoB領域についても、LLMやAIエージェントに関する投資拡大・注目度向上を受け、案件数・引き合いの増加や大型案件の獲得等もあり、収益が拡大しております。当連結会計年度前半は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られておりましたが、後半にかけて徐々に案件が開始し、下半期については、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成しました。加えて、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」等のリカーリング売上も引き続き増加したほか、株式会社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」も下半期にかけて徐々に売上が拡大しております。BtoB領域においては、2026年4月期以降も見込み案件が多く、引き続き、前期を上回る成長を目指してまいります。

 当セグメントにおいて、LLMの活用・社会実装は事業戦略の中核となるテーマであります。その取り組みとして、2024年5月に生成AIを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaS「HEROZ ASK」を本リリースしました。HEROZ ASKは、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、当社のAI BPaaSの中心となるSaaSとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。

 

(ⅱ)AI Security事業

 AI Security事業は、当社グループ会社であるバリオセキュア株式会社が提供する、インターネットセキュリティ関連の事業となります。

 同社は、主に中小企業向けのセキュリティ対策を支援するため、「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を中期経営計画の目標として定め、実現に向けて人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウエア開発等の事業投資を行ってまいりました。

 そして、当連結会計年度においては、中堅・中小企業向けサイバー攻撃対策として、セキュリティ対策の構築から運用まで、24/365WORKで請け負うSecurity BPaaS(BPO as a service)「Vario Ultimate ZERO」を2024年8月より販売開始いたしました。

 このような状況のもと、マネージドセキュリティサービスの売上収益は、ストック型の積み上げとその低解約率(0.71%)(注)により、安定的に推移しました。特にエンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDRは、引き続き高い成長となりました。

 

(注)解約率(金額ベース)=年間解約金額÷(各年度の期初ベース月次売上収益×12)

 

 費用面に関して、コーポレート機能については適切なコストコントロールを進めましたが、一方で、事業・サービス拡大に伴う、主に営業・マーケティング人材の採用強化による人件費等の増加、また昨今の物価高騰に伴う通信費・各種ライセンス費用等の増加や、新規プロダクト(HEROZ ASK・JOINT)への先行投資等により、売上原価・販売費及び一般管理費は前期比で増加しております。

 また、2025年5月29日に「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表いたしました通り、特別損失として減損損失96,987千円を計上したほか、主にグループ会社に関して繰延税金資産を新たに計上したこと等により、連結全体での法人税等調整額(△は利益)は減少し△16,359千円となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,929,797千円(前期比22.5%増)となり、EBITDA(注)793,932千円(前期比11.9%減)、営業利益306,429千円(前期比32.1%減)、経常利益228,233千円(前期比38.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失177,709千円(前期は1,134,535千円の損失)となりました。

 

(注)EBITDA(営業利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却額(特別損失計上分を除く)+株式報酬費用+棚卸資産評価損)

 

 なお、当社グループの当連結会計年度におけるセグメント別の損益状況については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ456,434千円増加し、8,147,668千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,004,074千円、ソフトウエア仮勘定が226,058千円減少した一方で、預け金が1,410,387千円、ソフトウエアが318,161千円増加したことによります。

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ398,071千円増加し、2,946,230千円となりました。これは主に、短期借入金の増加200,000千円及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加450,606千円があったこと等によります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ58,363千円増加し、5,201,437千円となりました。これは主に、利益剰余金が177,709千円減少した一方で、非支配株主持分が208,799千円増加したことによります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首より404,390千円増加し、3,145,823千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、219,035千円(前期は464,004千円の収入)であります。

 この主な要因は、税金等調整前当期純利益131,245千円、減価償却費259,069千円、のれん償却額157,771千円、法人税等の支払額204,030千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、479,275千円(前期は1,217,003千円の使用)であります。

 この主な要因は、有形固定資産の取得による支出86,907千円、無形固定資産の取得による支出332,364千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、664,630千円(前期は303,958千円の使用)であります。

 この主な要因は短期借入れによる収入200,000千円、長期借入れによる収入800,000千円及び長期借入金の返済による支出349,394千円等によるものであります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

 提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

② 受注実績

 提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年5月1日

至 2025年4月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

AI/DX事業

3,262,257

148.2

AI Security事業

2,667,539

101.1

合計

5,929,797

122.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年5月1日

至 2024年4月30日)

当連結会計年度

(自 2024年5月1日

至 2025年4月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社USEN ICT Solutions

797,465

16.5

868,706

14.6

Apple Inc.

614,212

12.7

658,543

11.1

ソフトバンク株式会社

584,728

12.1

3.ソフトバンク株式会社の当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

Ⅱ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(1)重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

① のれんの評価

 のれんについては、内訳は下記の通りであり、いずれも取得時点での対象会社の将来の事業計画等に基づいて超過収益力を検討し、計上しております。

 ・987,195千円  2022年9月に、バリオセキュア株式会社を連結子会社化した際に発生したもの

 ・240,810千円  2023年11月に、株式会社エーアイスクエアを連結子会社化した際に発生したもの

 ・632,444千円  2024年3月に、株式会社ティファナ・ドットコムを連結子会社化した際に発生したもの、及

 び、条件付取得対価の内容に基づき追加的に認識したもの

 ・36,000千円   当連結会計年度において子会社として設立したVOIQ株式会社が計上したもの

 

 のれんの減損判定については、グループ会社における継続した営業損失の発生、経営環境の著しい悪化、事業計画からの大幅な乖離等の有無をもとに減損の兆候の有無を検討しています。減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しています。減損損失の認識が必要と判定された場合、当該のれんについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。

 なお、当連結会計年度においては、減損の兆候はなく、減損損失は認識しておりません。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、グループ会社の事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

 

② その他の固定資産の評価

 当社グループでは、のれんの他にも、有形固定資産、ソフトウエアなどの固定資産を保有しており、当連結会計年度末時点において、連結貸借対照表において有形固定資産を215,401千円、無形固定資産(のれんを除く)を675,947千円計上しております。

 その他の固定資産の減損判定にあたっては、定期的に各資産グループについての減損の兆候の判定を行い、減損の兆候がある場合には、その回収可能価額を見積もっております。回収可能価額の見積りには、当該資産グループから得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用しております。将来キャッシュ・フローの予測は、将来の市場動向や事業活動の状況等を勘案して策定しておりますが、将来キャッシュ・フローの予測が変更され、回収不能と判断される場合、減損損失を計上する可能性があり、当連結会計年度においては、グループ会社の株式会社ストラテジットにおけるソフトウエアの一部に関して、減損損失96,987千円を計上しております。

 上記の減損損失計上に関しては、判定に使用する事業計画の策定及び回収可能価額の算定等において、当該資産グループに紐づく売上高・費用見込みや設備投資予定額、将来キャッシュ・フローの不確実性等を考慮した割引率が主要な仮定となっており、過去及び直近の実績や経営環境等を勘案して決定しております。株式会社ストラテジットのソフトウエアに関しては、上記の仮定に基づき事業計画・将来キャッシュ・フロー等を精査した結果、回収不能と認められる部分について、減損損失を計上することとなりました。

 なお、当連結会計年度に計上することとなった減損損失はソフトウエアの一部であり、今後の事業計画・経営環境等を鑑みて、回収可能と認められる部分については引き続きソフトウエアとして計上しております。当連結会計年度末時点での当該ソフトウエアの残高は、98,006千円となります。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

 当社グループとしては、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいります。

 

③ 繰延税金資産の回収可能性

 繰延税金資産については、将来事業年度の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しています。今後の経営環境の変化等によっては、翌事業年度において、当該将来事業年度の課税所得の見積り及び繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

 

④ 関係会社株式の評価

 市場価格のある株式等は、その時価が著しく下落した時は、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当事業年度の損失として認識しております。

 また非上場の関係会社に対する投資等、市場価格のない株式等は取得価額をもって貸借対照表価額としていますが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時には、回復可能性が十分な論拠によって裏付けられている場合を除いて、相当の減額を行い、評価差額を当事業年度の損失として認識しております。

 なお、当事業年度においては、株式会社ストラテジットの株式について231,892千円の関係会社株式評価損を計上しております。

 株式の評価については慎重に検討を行っておりますが、今後の経営環境の変化等によって発行体の業績・事業状況が悪化した場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

 

 そのほか、貸倒引当金、賞与引当金、株主優待引当金の計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり計上を行っております。いずれも過去の実績に基づき算定しており、会計上の見積りの重要性は低く、当社の経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。

 

(2)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 ①財政状態の分析

 財政状態に関する分析は、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

 ②経営成績の分析

a 売上高

 当連結会計年度の売上高は、5,929,797千円(前期比22.5%増)となりました。セグメント別の分析は以下のとおりです。

・AI/DX事業

 AI/DX事業については、BtoC領域におけるコラボ企画の実施・新サービスリリース・機能追加や、BtoB領域におけるグループ会社追加・オーガニックでの案件数増加等の効果により、安定した収益を上げ、売上高は3,262,257千円となりました。なお、売上高については連結内部の取引消去後の金額となります。

 BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げました。当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には、将棋ウォーズで累計対局数10億局を達成し、達成を記念して新サービス「スプリント」をリリースしました。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。

 また、BtoB領域についても、LLMやAIエージェントに関する投資拡大・注目度向上を受け、案件数・引き合いの増加や大型案件の獲得等もあり、収益が拡大しております。当連結会計年度前半は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られておりましたが、後半にかけて徐々に案件が開始し、下半期については、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成しました。加えて、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」等のリカーリング売上も引き続き増加したほか、株式会社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」も下半期にかけて徐々に売上が拡大しております。BtoB領域においては、2026年4月期以降も見込み案件が多く、引き続き、前期を上回る成長を目指してまいります。

 当セグメントにおいて、LLMの活用・社会実装は事業戦略の中核となるテーマであります。その取り組みとして、2024年5月に生成AIを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaS「HEROZ ASK」を本リリースしました。HEROZ ASKは、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、当社のAI BPaaSの中心となるSaaSとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。

 

・AI Security事業

 AI Security事業について、当連結会計年度の売上高は2,667,539千円となり、前連結会計年度に比べ27,867千円増加しました。なお、売上高については連結内部の取引消去後の金額となります。

 マネージドセキュリティサービスでは、Vario EDRが主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービス

の案件獲得等によるライセンス数が増加したほか、インテグレーションサービスでも、ネットワーク構築も

含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)における高単価な件

数の納品が増加しており、主にこれらの効果により売上高が伸長しております。一方で、VCRにおいては、競

合環境の激化により販売数の回復に至っていないため、売上が減少しました。

 

b 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益

 当社グループの売上原価、販売費及び一般管理費については、人材関連費用、広告宣伝費、機械学習用サーバ等設備の減価償却費・通信費、BtoCサービスに係る課金決済手数料、支払手数料が主な内容となります。

 当連結会計年度は、コーポレート機能については適切なコストコントロールを進めましたが、一方で、事業・サービス拡大に伴う、主に営業・マーケティング人材の採用強化による人件費等の増加、また昨今の物価高騰に伴う通信費・各種ライセンス費用等の増加や、新規プロダクト(HEROZ ASK・JOINT)への先行投資等により、売上原価・販売費及び一般管理費は前期比で増加しております。また、2025年5月29日に「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表いたしました通り、特別損失として減損損失96,987千円を計上したほか、主にグループ会社に関して繰延税金資産を新たに計上したこと等により、連結全体での法人税等調整額(△は利益)は減少し△16,359千円となりました。

 これらの結果、当連結会計年度における売上原価は3,241,852千円となり、当連結会計年度の売上総利益は2,687,944千円となりました。また、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,381,515千円となり、当連結会計年度の営業利益は306,429千円(前期比32.1%減)となりました。

 

c 営業外収益、営業外費用、経常利益、特別損益

 営業外収益及び費用については、当社が出資する投資事業組合に関する運用損益や、借入金に関する支払利息、株主優待関連費用等が主な内容となります。そのほか、当連結会計年度は特別損失としてソフトウエアの減損損失96,987千円が発生しております。

 これらの結果、当連結会計年度の経常利益は228,233千円(前期比38.1%減)、税金等調整前当期純利益は131,245千円(前期は純損失707,315千円)となりました。

 

 上記a~cの結果を受け、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は177,709千円(前期は1,134,535千円の損失)となりました。なお、法人税等調整額を含む法人税等合計は106,003千円となっております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 キャッシュ・フローの分析・検討内容については、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「3 事業等のリスク」に記載した通り、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。

 

(5)経営戦略の現状と見通し

 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。

 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDXに関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、ChatGPTのリリースに端を発した、各産業におけるAIXに関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLMを含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。

 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。

 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通しているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化した「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げてまいりたいと考えております。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバ購入等を目的とした資金需要は自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,145,823千円、有利子負債の残高は2,054,662千円となっております。

 

5【重要な契約等】

 スマートフォン・タブレット端末向けアプリプラットフォーム運営事業者との契約

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

Apple Inc.

iOS Developer Program License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎に自動更新)

Google Inc.

Androidマーケットデベロッパー販売/配布契約書

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、社会全体のAIX加速・AI革命の実現に向け、各産業領域に高度なAI・SaaS・セキュリティ関連のソリューションを提供するための研究開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度における研究開発活動の金額は、41,909千円であります。

 

 セグメント別の製品開発は、次のとおりであります。

①AI/DX事業

 当セグメントで行っている研究開発活動は、各産業領域へ展開するAIソリューションや、SaaSプロダクトに関する調査研究、製品開発等であります。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は、556千円であります。

 

②AI/Security事業

 当セグメントで行っている研究開発活動は、インターネットセキュリティ技術の基礎研究、マネージドセキュリティサービスの提供に係る新サービスの開発に関する調査研究等であります。年々進化するネットワーク上の攻撃手法を把握し、その防御・事前検知の為のリサーチを行っております。

 当連結会計年度における研究開発費の金額は、41,353千円であります。