第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、高齢者施設・介護事業者とメーカー・卸業者・サービス事業者に、適切で効率的な情報マッチングが可能なプラットフォームを提供することで、介護業界を活性化し、豊かな超高齢社会を実現したいと考えております。

そのため、当社は「経営理念」を以下の通り定めております。

一.マッチングの満足度を最大化する

二.新しいサービスの創造で新しい市場を創造する

三.利益を伸ばし続けることがみんなの幸せになる

四.不正を行わず、誠実にビジネスを行う

五.変わらず生き続けるために変わり続ける

 

(2) 経営環境及び経営戦略

わが国の高齢化率は年々上昇し、当社が主に事業を行う介護業界においては、介護サービスの需要が拡大していることを背景に、介護事業者並びに各種サプライヤーの新規参入意欲は引き続き旺盛であるとみております。また、介護事業におけるM&A市場においては、オーナー社長の高齢化に伴う後継者問題や平成27年4月からの介護報酬改定に伴う介護報酬の引き下げ等の影響を背景としたM&Aによる事業承継への期待が高まっているとみられます。

このような環境下で、当社では、介護業界において新規参入や業容拡大を図る各種サプライヤーと、高齢者施設等の新設・修繕等を検討する介護事業者のマッチングをより一層促進すべく、現在東京・大阪・横浜にて開催している商談型展示会を、今後は他の都市圏にも展開することで、来場者の拡大を図っていく方針であります。また、商談型展示会において、各種サプライヤーと、来場者として集う介護事業者のアクティブバイヤーとの商談の活性化を図るために、商談型展示会を通じて得られたアクティブバイヤーと出展社である各種サプライヤーの情報をデータベース化し、業界特有の課題やニーズを収集・集約し、ニーズに応じたサービスの開発を行う予定であり、介護業界におけるマッチング・プラットフォームとしての役割を確立していく方針であります。

M&A仲介事業については、介護業界におけるM&Aによる事業承継ニーズにより一層応えるべく、広告宣伝活動の拡大、営業コンサルタントの拡充及び、データベースを活かしたマッチング精度の更なる向上による早期成約化を図ることで、M&Aによる事業承継の期待に応えていく方針であります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社では、主な経営指標として、企業の事業活動の成果を示す営業利益を重要な経営指標と考えております。

また、収益性判断の指標に営業利益率を掲げているほか、資本及び資産の効率性判断の指標に自己資本当期純利益率、財務の安定性判断の指標に自己資本比率を掲げ、バランスの取れた企業価値の継続的拡大を目指しております。

また、事業別には、商談型展示会事業については主な収入である出展料が出展小間数×小間単価となり、小間単価に大きな変動がないため、出展小間数(出展社に貸し出すために仕切られたスペースの単位)を重要な指標としており、M&A仲介事業については主な収入である仲介手数料が成約組数×手数料単価となり、手数料単価に大きな変動がないため、成約組数を重要な経営指標としております。

 

 

(4) 対処すべき課題

当社が対処すべき主な課題は以下の通りであります。

① サービスの継続的成長

当社は、商談型展示会をマッチング・プラットフォームとして捉え、商談型展示会の開催を通じて得られたアクティブバイヤーと各種サプライヤーの情報をデータベース化することで、介護事業者の開業準備からの開業、そして運営というライフサイクルの各段階に応じた設備投資、購買、コンサルティングといったサービスとのマッチングが可能となり、事業の拡大・事業運営の効率化を支援できるものと考えております。このマッチング・プラットフォームは、介護事業を経営・運営するアクティブバイヤー及び、介護事業者へサービス提供を行う各種サプライヤーによって支えられていると考えており、アクティブバイヤーや各種サプライヤーが求めるニーズに応えるための継続的なサービス拡充を課題と認識しております。

各事業において以下項目を対処すべき重要課題として、取り組んでおります。

 

a.商談型展示会事業

当事業においては、介護事業者とサプライヤーのマッチングの促進(商談型展示会における商談数及び商談密度の向上)が、商談型展示会事業における満足度の向上に繋がると考えており、更なるマッチングの促進を図ることが課題であると捉えております。現在は東京と大阪の2地域において商談型展示会「CareTEX」を開催しておりますが、サプライヤーの販路拡大等の期待に応えるためには、開催地域以外からの介護事業者の来場が課題と考えております。

この課題に対処すべく、これまで開催してきた東京と大阪の2つの地域以外にも、開催地域を増やしていく予定であり、福岡や埼玉といった地域で開催をしていく方針であります。この開催エリアの拡大による地理的広がりにより、新たな介護事業者とサプライヤーのマッチング機会を提供できるよう取り組んでいきたいと考えております。

 

b.M&A仲介事業

当事業においては、譲渡希望先、譲受希望先双方にとって事業及び会社の売買は重い決断であることから、双方のマッチング精度の更なる向上が課題であると捉えております。

この課題に対処すべく、より多くの選択肢の中から最適なマッチングが図れるよう、現在約3千件の介護事業譲受希望者リストの更なる拡充・整備を進めるとともに、M&Aコンサルタントの採用・育成を通して業務・サービスの品質を高めることで成約率の向上に努め、量と質の両面で双方のマッチング精度の更なる向上に取り組んでいきたいと考えております。

 

c.WEBマッチング事業

当事業においては、収益化に向けてサービス利用者にとって使い勝手の良い仕組みを早期に構築することが課題であると捉えております。

当事業においては、「CareTEXクラウド」及び「営業アポイント取得代行サービス」の運営をしており、「CareTEXクラウド」においては、サイト内の情報コンテンツ及び情報検索機能等の充実を図ることで、サービス利用者にとっての利便性の向上を目指すとともに、継続的に利用されるための新たなサービスの開発に取り組んでいく予定であります。

 

d.eコマース事業

当事業においては、介護需要の高まりと同時に、当社が運営する介護用品向けECサイトへのお客様のご要望も高まっており、より一層の顧客サービスの充実が課題となっております。

この課題に対応すべく、商品情報についてより正確かつ詳細な情報提供を行うとともに、テレフォンオペレーターのサービス品質の向上により、より適切な商品の購買・販売ができるECサイトの構築に取り組んでおります。

 

 

② 新技術への対応

当社が運営する情報マッチングサービス及びECサイトは、インターネット技術を利用しておりますが、消費者の利用環境や消費行動は著しく変化しており、新技術に適時に対応していくことが課題となっております。

この課題に対応すべく、ハードウェア並びにソフトウェアに関する様々なテクノロジーを積極的に取り入れ、業務オペレーションの効率化を図るとともに、売り手と買い手の最適なマッチングが図れるような新しいサービスの開発・提供に取り組んでおります。

 

③ 人材の確保・育成

当社では、今後のさらなる事業拡大を目指す上で、最重要となる経営資源は人的資源であると考えており、その確保が課題となっております。

この課題に対応すべく、中途採用活動を積極的に実施し、専門知識や経験を有する人員の確保に努めていくとともに、新卒採用で確保した人材の教育活動の強化に取り組んでおります。

なお、M&A仲介事業においては、M&Aや経営の専門知識を有し、経営者を相手に高いレベルの交渉ができる優秀な人員を獲得し、育成・維持していく方針であります。商談型展示会事業においては、業容拡大のために新規展を企画し、新分野へ提案型営業をできる人員を獲得し、育成・維持していく方針であります。

 

④ 経営管理体制と内部管理体制の強化

当社では、市場動向、競合企業の動向、顧客ニーズ、技術革新等の変化に対して速やかに対応できる組織を運営するための経営管理体制のさらなる強化が課題となっております。

この課題に対応すべく、社内外問わず積極的な意見交換、公正な人員評価、組織を横断したプロジェクトチーム作り等を通じて環境変化にいち早く対応できる経営管理体制の構築に取り組んでおります。また一方で、組織が健全かつ効率的に運営されるように、多様化するリスクを正しく把握し、対処しながら収益をあげていくとともに、コンプライアンスの強化を重視した内部管理体制の整備、強化にも取り組んでおります。

 

 

2 【事業等のリスク】

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に取り込む方針でありますが、当社の経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅しているものではありませんので、この点にご留意ください。

 

1.事業環境に関連するリスクについて

(1) 介護関連市場について

当社は介護事業者を対象とした展示会の主催、M&A支援及び情報マッチングサービスの運営といったサービスを提供しておりますが、介護事業者は介護保険法の適用を受けるサービスの提供を事業内容とするため、介護保険制度の影響を受けることになります。

介護保険制度は3年毎に介護保険法及び介護報酬の改正が行われており、これに合わせて3年を1期とする市町村介護保険事業計画の策定が行われております。法令の改正及び大幅な報酬改定により、当社の取引先である介護事業者が事業内容の変更を余儀なくされる等の影響を受けた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 展示会市場について

展示会は一度開催された場合、毎年定期的に開催される性質を有していることに加え、ノウハウの蓄積により、異業種への横展開が比較的容易であります。しかしながら、展示会を開催するにあたっては、開催規模に応じ、かつ来場者のアクセスの良い会場を用意する必要がありますが、当社が予定した通りに会場の確保が進まない場合や、自然災害等により会場が使用困難となった場合、展示会の開催ができず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、金融危機等の経済動向によっても、出展社による出展の見合わせや来場者数の減少が発生する可能性があり、それらの結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) M&A市場について

M&A市場は、オーナー経営者の高齢化に伴う後継者問題や介護保険制度の改定等を背景に堅調な需要があります。今後も、出口戦略の1つとしてのM&Aの活用やノンコア事業からの撤退手段としてのM&Aの活用等により、市場は更に拡大する可能性があるものと予測しており、当社でも様々なM&Aニーズに対応できるように体制を整備しております。しかしながら、将来的な後継者問題解決策としてのM&A譲渡ニーズが減少に転ずること、当社が対象としている事業の対象市場の動向によりM&A買収ニーズが減少に転ずること等を要因として、市場が縮小した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、現状M&A仲介業務を直接的に規制する法令等はなく、許認可制度や資格制限もありません。しかしながら、今後、法令等の制定・改定により、また、法解釈の変更により、M&A仲介業務に対する何らかの規制を受けることとなった場合、当社の経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

上記に加え、M&A取引又はM&A制度にかかる金融商品取引法、会社法、税法、対象とする市場領域の関連法等の法改正が行われることで、社会におけるM&Aニーズも変化する可能性があり、それらの結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) インターネット関連市場について

当社は、情報マッチングサービスの運営及びeコマースサービスを、インターネット技術を用いてサービス提供しており、インターネットの更なる発展は当社の事業の成長にとって重要であります。今後新たな法的規制の導入、法解釈の変更、技術革新の遅れなど、予期せぬ要因により、インターネット業界全体及び関連市場の成長が鈍化した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

また、インターネット業界においては、スマートフォンの普及やクラウドサービスの普及、AI(人工知能)の活用等、新技術・新サービスが次々と生み出されており、当社の事業においてもこれらの変化に対応していく必要があると認識しており、サービスの改良に取組んでおります。しかしながら、技術革新において当社が予期しない変化が生じた場合、既存システムの改良、新たな開発等による費用の支出が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.当社の収益構造に関するリスクについて

当社が運営しているサービスのうち、商談型展示会事業について売上高及び営業利益の計上が展示会開催月に偏重します。そのため、展示会の開催時期や開催場所、展示会の規模やタイプの異なる展示会を増やしていくこと、またM&A仲介事業も拡大していくことで、年間を通して売上及び利益の計上時期を平準化していく方針でありますが、当社が予定した通りに会場が確保できない場合や、来場者及び出展社の確保が困難になる事態が発生した場合、M&Aコンサルタントの採用が予定通りに進まない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、平成30年3月期における四半期別の売上高及び営業損益の推移は以下の通りであります。

 

 

 

 

(単位:千円)

四半期別売上高・営業損益推移

第1四半期会計期間

(自 平成29年4月1日

 至 平成29年6月30日)

第2四半期会計期間

(自 平成29年7月1日

 至 平成29年9月30日)

第3四半期会計期間

(自 平成29年10月1日

 至 平成29年12月31日)

第4四半期会計期間

(自 平成30年1月1日

  至 平成30年3月31日)

売上高

210,850

186,073

319,326

616,926

営業利益又は営業損失(△)

△37,927

△85,906

23,665

222,468

 

 

3.事業内容に関連するリスクについて

(1) 商談型展示会事業について

当社では現在「CareTEX」(例年3月頃開催)と「CareTEX関西」(例年10月頃開催)の二つの展示会を開催しており、平成30年7月からは「CareTEX福岡」(例年7月頃開催を予定)の開催も予定しております。今後も新しい展示会の積極的な開催により、月別の損益及び業務量の平準化を図る予定です。

当社は商談型展示会を開催することによって、アクティブバイヤー並びに業界のサプライヤーの情報をデータベース化しており、双方の決裁権限者(サプライヤーにおいては販売価格の決定権を有する権限者)に直接アクセスできるという利点を活かしてM&A仲介の提案や営業アポイント取得代行サービスといった展示会以外のマッチングサービスの提供が可能となることから、入り口としての商談型展示会を重要なものであると捉えております。しかしながら、当社が主催する商談型展示会の開催内容の陳腐化や、来場者数の確保が困難になる事態が発生した場合並びに出展社企業の出展数の減少といった事態等が発生した場合には、当社の計画通りに推移せず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、商談型展示会の開催には、会場の確保・出展社の獲得及び来場者の誘致といった各局面において、開催分野における業界の専門知識や展示会運営についてのノウハウが必要であるため、参入障壁は高いものと考えておりますが、同様のノウハウを有する競合が参入した場合、当社が開催する商談型展示会への出展社の出展意欲が競合展へと分散し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、商談型展示会においては、出展社による知的財産権を侵害した展示、出展社・来場者間の紛争発生、展示場内の安全管理上の問題、その他の何らかの要因により、当社が主催者責任を問われて訴訟を提起された場合等において、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2) M&A仲介事業について

M&A仲介事業は譲渡意向のある企業と買収意向のある企業を、当社の保有する企業情報のデータベースを活用して仲介するサービスであります。当社は両者のマッチングが円滑に進み、早期に成約に至るよう案件の進捗管理を適時に実施しておりますが、両者での条件交渉が難航する場合や、両者のデューデリジェンス作業が遅延すること等を要因として、想定どおりに案件が進捗しない場合並びに成約時期の変動・成約規模の変動が見受けられた場合、期間毎の業績が大きく変動する可能性があるとともに、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

また、当社ではコンプライアンスを遵守しM&Aの仲介を行うよう社内体制の整備に努めており、仲介業務においては公平・中立の立場で業務を進められるように倫理にも配慮するよう細心の注意を払っております。しかしながら、情報提供の過誤、譲渡先・買収先間の紛争、その他の何らかの要因により、当社が仲介手数料の返還や減額等を求められた場合等において、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) CareTEXクラウドについて

「CareTEXクラウド」については、介護事業者に特化した事業者向けのWeb上における情報マッチングサービスの運営を行っており、利用者にとって価値のある新しいサービスを展開できるよう常に検討しております。新規サービスの提供にあたってはその性質上、需要予測が外れ、投資を回収できなくなる可能性や、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社においては、商談型展示会を通じて得られるアクティブバイヤー並びにサプライヤー情報をデータベース化してサービスの提供を行っているために、先行投資を最小限に抑えることを可能にしておりますが、当社の利用者層を対象とした情報サービスを部分的に提供する競合が参入する可能性もあることから、今後、資金力、ブランド力を有する企業が類似のサービス提供を行った場合、収益性が低下すること等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

加えて、「CareTEXクラウド」においては、サプライヤーの情報提供の過誤、知的財産権侵害、利用者間の紛争、その他の何らかの要因により、当社が訴訟を提起された場合等において、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) eコマースについて

eコマースにおいては、システムの安定稼動やサイバー攻撃対策等について十二分に配慮しているものの、何らかの原因による当社サーバー等への一時的な過負荷や外部からの不正アクセス、役職員の過誤によるシステム障害が発生する可能性があります。そのような結果が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、eコマースは、少ない投資で誰もが簡単に開始できることから、参入障壁が低いため競合が激しいビジネスモデルであることを認識しております。当社が展開するeコマースにおいては、介護用品領域において商品取扱規模や販売価格等に強みを有しております。しかしながら、新規競合の参入に伴う販売価格の値下げによる採算性の悪化や、広告出稿量の増大による費用増加等が発生する可能性があり、そのような事態となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、eコマースにおいては、知的財産権侵害、商品の瑕疵、欠陥、その他の何らかの要因により、当社が訴訟を提起された場合等において、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 人材の獲得、確保、育成について

当社が事業を拡大するにあたり、展示会・M&A・インターネットサービスに関しての専門知識及び経験を有する人員の獲得、育成、維持が重要な課題であると認識し、これに取り組んでおります。しかしながら、人材を適時に確保できない場合、人材が大量に社外流出してしまった場合、あるいは人材育成が計画通りに進捗しない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は事業規模に応じた組織体制を志向しており、現在時点では比較的小規模な組織で事業運営を行っていることから、従業員が欠けるような事態に至った場合の経営成績及び財政状態への影響は相対的に大きいものと考えられます。

 

(6) 情報セキュリティの管理について

当社は、商談型展示会の開催毎に取得したアクティブバイヤー並びにサプライヤーの情報、「介護M&A支援センター」から登録されたM&Aの買収意向を持つ企業の情報、並びにeコマースでの会員・購入者情報をそれぞれデータベース化して保有しており、その保管やデータ利用についてはアクセス権者を制限する等、注意を払っております。当社では、上記のような顧客から入手した情報が漏洩しないよう、社内規程を整備し、情報の保管管理を徹底するとともに、役職員に対しても情報の取扱に関する教育を実施しております。しかしながら、不測の事態等により、情報の漏洩、情報の消失等が発生した場合、損害賠償請求等の金銭補償や信用力の低下、当社としての強みであるデータベース価値の著しい低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 個人情報管理について

当社は、商談型展示会事業を通じて個人情報を収集しているほか、eコマース事業を通じて購入者の個人情報を取り扱っております。当社では、「個人情報の保護に関する法律」に従い、社内規程を整備し、個人情報保護の厳正な管理を行っております。このような対策にも関わらず、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求等の金銭補償や信用力の低下等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.その他のリスクについて

(1) 特定人物への依存について

当社代表取締役社長 新村祐三は、当社の創業者及び経営の最高責任者であり、当社は経営方針や事業戦略の決定等といった経営の重要な部分を同氏に依存しております。当社は、過度に同氏に依存しないよう、経営幹部役職員数の拡充、育成及び権限委譲による体制の構築等により、経営組織の強化に取り組んでおりますが、十分な体制の構築が整うより以前に、同氏の業務執行が困難となるような事態が緊急に生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 知的財産権の侵害について

当社は、当社が保有する商標権などの知的財産権の取得及び保護に努めております。また、他者の知的財産権に対しても問題が発生しないよう努めており、過去もしくは現時点において、当社に対し第三者からの知的財産権の侵害等による訴訟が発生した事実はありません。しかしながら、今後当社の事業分野において第三者が得た知的財産権等の内容によっては、当社に対する損害賠償等の訴訟が発生する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 訴訟について

本書提出日現在において、当社が当事者として関与している訴訟手続きはありません。しかし、今後の当社の事業展開の中で、第三者が何らかの権利を侵害され、又は損失を被った場合、もしくはシステム障害等によって利用者に損害を与えた場合等、当社に対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。損害賠償の金額によっては、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 自然災害、事故等について

当社では自然災害、事故等に備え、サーバーの分散化、データの定期的バックアップ、システム稼動状況の監視によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社本社の所在地である関東圏において、大地震、台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事業に支障を来たす事象が発生し、システムの利用が制限された場合、当社の経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 配当政策について

当社は、今後の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先し、創業以来配当を実施しておりません。株主への利益還元につきましては、経営の最重要課題のひとつと位置づけておりますが、現在は内部留保の充実に注力する方針であります。将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益配分を検討していく方針でありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であり、業績次第では今後安定的な配当を行うことができないリスクが存在します。

 

(6) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、取締役及び従業員に対するインセンティブ目的として、ストック・オプションを付与しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、これらの新株予約権が行使条件を満たして行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。尚、本書提出日におけるストック・オプションによる潜在株式数は294,000株であり、発行済株式総数2,386,100株の12.3%に相当しております。

 

(7) 資金使途について

今回計画している公募増資による資金調達の使途につきましては、人材採用費及び人件費、事務所移転、EC販売管理システム開発、借入金の返済に充当する予定であります。

しかしながら、急速に変化する事業環境に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途へ充当する可能性もあります。また、当初の計画通りに資金を使用したとしても、必ずしも当社の成長に寄与するとは限らず、期待通りの成果をあげられない可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当事業年度の経営成績の分析

 当社が主に事業を行う介護業界においては、第11期に引き続き、介護サービスの需要が拡大していることを背景に、介護事業者並びに各種サプライヤー(介護用品メーカー、機械浴槽や建材等の設備備品メーカー及び介護ソフトや配食等の施設向けサービス事業者等)の新規参入意欲は引き続き旺盛となっております。また、平成30年4月からの介護報酬改定を見据えた介護事業所の企業再編も加速しており、M&Aによる事業継承の需要はますます高まっております。

 このような環境のもと、当社ではこれまで培ってきた商談型展示会のノウハウ・経験を活かし、今後の事業展開を見据え、健康分野等の新しい領域を包含した商談型展示会の開催や、医療等の新業種領域へのM&A仲介サービスの提供の開始、商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」の開催といった、新しい形でのマッチングサービスの企画に取り組み、介護業界におけるマッチング・プラットフォームの確立に注力してまいりました。この結果、平成29年10月には関西圏における介護業界の商談型展示会の定着を図り、今後の安定的な開催に繋げるために、関西地域での第2回目となる「CareTEX関西2017」を開催しております。さらに、平成30年3月には、次世代テクノロジーの普及に焦点をあてた「介護テクノロジー展」や、健康寿命延伸のための「健康長寿産業展」、地域包括ケアシステムに向けたまちづくりを考える「超高齢社会のまちづくり展」といった新しい領域の展示会と、これまでの「CareTEX」を同時開催することで規模が大きく伸長した「東京ケアウィーク2018」を東京で開催いたしました。

 以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は1,333,177千円(前事業年度比19.8%増)、営業利益は122,300千円(前事業年度比82.1%増)、経常利益は105,015千円(前事業年度比57.4%増)、当期純利益は73,542千円(前事業年度比53.9%増)となりました。

 当事業年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。

 

(イ) BtoB事業

BtoB事業は、商談型展示会である「CareTEX」の主催、介護事業者及び医療事業者向けのM&A仲介サービスの提供、介護事業者向け情報検索・マッチングWebサイトである「CareTEXクラウド」を運営しております。また、出展商品を単一のジャンルに絞り、対象エリアを都道府県レベルまで絞り込むことで、より密度の高いマッチングの促進を狙った「CareTEX One」を平成29年10月に横浜で開催するなど、各種サプライヤーと介護事業者の間に立ち、新しい形でのマッチングビジネスの取組を進めた結果、当事業年度に開催した全ての展示会の出展小間数(*)の合計数は1,118小間(前事業年度比35.0%増)となっております。M&A仲介サービスについても、定期的なダイレクトメールの送付による売り手案件の開拓や、買い手登録事業者へのメール等での定期的なコンタクトを実施した結果、当事業年度において成約組数が42組(前事業年度比68.0%増)となった他、当第1四半期会計期間より医療事業者向けのM&A仲介サービスも開始しております。

以上の結果、当事業年度においては、「CareTEX関西2017」、「東京ケアウィーク2018」及び「CareTEX One」の売上を計上したことや、M&A仲介サービスの成約組数が大きく伸長したことから、BtoB事業の売上高は、774,208千円(前事業年度比55.3%増)となり、セグメント利益は311,927千円(前事業年度比71.0%増)となりました。

(*)出展小間数:出展社に貸し出すために仕切られたスペースの単位

 

 

(ロ) BtoC事業

BtoC事業は、主に介護用品やベビー用品等を取り扱うeコマースサイトを運営しており、特に介護用品の分野では、eコマースサイトでありながら電話接客を強く打ち出した「対面販売に限りなく近い接客」にこだわり、お客様に寄り添うサービスを心がけており、成約率を維持しております。しかしながら、検索エンジンのアルゴリズム変更による表示順位の変動に伴いサイト訪問数が低下し、集客を補うためにリスティング広告において、上位表示を確保するための広告出稿コストが増加したことに加え、競合サイトとの販売価格競争に対抗する値下げキャンペーンの実施、配送会社各社の値上げに伴う物流費の増加等により、収益性は悪化しました。

以上の結果、当事業年度においてはBtoC事業の売上高は、558,968千円(前事業年度比9.0%減)となり、セグメント損失は21,067千円(前事業年度は16,650千円のセグメント利益)となりました。 

  

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

  ① 生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

   ② 受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

  ③ 販売実績

当事業年度の事業領域ごとの販売実績は、次の通りであります。

 

事業領域の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

BtoB事業

商談型展示会

477,304

138.7

 

M&A仲介

286,356

188.2

 

WEBマッチング

10,548

475.4

BtoB事業 計

774,208

155.3

BtoC事業

eコマース

558,968

91.0

合計

1,333,177

119.8

 

(注) 1.最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.WEBマッチングには、CareTEXクラウドへの掲載料や、営業アポイント取得代行サービスの売上を含んでおります。

4.当事業年度のWEBマッチングには、平成29年10月に横浜で開催されたCareTEX Oneの売上を含んでおります。

 

 

(2) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について

① 財政状態

(資産)

 当事業年度末における総資産は、714,467千円となり、前事業年度末に比べて200,663千円の増加となりました。

 流動資産は700,325千円となり、前事業年度に比べて209,368千円増加しました。主な増加要因は、収益拡大や平成30年7月に開催される「CareTEX福岡2018」等の出展料金の前受により、現金及び預金が227,046千円増加したこと等であります。固定資産は14,142千円となり、前事業年度末に比べて8,705千円減少しました。主な減少要因は有形固定資産及び無形固定資産の減価償却等によるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は456,279千円となり、前事業年度末に比べて127,120千円の増加となりました。

 流動負債は391,113千円となり、前事業年度末に比べて150,570千円増加しました。主な増加要因は、業容の拡大によって買掛金が43,506千円増加したほか、「CareTEX福岡2018」をはじめとした商談型展示会の出展料により前受金が49,464千円増加したこと等によるものであります。固定負債は65,165千円となり、前事業年度末に比べて23,449千円減少しました。主な減少要因は、長期借入金の返済に伴うものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は258,188千円となり、前事業年度末に比べて73,542千円の増加となりました。増加要因は当期純利益の計上により、繰越利益剰余金が73,542千円増加したことによるものであります。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び預金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて220,746千円増加し、592,780千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、257,854千円(前事業年度は92,682千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上105,015千円のほか、平成30年7月開催の「CareTEX福岡2018」をはじめとした商談型展示会出展料の前受金が49,464千円増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、2,362千円(前事業年度は11,114千円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出2,310千円が発生したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、34,745千円(前事業年度は20,801千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の新規借入を行った一方で、既存の借入金の返済を行ったことにより31,425千円の支出が発生したこと等によるものであります。

 

  ③ 資本の財源及び資金の流動性

   (資金需要)

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入費用、展示会会場の会場使用費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。なお、設備資金需要として多額に発生するものはありません。

   (財政政策)

当社は、運転資金及び設備資金については、内部資金により調達しております。なお、平成30年4月2日において上場に伴う公募による増資を行っており、平成30年5月2日にはオーバーアロットメントに伴う第三者割当増資による増資を行っております。

 

 

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況

 ① 経営計画の達成状況

当事業年度において、BtoB事業における成長により業績が好調に推移した結果、経営上の計画に比べ、売上高は4,296千円(0.3%)増加し1,333,177千円、営業利益は14,031千円(13.0%)増加し122,300千円となりました。

指標

平成30年3月期

(実績)

平成30年3月期

(計画)

平成30年3月期

(計画比)

売上高

1,333,177千円

1,328,881千円

4,296千円増(0.3%増)

営業利益

122,300千円

108,268千円

14,031千円増(13.0%増)

 

 

 ② 主要な経営指標

当社の経営成績に影響を与える主要な経営指標として、商談型展示会事業については、主な収入である出展料が出展小間数×小間単価となり、小間単価に大きな変動がないため、出展小間数(出展社に貸し出すために仕切られたスペースの単位)を重要な指標としており、M&A仲介事業については主な収入である仲介手数料が成約組数×手数料単価となり、手数料単価に大きな変動がないため、成約組数を重要な経営指標としております。それぞれの経営指標の推移及びその増加要因は以下の通りです。

 

(ⅰ) 商談型展示会事業

第10期の合計小間数が増加した主な要因は、第9期のCareTEX東京の初回開催の実績を受けて、第9期には出展に至らなかった出展検討企業の出展が増加したことによるものであります。第11期の合計小間数が増加した主な要因は、CareTEX関西の開催を始めたことに加えて、出展対象企業が拡大(中国の介護事業者等)したことによるものであります。第12期の合計小間数が増加した主な要因は、営業人員を8名(前年度末比4名の増加)とすることによって出展検討企業への営業活動が増加したことに加えて、CareTEX東京の出展対象企業の拡大(VR・AI・IoT等の先端技術を有する企業や健康食品等を扱う企業等)やCareTEX関西の初回開催の実績を受けて、第11期には出展に至らなかった出展検討企業の出展が増加したこと及びCareTEX Oneの開催を始めたこと等によるものであります。

 

出展小間数の推移                                  (単位:小間数) 

 

第9期

第10期

第11期

第12期

決算年月

平成27年3月

平成28年3月

平成29年3月

平成30年3月

CareTEX東京

411

560

593

818

CareTEX関西

235

273

CareTEX One

27

合計

411

560

828

1,118

 

(注)小間数は、各年度に開催した展示会の出展小間数を記載しております。

 

(ⅱ) M&A仲介事業

当社は、第10期(平成28年3月期)よりM&A仲介事業を開始しております。第11期の成約組数が増加した主な要因は、M&Aコンサルタント数を4名(前年度末比2名の増加)とすることによって、対応可能案件数が増加したことに加えて、案件開拓方法の多様化(銀行・証券会社等の提携先企業からの案件紹介の増加や、CareTEX会期中のセミナー開催、WEB・新聞・雑誌での記事掲載等)による受託案件数の増加によるものであります。第12期の成約組数が増加した主な要因は、M&Aコンサルタント数を平成30年3月末日現在で7名(前年度末比3名の増加)とすることによって、対応可能案件数が更に増加したことによるものであります。

 

 

 M&A成約組数の推移                                 (単位:組数) 

 

第10期

第11期

第12期

決算年月

平成28年3月

平成29年3月

平成30年3月

成約組数

25

42

 

(注)成約組数は、各年度に成約したM&A組数を記載しております。

 

(4) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております各種課題に対応していくことが重要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、市場動向をはじめとした外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を推進していく方針であります。 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。