文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、当社の理念である「全国、全ての中小企業を黒字にする」に基づき、インターネット関連技術を活用し、様々な業種の中小・零細企業に対する総合的な経営支援を主たる事業として展開しております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは中長期的な企業価値の向上を達成するために、売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しており、収益性を意識しながら、拡大、成長を実現していくことを目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループが事業展開するインターネット関連業界は、市場規模を拡大し続けている一方、技術の進歩や流行の変化が早く、競争の激しい業界でもあります。当社グループはこのような環境下において、マーケットの新たな需要や変化に迅速かつ的確に対応していくことを中長期的な経営の方針としております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① DXソリューション事業における取組について
a.商材供給の安定化及び品質の維持
JDネット事業において、創業以来のコンテンツ事業のノウハウを活かし、商材や自社メディア・サービスの企画開発を行っております。当社グループで取り扱う商材は、ターゲットユーザーが中小・零細企業であり、機能面では限定されているが安価で使いやすいことが必要なため、価格と質を維持しながら安定的に商材供給を実現することが事業規模拡大の課題です。当社グループは自社開発にこだわらず、パートナー企業や外部のサービス提供企業とも協力し、安定的な商材供給を確保するように努めております。
また、パートナー企業の満足度向上のためには商材の品質確保が必要になります。取り扱う商材は自社にて動作確認を行い、不具合の発生等を最小限に抑制するように努めております。今後は、更なる品質の向上を実現することが当社グループの事業拡大のため必要であると考えております。
b.パートナー企業数の適切な拡充とフォロー強化
JDネットの参加パートナー企業数の増大は登録料売上、営業支援売上、商材売上の増加につながります。一方で、パートナー企業の多くは既存事業の顧客に対して更なる提案を行うために当社の商材を求めており、パートナー企業の無制限な拡大はパートナー企業が抱える既存顧客への過度な営業や奪い合いなどのトラブルを引き起こします。また、当社グループによる販促支援の人的稼働も有限であることから、満足度の低下をもたらす可能性もあります。そのため、パートナー企業の募集に関しては、地域や業種を加味し適切に拡充することに努めております。また、既存パートナー企業に対しては営業同行や商材の勉強会等の開催によるフォローを定期的に行っております。
今後、パートナー企業による商材売上を増加させるためには、新規参加社数の確保だけでなく、既存パートナー企業へのフォローに関しても、体制の強化とともに、より効率的な営業支援方法の確立が必要であると考えております。
c.士業活用支援サービスの推進
本サービスを顧客企業に提供するにあたって、士業リソースを活用した政府及び地方自治体の中小企業向けの公的支援制度の活用を推奨しております。よって今後、制度の活用に直接関係する法律、税制等の改正や各種制度に関する政府及び地方自治体の施策に重要な変更があった場合、影響を受ける可能性があります。そのような事態に対処するため、本サービスでは、公的支援制度活用以外にも、地方銀行・信用金庫を中心に金融機関と連携した顧客の資金面を支援する体制づくり及び顧客企業の固定費等を削減し資金確保を実現するためのコスト削減商材の拡大に努めております。また、本サービスの付加価値向上と当社収益のより一層の安定・拡大を図るため、新サービスの企画・開発、収益構造の多様化に努めております。
② コンテンツ事業における取組について
a.ソーシャルメディアやデバイスの変化への対応
当社グループは、今後の事業拡大において、新たなソーシャルメディアの出現、スマートフォンやタブレット端末等の新しいデバイスの出現等にみられるインターネット市場におけるトレンドを常に把握しながら、顧客のマーケティングニーズへの対応を図ることが重要と考えております。そのため、新たなソーシャルメディアやその活用方法に関して、企画から制作、運用までを一貫して展開できるサービス体制の強化を引き続き図っていく方針であります。
b.DXソリューション事業との連携強化
DXソリューション事業では、全国のパートナー企業による販売網を構築し、Webマーケティングに関する商材等を販売しております。当社グループとしては首都圏以外の地域に大きな潜在的な需要があると見込んでおり、コンテンツ事業の売上高向上には、現状、大手広告代理店との連携が主要ですが、DXソリューション事業との連携強化による全国展開も必要と考えております。そのために、コンテンツ事業の商材をパートナー企業にも展開していく方針であります。
③ 新規事業の展開について
当社グループの主要事業であるDXソリューション事業では、販売代理店であるパートナー企業に安価で利益率の高い経営支援・Web活用支援に関する商材を提供しておりますが、パートナー企業にも様々な特性とニーズがあるため、パートナー企業にとって有益な価値を提供する新規事業の展開が今後の事業規模拡大につながると考えております。そこで、DXソリューション事業拡大のため、パートナー企業が抱える様々な経営課題の解決に資する新たな商材・サービスの検討を日常的に行っております。
④ 優秀な人材の確保と組織体制の強化について
当社グループが継続的に企業価値を拡大していくためには、より専門性の高いサービスを構築できる人材を十分に確保していくことが重要であると考えております。ソーシャルメディアと親和性が高いと考えられる新卒採用に注力するとともに、高い専門性を有する人材及び管理職の獲得のため中途採用にも取り組んでおります。加えて、正社員の採用のみならず、BPOの活用や業務のDXなどを通じて組織体制を強化してまいります。
また、事業の拡大に応じた管理業務を支障なく遂行できるよう、内部統制の仕組みを改善し、管理部門の人員についても必要に応じて強化してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続き等の体制を、その他のコーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。コーポレート・ガバナンスの詳細は、「
(2)戦略
① サステナビリティ全般に関する取組
当社グループは、当社のビジョンである「全国、全ての中小企業を黒字にする」に基づき、年間数千社の日本全国各地の中小零細企業に対して助成金・補助金活用支援、DX化支援、人材採用支援など多面的な経営支援サービスを提供しておりますが、事業を推進するにあたっては各地域の有力企業、地方自治体、金融機関などのパートナーとの強固な連係が重要だと考えております。パートナーとの強固な連係により各地域に根ざしたきめ細かい経営支援サービスの提供を実現し、東京をはじめとした大都市圏に集中しがちな資金、情報、人材などのリソースを効果的に地方に還元するなど地方経済の活性化に貢献できるよう努めてまいります。そのほかにもステークホルダーの皆さまから信頼される企業として持続的な成長を実現するため、事業活動に関わるさまざまなサステナビリティの分野から、社会にとっての重要度が高く、当社の事業との関連が大きい重要な社会課題について、高い倫理感・使命感をもって取り組んでまいります。
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環境 (Environment) |
・営業のオンライン化により経済活動におけるCO2削減を推進 ・データセンターに関して再生可能エネルギーで運営される拠点の利用を推進 ・全国、全ての中小企業の業務効率化を目的とし、顧客企業のDX化を推進 |
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社会 (Social) |
・顧客の50%以上が「首都圏以外に所在する地方顧客」になるよう企業活動(企画、開発、営業)を推進 ・有能な人材の継続的な育成を推進 ・ダイバーシティの様々な施策(女性活用等)を推進 |
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ガバナンス (Governance) |
・プライバシーマークの継続取得による情報管理体制の強化・維持 ・情報漏洩を予防するため、全ての社員に対し継続的なセキュリティに関する研修を実施 ・業務発注先にもESGを意識した業務体制に改善するよう啓発・指導 |
②人的資本・多様性への取組
当社グループは、人材こそが企業成長の最も大切な経営資本の1つであるとの認識の下、多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に努めてまいります。
・様々な経験、スキル、資格、価値観などを有する多様な人材からなる柔軟な組織となるため、新卒採用及び中途採用を積極的に行っております。また、新卒採用においてはインターンシップを積極的に行っております。
・多様性の確保及び地方経済の活性化推進のため、地方拠点において現地採用を推進しております。
・アルバイトや派遣社員等について、本人の希望に基づき、実績等に応じて正社員への登用を推進しております。
・年齢、性別、勤続年数等に関係なく、能力や実績に応じた昇給・昇格等の処遇を行っております。特に女性の活躍推進策として女性管理職比率の向上に努めております。
・出産・育児や介護等を理由とした離職を防ぎ、従業員が職業生活と家庭生活を調和的に両立し長期にわたり活躍できる就業環境を整備するため、法定の各種休業制度等と併せて 一定条件のもとで自宅勤務や時短勤務を選択できる制度を設けております。
(3)リスク管理
当社グループでは、事業を取り巻く様々なリスクに対応するため、「リスク管理規程」を定め、リスクを的確に把握・対応する体制を構築しております。サステナビリティに関連するリスクにつきましても、当該規程に基づきリスク管理を行っております。リスク管理は、「リスクの特定」、「特定されたリスクの分析(発生可能性と影響度)」、「リスクの評価(発生可能性と影響度に応じたリスクレベル及び対応策の必要性と重要度の判定)」、「リスク対応(必要な対応策の検討及び実施)」のプロセスにより行っており、経営への影響が特に大きいリスクに関しては、特に重点的にリスクコントロールを行っております。当社グループの経営に関する主要なリスク管理体制の整備の状況に関しましては、
(4)指標及び目標
当社グループの事業活動が気候変動等のサステナビリティに直接的な影響を及ぼす可能性は限定的と考えており、気候変動等に関する指標及び目標は定めておりません。しかしながら、当社グループの主要な顧客である中小企業における事業活動のDX化支援など、当社グループの事業活動をより一層推進することによってサステナブルな社会貢献に努めてまいります。
人的資本に関する指標及び目標につきましては、当社では、全社員に占める女性の割合と比較して、全管理職に占める女性の割合は低い状況であり、女性の活躍推進により多様性を確保することが重要な課題であることから、下記の指標を用いております。なお、当社グループに属する全ての会社では行われてはいないため、下記の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
◎管理職に占める女性労働者の割合
当該指標に関する実績及び目標に関しましては、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社はこれらのリスクが発生する可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針でありますが、当社グループの経営成績又は財政状態等についての判断、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載事項も慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載事項は、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.当社の事業について
(1) DXソリュ-ション事業について
① 適切な商材の開発・確保について
DXソリュ-ション事業で取り扱う商材は自社で開発、あるいは外注先やパートナー企業にて開発され、自社にてテスト利用された後、パートナー企業に提供しています。商材の種類及び数に関しましては、多種多様なパートナー企業のニーズに対応するため、マーケティング分野を中心に豊富に取り揃えております。しかしインターネット関連業界は技術革新が早く、常に新たな商材を供給する必要があり、今後、自社・外注先の開発力の低下等の要因により、適切な商材が供給できない場合、パートナー企業のニーズを十分満たすことができず事業規模の拡大が困難になる可能性があります。
② パートナー企業数の増加について
当社グループはパートナー企業から契約時にJDネット登録料を受領するとともに、パートナー企業による当社商材の売上を計上しております。そのため、パートナー企業数が増加しなかった場合、JDネット登録料売上及び商材売上が増加せず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ パートナー企業に対する売上債権管理について
当社グループが商材を販売するパートナー企業は比較的小規模で与信リスクの高い企業が多いため、パートナー企業に対する債権管理が重要になります。現状、当社グループは1パートナー当たりの取引金額が少額であり、支払が遅延した際には取引を停止し、代金の回収後に取引を再開することで、代金回収の確実化を図っております。しかしながら、景気の大きな変化等により一度に多くのパートナー企業の経営が悪化した場合、パートナー企業に対する代金回収が十分に行えないといった事象が発生し、当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
④ 人材採用・研修サービスについて
政府及び地方自治体の施策の変更により、各種公的支援制度の予算が削減された場合、研修助成金等の減額等により顧客の購買意欲が減退するといった事象が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) コンテンツ事業について
① 競合について
当社グループの属するインターネット関連業界においては、競合他社が多数存在します。当社グループは業界内において、コンテンツ企画・制作における品質・採用する技術・価格等において差別化を図り、競争力を維持することを経営課題としておりますが、競合他社との差別化が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ソーシャルメディアの普及について
当社グループは、今後のコンテンツ事業の拡大について、他社が運営するサイトや個人が運営するブログや口コミサイトを含めたソーシャルメディア全体の普及、及び利用が拡大することを前提としております。しかし、新たなメディア市場の登場等により現状のソーシャルメディア市場の成長鈍化若しくは縮小等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 優秀なクリエイター・外注先の確保について
当社グループは、コンテンツ制作やサイト構築等の業務においては、優秀なクリエイターやデザイン・システム構築を事業とする再委託先との協力の下で事業を遂行しております。当社グループとしては、今後もクリエイター等のアライアンス先を拡大していく所存でおりますが、優秀なクリエイター等が十分に確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、クリエイターとは今後も関係強化を図る一方、選定にあたっては、過去の取引実績や技能水準等を確認した上で取引を開始していることに加え、制作過程においても、当社グループの制作担当者が納品された制作物に対して検品を行う等、品質管理の徹底を継続的に行っています。しかしながら、万一不良品が発生し、それらを取引先に納品した場合や、顧客に満足していただく品質水準に達しない場合、契約時点では予見不能な追加コストが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新規事業の展開について
当社グループは企業価値を高めるために事業規模の拡大をすべく、今後も新規事業を展開していく予定であります。新規事業については事業計画を十分に検討した上で実施することとしておりますが、その事業計画には予想や仮説に基づく部分も存在するため、当該予想や仮説が現実と大きく違った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 技術革新について
当社グループの属するインターネット関連業界は、技術革新や顧客の求めるサービスの変化が早いことから、当社グループとしては、新技術や変化する顧客のニーズに遅れることなく、柔軟に対応する方針でありますが、新技術対応や顧客のニーズへの対応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システムに関するリスクについて
当社グループは当社グループの事業において、サーバー等ハードウェアを用いてサービスを提供しております。これらがアクセス集中によるサーバー負荷の増大、自然災害や事故、外部からの不正アクセス等により、システムダウンが発生する可能性があります。これに対して当社グループは外部からの不正侵入を防ぐ対策等を行っておりますが、何らかの理由により重要なデータが消失又は漏洩した場合やサービスが提供できなくなった場合には、損害賠償の発生や信用低下等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権について
① 当社グループの知的財産権の保全について
当社グループは特許権・商標権等の出願により積極的に当社の有する知的財産権を保全していく方針であります。しかし、当社グループの行った登録出願が認定されなかった場合等、知的財産権の保全が不十分になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループによる第三者の知的財産権の侵害
当社グループが制作するコンテンツについて、第三者の商標権・著作権等の知的財産権を侵害しないように留意し、調査を行っておりますが、完全に調査することは極めて困難であります。当社グループが第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、損害賠償又は当該知的財産権の使用に関する対価の支払等が発生する場合があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 個人情報等の保護について
当社グループでは、コンテンツの企画・制作を登録クリエイターと共に行っており、質の高い企画・制作を行うために、クリエイターの氏名や住所の他、年齢・職業・メールアドレスといった個人情報を求め、データとして管理しております。当社グループは、これらの情報について、「個人情報保護に関する法律」を遵守し、個人情報の保管されているデータベースへのアクセス権限を設けること等、各種情報セキュリティ対策を講じておりますが、情報管理に関する体制の不備や社外からの不正アクセス等により、これらのデータが外部に漏洩した場合、当社グループへの信用低下や損害賠償請求等によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
2.外部環境について
(1) インターネットを取り巻く環境について
当社グループは、インターネットでのWebマーケティングサービスの提供とコンテンツ制作を事業基盤としており、インターネット及び関連サービス等の更なる発展が、当社グループが今後成長を図る上で重要であると考えております。インターネットの普及に伴う個人情報の漏洩、改ざん、不正使用等や、社会道徳又は公序良俗に反する行為等への対応としての新たな法的規制導入や、その他予期せぬ要因によって、インターネット及び関連サービス等の発展が阻害される可能性があり、動向等により当社の事業展開、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 中小企業を取り巻く環境について
当社グループの販売代理店であるパートナー企業は中小企業が多く、Webビジネスに取り組む中小企業の増加が、当社事業の拡大を図る上で重要であると考えております。
エネルギー、原材料費の高騰等により中小企業の経営環境はより一層厳しさを増してきております。今後において、更なる中小企業の経営環境が悪化した場合、当社グループの事業展開、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 公的支援制度の提供環境について
Jコンサル等の顧客企業は各士業を通じ、ITツールの導入時や人材育成のための企業内研修の実施時などに、該当する公的支援制度(補助金・助成金・融資等)の活用を実施しております。今後、自治体等の政策転換により各種公的支援制度が減額・廃止されることにより中小企業の購買意欲が減少し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
当社グループが事業を展開するインターネット関連業界は、インターネット上の情報流通や電子商取引に関連した法的規制の整備が進みつつある状態であります。当社グループの事業のうちコンテンツ事業は、不当景品類及び不当表示防止法、知的財産権に関する法律等の適用を受けております。これらの法律上で問題にならないようマーケティング活動を行っておりますが、万一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、今後の現行法令の解釈の変更や改正並びに新法令の制定等がなされ、当社グループの事業が制約を受けることになった場合、当該規制への対応に際して法的費用の発生、サービス内容の変更や新たな開発に要する費用の発生、事業活動への制約が生じること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 新型コロナウイルス感染症等感染症による影響について
新型コロナウイルス感染症は国内では感染症法上の分類が5類へ移行し、社会活動が正常化に向かっている現状から、経済状況は改善すると見込まれる一方、新型コロナウイルス感染症及び新たな感染症の拡大により、緊急事態宣言の発令や国内経済の停滞が長期にわたる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
3.当社グループの事業体制について
(1) 代表者への依存について
当社代表取締役社長の白石崇は、当社グループの重要事項に関する意思決定、基幹事業の推進等において、重要な役割を果たしております。従いまして、代表取締役社長の白石崇が何らかの理由により当社グループの業務を遂行することが不可能あるいは困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 小規模組織であることについて
当社グループは組織規模が小さいため、各業務分野、内部管理において少人数の人材に依存しております。当社グループでは特定の人員に過度の依存をしないよう組織的な経営体制を整備し、全般的な経営リスクの軽減に努めると共に、内部管理体制の整備・強化を図ってまいりますが、何らかの理由で従業員等に業務遂行上の支障が生じた場合、あるいは従業員が社外に流出した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) システム管理及び運用・管理の体制について
当社グループは、DXソリュ-ション事業及びコンテンツ事業において、外部のホスティングサービスのサーバーを利用しております。このため、外部業者に障害等が発生した場合には、データのバックアップ体制は整備しているものの、サービス遅延等により当社に対する顧客の信用低下が発生した場合等については、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 人材の育成及び確保について
当社グループの成長のためには、優秀な人材の確保、育成が重要な要素であると考えております。しかし、当社の事業拡大に応じた十分な人材の確保、育成が可能か否かは不確実であり、これらが不十分な場合は、業務遂行及び業務拡大に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などを背景に緩やかな回復基調が続いた一方、円安を背景とする原材料・エネルギーコストの高止まりや、米国の通商政策などの動向等による影響など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
このような経営環境のもと、当社グループは、「全国、全ての中小企業を黒字にする」という理念に基づいて各事業に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は4,003,770千円(前年同期比44.2%増)、営業利益は720,719千円(同125.4%増)、経常利益は725,271千円(同130.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は485,040千円(同110.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
DXソリューション事業
DXソリューション事業におきましては、IT・人材・マーケティング・助成金等の4つの視点から業務のDX化による経営課題の解決とDX化を推進するための資金確保(補助金・助成金活用等)に関する経営コンサルティングサービスである「Jコンサル」及び補助金・助成金自動診断システムである「Jシステム」、パートナー企業と共同で実施するIT・人材・マーケティング関連商材の共同開発、共同仕入れ及びそれら企業への営業支援を行っている「JDネット」の3つのサービスを主軸として事業を展開してまいりました。当連結会計年度は、3つの主要サービスをはじめとした各サービスにおいて、AI・ITを活用した中小企業支援に注力してまいりました。AI活用領域における新たなAIソリューションサービス(AI活用研修、コンサルティング、BPO、開発)の受注は非常に好調に推移し、特にAI活用研修が大きく業績に貢献いたしました。
この結果、同セグメントの売上高は3,700,458千円(同50.1%増)、セグメント利益は936,437千円(同79.3%増)となりました。
コンテンツ事業
コンテンツ事業におきましては、業種や規模を問わず、様々な企業の「メール・Webマーケティング」等の企画制作の受託サービスを展開しており、市場環境の変化に合わせてサービスの受注拡大と生産性向上に努めてまいりました。当連結会計年度は、受注が低調であったこと、原価率が高い案件の売上構成比が高まったこと等により、売上・利益ともに低調に推移いたしました。
この結果、同セグメントの売上高は303,311千円(同2.6%減)、セグメント利益は46,900千円(同26.7%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は4,185,925千円となり、前連結会計年度末に比べ770,751千円増加いたしました。主な内訳は、現金及び預金2,722,706千円、売掛金952,566千円、のれん83,828千円であります。
当連結会計年度末の負債合計は1,065,764千円となり、前連結会計年度末に比べ351,808千円増加いたしました。主な内訳は、契約負債487,184千円、未払金216,956千円、未払法人税等222,828千円であります。
当連結会計年度末の純資産合計は3,120,160千円となり、前連結会計年度末に比べ418,943千円増加いたしました。主な内訳は、資本金386,381千円、利益剰余金2,862,514千円であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、売上債権の増加、無形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が723,771千円(前年同期比131.6%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ290,320千円増加し、当連結会計年度末には2,722,706千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は415,208千円(同18.6%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益723,771千円、減価償却費41,868千円及び、売掛債権の増加額472,723千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は69,153千円(同42.7%減)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出58,599千円、投資有価証券の取得による支出9,600千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は55,733千円(同31.4%増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出53,998千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの受注は、受注から納品までの期間が短く、受注に関する記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
DXソリューション事業(千円) |
3,700,458 |
150.1 |
|
コンテンツ事業 (千円) |
303,311 |
97.4 |
|
合計(千円) |
4,003,770 |
144.2 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は3,740,374千円となり、前連結会計年度末に比べ748,747千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が290,320千円、売掛金が481,511千円増加した一方、商品が32,754千円減少したことによるものであります。固定資産は445,550千円となり、前連結会計年度末に比べ22,004千円増加いたしました。これは主に、その他に含まれるソフトウエアが25,207千円、繰延税金資産が18,919千円増加した一方、のれんが9,580千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は4,185,925千円となり、前連結会計年度末に比べ770,751千円増加いたしました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は1,061,714円となり、前連結会計年度末に比べ353,544千円増加いたしました。これは主に契約負債が141,425千円、未払金が74,437千円、未払法人税等が128,746千円増加した一方、買掛金が19,680千円減少したことによるものであります。固定負債は4,050千円となり、前連結会計年度末に比べ1,735千円減少いたしました。これはリース債務が1,735千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,065,764千円となり、前連結会計年度末に比べ351,808千円増加いたしました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は3,120,160千円となり、前連結会計年度末に比べ418,943千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が485,040千円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が12,099千円減少、純資産の控除項目である自己株式が53,998千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は74.5%(前連結会計年度末は79.1%)となりました。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、経営成績に重要な影響を与える要因が存在しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減し、適切に対応を行ってまいります。
e.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは現金及び現金同等物並びに営業活動によりキャッシュ・フローを資金の源泉としており、運転資金及び設備投資に係る資金需要に対しては自己資金で対応しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,722,706千円となっております。
f.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは中長期的な企業価値の向上を達成するために、売上高成長率及び売上高営業利益率を重視しており、収益性を意識しながら、拡大、成長を実現していくことを目標としております。
当連結会計年度末における各指標の状況は次のとおりであります。
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前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
前年同期比 |
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売上高 |
2,776,068千円 |
4,003,770千円 |
1,227,701千円増 |
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売上高営業利益率 |
11.5% |
18.0% |
6.5%ポイント増 |
g.経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、当社のビジョンである「全国、すべての中小企業を黒字にする」に基づき、インターネット関連技術を活用し、様々な業種の中小・零細企業に対し総合的な経営支援、Web活用マーケティング支援を主たる業務として展開しておりますが、中小企業向け市場には当社グループの成長機会が存在する見通しであると考えております。
h.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは今後も中小企業向け市場に当社グループの成長機会が存在すると考えております。DXソリュ-ション事業では、既存のコンサルティング分野、マーケティング関連分野に加え、AI活用領域における新たなAIソリューションサービスを投入して中小・零細企業の需要を掘り起こしてまいります。
また、コンテンツ事業では、インターネット広告制作市場の拡大に対応できる体制づくりと企画・開発に関する「ノウハウ」と「制作リソース」の活用と蓄積を念頭に置き、それを強みに企業規模や業種を問わずあらゆる顧客層からの企画制作案件を受託できるという有利なポジションの確立を目指していきます。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズの変化、ITの進展など経営環境の変化に対応したサービスを提供し続けることを目的として実施しております。
当連結会計年度におきましては、DXソリューション事業において、中小零細企業を中心とした顧客に提供する経営支援サービスの品質向上を目的として、AI活用による経営支援サービスの研究開発に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は