文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社の経営の基本方針は、先進的で高品質な音声技術サービスを安定的に提供することにあります。企業理念として掲げる「音声技術で拓く21世紀の文化 ~音声技術の応用開発・サービス化を通して、音声情報の新しい文化を創出し、生活文化の向上に貢献する。~」を実現するために、独自の音声技術を駆使して様々な分野に新たな価値を提案し、挑戦することが重要であると考えております。
(2)経営戦略等
中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向け積極的に投資を行い、次世代音声合成エンジン開発、音声認識、翻訳との連携、対話ソリューション(多言語含む)を提供する予定であります。
具体的には、防災分野におきまして、翻訳、多言語合成を組み合わせたソリューションを提供してまいります。また、車載分野、CTI,コールセンター分野の拡大を実現することが重要課題であると考えております。事業領域の拡大にあたり、音声認識、翻訳、多言語音声合成等の技術を保有している他社との連携を推進し、事業の成長スピードの向上に努めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
先進的で高品質な音声技術サービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考え
ており、営業利益を収益性の指標としております。
(4)経営環境
AI分野、インバウンド分野など利用機会が増加傾向にあることから、今後ますます音声技術の業界が重要な役割を
担っていくものと想定しております。当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、様々な課題があると認識し
ております。これらの課題に対応し、今後継続的な発展を実現するために、当社経営陣は、最善の経営方針を立案す
るよう努めてまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①新技術の研究開発
音声合成の利用が拡大してきたことに伴い、研究開発のスピードも加速しております。この数年、各分野で深
層学習の研究が盛んに行われておりますが、音声合成分野においても、深層学習を活用した新しい音声合成技
術DNN(Deep Neural Network)の研究が進められております。当社においても、最新の技術をキャッチアップ
し、また、顧客ニーズの変化を捉え、新しい製品を市場に投入していくことが重要であると考えております。
②人材の確保及び育成
新しい技術、新しい製品を継続的に研究開発し、販売していくためには、優秀な人材の継続的確保が重要であ
ると考えております。また、音声技術という特殊分野のため、採用した研究者、開発者及び営業メンバーの育
成が重要であると考えております。
③安定収入の確保
当社の事業基盤はライセンスビジネスであり、音声合成エンジンの使用許諾を与えることにより、継続的に許
諾料を頂くモデルであります。現在は、月額使用料、ロイヤリティ、継続的なクラウドサービスの利用、サポートサービス等で継続的な安定収入を確保しております。今後、事業を拡大していくにあたり、新しい分野において安定的な収入を確保することが重要であると考えております。
④新しいマーケットの創出
音声合成が広く利用される様になり、今後、様々な分野において利用が進むものと考えておりますが、現在、
確立されたマーケットは、電話の自動応答システム、防災行政無線、音声対話等、まだ限られております。更
に、新しいマーケットを創出していくことが重要であると考えております。
⑤内部管理体制の充実
当社は、今後継続的に事業を拡大してまいりますが、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、内
部統制システムの適切な整備及び運用が重要であると考えております。また、成長のステージに応じて人的強化
を行い、内部管理体制の構築を図ってまいります。
⑥ブランディング
当社の今後の成長のためには、音声合成技術を世の中に広めるとともに、「音声技術のエーアイ」「音声合成
=AITalk®」と認知される様、ブランディングが重要であると考えております。
以下に、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、必ず
しも事業上のリスクには該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につ
きましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社は、これらのリスクが発生する可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方
針でありますが、当社株式に対する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行
われる必要があります。
また、本項における記載事項は、本書提出日現在における当社の認識を基に記載したものであり、将来において
発生の可能性のあるリスクをすべて網羅するものではありません。
①業界動向について
音声合成業界は、古くは、電話の自動応答システムからスタートし、防災行政無線、カーナビゲーション、ス
マートフォンでの音声対話へと発展して参りました。本格的に実用化されてからの歴史は浅く、まだ10年程であ
ります。この間、急速に市場が発展しており、また今後新しい市場としては、観光分野、高齢化社会における福
祉用途、東京オリンピックへ向けた外国人向け音声ガイダンス等々、様々な分野での拡がりが期待できます。
しかしながら、各市場が期待通りに拡大しない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②業績の季節変動性について
例年、防災関連、受託案件において、2月から3月の期末に納品が集中する傾向があります。防災関連においては、注文が経済環境の変化等により縮小した場合、あるいは受託案件の集中により、納期の遅延が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、第15期(平成30年3月期)中における各四半期業績の推移は以下の通りであります。
|
|
第15期 第1四半期会計期間 |
第15期 第2四半期会計期間 |
第15期 第3四半期会計期間 |
第15期 第4四半期会計期間 |
|
売上高(千円) |
125,716 |
132,560 |
153,207 |
179,567 |
|
営業利益(千円) |
31,726 |
42,068 |
29,352 |
43,689 |
(注)売上高には消費税等は含まれておりません。
③競合他社について
当社が提供する音声合成エンジン「AITalk®」の主な競合先は、HOYA株式会社(Voice Text)、東芝デジタルソリューションズ株式会社(ToSpeak)となります。当社は音声合成に特化して事業を展開しており、研究開発、製品開発、販売、サポートを一気通貫で提供することにより、ユーザーの要望にも迅速かつ柔軟に対応し、シェアを確保しております。
しかしながら、競合他社企業は大手企業であるため、要員を拡充し、事業展開を加速した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、「Google Cloud Platform(GCP)」の「Cloud Text-to-Speech」あるいは「Amazon Web Services(AWS)」の「Amazon Polly」等の大手企業がクラウドサービスプラットフォームの一部として提供している低価格なサービスにおいて、音声合成エンジンの日本語の品質・技術向上が図られた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④技術革新について
音声合成業界において、技術革新が進んでおります。当社が提供している音声合成エンジンは、「コーパスベ
ース音声合成技術」をベースとしており、合成品質の観点で優位性を確保しております。昨今、「DNN音声合成
技術」の研究開発が進んでおり、将来的に、当該技術の合成品質が向上した場合、当該技術が主流となる可能性
もあります。当社におきましても、当該技術の研究開発を進めておりますが、当該技術が主流となり、かつ当社
の研究開発が遅延した場合、投資に対する十分な成果を得られず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤自然災害について
当社では、自然災害、事故等に備え、プログラム等の重要なリソースにつき、定期的にバックアップをとって
おり、また、研究開発部門は関西、製品開発部門は東京と分散して事業を展開しております。
しかしながら、当社本店または研究開発部門の所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生し、当社設備
の損壊が発生した場合、研究開発もしくは製品開発が滞り、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がありま
す。
⑥システム障害について
当社は、クラウドサービス「AICloud®」を提供しており、大手クラウドサービス事業者を利用し、冗長化構成をとり、また、外部へ委託し、24時間365日の有人監視を行うなど、システムの安定的な運用に努めております。しかしながら、アクセスの集中による負荷の増加、あるいは、地震などの自然災害等、システムに予期せぬ障害が発生した場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑦取引依存度の高い取引先について
本書提出日現在の当社の売上について、株式会社NTTドコモ及び株式会社AHSへの依存度が大きくなっております。平成30年3月期において、売上高に占める割合は、株式会社NTTドコモが16.7%、株式会社AHSが11.5%となっており、今後、様々な理由により、株式会社NTTドコモ、あるいは、株式会社AHSとの取引が縮小した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧新サービスの立ち上げについて
本書提出日現在において、当社の事業モデルの基盤はライセンスビジネスであります。音声合成エンジンを使用許諾し、製品の出荷、サービスの利用に伴い、許諾料を頂きます。今後、ライセンス提供に加えて、音声合成を活用した自社サービスの立ち上げを積極的に行っていきます。
しかしながら、売上貢献度は不確定要素が多く、またサービスの立ち上げが遅れた場合、当社の事業及び業績
に影響を及ぼす可能性があります。
⑨他社との連携について
今後、日本語音声合成に加えて、音声認識、意図解釈、翻訳、多言語等と連携した利用が拡大するものと考え
ております。当社においては、日本語音声合成をコア技術と位置づけ、音声認識、意図解釈、翻訳、多言語等の
連携技術については、他社との業務提携、協業を推進していきます。したがって、他社の状況に影響を受ける可能性があり、その結果、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩小規模組織であることについて
当社は、研究開発、製品開発、販売、サポートを全て自社内で行っておりますが、平成30年3月末現在、従業
員数28名と少数精鋭で事業を展開しております。音声合成に特化した単一事業体に適した規模でありますが、一
方で、技術者の退職、長期病欠等の予期せぬ事態が起こった場合、当社の事業活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪人材の確保及び育成について
当社は、音声合成という特殊な分野で事業展開をしております。従いまして、研究者、開発者及び営業担当
者として、優秀な人材を確保し、育成することが重要であり、また人材の流出を防止するための環境構築に取り
組んでおります。
しかしながら、IT業界における人材獲得競争が激しく、計画通り人材の採用ができない場合、もしくは優秀な
人材が流出してしまった場合、業務運営に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫内部管理体制について
当社は、企業価値の継続的な向上のためには、コーポ―レート・ガバナンスが有効に機能することが重要であ
ると認識し、適正な業務分担、財務報告の信頼性、法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまい
ります。
しかしながら、業務の拡大に内部管理体制が追いつかない状況が発生した場合、適切な業務運営が困難とな
り、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬情報セキュリティについて
当社は、音声合成エンジンをライセンスするにあたり、顧客の機密情報を知りえる立場にあります。「情報セキュリティ基本方針」に基づき、情報の適切な管理に努めておりますが、コンピュータウィルス、不正アクセス等の理由により、これらの機密情報の漏洩や改竄などが発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社の信用失墜の事態を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭法的規制について
当社は、メールアドレスを始めとする顧客情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。これらの個人情報につきましては、「個人情報保護方針」に基づき適切に管理するとともに、「個人情報保護規程」を定めており、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。当社は事業を遂行していくうえで、各種法令及び規制等の適用を受けておりますが、現状においては、当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制等はないものと認識しております。しかしながら、今後予期せぬ法令等の制定、既存の法令等の解釈の変更がなされた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮知的財産権等に関する侵害について
当社は、第三者の知的財産権を侵害していないことの確認を、研究開発部門、製品開発部門が必要に応じて専
門家に相談しながら進めており、第三者への技術流出を回避するため、詳細な技術については特許出願を行っておりません。現在技術優位性はあるものと認識しておりますが、特許権等を有していないため、競合他社が当社と同じような製品の開発を行い、事業展開した場合、あるいは人材流出等によりノウハウが外部に流出した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
他方、チェックが十分でない場合、認識不足等、何らかの不備により、第三者の知的財産権等を侵害する可能性があります。第三者からの損害賠償請求、使用差し止め等の訴えを起こされた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯資金使途について
株式上場時の公募増資による調達資金の使途につきましては、既存の音声合成エンジンの改善、次世代音声合成技術の開発及び多言語向け音声合成エンジン等の研究開発費、今後の事業規模拡大のための優秀な人材の確保等を目的とした採用費及び人件費等を予定しております。
しかしながら、事業環境の変化その他の理由により、これらの使途が想定した業績向上に繋がらない可能性が
あります。
⑰新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、取締役及び従業員に対して、業績向上に対する貢献意欲及び士気を高めるため、ストックオプション
を付与しております。これらの新株予約権の権利が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が
有する株式の価値及び議決権の割合が希薄化する可能性があります。本書提出日現在、これらの新株予約権によ
る潜在株式数は249,000株であり、発行済株式総数4,841,000株の5.14%であります。
⑱配当政策について
当社は、株主還元と同時に、財務体質の強化や事業拡大及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けて
おり、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と認識しつつ、業績の推移、財務状況、事業計画に基づく資金需要等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら、経営成績に合わせた利益配分を基本方針としております。現時点では、いっそうの事業拡大を目指すことが株主に対する利益還元につながると考えており、当面の間は内部留保の充実を図り、配当実施の可能性及び実施時期等につきましては未定であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、人手不足の深刻化や米国やEU諸国などの不安定な政治情勢や、アジア地域などにおける地政学的リスクなど懸念材料もあり、先行き不透明な状況が続いております。
当社が属する音声合成市場におきましては、電話自動応答システム、カーナビ、防災行政無線、スマートフォン音声対話などの利用用途から、AI(人工知能)の品質向上によるPepperをはじめとしたコミュニケーションロボット、コールセンターのオペレータ業務の自動化、車載器への対話システムなどの対話型利用用途へと変化しております。また、東京オリンピック、訪日外国人の増加に伴う外国人への情報提供手段としての利用用途も見込まれており、堅調に推移しております。音声合成市場には、多くのサービス事業、アプリケーションが投入され、競争が激化しており、より品質の高い技術を投入するために研究開発費、製品開発費が増加する傾向にあります。
このような事業環境の中で、当社では今後さらなる成長機会と捉えて、「音声技術の応用サービス化を通して、音声技術の新しい文化を創出し、生活文化の向上に貢献すること」に引き続き注力してまいります。
当事業年度の音声合成事業は、法人向け製品のライセンス提供、パッケージ販売、受託開発、法人向けサービスが順調に推移いたしました。また、コンシューマー向け製品のパッケージ販売が順調に推移したことから、今後、コンシューマー向けビジネスも強化してまいります。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ⅰ.財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比較して173,841千円増加し、796,931千円となりました。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末と比較して16,224千円増加し、104,735千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比較して157,615千円増加し、692,196千円となりました。
ⅱ.経営成績
当事業年度の売上高は591,052千円(前年同期比30.9%増)、営業利益は146,837千円(同26.6%増)、経常利
益は147,858千円(同27.3%増)、当期純利益は109,415千円(同42.3%増)となりました。
なお当社は音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、特性に応じた3つの区分別の売上高につきましては、法人向け製品387,191千円(前年同期比29.6%増)、法人向けサービス125,705千円(同15.9%増)、コンシューマー向け製品78,155千円(同76.2%増)となりました。
②キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ154,228千円増加
し、636,037千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、121,080千円(前事業年度は86,445千円の収入)となりま
した。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により支出した資金は、14,410千円(前事業年度は9,313千円の支出)となりま
した。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により得られた資金は、47,558千円(前事業年度は8,998千円の支出)となりまし
た。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ⅱ.受注実績
当社は、提供する主要なサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
ⅲ.販売実績
当社は音声合成事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおり
であります。
|
サービスの名称 |
当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
法人向け製品 (千円) |
387,191 |
129.6 |
|
法人向けサービス (千円) |
125,705 |
115.9 |
|
コンシューマー向け製品 (千円) |
78,155 |
176.2 |
|
合計 (千円) |
591,052 |
130.9 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当事業年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社NTTドコモ |
86,132 |
19.1 |
98,735 |
16.7 |
|
株式会社AHS |
- |
- |
67,722 |
11.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.前事業年度の株式会社AHSに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような
見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、
継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの
見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等
(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.経営成績等
イ.財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末と比較して173,841千円増加し、796,931千円となりました。
その主な要因は、仕掛品が5,383千円、無形固定資産が5,485千円減少したものの、現金及び預金が154,228千
円、売掛金が17,497千円増加したことによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末と比較して16,224千円増加し、104,735千円となりました。
その主な要因は、未払費用が10,421千円減少したものの、未払金が13,159千円、買掛金が9,778千円、預り金
が4,112千円増加したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末と比較して157,615千円増加し、692,196千円となりました。
その主な要因は、新株予約権の行使及び自己株式の処分により資本金が13,600千円、資本剰余金が29,600千
円増加し、自己株式が5,000千円減少したこと、及び当期純利益を109,415千円計上したことによるものです。
ロ.経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は591,052千円(前年同期比30.9%増)となり、前事業年度より、139,621千円の増加と
なりました。これは、法人向けサービス、法人向け製品のライセンス提供、受託開発が堅調に推移致しました。
また、コンシューマー向け製品のパッケージ販売も順調に推移したことによるものであります。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は、販売費及び一般管理費292,008千円(前年同期比16.9%増)となった結果、146,837
千円(前年同期比26.6%増)となりました。
(経常利益)
当事業年度において営業外収益が1,055千円、営業外費用が34千円発生しております。この結果、経常利益は
147,858千円(前年同期比27.3%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度において投資有価証券評価損3,548千円を特別損失に計上しております。この結果、税引前当期純
利益は144,309千円(前年同期比24.3%増)、当期純利益は109,415千円(前年同期比42.3%増)となりました。
ハ.キャッシュ・フローの分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ154,228千円増
加し、636,037千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、121,080千円(前事業年度は86,445千円の収入)となり
ました。これは主に、法人税等の支払額37,518千円、売上債権の増加額17,497千円があった一方、売上増加に伴
い税引前当期純利益144,309千円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により支出した資金は、14,410千円(前事業年度は9,313千円の支出)となりま
した。これは主にソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により得られた資金は、47,558千円(前事業年度は8,998千円の支出)となりま
した。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入27,200千円、自己株式の処分による収入21,000千円であります。
ⅱ.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政
状態及び経営成績の状況」に記載しております。また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につ
きましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクにつ
いては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
ⅲ.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の運転資金需要の主なものは、多言語仕入や認識・翻訳等のカスタマイズ開発の仕入のほか、販売費及
び一般管理費等の営業費用等によるものであります。また、研究活動における機能拡充・強化等によるものであります。
(財務政策)
当社の運転資金につきましては、手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。自己資金で手当で
きない場合、借入による調達となりますが、借入先・借入金額・条件等は、所定の手続きにより承認後、資金
調達を行うことになります。
ⅳ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、先進的で高品質な音声技術サービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重
要であると考えており、営業利益を収益性の指標としております。当事業年度における営業利益率は、24.8%
(前年同期比0.8%減)となりました。引き続き、指標を改善するよう取り組んでまいります。
該当事項はありません。
当事業年度の研究開発活動は、「音声技術で拓く21世紀の文化 ~音声技術の応用開発・サービス化を通じて、音声情報の新しい文化を創出し、生活文化の向上に貢献する。~」を企業理念に掲げ、「より高品質な製品」を開発すべく、研究を日々積み重ねております。
平成30年3月31日現在の研究開発体制は7名となっており、当事業年度における当社の支出した研究開発費の総額は64,360千円であります。
なお、当社は音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
研究活動の状況は、大きく、言語処理部と音声処理部に分かれており、以下の研究開発活動を行いました。
<言語処理部>
日本語解析処理において、以下の点を改善し、日本語解析精度を向上しました。
①形態素解析器をChasenからMeCabへ更新を行い、精度向上を図りました。
②ポーズおよび境界位置推定手法の改良により、ポーズ挿入位置を改善し合成音声の聞きやすさの向上を図りまし
た。また、副次アクセント付与ルールの整備を実施致しました。
③定期的に新語を辞書に追加登録する枠組みを構築しました。また、専門の知識が無くても言語辞書の単語登録が
できるツールの構築を行いました。
<音声処理部>
新しい音声合成エンジンの開発を進めるにあたり、以下の活動を行いました。
①今後利用が広がると予想されるマンマシンインタフェース向けに、対話向けDBの作成を行いました。
②合成音声の高品質化を目的に、次世代音声合成として注目されているDNN音声合成エンジンのプロトタイプの作
成を行いました。実用化に向けて更なる品質の向上、高速化を行う予定です。
③音声のDNN技術の商用展開の1つとして、感情向け声質変換技術を開発しました。この技術により、従来より少
ない収録量で、滑らかに変化する感情音声の生成が可能になりました。
既存エンジンのブラッシュアップにあたり、以下の活動を行いました。
①音声DBに副次アクセントを付与することで、合成音声の自然性向上を行いました。
②カスタム音声辞書作成のため、収録原稿の最適化を進めました。
また、今後の事業展開において、多言語音声合成エンジンがテーマのひとつとなっており、他社の音声合成エンジ
ンについて調査を行いました。