文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」をミッションに掲げ、スマートフォンやWEBにおいて個人間で簡単に不要品を売買できるCtoCマーケットプレイス「メルカリ」を中心に、「メルペイ」「MERCARI(US)」などのサービスを提供しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、日本及び米国で事業展開をしており、各地域によって成長ステージが異なりますが、GMV(流通総額)及び売上高の成長、MAU(注)やブランド認知度などの指標を通じて、企業価値の向上を図って参ります。
(注)MAUは「Monthly Active User」の略。1ヶ月に1回以上アプリ又はWEBサイトをブラウジングしたユーザの四半期平均の人数。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、以下の強みを背景に中長期的な経営戦略を立案しております。
当社グループの強み
① 中古品市場の拡大をけん引するCtoCマーケットプレイスのパイオニア
当社グループは、使いやすく楽しく、かつ安心・安全なCtoCマーケットプレイスの提供を通じて、フリマアプリ市場を作り上げ、オフライン店舗やインターネットオークションに限定されない日本の中古品市場全体の拡大をけん引して参りました。2023年に実施した当社調査によると、フリマアプリ及びオークションサイトの利用経験者のうち当社サービスの利用者数が最も多く、他社のサービスを上回る支持を獲得しております。当社グループは、CtoCマーケットプレイスのパイオニアとしての圧倒的なポジショニングを活用することで、上記の中古品市場の高い市場成長を享受できる立場にあると自負しております。
更に、米国をはじめとする海外においても、個人による中古品売買のニーズは高く、「メルカリ」を通じて中古品市場の成長に貢献して参ります。
② エンゲージメントの高いユーザ基盤及びこれを通じて得られる高付加価値のデータ活用
出品者・購入者双方にとって簡単で使いやすく、楽しく夢中になれるユーザ体験を提供することで、「メルカリ」は高いユーザエンゲージメントを実現しております。「メルカリ」のMAUは2023年6月期第4四半期において22.6百万人であり、2023年に実施した当社調査によると、フリマアプリ及びオークションサイト4社のうち、売れやすさ、使いやすさの利用満足度において、当社サービスの満足度が最も高くなっております。当社は、上記のような高いエンゲージメントを誇るユーザ基盤を通じて、ユーザの取引情報やユーザ間における取引評価情報等、利用価値の高いデータを大量に収集することができます。これらのデータと当社が注力して取り組むAIをはじめとするテクノロジーの活用により、購入者の嗜好にあわせた商品提案等による購入転換率の向上や、売れやすい出品価格提案等による出品転換率の向上、カスタマーサポートの効率化等に取り組んで参ります。
また、スマホ決済サービス「メルペイ」で提供するCreditサービスにおいて、「メルカリ」の利用実績に基づいた与信を提供するなど、既存のサービスにおけるユーザ体験の向上に加え、グループとしての成長に資する新規サービスの開発にもつなげております。
③ CtoC特有のネットワーク効果による高いロイヤルティの獲得
CtoCマーケットプレイスである「メルカリ」は、ネットワーク効果が強く働くサービスです。出品者・出品数の増加に伴い、購入したい商品が増えることで購入者・購入数が増加し、これにより商品の流動性が高まり、更に出品者・出品数が増加していきます。更に多くの出品者・購入者が高い頻度で「メルカリ」を利用しており、ネットワーク効果による自走的成長が促進されています。このようなネットワーク効果による出品者や購入者からの高いロイヤルティ獲得につながり、リピートユーザによる継続的な取引への参加が流通総額の成長に大きく貢献しています。また、ユーザの過去の取引評価の蓄積により、他のユーザが安心して取引を行うことができるとともに、ユーザ獲得競争において他の競合サービスへの流出を抑制する効果を有しています。更に、2023年6月期からは、クレジットカード機能を有する「メルカード」の利用に伴うロイヤルティプログラムを開始するなど、ユーザ体験の向上に伴う高いロイヤルティの獲得に注力しております。
④ 高い収益性を実現するビジネスモデル
当社グループは、Marketplaceにおいて既に高い収益性を実現しています。この背景は、一定の事業規模に達するとその後の更なる事業規模拡大に際してコストを適切に管理できるというビジネスモデルにあります。具体的には、当社のコスト構造の相当の割合は広告宣伝費により構成されていますが、一般的にモバイルアプリの初期成長段階では売上高に占める広告宣伝費の割合は高くなるものの、ユーザ基盤が拡大し安定するにつれて広告宣伝費の比率を抑えることが可能になります。その結果高い収益性を実現することが可能となります。
更に、FintechにおいてCreditサービスの成長に伴い収益基盤が強化されるなど、メルカリグループにおける第2の収益の柱の創出に向けた取り組みも進捗しております。
⑤ 価値創造を支える組織・企業文化
当社グループが掲げるミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の達成に向けて、世界中の多様なタレントが活躍できるボーダーレスな組織づくりを重要視しています。様々なバックグラウンドを持つ多様な人材が価値創造の源泉であると考え、「世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織を体現」を大方針に据え、D&Iを推進しております。2023年6月末時点において、約50ヶ国の優秀なメンバーが在籍し、特にエンジニア組織では約50%以上が外国籍であり、多様なタレントが活躍しています。
また、ミッションを達成するための行動指針として「Go Bold」、「All for One」、「Be a Pro」の3つを策定しており、経営判断から日々の業務まで、メルカリに関わるすべての意思決定を、本バリューに基づき行っております。
当社の具体的な経営戦略
2023年6月期は、筋肉質でグローバルな事業基盤を構築し、成長と収益のバランスを意識した経営に取り組んで参りました。その結果、連結で過去最高の売上高と営業利益を達成しています。Marketplaceの通期GMVが1兆円規模に到達し、Fintechでは将来の成長を支えるグループシナジーの創出に向けて、新サービス(「メルカード」、ビットコイン取引サービス)をローンチするなど、新しい取り組みを開始した一年となりました。
また、創業10周年を迎えた2023年2月には、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」という新たなグループミッションを策定しました。次の10年を見据え、Marketplaceに次ぐ収益の柱を育てることでグループの収益基盤を強固にしながら、引き続き、規律を維持しながらも事業の非連続な成長のために積極的な投資を行い、グループシナジーの最大化や新規事業の創出等により成長の再加速を実現していきたいと考えています。加えて、これらの実現に不可欠な、世界中のあらゆる人材が活躍できる多様性のあるグローバル基準の組織構築に向けたD&Iの推進や技術基盤の継続的な強化も推進して参ります。
① Marketplace:GMV成長率10%以上の実現
Marketplaceでは、マーケティング投資とプロダクトの進化に加え、新たな領域の拡大を通じてGMV成長率目標10%以上、調整後営業利益率は30-40%を目指して参ります。
・強化領域
Marketplaceの成長を推し進めるために、継続的なプロダクトの進化及び効果的なマーケティング投資に加えて、GMVの成長に向けて強化すべき領域の拡大を進めて参ります。
2019年から開始している越境取引は、連携先の増加がGMV成長に寄与するなど、着実に成長してきております。2024年6月期は対象地域の選定と購入代行業者となるパートナーの拡大や、「メルカリShops」の越境販売を開始することで成長をさらに加速させて参ります。
また、市場規模が拡大しつつ伸び代が大きい注力カテゴリーに対し、適したUI・UXへの改善や、季節性等による需要拡大に連動したマーケティング施策の実施、「メルカリ」との親和性の高いリユース・アウトレット法人加盟店の獲得やAPI連携等の出品機能強化によるBtoC取引の拡大に伴うGMV貢献を目指して参ります。
② Fintech:「メルカード」の会員増を通じ、更なるグループシナジー創出を推進
Fintechでは、「メルカリ」のGMV最大化に貢献しつつ、メルカリグループの第2の収益の柱となっていくことを見据え、グループシナジーの強化と収益基盤の強化を推進していきます。
・グループシナジーの強化
「メルカード」会員の獲得、利用促進に注力することで、グループシナジーの強化を進めるとともに、「メルカリ」内でビットコイン決済を可能にする等のUX強化にも取り組み、取引の活性化を推進して参ります。
・収益基盤の強化
独自のAI与信精度の継続的な向上と回収アクションの強化によるCreditサービスの成長及び回収率の維持・向上に取り組むとともに、健全な財務基盤の構築に向けた資金調達の多様化を推進し、収益基盤を強化して参ります。
③ US:成長軌道への復帰を目指す
USでは、既存ユーザのリテンション強化に向けたプロダクトの磨き込みと効率的なマーケティングに注力し、成長軌道への復帰を目指します。
・成長軌道への復帰
インフレをはじめとする厳しい外部環境の変化に対応し、筋肉質な経営基盤を整えながら、既存ユーザのリテンション強化に向けたプロダクトの改修を進めております。加えて、圧倒的な使いやすさの実現、コミュニティ型マーケットプレイスの構築や新たな取引手法の開拓、将来の成長を牽引する存在として期待しているZ世代による利用を促す施策にも取り組み、成長軌道への復帰を目指して参ります。
(4)会社の課題
① サービスの安全性及び健全性の確保
Eコマースサービスやソーシャルメディア等の普及と、それに伴う不正利用の巧妙化の流れを受け、インターネット上のサービスの安全性維持に対する社会的要請は一層高まりを見せております。当社グループは、安心・安全な取引の場を提供するため、サービスの安全性・健全性確保を最重要課題として、個人情報保護や知的財産権侵害品対策等に継続的に取り組んで参ります。
② 人材の育成
メルカリは、グループミッションの達成のためにもっとも大切なことが「人」への投資だと考えています。それは、一人ひとりが成長し、バリューを最大限に発揮することこそ、ミッションを達成するための近道だと信じているからです。
その大方針として「世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織を体現」することをマテリアリティに掲げています。「世界中の多様なタレント」について、メンバーの多様性は、創造力の源泉です。メルカリは世界中のプロフェッショナル人材を市場競争力のある報酬水準で獲得し、継続的な学習の機会を通じて育成していく方針です。「可能性を解き放つ組織」については、常に大胆な挑戦を促すための仕組みがあります。バリューに基づいて「ミッション達成に向けた大胆なチャレンジをしているか」や「失敗や成功から素早く学んでいるか」をあらゆるシーンでメンバー全員が徹底的に問い続けています。バリューの発揮度に応じた大胆な抜擢・登用の機会を増やし、属性に関わらない競争力のある報酬を実現するための仕組みも整えています。
メルカリは、これから「メンバーが発揮する長期的なバリューの総量が最大化されるような投資判断」に一層のメリハリをつけていきます。
③ 技術力の強化
当社グループはインターネット上でサービスを提供しており、サービス提供に係るシステムを安定的に稼働させることが事業運営上重要であると認識しております。出品数の増加に伴うアクセス数の増加を考慮したサーバー設備の強化、並列処理システムの導入等による負荷分散等、継続的にシステムの安定性確保に取り組んで参ります。
また、先進技術への投資に注力し、更なるユーザ体験の向上に取り組んで参ります。例えば、過去の取引履歴や評価情報等の膨大なデータを元にしたAIや機械学習技術の活用により、サービスの利便性向上や、安全性及び健全性の維持・強化を推進して参ります。更に、LLMやブロックチェーン等を含む先進技術への投資を行うなど、技術力の強化に向けて取り組んで参ります。
④ 海外展開への対応
当社グループは、2014年に米国へ進出し、2019年には日本における「メルカリ」に出品された商品を海外から購入できる越境販売を開始するなど、海外展開にも着手して参りました。米国で提供する「Mercari」の着実な成長や越境販売における海外ユーザの購買ニーズを通じ、まだ進出していないエリアにも潜在的な事業機会が広がっていると考えており、2022年にはフランス及びベルギーにてベビー・キッズ用品専用のフリマアプリ「Beebs」の企画・開発・運営を行う「Beebs SAS」社への出資を実行しました。これまでどおり、米国における「Mercari」の更なる拡大を最優先としつつ、第三国へ進出するチャンスが訪れた際に挑戦できるよう、事業環境とタイミングを見極めながら推進していく方針であります。
⑤ コーポレートガバナンスの強化
当社グループは、経営の監督機能及び内部統制機能の充実、コンプライアンス経営の徹底を通じて、企業価値の向上に努めることをコーポレートガバナンスの基本方針として定め、ステークホルダーのみなさまの信頼に応えるべく、経営の効率性、透明性を高め、企業価値の最大化と持続的な成長、発展に努めて参ります。
当社は、2023年9月28日開催の第11回定時株主総会における承認をもって指名委員会等設置会社へ移行いたしました。移行により、監督機能と執行機能の分離をより一層明確にすることによって、取締役会の監督機能の強化を実現しながら、執行機能の迅速かつ果断な意思決定と事業推進を実現する体制を構築いたします。
⑥ 内部管理体制の拡充並びにコンプライアンスの徹底
当社グループは今後もより一層の事業拡大を目指しており、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値向上を図るために、当社グループの成長に見合った人材の確保、育成及びコンプライアンスの徹底を重要な課題と考えております。内部監査、法務、財務、経理、情報セキュリティ等、それぞれの分野で高い専門性や豊富な経験を有している人材を採用することに加え、社員に対する継続的な啓蒙活動及び研修活動を行うことで、更なる内部管理体制の強化を図るとともに、コンプライアンスの徹底に努めて参ります。
⑦ 財務規律の強化
当社グループが継続的に成長・拡大していくにあたっては、更なる収益基盤の強化・拡大と、それをレバレッジさせた資金調達力が必要になります。Marketplace・Fintech・USの主力3事業を、優先順位を意識した規律ある投資等の成長と収益のバランスをとった経営を行うことで、その基盤を整えて参ります。
1.サステナビリティ全般
メルカリは、事業を通じて環境や社会に貢献する「プラネット・ポジティブ」(注)を追求することで、物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値がなめらかに循環する社会の実現を目指しています。
事業を通じて生まれた温室効果ガスの削減貢献量を算出した結果、「メルカリ」の算出対象カテゴリーで取引したことによって、日米合計で年間推計約53万トンの温室効果ガスの排出を回避できたことがわかりました。
メルカリは、さまざまな取り組みを通じてリユースを推進し「捨てる」を減らすことで、限りある資源が大切に使われる循環型社会の実現に貢献します。
(注)「事業の成長を通じて地球環境に対してポジティブなインパクトを生み出し続けていく存在でありたい」というメルカリの企業姿勢を表現した、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)という概念をベースにした当社グループの造語
(1)ガバナンス
ESGの視点を経営の意思決定及び業務の執行プロセスに組み込む体制を構築するために、上級執行役員会の諮問機関としてESG委員会を2021年12月より設置しています。
経営における重要アジェンダの一つとして、ESGや気候変動関連について十分な議論の時間を定期的に確保することで、より質の高い議論を可能にし、上級執行役員会での意思決定の質の向上を目的としています。
マテリアリティ毎にESG担当役員を選任し、ESG視点から事業に関する各種経営判断に関与することで、マテリアリティに沿ってメルカリの各事業の戦略を立案し、かつスピーディーな実行・推進を可能とする体制を構築しています。また、ESG担当役員は、ESG委員会の委員メンバーとして、当社グループ全体のサステナビリティ戦略に関する議論及び意思決定にも関与します。
(2)戦略
メルカリは、事業を通じて社会・環境課題の解決に貢献していく価値創造に関わるものと、持続的な成長のために必要な経営基盤に関わるものの両方の観点から、マテリアリティを定義しています。今年度は新グループミッション変更に伴い、マテリアリティの見直しを実施しました。
メルカリグループのマテリアリティ
①個人と社会のエンパワーメント
誰もがやりたいことを実現し、人や社会に貢献するための選択肢を増やすことで、あらゆる人の可能性が発揮される世界を実現します。
②あらゆる価値が循環する社会の実現
事業を通じて環境や社会に貢献する「プラネット・ポジティブ」な企業を追求することで、物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値がなめらかに循環する社会を実現します。
③テクノロジーを活用した新しいお客さま体験の創造
データ・AIなど、革新し続けるテクノロジーも活用しながら常にプロダクトを進化させ、なめらかな価値交換による新しいお客さま体験を創造していきます。
④中長期にわたる社会的な信頼の構築
コーポレートガバナンスの実効性向上とコンプライアンスの徹底による健全で透明性の高い意思決定プロセスを構築することで、社会の公器としての責任を果たし信頼を構築します。
安心・安全で公正な取引環境を実現し、更に業界全体での啓発・情報共有を行うことで、世界の健全なインターネットサービス環境の実現に寄与していきます。
⑤世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現
世界中の多様なバックグラウンドを持つ人材がポテンシャルを最大限に発揮して働ける環境を整えることで、持続的に成長できる企業としてあり続けます。
(3)リスク管理
特定したリスクと機会は、ESG委員会を含むサステナビリティ推進体制において管理しています。案件に応じて、取締役会に報告・提言を行うフローも構築しています。リスク管理の詳細は
(4)指標及び目標
特定したマテリアリティごとの重点領域と実績及び方針は以下のとおりです。
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マテリアリティ |
重点領域 |
2023年6月期 実績 |
2024年6月期 方針 |
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①個人と社会のエンパワーメント |
あらゆる人の可能性が発揮される世界の実現 |
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②あらゆる価値が循環する社会の実現 |
・持続可能性をともなう事業成長 ・循環型社会の実現に向けた文化醸成 ・気候変動への対応 |
・GMV:1兆1,241億円 ・温室効果ガスの削減貢献量:約53万トン ・環境負荷量:約4.3万トン ・メルカリを使うことはサステナブルだと思う人の割合: 60% |
・CtoC市場でのマーケットシェアをより強固なものにするべく、グループ横断でMarketplace GMVの最大化を推進、更にBtoCや越境取引の拡大、外部パートナーとの連携を推進 |
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③テクノロジーを活用した新しいお客さま体験の創造 |
・データ/AIを活用したなめらかなお客さま体験の提供 ・循環型金融の促進 ・価値交換の研究開発によるイノベーションの創出 |
・JP MAU:2,260万人 ・US MAU:477万人 ・メルペイ利用者数:1,571万人 ・メルカード発行枚数:125万枚 ・ビットコイン取引サービス利用者数:53万人 |
・Marketplace:規律ある投資を継続しつつ、マーケティング投資とプロダクトの進化に加え、強化領域への注力を通じたGMV成長にフォーカス ・Fintech:「メルカード」会員獲得を通じたグループシナジーの創出、「メルカリ」内でビットコイン決済を可能にするなどのUX強化 |
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④中長期にわたる社会的な信頼の構築 |
・安心・安全で公正な取引環境の実現 ・コーポレートガバナンスの実効性向上とコンプライアンスの徹底 ・ユーザ、ステークホルダー(社会、投資家、メディア等)からの信頼獲得 |
・一次流通事業者との包括連携協定数:11社 ・不正利用の影響額の減少:89.3%減 ・メルカリ寄付件数:累計約55,000件 ・自治体連携数:約50自治体 ・指名委員会等設置会社への移行 |
・指名委員会等設置会社への移行に向けた内部監査体制の強化 ・データ&プライバシーガバナンス、サイバーセキュリティの体制強化 ・外部パートナー(自治体、一次流通事業者、大学や非営利組織)との連携強化 |
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⑤世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織の体現 |
・世界中のプロフェッショナル人材の獲得・育成 ・ミッションの達成に向けて大胆な挑戦ができる ・組織カルチャーと環境の構築 ・ダイバーシティ&インクルージョンの体現 |
・連結従業員数:2,101人 ・平均年齢:35.7歳 ・年間のリファラル入社率:26.4%(47.2%が外国籍) ・所属する社員の国籍の数:約50ヶ国 ・ソフトウェアエンジニア組織の外国籍割合53.8% ・男女間賃金格差の是正アクションの実施 ・ジェンダー平等に関するグローバル認証「EDGE Assess」を日本企業として初めて取得 |
・インクルージョン強化に向けたD&I方針のアップデートと施策展開 ・多様な人材確保に向けた新卒採用の強化 ・インド拠点拡大に向けた業務環境の構築・報酬制度の整備 ・メンバーのバリュー発揮を促すカルチャーアップデートと社内浸透 |
詳細はサステナビリティサイト及びインパクトレポートで開示しています。以下サイトよりご覧ください。
2.TCFDに基づく開示
当社グループでは、気候変動問題を事業に影響をもたらす重要課題の一つと捉え、経営戦略に取り入れ、グループ全体で気候変動対策に積極的に取り組んでいます。このような背景から、2021年6月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。
TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目に基づく情報の開示を推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、気候関連情報を開示しております。
(1)ガバナンス
気候変動の影響等、ESGの視点を経営の意思決定及び業務の執行プロセスに組み込む体制を構築するために、上級執行役員会の諮問機関としてESG委員会を2021年12月より設置しています。
経営における重要アジェンダの一つとして、ESGや気候変動関連について十分な議論の時間を定期的に確保することで、より質の高い議論を可能にし、上級執行役員会での意思決定の質の向上を目的としています。
また、マテリアリティESG担当役員を選任し、ESG視点から事業に関する各種経営判断に関与することで、マテリアリティに沿ってメルカリの各事業の戦略を立案し、かつスピーディーな実行・推進を可能とする体制を構築しています。また、ESG担当役員は、ESG委員会の委員メンバーとして、当社グループ全体のサステナビリティ戦略に関する議論及び意思決定にも関与します。
ESG委員会では、代表取締役 CEO 山田進太郎を委員長とし、各カンパニーのCEOやESG担当役員など、委員長が指名したメンバーとともに、年に4回程度、マテリアリティごとの実行計画策定や進捗状況のモニタリングなどに取り組んでいます。
(2)戦略
昨年に引き続き、当社グループ全体を対象として、気候変動に関連する「移行リスク」「物理的リスク」「機会」を特定するためにシナリオ分析を実施しました。
シナリオ分析では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき2つのシナリオ(1.5℃/2℃シナリオ、4℃シナリオ)を設定し、当社グループの2030年以降の社会を考察しています。
シナリオ分析に基づく、気候変動に関連する主なリスクと機会は以下のとおりです。
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区分 |
気候変動が当社グループに及ぼす影響 |
事業インパクト |
当社の対応策 |
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リスク |
物理的リスク |
急性 |
自然災害の激甚化によるデータセンター等のダウン
自然災害の激甚化により、データセンターや電力会社が被災した場合、電気及びネットワークの中断、データーセンターのダウン等を引き起こし、顧客(売り手・買い手)がオンラインで販売及び購入できなくなる |
中 |
・操業停止期間を減少させるBCPの構築 ・災害復旧計画の検討 |
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移行リスク |
政策 ・ 法規制 |
カーボンプライシング導入等による燃料価格上昇による商品の配送コストの増加
カーボンプライシングの導入等、燃料価格上昇による商品の配送コストの増加は、顧客(売り手・買い手)に影響を与え、マーケットプレイスで販売される商品の需要に影響する |
小 |
・サプライヤーエンゲージメントの強化の推進 |
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移行リスク |
評判 |
気候変動対応が不十分なことによる金融機関・投資家からの評判低下
投資家や金融機関から気候変動関連の対応や情報開示への要請が高まる中、対応が不十分であった場合、株価低下のリスクや資金調達への影響が想定される |
中 |
・情報開示の充実化 ・2030年までのScope1+2 100%削減 |
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機会 |
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評判 |
環境意識の高まりによる、消費者選好の変化における競争力の強化
サステナブルな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加と、メルカリを利用する新たな動機(環境貢献)を創出 |
大 |
・サステナブルな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加 |
事業/財務的影響評価
・大(30億円以上):事業戦略への影響または財務的影響が大きいことが想定される
・中(1億円以上、30億円未満):事業戦略への影響または財務的影響が中程度と想定される
・小(1億円未満):事業戦略への影響または財務的影響が小さいことが想定される
上記のとおり、当社グループの事業活動にとっては、気候変動に伴う環境意識の高まりや消費者行動の変化によって創出される市場機会の方が気候変動リスクがもたらす影響よりも大きいと評価しています。また、「環境意識の高まりによる、消費者選好の変化における競争力の強化」に関しては、サステナブルな消費者行動の浸透に伴うメルカリ利用者の増加と、メルカリを利用する新たな動機(環境貢献)を創出しうる機会と捉えています。
(3)リスク管理
当社グループでは、事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスクと機会は、ESG委員会を含むサステナビリティ推進体制において管理しています。案件に応じて、取締役会に報告・提言を行うフローも構築しています。
(4)指標と目標
2030年までにScope1+2は基準年(2021年6月期)から100%削減、Scope3は付加価値あたり51.6%削減を目指します。
2023年6月期(2022年7月〜2023年6月) GHG排出量実績
2023年6月期の当社グループ全体のGHG排出量は約4.3万トンで以下の結果となりました。
基準年(2021年6月期)と比較して、Scope1+2は70%削減し、Scope3は原単位ベースで32%削減しました。2030年の目標達成に向け、引き続きアクションを実施して参ります。
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Scope1 |
207トン |
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Scope2 |
645トン |
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Scope3 |
41,844トン |
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合計 |
42,696トン |
今年度の算定において、算定対象を精緻化した結果、Scope3の対象範囲について修正が発生しました。そのため過去の算定結果についても以下のように数値の修正を行っております。
・2021年6月期
Scope3合計
修正前:36,974トン
修正後:41,015トン
Scope1/2/3合計:41,802トン
・2022年6月期
Scope3合計
修正前:37,558トン
修正後:44,964トン
Scope1/2/3合計:46,162トン
3.人的資本・多様性に対する取り組み
(1)戦略
メルカリは、グループミッションの達成のためにもっとも大切なことが「人」への投資だと考えています。それは、一人ひとりが成長し、バリューを最大限に発揮することこそ、ミッションを達成するための近道だと信じているからです。そしてその大方針として「世界中の多様なタレントの可能性を解き放つ組織を体現」することをマテリアリティに掲げています。
「世界中の多様なタレント」について、メンバーの多様性は、創造力の源泉です。メルカリは世界中のプロフェッショナル人材を市場競争力のある報酬水準で獲得し、継続的な学習の機会を通じて育成していく方針で、現在世界中から約50ヶ国の優秀なメンバーが在籍しています。特にエンジニア組織の50%以上が外国籍メンバーです。
「可能性を解き放つ組織」については、常に大胆な挑戦を促すための仕組みがあります。バリューに基づいて「ミッション達成に向けた大胆なチャレンジをしているか」や「失敗や成功から素早く学んでいるか」をあらゆるシーンでメンバー全員が徹底的に問い続けています。バリューの発揮度に応じた大胆な抜擢・登用の機会を増やし、属性に関わらない競争力のある報酬を実現するための仕組みも整えています。
例えば今期、男女間賃金格差についての調査を行った結果「説明できない格差」が7%あることが判明し、そのギャップを解消するための個別報酬調整を実施しました。これは「属性に関わらない競争力のある報酬を実現するための仕組み」の一貫です。そこにジェンダー差はなく、あるのは職種ごとのグレード差だけであるという考え方に沿ったものです。
メルカリは、これから「メンバーが発揮する長期的なバリューの総量が最大化されるような投資判断」に一層のメリハリをつけていきます。そのために「バリューに基づいてメンバーに期待するアクション」をカルチャーとして明文化し、常にアップデートを続けています。これをメルカリにとっての「人」に対する具体的な投資判断基準としています。
メルカリの人的資本・多様性に対する取り組みの詳細は以下のFY 2023.6 Impact Reportをご覧ください。
(2)指標と目標
メルカリでは、上記戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、以下の指標を用いています。
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基本情報 |
連結社員数(注) |
2,101人 |
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年齢層 |
20代:22.2% / 30代:57.1% / 40代:18.3% / 50代:2.2% (平均年齢:35.7歳) |
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平均年間給与 |
10,357,750円 |
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多様性に関する情報 |
全社員に占める女性の割合 |
32.9% |
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取締役に占める女性の割合 |
30% |
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管理職に占める女性社員の割合 |
20.4% |
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正社員における男女間の賃金差異 |
37.5% |
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男女間の賃金差異における「説明のできない」格差 |
7% |
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全社員に占めるエンジニア職社員の割合 |
全体:36.3% (うち男性:89.4% 女性:10.6%) (外国籍:53.8%) |
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東京オフィスで働く社員の国籍数 |
約50ヶ国 |
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全社員に占める外国籍の社員の割合 |
25.7% |
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育児休業・有給休暇に関する情報 |
年次有給休暇の取得率 |
85% |
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男性の育児休業等の取得割合 |
91.4% |
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男性の育児休業等の取得平均日数 |
80.5日 |
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育児休暇後、12ヶ月経過時点の定着率 (男女別) |
83.3% (男性:31人 男性定着率:83.8%) (女性:14人 女性定着率:82.4%) |
上記の情報は、株式会社メルカリが対象
(注)株式会社メルカリ、株式会社ソウゾウ、株式会社メルペイ、株式会社メルコイン、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー、Mercari, Inc. (US)、Mercari Software Technologies India Private Limitedを含む。
<ダイバーシティ&インクルージョンの体現について>
メルカリは、メンバーの多様性は創造力の源泉と考えており、誰もが3つのバリューを体現できるよう平等な機会を追求しています。バックグラウンドに起因する差別や不利益を許容せず、定量・定性での現状把握と改善を続けています。「結果の平等ではなく、機会の平等にフォーカス」すること、「比率などの結果ではなく、プロセスにおける目標を設定・モニタリング」することを原則とし、「多様性」、「公平性」、「インクルージョン」それぞれ3つの観点から、以下の取り組みを実施しました。
①多様性の取り組み
・採用・登用候補者プールにおける指標のモニタリング
・課題の特定と組織横断Action Planの策定
・採用施策の強化
・ソフトウェアエンジニア育成プログラム「Build@Mercari 2023」の実施
・神山まるごと高専とのダイバーシティ&インクルージョン推進における学校教育パートナーシップ
・出産・育児・介護などさまざまな事情で一度キャリアを中断した方向けのキャリア再開支援プログラム「Mercari Restart Program」の実施
②公平性にフォーカスした取り組み
・基本的人権ポリシーの策定
・男女賃金格差の分析・是正・開示プロセスと報酬調整の決定
・昇格・登用プロセスの透明性向上・全社員共有
・アサインメントへの機会の平等を担保するための仕組みを導入
③インクルージョンの取り組み
・言語学習プログラム
・通訳・翻訳を専任で行うチーム
・やさしいコミュニケーション研修
・無意識バイアスワークショップの実施と対象者の拡大
<男女間賃金格差の是正アクションについて>
メルカリでは、組織内の男性と女性の平均賃金の差のみを示す「男女間の賃金格差」のほか、より状況を正確に把握するために、役割・等級や職種などによる差に起因しない「説明できない格差」(「unexplained pay gap」)も算出しています。
①調査の結果、男女間賃金格差は37.5%で、重点回帰分析を行った結果「説明できない格差」は7%でした。
②「説明可能な格差」は主に男女のグレード分布の差に起因するものだと言えます。
③賃金格差の要因分析を行なった結果、有意に影響している要素のほとんどは、入社時年収の男女差であることが判明しました(入社時点で「説明できない格差」が約9%存在しています)。
上記の分析結果を踏まえ、以下の施策を実施しました。
・重回帰分析を使用した定期的な賃金格差のモニタリングを導入
・2023年7月の全社員向け集会で、リーダーシップから男女間賃金の公平性を積極的に担保する方針について共有
・特定された「説明できない格差」を2023年8月に是正し、7%から2.5%まで縮小
・組織外からの賃金格差を引き継がないための、採用プラクティスの見直し
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の財政状態、経営成績等に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるものについては具体的には記載しておりません。なお、当社はリスク管理(リスクの特定、評価、対応策の策定)の実施により、以下のリスクに対してその発生可能性を一定水準まで低減していると考えております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
① 業界の成長性について
当社グループは、個人間で簡単かつ安全に不要品を売買できるCtoCマーケットプレイス「メルカリ」を展開しております。近年の中古品市場の世界的な広がり、また、スマートフォンの高機能化及び普及拡大、Eコマース市場の拡大等を背景として、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」の流通総額、ユーザ数等は順調に拡大を続けており、今後もこの傾向は継続するものと認識しております。
また株式会社メルペイでは「メルカリ」アプリを通じてスマホ決済サービス「メルペイ」及びクレジットカードサービス「メルカード」を提供しております。キャッシュレス決済市場の拡大を追い風に利便性の強化に取り組んでおり、決済分野における「メルペイ」の決済総額、利用者数は順調に拡大し、注力している与信分野においても「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」の利用者数や利用残高、そして「メルカード」の発行枚数について順調に拡大しています。
更に、株式会社メルコインでは「メルカリ」アプリを通じてビットコイン取引サービスを提供しております。「メルカリ」で使わなくなったものを売って得た売上金・ポイントを使って、かんたんにビットコイン取引を始められることから、「メルカリ」のビットコイン取引サービスの口座開設者数は順調に拡大しております。
しかしながら、中古品市場やEコマースを制限するような法規制、景気動向、個人の嗜好等の変化等により、当該市場の成長が鈍化し、それに伴い当社グループの売上の大部分を占めるCtoCマーケットプレイス「メルカリ」全体の流通総額や注力する商品カテゴリーの流通総額が順調に拡大しない場合、これらの要因によりユーザ離れが生じ、当社グループのビジネスモデルを長期的に維持できない場合、又は「メルペイ」「メルコイン」等の当社グループが提供するCtoCマーケットプレイス「メルカリ」以外のサービスが順調に成長しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
現在、多くの企業がスマートフォンを利用したCtoCサービスに参入しており、商品カテゴリーやサービス形態も多岐に渡っております。また、インターネットオークションやリサイクルショップも存在しており、中古品市場の競争環境は厳しさを増しております。更に、決済・金融関連事業についても、電子決済サービス、及びクレジットカードサービス、そしてそれらに関連するサービスを提供する複数の競合他社が存在しております。
当社グループは、今後とも顧客ニーズへの対応を図り、サービスの充実に結び付けていく方針ではありますが、これらの取り組みが予測通りの成果をあげられない場合や、より魅力的・画期的なサービスやより競争力のある条件でサービスを提供する競合他社の出現等が、当社グループが提供するサービスからのユーザ離れ、出品の減少、手数料水準の低下等につながる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社グループが展開するCtoCマーケットプレイス「メルカリ」においては、出品者が商品を販売して得られる売上金でポイントを購入し、当該ポイントで商品を購入することを可能としています。そのため、株式会社メルペイは、資金決済に関する法律(以下、「資金決済法」という。)の第三者型前払式支払手段の発行者及び資金移動業者として登録を受けており、関連法、関連政令、内閣府令等の関連法令を遵守して業務を行っております。なお、現状において取消事由となるような事象は発生しておりません。
また、クレジットカードサービス「メルカード」の提供に加え、スマホ決済サービス「メルペイ」においては購入者にマンスリークリア取引及び分割払取引である「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」や、少額融資サービス「メルペイスマートマネー」を提供しています。そのため、株式会社メルペイでは割賦販売法(以下、「割販法」という。)のクレジットカード番号等取扱契約締結事業者及び包括信用購入あっせん業者(認定包括信用購入あっせん業者としての認定を含む)並びに貸金業者としての登録を行っており、関連法、関連政令・省令等の関連法令を遵守して業務を行っております。株式会社メルコインにおいては、ビットコイン取引サービスの提供にあたり資金決済法に基づく暗号資産交換業者の登録を行っており、関連法、関連政令・省令等の関連法令の適用を受けています。なお、現状においていずれも取消事由となるような事象は発生しておりません。
米国においては、決済関連の規制対応のため、必要とされる州においてMoney Transmitter Licenseの申請を行っており、すべての州において既に取得が完了しております。
当社グループは、税務当局を含む規制当局の動向及び既存の法規制の改正動向等を踏まえ、適切に対応しておりますが、かかる動向をすべて事前に正確に予測することは不可能又は著しく困難な場合もあり、これに適時かつ適切に対応できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが、これらの法規制等に抵触しているとして何らかの行政処分を受けた場合、及び新たな法規制の適用又は規制当局の対応の重要な変更等により、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」の運営又はその他の既存若しくは新規の事業展開に何らかの制約が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害等について
大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限、配送網の分断、混乱等の不測の事態が発生した場合には、当社グループによるサービス提供に支障が生じる可能性があり、ひいては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その他、気候変動に係るリスクについては、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(2)事業に関するリスク
① サービスの健全性の維持について
当社グループが展開するサービスは、取引の場であるプラットフォームを提供することをその基本的性質としております。プラットフォームの健全性確保のため、当社グループでは、サービス内における禁止事項を明記するとともに、監視・通報制度の整備やブランド等の権利者との連携等により、偽造品その他の出品禁止物の排除に努めております。また、当社グループは、ユーザとの関係で売買契約又は役務提供契約の当事者とはならず、また、サービスの利用規約においても、ユーザ間で生じたトラブルについて、当社グループは責任を負わず、当事者間で解決すべきことを定めております。
しかしながら、当社グループのサービスにおいて、第三者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合や、サービス内の不適切な行為を取り締まることができないことにより、プラットフォームの安全性及び健全性が確保できない場合には、当社グループ又は当社グループが提供するサービスに対する信頼性が低下し、ユーザ離れにつながる可能性があります。更に、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループもプラットフォームを提供する者としての責任を問われた場合、当社グループの企業イメージ、信頼性の毀損、ひいては当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 不正利用に関するリスクについて
当社グループが展開するCtoCマーケットプレイス「メルカリ」では、プラットフォーム上の取引においてクレジットカード決済による決済手段を提供しております。フィッシング詐欺といった不正なアカウント乗っ取りを防止するため、プラットフォームへのログイン時には多要素認証等により第三者による不正ログイン対策を強化しております。また、購入者による第三者のクレジットカード不正利用を防止するために本人認証サービス(EMV-3Dセキュア)の導入や、取引状況の人的監視およびシステム監視を行うことで総合的にリスクを判定し不正利用を防止しております。
しかしながら、プラットフォーム上における不正取引を防止できなかった場合、不正取引に関するユーザへの補填、当社グループの信用の下落等による損害が発生し、万が一損害が拡大した場合、業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外展開に関するリスク
当社グループは、収益機会の拡大に向けて米国でも簡単で安全に様々なモノが売れるマーケットプレイス「Mercari」を展開しており、今後とも海外展開の強化を図っていく予定であります。
なお、海外展開にあたっては、広告宣伝費や人件費等の投資を今後も相当規模で行う可能性があります。また、言語、地理的要因、法制・税制を含む各種規制、経済的・政治的不安、文化・ユーザの嗜好・商慣習の違い、為替変動等の様々な潜在的リスク、事業展開に必要な人材の確保の困難性、及び展開国において競争力を有する競合他社との競争リスクが存在します。当社グループがこのようなリスクに対処できない場合、当社グループの海外展開に影響を及ぼす可能性があります。
④ システムについて
当社グループが展開するCtoCマーケットプレイス「メルカリ」の利用に際しては、ユーザのインターネット及びモバイルネットワークへのアクセス環境が不可欠であるとともに、当社グループのITシステムも重要となります。
当社グループは、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できる体制を整えております。また、当社の財務諸表における様々な財務数値は当社のITシステムから取得されており、これらは自社開発の複数の業務処理システムから構成されております。これらのシステム処理の適切性を担保するために適切な業務処理統制を整備・運用しております。
しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な要因によってシステムがダウンした場合や、当社グループのシステム外でユーザのアクセス環境に悪影響を及ぼす事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態、適正な財務報告体制等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、サービスの安定稼働及び事業成長のために、継続的にシステムインフラ等への設備投資が必要となります。当社グループの想定を上回る急激なユーザ又はトラフィックの拡大や、セキュリティ強化その他の要因によるシステム対応強化が必要となった場合、追加投資等を行う可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 訴訟等の可能性について
ユーザによる違法行為やトラブル、第三者の権利侵害があった場合等には、当社グループに対してユーザその他の第三者から訴訟その他の請求を提起される可能性があります。
一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合には、訴訟等による当社グループの権利保護のために多大な費用を要する可能性もあります。
このような場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては、当社グループの事業、業績、財政状態並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権に関するリスク
当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社グループが使用する商標・技術・コンテンツ等についての知的財産権による保護を図っておりますが、当社グループの知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが使用する技術・コンテンツについて、第三者から知的財産権の侵害を主張され、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 事業基盤の拡充について
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するため、メルカリIDにより統合された当社グループのエコシステムの構築を含め、事業基盤の拡充や新規事業に取り組んでいく方針であります。今後も新規サービスの開始や第三者のサービスの導入等を行う可能性がありますが、エコシステムの構想はいまだ初期段階であり、競合するサービスとの競争、収益性、規制上のリスク、オペレーションへの負荷、レピュテーションへの影響等、不確定要素が多く存在するため、当社グループの想定通りにエコシステム構築が進捗しない可能性や、当社グループがエコシステムを構築した場合にもエコシステムから十分な利益を得ることができない可能性があります。
また、株式会社メルペイでは前払式支払手段(第三者型)発行者登録、資金移動業者登録、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者登録、包括信用購入あっせん業者登録(認定包括信用購入あっせん業者としての認定を含む)、貸金業者登録、株式会社メルコインでは暗号資産交換業者の登録を行っておりますが、今後提供するサービスの内容や性質等に応じたリスクが発生する可能性があります。
事業基盤の拡充や新規事業展開については、既存サービスとのシナジーやリスク等について企画及び開発段階において十分な検討を行うことによりリスク低減を図る方針であります。また、これら事業基盤の拡充及び新規事業展開に際しては、M&A、ジョイント・ベンチャー、資本業務提携及び投資活動も有効な手段であるものと認識しており、今後も検討を実施していく方針であります。
一方、事業基盤の拡充や新規事業展開においては、不確定要素が多く存在することから、当社グループがこれらを実施する場合には、当社グループの想定通りに進捗しない、期待するシナジーが得られない又は法的若しくは事業上の新たなリスク要因が発生するなどの可能性があります。また、想定外の費用・のれんの減損等の負担や損失計上が発生し又はこれらの取り組みに付随した追加投資が必要となる可能性があります。更に、M&A等については、デュー・ディリジェンスの限界等から想定外の事象が発生するリスクを有しており、これらに起因して当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 第三者への依存について
当社グループは、ユーザにスマートフォン向けアプリを提供していることから、Apple Inc.及びGoogle Inc.が運営するプラットフォームを通じてアプリを提供することが現段階の当社グループの事業にとって重要な前提条件となっております。また、当社グループは、ユーザの決済手段として、クレジットカード決済、コンビニ決済、ATM決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入しています。したがって、これらの事業者の動向、事業戦略及び当社グループとの関係等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは商品の配送についてヤマト運輸株式会社や日本郵便株式会社等の配送業者に依存していることから、今後これらの配送業者について取引条件の変更、事業方針等の見直し及び配送状況の変化等があった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 決済・金融関連事業について
決済・金融関連事業について、今後、規制要件等の遵守のために多額の費用を要する、又は規制要件の追加等により当社グループ事業に影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。
当社グループは、サービスや決済・金融関連事業が発展する過程で日本国内外において、送金、決済、電子商取引、マネーロンダリング、本人確認及びテロファイナンス防止、割賦販売、貸金等の様々な法令の対象となる可能性があります。社内体制整備がサービスの成長速度に追いつかない等の理由により、万一、そうした法律又は規制上の義務に違反していることが判明した場合、罰金その他処罰又は業務停止命令等の制裁を受けたり、サービス変更を余儀なくされたりする可能性があり、いずれの場合にも当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、スマホ決済サービスやその他の決済・金融関連事業に関して、以下を含む様々な追加リスクが生じる可能性があります。
a.不正取引や取引の失敗への対応・顧客対応・委託先管理等に係る運用費・管理コストの増加
b.既存の決済処理サービス提供会社との関係に与える影響
c.インフラ構築に伴う資本コストの増加
d.ユーザ、プラットフォーム提携先、従業員又は第三者による潜在的な不正や違法行為
e.顧客の個人情報の漏えい、収集した情報の利用及び安全性に関する懸念
f.決済処理のための顧客資金の入金額に対する制限
g.開示・報告義務の追加
⑩ 暗号資産交換業について
当社グループが顧客から預託を受けている暗号資産は、株式会社メルコインが管理するウォレット内に保管されており、外部の第三者による不正アクセスにより当該暗号資産が流出するリスク等に備えるため、秘密鍵管理体制やウォレット構造の構築において様々な対策を講じておりますが、仮に不正アクセスにより暗号資産が流出した場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3)会社組織に関するリスク
① 人材に関するリスク
当社グループは、当社グループ全体の事業戦略の立案及び実行について、当社グループの経営陣に相当程度依存しており、かかる経営陣が欠けた場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが今後とも企業規模を拡大し社会に求められるサービスを提供していくためには、スマートフォンのアプリ開発、設計等に関する技術的な専門性を有する人材をはじめ、セキュリティ部門、コーポレート部門やカスタマーサポート部門においても、当社グループの理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材を確保することが必要不可欠であります。また、海外展開においては、現地の市場動向・ビジネスに精通した人材を確保していく必要があります。
当社グループは、規模拡大やサービス向上に必要な優秀な人材の確保のため、今後も必要に応じて採用活動を行っていく予定ではありますが、人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、想定通りの採用が進まない等優秀な人材の獲得が困難となる場合や、現在在職する人材の社外への流出が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 事業体制及び内部管理体制について
当社は2013年2月に設立され、未だ成長途上にあり、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社グループの事業体制及び内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した事業体制及び内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用しておりますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
③ 個人情報の管理について
当社グループはCtoCマーケットプレイス「メルカリ」のサービス展開にあたって、住所、氏名、電話番号等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。これらの個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を定め、社内教育の徹底と管理体制の構築及び改善を行っております。
当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、何らかの理由で利用者のプライバシー又は個人情報が漏えいする可能性や不正アクセス等による情報の外部への漏えい又はこれらに伴う悪用等の可能性は皆無とは言えず、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業、業績、財政状態並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが事業を運営する各法域における利用者のプライバシー及び個人情報の保護に係る法規制に改正等があった場合にも、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)経営成績及び財政状態等について
① 経営成績について
当社は2013年2月に設立され、未だ成長途上にあります。過年度の連結業績については、CtoCマーケットプレイス「メルカリ」の立ち上げ段階であったことや米国における「Mercari」や国内におけるスマホ決済サービス「メルペイ」を中心とする新規事業への投資等により親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上しておりますが、当社グループは将来利益の最大化を見据えた規律ある投資を行っており、今後も継続的な連結黒字を達成できる保証はありません。また、当社グループは急速な成長過程にあるため、過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならない可能性があります。
流通総額、MAU(注)その他の指標については、当社グループ内において合理的と考える方法により算定したものであり、他社との比較可能性が必ずしもあるとは限らないことに加えて、上記のような事情から過去の数値が今後の動向を判断する十分な材料とはならない可能性があります。
(注)MAUは「Monthly Active Users」の略。1ヶ月に1回以上アプリ又はWEBサイトをブラウジングしたユーザの四半期平均の人数。
② 継続的な投資について
当社グループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、会社設立以降積極的にプロダクトの改善や梱包発送等の利便性の向上、マーケティング施策等に投資を行って参りました。今後も、規律を保ちながら、成長につながる投資を行う方針であります。
しかしながら、事業環境の変化や広告宣伝効果が十分に得られない場合、コスト上昇等が生じた場合、投資が想定よりも長期に及ぶことにより計画通りの収益が得られない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外連結子会社の業績について
当社グループは、2014年1月に米国にて連結子会社であるMercari, Inc.を設立し、簡単で安全に様々なモノが売れるマーケットプレイス「Mercari」を運営しております。2014年9月にサービスを開始し、2016年10月より商品の購入代金に応じた販売手数料、2020年10月より決済手数料の徴収を開始いたしました。
手数料の徴収開始後も、サービスの更なる発展やユーザ層の拡大のための投資を行っており、想定通りに事業拡大が進捗せず、継続的な広告宣伝費用や追加投資等その他の負担により損失計上が長期に及ぶ若しくは拡大する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼし、短期的な連結業績における損失計上額が拡大する可能性があります。
④ 配当政策について
当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置づけております。現時点では、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(5)その他
株式の追加発行等による株式価値の希薄化について
当社グループは取締役、監査役及び従業員に対し、中長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権及び譲渡制限株式ユニット(RSU)の付与を行っております。また、上記の制度は、優秀な人材を採用するために利用する可能性があります。加えて、当社は取得条項付転換社債型新株予約権付社債の発行をしております。これらの新株予約権の権利行使及び譲渡制限株式ユニット(RSU)に係る新株式の発行並びに当該取得条項付転換社債型新株予約権付社債が株式に転換された場合には、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度は、筋肉質でグローバルな事業基盤を構築し、成長と収益のバランスを意識した経営に取り組んで参りました。その結果、連結で過去最高の売上高と営業利益を達成しています。主力サービスである「メルカリ」がサービス開始10周年を迎えたMarketplaceでは通期GMV(注1)が1兆円規模に到達し、Fintechでは将来の成長を支えるグループシナジーの創出に向けて、新サービス(「メルカード」、ビットコイン取引サービス)をローンチするなど、新しい取り組みを開始した一年となりました。
Marketplaceでは、「CtoCとBtoCの連携強化を通じた出品増」を当期の事業方針として取り組みました。効果が積み上がる施策への規律ある投資が奏功し、MAU(注2)は2,260万人、通期GMVは前年同期比10%増加の9,846億円、調整後営業利益率(注3)は44%と、着実な成長と高い収益性を実現することができました。プロダクト面においては、新機能の追加や改修がより迅速にできるシステム環境を構築するため、「メルカリ」アプリ内部システムの刷新を実施いたしました。また、Fintechとの連携によるグループシナジー最大化に向け、ロイヤルティプログラムを開始するなど、来期以降の更なる成長に向けた施策を推進いたしました。
Fintechでは、「グループシナジー強化による循環型金融の促進」を当期の事業方針として取り組みました。「メルカード」やビットコイン取引サービスを開始するなど、今後のグループシナジー創出に向けて着実に進捗いたしました。定額払いを中心としたCreditサービスも好調に伸長したことで収益力が引き続き向上し、新規サービスへの投資を拡大しつつも通期では調整前営業黒字(注4)を計上いたしました。定額払いの成長が牽引し債権残高(注5)が1,178億円まで伸長する中、独自のAI与信を活かした厳格な与信コントロール等により債権回収率(注6)も98.7%と向上し、健全な成長を実現しています。
以上の結果、Japan Regionの当連結会計年度の業績は、売上高122,199百万円(前年同期比22.0%増)、セグメント利益34,464百万円(前年同期比107.3%増)となりました。
USでは、「出品と購入両方の促進に向けたプロダクトの磨き込みに注力」を当期の事業方針として取り組みました。主に既存ユーザに向けた効率的なマーケティング活動を実施したことに加えて、小型荷物の配送料金を低減する新プランの導入や一括配送オプションの導入など、購入の促進と購入者負担の軽減に向けた様々な施策を実施しました。一方で、昨年度に引き続きインフレをはじめとする外部環境の影響によって購入の鈍化傾向が継続したことで、通期GMV成長率は前年同期比11%の減少となりました。以上の結果、「Mercari」のGMVは当連結会計年度において1,015百万米ドル(1,395億円。月次平均為替レート換算での積み上げ)となり前年同期比で130百万米ドル減少し、MAUは477万人となりました。売上高は44,440百万円(前年同期比6.8%増)となりました。一方、より筋肉質な経営に向けて、費用の見直しを行い、セグメント損失は8,804百万円(前年同期は12,135百万円の損失)と大きく改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高172,064百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益17,023百万円(前年同期は3,715百万円の損失)、経常利益17,449百万円(前年同期は3,896百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益13,070百万円(前年同期は7,569百万円の損失)となりました。
(注)1.「Gross Merchandise Value」の略。流通取引総額のことを指す。
2.「Monthly Active Users」の略。1ヶ月に1回以上アプリ又はWEBサイトをブラウジングしたユーザの四半期平均の人数。
3.Fintechとの内部取引(決済業務委託に関わる手数料)を控除した利益。
4.Marketplaceとの内部取引(決済業務委託に関わる手数料)を控除する前の利益。
5.当期末時点における「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」と「メルペイスマートマネー」の債権残高(破産更生債権等を除く)。
6.11ヶ月前に請求を行った「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」と「メルペイスマートマネー」の金額に対して11ヶ月以内に回収を完了した四半期累計の加重平均割合(破産更生債権等を除く)。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ75,430百万円増加し、415,292百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・現金及び預金の主な増減理由は「当期のキャッシュ・フローの概況」に記載しております。
・未収入金は、主に「メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)」の利用増加に伴い、前連結会計年度末に比べ35,427百万円増加しております。
・差入保証金は、主に「メルカリ」及び「メルペイ」の利用金額の増加に伴い、法令に基づいた供託を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ34,834百万円増加しております。
(負債)
当連結会計年度末における負債につきましては、前連結会計年度末に比べ58,199百万円増加し、360,063百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・借入金は、主に翌月払い及び定額払い債権の流動化を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ26,179百万円増加しております。
・預り金は、主に「メルカリ」及び「メルペイ」の利用金額の増加に伴い、前連結会計年度末に比べ24,308百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17,230百万円増加し、55,228百万円となりました。
主な増減理由は以下のとおりです。
・資本金は、新株発行に伴い、前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加しております。
・資本剰余金は、新株発行に伴い、前連結会計年度末に比べ1,423百万円増加しております。
・利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、前連結会計年度末に比べ13,070百万円増加しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,359百万円減少し、当連結会計年度末には202,047百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、36,883百万円(前連結会計年度は26,217百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益16,389百万円、預り金の増加額23,608百万円、未収入金の増加額35,381百万円、差入保証金の増加額34,831百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、632百万円(前連結会計年度は671百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出471百万円、投資有価証券の取得による支出286百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、26,839百万円(前連結会計年度は62,065百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の純増減額867百万円、長期借入による収入25,660百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
|
|
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
Japan Region |
122,199 |
122.5 |
|
US |
44,440 |
106.8 |
|
報告セグメント計 |
166,640 |
117.9 |
|
その他 |
5,423 |
95.5 |
|
合計 |
172,064 |
117.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度における売上高は、172,064百万円となりました。これは主に流通総額が増加したことによるものであります。
b. 売上原価
当連結会計年度における売上原価は、57,639百万円となりました。これは主に売上高が増加したことによるものであります。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、97,401百万円となりました。これは主に広告宣伝費32,023百万円、支払手数料23,184百万円、給料及び手当12,298百万円によるものであり、この結果、営業利益は17,023百万円となりました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は716百万円となりました。これは主に、受取利息501百万円、還付消費税等34百万円、補助金収入139百万円によるものであります。営業外費用は主に為替差損及び支払利息の計上により290百万円となり、この結果、経常利益は17,449百万円となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
投資有価証券評価損及びリース解約損、解約違約金により特別損失1,063百万円の計上があったため、税金等調整前当期純利益は16,389百万円となり、法人税等合計3,474百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は13,070百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、前記「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、継続的な成長のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、会社設立以降積極的に広告宣伝等にコストを投下しており、今後も継続して国内外における広告宣伝等を進めていく方針であります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入、社債の発行、債権流動化で賄っております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、前記「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、国際事業展開、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。
該当事項はありません。
当社は2017年12月に、社会実装を目的として、研究開発組織であるmercari R4Dを設立いたしました。mercari R4Dでは、あらゆる価値の循環によって人やモノの持つ可能性がより発揮される社会の実現のために、既存の在り方に囚われず、科学技術の力で価値交換システムだけでなく社会基盤をもアップデートしていくことを目指しています。研究領域として、現在は、価値交換工学、量子情報技術、アクセシビリティ、Blockchain、Mobilityといった自然科学系のみならず、ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)やコミュニケーション・言語学といった人文社会学系の研究にも取り組んでいます。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
なお、当連結会計年度に実施した研究開発活動は、特定のセグメントに関連付けることができないため、セグメント別の記載を省略しております。