第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、2016年11月、2017年度~2021年度の5年間の中長期経営計画「DSA2021」を策定し、目標達成に向けた取り組みを行なっています。「DSA2021」では、同年10月に制定した経営理念をより具体的に推進すべく、お客様からの信頼を第一に考え、お客様要求品質第一に徹し、事業活動を展開しております。

なお、中長期経営計画「DSA2021」については、2020年9月8日付けで中長期経営計画「DSA2021再点火反転攻勢版」として見直しを行いました。また、2022年6月6日付けで「再点火反転攻勢のむこうがわⅢ」、2022年12月8日付けで「再点火反転攻勢 最後の十完歩」として、具体的施策等の見直しを行っております。

 

(2) 経営戦略等

中長期経営計画「DSA2021再点火反転攻勢版」の概要

2017年度を起点として進めてまいりました中長期経営計画「DSA2021」について、コロナ惨禍を斬り抜け、「ニューノーマル=新常態」時代にも「サステナブル=持続可能」な成長を描くため、新たなビジョンとして再点火し、反転攻勢に連戦猛進してまいりました。2021年度以降の原材料の高騰、主要部材である半導体等の入手難が顕著になり業績への影響が拡大する中、改めて「再点火反転攻勢のむこうがわⅢ」、「再点火反転攻勢 最後の十完歩」として現在の中期経営計画の推進の具体的施策の見直しを行いました。

 

◆新ビジョン「車と家をものづくりでつなぐ」

EV/PHVや再生可能エネルギーの更なる拡大には、車・家・電力系統を「ものづくりでつなげる」ことが重要となります。

ダイヤゼブラ電機が得意とする定置型製品・車載用製品とその先端技術を組み合わせ、V2X(Vehicle-to-everything)製品群の開発を進めております。V2X、つまり、災害時に車に家電をつなぐV2L (Vehicle-to-Load)、 家の電力を丸ごとバックアップするV2H (Vehicle-to-Home)、 そして車の電池で系統を支えるV2G (Vehicle-to-Grid)により「つなげる」ことで 、持続可能な社会の実現に貢献します。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

売上高 1,000億円 達成
◆自動車機器事業「点火コイル世界シェアNo.1」
・当面持続するハイブリット車中心の低燃費、排ガス低減に向けた技術開発を推進


◆エネルギーソリューション事業「住宅用蓄電システム国内シェア1位の堅持」
・次期住宅用蓄電システム、三相蓄電システムの開発


◆ 電子機器事業「国内インバーターエアコン用リアクター市場シェア1位」並びに「主要お客様内占有率トップ

 3獲得」
・世界的な電力需給問題の一助としてのインバーター化に不可欠な基板、電力変換部品及びリアクター販売の加速
・今後普及拡大が見込まれる高周波技術に向けた電子部品販売の拡大
 
◆ 新規事業の展開

・熱電発電モジュールのベンチャー企業と協業し、電力変換技術とIoT技術を統合したシステムの開発
 ・バッテリー診断技術を持つベンチャー企業と診断装置の開発着手

 

 

再点火反転攻勢のむこうがわⅢ」において、目標とすべき経営指標として、以下を掲げております。

2024年度 売上高1,000億円以上、営業利益率4~5%、ROE20%以上達成

 

なお、当年度における進捗状況は、連結売上高911億円、営業利益率△1.3%であります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

コロナ禍に端を発した想定を上回る長期的なサプライチェーンの歪みから、かつてない原材料高や材料調達難に見舞われ、また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化により、見通しが更に難しくなるなど、大きな課題と捉えております。また、脱炭素社会への対応、電動化を含むモータリゼーション並びにエアコンのインバーター化の世界的展開等の既存ビジネスの更なる発展、エネルギーミックスの推進を当社グループの中長期的な機会と捉え、下記事項を重点方針として取り組んでおります。

 

① サプライチェーン強靭化の取り組み

当社グループ御仕入先様持株会組織である「All Diamonds」の企業様との連携と社長以下挙社一致の体制によりグローバルサプライチェーンの再構築を進めてまいります。

 

② エネルギーの効率的な利活用に焦点を当てた技術開発

「車と家をものづくりでつなぐ」を具現化すべく、脱炭素社会で求められる再生可能エネルギーの更なる拡大を目指し、太陽光発電(PV)と電気自動車(EV)と蓄電池の3つの電源を組み合わせ、人工知能(AI)を使って、平時でも有事でも最適制御できる多機能パワーコンディショナの製品化やモータリゼーションの電動化への移行に沿ったOBC開発の推進並びにエアコンのインバーター化の世界的展開等への電力変換技術を核とした技術、それらの深化及び発展に注力してまいります。

 

③ 収益構造の更なる強化

金型設計・製造、プラスチック成型部品の試作品製作などを主たる事業とする、株式会社クラフトの仲間化により、「お客様要求品質第一に徹する」グループ全体のものづくりの力を高めお客様に貢献するとともに、収益構造改善にもつなげてまいります。また上記改善を、当社グループ御仕入先様持株会組織である「All Diamonds」の企業様方々とともに進めてまいります。

 

④ ESG経営の強化

現社長により刷新された経営理念の下策定された経営計画書を憲法に、監査等委員会設置会社としての企業統治、加えて、ESG即ち、環境整備・地域共生・多面体に耀き働く仲間達を大切にする経営を通じて、持続的成長を目指してまいります。

 

なお、今期においては新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が経済に与える影響は大きく、当社グループにおいても、消費活動低迷による需要の落込み、サプライチェーン分断による供給の制約等を原因として、業績にも一定の影響が生じるものと思われます。当社グループがこの危機的状況を乗越え、事業活動を維持し、中長期の方針を堅持するためにも、経費節減及び売上確保に向けたあらゆる施策を行ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

当社は「ものづくりを通じてお客様の発展に寄与し、信頼を積み重ね、社会の豊かさに貢献することで、耀き疾走する仲間達の物心両面の幸せを追求します。」という経営理念のもと、エネルギーの利活用に長じた企業としてCO2排出削減と災害に対するレジリエンス(回復力・復元力)向上に資する技術開発及び製造活動を推進しており、同時に社員である「仲間達」の持続的幸せを追求することを目指しております。具体的には、自動車機器、エネルギーソリューション、電子機器の3つの事業体制を基に、「車と家をものづくりでつなぐ」を基本方針として、電気・エネルギーに関わる先端技術を融合し、持続可能な社会に必要な製品・サービスを提供しており、4つの重要課題(マテリアリティー)を達成することを目指しております。

なお、これらの取り組みは、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)に直接的、間接的に貢献いたします。

 

(1)ガバナンス 

2022年10月にサステナビリティに対するガバナンスの観点でリスク及び機会を監視し、管理を行うため、グループ ESG 活動を統括する「持続的社会貢献可能戦略推進室」を社長直轄組織として設立しました。

グループでの ISO14001 認証活動を含めて実施するサステナビリティの取り組みについてグループ活動の一貫性と情報の見える化などを推進することでガバナンス強化を目指します。

 

(2)リスク管理

短期のみならず中・長期にわたり当社グループの経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性が高い「脱炭素」と「人権」を最優先課題に掲げ、チーフオフィサーリスクマネジメント委員会でのリスク管理の仕組みの下、重要な経営課題として具体的な施策に落とし込むことで ESG 経営の更なる進展を図っています。引き続き、CDP(Carbon Disclosure Project)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)等の枠組みに基づく開示の質と量を充実させていくことは今後の課題と認識しており、そのための仕組み等の整備を行います。

 

(3)戦略

経営戦略と一体的に活動を行います(社会の豊かさに貢献し、傍楽仲間達の幸せを追求する経営理念に基づき、社会の公器として立脚する「ものづくり」企業としての活動を通して、持続可能なゴールを目指す)。

 

 

(4)指標及び目標

  
 ①当社製品によるCO2波及効果 ※2025年の目標として48万t-CO2を目指します。

   2020年(実績)17万 t-CO2(60,000 世帯分)
   2021年(実績)15万 t-CO2(55,000 世帯分)
   2022年(実績)18万 t-CO2(65,000 世帯分)

 

 ②業績連動型株式報酬の環境目標(ROC)組み入れ 2025年 155,000円
  2024年度から当該報酬の算定基準にROC(営業利益金額÷CO2排出量(年間))を指標化しています。

 

 ③その他4つの重要課題(マテリアリティ)を達成することを目指しております

 

重要課題(マテリアリティ)

当社の取り組み

KPI(重要な業績評価の指標)

  脱炭素社会実現への貢献

 

再生可能エネルギー製品の開発・提供

再生可能エネルギー製品成長率目標(毎年+10%)

RE100※1 実現(2050年ゼロカーボン達成)

① 省電力生産の強化

②  自家消費型太陽光発電システムの導入拡大

③  サプライチェーン全体でのCO2排出量削減

① 再生可能エネルギー増加 2026年迄に累計3,500MWh

② 売上高電力使用量減少(毎年1%削減)

③ SCOPE3まで実態の把握と目標設定を検討中

 

  資源循環型社会への貢献

 

   原材料の利用効率最大化と製造工程での廃棄物削減

   サプライチェーン全体での資源利用効率向上

   中古蓄電池リサイクルシステム

   エネルギーロスの再利用検討

   工場廃棄物リサイクル率改善(5年後目標99.9%)

廃棄物削減量(5年後目標30%)

   材料リサイクル・歩留まり率・物流(モーダルシフト)

   バッテリー診断装置販売

   熱発電自立電源システムのビジネス化

③  レジリエンス(復旧・減殺)強化への貢献

 

 

 

   V2H・V2Gなど災害時に活用できる製品の展開

   産業用蓄電池システムの提供

   BCPの強化と継続的改善

   2025年度までに当該セグメントにおける売上高比:1.7%目標

   同上:1.0%目標

   樹脂成型品内製率増加(5年後目標60%)

④  多様な人財が生き生きと働ける会社

 

 

 

   国籍・性別・年齢・身上に関わりない人財の採用(ダイバーシティー推進)

   働き方・職場環境・職務内容・人事諸制度の整備

   女性管理職(2030年度目標50%)・外国人比率の向上

   リモートワーク推進等、ワークライフバランスを考慮した各種制度充実

 

※1「RE100(「Renewable Electricity 100%」の略)」とは、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギー

    で調達することを目標とする国際イニシアチブです。

※詳細については、2023年3月発行の[統合報告書2022](HPに掲載)を参照ください。

            https://www.diaelec-hd.co.jp/ir_news/17177/

 

 

 

(5)その他の取り組み   

サステナビリティ・リンク・リース契約締結しました。
 当社グループ会社のダイヤモンド電機は、サステナビリティへの取り組み目標達成度に応じてリース料率が変動する「サステナビリティ・リンク・リース(SLL)」の第1号として三井住友ファイナンス&リース(株)と契約を締結しています。サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定し、事業活動を通じて脱炭素の実現に貢献します。
 ① 事業活動に伴う電力使用の削減量
 ② CO2削減に寄与する自社製品の販売目標に連動したCO2削減貢献量

 

(6)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

① グループにおける多様性の人財確保に向けた目標と状況(子会社における現地社員の取締役の登用割合、管理職割合、女性社員割合、女性の積極採用)についてKPIを設定の上、年度進捗状況を開示済みです。(但し、あくまでも目標値は目安として設定)

② 柔軟な働き方の促進に向けワークバランスの向上を目指します。

フレックスタイム制度の導入を行っています(一部拠点では冬季気象条件を考慮して「スーパーフレックスタイム制度」を導入)。また、国内グループ会社総務担当者及び海外拠点長との面談を通じて、現状の課題の検討、グループ内のワークライフバランスの改善に向けた環境整備を実施しています。

 

当社グループは、基本的には優秀な人財については、性別、国籍、障害の有無等の属性に依ることなく積極的に採用及び登用する方針であり、中長期的な企業価値向上のためには、人財の多様化とそれらの人材育成が必要不可欠であるとの考えのもと、女性社員、女性社員の管理職、グループ会社での現地社員の取締役登用などの各割合目標(2025年度、2030年代)を設定した上で、期末時点の割合及びその推移を把握しています。その上で割合にとらわれず実数として女性の働く仲間、並びに外国人の働く仲間を積極的に採用、いずれ経営幹部となれるような環境整備を推進してまいります。

 

グループにおける多様性の人財確保に向けた目標と状況

 

2021年3月期末

2022年3月期末

2023年3月期末

2025年度

目標

2030年代

目標

・子会社における現地社員の取締役の登用割合

15.1%

11/73

13.9%

10/72

12.9%

12/93

15%

30%

・管理職の割合

9.0%

404/4,499

9.0%

376/4,156

9.8%

400/4,091

15%

30%

内、女性社員

20.5%

83/404

22.3%

84/376

21.5%

86/400

25%

 

50%

 

内、現地採用

社員

44.1%

178/404

45.5%

171/376

56.5%

226/400

50%

 

60%

 

・女性社員の

割合

40.9%

1,841/4,499

46.0%

1,911/4,156

47.2%

1,931/4,091

50%

50%

・女性の積極

採用

35.4%

104/294

39.5%

244/617

41.9%

602/1,437

40%

50%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の変動要因

当社グループは、自動車用点火コイル・電装品の自動車機器、太陽光発電用パワーコンディショナ・蓄電ハイブリッドシステム等のエネルギーソリューション機器、家庭向け冷暖房・給湯用着火装置、トランス・リアクタ―等の電子デバイス及び電子制御機器の製造・販売を主な事業内容としております。

自動車機器事業は、世界的な自動車業界のグローバル化の進展に伴う価格競争の激化、自動車の電子化の進展に伴う新製品開発コスト増等により、製品競争力の格差に大きな変動の可能性を内包しております。より有力なメーカーの主力商品に採用されることが、当社グループの業績に直接影響いたします。また、エネルギーソリューション事業は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を始めとする政府のエネルギー政策全般及び当社グループが生産する太陽光発電関連製品の販売先や電気事業者の動向等によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。電子機器事業は、成熟製品分野を多く占める家庭向け電子制御機器で、円安時における海外拠点から国内拠点への生産回帰、付加価値の高い新分野における新製品の開発が鍵となります。

当社グループ製品の主要原材料である金属・樹脂・部品等に関して、安定的かつ安価に調達できるよう努めておりますが、市況変動による価格の高騰・品不足、いくつかの原材料等については特定仕入先の生産能力の不足による納入遅延、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等により、当社グループの原価の上昇、生産遅延・停止がおこり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、収益力確保に向け、部品・生産設備の内製化等による合理化・生産性向上、高付加価値新製品の開発に全力で取り組んでおり、最大限の努力を傾注いたします。それにもかかわらず、想定外の事由により達成できなかった場合は、業績に影響が出る可能性があります。

 

(2) 特定の取引先への集中等

当社グループにおいて、売上高に占める上位10社グループの比率は59.6%となっております。特定顧客への依存度を引き下げるべく顧客基盤の拡充に努めておりますが、主要顧客の業績、顧客の海外生産シフト等生産政策の変更等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 海外での事業拡大に伴うリスク

当社グループは、顧客のグローバル化に対応するため海外事業を積極的に展開しており、政治・経済情勢の変動、社会環境、法制・税制の変更、人材確保の困難等、海外拠点特有のリスク要因があります。

また、当連結会計年度の海外売上高比率は54.8%であり、為替変動リスクに対応するため、短期的には為替先物予約の活用、中長期的には現地調達体制の整備を進めておりますが、現時点でこのリスクを完全に回避することは困難であり、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 災害等による影響

当社グループは生産設備の定期的点検等を通して生産力の低下を最小限に抑制するよう努力しておりますが、自然災害による火災・電力供給等の中断による影響を完全に防止又は軽減することができるという保証はありません。予期せぬ自然災害の発生により生産活動が中断し、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、2020年初めからの新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界各国で外出や移動の規制、事業活動の自粛等の措置がとられ、また、ロシアによるウクライナ侵攻が現在も継続しており、当社グループでは米国、インド、中国等での生産拠点の操業やサプライチェーンに影響を及ぼしました。

当社グループでは感染リスクの高い国や地域への渡航制限、サプライチェーンの維持、事業所における三密の回避、在宅勤務の制度化といった感染拡大防止策の徹底等の対策を講じておりますが、新たな感染症の発生や、紛争等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に更なる影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制

当社グループ各社は、知的財産権の保護に関する規制、環境規制、商取引、投資又は輸出入、公正競争、労働、租税等にかかる所在国・地域の各種法令諸規制の適用を受けております。これらの法令諸規則又はその運用にかかる変更は、当社グループの事業活動への制約、法令遵守対応にかかる費用又は法令諸規則違反による当社グループへの過料賦課等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、2013年7月に当社顧客への一部自動車部品(点火コイル)の販売に関して米国独占禁止法に違反したとして米国司法省との間で司法取引契約を締結しております。当該違反行為に関連して、一部顧客と協議をすすめた結果、和解が成立し、2017年3月期において計上した訴訟損失引当金796百万円の支払いが完了しております。なお、2022年3月期で特別損失で計上した和解金74百万円の支払いをもって、今回の訴訟関連の費用は終結したと判断しております。

 

(6) 知財競争 

当社グループは、独自の技術開発と生産工程の創出に最重点をおいておりますが、海外進出に伴い、知的財産権の侵害を受けるおそれは益々増大しています。また、顧客と市場ニーズに応えてシステム技術を開発するに当たり、全ての技術を当社でカバーしえない場合は、他社との協業等によりそのリスクを回避する所存であります。

 

(7) 製品品質の不具合

当社グループは「お客様要求品質第一に徹することで、世界に冠たる製造業のお客様を通じて世の中に安全・安心・感動を届け続ける。」という品質方針に基づいて、顧客に喜ばれる品質・価格・納期の実現に徹底して努力しております。しかし、全ての製品について不具合がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。予期せぬ品質の不具合の発生が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 財務制限条項による影響

当社グループが締結している借入金契約には、財務制限条項が付されているものがあり、この条項に抵触し、一括返済を求められた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、当連結会計年度において経常損失が817百万円となりました。

この結果、金融機関との間で締結しているコミットメントライン契約等に付されている財務制限条項に抵触する状況が一時的に発生したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していると認識しております。

しかしながら、当社と強固な関係にある取引金融機関からは上記状況を認識していただいた上で既存借入金の融資継続に応じていただくご意向を受けており、引き続き金融機関の支援を得られる見通しであります。また、提出日現在において、当該抵触を理由とする期限の利益喪失請求を行わないことについて該当の金融機関より承諾を得ております。

収益面においては、市況影響の価格転嫁のみならず、材料の高騰に対応すべく主要部品の内製化や生産拠点の集約による原価低減を推し進めており、今後は収益改善が見込まれます。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

 

主要なリスクの分類とその対応策

リスク区分

内容

リスクへの対応策

市場動向

(自動車機器事業)

・急速な自動車の電動化シフトに伴う点火コイル市場の衰退

 

・グローバル化の進展に伴う価格競争激化

・各国の環境規制の強化

 

 

 

 

(エネルギーソリューション事業)

・エネルギー政策、規制の見直し

・非化石由来のエネルギー需要の進展

・市場ニーズの高まりに伴う競争激化

 

 

 

 

 

(電子機器事業)

・グローバルに拡大するインバータエアコン需要により海外拠点の生産再編

 

 

・主要製品である点火コイルの市場でグローバルNo.1を目指す。(市場淘汰の中残存者利益を確保する)

・次世代燃料点火燃焼技術開発推進

 

・お客様要求仕様に対応し、マルチ点火、エネルギー変換効率の追求など技術の深化に拠るCO2削減を実現

・中国・インド・インドネシア等、海外拠点の生産拡大

 

・レジリエンス(災害等危機対応)需要拡大を背景に蓄電システムへのニーズに対応

・増産体制の確保、当社のハイブリッド蓄電機能により低価格・高付加価値なシステムの提供

「車と家をつなぐ技術開発」V2H・V2Gへの取り組み強化

 

・メキシコ・インド南部での生産拠点の確保

・ダイヤゼブラ電機の独自技術の統合・プラットフォーム化

原材料の調達

・原油・金属(鉄・銅)等の国際価格の高騰

・特定仕入先の生産能力の低下

・半導体等の部品の供給不足

 

・需要と供給の変動に伴う物流の混乱

 

・原価構造の見直しと最終製品への価格転嫁

・グローバル調達による物流費の低減

・半導体等の専用部品でのセカンドソースの確保

・サプライチェーン再構築における強靭化

海外展開

・為替リスク

・海外拠点の脆弱な経営基盤によるトラブル

・労働安全に関する現地法違反

 

・生産品目の最適地生産を再検討

・グループで「為替リスク管理」を徹底

 

・海外拠点のコンプライアンス教育の推進

自然災害

・災害・疫病による社会混乱

・施設への被害

 

・サプライチェーン停滞

 

・BCP策定

・リモートワークの推進等感染症対策の徹底

・定期的生産能力の点検

・仕入先様との強固な信頼関係構築
  仕入先様とで組織するAll Diamonds強化

コンプライアンス

(法的規制)

・知財・各種商取引・輸出入・公正競争等の規制

・環境課題への取組み要請

 

 

 

 

 

 

 

 

(ガバナンス)

・リソースの不足(人材流出)

・ハラスメント

 

 

・契約時の徹底的な検証

 

・コンプライアンスの意識を社員全員で共有

2050年までにグローバルでCO2排出ゼロの「ものづくり」を目指すべく、再生可能エネルギーの導入や新工法等による省エネルギーの取り組みを行うと共に、当社グループのサプライチェーンについてもCO2排出削減に向けた活動を推進 

 

・継続的な採用、教育の充実、労働環境の最適化

「仕事と家庭生活を両立できる雇用環境の整備、労働時間の適正化や法令に基づく適正な労務管理、ハラスメント予防に関する社員教育の徹底、内部通報制度の設置などの施策を実行」

製造物責任

・リコールの発生

・顧客からの品質不具合に関する請求

 

 

品質基本方針「お客様要求品質第一に徹することで、世界に冠たる製造業のお客様を通じて世の中に安全・安心・感動を届け続ける。」 の徹底

トップマネジメントによる異常発生時の即時対応、並びに継続的な品質改善活動を通したリスク源への徹底した取組み

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)における世界経済は、復活し加速し始めた海外出張から垣間見える新型コロナウイルスからの確かな脱却を、既にマスク政策を明らかに過去のものとした人々の新常態での往来により、景気の「気」が更に回復しつつあることを強く実感しました。すなわち、原材料高、物価高は変わらずも、米国の利上げを原因とした景気減速に端を発するリセッション(景気後退)への警戒感が薄れゆくなかで、今のところではありますが、金融機関の破綻等を受け止められるだけの景気に回復したと言っても過言ではないと思料するゆえです。

他方、未だ収まらぬロシアによるウクライナ侵攻は、小さな希望を抱いて新常態で生きる人々に大きな暗い影を落とし続けています。一日も早く、全ての人々が平和に暮らせることを心から願ってやみません。当然、当社を取り巻く経済環境もまた、長期的なサプライチェーンの歪み、かつてない原材料高や材料調達難、そして上記ロシアによるウクライナ侵攻の長期化膠着化により、見通しを立てることが難しいことに変わりはないものの、サプライチェーンの歪みについては一定の回復が見られ、同時に、需要の急回復が想定されることから、変わらず引続き精密な舵取りが要求されています。尚、進行期のことでは有りますが、先述した米国に於いて、デフォルト(債務不履行)に陥る危険性について喧しく報道されつつ有りますが、例え党勢のことが有ろうとも未だ困難のなかにいる人々を想う経世済民の志がそれを上回り、最悪の事態が回避されることを期す、即ち、最善を望みながらも最悪に備えて参ります。

国内経済におきましても、漸く、欧米のみならず諸外国に準ずるマスク政策を過去とした従来に近い人々の暮らしが戻ってきつつあると言えましょう。ただし、ワクチン接種同様、国際線利用の際の帰国入国手続きの煩雑さ(海外からの訪日者の方々は更に難儀をしておられる)、あるいは朝令暮改的なアプリの変更等、コロナ惨禍だからこそ発展させるべきだった非接触、ICT活用もまた、もはや「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで言われた日本が、「ジャパン・バッシング(bashing)→ジャパン・パッシング(passing)→ジャパン・ナッシング(nothing)」になる日も近いと思われる日本経済復興の今後の大いなる課題と言わざるを得ません。

ただし、引続き半導体の不足を中心としたグローバルサプライチェーンの不安は一定の回復を見せており、私たちものづくり企業にとって非常に大きな脅威が去りつつあると感じています。とは言え、先述のとおり、原材料高そのものには注視が必要なことには変わりなく、なればこそ現状に甘んじず、外部環境や他に責を負わせず、己を叱咤し、今一度顔を上げ烈しく連戦猛進をせねばならぬ、今一度自らに盟う次第です。

我が社におきましても、コロナ惨禍のさなかでも感染拡大に配慮しながら続けてきた対面でのお客様訪問や面談(コロナ惨禍最初の2年間でも実際の搭乗回数で最上級会員に楽々到達するほど飛行、社長車はコロナ惨禍を通じ2代にわたって20万km走行)を当然更に加速させトップセールス、トップコミュニケーション(御仕入先様との緊急緊密態勢構築、銀行様を筆頭とした金融機関との生き延びていくための確かな紐帯を土台とした折衝)による指揮官先頭態勢のもと目釘を確かめた刀を采配代わりに、各国工場の働く仲間達との再会を喜び共に工場を磨き上げてきたことで、二社同時再生ひいては三社同時再生最後の局面、夜明け前の最も暗い闇が暁を迎えつつあることを総身で実感し、最も苦しいはずの最後の十完歩を駆け抜けつつあります。

このような状況の下、当社グループは、変わらず「DSA2021再点火反転攻勢版(2020年9月8日リリース)」にて策定した「車と家をものづくりでつなぐ」を全うすべく、2022年12月8日にリリースした「再点火反転攻勢 最後の十完歩」に基づき、定められた「必達目標」と「次の狙い」に向け、新常態及び脱炭素社会で求められる再生可能エネルギー拡大の中心となるパワーコンディショナ並びに蓄電システム、電動化を含むモータリゼーション並びにエアコンのインバータ化の世界的展開等への電力変換技術を核とした技術、それらの深化及び発展、加えて収益構造の更なる強化、ESG経営の強化に連戦猛進して参りました。

進行期も「環境整備」「カイゼン」を土台とし、引き続き「つくりやすさ」「買いやすさ」のつくりこみ、既に開設及び運用されているお客様不安、お客様不満を解消するための鳥取コールセンターの更なる拡充、アフターサービスの更なる充実、当社御仕入先様持株会組織である「All Diamonds」の企業様方々と社長同士の紐帯を源泉とした共に取り組む「Coil the World」グローバルサプライチェーン再構築、販売大回復に向けた新たな組み合わせ構築、そして、販売そのものに挙社一致で取り組み続けます。加えて、地球環境に資するものづくり企業として取り組んできた技術開発も間もなく発表、大いに加速させて参ります。

 

而して、斯様我が社ものづくり基盤を土台として、先ずは喫緊の改善を要する自動車機器事業に於いては、独禁法違反以降その影響下で陥った慢性的或いは根本的な営業赤字解消の為、売上高=単価×数量の大原則に立ち返り、お客様の御厚情による単価改善懇談を数多く実施、そのほとんどで単価向上を叶えることが出来ました。改めてこの紙面を通じて我が社のていたらくを受容下されたお客様方々の御度量、先見性に衷心からの感謝を申し上げます。誠に以て有難うございます。尚、この信頼関係、即ち継続叶ったお客様口座を利したV2H戦略は、引続き「車と家をものづくりでつなぐ」我が社ビジョンの中心戦略のひとつとして推進させて参ります。

エネルギーソリューション事業に於いては、過去のお客様戦略或いは販売戦略の欠落から、ものつくれずに陥ればもの売れず、否、もの買うてもらえず、この悪弊及び悪循環を抜け出すべく、商社様並びに販売代理店様と今一度安全安心のものづくり基盤を土台とした信頼関係構築の為の徹底した訪問数最大化、加えて、「朋有り、遠方ならず過去より来たる」、幸運は縁が運ぶものと社長自身の長い御縁を今一度活かさせて頂き、新たな販売網構築及び共同販売戦線敷設を遂行、以降も我が社三本槍事業最大の利益率を誇ることで、存続費用延いては未来投資費用獲得の中心事業として更に収益構造を徹底的に強化して参ります。

電子機器事業に於いては、既報のメキシコ拠点設立から、大いなる北米戦略を掲げる主要なお客様に随行し攻め上りつつ、返す刀で、間も無く世界最大人口国となるインドに於いても、この進行期中にデリー地区、チェンナイの南北両拠点から挟み上げ、世界中の多くの人々の生活の快適さに資する為の低利ながらもその数量によって増し分を獲得、我が社三本槍事業最大の売上高を以て規模、雇用の中心事業と成長させて参ります。

そして、「再点火反転攻勢のむこうがわ」で耀き疾走するべく、2016年7月より不変の方針である「お客様要求品質第一に徹する」ものづくり企業としてお客様の発展に寄与し、ひいては社会の豊かさに貢献するべく、女性や外国人の方々の積極採用、並びに女性や外国人の働く仲間達の登用にも積極的に取り組み、多面体に耀き働く仲間達一致して、現業の改善並びに新常態の時代に資する独自の技術開発に連戦猛進して参ります。

加えて、第3四半期での御報告と重複致しますが、再生最終局面でのこととはいえ、当期大幅な業績悪化を真摯に受け止め、以前の悪業績の際にも果たした結果責任同様、まずは社長が社長自らに責を負わせ2月分3月分社長報酬7割返還、これを受けて、取締役並びに専務執行役員及び常務執行役員より、役職に応じて役員報酬の7割或いは3割を自主返納することにて社長の姿勢に応えました。加えて、非常勤取締役並びに社外取締役も上記同様その報酬の7割を自主返納したことを付記しておきます。

社長を筆頭に役員幹部働く仲間達一同、早期の業績回復及び新たな中長期経営計画に基づく全てのステークホルダーへの貢献、地球環境に資するものづくりに連戦猛進します。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

最後になりますが、重ねて、約3年コロナ惨禍と闘ってきた医療関係者の方々、学校に行けぬ子供達のケアや人々の生活を守るために働いてきた方々に最大限の敬意と感謝を表します。そして、ゆえなき戦争で命を奪われ、或いは生活を奪われたすべての人々に哀悼の意を表し、私たちみんなが平穏に暮らせることを願ってやみません。

 

当連結会計年度の売上高は911億6百万円前年同期比19.5%増)、営業損失は11億87百万円前年同期は営業利益4億92百万円)、経常損失は8億17百万円前年同期は経常利益12億68百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は10億75百万円前年同期親会社株主に帰属する当期純利益12億87百万円)となりました。これは、主に材料費の上昇によって売上総利益率が悪化したことによるものであります。

 

・連結

売上高

911億6百万円

前年同期比19.5%増

 

営業損失

11億87百万円

前年同期は営業利益4億92百万円

 

経常損失

8億17百万円

前年同期は経常利益12億68百万円

 

親会社株主に帰属する当期純損失

10億75百万円

前年同期は親会社株主に帰属する
当期純利益12億87百万円

 

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

[自動車機器事業]

自動車機器事業は、世界的な半導体不足や新型コロナウイルスの感染拡大による生産台数調整はありましたが、昨年の販売減少からは回復し、売上高331億10百万円(前年同期比20.4%増)となりました。利益面では原材料価格やエネルギー費用の高騰、部品不足を起因とした物流費アップ等の影響を受け、セグメント損失は29億38百万円(前年同期セグメント損失15億64百万円)となりました。

 

[エネルギーソリューション事業]

エネルギーソリューション事業は、蓄電ハイブリッドシステム(EIBS7)が世界的な半導体不足の継続により生産が停滞、また、一部供給停止が継続したことでお客様からの信頼回復が遅滞したことにより、売上高218億20百万円(前年同期比0.5%減)となりました。利益面でも上記売上高減少の影響及び原材料価格高騰の影響を受け、セグメント利益は24億28百万円(前年同期比35.9%減)となりました。

 

[電子機器事業]

電子機器事業は、電子部品の調達逼迫による生産減少の影響はありましたが、グローバルにおける冷暖房機器用部品の販売が増加したことにより、売上高352億25百万円(前年同期比31.3%増)となりました。利益面においても販売額が増加した効果により、セグメント利益は14億23百万円(前年同期比413.2%増)となりました。

 

[その他]

当連結会計年度より、金型成型事業等を行うダイヤクラフト株式会社を新たに連結の範囲に含めたことにより、「その他」の事業セグメントを追加しております。

なお、当連結会計年度の売上高は9億50百万円、セグメント損失は24百万円となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車機器事業

33,533

48.9

エネルギーソリューション事業

23,251

△1.3

電子機器事業

34,566

81.6

その他

985

合計

92,337

41.8

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

② 受注実績

当社グループ(当社及び連結子会社)の製品は、自動車機器事業においては、得意先から1~3ヶ月前より指定部品の生産計画内示を受け生産の予測をたてますが、実際の納入は、得意先の生産に合わせた提示によりラインに納入している状況であります。従って、内示と実際とは異なる場合もあり、受注高及び受注残高を算出することは困難であるため、受注実績の記載は省略しております。

また、エネルギーソリューション事業及び電子機器事業においては、得意先からの生産計画の提示を受け、過去の実績及び将来の予測と生産能力を勘案して見込み生産を行っているため、受注実績の記載は省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

自動車機器事業

33,110

20.4

エネルギーソリューション事業

21,820

△0.5

電子機器事業

35,225

31.3

その他

950

合計

91,106

19.5

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ダイキン工業株式会社

9,718

12.7

13,482

14.8

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は787億27百万円となり、前連結会計年度末に比べて99億99百万円増加しました。主な増加は、原材料及び貯蔵品32億73百万円、売掛金19億円であり、主な減少は、現金及び預金11億4百万円であります。

負債は678億23百万円となり、前連結会計年度末に比べて92億71百万円増加しました。主な増加は、短期借入金43億23百万円、電子記録債務17億54百万円、支払手形及び買掛金11億35百万円、社債10億円であります。

純資産は109億3百万円となり、前連結会計年度末に比べて7億27百万円増加しました。主な増加は、為替換算調整勘定7億35百万円、資本剰余金6億14百万円、資本金5億81百万円であり、主な減少は、利益剰余金12億77百万円であります。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の14.7%から13.7%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億49百万円減少し、95億89百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は、34億91百万円前年同期43億88百万円の使用)となりました。主な要因は仕入債務の増加額が27億89百万円、減価償却費が26億73百万円あったものの、棚卸資産の増加が34億45百万円、売上債権の増加が13億52百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、28億39百万円前年同期38億66百万円の使用)となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入が4億38百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が26億42百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、49億9百万円前年同期32億32百万円の獲得)となりました。主な要因は、短期借入金の増加が45億42百万円、長期借入れによる収入が23億90百万円があった一方、長期借入金の返済による支出が38億59百万円あったことによるものであります。

 

当社グループの財政状態に関する指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

13.3

11.7

11.0

14.7

13.7

時価ベースの自己資本比率

(%)

6.2

6.2

30.2

11.1

9.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

578.7

△13.9

8.3

△7.7

△11.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

0.3

△11.1

21.6

△19.2

△7.8

 

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

Ⅰ. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

Ⅱ. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

Ⅲ. 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。主なものは貸倒引当金、繰延税金資産、賞与引当金、退職給付に係る資産及び負債、製品保証引当金、関係会社株式、製品補償引当金、減損損失、棚卸資産の評価、のれんであり、その見積り及び判断については継続して評価を行っております。

なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年4月25日開催の取締役会において、株式会社クラフトの株式100%を取得し、同社を子会社化することについての契約を締結することを決議いたしました。また、2022年8月24日にすべての手続きを完了いたしました

 

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(企業結合等関係)をご参照ください。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは「車と家をものづくりでつなぐ」をビジョンと定め、燃費向上・省エネ・省資源・環境負荷物質の低減等地球環境問題に対応する新技術の開発に努めてまいりました。また、世界の課題である地球温暖化は深刻度を増しており、当社の扱う電力変換技術を中心としたテクノロジーの重要度はさらに高まっています。

自動車機器事業におきましては、世界の自動車産業が脱炭素へ加速するなか、自動車部品専門メーカーとしてこれまでに培った技術により、HEVやPHEVといった電動車向け良品廉価な点火コイル開発、およびその先のカーボンニュートラル社会を見据え、点火システムを軸とした先行開発を推進しており、当連結会計年度における研究開発費の金額は、593百万円となっております。

エネルギーソリューション事業におきましては、カーボンニュートラル/脱炭素化への取り組みに向け、再生エネルギーを活用する蓄電ハイブリッドシステムの開発、および車と住宅を接続して電力を融通し合うV2H(Vehicle to Home)分野での研究開発を実施しており、当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,511百万円となっております。

電子機器事業におきましては、ホームエレクトロニクス市場(特に空調機器市場)でもカーボンニュートラル社会への挑戦に向け、更なる省電力化、高付加価値化に取り組んでおります。また、電力変換で培った技術を活かし、今後更なる開発が加速される電動車向けにリアクトル・トランスの開発を進めており、当連結会計年度における研究開発費の金額は、385百万円となっております。

基礎研究の分野では、昨年開発した(V2GVehicle-to-Grid)対応車載充電器と双方向充電スタンドと組み合わせ、北米の系統連系規程であるIEEE1547の実証実験を進めております。また、同時に車載蓄電池の高容量化に対応する車載充電器20kW級化の研究を進めており、新燃料での点火・燃焼研究では、量産エンジンを用い、点火強化による燃焼限界の拡大について、研究を進めております。

新規事業の分野では、エネルギーのロスである排熱に着目し、熱電発電モジュールを開発するベンチャー企業と共同で、熱電発電システムの開発を進めております。さらには各種機器に搭載されるリチウムイオンバッテリーに対する劣化度診断のニーズが高まっており、これに応えるべく、バッテリー劣化診断装置の開発を進めております。

製品化開発中のものを含め、基礎研究と新規事業に係る当連結会計年度における研究開発費の金額は、140百万円となっております。