第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、以下のミッション・ビジョンを経営の基本方針の柱として事業活動を行っております。

◇ ミッション 「新しい知識社会の創造」

 当社は、単なるデータの処理・管理といったビジネスの領域を超え、当社サービスを知識社会における最も優れたサービスとして進化させます。また、多くのお客様にご利用いただくことにより、新しい知識社会創造の担い手になることが当社の使命と考えます。

 

◇ ビジョン 「知識の集約により顧客の業務に革命を 顧客の資産に価値向上を」

 当社の提供価値は、お客様の業務を限りなく深化させ、飛躍的に効率化することにより、お客様の業務に革命をもたらすことです。そして、そのことを通じてお客様が運用・管理している資産の価値向上に貢献することです。そのために当社は、卓越した知識の集約・マネジメント方法をお客様に提供します。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 ミッション・ビジョンに基づいた以下の3項目を中長期的な経営方針としております。

経営方針

Ⅰ.不動産からあらゆる資産に~ターゲット市場の拡大と提供機能の深化を目指す

 創業以来、当社は投資用不動産マーケットを主なビジネスドメインと捉え、管理業務支援などの価値提供に努めてきました。今後は企業や公共の不動産分野、事業用施設・固定資産分野、都市基盤・インフラ分野へビジネスドメインを拡大していきます。この活動を通じて、「新たな顧客を創造」していきます。

 

Ⅱ.挑戦し、自らを変革する中長期志向の経営

 めざましい進歩を遂げる情報技術の潮流の中で長期的に存続し、成長するためには自らの技術や事業を研鑽し、変革していく必要があります。当社のクラウドサービス、それを支える社内体制を絶えず新たな次元へ進めるべく挑戦します。このような挑戦的な経営基盤を作るため、中長期志向の人材育成やパートナー企業との連携強化に取り組みます。

 

Ⅲ.斬新かつ卓越したクラウドサービスの創造

 当社は、国内でのパイオニア(先駆者)として画期的なクラウドサービスを提供してきました。顧客業務の深い理解から、これを飛躍的に効率化するさまざまな工夫を積み重ねてきました。最先端の情報技術を応用し、「究極の業務効率化」や「効果的な知識の集約」を実現する、斬新かつ卓越したクラウドサービスの創造に挑みます。

 

(3)経営環境

 当社が事業を展開している国内パブリッククラウドサービス市場は、2018年において前年比27.2%増の6,688億円となりました(出典:IDC Japan株式会社プレスリリース「国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表」(2019年3月27日))。最近では、クラウド・モバイル・AI・IoT・ビッグデータ等の先端技術を活用し、経営のあり方やビジネスプロセスを改革するという、いわゆるデジタルトランスフォーメーションの動きも活発化しております。

 また、金融情勢や不動産市況の変化などに注意を払う必要がありますが、オフィス賃貸市場に代表される不動産賃貸市場及びJ-REIT市場も比較的堅調に推移しております。

 このような状況を踏まえ、不動産管理業務効率化を支援するクラウドサービスの提供を事業とする当社の経営環境は引き続き良好であると判断しております。

 

(4)経営戦略

 当社は、収益基盤であるクラウドサービスを拡大するため新たな分野に果敢に挑戦してまいります。

 REIT・ファンド、大手企業・グループ企業、総合ビル管理会社に対し、それぞれ効果的な営業活動を実施し更なる市場シェアの拡大を図ります。

 

(5)対処すべき課題

 当社を取り巻く事業環境は、今後も成長拡大が予想されておりますが、以下を事業拡大のための対処すべき重要な課題と認識しております。

①案件獲得力の増強

a.営業力の強化

 案件獲得には、顧客業務の現状及び問題点を理解し、その解決方法を的確に示す提案型営業を推進する必要があります。

 提案型営業を可能とする営業担当の力量の例として、REIT・ファンド分野における最新の不動産投資業務への精通、大手企業・グループ企業分野における多様化する企業不動産(CRE)戦略への理解、総合ビル管理分野における労働集約的な作業実態に起因した業務の非効率性に関する洞察等を挙げることができます。多くの営業担当が有すべき、これら力量の向上は、安定的な案件獲得と当社の事業拡大にとって不可欠であると考えております。そのため、上記の業界及び業務に精通した営業担当を育成するため社内勉強会や外部セミナーを利用し、営業力の強化を図ってまいります。

 

b.案件執行力の強化

 受注したソリューション案件を確実に消化し、売上計上するための執行力が必要と考えております。現在、ソリューション案件に係る人材は、最大のパフォーマンスを発揮し、案件執行において問題は発生しておりませんが、案件は増加傾向にあり、将来的には、開発部門の人員の更なる能力向上やアウトソーシングの利用等に拠るソリューション案件の執行力強化を図ってまいります。

 

②「@プロパティ」の競争力の維持・向上

 当社は、REIT・ファンド、大手企業・グループ企業、総合ビル管理の各分野における業界標準システムとしての地位を確立するため、費用対効果を見極めながらプロモーション活動の実施、またAI等の先端技術の導入も含めたサービスラインナップの充実に努め、「@プロパティ」の競争力の維持・向上を図ってまいります。

 

③ガバナンス体制の維持・向上

 当社は、現在の人員構成に応じた内部管理体制や業務執行体制を構成しておりますが、業容拡大に備え、今後一層の企業成長を果たすために、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスの充実に取り組む必要があると考えております。そのために、更なる内部統制の強化、情報セキュリティマネジメント及び事業継続マネジメントを内部統制委員会、情報セキュリティ委員会、事業継続委員会活動により継続的に取り組み、事業活動により生じるリスクをコントロールし、業務体制の強化を図ってまいります。

 

④人材の充実

 組織力、商品力、営業力を高める上で、組織を構成する一人ひとりのレベルアップが不可欠です。このため当社では、継続的な採用活動及びプロジェクトマネージャー等の専門性を有するスペシャリストとしての力量獲得に向けた社内教育を推進し、事業をさらに拡大できる組織体制の強化に取り組みます。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

 

(1)事業内容に関するリスク

① クラウド市場の動向について

 当社が事業を展開している国内パブリッククラウドサービス市場は、拡大基調にあり、今後もこの成長傾向は継続するものと見込んでおり、国内パブリッククラウドサービス市場を基盤とした事業を引き続き展開する計画であります。

 しかしながら、今後、経済情勢や景気動向により国内パブリッククラウドサービス市場の成長が鈍化し、IT投資の動向が減退するような場合は当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 単一事業であることへのリスク

 当社の事業は、資産・施設・不動産に関する業務を一元的に管理する統合資産管理クラウドサービス「@プロパティ」を提供する単一の事業です。「@プロパティ」の改善・進化に全経営資源を集中することにより資産・施設・不動産管理業務の習熟、ソフトウェアの更新を可能にし、“進化するサービス”の提供を実現しています。

 しかしながら単一の事業であるため、事業環境の変化、競争の激化等により、「@プロパティ」の成長に何らかの問題が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合他社の動向

 当社よりも資金力、ブランド力を有する企業の参入や全く新しいコンセプト及び技術を活用したシステムを開発した企業が出現した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権

 当社は商標権等の知的財産権及び当社に付与されたライセンスの保護を図っております。しかしながら、当社が使用する技術・コンテンツ等について、知的財産権等の侵害を主張された場合、当該主張に対する対応や紛争の解決のための費用などの損害が発生する可能性があります。前記のような理由で、将来当社の特定コンテンツやサービスの提供又は特定の技術の利用に制限が課せられた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報管理と情報漏洩

 当社は顧客情報、業務上知り得た個人情報や役員及び従業員の個人情報等その重要性について全社を挙げて十分に認識し、情報セキュリティマネジメント活動(ISO27001 認証取得)を推進するとともに情報資産の保護とセキュリティレベルの維持向上を図っております。更に、当社のホームページにて個人情報保護方針を公開し、教育、研修を通じて個人情報管理の基盤を強固にしております。しかしながら、情報の収集や管理の過程等において不測の事態により顧客情報の漏洩等が発生した場合、当社への損害賠償請求が発生する可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システム障害

 当社は、信頼性を備えた機器の多重化や東京・大阪・福岡のデータセンターの三拠点化によりシステム障害への対策を実施したシステム基盤を整えております。しかしながら、システム障害が発生した場合、一時的なサービスの提供の停止などの事態も想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ インターネットの通信インフラ環境

 当社サービスの「@プロパティ」はクラウドの特性上、インターネットを経由し提供されており、通信インフラ環境に依存しております。安定的なサービス提供のために社内体制整備、サーバー設備強化等を行っておりますが、通信インフラ環境にトラブルが発生し通信速度の低下や通信不能となった場合、当社の事業に制約が生じることとなり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 技術革新への対応について

 インターネット関連分野は、新技術の開発が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、技術革新に対する対応が遅れた場合、当社の競争力が低下し、結果として当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 事故や自然災害によるリスク

 当社では、「@プロパティ」の顧客データを東京・大阪・福岡の三つのデータセンターに置き、サービスとデータの相互バックアップを行うことにより事故や自然災害時にもサービスを継続する体制を構築しております。しかしながら、三つのデータセンターが同時に機能停止した場合、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。また、当社の事業所は東京の一箇所であり、首都圏で地震や津波等の自然災害や事故、火災、テロが発生し、損害を被った場合、事業活動の継続に支障をきたし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 顧客ニーズに応じたサービスの提供

 当社サービスはクラウドサービスの強みを生かし、顧客のニーズを常に捕捉し機能の改善・進化を図っております。しかしながら、顧客の期待どおりのサービスの改善・進化が行われなかった場合、売上高が減少し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ システム開発プロジェクトの管理

 当社のシステム開発プロジェクトは想定される工数をもとに見積りを作成し管理をしておりますが、見積りの誤りや作業の遅れ等により超過コストが発生し、プロジェクトの採算悪化や検収遅延等により売上計上や代金回収の遅れが発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 売上計上時期の期ずれについて

 当社のソリューションサービスにおいては、受注したプロジェクトの規模や内容が予想と乖離し、納品時期が変更となり、その結果売上計上が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれする場合があります。期ずれした金額の大きさによっては各四半期あるいは事業年度における当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 経営成績の変動について

 当社のソリューションサービスにおいては、受注先の新年度(4月)からのシステム運用開始の傾向から、他の四半期に比べ売上高が第4四半期会計期間に偏重する傾向があります。そのため、何らかの理由で検収の遅延が発生した場合、売上高が翌期の計上となる可能性があり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、第18期事業年度及び第19期事業年度における四半期別の売上高及び営業利益の構成は、次のとおりであります。

 

 

第18期事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

 

第1四半期

会計期間

(4-6月)

第2四半期

会計期間

(7-9月)

第3四半期

会計期間

(10-12月)

第4四半期

会計期間

(1-3月)

通期

売上高(千円)

253,245

301,662

296,266

388,719

1,239,893

営業利益(千円)

26,024

71,924

46,407

92,503

236,859

 

 

 

第19期事業年度

(自 2018年4月1日

 至 2019年3月31日)

 

第1四半期

会計期間

(4-6月)

第2四半期

会計期間

(7-9月)

第3四半期

会計期間

(10-12月)

第4四半期

会計期間

(1-3月)

通期

売上高(千円)

371,724

311,228

443,843

490,686

1,617,482

営業利益(千円)

56,483

34,707

75,524

135,469

302,184

 (注)売上高には、消費税等は含まれておりません。

 

 

⑭ 法的規制について

 当社主要事業が属するクラウドサービス分野では、総務省より「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」が公表され、「ASP・SaaS安全・信頼性に関する情報開示認定制度」が創設されております。当社は、情報セキュリティ対策ガイドラインによる情報セキュリティの確保に努めたことにより2008年に同制度の認定を取得しました。また、「データセンターの安全性・信頼性に係る情報開示指針」に準拠した情報開示に基づきデータセンターを選定しております。しかし、クラウドサービス分野やインターネットを規制対象とする法令等の改正があった場合、事業が規制され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業体制について

① 特定人物への依存

 当社代表取締役社長である板谷敏正並びに取締役副社長である高橋秀樹は、当社の創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業方針の決定をはじめ、当社の事業推進において重要な役割を果たしております。

 当社は、板谷敏正並びに高橋秀樹に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役会や経営会議等において役員及び従業員への権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により板谷敏正並びに高橋秀樹が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の外注先に依存していることについて

 当社は、当社サービス「@プロパティ」の機能強化や顧客カスタマイズ等のシステム開発を外部に委託しています。このうち委託先である株式会社パラダイム・システムズにつきましては、2019年3月期において、当社の外部委託(製造原価及びソフトウェア開発における外注加工費)全体の約80%を占め、同社に依存しております。当社としましては、同社との資本的関係の強化により、社内スタッフによる開発ノウハウの蓄積・継承及び標準性を確保した開発の推進を実現すべく検討を行っています。併せて徐々に新たなベンダーへの委託割合を高め、委託先の複数化も図っております。

 しかしながら、現在は同社への依存率は高く、何らかの事情による取引停止等によりシステム開発が不可能となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 小規模組織であることについて

 当社は、2019年3月31日現在、取締役7名(うち監査等委員3名)、従業員55名と小規模組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構成しております。当社は、今後の業容拡大及び事業内容の多様化に対応するため、人員の増強、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進まなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)その他経営に関する事項

① 新株予約権の付与による株式価値の希薄化について

 当社は、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社の業績向上に対する役員及び従業員の就業意欲を一層高めること等を目的として、新株予約権を発行しております。当社は、前記目的のもと、今後も役員及び従業員に対して新株予約権の付与を行うことを検討しております。これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。なお、2019年3月31日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は16,100株あり、発行済株式総数の0.8%に相当しております。

 

② 配当に関する政策

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。経営基盤の強化及び積極的な事業展開のための内部留保を確保しつつ、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、株主の皆様に対する利益還元を検討することを配当の基本方針とし、第19期の期末配当金につきましては、1株当たり25円00銭を実施いたしました。

 今後におきましても、株主の皆様への利益還元に努める所存ですが、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況によっては、継続的な配当を実施できない可能性があります。

 

(4)主要株主である清水建設株式会社との関係について

① 清水建設グループ内の位置付け

 清水建設株式会社は、2019年3月31日現在、当社発行済株式の23.98%を保有しており、当社のその他の関係会社に該当いたします。

 当社は清水建設株式会社の持分法適用関連会社であり、清水建設株式会社を構成するグループ(以下、「清水建設グループ」という。)においてサービス関連事業と位置付けられております。なお、清水建設株式会社は、当社と同様の事業は行っておりません。

 

② 清水建設株式会社との取引関係

 2019年3月期における清水建設株式会社との取引の内容は以下のとおりです。

営業取引の状況

 清水建設株式会社に対する売上高の割合は0.7%であります。同社の子会社等を含めた清水建設グループに対する売上高の割合は1.3%であります。この他に、清水建設グループの会社から事務用品の購入等の取引がありますが、売上原価・販売費及び一般管理費に対する割合は僅少であります。

 これらの取引条件については、一般ユーザーと同様の条件となっております。

 

③ 役員の兼務関係

 当社は、清水建設株式会社より、本書提出日現在、監査等委員である取締役1名を招聘しております。同氏は、当社事業に関する知見を有し、経営全般に優れた見識を兼ね備えているものと当社は判断しており、経営に関する助言を得ることを目的として、当社が招聘したものであります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度においては、高度化している不動産管理業務への対応を強化すべく、総合ビル管理会社向けに「ビルメンテナンスエディション」の提供を開始しました。また、AI技術等を用いた不動産ビッグデータ解析や商圏データ及び出店店舗データ解析サービスといった「データサイエンス サービス」の提供を2019年1月より開始しております。提供するサービスラインナップの更なる充実と不動産に関わる様々な業種・業態の顧客に支えられ、クラウドサービスにおける登録建物棟数は、5万棟を超えております。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当事業年度末における資産合計は2,251,118千円(前期末比 728,629千円の増加)となりました。

 当事業年度末における負債合計は493,957千円(前期末比 58,089千円の増加)となりました。

 当事業年度末における純資産合計は1,757,161千円(前期末比 670,539千円の増加)となりました。

b.経営成績

 売上高は1,617,482千円(前期比 377,589千円増、30.5%増)、営業利益は302,184千円(前期比 65,325千円増、27.6%増)、経常利益は295,036千円(前期比 59,212千円増、25.1%増)、当期純利益は209,150千円(前期比 63,287千円増、43.4%増)と、前事業年度に比べ増収増益となり、創業来最高益を達成いたしました。

 なお、当社の報告セグメントは「@プロパティ」の提供にかかる単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

(クラウドサービス)

 クラウドサービスの売上高は1,019,987千円(前期比 70,655千円増、7.4%増)となりました。前期からの利用料の積上げ、新規顧客の獲得に加え、既存顧客の利用が拡大したことにより増収となりました。

(ソリューションサービス)

 ソリューションサービスの売上高は597,494千円(前期比 306,933千円増、105.6%増)となりました。次期に本稼動を開始する複数の大型案件のカスタマイズ開発、コンサルティング業務等を着実に売り上げた結果、大幅な増収となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、営業活動により207,597千円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)が増加しました。また、投資活動により218,726千円の資金が減少し、財務活動により445,630千円の資金が増加しました。

 この結果、当事業年度末における資金の残高は、前事業年度末に比べ434,501千円増加し1,052,065千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加により253,348千円減少したものの、税引前当期純利益295,036千円、減価償却費172,269千円などにより207,597千円増加(前事業年度は329,752千円の増加)しました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出198,796千円などにより218,726千円減少(前事業年度は185,320千円の減少)しました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入451,906千円などにより445,630千円増加(前事業年度は3,365千円の減少)しました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社で行う事業は、サービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社で行う事業は、サービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c販売実績

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は統合資産管理クラウドサービス「@プロパティ」を国内中心に事業展開する単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。

サービス別

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

クラウドサービス

1,019,987

107.4

ソリューションサービス

597,494

205.6

合計

1,617,482

130.5

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱電気ビル

201,668

12.5

    2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1)財政状態

(資産の部)

 当事業年度末における流動資産は1,551,907千円(前期末比 674,472千円の増加)となりました。これは主に現金及び預金が434,501千円、売掛金が253,348千円増加したことによるものです。

 当事業年度末における固定資産は699,210千円(前期末比 54,156千円の増加)となりました。これは主に保険積立金が17,999千円、リース資産が15,099千円、ソフトウェアが12,535千円増加したことによるものです。

 この結果、資産合計は2,251,118千円(前期末比 728,629千円の増加)となりました。

 

(負債の部)

 当事業年度末における流動負債は313,778千円(前期末比 28,750千円の増加)となりました。これは主に買掛金が22,460千円増加したことによるものです。

 当事業年度末における固定負債は180,178千円(前期末比 29,338千円の増加)となりました。これは主に退職給付引当金が13,307千円、リース債務が12,304千円増加したことによるものです。

 この結果、負債合計は493,957千円(前期末比 58,089千円の増加)となりました。

 

(純資産の部)

 当事業年度末における純資産合計は1,757,161千円(前期末比 670,539千円の増加)となりました。これは資本金及び資本剰余金がそれぞれ230,694千円、利益剰余金が209,150千円増加したことによるものです。

 

 2)経営成績

(売上高)

 当事業年度の売上高は、1,617,482千円(前期比 377,589千円増、30.5%増)となりました。前年度からの利用料の積上げ、新規顧客の獲得及び既存顧客の利用が拡大したことによりクラウドサービスの利用が拡大したことに加え、ソリューションサービスにおいて次期に本稼動を開始する複数の大型案件のカスタマイズ開発、コンサルティング業務等を着実に売り上げた結果によるものです。

 

(売上原価)

 当事業年度における売上原価は、797,580千円(前期比 250,031千円の増加)となりました。これは主に外注加工費や労務費の増加によるものです。

 

(売上総利益)

 当事業年度における売上総利益は、819,901千円(前期比 127,557千円の増加)となりました。これは主にクラウドサービス及びソリューションサービスの売上高の増加によるものです。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、517,717千円(前期比 62,232千円の増加)となりました。これは主に人件費や租税公課によるものです。この結果、営業利益は、302,184千円(前期比 65,325千円の増加)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

 当事業年度における営業外収益が3,352千円(前期比 1,894千円の増加)、営業外費用が10,500千円(前期比 8,006千円の増加)となりました。営業外収益は主に業務受託料、営業外費用は主に株式交付費によるものです。この結果、経常利益は295,036千円(前期比 59,212千円の増加)となりました。

 

(当期純利益)

 当事業年度において特別利益、特別損失は発生しておりません。法人税等合計が85,885千円(前期比 4,074千円の減少)となり、この結果、当期純利益は209,150千円(前期比 63,287千円の増加)となりました。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社は、ストック型売上であるクラウドサービスとフロー型売上であるソリューションサービスを両輪に盤石な収益基盤を確立しております。

 クラウドサービスは、登録されたデータ量に応じた月額課金により、創業以来売上高を増加させております。当事業年度におけるクラウドサービスの売上高は、全社売上高の63%を占めております。

 ソリューションサービスは、顧客ニーズにきめ細かく対応するための初期コンサルティングやカスタマイズ開発により、売上が発生いたします。また、新規顧客を獲得する上で重要な役割を果たしており、クラウドサービスの売上高を増加させるために必要不可欠なものです。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社の主な資金需要は、運転資金(人件費及び外注加工費等)及び統合資産管理クラウドサービス「@プロパティ」の開発のための資金です。

 資本の財源及び流動性については、事業活動に必要な現金を安定的に確保することを基本としております。

 資金調達につきましては、自己資金を基本としております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の事業は、不動産クラウドサービスの利用料等によるストック型売上(クラウドサービス売上)と不動産クラウドサービスの利用にあたっての導入コンサル・カスタマイズ等によるフロー型売上(ソリューションサービス売上)の両輪で構成されています。

 顧客の利用状況に応じて料金を徴収する当社のクラウドサービスは、売上の伸張速度は緩やかとなるものの、売上・収益基盤の安定的かつ永続的な拡大を可能とします。

 一方、システム開発及び販売を中心とする事業(フロー型売上)では、顧客毎の個別案件に依拠する比重が高く、収益化が早いものの収益基盤が比較的不安定になりがちです。

 当社の事業は、ストック型売上、フロー型売上のデメリットといわれる部分をクラウドサービス、ソリューションサービスの双方で補い合い、盤石な収益基盤を確立しております。

 このことから当社では、安定した収益の確保はステークホルダーの利益にも合致すると考え「営業利益率」を重要な指標として位置付けております。

 当事業年度の営業利益率は18.7%となり、前事業年度に比べ0.4ポイント減少いたしました。当事業年度は、不動産管理業務の高度化の影響もあり、導入コンサルティング業務や、カスタマイズ機能開発等のソリューションサービスが拡大しております。

 ソリューションサービスの売上高は、597,494千円(前期比 306,933千円増)となり、クラウドサービスを含む全社売上高は、1,617,482千円(前期比 377,589千円増)となりました。

 フロー型売上であるソリューションサービス売上は顧客毎の個別案件に依拠する比重が高いため利益率の変動要因となります。当事業年度はソリューションサービスの売上高の大幅な伸張により、同サービスの売上構成比が36.9%(前事業年度は23.4%)と高まっております。

 この結果、営業利益率が変動し前事業年度に比べ減少いたしました。

 事業の拡大のためには、ストック型売上のクラウドサービスの拡大が重要であり、そのためにはソリューションサービスによる新規顧客の獲得が必要不可欠となります。

 このように、クラウドサービス売上とソリューションサービス売上は当社事業の両輪であり、営業利益率を維持・向上させつつ事業の拡大を図ってまいります。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、引続き、当社のミッションである「新しい知識社会の創造」に基づき、単なるデータの処理・管理といったビジネスの領域を超え、当社サービスを知識社会における最も優れたサービスとして進化させるべく取り組む方針です。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。