第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」という経営理念のもと、高い企業価値を実現するために、企業の社会的使命・責任を果たし、健全かつ適切な業務運営を通じて、お客様や地域社会からの長期にわたる揺るぎない信頼の確立を図らなければならないものと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、中長期的な損益計画・資金計画の達成を最重要課題として認識しており、特に安定的な企業価値の向上に繋がるのれん償却前営業利益、経常利益とその成長率及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるキャッシュ・フローの増加を最重要目標として、収益性の向上・財務体質の充実に取り組んでおります。

 

(3) 経営環境

今後のわが国経済の見通しにつきましては、国内経済は、政府の継続的な経済政策や日銀の金融緩和策などを背景に緩やかな回復基調が続くものと期待されますが、海外経済においては、中国をはじめとする新興国経済の減速や資源国における景気低迷、米国新政権の今後の政策内容、英国の欧州連合離脱の影響による欧州経済の不安定化、北朝鮮・中東情勢の地政学的リスクなど、先行き不透明な状況にあり、わが国の景気を下押しするリスクには留意が必要な状況であります。
 当社グループが主力事業とする建築業界におきましては、資材費や労務費等のコストの高騰等、経営環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されます。また、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」の中において課題として明示された「リフォーム・既存住宅流通等の住宅ストック活用型市場への転換の遅れ」に対応するための目標である「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」(※注1)、「建替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新」に対応していくための仕組み作り・基盤作りを推進することは、住宅建築業者や住宅設備機器メーカーなど住宅産業全体をあげての大きな課題となっております。特に既存の戸建住宅は、管理組合などがないため、消費者個々人の責任でメンテナンスや管理を長期に渡って継続していかなければならない問題へのフォローが重要課題です。

加えて、AIやIOTを活用したサービスの普及を受け、建築業界を取り巻く事業環境が加速度的に変化しております。建物に取り付けられたセンサーよりメンテナンスニーズが知らされ、今まで以上に建物の維持・管理に関するニーズが顕在化されることが予想されます。また、民泊関連の法整備も進み、単純に「住まう」「商う」ことから「共有する」「多様化する」「無人化する」という変化が予見され、メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加(※注2)が見込まれております。

 

(4) 対処すべき課題

住宅や建物を取り巻く環境が激変する経営環境の中、当社グループと致しましては、事業環境の変化に対応するサービス開発力の強化、収益力の向上と財務基盤の強化、「働き方改革」に代表される就労環境の改善などに積極的に取り組み、具体的には「新しい建築サービスの開発・提供」「生産性の向上」「人材の確保と早期戦力化」「経営効率面の向上」の4点を重要課題として取り組んでおります。

 

「新しい建築サービスの開発・提供」につきましては、当社グループは「住生活基本計画」で掲げられている新しい住宅循環システムを支えるための住宅ライフサイクル全体をワンストップでカバーできる体制を、より充実させることを目指しております。そのための足掛かりとして、経年劣化が進みリフォーム適齢期を迎えた住宅に対する定期点検メニューの追加(10年目点検・15年目点検・20年目点検など)、長期にわたって消費者個々人が負担しなければならない戸建住宅の維持・管理を解決するメニューの開発、従来の「住宅設備延長保証」商品よりも付加価値があり、当社の強みであるリペアサービスを活用した「新しいタイプの住宅設備延長保証商品」の開発、既存住宅再販時に対応するための点検・検査メニューの開発、また、民泊や店舗の無人化に対応するためのサービス開発、それらのサービスを支えるためのコールセンター機能の拡充、「住宅メンテナンス履歴管理」拡充のための業務系基幹システムの増強などへの取り組みを強化する必要があります。主力であるリペアサービス・住環境向け建築サービスの技術力や施工体制網を活用し、住宅建築サービス関連領域に一層サービス領域を拡大していくことに注力します。

「生産性の向上」につきましては、現場稼働の効率化と販売費及び一般管理費の圧縮という2つの課題を認識しております。現場稼働の効率化においては、グループ全体の技術者の稼働状況を俯瞰的に把握できるように基幹システムを増強し、子会社別・地域別・サービス別の需給ギャップを埋めて稼働効率を上げる課題に取り組みます。また、販売費及び一般管理費におきましては、一般的なシステムによる業務効率化に加え、RPAツール(※注3)を導入して業務自動化の試みを行ってきております。自動化を実施した業務数が積み上がってきており(例えば、新規に採用した従業員のデータを基幹システムのマスターに登録する業務や現場から送られてきたPDFデータを基幹システムにアップロードする業務などの事務的な作業の自動化を実施しています)、その成果も顕著になってきております。また、社内において、RPAツール活用のための技術者育成も可能な体制となってきましたので、今後は、RPAによる業務自動化をグループ各社へ展開し、生産性向上のための改革改善速度を早める必要があると認識しています。

「人材の確保と早期戦力化」につきましては、多様で柔軟な就労環境の一層の整備による採用競争力の確保、現在の「早期育成プログラム」の更なるブラッシュアップ、従業員の目標設定や評価の適正化による意欲の向上、協力業者ネットワークの拡大などに取り組み、この環境の変化に対応できるような人材採用・育成体制を整えることも急務であると考えております。

「経営効率面の向上」については、グループ子会社について、効率的かつ効果的に経営を管理し、経営資源を有効に活用できるよう、早期に業務管理手法及び業務フローなどの共通化を図ってまいります。

 

※注1:「住宅すごろくを超える新たな住宅循環システムの構築」とは、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」の中において掲げられた住宅ストックからの視点に基づく目標です。従来、日本の住宅事情においては「住宅購入がゴール」という認識が強くありましたが、適切な維持管理やリフォームの実施により、住宅の価値を低下させず、住宅の魅力が市場で評価され、再流通することなどを通じて、住宅を資産として次の世代に継承していく新たな住宅の流れを創出する環境システムを構築することを指しております。

※注2:「メンテナンスや維持・管理のための「ラストワンマイル」のニーズ増加」とは、以下のような状況を指しています。AIやIOTの進化に伴ってスマート住宅が現実のものとなるにつれ、メンテナンスの必要性をセンサーが事前に知らせることにより、従来の、「壊れて初めて気づいた。」といった潜在的メンテナンスニーズが事前に顕在化することになります。検知されたニーズに対応するためには、メンテナンスを行う段階で「技術者が建物に出向く」必要があります(ラストワンマイル)。住設機器や建材の進化もあるため、現在と同じ状況ではないと思われますが、デジタル化が進んでも、最終段階では、やはりアナログ対応が必要になると予想されます。ラストワンマイルのニーズ増加とは、メンテナンスニーズの増加により、上記の様に結果的に技術者の訪問数が増加するであろう状態のことを指しております。

※注3:RPAツールとは、主にオフィスで行われている単純ワークを自動化するロボットツールのことで、RPA(Robotic Process Automation)とは、人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化することであります。特にホワイトカラーの業務を補完・代行する仕組みのことであり、当社では、RPAテクノロジーズ株式会社が販売している「BizRobo」を利用しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業内容その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を以下に記載しています。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与え得るリスク要因はこれらに限定されるものではありません。
 なお、文中の将来に関する事項については、本書提出日現在において入手可能な情報に基づいて、当社グループが判断したものであります。
 

①業績の季節的変動について

当社グループが行うリペアサービス、住環境向け建築サービス、商環境向け建築サービスにおいては、戸建住宅、集合住宅、商業施設等の引渡しが集中する3月及び9月に売上が拡大する傾向があります。当該時期に、何らかの事由により売上が減少した場合は、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

②建設関連の市場環境の変化について

当社グループは、戸建住宅及び集合住宅向けのリペア(補修)業務や点検業務、商業施設向けの施工業務等、建設関連向けのサービスを主たる事業領域としております。当該事業は、景気動向、金利、地価、税制及び政策等に大きく影響を受けます。
 今後の景況感の悪化、所得の低下、金利の上昇、地価の上昇、政策の変更及び税制の変更があった場合は、市場環境が変化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③競合について

当社グループの提供する建築サービス関連業界は、個人事業主でも技術を身に付ければ容易に事業を開始できる等、参入障壁が低くなっております。当社グループは、人材の採用、教育及び協力業者の組織化といった点で新規参入者に対して優位にあると考えておりますが、今後、新規参入者の増加により競争が激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④のれんについて

当社グループは、過去のM&A及びグループ再編の結果、多額ののれんを計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、当社グループの対象となる事業において将来の収益力が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤多額の借入金について

  当社は本書提出日現在、複数の金融機関から多額の資金を借入れており、当該金融機関と締結している金銭消費貸借契約等のなかには、連結経常損失を計上しないこと、連結純資産額の水準を一定以上に維持すること、レバレッジ・レシオ(注1)を一定の水準未満にすること、デット・サービス・カバレッジ・レシオ(注2)を一定の水準以上にすることなど、財務制限条項が定められているものがあります。
 今後、当社では借入金を減少させるべく取り組んでまいりますが、金利が上昇した場合、事業計画の未達成等により借入金の返済計画に変更が生じた場合、財務制限条項に抵触したことにより借入金を一括返済する必要が生じた場合には、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

※注1:レバレッジ・レシオは、以下の式により算出されます。
  (有利子負債残高+リース債務残高-現預金)/(営業利益+減価償却費+のれん償却費)

※注2:デット・サービス・カバレッジ・レシオは、以下の式により算出されます。
   フリーキャッシュフロー(金利支払前)/(当期約定返済額+支払利息+支払リース料)

⑥人材について

当社グループにおいては、人材の安定的な確保及び育成が事業継続のために不可欠でありますが、人材の確保及び育成が計画通りに進まない場合や退職者が増加した場合、不祥事により損害が発生した場合や士気が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦外注先の確保について

当社グループでは、受注したサービスの一部を協力会社に発注しております。協力会社については、同行調査等により安全・品質管理の徹底等に最善を期しておりますが、個別の作業現場においてトラブルが発生した場合、また今後、受注件数の増加により協力会社を適時に確保できなかった場合は、当社グループの業務の停滞につながり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧労働環境の変化について

当社グループには、正社員のほか有期契約社員、登録スタッフ等、様々な雇用形態の社員が業務に従事しております。当社グループでは、長時間労働の抑制や平成28年10月からの短時間労働者に対する社会保険の適用拡大等、労働環境の変化や法改正に対応しておりますが、今後、労働関連法規制への違反等が発生した場合には、当社グループの社会的信用、事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、人手不足等による人件費の高騰や外注費の増加が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨法令違反、法的規制に関するリスク

当社グループは、労働基準法等労働法のほか、建設業法、労働者派遣法など関連法令による規制を受けております。当社グループでは、関連法令を遵守して事業を展開しており、本書提出日現在において、法令違反による許認可の取り消しなど事業運営に支障を来すような事象は発生しておりませんが、それらの法令が改正された場合や当社又は当社従業員が関連法令違反を犯した場合には、当社グループの社会的信用、事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループ各社が取得している許認可等の状況は以下の通りです。

会社名

取得年月

(有効期限)

許認可等名称

所管官庁等

許認可番号

取消事由

株式会社バーンリペア

平成28年9月21日

(平成33年9月20日)

建設業許可

国土交通省

一般建設業 国土交通大臣許可

(般-28)第24174号

建設業法

第29条及び第29条の2第1項

平成29年5月1日

(平成34年4月30日)

一級建築士事務所

埼玉県建築士事務所協会

埼玉県知事登録

(1)第11186号

建築士法

第26条第1項及び第2項

株式会社キャンディルデザイン

平成29年9月19日

(平成34年9月18日)

建設業許可

国土交通省

一般建設業 国土交通大臣許可

(般-29)第26802号

建設業法

第29条及び第29条の2第1項

平成29年3月25日

(平成34年3月24日)

一級建築士事務所

東京都建築士事務所協会

一級 国土交通大臣登録

第305508号

建築士法

第26条第1項及び第2項

平成30年6月2日

(平成35年6月1日)

宅地建物取引業者免許証

東京都知事

東京都知事(1)

第102082号

宅地建物取引業法

第5条及び第66条
 

株式会社キャンディルテクト

平成30年11月29日

(平成35年11月28日)

建設業許可

国土交通省

一般建設業 国土交通大臣許可

(般-25)第025221号

建設業法

第29条及び第29条の2第1項

平成28年10月1日

(平成31年9月30日)

労働者派遣業

厚生労働省

労働者派遣事業許可

派13-306899

労働者派遣法

第14条第1項

平成26年10月9日

第一種貨物利用運送事業登録

国土交通省(関東運輸局)

第一種貨物利用運送事業登録

関自貨第686号

貨物利用運送事業法

第16条

 

 

⑩訴訟等に関するリスク

当社グループは広範な事業活動を行っており、知的財産権、環境、労務等に関連した訴訟等の対象となるリスクがあります。重大な訴訟等が提起された場合には、当社グループの社会的信用、事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑪重大な事故の発生について

当社グループが手掛けるサービスの中には、建設現場における重量物の搬出入や高所での作業等、危険を伴うサービスがあります。当社グループでは、従業員への教育や指導を通じ、従業員の安全確保に努めておりますが、それらへの対応が不十分であった場合には、重大な事故につながり、当社グループの社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑫個人情報保護について

当社グループでは、取引先及び住宅の施主等に係る個人情報を有しております。平成19年6月に子会社の株式会社バーンリペアでプライバシーマークを取得する等、個人情報保護に対する適切な対応を行うための体制を整備しておりますが、今後、個人情報の漏洩事故等が発生した場合には、当社グループの社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑬情報システムへの依存について

当社グループは、受発注、作業日程管理、請求等に関する業務を情報システムを利用して行っております。プログラムの不具合やコンピュータ・ウイルス、外部からのサイバー攻撃等により、当社グループの情報システムに重大な障害が発生した場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑭消費税の増税について

当社グループの事業は、消費税率の動向によって需要が左右される傾向があります。平成31年10月に消費税増税が予定されており、現在の8%から10%に引き上げられる予定であります。増税に合わせた住宅取得を促進させる住宅ローン減税等の推進により、消費税増税前の需要の前倒しが見込まれますが、一方で、その後の需要が一時的に減少する可能性があります。これらにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑮内部管理体制について

当社グループは、建築サービスを手掛ける企業同士がM&Aにより経営統合し、形成されてきたため、独自の企業文化や経営管理手法を有する企業によりグループが構成されておりました。当社は、グループ各社の内部管理体制を整備しており、今後も強化していく予定でありますが、事業の急速な拡大等により内部管理体制の構築が追いつかないという事態が生じる場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑯大株主がファンドであること等について

当社は、新生クレアシオンパートナーズ2号投資事業有限責任組合より純投資を目的とした出資を受けており、本書提出日現在、同組合は当社の主要株主となっております。また、社外取締役である辻氏は、新生クレアシオンパートナーズ2号投資事業有限責任組合の無限責任組合員である新生クレアシオンパートナーズ株式会社へ50%出資しているクレアシオン・キャピタル株式会社の常務取締役であります。
 新生クレアシオンパートナーズ2号投資事業有限責任組合における当社株式の保有・処分方針によっては、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、同組合の当社株式所有割合等については、「第4 提出会社の状況」に記載しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復が継続しました。消費は、雇用環境の改善や株高による資産効果などを背景に持ち直し、設備投資においては、生産の回復や企業収益の改善に加え、人手不足に対応するためのIT投資などの拡大を背景に底堅い動きが続いています。

海外経済は、総じて拡大傾向が続いています。米国・欧州ともに、良好な雇用環境や消費者マインドの改善を背景に消費が底堅く推移し、新興国では、中国経済が引き続き堅調なほか、他の新興国も緩やかな回復を続けています。

当社グループ事業に関係の深い住宅業界におきましては、国土交通省発表による新設住宅着工戸数は平成29年10月~平成30年9月累計で前年同期間比96.9%と減少するものの、分譲戸建については前年同期間比で103.5%と増加しており堅調に推移しました。商業施設などの建設業界におきましては、東日本大震災復興関連事業や国土強靭化取組による各種インフラの耐震補強事業、東京オリンピック・パラリンピックに伴うインフラ整備など依然として堅調に推移しています。

このような状況のもとで、当社グループは、「世界に誇れる独創的建物サービスで社会と感動を分かち合う」という当社グループ理念に基づき、持続的な事業の成長とさらなる企業価値の向上に向け活動を強化しております。また、当社グループビジョン「全ての建物にキャンディル」の実現に向けて、平成28年に閣議決定された「住生活基本計画」に沿ったサービスの拡充と「お客様のニーズにあった新商品開発に取り組み、住宅関連サービス及び商業施設関連サービスの拡充等、売上拡大に努めてまいりました。

この結果、

当連結会計年度末における資産合計は6,742,183千円となり、前連結会計年度末に比べ303,649千円の減少となりました。負債合計は3,886,148千円となり、前連結会計年度末に比べ707,055千円の減少となりました。純資産合計は2,856,034千円となり、前連結会計年度末に比べ403,406千円の増加となりました。

当連結会計年度における売上高は12,239,576千円前年同期比2.3%増)、営業利益は403,923千円前年同期比20.7%増)、経常利益は345,004千円前年同期比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は171,379千円前年同期比52.7%増)となりました。なお、当社では組織再編及びM&Aの実施に伴い発生したのれん償却費を販売費及び一般管理費に192,223千円計上しており、これを加えたのれん償却前経常利益は537,228千円(前年同期比12.3%増)、のれん償却前親会社株主に帰属する当期純利益は363,603千円(前年同期比19.3%増)となります。

当社グループは、建築サービス関連事業の単一セグメントとしておりますが、サービス分野別の状況は以下のとおりです。

 

(リペアサービス)

当連結会計年度におけるリペアサービスの売上高は4,670,355千円前年同期比0.4%増)であります。

株式会社バーンリペアは主に戸建てを中心としたリペアサービスを提供しておりますが、同社のリペアサービスは堅調に推移した結果、売上高は3,576,768千円(前年同期比3.8%増)となりました。株式会社キャンディルテクトは主に集合住宅を中心としたリペアサービスを提供しておりますが、集合住宅の新築着工戸数の減少の影響で、同社のリペアサービスの売上高は1,093,587千円(前年同期比9.4%減)となりました。

(住環境向け建築サービス)

当連結会計年度における住環境向け建築サービスの売上高は3,320,842千円前年同期比6.8%減)であります。

株式会社バーンリペアは主に戸建てを中心とした定期点検やリコール対応を提供しており、同社の住環境向け建築サービスの売上高は2,262,736千円(前年同期比7.5%減)となりました。株式会社キャンディルテクトは主に集合住宅を中心とした検査サービスや内覧会運営サービス、リコール対応を提供しており、同社の住環境向け建築サービスの売上高は873,520千円(前年同期比9.5%減)となりました。

両社の住環境向け建築サービスについては、アフター点検サービスなどのストック型サービスは堅調に推移したものの、前連結会計年度にリコール対応の特需がありましたが、当連結会計年度は、それらのピークが過ぎたこと、および、より売上総利益率の高いサービスの提供に注力したことから、大きく減少しております。

株式会社キャンディルデザインは北海道内集合住宅居室の設計変更を中心とした施工サービスを提供しておりますが、受注が堅調に伸長したことから同社の住環境向け建築サービスの売上高は184,585千円(前年同期比22.5%増)となりました。

(商環境向け建築サービス)

当連結会計年度における商環境向け建築サービスの売上高は、3,471,750千円前年同期比20.7%増)であります。

株式会社キャンディルテクトは主に商業施設の内装施工サービス、組立サービス、揚重サービスを提供していますが、内装施工サービス及び組立サービスの受注が大きく伸長したことで商環境向け建築サービスの売上高は大幅な増加となりました。

(商材販売)

当連結会計年度における商材販売の売上高は776,627千円前年同期比10.5%減)であります。

株式会社キャンディルデザインは、補修材料を中心とした販売サービスの提供と北海道を中心に高級カーテンなどのインテリア商材の販売サービスの提供を行っておりますが、インテリア商材の単価及び受注件数が大きく減少したことから、同社の商材販売の売上高は755,058千円(前年同期比10.1%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は1,267,212千円と、前連結会計年度末に比べ112,735千円の減少となりました。

各活動によるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、147,056千円(前連結会計年度は526,088千円の収入)となりました。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益345,004千円、のれん償却額192,223千円、法人税等の支払額293,724千円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、31,752千円(前連結会計年度は6,256千円の支出)となりました。この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出8,049千円、無形固定資産の取得による支出20,918千円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、228,043千円(前連結会計年度は279,231千円の支出)となりました。この主な内訳は、長期借入れによる収入1,900,000千円、株式の発行による収入232,800千円、短期借入金の純増額250,000千円、長期借入金の返済による支出2,608,000千円などによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当社グループは、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。

b.受注実績 

当社グループは、建築サービス関連事業の単一セグメントであり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しています。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をサービス毎に示すと、次のとおりであります。

サービスの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

リペアサービス

4,670,355

100.4

住環境向け建築サービス

3,320,842

93.2

商環境向け建築サービス

3,471,750

120.7

商材販売

776,627

89.5

合計

12,239,576

102.3

 

(注)1.当社グループの報告セグメントは単一であるため、サービス毎に記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債および収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意下さい。
 

②財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は6,742,183千円となり、前連結会計年度末に比べ303,649千円の減少となりました。流動資産は3,328,680千円となり、前連結会計年度末に比べ51,569千円の減少となりました。これは、主に現金及び預金が112,735千円減少したこと、受取手形及び売掛金が28,673千円増加したことなどによります。固定資産は3,413,503千円となり、前連結会計年度末に比べ252,079千円の減少となりました。これは、主にのれんが192,223千円減少したことなどによります。 

負債合計は3,886,148千円となり、前連結会計年度末に比べ707,055千円の減少となりました。流動負債は2,285,333千円となり、前連結会計年度末に比べ3,045千円の増加となりました。これは、主に短期借入金が250,000千円増加したこと、未払法人税等が150,906千円減少したことなどによります。固定負債は1,600,814千円となり、前連結会計年度末に比べ710,101千円の減少となりました。これは、主に長期借入金が708,000千円減少したことなどによります。

純資産合計は2,856,034千円となり、前連結会計年度末に比べ403,406千円の増加となりました。これは、主に資本金が116,852千円増加したこと、資本剰余金が116,852千円増加したこと、利益剰余金が171,379千円増加したことなどによります。

 

③経営成績の分析

当社グループのサービス別売上高は前連結会計年度に比べ、リペアサービスは0.4%増4,670,355千円、住環境向け建築サービスは6.8%減3,320,842千円、商環境向け建築サービスは20.7%増3,471,750千円、商材販売は10.5%減776,627千円となり、連結売上高は2.3%増12,239,576千円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ20.7%増403,923千円、経常利益は20.7%増345,004千円52.7%増171,379千円となりました。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資金需要は、主に人件費及び外注費の支払、補修材料の仕入資金であります。当社グループは、事業活動に必要な資金を確保するため、内部資金を活用するほか、金融機関からの借入を行っております。また、資金使途に応じて最適な資金調達手法を検討し、適切なコストで安定的に資金を確保することを基本方針としております。 

 

(3)経営者の問題意識と今後の方針について

現在の我が国の経済は、先行きに不透明感があり本格的な景気回復とは言い難い状況が続いております。当社グループとしてもコスト削減、従業員の意欲・能力の向上、経営効率の向上を重点課題として取り組んでいますが、グループの総力をあげて、建築・建設業界において無くてはならないポジション「施工プラットフォーマー」の確立に注力し、お客様から選ばれる会社を目指し活動していきます。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。