(1) 経営方針
当社グループは、社訓に「お客様のために役立つ」、「お客様に信頼される」、「お客様のために常に力強く発展する」企業グループであることを掲げ、お客様のライフステージ全般をお手伝いさせていただく事業者となることを経営理念としております。顧客第一主義の原則のもと、事業の収益性を高め、持続的成長と企業価値の更なる向上を追求してまいります。また、2022年4月、東京証券取引所の市場区分がJASDAQ(スタンダード)からスタンダード市場に変更となり、コーポレートガバナンスの更なる強化に取り組んでまいります。
(2) 当社を取り巻く経営環境
急速に進行する少子高齢化と将来確実に訪れる総人口の減少、従来の標準的な人生設計の崩壊、第4次産業革命ともいうべき産業構造の大転換等、当社グループは、経営環境の激変に直面しております。これらに加え、新型コロナウイルス感染症により、伝統的価値観の変容及び社会構造の変革を加速していると言っても過言ではありません。
(3) 当社グループの対処すべき課題と対応
①次世代経営陣への事業承継
当社グループは、1933年平塚市に仏壇・仏具・葬儀店「サカエヤ」を創業以来、2023年には90周年を迎えることとなります。またその先の100周年に向けて、次世代経営陣が新たな時代を切り開き、力強く経営していくためには、円滑な事業承継を果たし、盤石の体制を確立することが極めて重要な経営課題であると認識してきました。2022年6月24日開催の当社第4回定時株主総会後、代表取締役会長竹内恵司が退任し、専務取締役竹内圭介が代表取締役副社長に就任し、代表取締役社長比企武とともに、事業を承継してまいります。
②「上場持株会社」として企業グループ経営を再構築
当社は、持株会社として、グループ全体の事業ポートフォリオの機動的な見直しを実施することで、経営環境の変化に応じた迅速かつ果断な経営判断を通じ、グループ全体の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。
また、スタンダード市場上場企業として経営管理を的確に行うため、取締役会の監督機能を強化し、更に監査等委員会設置会社として、グループ全体を包括するコンプライアンス体制、リスク管理体制、内部監査体制を充実させ、当社グループ全体のガバナンスを、より一層強化してまいります。
この推進に当たり、「新しい生活様式」、「変化する社会構造」、「働き方改革」に対応した経営を行ってまいります。
また、スタンダード市場上場企業としての社会的要請も踏まえ、コーポレートガバナンスコードを指針とし、「CSR(企業の社会的責任)」、「ESG(環境・社会・ガバナンス)」、「SDGs(持続可能な開発目標)」も意識した企業グループを目指してまいります。
③強靭な事業基盤の確立
イ.ビジネスモデルの再構築
将来にわたる日本経済の直面する課題や、コロナショックを契機とした価値観・社会構造の変化に対応していくため、従来当社グループが展開してきたビジネスモデルを見直し、再構築することが必要であると考えております。
ロ.「ホテル・ブライダル事業」…ローコストオペレーション徹底による黒字化実現
ホテル・ブライダル事業におきましては、お客様ニーズに基づいたフォトウェディングやこども写真館(キッズドリーム)などの新企画にも取り組んできました。また、今期は、EC事業を本格稼働させるとともに、今後コロナ感染が収束していくことを見越し、ご婚礼の獲得強化にも努めてまいります。
一方、2020年度以降、コロナ感染拡大による度々の緊急事態宣言の発出により、ご婚礼・ご宴会を主体とした飲食を伴う来店・集客型のホテル事業は大きな打撃を受けました。今後、コロナ収束後もお客様の消費形態は完全には戻らないと認識しております。2020年10月、ホテル・ブライダル事業を株式会社サン・ライフから事業分割することで設立した株式会社サン・ライフサービスは、様々な魅力あるコンテンツの提供とローコストオペレーションの徹底により、事業の黒字転換を図ってまいります。
ハ.「式典事業」…ブランド戦略再構築
式典事業におきましては、戦略的かつ機動的な新規斎場の出店を継続しつつ、葬祭ホールにおけるプライベートな空間の創出、エンバーミング(ご遺体衛生保全)の実施、海・山の自然葬(散骨)などを手掛けてまいりました。
一方、家族葬や1日葬の増加に見られるように、お客様が当社グループに求めるご葬儀に対するニーズは急速に多様化してきています。こうした変化を受けて、「想いを大切にしたご葬儀」の根幹は堅持しつつ、規模・価格帯に応じたブランド戦略の再構築を積極的に推進してまいります。
また、オンラインとオフラインを融合した広告宣伝を実施するとともに、他社との提供サービスの差別化を図り、顧客満足度の高い当社独自のご葬儀を提供してまいります。
ニ.「介護事業」…サービス体制の強化とシニアライフ支援に事業領域を拡大
介護事業におきましては、サービスのより一層の品質向上のため、看護師、ヘルパーの確保に努め、サービスの提供体制の強化を図り、M&A等により新規介護施設を展開・推進してまいりました。
今後も拡大する介護市場に対応していく為、外国人労働者の活用を含めた人員採用、ITの活用によるサービス提供体制の強化を図るとともに、部門の事業領域を介護に限定して捉えるのではなく、シニアライフ支援事業として、介護を必要としない幅広いシニア層への各種サービスを提供する新たな事業展開を模索してまいります。
ホ.互助会事業の戦略見直し
互助会事業におきましては、お客様ニーズに応じた魅力的な商品・サービスの開発とご案内を行うとともに、従来の展示会、フェスタなどのイベントに加え、オンライン相談、予約システム、メンバーズアプリの導入及び相談サロンの設置等を通じて更なる顧客基盤の拡大を図ってまいります。
今後、互助会事業を、募集を通じた会員拡大や将来のお客様の囲い込みとしてのみ捉えるのではなく、前項のシニアライフ支援事業も含め、互助会会員の皆様のより充実した生活の実現に、当社グループの各事業を、いかに有効かつ継続的にご利用いただくかに重点を置いて展開してまいります。
ヘ.新規事業の積極的な展開
2020年2月に「東京霊園」を管理・運営する高尾山観光開発株式会社を当社グループに加えました。ご葬儀の延長として霊園事業を組み込み、既存事業とのシナジー効果を高めていくことで、一貫した質の高いグリーフ(癒し)ワークを実現し、順調に事業展開を図っております。今後更に大きく展開してまいります。
また、2019年11月にハウスクリーニング、業務用清掃を主要業務とする株式会社スキルを当社グループに加え、新たな顧客サービスの向上に努めてまいりました。昨今のお客様ニーズにも合致しており更なる業績拡大に努めてまいります。
④経営基盤・財務基盤強化のための経営戦略
イ.持株会社化の総仕上げ(事業の再編・再構築)
当社グループは、2018年10月、当社を設立し持株会社化いたしました。持株会社体制のもと、大胆にグループの事業再編・再構築を実施することが、今後の当社グループの力強い発展には不可欠であると考えております。
今後、経営リソースのセグメント間における配分見直し等、中長期的な成長と企業価値の向上のため、多角的に検討してまいります。
ロ.人事制度改革と専門性の高い人材の採用・登用
「働き手の減少」は、当社グループの今後のビジネスモデルに対しても大きな懸念材料と捉えております。人材の確保と育成は、当社グループの最重要課題の一つであり根幹を成す部分であります。当社は、ジョブ型志向の制度を組み込むことで、更なる業務の効率化を図るとともに、専門性の高い人材の採用や登用を円滑に実施していくため、2022年4月、人事制度の見直しを実施しました。
ハ.積極的な事業投資姿勢の継続
「急速な少子高齢化・人口減少」を前提とした全く新しい経営環境の中、中長期的な成長シナリオを描くためには、拠点整備だけでなく、M&Aによる事業拡大、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進等新たな投資の増加は不可欠であると認識しております。
投資にあたっては、「戦略性」、「価値創造性」、「既存事業とのシナジー性」等について十分に検討を加えつつ、積極的な投資姿勢を継続してまいります。
ニ.予算・損益管理の精緻・厳格化
今後の経営環境の変化の中でも着実な業績を上げるため、予算・損益管理の精緻・厳格化に努めてまいります。そのための取り組みとして、管理会計制度を導入することで、部門・セグメント毎の予算責任を明確化の上、より利益率を重視した中長期計画と年度予算を策定してまいります。また、現状、事業セグメントごとに管理している損益予算・実績を、施設・拠点毎にきめ細かく管理していくことも検討してまいります。
ホ.コスト管理の徹底
お客様にご満足いただけるサービスを持続的、安定的にご提供していくために、引き続きコスト管理を徹底してまいります。
ヘ.キャッシュ・フロー重視の経営
今般のコロナショックは、当社グループの事業全体に多大な影響を及ぼしております。しかしながら、当社グループの安定したキャッシュ・フローの充実が経営の安定を支えております。あらゆる課題を解決し、当社が将来に向けて力強く発展していくために、引き続きキャッシュ・フローを重視し、事業展開してまいります。
ト.「労働生産性」の向上
新人事制度の導入により、専門性の高い人材を円滑に採用し登用していくとともに、より成果主義に基づく報酬制度に変更していくことで、職員のモチベーションを高め、一人当たりの「労働生産性」を高めてまいります。
これらの活動により当社グループは、経営方針のとおり、お客様のライフステージ全般のあらゆるご要望にお応えし、より豊かな人生のお手伝いをさせていただく事業者として、邁進いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらのリスクをむしろチャンスとして活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 互助会事業に関わる規制について
①当社グループの互助会事業
当社グループは、婚礼・宴会を中心とするホテル事業(ホテル・ブライダル事業)と、葬儀を中心とする式典事業(葬祭・法要事業)を行っており、当社の連結子会社である株式会社サン・ライフ及び株式会社サン・ライフサービスが主体となって当該事業を推進しております。
当社の連結子会社である株式会社サン・ライフメンバーズ他1社(以下「同社等」という)は、メンバーズシステム(互助会)事業を行っております。この互助会事業は、割賦販売法(以下「割販法」という)により「前払式特定取引(注1)」として規定され、経済産業大臣の営業許可が必要とされております。この許可に基づき、「同社等」は互助会加入への募集活動を行い、互助会の加入者(以下「互助会加入者」という)と、互助会契約(株式会社サン・ライフメンバーズ契約約款等)を締結し、互助会加入者より毎月一定の月掛金の払込みを受け、当社グループはそれらを連結貸借対照表に「前払式特定取引前受金」として固定負債に計上しております。原則として掛金全納後、互助会加入者は冠婚葬祭の施行請求の権利を得て、「同社等」は互助会加入者からの施行の申し込みにより、冠婚葬祭の施行義務を負う仕組みになっております。((図1)参照)。
(図1)当社グループ互助会事業の仕組み

(注1)前払式特定取引とは2ヶ月以上かつ3回以上にわたって会費等の名目で前払金を払うことによって、商品や政令で指定されたサービスの提供を受ける取引の形態であります。
(注2)互助会加入者の施行申し込みは、直接施行会社である株式会社サン・ライフ及び株式会社サン・ライフサービスに申し込まれる場合があります。
②「割販法」上の各種規制について
「同社等」の冠婚葬祭互助会事業は「割販法」によって前払式特定取引業として同法の適用を受け、以下の規制を受けております。
イ.前払式特定取引前受金の保全義務
毎年3月末、9月末の互助会会員より徴収した掛金(前払式特定取引前受金)残高の2分の1に相当する金額について保全措置の義務があり、法務局への供託(現金及び国債等)又は保証会社等と前受業務保証金供託委託契約を結ぶことにより保全措置を講じることとなっております。
ロ.前払式特定取引前受金に関する規制
経済産業大臣は事業の健全な推進と消費者保護の立場から、事業者に対し財産及び収支に関する報告書の提出を求めます。経済産業大臣は、経常収支率、流動比率、純資産比率が、同法施行規制の定める基準値を下回る場合、事業者に対して前払式特定取引の契約締結の禁止命令及び必要な改善命令を出すことが出来ることとなっております。
さらに事業者は同法の定めにより、上記、前払式特定取引前受金の保全業務、営業保証金の供託、財産及び収支に関する報告書の提出に加え、契約約款を変更した場合の届出等を行う必要があります。現時点において、「同社等」は、「割販法」上の改善命令等、法的処分を受けた事実はありませんが、仮に現在の法的規制及びその運用が変更され、それによって収支率等の改善を図る必要が生じた場合、何らかの理由により「同社等」の事業の許可が取り消され、または停止された場合、あるいは当該法規制が改正・強化され、その対応のために新たな費用負担が発生した場合等には、当社グループの事業展開、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、「割販法」上の法的規制の運用は所轄官庁である経済産業省により行われ、諸般の事情により随時変更・撤廃される可能性があります。
互助会事業は、当社グループの営業収入を確保する重要な基盤であり、当社グループは今後とも当該事業を推進し、互助会加入者の増加及び会員から受け取る前受金の残高増加に努める方針でありますが、互助会からの退会者の増加等、何らかの理由により互助会事業の推進がうまくいかなかった場合には、当社グループの事業展開、業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食品衛生法に関する規制について
当社グループは飲食業を営む関係上、食品衛生法の規制を受けております。食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生防止、並びに公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としており、食品等事業者は、食品衛生責任者を置き、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県知事の許可を受ける必要があります。また、食中毒を起こした場合等、食品衛生法の規定に抵触した場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等の処分を命じられることがあります。当社グループは引続き食中毒等の防止に努めていきますが、万一、何らかの衛生管理上の問題が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人口動態による業績への影響
2021年(1月~12月)の出生数は約84万人に対し、死亡数は約145万人と自然減が続き(「2021年人口動態統計速報」より)、2065年にはわが国の人口は約8,808万人、65歳以上の人口比率が約38.4%(「内閣府2021年版高齢社会白書(全体版)」より)と予測されております。
総人口の減少及び一層の少子・高齢化の進展は当社グループにとって大きな影響を及ぼすと考えられますが、想定を超える急速な減少によるターゲット層の大幅な減少、人口動態の変化による伝統的な価値観の変容、社会構造の大変革等、起こりうる変化に対して、ビジネスモデル再構築の遅れ、ライフスタイル・ニーズの変化・多様性への対応の遅れによる成長機会の損失は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 競合他社について
当社グループの行う事業、領域において、従来から競合関係にあった企業のみならず、昨今ではネット事業者や周辺事業者からの参入も見受けられます。
今後、競争の激化による当社グループの市場シェアや価格競争による販売価格の下落は、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 顧客情報の管理について
当社グループは、冠婚葬祭及び互助会事業等、その事業特性上、多くの顧客情報を取り扱っております。
当社の子会社2社が、財団法人日本情報処理開発協会の定める「プライバシーマーク制度」の認定事業者となるなど顧客情報の管理には十分留意しております。当社グループは引続き顧客情報の管理に努めていきますが、万一何らかの顧客情報管理上の問題が発生した場合には、その後の事業展開、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 代表取締役副社長の兼任について
当社代表取締役会長竹内恵司は、2022年6月24日開催の第4回定時株主総会終結の時をもって、当社及びすべての連結子会社の取締役から退任しており、専務取締役竹内圭介が代表取締役副社長に就任しております。
代表取締役副社長竹内圭介は、社会福祉法人惠伸会の理事長、並びに学校法人鶴嶺学園の理事長を兼任しております。社会福祉法人惠伸会は特別養護老人ホーム「サンレジデンス湘南」等を運営しており、学校法人鶴嶺学園は福祉、ウェディング、葬祭の専門学校(計3校)を運営しております。竹内圭介は理事長の職にありますが、当社代表取締役副社長として、会社全体の運営・管理・監督を行い、経営者としての役割を着実に務めております。
当社グループと両法人との間には、2022年3月期において以下の取引があります。
取引条件及び取引条件の決定方針等
(注) 社会福祉法人惠伸会(特別養護老人ホーム等運営)・学校法人鶴嶺学園(専門学校運営)との取引であり、市場価格を勘案して一般取引条件と同様に決定しております。
なお、当社グループは有料老人ホーム事業(シニア向住宅及び要介護者向住宅事業)を行っております。当該事業は社会福祉法人惠伸会の運営する特別養護老人ホームとは、社会福祉法人の設立目的、法令その他行政上の規制等の観点及びターゲットとしている顧客の違い等の理由により、競合は発生しないものと考えておりますが、万一、社会福祉法人惠伸会の運営方針の変更・追加等が行われ、競合が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 顧客のライフスタイル・顧客ニーズの変化について
当社グループの主たる事業であるホテル事業及び式典事業は、顧客のライフスタイルの変化の影響を強く受けます。これら顧客のライフスタイルまたはニーズの変化にうまく対応できず、適時に的確な企画・提案・施行等ができなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症について
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対し、社長直轄の対策本部を立ち上げ、日々変化する状況に応じて、顧客、ビジネスパートナー、社員及びその家族の安全確保・感染予防・感染拡大防止を最優先とする方針のもと、事業継続に向けた対策を随時実施しております。しかしながら、今後さらなる感染拡大や流行が長期化した場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症蔓延の直接的、間接的な影響により、企業収益及び個人消費は停滞しております。さらには2021年11月に入りオミクロン株の世界的な流行により、依然として経済状況は不透明な状態が続いております。
また、「2021年人口動態統計速報」によれば、2021年(1月~12月)の出生数は約84万人に対し、死亡数は約145万人と自然減が続き、「内閣府2021年版高齢社会白書(全体版)」によると、2065年にはわが国の人口は約8,808万人、65歳以上の人口比率が約38.4%と、総人口の減少及び一層の少子・高齢化が予測されております。
経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によりますと、結婚式場業の2021年の取扱件数は前年比92.0%増の62,897件、売上高は前年比94.9%増の183,179百万円となっております。一方、葬祭業の2021年の取扱件数は前年比6.4%増の470,464件、売上高は前年比6.1%増の527,633百万円となっております。
このような状況下、当連結会計年度売上高は11,055百万円(前期比7.1%増)、営業利益は354百万円(前期比559.4%増)、経常利益は454百万円(前期比85.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は406百万円(前期比200.2%増)となりました。
当社グループにおけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ホテル事業(ホテル・ブライダル事業)
ホテル事業では緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発令、オミクロン株の世界的流行の影響を受け、予定しておりましたご婚礼、ご宴会、ご宿泊、レストラン、イベントの多くが中止もしくは延期となりました。引き続き飲食を伴うご宴席や集会の機会が自粛される情勢の中でありますが、感染防止対策を取りながらご婚礼、ご宴会の施行の推進、お弁当販売、クリスマスケーキやおせち販売など、ご来場者以外の販売への取り組みをさせていただいたこともあり、売上高は前期比47.3%増の700百万円、営業損失は232百万円(前期は405百万円の営業損失)となりました。
式典事業(葬祭・法要事業)
式典事業では、競合環境の激化、新型コロナウイルス感染症の影響による儀式儀礼の小規模化の流れの中、お客様からご用命いただけるよう事業基盤を構築していくことが求められております。更なるご用命機会の拡大のために、2021年4月には一般葬、家族葬対応施設「サン・ライフ 小田急相模原駅前ファミリーホール」(神奈川県相模原市南区)、2021年12月には家族葬対応施設「ファミリーホール日野」(東京都日野市)を開設し、ご葬儀件数は増加しました。
また、お客様とのご相談機会を増やすため、イベント活用、広告による認知度向上策、ご相談体制の強化、人材教育を強化してまいりました。霊園事業については、東京霊園を運営管理する高尾山観光開発㈱での墓所の販売が好調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は前期比4.9%増の7,948百万円、営業利益は前期比10.6%増の1,658百万円となりました。
介護事業
介護事業では、介護サービスご利用者の増加とサービス向上に努めてまいりました。2022年2月から3月にかけてエミーズ東間門(静岡県沼津市)とエミーズ鴨宮(神奈川県小田原市)において新型コロナウイルス感染者の発生と営業休止の措置が取られたものの、売上高は前期比0.8%増の1,901百万円となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛によるサービス利用の減少や新規入居制限などもあり、営業損失は55百万円(前期は32百万円の営業損失)となりました。
その他の事業
その他の事業では、各種手数料・管理収入、少額短期保険収入やハウスクリーニング事業等の増加があり、売上高は前期比32.8%増の505百万円となりましたが、当社事業用不動産の保守・管理コストの負担により営業利益は前期比5.5%減の14百万円となりました。
財政状態については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①イ.:財政状態の認識及び分析」に記載しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は前連結会計年度末に比べ57百万円減少し、8,934百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は928百万円となりました。主な収入要因として、税金等調整前当期純利益359百万円、減価償却費580百万円、減損損失108百万円、のれん償却費173百万円があった一方、主な支出要因として法人税等の支払額256百万円、前払式特定取引前受金の減少228百万円等があったことが主たる要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は945百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出556百万円、定期預金の預入による支出150百万円、投資有価証券の取得による支出1,002百万円があった一方、投資有価証券の償還による収入800百万円があったことが主たる要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は45百万円となりました。これは、配当金の支払額195百万円があった一方、短期借入金の収入150百万円があったことが要因であります。
当連結会計年度における売上実績を、セグメントごとに示すと次のとおりです。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
イ. 財政状態の認識及び分析
資産合計は35,287百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりました。
流動資産は10,652百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。これは、現金及び預金の増加(93百万円)、その他流動資産の増加等(95百万円)が主たる要因であります。
固定資産は24,634百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。これは、土地及び建物の取得による増加があった一方、減損損失の計上等による有形固定資産の減少(44百万円)、のれんの減損損失計上による減少等による無形固定資産の減少(288百万円)、投資有価証券の取得による増加、繰延税金資産の増加等による投資その他の資産の増加(479百万円)等が主たる要因であります。
(負債)
負債合計は30,391百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。
流動負債は2,105百万円(前連結会計年度比23.6%増)となりました。これは、買掛金の増加(30百万円)、未払金の増加(42百万円)、その他流動負債の増加(283百万円)等が主たる要因であります。なお、その他流動負債の増加のうち300百万円は、グループ会社(株式会社サン・ライフサービス)における外部金融機関からの短期借入金であり、同社がグループ間金融に頼ることなく、独立採算で事業展開を行う目的で敢えてグループ外部から資金調達を行ったものであります。
固定負債は28,286百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。これは、前払式特定取引前受金の減少(228百万円)が主たる要因であります。
(純資産)
純資産合計は4,895百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益406百万円の計上及び配当金の支払195百万円等により、利益剰余金が増加(192百万円)したこと、その他有価証券評価差額金の減少16百万円等が主たる要因であります。
ロ. 経営成績の認識及び分析
(売上高)
売上高は11,055百万円(前連結会計年度比7.1%増)となりました。
売上高増加の主な要因としては、ホテル事業(ホテル・ブライダル事業)では、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発令、オミクロン株の世界的流行の影響を受け、予定していたご婚礼、ご宴会、ご宿泊等の多くが中止もしくは延期となりましたが、引き続き飲食を伴うご宴席や集会等の機会が自粛される情勢の中でも、感染防止対策を十分に取りながら、ご婚礼、ご宴会の施行等を推進した結果、売上高は前期と比較し増加しました。
また、式典事業(葬祭・法要事業)では、競合環境の激化、新型コロナウィルス感染症の影響による小規模化の流れの中ではありましたが、新規に2施設を開設し、ご葬儀件数が大幅に増加したことにより、売上高は前期と比較し増加しました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は8,557百万円(前連結会計年度比4.3%増)となりました。これは、ホテル事業及び式典事業の売上高増加に伴う変動費の増加等が主たる要因です。
この結果、売上総利益は2,497百万円(前連結会計年度比18.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は2,142百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。これはWeb広告の積極的な推進に伴う広告宣伝費の増加、新入社員及び障害者雇用の人員増に伴う人件費の増加に加え、業績回復に伴う賞与見込額(引当金)の増加等が主な要因です。
この結果、営業利益は354百万円(前連結会計年度比559.4%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度は191百万円の利益(純額)に対して、当連結会計年度は99百万円の利益(純額)となりました。これは主に、預り金取崩益87百万円の減少によるものです。
この結果、経常利益は454百万円(前連結会計年度比85.4%増)となりました。
(特別損益)
特別損益は、前連結会計年度は2百万円の損失(純額)に対して、当連結会計年度は94百万円の損失(純額)となりました。これは主に、当期に減損損失108百万円を計上したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、△47百万円(前連結会計年度は法人税等合計107百万円)となりました。これは主に、当期に繰延税金資産を追加計上(法人税等調整額は利益)したことによるものです。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は406百万円(前連結会計年度比200.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループは、主に営業活動により獲得したキャッシュ・フローを原資として投資活動を行っております。
ロ. 資本の財源及び資金の流動性について
当社の運転資金需要のうち主なものは、冠婚葬祭、介護サービスを提供するための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに、当社グループの施設の新設、改修等に係る投資であります。運転資金及び投資資金については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金を基本としております。また将来、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に貢献するという判断により、成長分野におけるM&Aを含めた投資の検討を行ってまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。