当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは創業時より「事業活動を通じての社会への貢献」と「全従業員の物心両面の幸福の追求」の2つを経営理念としております。また、経営理念に基づく当社グループの事業活動を示すミッションとして「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」を掲げております。
このミッションに基づき、拡大するリユース市場の中で私たちの強さを活かし、リユースのリーディングカンパニーとして循環型社会の形成に貢献するとともに、全従業員が自信と情熱を持ち、安心して働き、成長できる会社になることを目指します。
当社グループは2028年5月期を最終年度とする中期経営方針において、グループの強みである人財育成やサステナビリティへの取組などの普遍的な価値を土台とし、「深化領域」と位置付ける国内ブックオフ事業で、認知度の高さを活用して安定した収益を獲得するとともに、「探索領域」と位置付けるプレミアムサービス事業、海外事業や新たな事業に対して投資原資・ノウハウを投入し、経験豊富な人財の輩出によりグループの事業規模拡大と利益成長を進めていくことを定めました。
(2)事業別の基本方針
① 国内ブックオフ事業
当社グループの中核事業であり、売上・利益の占有率が高く安定した収益獲得を続けることによって成長に向けた投資原資を生み出す役割を担います。
<現状>
(a)主な店舗パッケージ
○BOOKOFF SUPER BAZAAR
主に郊外ロードサイドや大型ターミナル駅前繁華街に出店する、当事業収益の中核を担うリユース店舗パッケージであります。1,000坪内外の広大な店内で、お客様に本・ソフトメディアはもちろんのこと、アパレル、トレーディングカード、ホビー商材、スポーツ用品、ベビー用品、ブランド品、楽器、生活雑貨まであらゆる商品を取り揃えてリユースを体験していただく場として、多くのお客様にご利用いただいており、引き続き成長する柱と位置づけております。成長するリユース市場の中で競合他社の出店も進んでおり、店舗の立地や規模に応じた売場づくりと運営改善により売上・利益の成長を持続させることが課題となっております。
○BOOKOFF PLUS、BOOKOFF
主にロードサイドから駅前繁華街まで幅広く出店する、ブックオフチェーン店舗数の8割以上を占めるリユース店舗パッケージであり、顧客接点として重要な役割を担っております。本・ソフトメディアに加え、アパレル、トレーディングカード、ホビー商材等、地域特性に合わせた商材ラインナップで、エンタメ性を強化しております。主力商材である本・ソフトメディアの一次市場流通量減少により今後、仕入・売上の確保が厳しい状況となることも予想されているため、新たな商材の追加やネット販売の活用等、世の中の変化に対応することも求められております。
○あそビバ
大型ショッピングモールに出店するトレーディングカードやゲームソフト等、遊べるアイテムを豊富に取り扱う専門店で、トレーディングカード、ホビー商材、アニメグッズ中心の顧客層に、新品・中古を問わず遊べる場所を提供しております。既存のBOOKOFF商圏にも出店し、共存することが可能となっております。
(b)ネット販売店舗並びにEC物流センター(主なECサイト:BOOKOFF公式オンラインストア)
2007年よりECサービスを展開し国内最大級の中古書籍在庫量を誇る「BOOKOFF公式オンラインストア」を運営しております。「BOOKOFF公式オンラインストア」は本・ソフトメディアを中心に売上を継続的に伸ばしてきましたが、配送単価や人件費単価の上昇の影響により収益性の維持に課題があります。また宅配買取によって集められたEC物流センターの商品在庫を適切な回転率で販売につなげるために、自社サイト「BOOKOFF公式オンラインストア」に加えてヤフオク、楽天等、他のECモールサイトに同時出品をすることによって売上を安定して増加させております。継続的な業務改善、業務システムの刷新による生産性の向上、首都圏を中心とした配送効率改善等により、コスト低減を進めております。
(c)公式スマホアプリ
国内ブックオフ事業の公式スマホアプリ会員は、2024年5月に755万人を突破し、今後もさらなる増加を目指しております。公式スマホアプリを基盤に、ロイヤルティプログラムの強化をはじめとする多様なCRM施策を展開し、顧客との直接的なコミュニケーションを通じて信頼関係を深めています。これにより、安定した収益基盤の構築を実現しております。目指す世界は、公式スマホアプリを中心に、顧客が時間や場所にとらわれることなく、さまざまなサービスを簡便に利用できる環境を提供することです。具体的には、書籍を中心に、多くの商材を利用いただけるようにし、店舗とECの両方でシームレスな購買体験を提供してまいります。さらに、購入だけでなく、買取サービスも積極的に利用していただけるような施策を強化し、アプリを軸にした統合的な顧客体験の向上を図ります。
<方針>
・グループの中核事業として、現状の利益水準を確保しつつ資本効率を改善し、成長事業への人財・ノウハウの輩出を継続的に行うことで、お客様へ最高のリユース体験を提供する
・書籍により獲得する粗利額の維持、買取の利便性向上、商品在庫の可視化と検索性の向上等、本を中核商材に位置付けて、地域に合わせた商材拡張を行う
・利便性向上、継続的な出店、リプレイスやリニューアル、新店舗パッケージの開発等の実施によりブックオフを「超便利に・超面白く」を実現する
・方針実現のために次の戦略を実行する
顧客戦略:来店頻度の向上、来店機会の創出
買取戦略:体験価値の向上、お客様コストの削減、改善の継続性
デジタル戦略:ユーザビリティの改善、商材拡張、アプリ機能の拡充
人財戦略:社員積極採用、評価基準・キャリアパスプランの多様化
② プレミアムサービス事業
<現状>
所得水準が高く、従来BOOKOFFに馴染みが薄いアッパーマス層以上のお客様をメインターゲットに、百貨店内買取窓口を展開する「hugall」、世帯年収が比較的高い地域で路面展開する「BOOKOFF総合買取窓口」、百貨店やショッピングセンター等商業施設内にてジュエリーのリペア・リメイクサービスを提供する「aidect」は、BOOKOFF店舗ではリーチできないお客様層との重要な接点です。
「hugall」は買取から販売における業務効率が改善され百貨店内買取窓口や、様々なジャンルに精通した専門家による訪問買取を中心に良質な商材を用いて収益を生み出す体質となっており、今後の利益成長においては百貨店を中心に拠点の拡大並びに利用客数の継続的な拡大が課題となっております。
「BOOKOFF総合買取窓口」は、ブランド品のリユースだけでなく書籍・ソフトメディアのリユースを取り扱うことで他社との差別化を図っております。
「aidect」は職人の手仕事によるジュエリーオーダー&リフォーム スペシャリティストアであり、リペア・リメイクを通じた新たなサービスを提案しております。ターゲット顧客層との接点拡大のため、グループ内店舗との連携など、収益化に向けテコ入れを実施しております。
従来、ブックオフがリーチしきれていない顧客層の居住地やサービスを求める場への出店を加速する一方で、ブランド品、貴金属等の買取市場は競合他社の出店も多く、今後、差別化が必要となります。
<方針>
・全国主要百貨店や東京都心部などに店舗網を拡大し、所得の高いお客様層へ買取サービスだけでなく、店舗を軸にアライアンス等を強化することで、顧客との接点を増やし、より付加価値の高いサービスの提供機会を増やして収益増加を図る
・2028年5月期までに、国内主要都市を中心とした100店舗体制を確立する
③ 海外事業
<現状>
アメリカ合衆国において、「BOOKOFF」を展開するほか、2016年からは日本国内で販売に至らなかった商品の出口戦略として、マレーシア国及びカザフスタン共和国において「Jalan Jalan Japan」を展開しております。海外事業における各業態は、取扱商材の独自性やインフレ等現地の経済動向により収益性が高いことに加えて店舗拡大により売上規模が増加していることで、グループへの利益貢献度も近年上昇傾向となっております。
「BOOKOFF」については、アメリカ合衆国において、エンターテインメント性を高めるために商材を増やす中、「アニメグッズ」が新たな集客を生む存在となっております。また市場の流れをつかんだ価格戦略とSNSによる認知向上が加わった結果、過年度出店が寄与し、経常利益2億円以上の安定した収益体質につながりました。2024年5月期においても2店舗の新規出店を行いました。
「Jalan Jalan Japan」については、マレーシア国において、日本国内で販売機会に恵まれなかった商材を現地へ出荷して販売することで、独特なエンターテインメント性を生み出す存在となっており、出店に応じて事業規模が拡大しております。2023年は、既存店の伸びに加えて過年度出店が寄与し、経常利益5億円超と増益を達成しました。また中央アジアのカザフスタン共和国においては「Jalan Jalan Japan」加盟店の出店を行い、2店舗体制となりました。
<方針>
・各国において今後出店を継続的に実施するために現地採用社員の増強、育成を進める
・「BOOKOFF」はアメリカ合衆国において、日本国内のアニメグッズの高付加価値化を推進するとともに継続的な出店による事業拡大を推進し、2028年5月期までに合計30店舗、2033年5月期までに100店舗体制を目指す
・「Jalan Jalan Japan」は、マレーシア国内において直営店の新規出店を推進する一方、カザフスタン共和国においては事業性の高さを踏まえ合弁会社を設立し、さらなる多店舗展開を進め2028年5月期までに合計50店舗、2033年5月期までに100店舗体制を目指す
(3)経営環境
近年の人口減少の中、リユース市場は拡大を続ける一方で、同業他社も多数の出店を重ねており、参入障壁が低いことから、中小規模の事業者やFC形式での多店舗展開も容易に広がっております。市場の拡大に伴い、貴金属の訪問買取りやフリマアプリ等でリユースに関するトラブルは増加傾向にあり、リユース業界におけるサービス品質の低下も懸念されます。今後、リユースに対する印象の悪化から、利用者拡大の停滞、市場の成長鈍化、参入企業の淘汰等のリスクも想定されます。
こうした背景を踏まえて、当社グループとしては着実な事業成長をベースとして、同業他社にない価値(優位性)をもって業界におけるポジショニングを確立すること、また業界をリードする存在として当社グループの事業活動が消費者の「リユース行動」そして、「リユース業界」そのものをポジティブにする存在でありたいと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき課題は以下のとおりと考えております。
① 事業ミッション「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」の実現
当社グループは「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」を事業ミッションとして掲げ、リユースのリーディングカンパニーとして顧客層を拡大し、多くの人に最も安心してご利用いただけるリユースチェーンを目指して、大型複合店舗の出店やネットによる販売、各種イベント等を通じた最高のリユース体験と、あらゆる客層に安心してリユースを利用できる場を提供してまいります。
そのために、店舗においてはお客様に楽しんでいただけるような売場作りやサービス水準の確立、各種マニュアルの徹底や実践的な研修を通じたオペレーション水準の向上及び事業ミッションをイメージしたブランディング戦略に基づく活動に取り組んでまいります。
② グループの事業方針に基づく持続可能な事業成長に向けた取組の実現
当社グループは、国内ブックオフ事業を中心にBOOKOFF等店舗と取扱う商品、サービスをより一層深化させるとともに、プレミアムサービス事業と海外事業を中心に新たなお客様層や市場への更なる探索を実行して、事業環境の変化に強いポートフォリオを構築し、持続可能な事業成長を実現してまいります。
③ グループの持続可能な成長の中核となる人財の確保・育成
当社グループが将来にわたり継続して企業価値を拡大していくため、未来の経営を支える人財の確保・育成が急務であります。
わが国の小売業界において人手不足並びに人件費の上昇など厳しい雇用環境が続くなかで、各種業務プロセスの省力化による業務効率化や待遇の改善、多様性に富んだ人財受け入れを可能とする人事制度の構築などにより、積極的な採用を進める動きとともに、長く安心して働き続けられる環境を整備し、「働きがい」と「働きやすさ」の両面で人財確保並びに人財育成に取り組んでまいります。
④ 企業倫理の徹底・浸透の拡充
当社グループは、コンプライアンスの徹底を企業の社会的責任の根本と位置づけ、各種ステークホルダーとの信頼関係を構築するために当社グループの役員及び従業員が遵守すべき指針として、「コンプライアンス・ガイドライン」を制定しております。当ガイドラインの理念浸透と徹底に向けて、全グループの役員及び従業員に対し、各種研修や会議、社内報やイントラネットの活用等を通じて啓蒙活動を行ってまいります。
また、アカウンタビリティー(説明責任)を確保するために、内部統制の整備と運用による責任分担の透明化を推し進めるとともに、経営の適時適切な情報開示や決算情報の早期開示の実現をはかってまいります。
⑤ 特別調査委員会による調査報告書を受けての対応
当社グループは、2024年6月25日に当社から独立した中立かつ公正な外部専門家による特別調査委員会を設置して調査を行い、調査報告書を受領しました。当社子会社の期末棚卸において認識した棚卸差異の調査を契機として、従業員による架空の買い取り、在庫の不適切な計上及びこれらによる現金の不正取得が確認されました。本事案の影響額としては、営業利益は68百万円減少、税金等調整前当期純利益は618百万円減少となりました。
特別調査委員会による、従業員の不正行為等防止のチェックやモニタリング態勢が不十分である等の原因に対する指摘並びに再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、当社グループは今後不正に対して厳正なる姿勢を示し、情報システム、業務マニュアルを用いた予防策に加え、データを活用した定期チェック、内部通報制度の周知等による不正検知の強化等、再発防止対策の検討、構築の上、内部統制の更なる強化を図ってまいります。
⑥ リユースを通じたSDGs(持続可能な開発目標)への取組
当社グループは、お客様に楽しく豊かな生活を提供しながら、循環型社会の形成を加速させていくことが、我々の役割だと考えており、一丸となってSDGsに取り組んでいます。BOOKOFFでモノを売ったり、買ったりする行動そのものがモノの寿命を延ばし、捨てるモノを減らすという社会貢献につながっています。これはSDGs 12の目標「つくる責任 つかう責任」を達成させることにおいて、非常に重要な役割となります。我々の中心事業であるリユース業を軸に様々な活動を通してSDGs達成に貢献してまいります。
⑦ プライム市場上場の維持
当社グループにおいては、プライム市場への上場を維持するために、今後も継続的に企業価値を向上させるとともに、株式市場で適正な評価を得ることが課題と捉えております。
⑧ 気候変動への取組とTCFDへの対応
当社グループにおいては、気候変動への対応を重大な経営課題の一つとして認識しており、ガバナンスの強化と気候変動による移行リスク、物理的リスク及び機会について、事業への影響を把握し、戦略の策定に取り組んでまいります。またTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿って当社グループホームページ等での開示について、質と量の向上を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本方針
当社グループは「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」というミッションの下、中核であるリユースビジネスの事業活動の広がりにより循環型社会(サーキュラーエコノミー)の形成が進み、持続可能な社会(サステナビリティ)に貢献できると考えております。その実現において、当社グループは「人財(人的資本)」の充実と成長を第一におき、「国内外にリユース・リサイクルの事業を拡大していくこと」によって世の中の持続可能性を高めてまいります。
しかしながら私たちの事業活動の中にも「サステナビリティに関する課題」は存在し、その課題にしっかり目を向けて継続的に改善することが必要と考えております。
当社グループが事業成長と合わせてサステナビリティに貢献する宣言として、サステナビリティ基本方針として以下を定めます。
<環境面(E)>
・地球環境にやさしい事業活動の実現
・リユース・リサイクルの事業拡大成長による循環型社会の拡大
<社会面(S)>
・働きがいと働きやすさの充実
・誰もが心地よく利用できる環境づくり
・地域コミュニティとの連携と調和
<ガバナンス面(G)>
・多様な意見を取り入れた意思決定と誠実な経営
・適切な情報開示と責任ある対話
(2)全般としての対応
① ガバナンス
当社グループでは、マテリアリティへの対応をはじめとするサステナビリティを念頭においた経営を全社的に推進するため、サステナビリティ戦略委員会を設置しています。同委員会では、代表取締役社長が委員長を務め、気候変動や人的資本等のサステナビリティに関するリスク・機会の特定及び対応方針や戦略の検討、並びに各部門における実行計画の進捗モニタリング等を行い、その活動状況を必要に応じて経営会議へ共有しております。
取締役会では、経営会議及びサステナビリティ戦略委員会で協議・決議された内容の報告を半期に一度以上受け、当社グループにおけるサステナビリティに関する論議や監督を行っております。
詳細は、
② リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ戦略委員会において気候変動や人的資本等のサステナビリティを踏まえたリスクに関して、重要性の評価及び特定を行い、その対応方針や戦略の策定を行っております。
識別されたリスク及び対応方針はリスク管理委員会に共有され、四半期ごとに開催の同委員会では関連する各部門を統括する責任者への連絡・確認を行い、特定された重要なリスクに係る具体的な対応策を検討しております。また日常的に発生する業務上のリスクに関して、リスク管理委員会が毎月確認を行うとともに、サステナビリティ戦略委員会にも定期的な報告を行うことで、全社的なリスク管理を進めております。
(3)気候変動への対応
① 戦略
当社グループでは、グループの事業が気候変動の影響を受けることにより、短期、中期、長期にわたって、ビジネスモデル、戦略、キャッシュ・フロー、資金調達、資本コストに影響を与える可能性があると合理的に予想される重要な気候変動に関するリスク及び機会並びに特定されたリスクに係る対応策について検討した結果は、下記のとおりです。
上記検討にあたって、国内ブックオフ事業(店舗及びインターネットによる買取・販売)、プレミアムサービス事業、海外事業の業績並びに株価などのグループ全体に係る項目ごとに、気候変動に係る以下2つのシナリオを採用し、分析・定性的評価を実施いたしました。
注:シナリオについて
・上記は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などの専門機関がシミュレートした、産業革命時期比での気温上昇シナリオ
・1.5℃シナリオ:炭素税の負担増などの現状よりも厳しい温暖化対策・社会的規制が強まり、或いは抜本的なシステム移行・技術革新が達成され、2100年に+1.5℃未満の気温上昇にとどまり、物理リスクは限定的となる一方、移行リスクが増大する世界観
・4℃シナリオ: 現状を上回る温暖化対策が殆ど取られず、2100年に+4℃程度の気温上昇となり、物理リスクが増大、自然災害が頻発する世界観
対応策は下記のとおりです。
なお、当社グループの気候変動に関するリスク、機会及び財務影響の定量評価については、当社ホームページ等で開示しております。
公開内容:当社グループの気候変動に関するリスク、機会及び財務影響の定量評価並びに対応策
② 指標及び目標
当社グループでは、気候変動の影響を受けることにより発生するリスクと機会を評価及び管理するため、GHGプロトコルに基づき、温室効果ガス(GHG)排出量を算出し、公表しております。
また、リスクと機会を評価し管理するためのその他の指標・目標につきましては、経営会議で決定し、その進捗をサステナビリティ戦略委員会でモニタリングしております。
当社グループにおけるGHG排出量は以下のとおりとなります。
注1:主要な事業会社であるブックオフコーポレーション㈱のCO2排出量。
注2:Scope1は、6月1日から翌年5月31日における、同社の事業活動で発生したガソリン代実績に基づき当事業年度のガソリン平均単価から算出したガソリン使用量、及び環境省が発表するガソリンのCO2排出係数により算定。
注3:Scope2は、4月1日から翌年3月31日における、同社の電気使用量、及び環境省・経済産業省が発表する電気事業者別のCO2排出係数により算定。
なお、カーボンニュートラル社会への移行を念頭に置き、GHG排出量の削減について、以下のとおり定量目標を設定しております。
注1:主要な事業会社であるブックオフコーポレーション㈱のCO2排出量。
なお2021/5期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、多数の店舗で一定期間店休を実施したことにより消費電力が相当程度減少した影響があるため、2021年度(2022/5期)を基準年度に設定しております。
(4)人的資本への対応
① 人財育成方針
当社グループでは、従業員が最大の財産であり、ブックオフグループの競争力の源泉であると考えております。そのため当社グループでは、パート・アルバイトスタッフと社員を「人財」と呼び、その育成が企業価値の向上につながるという考えの下、人財育成方針を定めております。
人種・国籍・性別・年齢・仕事観・宗教・心身障がいの有無等に関わらず、多様な人財がライフスタイルにあった働き方で個性と能力を発揮できる企業風土づくりを推進するために、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進プロジェクトを発足させ、現状把握のための経営陣との座談会を実施し、そこから見えた課題解決のための施策の策定を行うことで、従業員の能力開発や自己実現の機会を提供できるよう努めております。
② 社内環境整備方針
当社グループの成長の源は「人財」です。知力と人間力を備えた人財の成長が、会社の成長に直結する、と私たちは考えます。財産である従業員の職場環境を整えることに努め、また従業員の能力開発や自己実現の機会を提供できるよう努めております。
○キャリアパスプラン
当社グループは、最高の経営資源である人財育成のために、「ブックオフキャリアパスプラン制度」を導入しております。キャリアパスプランには、各グレードの役割やチャレンジ項目が示しており、習得の意義を明確にしております。全従業員が目標に向かってチャレンジし、それぞれの能力が最大限に発揮できること、そのことが経営理念である「全従業員の物心両面の幸福の追求」につながっております。
○育成担当者制度
当社グループは、採用した社員の育成にしっかりと力を注ぐため、新入社員には一人ひとりに育成担当者がつき、分らない事や困った事、店舗で起きた問題を誰にどう相談すればいいかを明確にして、社員の育成を行っております。
○パート・アルバイトスタッフからの正社員登用
当社グループの店舗は、多くのパート・アルバイトスタッフによって支えられています。パート・アルバイトスタッフからの正社員登用も制度化しており、多くのパート・アルバイトスタッフ出身の社員が活躍しております。
○働きやすい職場環境づくり
経営理念の一つである「全従業員の物心両面の幸福の追求」の実現のためには、従業員の仕事と生活の調和を図ることが重要だと考えております。当社グループは、仕事と生活とのバランスを図りながらいきいきと活躍できる職場環境づくりに取り組んでおり、「働きやすい職場環境づくり」について、次の制度を整備しております。
・勤務地選択制度
全国転勤はなく特定地域内での勤務が可能
・介護に伴う勤務地選択制度
本人又は配偶者が主たる介護者である場合、転勤を伴う異動について配慮する
・社員再雇用制度
円満退社した社員を一定の条件付で再雇用
・リフレッシュ休暇
上期及び下期にそれぞれ連続した5日間の休暇の取得を推進
・産前産後休暇
産前10か月と産後8週間の出産休暇制度
・育児休業
子どもの育児のための休業制度(最長で子が2歳に達するまで)
・看護休暇
小学校就学前の子の看護のための休暇制度(年間12日間)
・介護休業
介護のための休業制度(最長93日)
・介護休暇
要介護状態にある家族の病院の付添等のための休暇制度
・短時間勤務制度
小学3年終了までの子の育児や、要介護状態の家族の介護のために勤務時間を短縮できる制度(1週間の最低勤務日数2日、1日の最低勤務時間6時間)
○研修制度
・入社前研修・新入社員研修
入社前には内定者アルバイト制度を実施しております。入社後は、同期との交流を深めることを目的のひとつとした研修や、エリアでの研修などがあります。当社グループでは、社員間の交流や、互いに切磋琢磨しあう機会を作ることを大切にしております。
・一般社員向け研修
管理業務研修・コンプライアンス研修など、エリアマネージャーが主導でマニュアルや基礎の考え方、オペレーション、各種情報等について、研修や本社研修にて、店舗運営の基礎知識を座学やOJT(On the Job Training)を実施しております。
・スキルアップ研修
個人個人のスキルアップ、昇給昇格、管理職向けの研修などを実施しております。ジョブローテーション研修では、半年かけてリユース商材の基本オペレーション技術、深い知識を習得しております。
・幹部社員向け研修
一定グレード以上を対象として経営陣からグループの経営戦略、サステナビリティ、マネジメントに関する研修、外部講師を活用したビジネスに関する知識やトレンドの研修などを実施しております。幹部社員向け研修では、座学による学びに加え、グループワークや組織の枠を超えた活動を通じて次世代の経営を担う人財として視座と視野の向上を行っております。
③ ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン方針
当社グループは、「ウェルビーイング」を目指す上でその基礎となるダイバーシティを推進していくことは最も重要な課題と考えています。ダイバーシティを推進させる上で欠かせない「アンコンシャスバイアスのない環境づくり」、「多様性のある組織づくり」については以下の取組を重点的に実施しております。
〇全従業員に対するDE&I研修の実施
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン方針の取組を推進するにあたり、経営陣並びに幹部社員に対する研修に加え、中堅社員を中心にアンコンシャスバイアスの重要性及び活発な議論ができる組織づくりをテーマに研修を実施することにより、多様性をインクルージョンしていくための基礎理解が浸透し、ダイバーシティを推進する上での基礎の構築を行っております。加えて、更に全従業員に対象を広げアンコンシャスバイアスに対する研修を年間23回実施することで多様性を活用できる体制ができてきております。今後個々のライフプランニングを考える機会を創出するためのキャリアデザイン研修を導入することを予定しております。
〇女性管理職研修の導入
ダイバーシティを確立していく上での最重要課題の一つとして女性の管理職比率について目標を設定して取り組んでおります。その達成に向けて毎年の人事異動において機会を提供することに加え、今後も継続的に適切な人財を育成するために女性の幹部候補者へ女性管理職研修を実施いたします。また人事評価等において評価者の理解を深めることを目的として候補者である女性社員の上長に対してインクルージョン研修を実施いたします。
〇障がい者雇用への取組
2010年に特例子会社としてビーアシスト㈱を設立し、障がい者雇用に対して積極的に取組を進め、2011年より法定雇用率を上回る雇用を維持できています。また特例子会社としての模範的な活動を推進した結果として優良な障がい者雇用事業者に対しての認定制度である「もにす認定」を2021年より毎年継続して受けております。
2024年5月には障がい者雇用促進法において、新たに障がい者雇用を検討している他企業への支援ができる事業所として「障害者雇用相談援助事業所」に認定されました。
特例子会社ビーアシスト㈱で働く従業員は社会的意義のある業務、作業を自身の手で行えているということを理解することで障がい者個々人が自身の存在意義を感じられる環境が整っております。
④ 指標及び目標
当社グループは、従業員がその能力を発揮し、男女ともに働きやすい雇用環境の整備を行うため、現在、下記のとおり行動計画を策定しており、実績を算出しております。「(5)人的資本への対応 ① 人財育成方針」に基づき、人財を育成して企業価値の向上を推進しており、今後、人財育成に関しての新たな施策の立案、実行並びに指標と目標を設定あるいは改定した際には適宜開示してまいります。
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指標 |
定義 |
目標数値 (目標達成期限) |
実績 (2024年5月末時点) |
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統括エリアマネージャー、グループ長以上の役職者に占める女性の比率 |
( |
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当該年度中に配偶者が出産した男性社員における新規育休取得者の比率 |
( |
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当該年度中に出産した女性社員における新規育休取得者の比率 |
(達成済、以後継続) |
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なお、上記目標の対象範囲はブックオフグループホールディングス㈱並びにブックオフコーポレーション㈱としております。対象範囲において連結売上高の90%以上を占めておりますが、今後連結ベースでの目標設定並びに実績の把握について検討してまいります。
(5)SDGsへの対応
「持続可能な開発目標」の達成に向けて、「SDGsの目標とターゲット」から事業に関連のある事項及び社会的インパクトのあるものを抽出し重点課題を洗い出しております。
詳細につきましては、
当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減していくため、リスクマネジメントを担当する役員を選任しております。担当役員を委員長、構成員を主に管理部門の部長職以上のメンバーとする「リスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制を整備しております。当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における判断によるものです。
(特に重要なリスク)
① 新規投資とM&Aについて
当社グループは、事業拡大を進めるため、新規投資を推進しております。新規投資には、従来の「BOOKOFF」、大型複合店「BOOKOFF SUPER BAZAAR」、アパレル等のリユース商材を複合させた「BOOKOFF PLUS」等既存フォーマットの店舗出店による投資、既存店舗のリニューアルや大規模修繕による投資、新規事業への投資等があります。
また当社グループはM&Aについて適宜検討を行っております。M&Aには、従来「BOOKOFF」に加盟していたFC加盟店の譲受や従来当社グループには含まれていない別業種企業の譲受等があります。
新規投資やM&Aの展開状況において、十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない資産が判明した場合、減損損失を計上することになります。減損損失が多額の場合、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・新規投資における投資回収計画の経営層による精査
・投資回収実績の定期的なモニタリング
・出店検討時の収支シミュレーションの精緻化による収益化確度の向上
・地域特性、商材分析等多角的視点による出店対策
・店舗開発部門による継続的な物件情報収集
・消費・顧客動向を踏まえた店舗パッケージの開発
② 「人財」の確保・育成について
当社グループは将来にわたり継続して企業価値を高めていくため、人財の確保と、人財育成方針による人事、オペレーション、計数管理に至る全てに対しバランスの取れた人財育成を目指してまいりましたが、一つの店舗に複数の商材を取り扱う大型複合店が増えている中で、一商材の知識・スキルに長けた人財の重要性も高まっており、幅広い厚みのある人財の採用と育成が必要とされてきています。日本では少子高齢化による労働力人口減少への対応が社会課題となっております。小売業界においては人手不足や人件費の上昇、育成の難易度など厳しい雇用環境が続き、相応しい人財の確保が困難となる場合や、人財の社外流出が生じた場合、人財不足による長時間労働等、労働環境の悪化に伴う従業員の健康悪化が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
〔対応策〕
・従業員教育に重点を置いた研修制度の拡充
・パート・アルバイトスタッフからの積極的な社員登用
・地域外の転勤を伴わない地域限定社員など社員の働き方に則した勤務制度の導入
③ IT投資について
当社グループは、各事業ごとにサービス提供をするうえで以下のシステムを運用のほか、外部サイトの活用を行っております。
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事業名 |
主なシステムの概要 |
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国内ブックオフ事業 |
POS・販売管理システム |
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買取業務システム |
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EC販売管理システム |
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会員情報システム |
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倉庫管理システム |
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プレミアムサービス事業 |
販売管理システム |
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出品・倉庫管理システム |
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海外事業 |
POS・販売管理システム |
当社グループのサービスの競争優位性を維持向上していくとともに更なる事業拡大のためには、各事業においてIT投資を継続的に行う必要があり、これらの投資が適切に行われない場合には、サービスの競争優位性やブランドイメージの低下につながる可能性や、サービス改善への費用の増加に伴い、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業計画に係る大型開発案件において開発の遅延・中断が発生した場合や、ネットワーク、情報システム、又は事業運営においてサービスの継続が長期にわたり困難となる等取引機会の喪失や信用の毀損が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・IT投資について継続的に収益効果を検証し、経営陣への報告実施
・システム開発について社内人員による開発(内製)と、外部業者に発注する開発(外注)とのバランスに注視して、突発的な案件、一過性案件に対しても人員不足による業務への影響回避
(重要なリスク)
① 中古品の仕入について
当社グループにおける仕入は、顧客からの買取がその大半を占めております。一次流通市場の動向、既存の競合他社の動向、新規の競合他社の参入、フリマアプリに代表されるCtoCサービス等が商品の仕入に影響を及ぼす可能性があり、今後も中古品を質量ともに安定的に確保できるというわけではありません。中古品の仕入状況によっては商品不足による販売機会の喪失などが生じ、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの取り扱うリユース商品は、「古物営業法」に定められた「古物」に該当するため、同法による規制を受けております。顧客から買い取った商品が盗品又は遺失物であると判明した場合は、民法の規定により、2年以内であればこれを無償で被害者等に回復することとされております。当社グループでは、古物買取時の相手方確認や、帳簿等への記載及びその保管など、古物営業法に基づく取引記録の確認・保管措置を適切に実施しており適法に対応できる体制を敷いておりますが、当社グループが買い取った商品が盗品、遺失物であった場合は、被害者への無償返還や買取額相当の損失が発生するだけでなく、取扱商品全体に対する信頼が低下し、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・仕入増加に向けた継続的なプロモーション強化及びTVCM、ウェブCMの実施
・地域別、商材別の買取金額アップキャンペーンの実施及びアプリ会員向け通知や買取金額アップクーポンの配布
・店舗網の維持・拡大による買取顧客との接点の最大化
・富裕層向け買取サービスの展開による対象顧客層の拡大
② パート・アルバイトスタッフの人件費について
現在、当社グループでは、少数の社員と学生や主婦を中心としたパート・アルバイトスタッフで店舗を運営しており、多くの短時間労働者を雇用しております。今後、最低時給上昇によるパート・アルバイト人件費の増加や、厚生年金適用基準の拡大により、当社グループが負担する保険料及び労務管理費用が増加することで、当社グループの店舗運営や経営成績が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・労働生産性向上による人件費の効率化
・継続的なパート・アルバイト教育実施による能力向上
・IT機器などを活用したオートメーション化による省人化
③ 情報セキュリティについて
当社グループは、店舗運営等の事業を展開する上で、個人情報や営業秘密等の機密情報を取扱っています。これらの情報の流出による企業経営や信用への影響を十分に認識し、当社グループの保有するこれら機密情報等の管理を徹底するために、適切な管理体制の構築や強化を行っておりますが、万が一機密情報の流出や消失が発生した場合は、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
〔対応策〕
・コンピューターウイルスや不正侵入防御策の運用
・バックアップシステムの運用
・専門業者によるECサイト、アプリの定期的なセキュリティ検査
・社員へのセキュリティ教育の実施
④ コンプライアンスについて
当社グループは、国内外の法令遵守と社会規範の尊重を目的に、内部監査体制の整備を進め、コンプライアンス管理委員会を常設機関として設置するなど、グループ全体の意識向上を通じたコンプライアンスの徹底をはかっております。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの営業活動停止、社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
〔対応策〕
・コンプライアンス管理委員会における法令順守等の定期的な確認と情報発信
・内部監査報告会における監査結果のレビューと改善策の指示、実行
・新規事業や新たな商材の取り扱いにおける関連法令の確認と遵守の徹底
・定期的な従業員教育の実施(コンプライアンスチェック、不正事例と対応策の共有等)
⑤ 災害について
当社グループは、日本全国、米国、マレーシアに店舗を展開しているほか、「BOOKOFF公式オンラインストア」の倉庫拠点を神奈川県に構えております。大規模な自然災害等により店舗、倉庫及び商品に被害を受けた場合、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。また感染症の拡大が発生した場合、店舗の休業や営業時間短縮による来店客数の減少が発生することで当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・災害発生時の対策本部設置による事業継続体制の確立
・社員の安否確認システムの導入
・災害対策マニュアルの整備、必要物資の備蓄
・災害対策訓練の実施
⑥ 取引先に関するリスクについて
当社グループでは、すべて事業の運営にあたり地代家賃、水道光熱費、支払手数料、荷造運送費、備品消耗品など多くの取引先と取引を行っております。
今後、円安による原油価格上昇に伴う電気代や運送費の増加や、備品消耗品の原材料高騰等により、当社グループが負担する経費が増加することで、当社グループの店舗運営や経営成績が影響を受ける可能性があります。
また搾取的な労働力による製品使用等フェアトレードに反する取引により、当社グループに対する信頼が低下し、当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・店舗照明のLED導入など電気料を節減する店舗運営の実施
・取引先の複数化により一社独占を回避し、値上げ等に柔軟に対応
・フェアトレードに反する取引先に対して取引停止の実施
⑦ フランチャイズ(FC)展開について
当社グループは、「BOOKOFF」を中心としたリユース店舗をフランチャイズ方式で展開しております。当社グループはFC本部として、FC加盟店とのコミュニケーションを重視する方針であり、FC加盟店との相互繁栄を目指しております。ただし、FC加盟店が何らかの理由により退店する場合、ロイヤリティー収入が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
〔対応策〕
・FC加盟店をサポートするため全国に支社を配置
・各支社にFC加盟店への支援を行う支社長とスーパーバイザーを配置
・FC加盟店の店長、社員及びパート・アルバイトスタッフに対する研修の実施
・商品データベース等のシステム支援の実施
⑧ 海外での店舗展開について
当社グループは、当社が設立した海外現地法人を通じて、米国にて「BOOKOFF」、マレーシアにて「Jalan Jalan Japan」を展開しております(加盟店店舗を除く)。
海外店舗では、日本国内とは制度・文化・慣習が異なるうえ、現地での知名度は十分ではなく店舗数も少ないことから、現地法人の維持費用(管理部門コストなど)を完全に吸収し、投資回収を進める水準にまで収益が向上するには、相応の時間を要することが見込まれ、その投資回収状況によっては当社グループの経営成績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
〔対応策〕
・現地のニーズに合わせたユニークな価値の提供等、営業面における差別化の推進
・ネイティブ従業員の重用等、運営面におけるローカライゼーションの推進
・マレーシアにおける、機動的な事業運営を目的とした、現地に精通したパートナーとの協働体制(合弁会社等)の確立
⑨ 資金調達に関するリスク
当社グループでは、新規出店等の設備投資資金及び運転資金の一部を主として金融機関からの借入により調達しております。
当社グループとしては、今後も、事業拡大並びにサービス拡充の為の投資を行っていく方針であるため、当面、一定程度の資金調達に関するリスクを内包して推移していくことが予想されます。
このような状況の中、今後、金融情勢の変化に伴う市場金利の上昇等により、資金調達コストが増大した場合や、当社グループの信用力低下等により資金調達に制約を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
〔対応策〕
・国内外子会社の借入金及びリース取引に対する当社による一元管理
・営業活動によるキャッシュ・フローの水準に見合った適正有利子負債水準の設定
⑩ 気候変動に関するリスク
当社グループは、気候変動を起因とした気温上昇が発生した場合、光熱費等のコスト増加や、外出減少に伴うお客様の来店減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また大幅な気候変動が生じた場合、例えば暖冬による冬物アパレル、ウィンター用品の販売不振、冷夏によるスポーツ・アウトドア用品の販売不振等、特定の商材の販売に影響を与える可能性があります。
〔対応策〕
・代表取締役社長を長とする「サステナビリティ戦略委員会」の設置
・TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿ったガバナンスの強化と戦略の策定
・気候変動の影響を考慮した商材構成の見直し
⑪ 取扱商材の相場変動に関するリスク
当社グループでは、貴金属・時計・ブランドバッグ、トレーディングカード・ホビー商材等、市場価格が存在する商材の買取・販売を行っております。
今後、取扱商材の市場価格の相場が変動した場合、販売価格増加による売上客数減少、買取価格減少による仕入客数の減少、在庫評価損の計上等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
〔対応策〕
・本部部門より、取扱商材の市場価格の現状を反映した価格等の情報発信することで、販売、買取等に柔軟に対応
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概況
① 財政状態及び経営成績等の状況
当社グループは創業時より「事業活動を通じての社会への貢献」と「全従業員の物心両面の幸福の追求」の2つを経営理念としております。また、経営理念に基づく当社グループの事業活動を示すミッションとして「多くの人に楽しく豊かな生活を提供する」を掲げております。
このミッションに基づき、拡大するリユース市場の中で私たちの強さを活かし、リユースのリーディングカンパニーとして循環型社会の形成に貢献するとともに、全従業員が自信と情熱を持ち、安心して働き、成長できる会社になることを目指します。
当社グループは2028年5月期を最終年度とする中期経営方針において、グループの強みである人財育成やサステナビリティへの取組などの普遍的な価値を土台とし、「深化領域」と位置付ける国内ブックオフ事業で、認知度の高さを活用して安定した収益を獲得するとともに、「探索領域」と位置付けるプレミアムサービス事業、海外事業や新たな事業に対して投資原資・ノウハウを投入し、経験豊富な人財の輩出によりグループの事業規模拡大と利益成長を進めていくことを定めました。
当連結会計年度においては、各事業において売上高が前連結会計年度を上回り、売上高111,657百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。全社コストの増加はあるものの、各事業において増益となったことにより、経常利益3,448百万円(前連結会計年度比13.4%増)となった一方で、国内ブックオフ事業の減損損失93百万円、特別調査費用等引当金繰入額550百万円等の特別損失計上と前連結会計年度に実施した税効果区分の変更とグループ再編に伴う税負担軽減の剥落により、親会社株主に帰属する当期純利益1,705百万円(前連結会計年度比38.4%減)となりました。
以上のような業績となりましたが、当社グループは、当社子会社の期末棚卸において認識した棚卸差異の調査を契機として、従業員による架空の買い取り、在庫の不適切な計上及びこれらによる現金の不正取得が確認され、本事案の影響額としては、営業利益は68百万円減少、税金等調整前当期純利益は618百万円減少となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(国内ブックオフ事業)
当連結会計年度において、BOOKOFF SUPER BAZAAR 1店舗(甲府貢川店)、BOOKOFF PLUS2店舗(ヨシヅヤ新稲沢店、日立駅前店)、BOOKOFF5店舗(DCM上磯店、武蔵小金井店、イオン橋本店、イオンモール大牟田店、イトーヨーカドー溝ノ口店)、あそビバ2店舗(イオンモール草津店、イオンモール鈴鹿店)を出店しました。
直営既存店においてトレーディングカード・ホビーやアパレル、貴金属・時計・ブランドバッグ、家電・携帯電話などの売上高が前連結会計年度を上回ったことで、当連結会計年度売上高99,036百万円(前連結会計年度比8.2%増)となり、セグメント利益4,503百万円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。
(プレミアムサービス事業)
当連結会計年度において、hugall1店舗(いよてつ髙島屋店)、BOOKOFF 総合買取窓口3店舗(成城学園前店、高輪台駅前店、神楽坂店)を出店しました。
新規出店や事業成長に向けた人員拡充を進めたことで、仕入高が前連結会計年度を上回り、当連結会計年度売上高6,750百万円(前連結会計年度比23.9%増)となり、セグメント利益420百万円(前連結会計年度比29.1%増)となりました。
(海外事業)
当連結会計年度において、アメリカ合衆国にBOOKOFF2店舗(IRVINE店、MESA店)を、マレーシア国にJalan Jalan Japan1店舗(AEON MALL Bukit Raja店)を出店しました。
アメリカ合衆国内の「BOOKOFF」、マレーシア国内の「Jalan Jalan Japan」それぞれにおいて過年度の出店が寄与し、売上高が前連結会計年度を上回ったことで、当連結会計年度4,668百万円(前連結会計年度比15.4%増)、人員拡充や待遇改善等を行いつつも、セグメント利益724百万円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。
当連結会計年度の資産、負債及び純資産の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産残高は32,208百万円(前連結会計年度末は29,112百万円)となり、3,095百万円増加しました。店舗設備やIT投資等を実施するための資金として現金及び預金が1,636百万円、トレーディングカード・ホビーなどの積極展開や新規出店等により商品が1,213百万円増加したことが主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産残高は22,334百万円(前連結会計年度末は21,101百万円)となり、1,233百万円増加しました。各事業において、新規出店や店舗設備等へ投資を実施したこと等により有形固定資産が1,001百万円増加したことが主な要因です。
(負債)
当連結会計年度末における負債残高は34,034百万円(前連結会計年度末は31,155百万円)となり、2,879百万円増加しました。店舗設備やIT投資等の資金需要に対し銀行借入で対応したため借入金が1,032百万円増加したこと、未払法人税等が491百万円増加したこと、新規出店や店舗設備等へ投資を実施したこと等によりリース債務が432百万円増加したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産残高は20,507百万円(前連結会計年度末は19,057百万円)となり、1,450百万円増加しました。剰余金の配当を実施した一方、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことが主な要因です。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,636百万円増加し、7,180百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は4,084百万円(前連結会計年度は243百万円増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益2,779百万円、減価償却費1,860百万円等により資金が増加した一方、棚卸資産の増加額1,136百万円、法人税等の支払額735百万円等により資金が減少したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は2,411百万円(前連結会計年度は3,453百万円減少)となりました。これは、新規出店、既存店リニューアルや譲受等に伴う有形固定資産の取得による支出1,732百万円、システムへの追加投資等に伴う無形固定資産の取得による支出433百万円等により資金が減少したことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は100百万円(前連結会計年度は490百万円増加)となりました。これは、借入金の純増額1,032百万円等により資金が増加した一方、リース債務の返済による支出566百万円、配当金の支払額494百万円等により資金が減少したことが主な要因です。
③ 仕入及び販売の実績
(a)仕入実績
当社グループは、主として、一般顧客からの買取により商品仕入を行っております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
国内ブックオフ事業 |
43,467 |
88.0% |
107.8% |
|
プレミアムサービス事業 |
4,052 |
8.2% |
117.7% |
|
海外事業 |
982 |
2.0% |
91.8% |
|
その他 |
911 |
1.8% |
125.9% |
|
総合計 |
49,414 |
100.0% |
108.4% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後のセグメント区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
(b)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
① 売上実績
|
(単位:百万円) |
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
国内ブックオフ事業 |
99,036 |
88.7% |
108.2% |
|
プレミアムサービス事業 |
6,750 |
6.0% |
123.9% |
|
海外事業 |
4,668 |
4.2% |
115.4% |
|
その他 |
1,201 |
1.1% |
150.5% |
|
総合計 |
111,657 |
100.0% |
109.6% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後のセグメント区分に組み替えた数値に基づき算出しております。
② 地域別売上状況
(単位:百万円)
|
名称 |
国内ブックオフ 事業 |
プレミアム サービス事業 |
海外事業 |
その他 |
当連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) |
|
|
北海道 |
2,752 |
- |
- |
- |
2,752 |
|
|
東北 |
4,141 |
- |
- |
- |
4,141 |
|
|
|
茨城県 |
2,585 |
- |
- |
- |
2,585 |
|
|
群馬県 |
2,863 |
- |
- |
- |
2,863 |
|
|
埼玉県 |
6,825 |
241 |
- |
153 |
7,220 |
|
|
千葉県 |
6,798 |
232 |
- |
- |
7,030 |
|
|
東京都 |
17,114 |
1,135 |
- |
614 |
18,864 |
|
|
神奈川県 |
23,056 |
5,047 |
- |
165 |
28,268 |
|
|
山梨県 |
1,014 |
- |
- |
- |
1,014 |
|
関東甲信越 |
60,256 |
6,656 |
- |
933 |
67,846 |
|
|
中部・北陸 |
9,747 |
0 |
- |
- |
9,747 |
|
|
近畿 |
12,169 |
82 |
- |
77 |
12,329 |
|
|
中国・四国 |
4,894 |
- |
- |
16 |
4,911 |
|
|
九州・沖縄 |
5,075 |
11 |
- |
174 |
5,260 |
|
|
海外 |
- |
- |
4,668 |
- |
4,668 |
|
|
合計 |
99,036 |
6,750 |
4,668 |
1,201 |
111,657 |
|
③ 店舗数の状況
|
名称 |
当連結会計年度 (2024年5月31日現在) |
前期比 (店) |
|
FC加盟店店舗数 (店) |
前期比 (店) |
|||
|
|
北海道 |
12 |
店 |
1 |
|
28 |
- |
|
|
東北 |
22 |
|
- |
|
26 |
△1 |
||
|
|
茨城県 |
12 |
|
1 |
|
4 |
- |
|
|
栃木県 |
- |
|
- |
|
17 |
- |
||
|
群馬県 |
8 |
|
- |
|
1 |
- |
||
|
埼玉県 |
33 |
|
△1 |
|
9 |
- |
||
|
千葉県 |
22 |
|
- |
|
21 |
- |
||
|
東京都 |
71 |
|
△1 |
|
16 |
- |
||
|
神奈川県 |
44 |
|
- |
|
23 |
- |
||
|
山梨県 |
6 |
|
△1 |
|
- |
- |
||
|
長野県 |
- |
|
- |
|
20 |
- |
||
|
新潟県 |
- |
|
- |
|
25 |
- |
||
|
関東甲信越 |
196 |
|
△2 |
|
136 |
- |
||
|
中部・北陸 |
39 |
|
3 |
|
68 |
△2 |
||
|
近畿 |
64 |
|
- |
|
23 |
- |
||
|
中国・四国 |
20 |
|
- |
|
42 |
- |
||
|
九州・沖縄 |
34 |
|
1 |
|
46 |
- |
||
|
国内ブックオフ事業 |
387 |
|
3 |
|
369 |
△3 |
||
|
プレミアムサービス事業 |
45 |
|
31 |
|
- |
- |
||
|
海外事業 |
24 |
|
3 |
|
5 |
- |
||
|
その他 |
4 |
|
- |
|
- |
- |
||
|
合計 |
460 |
|
(注1、3)37 |
|
374 |
(注2)△3 |
||
(注1)フランチャイズ加盟企業から譲受けしたBOOKOFF3店舗を含んでおります。
(注2)当社グループに譲渡したBOOKOFF3店舗を含んでおります。
(注3)前期末まで店舗数に含んでいなかった「hugall」(2023年6月1日時点15店舗)と「aidect」(同12店舗)は、当社グループにおける重要度が増したため、当期出店として加算しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア) 経営成績の分析
当連結会計年度においては、各事業において売上高が前連結会計年度を上回り、売上高111,657百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。全社コストの増加はあるものの、各事業において増益となったことにより、経常利益3,448百万円(前連結会計年度比13.4%増)となった一方で、国内ブックオフ事業の減損損失93百万円、特別調査費用等引当金繰入額550百万円等の特別損失計上と前連結会計年度に実施した税効果区分の変更とグループ再編に伴う税負担軽減の剥落により、親会社株主に帰属する当期純利益1,705百万円(前連結会計年度比38.4%減)となりました。
(売上高)
売上高は、国内ブックオフ事業、プレミアムサービス事業、海外事業いずれも前年より増加したことで、111,657百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。
(売上原価)
売上原価は、商品仕入高等が前年より増加したことで、48,885百万円(前連結会計年度比12.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、給与及び手当、パート・アルバイト給与、支払手数料、地代家賃等が前年より増加したことで、59,719百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は古紙等リサイクル収入、自動販売機等設置料収入等、合計639百万円(前連結会計年度比5.5%減)となりました。営業外費用は支払利息等、合計242百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。
(特別損益)
特別利益は移転補償金、投資有価証券売却益等により113百万円(前連結会計年度は3百万円)となりました。特別損失は特別調査費用等引当金繰入額、減損損失、固定資産除却損等、合計782百万円(前連結会計年度比187.5%増)となりました。
(イ) 財政状態の分析
財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(イ) 資金調達の流動性
当社グループの資金の源泉は、現金及び現金同等物と営業活動によるキャッシュ・フローであります。当社グループの主な運転資金需要は、お客様からの商品買取(仕入)、店舗運営に係る人件費及び地代家賃等販売費及び一般管理費であり、主な設備投資需要は、新規出店及び改装、販売管理に係るシステム改修等であります。運転資金と設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フローで充当することを基本として、グループ内での資金効率化を進めつつ、金融機関からの借入金により調達をいたしました。
これらの結果、金融機関からの当連結会計年度末借入金残高は18,104百万円(前連結会計年度比1,032百万円増)、社債残高は1,000百万円(前連結会計年度比増減なし)となりました。また現金及び現金同等物の残高は7,180百万円(前連結会計年度末比1,636百万円増)となりました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度の経営成績と2023年7月10日に公表した2024年5月期連結業績予想(以下、期初予想とします)との増減額と増減率は次の一覧表のとおりであります。
当連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)
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(単位:百万円) |
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期初予想 (A) |
経営成績 (B) |
増減額(B-A) |
増減率 |
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売上高 |
106,000 |
111,657 |
5,657 |
5.3% |
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営業利益 |
2,600 |
3,051 |
451 |
17.4% |
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経常利益 |
3,000 |
3,448 |
448 |
15.0% |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,600 |
1,705 |
105 |
6.6% |
売上高については、国内ブックオフ事業において、トレーディングカード・ホビー、アパレル、ソフトメディア等を中心に、既存店売上高が想定を上回って推移したこと等で、またプレミアムサービス事業、海外事業いずれも期初予想を上回りました。
営業利益、経常利益については、国内ブックオフ事業、プレミアムサービス事業、海外事業いずれも収益が好調に推移したことで、期初予想を上回りました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失の計上と前連結会計年度に実施した税効果区分の変更とグループ再編に伴う税負担軽減の剥落となった一方で、経常利益の増加により、期初予想を上回りました。
<自己資本比率、時価ベースの自己資本比率、債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオ、総資産経常利益率(ROA)、経常利益>
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2023年5月期 |
2024年5月期 |
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自己資本比率(%) |
37.6 |
37.1 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
48.6 |
56.0 |
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債務償還年数(年) |
74.6 |
4.7 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
1.4 |
23.3 |
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総資産経常利益率(ROA)(%) |
6.4 |
6.6 |
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経常利益(百万円) |
3,040 |
3,448 |
(注) 自己資本比率(%) :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率(%) :株式時価総額/総資産
株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
債務償還年数(年) :有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
有利子負債は、短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、社債、長期借入金、長期未払金の合計としております。
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍):営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
総資産経常利益率(ROA)(%) :経常利益/期首・期末平均総資産
<フランチャイズ契約について>
子会社ブックオフコーポレーション㈱は、「BOOKOFF」をはじめとする各種のリユース小売店舗のフランチャイズ展開を行うために、フランチャイズチェーン店が出店されるたびにフランチャイズ契約を締結しております。
フランチャイズ契約の当事者は、フランチャイザーである同社(以下「本部」という。)と、フランチャイジーとなる加盟者です。当契約の要旨は、次のとおりです。
(1)契約内容
本部は加盟者に対して、加盟者が「BOOKOFF」等の標章や本部が開発し所有するフランチャイズシステムを用い、フランチャイズチェーン店(以下、「FC加盟店」という。)の営業を行うことを許諾する。契約期間中、本部は、FC加盟店に対して、継続的に経営指導、営業指導、技術援助を行うことを約し、加盟者はこれについて、本部に一定の対価を支払う。
(2)契約期間
本契約の有効期間は、契約締結日より5年間とする。ただし、契約期間満了日の3ヶ月前までに、本部又は加盟者のいずれからも本契約を終了する旨の書面による意思表示がない場合は、本契約は更に2年間自動的に更新されるものとし、以後も同様とする。
(3)ロイヤリティ
FC加盟店売上高の一定料率
(4)加盟料等
加盟料 固定額
開店指導料 固定額
特記すべき事項はありません。