第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は以下を経営理念として、社会や顧客の更なる発展に貢献し続けていくことを目指しております。

 

経営理念

社会への貢献

私たちは、コンピュータシステムによる情報技術の推進を通して、豊かな社会の発展に貢献します。

顧客サービス向上

私たちは、常にお客様のニーズにすばやく対応し、ベストソリューションの提供とサービス向上を通して、お客様と確かな信頼関係を築きます。

価値の共有

私たちは、健全な企業活動を通して、株主と価値を分かち合いながら社員の能力を十分発揮できる環境と幸福で豊かなライフステージの創出に努めます。

 

また、「至誠と創造」という社是のもと、社員一人ひとりが顧客や株主をはじめとするあらゆるステークホルダーに対して誠実に接するとともに、独立系のシステムインテグレーターとして自由な発想で新たな価値を創造していきます。

 

(2)中長期的な経営戦略

経営理念を確実なものとするための経営戦略として、新たな事業へのチャレンジと安定的な事業収益基盤の確保を行い、さらなる事業規模の拡大を目指します。当社グループは、独立系としてのオープンな立場とユニークな発想を最大限に活かして、柔軟なソリューションを提供し顧客満足度を高めることが、当社グループの持続的な成長につながると考えています。このため、自社製品およびサービスの拡充、品質の向上を絶え間なく行い、顧客から選ばれ続けるよう機動的なサービス提供を行うとともに、シームレスに他社との連携を行い、コア技術を磨き上げてきました。これからも高付加価値なソリューションの提供を行い新たな顧客の獲得及び市場の開拓を行うため、次の4つの戦略を軸として取り組みます。

①成長戦略:自社製品、クラウド関連事業を軸に、他社との連携ビジネスの創出に取組んでまいります。

②顧客戦略:既存の重点顧客との取引拡大と新規顧客の開拓に努めてまいります。

③人材戦略:事業成長の源泉である人材の育成・確保のため、教育制度の拡充と採用活動への積極的な取り組みを行います。

④品質戦略:プロジェクト管理をさらに強化・徹底し、品質・期間・コスト・リスクコントロールを行うことでサービス品質の向上に努めてまいります。

 

(3)目標とする経営指標

これらの取り組みで、売上高、利益とも情報サービス産業全体の伸びを上回る事業成長の継続を目指します。

 

(4)対処すべき課題等

当社グループは、下記の取り組みを行い、企業体質および競争力の強化を図り、収益の向上を目指してまいります。

①受注拡大への取り組み

・エンドユーザー比率の向上

ソリューション事業においてはエンドユーザーが直接の顧客になるほか、エンドユーザーからシステム開発を受託したシステムインテグレーター(SIer)など他社を介す場合もあります。当社グループは、より高い利益率を見込めるエンドユーザーとの直接取引の増加を目指してまいります。

・アライアンスの強化

当社グループではエンドユーザーとの取引増加を目指して、パートナー各社とのアライアンスによりエンドユーザーの紹介を受け、最終的には基幹系システム開発領域まで拡大する形で事業を展開しております。当社グループは今後も、国内外のさまざまな製品・サービスを扱うことで、顧客それぞれのニーズや課題にマッチしたソリューションを提供することを目指してまいります。

 

・当社グループ間の連携強化

当社グループ間の連携強化を図り、顧客ニーズを掘り起こし、各社のソリューションを提供するなどグループ全体で取引の拡大に注力しております。また、当社グループの技術力を活かした新規事業やサービス展開を企画、検討し新規事業へのチャレンジを継続的に行うことで、成長性の高い事業やサービスを組み入れたビジネスポートフォリオを作り、中長期的な受注拡大へ努めてまいります。

 

②品質・生産性向上の取り組み

ビジネス環境の変化が大きい時代において顧客のITに対するニーズはより一層複雑化・高度化し、同時に技術の変化も加速しています。その中で当社グループが顧客から信頼を受け選ばれ続けるために、プロセスの標準化による高い品質と生産性の確保が重要な課題であると認識しております。当社グループではサービスの品質・生産性の向上のため、各プロジェクトに対し品質・期間・コスト・リスクコントロールの観点からプロジェクトマネジメントの強化を実施し、不採算案件の減少と継続的な品質の向上を図ってまいります。

 

③優秀な人材の採用・育成

・人材の確保

当社グループのサービス提供を支える優秀な人材を確保することは重要な課題と認識しており、高度な技術力を備えたITスペシャリストや上流工程を担えるシステムエンジニア、大規模プロジェクトをマネジメントできるプロジェクトマネージャーなど技術者の積極的な採用を実施してまいります。

国内の技術者採用については資格保有者数などによるブランディングを強化し、また、グローバル人材の確保は海外のグループ会社と連携を行い、他社との差別化を図りより優秀な人材の確保に努めてまいります。

・スペシャリストの育成

当社グループの継続的事業展開と発展のためには、ITサービス業界での技術の動きに対応できる人材が必須なため、高度な専門技術を持った人材を継続的に育成するために技術向上に関連する投資を推し進め、競合他社との差別化および新たな価値を創出してまいります。具体的には、戦略的に社員の資格取得を推進するほか、プロジェクト管理などのマネジメント能力の強化に繋がる教育を継続的に行ってまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関する事項

①情報サービス産業における経営環境の変化について

近年、当社グループが所属する情報サービス産業においては競合商品とのサービスや価格競争の激化、クラウド化などの急速な技術革新、顧客の属する業界の経営環境の変化等によって、業容やニーズの変化が続いております。

情報サービス産業は、大型の施設や設備は不要であり、少人数で比較的簡単に新しく事業を始められることから参入障壁が低いという特徴があります。また、情報サービス産業は景気感応度が高く、日本経済が低迷する場合には顧客の情報サービスへの投資も減少する傾向があります。

当社グループではこのような変化に適応するために、クラウドなど新技術を使った分野への事業領域の積極的な拡大や、計画的な採用活動を通じた新卒採用および中途採用による専門性の高い技術を有する人材の確保に努めております。しかしながら著しい経済情勢の変化等により、当社グループを取り巻く事業環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業活動に関する事項

①システム開発受託契約の形態について

当社グループは顧客の個別ニーズに対応したシステムの受託開発を行っております。受託開発の契約形態は技術者を派遣し、かかった工数をベースにして料金を請求する派遣契約と、当社グループが一括で開発を請け負う一括請負契約があります。派遣契約は安定した利益率が見込める一方で、一括請負契約は当社グループのコスト管理次第で高い利益率を見込める可能性があります。しかしながら、一括請負契約では当社グループの管理能力によってプロジェクトの採算性が大きく左右されるため、何らかの事情により当社グループのプロジェクト管理に支障が出た場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②プロジェクトの採算性について

近年は当社グループの方針として、大型案件が増加しており、より緻密なプロジェクト管理が求められております。当社グループが一括請負契約で受託したシステム開発は、独自の管理手法を用いて品質・期間・コスト・リスクコントロールの観点からプロジェクトマネジメントを行っております。具体的には受注金額500万円超の開発案件の受託においてはプロジェクト計画書を作成し、リソースや採算面でのリスクの把握を管理本部でも行う仕組みにしています。また受注金額3,000万円超の案件においては、見積り・提案、契約締結、検収などの各フェーズで、管理本部による進捗・採算状況のレビューおよび管理支援を行っております。

しかしながら案件が複雑化・大型化・短納期化するなかで、契約受注時に採算性が見込まれ、上記手法で管理を行っているプロジェクトであっても、開発中に大幅な仕様変更等が発生し、作業工数が当初の見積り以上に増加することにより、計画どおりの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しないことによるコスト増加の可能性があります。そのため、受注時に必要工数やコストを正確に見積ることができなかった場合、低採算または採算割れとなるプロジェクトが発生する可能性があります。

その他では、開発経験の浅い社員の教育及び新しい分野、技術の習得を目的とした受注案件についても短期的に低採算または採算割れとなる可能性があります。

上記を含めた小口案件については、各事業部門の管理者が自社の出来高管理システムによる進捗確認を適時行い、採算について管理を行っており、不採算が継続される場合には受注単価の調整などにより、採算の改善を図っておりますが、想定以上に不採算の小口案件が積み重なった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、大型案件については、顧客と予め定めた期日までに作業を完了・納品できなかった場合には損害遅延金、最終的に作業完了・納品ができなかった場合には損害賠償が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③検収時期等の遅延による業績見通しへの影響について

当社グループが受託した開発案件については、開発作業が完了した後に検収を受けることが通例であり、受託開発にかかる収益認識基準として検収基準を採用しております。

当社グループでは、各プロジェクトの進捗管理を定期的に実施しており、問題が生じれば即座に対応できる体制が構築されており、計画通り納品または検収できるよう努めております。しかしながら、今後、期末付近に検収が予定されている場合において、開発スケジュールの関係や顧客の検収時期のタイミング等何らかの事情により検収が翌期に遅延した場合には、当社グループの業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。

 

④主要販売先との取引について

システムの受託開発には主に、システムを実際に使用するエンドユーザーから受託するものと、エンドユーザーからシステム開発を受託したシステムインテグレーター(SIer)から2次的に受託するものがあります。当社では他のSIerを通さない分、利益率が高いエンドユーザーからの直接受託の割合が平成30年6月期の売上の内62.9を占めており、今後もこの比率を上昇させる経営戦略を採っております。

当社では平成30年6月期において、売上高が最も多い販売先が全体の売上高に占める割合は4.5%であり、当社業績は特定の販売先の動向に大きく左右されない構造になっています。主要販売先とは良好な人的ネットワークを形成し安定・継続した取引関係の構築に努めており、平成29年6月期に売上計上があった顧客のうち平成30年6月期にも引き続き売上計上があった顧客数の割合は77.9%です。また並行して新規販売先の開拓も行っています。

しかしながら主要販売先との関係構築や新規販売先の拡大が順調に進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤協力会社(パートナー)との連携体制について

当社グループは、事業運営に際して、協力会社等、さまざまなパートナーとの連携体制を構築しております。平成30年6月期において、当社グループの総製造費用に占める外注費の割合は29.4%であり、事業の継続及び拡大において協力会社要員の存在は重要な位置付けを有しております。また、協力会社の起用においては、技術者間及び企業間の長期にわたる信頼関係をベースにしております。より多くのビジネスパートナーを抱える事が出来るほど案件を多く受託できるため、今後も技術力の高いビジネスパートナーを確保することが重要であると認識しております。

しかしながら、これらのパートナーを適宜、適正に確保できない、あるいは関係に変化が生じた場合、プロジェクトの立ち上げや遂行、サービスの提供に支障が発生する等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥人材確保・育成について

・人材の確保、育成について

当社グループは高度な技術力の提供を通じて競合他社との差別化を図っておりますが、それを支えるのは技術要員であり、そのため優秀なシステムエンジニアの確保・育成が重要な課題であると考えております。

そのため当社グループでは採用活動に積極的に取り組むとともに、人材の育成と実務能力の向上を目的とした教育制度を充実させております。例えば当社ではOracle Databaseについて社内で技術者を積極的に育成し、同社が認定する最上位資格であるOracle Master Platinum Oracle Database 11g/12cの単年度取得者数は国内2位(日本オラクル社発表の「Oracle Certification Award 2018」による)となるなど、重点分野を定め戦略的に資格の取得を図っています。また大規模プロジェクトをマネジメントできるプロジェクト管理能力の向上を目的とした社内研修も行っています。

また具体的な人材配置においても社内外からの適材の手配を行っておりますが、案件の高度化・複雑化や全国的な労働力需給の逼迫により当社グループが必要とする人材の確保が難しい場合、失注や受注規模の縮小などによる売上減少など当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・長時間労働について

当社グループが提供するサービスやシステム開発の体制やプロセスの構造的な問題、属人性の高さから、長時間労働や過重労働が発生する可能性があります。当社では、社員集会で経営層が長時間労働削減の呼びかけを行ったり、有給休暇取得奨励日を定めたりしているほか、勤怠管理システムを利用した時間外労働申請や労働時間管理、経営層への情報共有を行っています。当社のこうした努力にも関わらず、過重労働やそれらを起因とした健康問題の発生やそれに伴う訴訟の提起、または生産性の低下などが生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦データサービス等の運用について

当社グループでは、データセンターを中心とした運用・保守サービスを提供するアウトソーシング事業を展開しております。

データセンターの展開においては、初期の設備投資のみならず、設備の老朽化対応、需要増加に対する設備増強など、サービスを安定的に維持・運用するための継続的な設備投資を要します。また、保有リソースに対し、顧客からの需要が低調な場合、設備の稼働率が低下し、採算が悪化する可能性があります。そのため、当社グループでは設備の増強・更新やセキュリティの強化などを行い、競争力の維持に努めております。

しかしながら、競争の激化等により設備の稼働状況が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧データセンターにおける障害について

当社グループでは、ホスティングやハウジング等のデータセンターサービスを実施しております。サービスの安定的な維持・運用のため、当社グループのデータセンターは継続的に設備の増強・更新やセキュリティの強化、運用技術者教育の充実等の諸施策を講じております。

しかしながら、これら施策にもかかわらず設備の不具合、運用ミス等が発生した場合、サービスの提供に重大な支障が生じ、損害賠償や信頼喪失等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨新規事業について

当社グループは、システムの受託開発、データセンター運営・保守等のアウトソーシング、自社プロダクト(パッケージソフト)の開発・販売を主たる事業としていますが、収益源の多様化のため、当社グループのリスク許容度を慎重に検討しつつ、高い収益性を備え当社グループの技術力のシンボルとなり得る可能性のある自社プロダクトを積極的に展開する方針であり、直近においては当社グループが自社用に社内開発した基幹システムをベースとした新規プロダクトを社外に販売する計画です。

かしながら、新事業の展開は大きな先行投資を伴うことがあり、今後、当社グループが展開する新事業が計画通りに進捗しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩M&Aについて

当社グループでは、企業買収や資本提携による技術力の向上及び顧客分野の拡大を今後の経営戦略のひとつとしておりますが、当社グループがこれらの投資活動により想定したとおりの成果を得る保証はありません。

買収や資本提携時において、当初想定したシナジーが発生しなかった場合や、買収・資本提携先の収益見通しの悪化により減損の必要が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日現在において当社グループが具体的に計画している企業買収や資本提携等の案件はありません。

 

(3)その他の事項

①情報セキュリティについて

当社グループは、業務遂行上、顧客、従業員などの個人情報やその他機密情報を保持しております。

当社グループではこれらの情報の保護に細心の注意を払っており、情報セキュリティに関する具体的な数値目標を定め取り組んでいます。同時に情報や情報機器の取り扱いについてのルールについての従業員教育を定期的に実施しているほか、取り組みを客観的に評価・検証するため内部監査の実施などの施策を推進しております。また当社内にコンプライアンス委員会を設置し、各種ポリシーを定めた上で関連する規程類を整備し、平成22年12月にはISO/IEC 27001(ISMS/情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得するなど対策を講じております。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、情報の流出が発生した場合には当社グループの信用低下や損害賠償金の支払が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産権について

情報サービス産業の発展に伴って製品及び技術が複雑化することにより、当社グループが提供するサービスまたは製品に対して第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟提起または請求を受ける可能性があります。

そのため当社グループは、社内担当者による調査事務を行っているほか、特許事務所と関係を構築し、必要に応じ侵害調査を実施しております。また当社グループが保有する知的財産については企業の重要な資産であるという認識のもと、必要性を十分に吟味したうえで出願を行い、また特許事務所と連携を図りながら権利侵害に備えています。

しかしながら、もし当社グループが知的財産権に関し訴訟等を提起され、または当社グループが自らの知的財産権を保全するため訴訟等を提起しなければならない事態が生じた場合、時間、費用その他の経営資源が費やされ、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが重要な技術を利用できなくなる可能性や損害賠償責任を負う可能性が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③法規制等について

当社グループでは、システムの受託開発などにおいてユーザー内にプロジェクトチームを編成して業務を行う場合、あるいは当社グループ内に協力会社要員を受け入れて業務を行う場合には、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)などの関係法規の適用を受けます。当社グループは関係法規の遵守に努めておりますが、何らかの事情で、取引先や協力会社において適格要件を欠くなどの労働者派遣法違反や偽装請負問題などが発生した場合には、当社グループの社会的信用の失墜を招くとともに、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④投資の減損について

当社グループでは、投資価値の下落が著しく、かつ回復の可能性がないと判断した場合、投資の減損を計上しております。時価のある有価証券については、時価が取得価額に比して著しく下落している場合、回復の可能性はないものと判断しております。また当社の連結子会社等の非上場会社の株式については、当該会社の財政状態の悪化によりその純資産価額が取得価額に対して著しく下落し、事業計画等によって回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、回復の可能性がないものと判断しております。

そのため将来の市況悪化、連結子会社の業績不振等により現在の帳簿価額に反映されていない損失または投資簿価の回収不能が発生し、投資の減損が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤自然災害について

当社グループの事業は広域にわたる大規模自然災害等に伴い、本社機能、当社グループが提供する重要なサービス、パートナー等が展開する事業の速やかな復旧または継続提供ができなくなった場合に影響を受ける可能性があります。当社グループではこれに備えて、事業継続計画(BCP)の策定、安否確認体制の構築、防災訓練及び建物の耐震調査などの対策を講じております。また、当社グループのデータセンターについては免震または耐震構造を採用し、自家発電による無停電電源装置を装備するとともに、強固なセキュリティを確保しております。

しかしながら、大規模自然災害の影響が当社グループの想定を超えて、上述の対策でもその影響を完全には遮断できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥事業の許認可について

当社グループでは、厚生労働大臣より以下の内容で一般労働者派遣事業の許可を受け、ソリューション事業を中心に、派遣契約に基づき当社グループ社員を顧客先に派遣する労働者派遣事業を営んでおります。

当社グループでは、社員教育や内部監査室によるモニタリングにより労働者派遣法の遵守に努めておりますが、派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反した場合等には、当該事業の停止を命じられ、事業が営めなくなるリスクがあります。

 

許認可の内容

取得年月日

監督官庁

認可番号

有効期限

㈱システムサポート

労働者派遣事業

2006年2月1日

厚生労働省

派17-300039

2019年1月31日

㈱T4C

労働者派遣事業

2018年2月1日

厚生労働省

派13-309181

2021年1月31日

 

⑦金利変動リスク、資金調達リスクについて

当社グループでは、資金調達を主に銀行借入により行うこととしているため、金利の変動による影響を受けます。金利上昇によるコストの増加を事業活動において吸収できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、現状、金融機関との関係は良好で、必要資金は問題なく調達できておりますが、将来も引き続き十分に調達可能であるという保証はありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用所得環境の改善や底堅い企業収益が下支えとなり、緩やかな回復基調が続きましたが、米国の保護主義的な通商政策等による貿易摩擦、中東・東アジア地域における地政学上のリスク等の影響が懸念され、先行きは不透明な状況で推移しました。

当社グループが属する情報サービス業界におきましては、働き方改革への取り組み等企業における効率化や生産性向上を目的とした投資需要に加え、AI、IoT、Fintech等の分野に注目が集まり、市場は拡大傾向となりました。

このような経済状況のもと、特に流通・小売業におけるデジタルマーケティング強化に向けたECやビッグデータ分析関連、製造業における高度化されたシステムの維持運用における効率化に向けたIT投資等、各種クラウド型ITサービスへの需要が堅調に推移しました。当社グループにおきましては、小売業におけるシステム基盤のクラウド移行案件や物流業における基幹システム更新案件、人材サービス業におけるスマートフォンアプリ開発案件等を中心に受注が増加しました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて501百万円増加し、4,166百万円となりました。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて287百万円増加し、3,608百万円となりました。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて214百万円増加し、558百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は9,970百万円(前年同期比12.5%増)、営業利益は402百万円(同45.1%増)、経常利益は368百万円(同44.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は218百万円(同2.1%増)となりました。

 

セグメントごとの経営業績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高については、外部顧客への売上高を記載しております。

(ソリューション事業)

小売業におけるシステム基盤のクラウド移行案件や物流業における基幹システム更新案件、人材サービス業におけるスマートフォンアプリ開発案件の受注等により、売上高は8,254百万円(前年同期比12.8%増)、セグメント利益は1,905百万円(同16.3%増)となりました。

(アウトソーシング事業)

AI関連サービス等を含めたデータセンター業務等が堅調に推移した結果、売上高は1,344百万円(同14.3%増)、セグメント利益は429百万円(同23.0%増)となりました。

(プロダクト事業)

住宅建築業向けの製品のカスタマイズ案件が減少し、売上高は326百万円(同0.7%減)、セグメント利益は142百万円(同3.1%減)となりました。

(その他事業)

北米で展開しているメディア関連の広告収入の減少等により、売上高は44百万円(同2.6%減)、セグメント利益は23百万円(同16.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ282百万円増加し、当連結会計年度末には1,042百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は637百万円(前年同期比32.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益340百万円、減価償却費184百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は256百万円(同45.2%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出94百万円、有形固定資産の取得による支出64百万円、敷金及び保証金の差入による支出59百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は97百万円(同17.0%減)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出64百万円、長期借入金の返済(純額)37百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

前年同期比(%)

ソリューション     (千円)

6,416,250

16.3

アウトソーシング    (千円)

929,514

11.1

プロダクト       (千円)

194,003

21.1

報告セグメント計(千円)

7,539,767

15.8

その他         (千円)

28,614

8.1

合計   (千円)

7,568,382

15.7

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ソリューション

8,389,309

16.6

427,938

45.7

アウトソーシング

1,342,606

14.7

3,974

△36.4

プロダクト

350,335

23.4

35,340

215.0

報告セグメント計

10,082,251

16.6

467,252

50.2

その他

44,212

△2.6

合計

10,126,464

16.5

467,252

50.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

連結会計年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

前年同期比(%)

ソリューション     (千円)

8,254,992

12.8

アウトソーシング    (千円)

1,344,883

14.3

プロダクト       (千円)

326,215

△0.7

報告セグメント計(千円)

9,926,092

12.5

その他         (千円)

44,212

△2.6

合計   (千円)

9,970,304

12.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、貸倒引当金、賞与引当金、繰延税金資産、受注損失引当金等の計上について見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析

a.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べて501百万円増加し、4,166百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べて484百万円増加し、3,228百万円となりました。これは主に、現金及び預金が310百万円、仕掛品が60百万円、受取手形及び売掛金が42百万円、繰延税金資産が34百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて17百万円増加し、937百万円となりました。これは主に、ソフトウェアが70百万円、敷金が42百万円増加し、土地が27百万円減少したこと等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べて287百万円増加し、3,608百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べて361百万円増加し、2,842百万円となりました。これは主に、未払費用が128百万円、未払法人税等が102百万円、未払金が70百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて74百万円減少し、765百万円となりました。これは主に、長期借入金が47百万円、その他が33百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて214百万円増加し、558百万円となりました。これは主に、利益剰余金が213百万円増加したこと等によるものであります。

 

b.経営成績

(売上高

当連結会計年度の売上高は、9,970百万円(前年同期比12.5%増)となりました。これは主にソリューション事業においてクラウド関連サービスが堅調に推移した結果であり、同事業の売上高は8,254百万円(同12.8%増)となりました。

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は7,494百万円(前年同期比11.3%増)となりました。これは主にプロジェクト管理による効果が出た一方、採用活動が堅調に推移し、社員数が前年同期を上回ったためです。この結果、売上総利益は2,476百万円(同16.1%増)となりました。

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,073百万円(前年同期比11.7%増)となりました。これは主に事業拡大に向けた体制強化に伴う採用費等の増加によるものです。この結果、営業利益は402百万円(同45.1%増)となりました。

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は7百万円(前年同期比63.1%減)となりました。営業外費用は前連結会計年度と同様に推移し40百万円(同2.3%減)となりました。これらの結果、経常利益は368百万円(同44.8%増)となりました。

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において当社が保有する固定資産に減損の兆候が認められたため、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損損失を27百万円計上したこと等により特別損失は28百万円(前年同期比98.5%増)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は218百万円(同2.1%増)となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

④経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営戦略の現状につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは主にソフトウエア開発等の研究開発を行っています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は2,179千円であり、プロダクト事業に関連して行われております。研究活動の主な内容は医療機関向けソフトウエアに関するもので、当社グループでは医用洗浄管理システムをすでに提供しておりますが、当連結会計年度においてはさらに汎用的に使用できる医用洗浄管理システムの開発を実施しました。