独立監査人の監査報告書

 

 

2023年8月31日

 

ITbookホールディングス株式会社

 

 

取締役会 御中

 

 

 

監査法人ナカチ

 

 

 東京都千代田区

 

 

 

代表社員

業務執行社員

 

公認会計士

藤 代 孝 久

 

 

代表社員

業務執行社員

 

公認会計士

家 冨 義 則

 

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているITbookホールディングス株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの連結会計年度の訂正後の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ITbookホールディングス株式会社及び連結子会社の2022年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

のれんの評価

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

当連結会計年度の連結貸借対照表において、のれんが896,603千円計上されている。

 

のれんは規則的に償却されるが、のれんを含む資産グループに減損の兆候があると認められる場合には、減損損失の認識の要否を判定する必要がある。

 

判定の結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。回収可能価額は事業計画から導かれる将来キャッシュ・フローに基づき算定されている。

 

事業計画は、自然災害や新型コロナウイルスをはじめとした感染症及び競合他社や市場の動向変化の影響を受けるなど予測困難な事象の発生に影響を受けるおそれがある。したがって、事業計画からもたらされる将来キャッシュ・フローの見積りには、経営者による判断を必要とする点で不確実性を伴う。

 

以上から、当監査法人はのれんの評価の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。

当監査法人は、のれんの評価を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。

 

・  将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を評価するために、その基礎となる将来の事業計画について、採用した前提および見積りの仮定を経営者にヒアリングした。

 

・  事業計画の信頼性を評価するため、取得時から当連結会計年度までの実績値と事業計画とを比較して差異発生要因を把握し、定量的な分析、業績の趨勢分析等を実施したうえで、取得時に認識した超過収益力の源泉が毀損している状況下にないかについて検討した。

 

・  事業計画の信頼性を評価するため、当該事業計画は、取締役会で承認された事業計画と整合的であることを確認した。

 

 

会社及び連結子会社における不適切な会計処理

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

会社は、会社及び連結子会社における2021年3月期及び2022年3月期の会計処理の一部に疑義がある旨の指摘を外部機関から受けた。このため、会社は、客観的な事実関係を明らかにするとともに、会社の管理体制に問題がなかったか否か等を明らかにするため、2023年6月16日、会社と利害関係のない外部の有識者で構成される特別調査委員会を設置し、2023年8月31日にその調査報告書を受領している。当該調査報告書において、特別調査委員会は、会社及び連結子会社において、複数の不適切な会計処理があったことを認定した。

注記事項(追加情報)(当社及び連結子会社における不適切な会計処理について)に記載のとおり、認定された不適切な会計処理は以下のとおりである。

① 会社における投資有価証券の取得価額の過大計上

② 連結上の子会社株式売却益の過大計上

③ 複数の連結子会社における、複数の売上高の前倒し計上又は架空計上

④ 連結子会社における売上原価の二重計上

⑤ 連結子会社における資産性のない在庫の過大計上

⑥ 連結子会社における資産性のない仕掛品の過大計上

⑦ 複数の連結子会社における資産性のない又は企業会計上許容される範囲を逸脱したソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の過大計上

また、会社は、これらの不適切な会計処理の発生原因となった内部統制の不備が財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制及び全社的な観点で評価することが適切と考えられる決算・財務報告プロセス並びに業務プロセスに開示すべき重要な不備があるものと認識している。

これらの不適切な会計処理が適切に修正されているかどうかを検討するためには、訂正の原因となった事項についての事実関係の把握、訂正事項に類似する取引等の検討及び連結財務諸表等への影響の検討について、より慎重な対応が求められる。

以上により、当監査法人は、会社及び連結子会社における不適切な会計処理の検討が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であることから、「監査上の主要な検討事項」に該当すると判断した。

1.特別調査委員会が実施した調査に関して、事実関係を網羅的に把握するため、特別調査委員会の作成した調査報告書の信頼性を以下の観点で評価した。

・  設置された特別調査委員会の適性、能力及び客観性について検討した。

・  不適切な会計処理が生じた原因を把握するため、特別調査委員会の調査報告書を閲覧し、特別調査委員会が実施した調査の範囲、調査方法、調査結果、結論及び根拠について評価するとともに、調査報告書の内容について特別調査委員会と協議した。

・  アンケート調査の内容や対象の網羅性、回答の状況について評価した。

・  デジタルフォレンジック調査の対象の網羅性、データ保全の完全性、キーワードの妥当性、検出された重要事項の内容とその対応結果について評価した。

2.訂正事項(左記①から⑦)について、特別調査委員会による調査結果に基づき、重要性が乏しいものを除き必要な修正処理が網羅的かつ正確に行われていることを検証した。

3.資産性のない在庫計上についての訂正事項(左記⑤)に関連して、訂正後の棚卸資産計上額の資産性を検討した。

4.訂正事項に類似する取引等については、以下の検討を行った。

・  内部統制に不備があることを考慮し、より広範囲に実証手続を実施した。

・  同様の手口、業務の類似性及び訂正事項に関与した者等の影響を考慮し、訂正事項に類似する取引等の検討の範囲の適切性及び入手した監査証拠の適合性をより慎重に評価した。

・  売上高の前倒し計上又は架空計上(左記③)に類似する取引に関して、会社設立前(サムシングホールディングス株式会社との統合前)にITbook株式会社の傘下であった子会社を対象に、取引の実在性、正確性及び期間帰属(期間配分)の適切性を検討した。

・  資産性のない仕掛品の過大計上(左記⑥)に類似する残高に関して、重要性が乏しいものを除き、連結子会社であるITbookテクノロジー株式会社を対象に、棚卸資産の評価が収益性の低下を適切に反映して適切に行われているかを検討した。

・  ソフトウェア及びソフトウェア仮勘定の過大計上(左記⑦)に類似する残高に関して、重要性が乏しいものを除き、収益獲得を目的とした自社利用目的のソフトウェアが計上されているすべての連結子会社を対象に、将来の収益獲得の確実性を慎重に評価して、資産計上開始時点の適切性及び期末評価の妥当性を検討した。

 

その他の事項

有価証券報告書の訂正報告書の提出理由に記載されているとおり、会社は、財務諸表を訂正している。なお、当監査法人は、訂正前の財務諸表に対して2022年6月28日に監査報告書を提出しているが、当該訂正に伴い、訂正後の財務諸表に対して本監査報告書を提出する。

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・  不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・  連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・  経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・  経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・  連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・  連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

(注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。