当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の主な課題は、以下のとおりであります。なお、当社グループは、従来「RENOSY(リノシー)」事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しておりましたが、翌連結会計年度より報告セグメントを「RENOSYマーケットプレイス事業」及び「ITANDI事業」の2つの報告セグメントに変更することとしましたので、以下、当該報告セグメント別にて記載いたします。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」という経営理念のもと、不動産総合ブランド「RENOSY(リノシー)」の開発・運営を行っております。当社では、“現状”や“常識”にとらわれることなく「ユーザーが未だ体験したことがない、世界を変えるようなサービスを常に創造し、ユーザーに新しい価値を提供する」ことを目指して企業活動を行っております。
(2)経営環境及び経営戦略
① 企業構造及び主要サービス
当社グループは、当社及び子会社10社で構成され、不動産総合ブランド「RENOSY(リノシー)」を中心として、投資用不動産の売買、中古不動産の売買仲介、高級賃貸用不動産の賃貸仲介、マンション賃貸管理、サブリース、リフォーム及びリノベーション、家賃債務保証事業、不動産仲介会社及び管理会社向け業務支援システムの開発・運営、投資不動産用ローン申込プラットフォーム等自社プロダクトの開発・運営・外販、不動産の各領域及び中華圏向けの不動産プラットフォーム「神居秒算」の開発・運営を主たる業務としており、(賃貸、売買、リノベーション、投資等)を網羅し、ワンストップでのサービス提供を行っております。
② 競争優位性
不動産業界の多くの会社は、賃貸、売買、リノベーション、投資の不動産の各領域ごとに分業制を取っていますが、当社グループではこれらの領域全てを網羅し、ワンストップでのサービス提供を行っております。これにより、お客様のユーザー体験の向上が図られております。
また、RENOSYマーケットプレイス事業における不動産売買、仲介等においては物件検索から申込・契約、アフターフォローまで、ITANDI BBにおける不動産賃貸仲介会社向けSaaSの提供においては物件検索から内見予約、入居申込・電子契約、更新退去まで、オンラインでの一気通貫でのサービス・顧客体験の提供が可能となっております。
さらに、当社グループはRENOSYマーケットプレイス事業、ITANDI事業におけるBtoC取引で培った様々な事業ノウハウを賃貸仲介会社、賃貸管理会社、売買仲介会社及び投資用不動産販売会社にSaaSで提供(BtoB取引)することが可能となっております。
③ 事業を行う市場の状況
あらゆるものがネットワークに繋がり、それを通じて収集・蓄積されるデータがリアルタイムで解析され、結果としてこれまでに無かった新しいサービスやビジネスが出現する時代が本格到来しつつある中、政府は2016年に発表した「名目GDP600兆円に向けた成長戦略」において、IoT・AI・ビッグデータ等の活用を通じた第4次産業革命の実現で30兆円の付加価値創出を目指すことを示しています。
そのような大きな時代の転換点にあって、2020年のわが国の住宅市場は、81.2万戸の新規住宅着工戸数(国土交通省「2021年版 住宅着工統計」)に対して中古住宅の成約件数は18.7万戸(不動産流通推進センター「2021不動産業統計集」)と、新築に大きく偏った市場構造となっています。一方で、少子高齢化、人口飽和、核家族化、所得の伸び悩み、都市部への人口集中等、様々な社会構造的要因により、中古住宅の有効活用が果たす役割は今後より一層大きくなることが期待されています。
また、住宅の購入層に目を向けると、住宅取得適齢期とされる30~40代は、これまでITリテラシーが限定的な層が主な構成員でしたが、今後はいわゆるデジタルネイティブ世代が占める割合が一気に上昇することが予見されています。
換言すれば、IT活用が最も遅れている市場のひとつと言われる不動産市場において、今後はIT活用が必須となる、あるいはIT活用が競争上の大きな優位性を持ち得る状況となることが予想されます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、①店舗来店不要のセルフ内見、②非対面での賃貸、売買契約、③ワンストップでシームレスな顧客・購入体験、④クラウドファンディングによる世界の不動産の手軽な購入、⑤業界のペーパーレス化へのシフト等、テクノロジーによる変革が起きてこなかった不動産業界が大きく変わろうとしています。このような事業環境はいずれも当社グループの事業を加速するための大きなチャンスととらえております。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大については、主に前連結会計年度において金融機関の稼働減に伴う販売活動の停滞、管理会社の営業停滞に伴う仲介可能物件数減少及び仲介業界の冷え込みによる電子申込利用減等の影響が出ておりましたが、非対面販売体制の早期確立、自社メディアの強化及び賃貸業界のDXシフト等、長期的な業界変化を見据えたDX推進に注力しており、当連結会計年度において、これらの影響はほぼ発生しておりません。
一方、中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム事業におきましては、国境を越えた取引の困難化に伴う販売活動の停滞が継続しており、翌連結会計年度も一定程度影響が残るものの、2023年度以降徐々に回復見込みであり、当社グループの業績への影響は限定的であると考えております。
④ 経営戦略
当社グループの中期目標及びそれに対する強化ポイントは以下の通りです。
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事業 |
3年後のありたい姿 |
3年間の強化ポイント |
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全社共通 |
■不動産投資、賃貸、管理をデジタルで牽引し、マーケットプレイスでの確固たる地位を確立 ■日本で成功したマーケットプレイスのグローバル展開をより進め、海外展開の基盤を構築 |
・DX、グローバル人材の確保 ・不動産取引データのインフラ構築 ・ブロックチェーンNFT不動産 ・コンプライアンス、ガバナンス |
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RENOSYマーケットプレイス |
■不動産取引のオンライン化を進め、マーケットリーダーになる ・売却、購入共にマーケットを牽引する立場に ・商品ラインナップを拡充し、顧客のニーズに応え、信頼を獲得 ・サードパーティ含めてマーケットシェア20%以上獲得 |
・ファイナンス ・商品ラインナップの拡充 ・売却と購入の顧客獲得 ・オンライン・オフライン施策 |
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ITANDI |
■リアルタイムな物件情報が流通するマーケットプレイスを確立し、全ての不動産会社が毎日必ず利用しているインフラとなる ■不動産会社のコアな業務システムとして最も信頼され、電子申込以外においてもSaaSの各領域でシェアNo.1を獲得 |
・DX人材の採用・育成 ・SaaSサービスラインナップの拡充 ・toB/toCのユーザー獲得 ・ネットワーク性の構築 |
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その他(グローバル) |
■グローバルにおいての認知度向上 ■複数ヶ国に事業基盤があり、クロスボーダーでの不動産取引を展開 |
・グローバルでの事業構築 ・マーケットプレイスのユーザー獲得 ・オンライン・オフライン施策 |
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 不動産取引のオンライン化への取り組み
不動産業界はオンライン化が最も遅れている業界の一つであり、今後は「非対面化」や「電子書面化」が加速することが想定されています。特に電子書面化においては、今後法改正により規制緩和が予定されており、係る規制緩和をビジネスの機会にしていく必要があると考えております。当社グループは従前から積極的に不動産取引のオンライン化におけるプロダクトの開発・製品化を行っており、今後も競争力の強化を図っていく方針であります。
② 安定的収益の確保を実現するSaaS型ビジネスの強化
現在、当社グループは不動産投資事業(いわゆるiBuyer事業)からの収益が大きく、当ビジネスは急拡大を続けておりますが、中期的には安定的な収益の確保が可能となるSaaS(Software as a Service)型ビジネスの強化が必要であると考えております。当社グループにおいては、イタンジ株式会社が主に賃貸領域におけるSaaS型ビジネスを、株式会社RENOSY Xが売買領域におけるSaaS型ビジネスをBtoBビジネスとして手掛けており、SaaS型ビジネスの拡大によりグループ全体の収益の安定性の確保を図っていく方針であります。
③ 「RENOSY(リノシー)マーケットプレイス」事業の強化
(a)マーケットシェアの拡大
当社グループは、従前より知名度の向上等によるマーケットシェアの拡大に努めてまいりましたが、ネットワーク効果による参入障壁を強固にする観点から、更なるマーケットシェアの拡大が必要と考えております。RENOSY会員の獲得を成長ドライバーとし、買い手、売り手を増やすことで取引件数を向上させ、取引件数増加による認知度向上によりRENOSY会員を獲得するという循環を加速したいと考えております。また、商品ラインナップを拡充することによる更なる取引量の拡大も図ってまいります。
(b)マージンの改善
他事業者の中古マンション再販事業への参入による競争激化等により、マージンが低下傾向となっており、早急な改善が必要な状況となっております。当社グループから見た売り手に対するDXによるオーナーからの直接調達の強化、マージンの高い商品ラインナップの拡充、RENOSY会員への付帯サービスの提供等に加え、シェア拡大によるネットワーク効果により、マージンの向上を目指してまいります。
(c)サブスクリプション事業におけるDX
当社グループの株式会社RENOSY ASSET MANAGEMENTは不動産投資運用の資産管理を”賃貸管理”にとどまらない、独自の長期的・安定的、豊富なサービスサインナップを備え、月額のサブスクリプションでサービスを提供しております。事業の更なるDXを通じて、オーナー、入居者、原状回復・リノベーション業者等、当事業に関連する全ての人々の顧客体験及び生産性の向上を目指してまいります。
(d)サードパーティーサービスの拡大
当社グループは、RENOSYマーケットプレイスで獲得した会員に対して、更なる顧客接点の拡大が可能と考えており、顧客の老後資金、資産形成、相続といったお金にまつわる不安や不便に対して、DXを活用して様々な商品ラインナップの提供を開始しております。今後、RENOSY会員に対し、顧客体験、業務生産性の向上に努め、マーケットシェアの拡大を図ってまいります。
(e)海外事業の展開
世界各国の買い手、売り手をマーケットプレイスでマッチングし、クロスボーダーでの不動産取引を実現できるようになる、そのような世界の実現に向けて、テクノロジーとリアルの融合により、今までにない顧客体験の創造を追求するとともに、海外事業にも積極的にチャレンジしていく方針であります。
④ ITANDI事業の強化
(a)管理会社向けSaaSの新規顧客獲得及びARPU(1ユーザー当りの売上金額)向上
管理会社と仲介会社、入居希望者間のやり取りの自動化を実現するITANDI BBでは賃貸物件のお部屋探し業務の後工程(物件空き確認、内見予約、入居申込)で提供システムの機能強化を行うことで、独自のポジションを築くとともに、大手管理会社の生産性向上のニーズを捉えることにより、着実に掲載物件数も増加し、多くの仲介会社が閲覧するマーケットプレイスへ成長しております。今後は、中小企業もターゲットに空室率対策のニーズに応えていくことで、ロングテール市場における新規顧客獲得を目指してまいります。また、電子申込利用数No.1の申込受付くんの顧客基盤を活用し、電子契約くん他1社あたりサービス利用数を増やし、ARPUの向上を目指してまいります。
(b)仲介会社向けSaaSの新規顧客獲得
賃貸仲介会社向けCRMツールであるノマドクラウドについて機能強化により、リアルタイムな物件情報が集まる業者間サイトであるITANDI BBとの連携強化を進めております。これにより、仲介会社の電話確認コストを減らし、エンドユーザーへの速やかなレスポンスが可能となる等、顧客体験の向上を図り、競合他社と差別化することにより新規顧客の拡大を図ってまいります。
(c)OHEYAGOのコンテンツ強化
セルフ内見型お部屋探しサイトOHEYAGOは、テクノロジーを用いたスマートなお部屋探し体験により、高い顧客満足度を獲得しております。OHEYAGOリリース以降の物件増加とサイト改善によりSEOが強化され、利用者数も増加しております。今後も高い顧客満足度を活かしながら、ITANDI BBの拡販を通じて継続的に掲載物件数を増加させることにより、集客力の強化を図ってまいります。
⑤ 新規事業の創出及びM&A
既存の主な事業であるRENOSYマーケットプレイス事業及びITANDI事業は、コア事業として更に強化を行っていく一方で、新たな収益の柱として、新規事業の創出も必要となってくると認識しております。
不動産領域においては、当社の既存事業とのシナジーが期待できる事業への進出を積極的に検討しております。また、不動産に隣接する新たな領域(建設、金融、保険)への進出についても検討を進めていく方針であります。M&Aの実施、社内システムの外部販売や、不動産に隣接する領域に対してのテクノロジーでの進出などにより、新規事業へのチャレンジを進めていく方針であります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると認識しております。当社は、2020年1月28日から監査等委員会設置会社へ移行しましたが、今後も監査等委員と内部監査の連携、定期的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。
⑦ 人材の採用、育成
当社グループは今後の事業の拡大のために優秀な人材の採用、育成が重要な課題であると認識しております。そのため、新卒者の定期的な採用や経験者の中途採用を積極的に実施しております。また、新たに入社した社員に対しては研修を実施する等により人材の育成に取り組んでおります。優秀なエンジニアやセールスの採用は競争が激しくなっておりますが、既存社員の紹介等も積極的に活用することで、当社の成長の根幹を支える人材の採用強化を図っています。今後も積極的な採用を計画しており、社員への研修・教育制度を整備することで、優秀な人材の採用、育成に取り組んでいく方針であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染拡大について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループが属する不動産業界は、新型コロナウイルスの感染拡大により、金融機関の稼働減に伴う販売活動の停滞、管理会社の営業停滞に伴う仲介可能物件数減少及び仲介業界の冷え込みによる電子申込利用減等が事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループにおける中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム事業において、国境を越えた取引の困難化に伴う販売活動の停滞が継続しており、当該停滞が長期化する場合には、当社グループの業績に大きな影響が発生する可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
新型コロナウイルスの感染拡大により、当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。
当社グループはこれらのリスク低減を図るため、非対面販売体制の早期確立、自社メディアの強化及び賃貸業界のDXシフト等、長期的な業界変化を見据えたDX推進に注力しております。
(2)不動産取引市場の動向について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利水準、地価水準等の変化による不動産取引市場の動向に影響されます。したがって、不動産取引市場の動向が顧客の不動産投資意欲に影響を与えることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
不動産取引市場の冷え込み等により当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、不動産市場の動向を注視するとともに、当該動向に柔軟に対応できる体制構築に努めております。
(3)競合について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループが属する不動産業界は、競合他社が多く存在しており、今後、他社の参入等により十分な差別化ができなくなり、競争が激化した場合には、価格競争及び販売件数の減少並びに仕入価格の上昇等により当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
競争激化により当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、ITを活用した不動産総合プラットフォーム「RENOSY(リノシー)」を利用する等、他社と差別化を図っております。当社は、今後も「RENOSY(リノシー)」の機能向上等により他社との差別化を強化する方針であります。
(4)賃貸物件の空室時のリスクについて
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、販売した投資不動産の賃貸管理業務まで一気通貫でサービス提供を行っておりますが、購入した顧客と当該賃貸物件の一部について空室時の家賃保証契約を行っております。当社グループでは、空室率を低下させるための施策を講じているものの、空室が多くなった場合には、家賃保証の費用が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループが販売している投資不動産は東京を主とする、国内主要都市圏の駅から近い、単身者用マンションであることから、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。しかしながら、中長期的に日本の人口動態が変化していくことに伴い、リスクが今後変化していく可能性はありえると考えております。当社グループはこれらのリスク低減を図るため、AI技術を用いた、空室リスクの低い投資不動産の特定及び販売、並びに短期間での原状回復など様々な施策を講じております。
(5)有利子負債の増加に伴う金利変動リスク及び在庫保有リスクについて
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、投資不動産の販売を行っておりますが、仕入から販売までの期間が短いため、基本的に当該不動産を長期間に亘り保有することはなく、投資不動産の仕入のために有利子負債残高が高水準になる可能性は高くありません。しかしながら、例外的に長期間保有する場合には、借入れによる資金調達が増え、有利子負債残高が高まる可能性があります。その場合には、金利負担の増加やたな卸資産の評価損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、仕入から販売までの期間が想定以上に長期化した場合には、販売価格の値引きにより販売を促進する施策をとる可能性があります。その場合には、利益率の悪化等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは投資不動産の仕入から販売までのプロセスについて、テクノロジーを導入した結果、在庫保有期間を短くするオペレーションを確立しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えております。しかしながら、当該リスクが顕在化した場合に一定のインパクトがあると認識していることから、投資不動産については物件の仕入基準を設けた上で、AI技術を用い、在庫品質及び在庫量管理を徹底することで、当該リスクの低減に努めております。
(6)資金調達リスクについて
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループの事業資金及び投資資金の一部は、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しています。このため、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下や格付けの引き下げ、業績及び事業環境の悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。
また、当該金融機関からの借入等の一部にコベナンツ(財務制限条項)が付されています。コベナンツに抵触する事象が発生した場合、当該債務について期限の利益を喪失し、その結果、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
資金調達環境の変化や当社の業績の悪化により、今後の安定的な資金調達に支障が出るリスクは一定程度あるものと認識しております。当社グループは、金融機関との緊密な関係の構築、資金調達方法の拡大等により、現状、安定的な資金調達が実施できておりますが、より一層の調達環境の良化・安定化に努めてまいります。
(7)技術革新等について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、不動産総合プラットフォーム「RENOSY(リノシー)」を活用することで、業務の効率化や情報収集力の強化、データ分析による顧客への効果的な広告配信に努め、他社と差別化を図っております。今後は既存システムの改善に加え、それらのBtoB販売を含めた様々な可能性を想定しておりますが、「RENOSY(リノシー)」がサービスを提供しているIT技術分野は技術進歩が速く、当社グループが想定する以上の技術革新により、当社グループの技術やサービスが競争力を失うような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは常に最先端のIT技術を当社サービスに導入するべく事業運営を心掛けておりますが、IT技術の技術進歩の方向性やスピードは予測することが困難であることから、当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。しかしながら、当社グループは、このようなリスクを低減するために継続的に最新の技術をもったエンジニアの採用及び継続的な社内研修を行うなどの対応を取っております。
(8)システムトラブルについて
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループの事業は、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでおりますが、何らかの理由によりシステムトラブルが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。そのため、当社のデータをクラウド上で保有するなどの対応を取っております。
(9)法的リスクについて
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループが属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」、「建設業法」、「国土利用計画法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「建物の区分所有等に関する法律」、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」等の法的規制を受けております。当社グループではこれらの法的規制を遵守するように努めておりますが、法令違反が発生した場合や新たな法令の制定・法令の改正等が行われた場合、当社の事業活動が制約を受け、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当連結会計年度末において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当社グループは事業活動を行うに際し以下の許認可を得ており、現在、許認可が取消となる事由は発生しておりません。しかしながら、今後、何らかの理由によりこれらの許認可の取消等があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは法務部が中心となって各種法的規制に対応し、またリスク管理・コンプライアンス委員会において、リスク管理及びコンプライアンス計画を推進しております。そのため、当該リスクが顕在化する可能性は低いものと考えておりますが、万が一、法的規制に抵触した場合には極めて大きな問題に発展する可能性のある重要なリスクであると認識しております。当社グループは、このようなリスクを低減するために法務部及びリスク管理・コンプライアンス委員会直下のコンプライアンス小委員会において各社法令等の改正等を適時にキャッチアップするとともに、新規事業の開始時点においても、法務部のコンプライアンスチェックや外部弁護士と連携する体制を整備しており、法令違反等の予防に努めております。また、定期的に各部署及び各グループ会社に関連するコンプライアンス研修を実施し、当社グループのコンプライアンス意識の向上を図っています。
(当社)
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許認可の名称 |
所管官庁 |
許認可の番号 |
有効期限 |
取消事由 |
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宅地建物取引業免許 |
国土交通省 |
国土交通大臣(1) 第9135号 |
2022年2月22日 |
宅地建物取引業法 第66条、第67条及び第67条の2 |
|
一般建設業許可 |
東京都 |
東京都知事許可 (特-3)第145636号 東京都知事許可 (般-3)第145636号 |
2026年8月18日 |
建設業法 第29条及び 第29条の2 |
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小規模不動産特定共同事業者 |
東京都 |
東京都知事(1) 第1号 |
2023年5月14日 |
不動産特定共同事業法 第11条及び第36条 |
|
一級建築士事務所登録 |
東京都 |
東京都知事登録 第61581号 |
2022年4月24日 |
建設業法 第26条 |
|
マンション管理業登録 |
国土交通省 |
国土交通大臣(1) 第034425号 |
2024年3月8日 |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第83条 |
(イタンジ株式会社)
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許認可の名称 |
所管官庁 |
許認可の番号 |
有効期限 |
取消事由 |
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宅地建物取引業免許 |
東京都 |
東京都知事(1) 第103729号 |
2024年7月26日 |
宅地建物取引業法 第66条、 第67条及び第67条の2 |
(株式会社RENOSY ASSET MANAGEMENT)
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許認可の名称 |
所管官庁 |
許認可の番号 |
有効期限 |
取消事由 |
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宅地建物取引業免許 |
国土交通省 |
国土交通大臣(1) 第009817号 |
2025年11月5日 |
宅地建物取引業法 第66条、第67条及び第67条の2 |
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マンション管理業登録 |
国土交通省 |
国土交通大臣(1) 第034543号 |
2025年12月1日 |
マンションの管理の適正化の推進に関する法律 第83条 |
(株式会社Modern Standard)
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許認可の名称 |
所管官庁 |
許認可の番号 |
有効期限 |
取消事由 |
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宅地建物取引業免許 |
東京都 |
東京都知事(3) 第091130号 |
2024年11月20日 |
宅地建物取引業法 第66条、 第67条及び第67条の2 |
(株式会社RENOSY FINANCE)
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許認可の名称 |
所管官庁 |
許認可の番号 |
有効期限 |
取消事由 |
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貸金業登録 |
東京都 |
東京都知事(1) 第31767号 |
2022年11月29日 |
貸金業法 第24条の6の4及び 第24条の6の5 |
(株式会社パートナーズ)
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許認可の名称 |
所管官庁 |
許認可の番号 |
有効期限 |
取消事由 |
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宅地建物取引業免許 |
東京都 |
東京都知事(3) 第93529号 |
2026年10月28日 |
宅地建物取引業法 第66条、第67条及び第67条の2 |
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不動産特定共同事業者 |
東京都 |
東京都知事 第126号 |
- |
不動産特定共同事業法 第11条及び第36条 |
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住宅宿泊管理業者登録 |
国土交通省 |
国土交通大臣(01) 第F01666号 |
2024年5月10日 |
住宅宿泊事業法 第42条及び第43条 |
(10)情報の管理について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、会員やオーナーの個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。また、株式会社RENOSY Xでは、金融機関を対象としたシステムの受注開発・サービス提供をおこなっており、「FISC(金融情報システムセンター)」安全対策基準に対応した体制の構築と運用が求められています。何らかの理由でこれらの情報が漏洩してしまった場合、信用失墜、取引停止、損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループにおいて個人情報保護管理体制を、また、システムの開発をおこなう子会社では、FISC安全対策基準やISO27001を充足した管理体制を構築、運用しております。当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、情報漏洩が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性があると認識しております。当社グループは各社プライバシーマーク、ISMSの認証を取得するとともに、各種情報の取り扱いの重要性については、社内研修等を通じて社員へ啓発活動を継続的に実施するなどの施策を講じております。
(11)知的財産権について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは現在、他社の知的財産権を侵害している事実は認識しておりません。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立していることにより当社グループの事業運営が制約を受ける場合や第三者の知的財産権の侵害が発覚した場合等においては、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、第三者が当社グループの技術などを使用し、市場において当社グループの競争力に悪影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないような体制を構築しておりますが、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害してしまった場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要なリスクであると認識しております。当社グループは、これらのリスク低減を図るために、新規事業の開始時点において、法務部のコンプライアンスチェック(第三者の知的財産権の侵害等の確認を含む)を受けるなどのプロセスを設け、知的財産権等を侵害することがないよう運営しております。
また、第三者が当社グループの技術などを使用する可能性は常にあるものと認識しております。当該リスク低減を図るために、商標登録や自社製品に関する特許を取得することで第三者による知的財産権の侵害を防いでおります。
(12)自然災害について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループが事業展開している地域は、首都圏や関西圏が中心となっておりますが、これらの地域で不測の大規模地震や台風等の自然災害等が発生した場合、当社グループの不動産価値の低下や事業展開に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクは発生する可能性は低いと想定されますが、発生した場合のインパクトは相応にあると認識しております。
そのため当社グループは、常にリモート対応ができるようなシステム環境を整備する等、物理的に当社グループの本社や支店の設備に依存しないようなビジネス体制を構築しております。
(13)人材の確保・育成について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、オンラインのみならず実業でのオペレーションも有していることから、今後の事業拡大のために優秀な人材の確保、育成並びに事業成長に必要となる人員数の確保が重要な課題であると認識しており、積極的に人材を採用しておりますが、必要な人材を確保できない可能性や育成した人材が当社グループの事業に十分に寄与できない可能性があります。その場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが発生する可能性は常に一定程度あり、発生した場合、特に当社グループの成長に対して相応のインパクトがあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスク低減を図るために、幅広い採用ルートから積極的に人材を採用していくとともに、研修の実施等により人材の育成に取り組んでいく方針であります。
(14)特定の経営者への依存について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、代表取締役社長執行役員CEO 樋口龍に当社グループの経営の重要な部分を依存しております。何らかの理由により同氏による当社グループ業務の遂行が困難となった場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが発生する可能性は低いものの発生した場合に相応のインパクトがあるものと認識しております。
当社グループは、同氏に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備、人材の育成を行う等体制の整備に努めております。
(15)配当政策について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状態等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。
しかしながら、当社グループは現在成長過程にあり、内部留保の充実を図り、更なる成長に向けた事業の拡充や組織体制、システム環境の整備への投資等の財源として有効活用することが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考え、配当を実施しておりません。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは、将来的には財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針ではありますが、現時点では、フリーキャッシュフローを成長のための投資に投じ、企業価値向上を図ることが株主の利益最大化へ繋がると考えていることから、現時点において配当の実施時期等については未定であります。
(16)M&Aについて
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、企業価値を継続的に向上させる上で有効な手段となる場合や、市場において短期間で優位性を確立するといった大きな相乗効果が見込める場合には、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。
しかしながら、事前の調査・検討内容に不十分な点が存在することや、買収後の市場環境や競争環境の著しい変化があった場合には、買収した事業が計画どおりに展開することができず、或いは投下資金の回収ができず、のれんの減損や追加費用が発生する可能性があります。その場合等には、当社グループの業績や成長見通し及び事業展開等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループはM&Aを継続的に実施していることから、当該リスクが顕在化する可能性は少ないながらもあるものと認識しております。当社グループは市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績、財務状況、技術優位性や市場競争力、当社グループの事業ポートフォリオ等を投資管理規程に基づき、十分に精査し、また、投資委員会を開催することで投資対象の選定から調査方針の決定、投資判断にあたっての調査及び審査をおこなうことで、当該リスクを低減できるものと認識しております。
(17)海外での事業展開について
① リスクが顕在化した場合に連結会社の経営成績等の状況に与える影響の内容等
当社グループは、中国において事業を展開しており、今後タイをはじめとする東南アジアでの事業展開も視野にいれております。海外での事業展開において、日本とは異なる法制度、商慣習及び労使関係や経済の動向並びに為替相場の変動、その他政治的及び社会的要因といった様々な要因の発生が見込まれ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
② リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当該リスクが発生する可能性は常に一定程度あり、発生した場合、特に当社グループの成長に対して相応のインパクトがあるものと認識しております。当社グループは、これらのリスク低減を図るために、海外進出前の入念な調査、海外進出後のガバナンス体制の構築や、法制度、政治・経済・社会情勢の変化等の適時な把握体制の確立により、当該リスクを低減できるものと認識しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況が続き、経済活動や個人消費に大きな影響を与えております。ワクチン接種の進展や感染防止対策を講じることで経済活動の緩やかな回復が見込まれますが、変異ウイルス等による感染再拡大の懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。
不動産市場におきましては、2020年3月以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、首都圏中古マンション成約件数は前年比で減少傾向が続いておりましたが、2020年10~12月期、2021年1~3月期、2021年4~6月期はそれぞれ前年比11.8%、12.2%、55.4%のプラスとなるなど改善の兆しを見せております。(公益財団法人 東日本不動産流通機構 統計情報)
このような事業環境の下、当社グループ(当社及び当社の関係会社)におきましては、主に前連結会計年度において金融機関の稼働減に伴う販売活動の停滞、管理会社の営業停滞に伴う仲介可能物件数減少及び仲介業界の冷え込みによる電子申込利用減等の影響が出ておりましたが、非対面販売体制の早期確立、自社メディアの強化及び賃貸業界のDXシフト等、長期的な業界変化を見据えたDX推進に注力しており、当連結会計年度において、これらの影響はほぼ発生しておりません。一方、中華圏の投資家向け不動産プラットフォーム事業におきましては、国境を越えた取引の困難化に伴う販売活動の停滞が継続しており、翌連結会計年度も一定程度影響が残るものの、2023年度以降徐々に回復見込みであり、当社グループの業績への影響は限定的であると考えております。
但し、当社グループは2021年5月にデジタル改革関連法が成立したことに伴い、当社グループの事業領域における競争環境が変化するおそれが高まったことから、RENOSYマーケットプレイス事業※1、2 及びITANDI事業※2において、不動産取引のオンライン化及びDXの更なる推進、短期間での市場占有率獲得を目指す戦略を迫られることとなりました。当社グループは、創業より「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を。」という理念のもと、「世界のトップ企業を創る。」というビジョンを掲げて事業に邁進し、従来から小さなマーケットの獲得ではなく、日本及びグローバルの不動産取引をなめらかにすることで大きなインフラとなる事業を育てることを目指してまいりました。この度の当該事業環境の急速な変化を受け、事業規模拡大の加速を好機と捉え、短期間でRENOSYマーケットプレイス事業等の市場シェアを高めるべく、取引量を増やしました。取引量の増大に伴い、調達価格が高騰した商品が増加し、マージン(売上総利益)の低い取引が多く発生したため、マージンは当初の想定を下回って推移しております。
※1 RENOSYマーケットプレイス事業は、主に投資不動産の買取再販事業、不動産の売買・賃貸仲介・管理事業
※2 いずれも翌連結会計年度から適用する報告セグメント名
(a)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ10,951百万円増加し、19,405百万円となりました。これは主に、現金及び預金が9,007百万円増加し15,393百万円となったこと、及び販売用不動産が1,409百万円増加し2,795百万円となったことによるものであります。また、固定資産は前連結会計年度末に比べ641百万円増加し、10,772百万円となりました。これは主に、のれんが792百万円増加し4,554百万円となったことによるものであります。
この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ11,593百万円増加し、30,177百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,190百万円増加し、6,914百万円となりました。これは主に、1年内償還予定の社債が2,010百万円増加し2,050百万円となったこと、1年内返済予定の長期借入金が198百万円増加し1,147百万円となったこと、短期借入金が1,203百万円減少し300百万円となったこと、未払金が569百万円増加し1,558百万円となったこと、預り金が292百万円増加し1,366百万円となったこと、未払法人税等が660百万円減少し1百万円となったことによるものであります。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ1,193百万円減少し、4,529百万円となりました。これは主に、社債が1,705百万円減少し405百万円となったこと、長期借入金が338百万円増加し2,722百万円となったこと、及び預り敷金・保証金が119百万円増加するなどその他固定負債が205百万円増加し461百万円となったことによるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ2百万円減少し、11,443百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11,595百万円増加し、18,733百万円となりました。これは主に、公募増資、第三者割当増資の実施及び新株式発行に伴い、資本金が6,037百万円増加し7,219百万円となったこと、資本剰余金が6,795百万円増加し10,727百万円となったこと、及び利益剰余金が1,269百万円減少し770百万円となったことによるものであります。
(b)経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高85,388百万円(前年同期比35.4%増)、EBITDA※ 1,466百万円(前年同期比48.8%減)、営業損失△39百万円(前年同期は1,888百万円の営業利益)、経常損失△431百万円(前年同期は1,654百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失△1,269百万円(前年同期は903百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当社グループは、従前「RENOSY(リノシー)」事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しておりましたが、翌連結会計年度より報告セグメントを「RENOSYマーケットプレイス事業」及び「ITANDI事業」の2つの報告セグメントに変更することといたしました。変更後のセグメント区分とした当連結会計年度におけるRENOSYマーケットプレイス事業の業績は、売上高83,616百万円、セグメント利益3,778百万円、ITANDI事業の業績は、売上高1,170百万円、セグメント利益14百万円となっております。
※ EBITDA=営業利益+減価償却費(営業費用)+のれん償却額
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,956百万円増加し15,275百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、390百万円(前年同期は2,312百万円の獲得)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額1,274百万円、税金等調整前当期純損失1,183百万円、減価償却費968百万円、減損損失621百万円及び、のれん償却額537百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,958百万円(前年同期は3,766百万円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,076百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出492百万円、敷金及び保証金の差入による支出124百万円及び、有形固定資産の取得による支出227百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、11,305百万円(前年同期は3,545百万円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入11,975百万円、長期借入れによる収入2,180百万円、長期借入金の返済による支出1,907百万円及び、短期借入金の純減額1,220百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(b)契約実績
当社グループは、契約実績と販売実績が概ね同じであるため、記載を省略しております。
(c)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社グループは、従来「RENOSY(リノシー)」事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しておりましたが、翌連結会計年度より報告セグメントを「RENOSYマーケットプレイス事業」及び「ITANDI事業」の2つの報告セグメントに変更することとしましたので、以下、当該報告セグメント別の情報も併せて記載いたします。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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「RENOSY(リノシー)」事業 |
85,307 |
135.5 |
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その他の事業 |
81 |
62.7 |
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合計 |
85,388 |
135.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
※翌連結会計年度から適用するセグメント別では以下の通りです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年11月1日 至 2021年10月31日) |
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金額(百万円) |
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RENOSYマーケットプレイス事業 |
83,616 |
|
ITANDI事業 |
1,165 |
|
その他の事業 |
607 |
|
合計 |
85,388 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。一般に公正妥当と認められる連結財務諸表の作成においては、期末日における資産及び負債の報告額や、報告対象期間中の収益及び費用の報告額に影響する判断及び見積りを行うことが求められております。当社グループの連結財務諸表作成においては、過去の実績等を勘案し合理的に判断及び見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態
当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a)財政状態」に記載のとおりであります。
(b)経営成績
(売上高及び売上総利益)
売上高は、「RENOSY(リノシー)」の認知度向上等により、RENOSY会員数が増加したことなどにより、85,388百万円(前年同期比35.4%増)となりました。一方、2021年5月にデジタル改革関連法が成立したことに伴う当該事業環境の急速な変化を受け、事業規模拡大の加速を好機と捉え、短期間でRENOSYマーケットプレイス事業等の市場シェアを高めるべく、取引量を増やしたことにより、調達価格が高騰した商品が増加し、マージンの低い取引が多く発生しました。そのため、売上総利益は11,447百万円(前年同期比16.1%増)にとどまっております。
(販売費及び一般管理費、EBITDA及び営業利益)
販売費及び一般管理費は事業規模の拡大に伴い、主に人件費、広告宣伝費、減価償却費及び地代家賃の増加により、11,487百万円(前年同期比44.1%増)となりました。
この結果、EBITDA※1,466百万円(前年同期比48.8%減)、営業損失△39百万円(前年同期は1,888百万円の営業利益)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費(営業費用)+のれん償却額
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益が24百万円(前年同期比35.8%増)であったのに対して、営業外費用が主に資金調達関係の手数料により416百万円(前年同期比65.2%増)となり、営業外損益は△391百万円(前年同期比△157百万円)となりました。
この結果、経常損失は△431百万円(前年同期は1,654百万円の経常利益)となりました。
(特別損益、法人税等及び当期純利益)
主にRENOSYマーケットプレイスの一部ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む。以下同様)の利用方針及び開発方針の変更により、事業の用に供されないことが明らかとなったソフトウエアの減損損失及び投資有価証券評価損を特別損失として計上し、特別損益は△752百万円(前年同期比690百万円減)となりました。また、法人税等は、主に税金等調整前当期純利益の減少により、85百万円(前年同期比87.6%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は△1,269百万円(前年同期は903百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社の主な資金需要は自社保有投資不動産の取得、販売費及び一般管理費の広告宣伝費及び人件費、ソフトウエアの開発投資及びM&A等であります。これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金及び金融機関からの借入や社債による調達を基本としており、経済・金融環境の変化に備えた十分な手許流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努めております。また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を有しております。
当社は、2021年4月15日開催の取締役会において、株式会社パートナーズ(以下「パートナーズ社」)の株式を取得し、その後、当社を完全親会社、パートナーズ社を完全子会社とする簡易株式交換を行うことについて決議し、同日付で株式譲渡契約及び株式交換契約を締結いたしました。なお、株式取得の手続きは2021年5月10日付、簡易株式交換の手続きは2021年6月1日付で完了し、パートナーズ社及びその子会社である株式会社ディールデザイン、株式会社ラピスを当社の完全子会社としております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。
当社は「テクノロジー×イノベーションで、人々に感動を生む世界のトップ企業を創る。」という経営理念のもと、AI戦略室を中心に研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の主たる研究開発活動としては、AIを用いた価格推定や賃料推定、賃貸物件の空室期間予測、物件写真や間取り画像解析技術、地域や物件に関するスコアリング等であり、当連結会計年度における研究開発費の総額は