文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、「日常に&を届ける」をミッションとし、人々の生活を豊かにするサービス、事業の創出に取り組んでおります。特に生活必需品として急速に普及台数が増えているスマートフォン関連事業を軸として展開することで、より日常に影響を与えるサービス、事業の創出が可能であると判断し、人々の暮らしに&を届け続けていくfactoryとして様々なサービス・アプリケーションに真摯に取り組んでまいります。
当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでまいります。
(3) 経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善による緩やかな回復基調で推移しておりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の国内及び世界的な蔓延による影響により、経済活動の停滞が懸念されることとなり、景気の先行きが不透明な状況が一段と強まりました。当社が展開するSmartphone APP事業及びIoT事業においても影響を受けており、先行き不透明な状況が当面の間続くことが見込まれます。
このような経営環境のなか、当社では、従業員をはじめステークホルダーの安全確保を最優先とし、リモートワークやフレックス制の導入、オンライン会議の積極利用を推進するなど、政府及び各自治体の方針・要請に基づいた感染予防・拡大防止策へ迅速に取り組むことで事業の安定運営に努めております。一方で、特に宿泊業界におけるインバウンド需要の回復には相当の時間を要することが想定されるため、従来のビジネスモデルの転換や見直しなど、変化する経営環境に柔軟に対応しながら、アフターコロナの社会に即した当社ならではの強みを活かした新しい事業価値を提供し、持続的成長に繋げてまいります。
スマートフォンを取り巻く環境は、目まぐるしく変化しており、スマートフォンそのものが単なるデバイスとしての枠を超えてきております。このような環境の中、当社は、2014年9月の創業以来、Smartphone APP事業を中核に、新規事業にも取り組み、事業規模の拡大を実現してまいりました。これは、UI/UXデザインの構築力という強みを有していることが要因であると考えております。
当社が現在展開しているSmartphone APP事業及びIoT事業は、いずれもスマートフォンでアプリやデバイスを操作することで得られる体験を価値としてサービス提供するものであり、その操作性及び得られる便益、経験、すなわち、UI/UXの設計によって、サービスの価値が決まるものと考えております。そして、UI/UXデザインの構築力は、ユーザー目線に立って、相手の求めていることを推測し、実現して提供する力であることから、アプリやデバイス開発におけるUI/UXに限定されるものではなく、ビジネスの構築においても応用することが可能であります。また、創業以来、Smartphone APP事業を軸にしながら複数の事業を行って、異なる事業においても活用できるノウハウを共有する土壌を築いており、今後もビジネスの構築力を向上させてまいります。
Smartphone APP事業及びIoT事業は、技術革新のスピードが早く、また、市場の成長を見込んだ新規参入企業の増加により、市場環境の変化が激しくなっております。このような環境のなか、当社が今後さらに業容を拡大し、成長と発展を遂げるために、当社の経営陣は、変化の激しい環境の中で様々な課題に対処していく必要があることを認識し、これまで培ったUI/UXデザイン及びビジネス構築力を基盤に、今後も価値の高いサービスの展開と成長への投資を積極的に行い、『成長性と収益性の両立』を継続することで企業価値の最大化を図ってまいります。
そのため、当社は、対処すべき課題を以下のように考えております。
当社は「マンガアプリ」「最強シリーズ」等スマートフォンアプリの開発及び「&AND HOSTEL」を皮切りに、宿泊管理システム「innto」や客室タブレットサービス「tabii」等宿泊領域のテクノロジー化を推進し、「&IoT」を活用したIoTサービスの提供を行っておりますが、マンガアプリ市場は、市場規模が拡大している中、参入企業も多く競争は激化しており、加えて宿泊業界においては新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けており課題となっております。
そのため、当社では、Smartphone APP事業においては既存の収益基盤の拡大に加えて、新たな収益基盤の創出に注力すると共にM&Aの推進を図り、IoT事業においては既存のサービスの推進及び新たな領域への事業展開によって収益基盤を強化することが、経営上重要な課題であると認識しております。具体的に、当社では以下の方針に基づき、対応を進めております。
Smartphone APP事業では、既存アプリの収益向上及び新規アプリ開発案件の獲得を引き続き進め、収益拡大を図ってまいります。当社では、スマートフォンアプリ市場の中でビジネスが大きく成長している分野にリソースを投下し、事業を創出することを事業方針としており、現在はマンガアプリを主なサービスとして提供しております。
現在、マンガアプリ市場は成長が著しいことから、マンガアプリの収益拡大にリソースを集中させることで、マンガアプリの収益基盤を強固なものとし、更に拡大させる方針であります。具体的には、拡大するマーケット状況を好機と捉え、費用対効果を考慮しながら継続して広告宣伝費を投下することで新規ユーザーの獲得を図り、MAUを拡大してまいります。更に、高い課金ARPU(注)の水準を維持しつつ、広告ARPUについては引き続き改善策を講じることで収益拡大を図ってまいります。また、従来の出版社との提携による強固なパートナーシップは引き続き維持しながら、現在の収益モデルに留まらない新たな事業基盤の構築、M&Aの推進を図ってまいります。
当社では、「&IoT」を活用して、様々なIoTデバイスを備えたIoT空間が楽しめるスマートホステル「&AND HOSTEL」を展開しております。また、「&AND HOSTEL」の運営を行う中で見えてきた宿泊施設における課題に対して、宿泊業務全体のICT化を含めたソリューション提供を実現すべく、宿泊管理システム「innto」、客室タブレットサービス「tabii」を開発し、サービス提供を行っております。
客室でのIoTデバイスの一元的管理を可能とする「&IoT」、宿泊管理システム「innto」及び客室タブレットサービス「tabii」により、宿泊客によるタブレットを通じたIoTデバイスの操作を可能とし、宿泊予約時から宿泊中のサービス提供までの一連の宿泊業務がICT化され、運営上、人が介在する業務を軽減し、省リソース、業務効率化が可能となります。また、タブレットを通じて個々の宿泊客が操作したIoTデバイスから得られるビッグデータを解析することで、宿泊客の属性に応じた嗜好を把握し、宿泊客ごとに最適なホスピタリティを提供するという価値の創造も可能になります。そして、宿泊領域へのIoTサービスの提供を通じて獲得した、IoT技術に関するノウハウやパートナー企業等と構築したリレーションを活用して、住宅領域やヘルスケア領域へのサービス提供をさらに推進し、IoTを活用した将来のライフスタイルの提示、実現に取り組むことで、新たな収益源を獲得してまいります。
しかしながら、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおり、IoT事業は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることとなりました。
「&AND HOSTEL」において、訪日外国人が利用客の大半を占めていたため、海外からの入国規制が継続している状況下においては、コロナ禍以前の稼働状況まで回復することは短期では難しいと考えております。ターゲット先を国内需要へ転換し施策を講じることで短期的な稼働率の回復を図りつつ、リブランディングや新たな領域への事業展開を図ることで長期的にも収益を確保できる体制へと整えてまいります。当面の間は自社物件保有による開発は行わず、ライフスタイルやワークスタイルの変化に応じてリモートワークが今後更に定着していくものと考え、ニューノーマルに即したオフィスワーカー向けのサービス提供やブランド・コンセプトの見直しによる稼働率の回復及び付帯収益の獲得を図ってまいります。また、レジデンス領域への事業展開による新たな収益基盤の構築などの施策を講じてまいります。
また、宿泊予約システム「innto」、客室タブレット「tabii」につきましては、ターゲット先である宿泊施設の経営悪化に伴う設備投資抑制等により新規顧客獲得は困難な状況に陥りましたが、コロナ禍における3密回避や業務効率化等のニーズの高まりは、人が介在する業務を軽減し、省リソース、業務効率化が可能となる「innto」及び「tabii」の展開にとって好機であると捉え、機能拡充に向けて継続的な投資を行いつつ引き続き営業活動を積極的に展開し、再度、成長軌道に乗せ収益の拡大を図ってまいります。
さらに、新たな事業領域として賃貸不動産領域への事業展開を図ってまいります。2020年8月にリリースした、入居者コミュニケーションアプリ「totono」は、管理会社と入居者をつなぐコミュニケーションアプリとして、管理会社をターゲットに積極的な営業展開及び機能開発によるサービス拡充により、収益基盤の構築を図ってまいります。
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでまいります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持する等、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針であります。
当社は、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、BA/HR Div. BA Unit Managerを委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、コンプライアンス上の重要な問題を審議し、その結果を代表取締役社長(経営に重要な影響を与えると認められる事項については、取締役会)に報告する体制を採っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
当社は、スマートフォンアプリをApple Inc.のスマートフォン「iPhone」・タブレット端末「iPad」などのiOS搭載端末向け、Google Inc.のAndroid搭載端末向けに展開しており、またインターネット上でのサービスを提供していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。
そのため、事業運営上、ユーザー数増加に伴う負荷分散やユーザー満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、システム開発投資を継続的に行っていくことが必要となります。当社は、その重要性に鑑み、今後においてもシステム基盤の強化への取り組みを継続していく方針であります。
当社は、先端的なテクノロジーを基盤にした新規サービスや新たなインターネット端末等の技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上の重要な要素であると認識しております。各々の技術革新の普及の進展を見ながら、柔軟な対応を図っていく方針であります。
(注)Average Revenue Per Userの略称であり、ユーザー一人当たりの収益単価であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
ただし、文中の将来に関する記載は当会計年度末現在において当社が判断したものであり、また、以下の記載は必ずしもすべてのリスクを網羅したものではないことにご留意下さい。
なお、各リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等の状況に与える影響については合理的に予見することが困難であるため記載しておりませんが、当社はこれらのリスクに対する管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備しており、定期的にリスク認識の再評価、及びリスク軽減に対する取り組み状況の評価を行い、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
当社はSmartphone APP事業を中核に事業を展開しておりますが、スマートフォンアプリを用いた事業においては、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、ユーザーのニーズに対応するコンテンツの提供ができない場合には、想定していた収益が得られず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、スマートフォンアプリ市場の中でビジネスが大きく成長している分野にリソースを投下して事業を創出することを事業方針としており、現在はマンガアプリ市場の成長が著しいことからマンガアプリの収益基盤を確立、拡大させる方針であります。
マンガアプリ市場はこれまで拡大を続けておりますが、法制度や規制又は特許等による参入障壁は低く、他社との強い競争にさらされており、今後さらに競合他社の参入が増加することも予想され、また、市場の成長が鈍化する可能性もあります。
当社では、大手出版社等と連携することで、人気タイトルの提供に加えオリジナルタイトルの開発・作成も可能とすることで他社との差別化を図るとともに、開発やプロモーションなどの役割分担による事業リスクの分散も可能にしております。今後も継続して出版社との強固なパートナーシップは維持しながら、現在収益モデルに留まらない新たな事業基盤の構築、M&Aの推進を図ってまいります。
当社のSmartphone APP事業におけるサービスはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。ハード面においては、スマートフォンの普及に伴った、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。
技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社は、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、技術、知見、ノウハウの取得に注力するとともに、開発環境の整備等を進めております。
当社がインターネット上で運営しているSmartphone APP事業においては各種法的規制を受けており、具体的には、「電子消費者契約法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「不当景品類及び不当表示防止法」等といった法的規制の対象となっております。
今後インターネット関連事業者を対象として法的規制の制定又は改正がなされることで、当社の業務の一部が制約を受ける場合、又は新たな対応を余儀なくされる場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このため、当社では、各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
当社は、マンガアプリについて他社との協業によってアプリの企画、開発及び運用を行っております。協業等が想定どおりに進まない場合や協業先の事情や契約条件の予期せぬ変更又は契約の解除等、何らかの理由により協業先との良好な関係を維持できなくなった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在において当社と協業先との関係は良好であり、今後とも協業先とは良好な関係を維持してまいります。
当社のIoT事業において展開する「&AND HOSTEL」の属する宿泊業界は、景気や個人消費の動向の影響、外交政策の状況等の海外情勢の変化による影響を受けやすい傾向にあります。企業活動の停滞による出張需要の減少や個人消費の低迷、世界情勢の変化による訪日外国人旅行客の減少は、宿泊需要を減少させ、稼働率や客室単価の低下を招くなど、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、スマートホステル「&AND HOSTEL」の展開は、当社がホステルとして開発した不動産の販売及び仲介を通じて行っているため、資材価格や建築費、不動産価格の変動等の建築・不動産市場の動向、宿泊施設の受給や旅行者数の変動等の旅行市場の動向、金利等の金融情勢等の影響を受けやすい傾向にあり、これらが当社の事業計画、業績等に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社が取得した不動産をホステルとして開発し、投資者に販売する場合には、想定していた価格での売却が困難となり、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの長期化や販売用不動産に係る評価損の発生、売却利益の減少が生じる可能性があります。
これらのリスクは、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う各国政府による渡航制限や外出自粛などによる宿泊需要の減少、また、投資者の投資意欲の低下などにより顕在化しておりますが、当社では、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおり対処しております。
当社のIoT事業において展開しているスマートホステル「&AND HOSTEL」に関し、宅地建物取引業法、建築基準法、旅館業法、消防法、食品衛生法等の法的規制を受けております。
今後新たな法的規制等の導入や既存の法的規制の解釈の変更や改廃等が生じた場合、また、重大な法令違反が生じた場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社では、各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
当社のIoT事業におけるIoT関連サービスは、技術革新のスピードが早く、先端のニーズに合致させたシステムソリューションの構築を行うためには、常に先進の技術ノウハウを把握し、当社の技術に取り入れていく必要があります。
技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、スマートホステル「&AND HOSTEL」の運営を行うIoT事業を通じて、一部個人情報を保有しております。
個人情報が外部に流出した場合には、当社に損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社の社会的信頼性が毀損してしまうことにより、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このため、当社では、外部サーバーを利用して当該個人情報を保護するとともに、個人情報保護規程等を制定し、個人情報の取扱に関する業務フローを定めて厳格に管理を行っております。また、従業員に対して個人情報保護に係る継続的な啓蒙活動を行うことで、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
当社が運営するSmartphone APP事業及びIoT事業では、スマートフォンやPC、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績に深刻な影響を与える可能性があります。
また、当社のコンピュータ・システムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、当社の運営する各サイトへのアクセスの急激な増加、データセンターへの電力供給やクラウドサービスの停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピュータ・システムがダウンした場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対し、当社は、サーバーの増強やシステムの脆弱性診断などを定期的に実施し、安全なサービスを継続的に提供するためシステムの増強を図ってまいります。
当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。
しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画通りに進まなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は2014年9月に設立された社歴の浅い会社であります。スマートフォンアプリ業界を取り巻く環境はスピードが速く流動的であるため、当社における経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。また、そのような中で過年度の財政状態及び経営成績からでは今後の業績を必ずしも正確に判断できない可能性があります。
代表取締役を含む役員、執行役員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、取締役会やその他会議体においてその他の役職員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、特定人物に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、何らかの理由によりこれら役職員が当社の経営、業務執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、当社のBA/HR Div.及び顧問弁護士による事前調査を行っております。
しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払い等が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性がある他、当社が保有する権利の権利化ができない場合もあります。こうした場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社では、自然災害、事故等に備え、定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後においても新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末(2020年10月31日)現在でこれらの新株予約権による潜在株式数は98,720株であり、発行済株式総数9,827,120株の1.00%に相当しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当社の主要な事業領域である電子書籍市場については、インプレス総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2020」によれば、2019年度の電子書籍市場規模は3,473億円で、前年度の2,826億円から22.9%増加し、そのうち86.1%にあたる2,989億円をコミックが占めております。昨年の同研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2019」では、2019年度の電子書籍市場規模の予測は、3,332億円であったことから、予測を上回る結果となっております。また、2024年度には電子書籍市場を含む電子出版市場は2019年度の約1.5倍の5,669億円に拡大すると予想されています。
また、当社が注力するIoT事業は、コンピュータ等の情報・通信機器だけではなく、世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットへの接続や相互に通信させる分野として注目を集めております。インターネット技術や各種センサー・テクノロジーの進化等を背景に、インターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の数は、2018年の約227億個から2022年にはその約1.5倍の約348億個まで増加すると予測されております(総務省「令和2年版情報通信白書」)。
このような経営環境の中、当社は、「日常に&を届ける」をミッションとして掲げ、Smartphone APP事業においては、主に大手出版社と共同開発したスマートフォン向けのマンガアプリの収益拡大に注力してまいりました。IoT事業においては、宿泊領域のテクノロジー化を事業方針として、スマートホステル『&AND HOSTEL』の出店に注力するとともに、宿泊管理システム『innto』、客室タブレットサービス『tabii』等宿泊施設向けのIoTソリューションサービスの提供を展開してまいりました。また、新たに賃貸不動産領域において、管理会社と入居者をつなぐ、コミュニケーションアプリ『totono』をリリースいたしました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による広告市況悪化に伴いマンガアプリにおいては広告収益が減少し、当社が運営する『&AND HOSTEL』においては、企画開発案件の遅延・中止や感染拡大予防のため緊急事態宣言以降は臨時休業を実施したことにより減収となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は2,946,007千円(前年同期比24.8%減)、営業損失202,589千円(前年同期は営業利益512,352千円)、経常損失259,767千円(前年同期は経常利益484,200千円)、当期純損失362,077千円(前年同期は当期純利益327,918千円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当事業年度において、「マンガUP!」、「マンガPark」、「マンガMee」など既存マンガアプリについては、積極的な広告宣伝の実施、新規連載開始や巣ごもり需要等の影響によるMAUの増加、人気コンテンツの掲載延長、作品追加等によって、サービス提供を開始して以降、好調に推移しております。また、2020年4月にリリースした株式会社集英社と共同開発したマンガアプリ「ヤンジャン!」及び2020年5月にリリースした株式会社アムタスと共同開発したマンガアプリ「めちゃコミックの毎日連載マンガアプリ」についても、リリース以降、着実にMAUが増加しており、当社の収益に貢献しております。
一方で、ARPUは横ばいで推移し、一部広告主におけるリワード単価の引き下げ及び新型コロナウイルス感染症の影響による広告市況全体の悪化により広告収益が減少しました。売上全体としては引き続き堅調に拡大が続いており、積極的な広告宣伝費の投下も実施しております。
この結果、当事業年度におけるSmartphone APP事業の売上高は2,530,187千円(前年同期比41.4%増)、セグメント利益は351,684千円(前年同期比41.4%減)となりました。
当事業年度において、当社が注力するIoT体験型宿泊施設であるスマートホステル『&AND HOSTEL』の企画、開発が進み、新たに計4店舗を開業し、ホステル開発に係るコンサルティング等の売上が順調に推移いたしました。しかしながら、第3四半期以降は新型コロナウイルスの影響により、企画開発型案件の全案件が遅延・中止となりました。また、オーナー変更に伴うブランド移管等により一部店舗を閉鎖しており、当事業年度末における開業店舗数は累計8店舗となりました。
また、政府より緊急事態宣言が発令されたことに伴い2020年4月8日以降『&AND HOSTEL』全店舗において順次臨時休業を実施いたしました。その後、緊急事態宣言解除に伴い7月1日に営業を再開しましたが、メインターゲットであったインバウンド需要の低迷等による影響を受け、各店舗の運営収益は前年同期と比較して減収となりました。
客室タブレットサービス『tabii』は、協業パートナーであるH.I.S.ホテルホールディングスや東京電力エナジーパートナーとの連携強化や当社営業人員の強化を図り、また「業務効率化」「付加価値向上」のため、機能開発を積極的に行ってまいりましたが、新型コロナウイルスの影響によりターゲット先である宿泊施設の経営状況悪化に伴い通常より営業活動が減少しました。その結果、当事業年度末における累計導入台数は、4,460台(前期末比1,607台増)にとどまりました。宿泊管理システム『innto』について、当事業年度末における施設数は272施設(前期末比40施設増)に増加しました。期末にかけてはオペレーション効率化や3密回避に向けた需要の高まりを受け、『tabii』『innto』共に回復基調となっております。
この結果、当第事業年度におけるIoT事業の売上高は336,563千円(前年同期比83.6%減)、セグメント損失は187,064千円(前年同期はセグメント利益194,434千円)となりました。
当事業年度は、インターネット広告の代理サービスを中心に事業を行った結果、その他事業の売上高は79,257千円(前年同期比10.7%増)、セグメント利益は30,593千円(前年同期比128.0%増)となりました。
(資産)
当事業年度末における総資産は6,343,848千円となり、前事業年度末に比べ3,303,611千円増加いたしました。これは主に販売用不動産が3,163,946千円、また、非上場株式の取得等に伴い投資有価証券が150,184千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は4,894,163千円となり、前事業年度末に比べ3,652,050千円増加いたしました。これは主に短期借入金が450,000千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が2,810,754千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,449,684千円となり、前事業年度末に比べ348,438千円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上により利益剰余金が362,077千円減少したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は22.8%(前事業年度末は59.1%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べて324,613千円減少し、1,028,320千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果使用した資金は、3,282,905千円(前事業年度は114,945千円の支出)となりました。これは、主に、税引前当期純損失の計上388,483千円、たな卸資産の増加額2,908,499千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果使用した資金は、316,099千円(前事業年度は415,747千円の支出)となりました。これは、主に、無形固定資産の取得による支出91,353千円、敷金及び保証金の差入による支出45,881千円、投資有価証券の取得による支出160,144千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果得られた資金は、3,274,392千円(前事業年度は1,211,132千円の収入)となりました。これは、主に販売用不動産を購入するために借り入れた長期借入れによる収入2,931,702千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当事業年度におけるIoT事業の仕入実績は、&AND HOSTEL自社開発型物件における土地・建物の仕入に係る金額であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
a.販売用不動産の評価
販売用不動産は、収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の算定に当たっては、稼働率、宿泊単価、リーシング状況、市場環境、建設コストの動向等を総合的に勘案しておりますが、これらの前提条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することとなった場合には、評価損計上の処理が追加で必要となる可能性があります。
b.固定資産の減損
当社は、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については将来キャッシュ・フロー等の前提条件をもとに実施しておりますが、市況の変動などにより、これらの前提条件に変更が生じた場合、減損処理が必要となり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
当社は、将来の利益計画に基づいた課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が変動した場合、繰延税金資産の計上額が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
(売上高)
当事業年度の売上高は2,946,007千円(前年同期比24.8%減)となりました。これは主にSmartphone APP事業においてマンガアプリの収益が拡大した一方、IoT事業においては新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け&AND HOSTELの企画開発案件の遅延・中止及び臨時休業等を実施したことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は、1,372,426千円(前年同期比41.6%減)となりました。これは主に、事業拡大に伴い労務費が566,454千円(前年同期比35.5%増)となった一方で、自社開発型の「&AND HOSTEL」の開発遅延・中止等により開発コストが発生しなかったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は1,573,581千円(前年同期比0.4%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,776,170千円(前年同期比68.5%増)となりました。これは主に、役員報酬94,210千円(前年同期比45.5%増)、給料及び手当198,899千円(前年同期比50.6%増)、広告宣伝費1,068,491千円(前年同期比102.6%増)となったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の営業損失は、202,589千円(前年同期は営業利益512,352千円)となりました。
(経常利益)
営業外収益の主な内訳は、保険解約返戻金743千円(前年同期はゼロ)、営業外費用の主な内訳は、支払利息20,448千円(前年同期比149.1%増)、支払手数料37,634千円(前年同期比151.7%増)であります。
以上の結果、当事業年度の経常損失は259,767千円(前年同期は経常利益484,200千円)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等(法人税等調整額を含む)は△26,406千円(前年同期は156,281千円)となりました。
以上の結果、当事業年度の当期純損失は、362,077千円(前年同期は当期純利益327,918千円)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の主な資金需要は、当社のサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発等に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資やM&A等によるものであります。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することにより経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。
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該当事項はありません。