文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、「日常に&を届ける」をミッションとし、人々の生活を豊かにするサービス、事業の創出に取り組んでおります。特に生活必需品として急速に普及台数が増えているスマートフォン関連事業を軸として展開することで、より日常に影響を与えるサービス、事業の創出が可能であると判断し、人々の暮らしに&を届け続けていくfactoryとして様々なサービス・アプリケーションに真摯に取り組んでまいります。
当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでまいります。
(3) 経営環境
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響が長期化し、度重なる緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の実施に伴い、経済活動の制限を余儀なくされる等、厳しい状況となりました。ワクチン接種によって回復への期待が高まっているものの、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社では、従業員をはじめステークホルダーの安全確保を最優先とし、リモートワークやフレックス制の導入、オンライン会議の積極利用を推進するなど、政府及び各自治体の方針・要請に基づいた感染予防・拡大防止策へ迅速に取り組むことで事業の安定運営に努めております。一方で、特に宿泊業界におけるインバウンド需要の回復には相当の時間を要することが想定されるため、従来のビジネスモデルの転換や見直しなど、変化する経営環境に柔軟に対応しながら、アフターコロナの社会に即した当社ならではの強みを活かした新しい事業価値を提供し、持続的成長に繋げてまいります。
当社は創業以来「マンガアプリ」「最強シリーズ」等スマートフォンアプリの開発・運営及び「&AND HOSTEL」を始めとする、宿泊領域のテクノロジー化を推進し、「&IoT」を活用したIoTサービスの提供を行ってまいりました。
しかしながら、2020年から本格化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け始め、特に訪日外国人が利用客の大半を占めていた「&AND HOSTEL」や宿泊施設向けサービスを複数展開していたIoT事業においては、収益構造の抜本的な改革が急務となっておりました。2021年6月にIoT事業における構造改革を発表して以降、事業譲渡を含む不採算事業の最適化を推し進めており、当事業構造改革は概ね完了をしております。
2022年8月期以降は、既存のマンガアプリ事業における利益確保、その他事業の成長及び新規事業の創出による新たな収益源の創出に取り組んでまいります。
当社は2021年8月に「第一次中期経営計画」を策定・公表しており2024年8月期における経営目標として、売上高:約45億円、営業利益:7億円という水準を掲げております。
中期経営計画の実現にあたって、当社の対処すべき課題及び取り組み事項は以下のとおりです。
APP事業においては、成熟期に差し掛かりつつある既存マンガアプリは利益を確実に作り出していくフェーズへと移行し、マンガアプリ自体の成長と新規事業への投資のバランスをとった事業運営をしてまいります。
更に、マンガアプリ事業においては新たな領域への進出を図り、自社オリジナルIPやコンテンツの創出に注力してまいります。将来的には自社のアプリのみならず、他社への横展開や幅広いプロダクト展開を展望し、収益の多角化と分散を目指してまいります。
また、その他の事業領域としてエンタメ事業の収益拡大にも注力してまいります。特に、リリース以降堅調に推移してきた占い事業については、積極的な広告宣伝費等の投資を通じて事業規模の拡大を目指してまいります。&AND HOSTEL事業を展開するRET事業(不動産事業)においては、引き続き店舗の最適化を推進しつつ、宿泊領域以外の分野での新たな収益源確保に取り組んでまいります。
当社は、今後更なる事業拡大を推進するに当たって、従業員のモチベーションを引き出す目標管理制度や福利厚生等の人事制度構築に努めながら、業務遂行能力、人格、当社の企業文化及び経営方針への共感を兼ね備え、様々な分野で活躍できる優秀な人材の採用に取り組んでまいります。組織設計においては少人数単位でのチーム制を採用すると同時に、チーム毎の自律性を促すよう権限の委譲を推し進めることで意思決定の質とスピードを維持する等、従業員のパフォーマンスを最大化させる取り組みを引き続き継続していく方針であります。
当社は、持続的企業価値向上と透明性の高い健全な経営を実現することを経営の最重要課題の一つとして位置づけ、内部統制及びコンプライアンスの強化に取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、社内教育を行ってまいります。また、Corporate Administration Div. RM Unit Managerを委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置して、コンプライアンス上の重要な問題を審議し、その結果を代表取締役社長(経営に重要な影響を与えると認められる事項については、取締役会)に報告する体制を採っており、これを適切に運用することによりコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っていく方針であります。
当社は、スマートフォンアプリをApple Inc.のスマートフォン「iPhone」・タブレット端末「iPad」などのiOS搭載端末向け、Google Inc.のAndroid搭載端末向けに展開しており、またインターネット上でのサービスを提供していることから、サービス提供に係るシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。
そのため、事業運営上、ユーザー数増加に伴う負荷分散やユーザー満足度の向上を目的とした新規サービス・機能の開発等に備え、システム開発投資を継続的に行っていくことが必要となります。当社は、その重要性に鑑み、今後においてもシステム基盤の強化への取り組みを継続していく方針であります。
当社は、先端的なテクノロジーを基盤にした新規サービスや新たなインターネット端末等の技術革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上の重要な要素であると認識しております。各々の技術革新の普及の進展を見ながら、柔軟な対応を図っていく方針であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
ただし、文中の将来に関する記載は当会計年度末現在において当社が判断したものであり、また、以下の記載は必ずしもすべてのリスクを網羅したものではないことにご留意下さい。
なお、各リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等の状況に与える影響については合理的に予見することが困難であるため記載しておりませんが、当社はこれらのリスクに対する管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備しており、定期的にリスク認識の再評価、及びリスク軽減に対する取り組み状況の評価を行い、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
当社はAPP事業を中核に事業を展開しておりますが、スマートフォンアプリを用いた事業においては、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、ユーザーのニーズに対応するコンテンツの提供ができない場合には、想定していた収益が得られず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、スマートフォンアプリ市場の中でビジネスが大きく成長している分野にリソースを投下して事業を創出することを事業方針としており、現在はマンガアプリ市場の成長が著しいことからマンガアプリの収益基盤を確立、拡大させる方針であります。
マンガアプリ市場はこれまで拡大を続けておりますが、法制度や規制又は特許等による参入障壁は低く、他社との強い競争にさらされており、今後さらに競合他社の参入が増加することも予想され、また、市場の成長が鈍化する可能性もあります。
当社では、大手出版社等と連携することで、人気タイトルの提供に加えオリジナルタイトルの開発・作成も可能とすることで他社との差別化を図るとともに、開発やプロモーションなどの役割分担による事業リスクの分散も可能にしております。今後も継続して出版社との強固なパートナーシップは維持しながら、現在収益モデルに留まらない新たな事業基盤の構築を図ってまいります。
当社のAPP事業におけるサービスはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。ハード面においては、スマートフォンの普及に伴った、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。
技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。更に、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社の技術力低下、それに伴うサービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社は、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、技術、知見、ノウハウの取得に注力するとともに、開発環境の整備等を進めております。
当社がインターネット上で運営しているAPP事業においては各種法的規制を受けており、具体的には、「電子消費者契約法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「不当景品類及び不当表示防止法」等といった法的規制の対象となっております。
今後インターネット関連事業者を対象として法的規制の制定又は改正がなされることで、当社の業務の一部が制約を受ける場合、又は新たな対応を余儀なくされる場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このため、当社では、各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
当社は、マンガアプリについて他社との協業によってアプリの企画、開発及び運用を行っております。協業等が想定どおりに進まない場合や協業先の事情や契約条件の予期せぬ変更又は契約の解除等、何らかの理由により協業先との良好な関係を維持できなくなった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在において当社と協業先との関係は良好であり、今後とも協業先とは良好な関係を維持してまいります。
当社のIoT事業において展開する「&AND HOSTEL」の属する宿泊業界は、景気や個人消費の動向の影響、外交政策の状況等の海外情勢の変化による影響を受けやすい傾向にあります。企業活動の停滞による出張需要の減少や個人消費の低迷、世界情勢の変化による訪日外国人旅行客の減少は、宿泊需要を減少させ、稼働率や客室単価の低下を招くなど、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、スマートホステル「&AND HOSTEL」の展開は、当社がホステルとして開発した不動産の販売及び仲介を通じて行っているため、資材価格や建築費、不動産価格の変動等の建築・不動産市場の動向、宿泊施設の受給や旅行者数の変動等の旅行市場の動向、金利等の金融情勢等の影響を受けやすい傾向にあり、これらが当社の事業計画、業績等に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社が取得した不動産をホステルとして開発し、投資者に販売する場合には、想定していた価格での売却が困難となり、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの長期化や販売用不動産に係る評価損の発生、売却利益の減少が生じる可能性があります。
これらのリスクは、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴う各国政府による渡航制限や外出自粛などによる宿泊需要の減少、また、投資者の投資意欲の低下などにより顕在化しておりますが、当社では、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおり対処しております。
当社のIoT事業において展開しているスマートホステル「&AND HOSTEL」に関し、宅地建物取引業法、建築基準法、旅館業法、消防法、食品衛生法等の法的規制を受けております。
今後新たな法的規制等の導入や既存の法的規制の解釈の変更や改廃等が生じた場合、また、重大な法令違反が生じた場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社では、各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
当社は、スマートホステル「&AND HOSTEL」の運営を行うIoT事業を通じて、一部個人情報を保有しております。
個人情報が外部に流出した場合には、当社に損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社の社会的信頼性が毀損してしまうことにより、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このため、当社では、外部サーバーを利用して当該個人情報を保護するとともに、個人情報保護規程等を制定し、個人情報の取扱に関する業務フローを定めて厳格に管理を行っております。また、従業員に対して個人情報保護に係る継続的な啓蒙活動を行うことで、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
当社が運営するAPP事業及びIoT事業では、スマートフォンやPC、コンピュータ・システムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社の事業及び業績に深刻な影響を与える可能性があります。
また、当社のコンピュータ・システムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、当社の運営する各サイトへのアクセスの急激な増加、データセンターへの電力供給やクラウドサービスの停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピュータ・システムがダウンした場合や、コンピュータ・ウイルスやクラッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクに対し、当社は、サーバーの増強やシステムの脆弱性診断などを定期的に実施し、安全なサービスを継続的に提供するためシステムの増強を図ってまいります。
当社は、企業価値を継続的かつ安定的に高めていくためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上に当たっては、開発部門を中心に極めて高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用すると共に、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。
しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画通りに進まなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は2014年9月に設立された社歴の浅い会社であります。スマートフォンアプリ業界を取り巻く環境はスピードが速く流動的であるため、当社における経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。また、そのような中で過年度の財政状態及び経営成績からでは今後の業績を必ずしも正確に判断できない可能性があります。
代表取締役を含む役員、執行役員等の専門的な知識、技術、経験を有している役職員が、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社では、取締役会やその他会議体においてその他の役職員への情報共有や権限移譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、特定人物に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、何らかの理由によりこれら役職員が当社の経営、業務執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、運営するコンテンツ及びサービスに関する知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権の侵害を防ぐ体制として、当社のCorporate Administration Div.及び顧問弁護士による事前調査を行っております。
しかしながら、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があり、これらに対する対価の支払い等が発生する可能性があります。また、当社が保有する知的財産権について、第三者により侵害される可能性がある他、当社が保有する権利の権利化ができない場合もあります。こうした場合、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社では、自然災害、事故等に備え、定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害が発生した場合、当社設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社の役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。また、今後においても新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日の前月末(2021年10月31日)現在でこれらの新株予約権による潜在株式数は49,300株であり、発行済株式総数9,853,520株の0.50%に相当しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当社の主要な事業領域である電子書籍市場については、インプレス総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2021」によれば、2020年度の電子書籍市場規模は4,821億円で、前年度の3,750億円から28.6%増加し、そのうち83.0%にあたる4,002億円をコミックが占めております。昨年の同研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2020」では、2020年度の電子書籍市場規模の予測は、4,442億円であったことから、予測を上回る結果となっております。また、2025年度には電子書籍市場は2020年度の約1.4倍の6,747億円に拡大すると予想されています。
当社は、「日常に&を届ける」をミッションとして掲げ、中核事業となるAPP事業において、主に大手出版社と共同開発したスマートフォン向けのマンガアプリの収益拡大に注力してまいりました。
当事業年度においては、一部のマンガアプリにおいて、収益性の向上を意識したユーザー獲得施策の推進や一時休載していた人気作品の連載再開によりARPU(注1)が上昇傾向に転じたこと、広告宣伝費を効率的に投下したことにより、売上高、営業利益ともに前年同期と比較して増加しました。
一方で、当事業年度においては、海賊版マンガサイトの利用者拡大が当社の事業拡大に対してネガティブに働いているとも推察しております。ユーザー数は引き続き堅調に推移しているものの、潜在的な利用者獲得を阻害している可能性や課金売上の低下要因の一つとなっている可能性が指摘されます。
また、もう一つの事業セグメントであるIoT事業においては、宿泊領域のテクノロジー化を事業方針として、スマートホステル「&AND HOSTEL」の開発・運営を行うとともに、宿泊管理システム「innto」、客室タブレットサービス「tabii」等宿泊施設向けのIoTソリューションサービスの提供を展開してまいりました。また、賃貸不動産領域においても、管理会社と入居者をつなぐ、コミュニケーションアプリ「totono」の開発・運営を推進してまいりました。一方で、コロナ禍を契機としてIoT事業がターゲットとしている宿泊領域、賃貸不動産領域を取り巻く事業環境は大きく変化しており、足許の財務健全性維持ならびに収益性確保が喫緊の課題となっておりました。中長期的な事業成長に向けて、より当社が強みを有する事業や新規事業の創出に経営資源を集中することが必要であると判断し、当事業年度において、IoT事業構造改革を発表し実行しております。innto事業、tabii事業、totono事業に関しては事業譲渡及び引継ぎ業務が概ね完了しつつあり、&AND HOSTEL事業における収益の改善施策に関しても一定の目途がついている状況にあります。また、今後の中期的な事業方針を示していくという観点から、2021年8月には当社として初となる中期経営計画の公表を行っており、2024年8月期をターゲットとする各種経営目標の達成に向けて取り組みを進めております。
以上の結果、当事業年度における売上高は3,044,429千円(前年同期比3.3%増)、営業損失83,567千円(前年同期は営業損失202,589千円)、経常損失239,793千円(前年同期は経常損失259,767千円)、当期純損失561,392千円(前年同期は当期純損失362,077千円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、当事業年度より、報告セグメントの名称及び区分を変更しており、当事業年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。
当事業年度において、「マンガUP!」、「マンガPark」、「マンガMee」など既存マンガアプリについては、積極的な広告宣伝の実施や新規連載開始等によりMAU(注2)が増加しました。さらに、人気コンテンツの掲載延長、作品追加等によって、サービス提供を開始して以降、好調に推移しております。また、2020年5月にリリースした株式会社集英社と共同開発したマンガアプリ「ヤンジャン!」及び2020年5月にリリースした株式会社アムタスと共同開発したマンガアプリ「めちゃコミックの毎日連載マンガアプリ」についても、リリース以降、着実にMAUが増加しており、当社の収益に貢献しております。
一方で、ARPUは横ばいで推移し、一部広告主におけるリワード単価の引き下げ及び新型コロナウイルス感染症の影響による広告市況全体の悪化により広告収益が減少しました。売上全体としては引き続き堅調に拡大が続いており、積極的な広告宣伝費の投下を実施しております。
この結果、当事業年度におけるAPP事業の売上高は2,767,945千円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は589,810千円(前年同期比55.9%増)となりました。
(注)1.Average Revenue Per Userの略称であり、ユーザー一人当たりの収益単価であります。
2.Monthly Active Userの略称であり、1ヶ月に一度でもアプリを利用したユーザーの数を指します。
当事業年度において、当社が注力するIoT体験型宿泊施設であるスマートホステル「&AND HOSTEL」では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた前事業年度に比べ、一部店舗においてターゲットやコンセプトの転換を図り、新規顧客層の獲得を推進した結果、稼働率は回復基調となりました。一方、顧客単価は回復基調にはあるものの依然低い水準にあり、各店舗の運営収益は前年同期と比較して横ばいで推移しました。innto事業、tabii事業、totono事業においては、事業譲渡を見据えた事業運営により、当事業年度末にかけて売上は期初計画を下振れて推移しました。
この結果、当事業年度におけるIoT事業の売上高は276,483千円(前年同期比17.9%減)、セグメント損失は267,204千円(前年同期はセグメント損失187,064千円)となりました。
(資産)
当事業年度末における総資産は5,376,550千円となり、前事業年度末に比べ967,298千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が253,594千円、立替金が189,327千円、未収還付法人税等が128,403千円、また未収消費税等が213,333千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は4,488,258千円となり、前事業年度末に比べ405,905千円減少いたしました。これは主に買掛金が237,879千円、短期借入金が190,000千円、未払金が194,079千円減少したこと、一方で長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が134,236千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は888,292千円となり、前事業年度末に比べ561,392千円減少いたしました。これは主に当期純損失の計上により利益剰余金が561,392千円減少したこと等によるものであります。
なお、自己資本比率は16.5%(前事業年度末は22.8%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べて253,594千円減少し、774,726千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果使用した資金は、118,116千円(前事業年度は3,282,905千円の支出)となりました。これは、主に、立替金の減少額189,327千円、未収消費税等の減少額213,333千円、法人税等の還付額127,980千円があった一方で、税引前当期純損失の計上557,613千円、仕入債務の減少額237,879千円、未払金の減少額213,143千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果使用した資金は、79,713千円(前事業年度は316,099千円の支出)となりました。これは、主に、事業譲渡による支出39,786千円、無形固定資産の取得による支出30,996千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果使用した資金は、55,764千円(前事業年度は3,274,392千円の収入)となりました。これは、長期借入れによる収入400,000千円があった一方で、短期借入金の純減少額190,000千円、長期借入金の返済による支出265,764千円があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては。「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
(売上高)
当事業年度の売上高は3,044,429千円(前年同期比3.3%増)となりました。これは主にAPP事業においてマンガアプリの収益が拡大した一方、IoT事業においてはinnto事業、tabii事業、totono事業において、事業譲渡を見据えた事業運営により、当事業年度末にかけて売上は期初計画を下振れて推移したことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は、1,373,496千円(前年同期比0.1%増)となりました。これは主に、事業拡大に伴い労務費が75,950千円(前年同期比13.4%増)となった一方で、マンガアプリの初期開発費が発生しなかったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は1,670,933千円(前年同期比6.2%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,754,500千円(前年同期比1.2%減)となりました。これは主に、役員報酬64,373千円(前年同期比31.7%減)、給料及び手当247,317千円(前年同期比24.3%増)、広告宣伝費1,016,916千円(前年同期比4.8%減)となったこと減によるものであります。
以上の結果、当事業年度の営業損失は、83,567千円(前年同期は営業損失202,589千円)となりました。
(経常利益)
営業外収益の主な内訳は、補助金収入32,180千円(前年同期はゼロ)、営業外費用の主な内訳は、支払利息29,572千円(前年同期比44.6%増)地代家賃158,719千円(前年同期はゼロ)であります。
以上の結果、当事業年度の経常損失は239,793千円(前年同期は経常損失259,767千円)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等(法人税等調整額を含む)は3,779千円(前年同期は△26,406千円)となりました。
以上の結果、当事業年度の当期純損失は、561,392千円(前年同期は当期純損失362,077千円)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の主な資金需要は、当社のサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発等に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資やM&A等によるものであります。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することにより経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。
スマートフォン・タブレット端末向けアプリプラットフォーム運営事業者との規約
スマートフォン・タブレット端末向けアプリケーションサービスに関する業務提携契約
該当事項はありません。