第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、以下の経営理念を掲げて事業展開を行っております。

「私たちは、女性のライフステージを応援します。」

「私たちは、相手の立場に立って考えます。」

「私たちは、コンプライアンスを推進します。」

「私たちは、事業を通して社会貢献致します。」

当社グループは、“女性”が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けるためには、「いったい何が必要なのか」を基本に事業展開してまいりました。豊かな社会を築くためには、あらゆる場面でさまざまな発想で多くの知恵を出すことが必要です。そういった「より私らしく」と願う女性たちに対してサービスを提供することを事業コンセプトとしております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2025年12月期から2027年12月期を最終年度とする「中期経営計画(2025年~2027年)」の中で、最終年度にあたる2027年12月期における目標計画として連結売上高20,150百万円、営業利益696百万円を掲げております。なお、2025年2月13日に前回公表(2024年2月14日)の中期経営計画のローリングを実施し、以下のとおり、新たに2025年から始まる3か年の中期経営計画を策定しております。

 

連結数値目標

 

2025年度目標 (2025年12月期)

2026年度目標 (2026年12月期)

2027年度目標 (2027年12月期)

売 上 高(百万円)

17,800

18,800

20,150

営 業 利 益

440

598

696

 

(3)経営環境

当社グループを取り巻く事業環境は、2024年度末に最終年度を迎える「新子育て安心プラン」による保育の受け皿整備が進んだことにより、待機児童は2017年ピーク時の26,081人から大幅に減少し、2024年4月時点では2,567人まで改善いたしました。一方で、婚姻数減少等による少子化には歯止めがかからず、2022年以降の出生数は80万人を下回り過去最少の水準となっております。政府は「次元の異なる少子化対策」の骨太方針として「こども大綱」及び、その加速化プランとして「こども未来戦略」を2023年12月に閣議決定し、2024年度から2026年度末までの3年間の少子化対策にかかる計画を示しております。

そうした流れを踏まえて、政府は子どもに関する政策を一元化するため、2023年4月に「こども家庭庁」を設置し少子化対策の強化に取り組むことを閣議決定し、2024年5月には「こどもまんなか実行計画2024」が策定されました。さらに、2024年6月「子ども・子育て支援法」の改正法案が国会で可決されたことにより、2024年10月には児童手当が拡充され、2026年4月「こども誰でも通園制度」の本格実施を見据えた試行的事業実施が、2024年度より開始されております。

こうした政府の方針を受け、引き続き、国策としての少子化対策が強化され市場の拡大が見込まれるとともに、地域福祉を支える社会インフラとして当社グループが行う事業の役割は、これまで以上に重要性を増すものと考えております。

当社グループが、担うべき役割や果たすべき責任は、今後ますます大きくなってくるものと見込んでおり、社会的な要請や多様化するニーズにしっかりと応えることができる企業集団となっていくことが必要であると考えております。

そのため、2030年12月期のあるべき姿(理想像)として、

「teno VISION 2030」

~時代に求められるサービスを提供するプロフェッショナル集団となり、働き手にとって最も自己実現が可能な家庭総合サービスグループを目指す。~

を掲げ、その実現に向けた取組みを盛り込んだ「中期経営計画」を策定しております。なお数値目標については、経営環境の変化等に柔軟に対応するため原則として毎期改定を行うローリング方式を採用しております。

 

 

① 「teno VISION 2030」

当社グループのボトルネックとなりうる“人材”への戦略的アプローチにより理想的な循環(「人材を持続的に確保・育成できる」→「価値の高い時代ニーズに合ったサービスを提供できる」→「保護者、自治体や企業等から選ばれる」→「グループの総合力が発揮され利益を生み出している」→「働き手にとって最適な環境が整っている」→「人材を持続的に確保・育成できる」→・・・)を実現させることで、当社グループのステークホルダーの皆さまから選ばれる企業集団となることを目標としております。

「teno VISION 2030」の最終年度である2030年12月期においては、連結売上高300億円を達成することを目指し、既存事業の拡大、M&Aによる事業拡大、新規事業の創出に注力してまいります。

なお、最終年度の数値目標については、2025年2月13日に公表いたしましたとおり、計画策定からの当社グループを取り巻く経営環境や事業環境の変化を踏まえ見直しております。売上高は500億円から300億円へ変更し、新たに営業利益率を5%以上とする数値目標を設定いたしました。

 

② 「中期経営計画(2025年~2027年)」

「teno VISION 2030」の実現に向けて「中期経営計画(2025~2027)」においては主力事業の安定成長と新規事業への取組みを基本方針として掲げ、以下の重点施策に取組んでまいります。

イ.保育事業(公的保育・受託保育)における事業拡大(M&Aによる事業拡大も含む)

ロ.「サービス品質」を追求し、選ばれる施設づくりを行う

ハ.人事制度と人材育成制度の一体改革に着手する

ニ.新規事業(保育以外の主力事業へ)を立ち上げる(将来への投資として、多くの種まきを行う)

ホ.介護事業における事業拡大に注力し、保育事業に続く柱の事業へ成長させる

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の経営戦略を立案し、企業価値を最大限に高めることに努めております。当社グループが今後より一層の業容拡大を推進し、より良いサービスを実現するためには、様々な課題に対処していくことが必要であり、以下の項目を対処すべき課題として認識しております。なお、最重点課題として人材の確保を掲げ、「teno VISION 2030」の達成に向けて「人材を持続的に確保・育成できる」ことを最初の取組みとしており、当社グループが考える理想的な循環実現のために対応してまいります。

 

① 人材の確保

 当社グループ運営施設の増加に伴い、保育士、調理師、看護師、介護士等の資格を有する優秀な人材の確保が急務となっています。

 特に保育士の有効求人倍率は依然全国的に高位に推移しており、大都市圏を中心に採用が難しい状況が続いております。このような中、当社グループではこれまでの経験者を中心とした採用から新卒者採用に注力しており、また人材紹介会社経由の採用に依存しない採用経路確保に継続して取組んでおります。さらに給与条件の改善をはじめ、多様な働き方のためのキャリアパス設計、研修制度の充実、人事評価制度の見直し等を通じた総合的な処遇改善への取り組みや、保育園と本部が一体となって保育士の働きがいの向上に取り組むプロジェクトとしてチームエンゲージメントセンター(TEC)を立ち上げるなど、優秀な人材の確保に向けた施策を推進しております。

また、メンタルヘルス対策を強化するなど、従業員が安心して働くことができるように職場環境の改善や相談窓口の拡充を図ってまいります。

 

② 人材の育成

 当社グループでは、テノスクール(tenoSCHOOL)の運営を通じて、保育士資格取得やベビーシッター向けの講座、子ども・子育て支援研修制度による自治体主催研修への講師派遣等を通じ、人材の育成・教育を実施しております。また当社グループ運営施設においては、保育専門性向上のスキルアップ研修や安全・アレルギー研修等を通じ、常に質の高いサービスを提供するために、人材への継続的な教育投資を実施しております。

 今後当社グループが担うべき役割や果たすべき責任は、今後ますます大きくなってくると見込んでおり、社会的な要請や多様化するニーズに対してしっかりと応え続けるべく、人材の育成に継続して努めてまいります。

 

③ 保育の質の維持・向上

 当社グループでは、保育事業を株式会社テノ.コーポレーション及びオフィス・パレット株式会社が担っております。公的保育及び受託保育といった事業特性に応じた組織運営によりノウハウの集約を図り、効率的・組織的な管理体制を構築しています。また、研修機会の充実や総合的な処遇改善等による働き方改革の推進により、保育の質の維持・向上に努めてまいります。

 重ねて保育の現場では、保育士等の職員がより保育に集中できる環境作りや一人一人の児童に対してしっかりと向き合う機会を作る仕組みの構築に努めております。具体的には、タブレット機器の導入や見守りカメラの設置といった保育施設のICT化(コンピューター技術を活用した保育業務の支援機器等の導入)を推進しております。

 

④ コンプライアンスへの取組み

 当社グループでは、保育事業や介護事業等を展開するにあたって根拠となる法律・条令等の遵守は、厳格に実施しております。

 また、当社グループが有している施設利用者等の個人情報についても、法律に則った取扱いを徹底しております。

 さらに、ハラスメントについても当社グループでは相談窓口を設置し早期発見、早期解決に努め、厳格に対応してまいります。

 これらコンプライアンスへの取り組みとして、社内規程の拡充整備を進め、社員研修等により日常的にコンプライアンスへの意識を高め、適正に業務を遂行してまいります。

 

⑤ 安定的な資金調達の確保と財務基盤の強化

 今後も継続的に公的保育施設の開設やM&Aを推進するためには、必要な投資資金を安定的に確保することが重要となります。当社グループでは、複数の金融機関との継続的取引を通じた安定調達、財務安全性を高める諸施策の実施による財務基盤の強化を進め、安定的かつ機動的な資金調達に努めております。

 

⑥ M&AとPMIの推進

 当社グループは、M&Aを推進することで、サービス領域の強化・拡大などに取り組んでおります。今後は、PMIを通じて当社水準の経営管理体制を構築しつつ、当社グループの成長に寄与する案件の適切な実行を積極的に推進してまいります。

 また、PMIの推進においては、経理、総務、人事面の各部門間の連携によりグループ会社の成長を支援するとともに、グループ会社向けの経営管理部門の体制を強化し、グループ全体での経営基盤をさらに強固にしてまいります。

 

⑦ 事業基盤安定化のための新規事業への着手

 当社グループの保育事業における公的保育施設は、国及び自治体の保育所に対する政策変更等に大きく影響を受けております。また受託保育所につきましても、クライアント企業の業績変動等に影響を受けております。

 一方、当社グループは、「私たちは、女性のライフステージを応援します。」を経営理念の一つに掲げ、女性が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けるために「いったい何が必要なのか」を基本にこれまで事業展開しており、ベビーシッターサービス、ハウスサービス、保育人材の紹介・派遣、人材教育を行うテノスクール(tenoSCHOOL)、企業や病院が事業所内保育所を開園するにあたり開園に係るアドバイスを行うコンサルティング事業、結婚相談所事業、保活事業(保活アシスト)等多様な事業を展開しております。

 当社グループは、保育事業への上記の課題を踏まえ、事業基盤をより整備・安定化させるために、これら既存事業の一層の拡大に加え、介護事業や生活関連支援事業など経営理念に合致した各種サービス等、当社グループの事業ドメイン(コア・コンセプト)を意識した新たな事業を積極的に展開してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

サステナビリティ共通

 当社グループは、長期ビジョン「teno VISION 2030」を掲げ、“女性”が育児をしても、家事をしても、介護をしてもなお、働き続けられる社会の実現へ向けて企業活動を推進しています。

 また、事業を通して社会貢献を行うとともに、持続的に成長することを目標に掲げております。この目標を実現するためには、ステークホルダーの皆様との対話を通じて取り組むべきESG課題を特定すると共に、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献するような視点・側面からの取り組みを推進していくことが重要だと考えております。こうしたサステナビリティへの取り組みについて、期待と信頼に応えるべく継続して改善を図り、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会に貢献する企業を目指しております。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、企業の持続可能な経営の方針や実践を支える組織構造として、当事業年度末において、サステナビリティに特化した委員会や専門の部門・チームは設置しておりませんが、サステナビリティに対するコミットメントを持ち、中長期の経営戦略の一部としてサステナビリティを位置付けて取組むとともに、これらの活動を取締役会が監督することとしております。

 こうした取り組みに基づいてコンプライアンスを意識した経営を徹底し、最適な経営管理体制を構築することを通じてコーポレート・ガバナンスの継続的な強化に努めてまいります。

 詳細は、「第4 コーポレート・ガバナンスの概要 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

①気候変動リスク

 環境政策と法規制並びに異常気象による自然災害の発生頻度が高まることにより物流コスト及びエネルギー価格や食材価格の高騰、地球温暖化等による運営施設の劣化に対する修繕費の増加や保険料の上昇による事業活動へのマイナス影響が想定されることから、業務のデジタル化、施設やオフィスにおける省エネ活動などによるリスク低減を図ってまいります。

 

②人材育成方針

 当社グループは、長期ビジョン「teno VISION 2030」の中で、時代に求められるサービスを提供するプロフェッショナル集団となり、働き手にとって最も自己実現が可能な家庭総合サービスグループを目指すことを掲げており、求める人物像として以下の人材を育成・採用することとしております。

・グループの価値観を共有し、「幸せ」を追求することにやりがいを感じる人材

・自身の仕事に誇りをもって取り組める人材

・多様性を尊重し、他者と協力しビジョン実現に貢献できる人材

・自ら考え、判断し、行動できる自律型人材

 

③社内環境整備方針

 当社グループの社内環境整備として、以下を実施しており、従業員が快適に働いていけるような環境づくりに取り組んでおります。

・従来の福利厚生に加え従業員満足度向上を目的とした更なる福利厚生の充実

・有給休暇の取得推進や夏季休暇及び冬期休暇等を設け、従業員が健全な生活を送れるようにワークライフバランスの整備への取り組み

・メンタルヘルス・マネジメント検定資格保持者による、メンタルケアの実施

・チームエンゲージメントセンターの更なる推進

(注)チームエンゲージメントセンターとは、職員一人ひとりにとって「いきいき働ける会社」、「働き続けたい会社」であるために「働きがい」に着目し本部・保育園が一体となって実施するプロジェクト組織です。

 

(3)リスク管理

 当社グループの成長と利益は、保育、調理、看護、介護の専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人財の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人財の確保・育成が想定どおりに進まない場合、事業計画の達成が困難になることが考えられます。これによって、利用者の生活に多大なる影響を及ぼすこととなり、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があることから、重要リスクであると認識しています。

 また、気候変動に関するリスクについては、直接的な影響があるとは考えないものの、気候変動による物価の上昇等の間接的なリスクが発生すると考えております。

 事業活動に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

(4)指標及び目標

 当社グループは、現時点において、事業の性質上、気候変動問題が重大な影響を及ぼすことは想定されないと考えており、指標及び目標は設定しておりません。しかしながら、エネルギーコスト上昇による運営費の増加や利用者の健康管理などの影響があるものと想定されます。また、温室効果ガスを主原因とする気候変動は、私たちの日常生活や経済・社会活動にさまざまな影響を与えており、すべての国が参加する国際的な枠組みにおいて取り組まれている課題であると認識しております。

 

 上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針については、次の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。

 

指標

目標年

目標数値(

2024年度実績(%)

管理職に占める女性の割合

2030年

50.0(87.5)

32.1(83.2)

男性の育休取得率

2025年

60.0

100.0

女性の育休取得率

2025年

100.0

100.0

(注)管理職に占める女性の割合について、( )内は現場含む数値となっております。

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 少子化

 当社グループは、主に0歳児から5歳児を対象とした保育サービスを提供することで、保育事業(公的保育及び受託保育)を展開しております。少子化が急速に進行し市場が著しく縮小した場合には、運営する施設への入所児童数の減少により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の確保

 当社グループが提供する各種サービスにおきましては、保育士、調理師、看護師、介護士等の専門的人材が不可欠であります。これら人材を確保するために、人材紹介会社との取引拡大、自社による人材確保戦略の拡充等、人材確保における多チャネル化を進めておりますが、施設数の増加に人材の確保が追い付かない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 保育現場等での事故に関するリスク

 当社グループは、保育施設等の運営にあたり、児童及び利用者の安全を第一に考え、万全の配慮をいたしております。しかしながら、重大な事故が発生した場合、当局から営業停止の命令を受けることで、多くの児童及び利用者が退園もしくは退所することも考えられます。この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 法的規制等

 当社グループの保育事業において運営しております保育施設につきましては、児童福祉法に基づき許認可等を受けております。保育所の種類は認可保育所等いくつかの種類に分類されますが、いずれの形態の保育所も保育所ごとに許認可権限を持つ行政機関へ保育所設置の申請を行い、審査を経たうえで許認可が付与されます。

 本書提出日現在において、当社グループの保育事業において運営している保育所に許認可等取消し事由は発生しておりませんが、何らかの要因により行政機関からの許認可が取消された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当社グループのその他において、労働者派遣事業及び有料職業紹介事業を、厚生労働大臣の許可等を受け行っておりますが、一定の欠格事由に該当した場合は行政処分を受けることがあります。本書提出日現在において、当社グループのその他において当該認可等の取消し、又は事業の停止等となる事由は発生しておりませんが、何らかの要因で当該事業許可等の取消し、又は事業の停止等を命じられるようなことがあれば、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループが現在運営する事業に関連する法規制は、児童福祉法及び食品衛生法が主なものですが、今後、当社グループが運営する事業に関連する法規制の制定・改廃等が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。

 

セグメントの名称

法令名

許認可等

の名称

監督官庁

主な取消事由

保育事業

(公的保育)

児童福祉法

認可

厚生労働省、都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

保育事業

(受託保育)

児童福祉法

(受託事業者として間接的に適用を受けるものです)

厚生労働省、都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

 

 

セグメントの名称

法令名

許認可等

の名称

監督官庁

主な取消事由

保育事業

(その他保育)

児童福祉法

企業主導型保育事業に係る助成

厚生労働省、内閣府

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

介護事業

介護保険法

指定(許可)

厚生労働省、都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や介護報酬の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

児童福祉法

指定

都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

障害者総合

支援法

指定

都道府県及び市町村

・関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき

・改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき

その他

労働者派遣法

労働者派遣事業許可

厚生労働省

・許可の欠格事由に該当するとき(労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合等)

・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律もしくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき

職業安定法

職業紹介事業許可

厚生労働省

・許可の欠格事由に該当するとき(職業安定法第32条に定められている条項に抵触した場合等)

・職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令もしくは処分に違反したとき

 

⑤ 食の安全性

 当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理並びに衛生管理を実施し、食中毒などの事故防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全性に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 感染症の流行

 当社グループでは、多くの利用者に安全な保育サービス等を提供するため、感染症について厳重に対応しておりますが、新型インフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行し、利用者が大きく減少し、従事する従業員が多数欠勤し、保育所の運営が困難となる可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 大規模な災害

 当社グループは、九州全域また首都圏内において多数の保育所を運営しておりますが、地震、火災、台風等の自然災害等の発生により利用者や従業員、保育所の建物等が被害を受けた場合には保育所の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 少額短期保険の引受について

 当社グループの少額短期保険事業においては、台風等の自然災害に関わるリスクなど様々なリスクを引き受けております。保険料設定時に想定している経済情勢や保険事故発生率等が、その想定に反して変動した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が生じる可能性があります。このような場合に備えて、保険業法の定めにより異常危険準備金等を積み立てておりますが、この準備金等が実際の保険金支払に対して十分でない可能性もあります。このような予測を超える頻度や規模で自然災害が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

⑨ 個人情報の管理

 当社グループの保育施設では、数多くの利用者の個人情報を保持しております。これらの個人情報の取扱いは、厳重に管理しておりますが、漏えいするようなことがあった場合、利用者からだけではなく、社会的な信用を失います。その結果、保育所等の新規開設に影響が出る等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 従業員のコンプライアンス

 当社グループは、「私たちは、コンプライアンスを推進します。」を経営理念に掲げ、誠実な企業グループを目指しております。「リスク・コンプライアンス管理規程」をはじめとする規程を定め、リスクを認識し対応を行っております。また、規程に基づいた様々なリスクを統括的に管理するために、毎月「リスク・コンプライアンス委員会」を開催し、リスクへの対策や未然防止に取り組んでおります。しかしながら、法令違反などコンプライアンス上の問題が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 季節変動

 当社グループにおける保育所等は年度初め4月に新規開設されるものが多くなる傾向があります。そのため、第2四半期連結会計期間(4月~6月)において、多額の新規開設費用(売上原価内の経費:主に保育備品や什器設備等、販売費及び一般管理費内の経費:人材紹介料を含む採用費)、補助金収入(特別利益へ計上)、固定資産圧縮損(特別損失へ計上)が計上される傾向にあります。

 

⑫ 資金調達

 当社グループの当連結会計年度末の借入金残高は5,366百万円、総資産額に占める比率は55.1%となっております。

 当社グループの保育事業及び介護事業におきましては、新規開設に関する設備資金等は金融機関からの借入等により調達することとしておりますが、外部借入への依存度が高く、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって計画どおり資金調達ができなかった場合には、新規開設が制約されるなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑬ 固定資産の減損に関するリスク

 当社グループの保育事業の業績が今後著しく悪化し、保育設備における有形固定資産の減損処理が必要となった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、M&Aにより事業拡大を図ることを成長戦略の一つとして推進しております。M&Aにおいては、将来にわたり安定的な収益力を確保できることを十分に検討しておりますが、将来、計画どおりに収益を確保できない場合にはのれんに係る減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑭ 繰延税金資産の回収可能性について

 当社グループは、将来の課税所得の予測に基づき繰延税金資産の回収可能性の判断を行っています。しかし、将来の課税所得の予測が変更され、繰延税金資産の一部ないし全部が回収できないと判断された場合は、繰延税金資産を減額することで、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 創業者への依存

 当社グループの創業者は代表取締役社長である池内比呂子であります。同氏は、当社設立以来の最高経営責任者であり、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、会社の事業推進及び営業施策とその推進において重要な役割を果たしております。

 当社グループでは、各業務担当取締役及び部門長を配置し、各々が参加する定期的な会議体にて、意見等の吸い上げや情報共有などを積極的に進めております。また、適宜権限の委譲も行い、同氏に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合、又は、同氏が退任するような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、内需及びインバウンド需要など、社会活動の正常化の流れが進む一方で、国際情勢不安、原料・エネルギー価格の高騰や急激な為替相場の変動などの要因により、先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社グループを取り巻く事業環境は、2024年度末に最終年度を迎える「新子育て安心プラン」による保育の受け皿整備が進んだことにより、待機児童は2017年ピーク時の26,081人から大幅に減少し、2024年4月時点では2,567人まで改善いたしました。一方で、婚姻数減少等による少子化には歯止めがかからず、2022年以降の出生数は80万人を下回り過去最少の水準となっております。政府は「次元の異なる少子化対策」の骨太方針として「こども大綱」及び、その加速化プランとして「こども未来戦略」を2023年12月に閣議決定し、2024年度から2026年度末までの3年間の少子化対策にかかる計画を示しております。

そうした流れを踏まえて、政府は子どもに関する政策を一元化するため、2023年4月に「こども家庭庁」を設置し少子化対策の強化に取り組むことを閣議決定し、2024年5月には「こどもまんなか実行計画2024」が策定されました。さらに、2024年6月「子ども・子育て支援法」の改正法案が国会で可決されたことにより、2024年10月には児童手当が拡充され、2026年4月「こども誰でも通園制度」の本格実施を見据えた試行的事業実施が、2024年度より開始されております。

こうした政府の方針を受け、引き続き、国策としての少子化対策が強化され市場の拡大が見込まれるとともに、地域福祉を支える社会インフラとして当社グループが行う事業の役割は、これまで以上に重要性を増すものと考えております。

当社グループは、更なる女性の社会進出によって、共働き世帯の増加や働き方の多様化が進んでいくと考えており、保育事業や子育て世帯へ向けたサービスに対する需要はますます高まっていくものと見込んでおります。

 

このような環境のもと、当社グループは高まる保育所ニーズや女性の社会進出による様々なニーズに応えるべく、当連結会計年度に以下のとおり新規に運営を開始しております。

なお、介護事業の運営施設数には2024年2月に子会社化した株式会社ウイッシュの運営施設6施設、2024年4月に子会社化したウェルファ株式会社の運営施設1施設、2024年5月に当社連結子会社の株式会社フォルテが事業譲受を実施した運営施設1施設及び2024年10月に子会社化した株式会社Yellow Finの運営施設2施設を含めて記載しております。

 

(保育事業)             合計15施設

 

企業内・病院内保育施設        合計10施設

 兵庫県            3施設(神戸市1施設、姫路市1施設、小野市1施設)

 埼玉県            2施設(所沢市1施設、杉戸町1施設)

 鹿児島県           2施設(姶良市2施設)

 大阪府            1施設(池田市1施設)

 山口県            1施設(柳井市1施設)

 大分県            1施設(別府市1施設)

 

バイリンガル幼児園          合計1施設

 福岡県            1施設(福岡市1施設)

 

学童保育施設             合計4施設

 大阪府            3施設(豊中市3施設)

 福岡県            1施設(筑前町1施設)

 

(介護事業)             合計11施設

 

 

障がい福祉施設       合計8施設

 愛知県            8施設(一宮市4施設、名古屋市2施設、知立市2施設)

 

サービス付高齢者向け住宅       合計1施設

 岡山県            1施設(岡山市北区1施設)

 

特定施設入居者生活介護老人ホーム   合計1施設

 島根県            1施設(邑南町1施設)

 

住宅型有料老人ホーム         合計1施設

 埼玉県            1施設(さいたま市見沼区1施設)

 

上記を踏まえ、2024年12月末時点の運営施設数は、保育事業において295施設(認可保育所47施設、小規模認可保育所19施設、受託保育所127施設、学童保育所62施設、わいわい広場33施設、認可外保育所4施設、地域型保育事業施設2施設、バイリンガル幼児園1施設)、介護事業において18施設(通所介護施設(デイサービス)3施設、住宅型有料老人ホーム4施設、サービス付高齢者向け住宅2施設、特定施設入居者生活介護老人ホーム1施設、障がい福祉施設8施設)、料理教室55校の計368施設となっております。

 

 以上により、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。

(売上高)

 売上高につきましては、16,017百万円(前年同期比10.0%増)となりました。これは主に、保育事業において認可保育所の公定価格が改定されたことに加えて、事業所内保育所など15施設(企業内・病院内保育施設10施設、学童保育施設4施設、バイリンガル幼児園1施設)を新規開設による売上増加に寄与したことによるものです。また、介護事業においても1施設の新規開設に加えて、子会社化及び事業譲受によって運営施設が10施設増加し、増収に貢献いたしました。

(売上原価)

 売上原価につきましては、13,630百万円(前年同期比10.1%増)となりました。これは主に、既存施設における労務費及び経費の増加、また、運営施設及び子会社の増加に伴う売上原価の増加によるものです。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費につきましては、2,190百万円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に、子会社株式の取得関連費用及び子会社の増加によるものです。なお、売上高販管費率は前連結会計年度が13.7%であったところ、当連結会計年度も同様に13.7%となりました。

 この結果、営業利益は196百万円(同5.0%増)となりました。

(営業外損益と経常利益)

 営業外収益につきましては22百万円(前年同期比40.1%減)、営業外費用につきましては36百万円(同20.3%増)となりました。営業外収益の減少は、主に保育事業におけるコロナ補助金の終了によるものです。営業外費用の増加は、主に支払利息の増加によるものです。

 この結果、経常利益は182百万円(同6.0%減)となりました。

(特別損益と親会社株主に帰属する当期純損失)

 特別利益につきましては87百万円(前年同期比70.0%減)、特別損失につきましては519百万円(前年同期比75.4%増)となりました。特別利益の減少は、補助金収入の減少によるものです。特別損失の増加は、主に減損損失が発生によるものです。

税金等調整前当期純損失につきましては248百万円(前年は191百万円の利益)となり、法人税、住民税及び事業税を142百万円、法人税等調整額を75百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は466百万円(前年は100百万円の利益)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

(保育事業)

 保育事業におきましては、当連結会計年度において新規に開設した施設が15施設あり、各施設において、保育の質の向上及び効率的な施設運営に注力いたしました。

収入面では、今年度の公定価格が改定されたことが増収に寄与した他、バイリンガル幼児園1施設の新規開設及び事業所内10施設、学童4施設の新規の受託獲得によって増収となりました。費用面では、バイリンガル幼児園の新規開設にかかる広告費や採用費等の初期費用が発生した他、既存施設では労務費と経費が増加しましたが、認可保育所の増収幅が費用増加を上回ったことにより増益となりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は12,204百万円(同6.8%増)、セグメント利益は833百万円(同20.1%増)となりました。

 

(介護事業)

介護事業におきましては、当連結会計年度において新規開設(住宅型有料老人ホーム「ほっぺるの家さいたま見沼(さいたま市見沼区)」)した施設が1施設ありました。また、子会社化及び事業譲受によって運営施設が10施設増加し、業績に貢献いたしました。一方で、子会社化及び事業譲受に係る取得関連費用に加え、新規開設による初期費用が発生したことにより減益となりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は1,136百万円(同59.6%増)、セグメント損失は62百万円(前年は49百万円の利益)となりました。

 

(生活関連支援事業)

 生活関連支援事業におきましては、セーフティージャパン・リスクマネジメント株式会社の業績が通期に寄与したことにより増収となりました。一方で、株式会社ホームメイドクッキングにおいては、集客向上のためのキャンペーンを定期実施する等の施策に取り組みましたが、教室受講者が前年に比べて減少し減益となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は2,440百万円(同11.6%増)、セグメント損失は88百万円(前年は56百万円の損失)となりました。

(その他)
 その他におきましては、主に幼稚園や保育所等に対する保育人材の派遣及びテノスクールにおける自治体主催の研修事業獲得に注力いたしました。また、管理部門において経費削減を実施しました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は236百万円(同2.1%増)、セグメント利益は4百万円(同137.1%増)となりました。

 

 当社グループでは、中長期的な経営の方向性を「teno VISION 2030」で示し、「中期経営計画(2025年~2027年)」において以下の経営指標の目標値を定めております。なお、目標達成に向けた重点施策については、『第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境 ②「中期経営計画(2025年~2027年)」』に記載しております。当該計画につきましては、2025年12月期から始まる3か年の中期経営計画として策定しております。

 

2025年12月期

2026年12月期

2027年12月期

売上高(百万円)

17,800

18,800

20,100

営業利益

440

598

696

 

 生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりであります。

(生産実績)

 当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

(受注実績)

 当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(販売実績)

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

保育事業

12,204

6.8

介護事業

1,136

59.6

生活関連支援事業

2,440

11.6

  報告セグメント計

15,781

10.2

その他

236

2.1

合計

16,017

10.0

 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東京都中央区

1,280

8.8

1,402

8.8

東京都板橋区

1,313

9.0

1,396

8.7

 (注)1.上記は保育事業における同区からの保育園運営に関する補助金収入であり、売上高として計上しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありませんが、参考として主要な相手先を記載しております。

 

 

(2)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産につきましては、9,742百万円(前期末比215百万円増)となりました。

 流動資産につきましては、4,438百万円(同344百万円増)となりました。これは、現金及び預金が245百万円増加し、売掛金及び契約資産が114百万円増加し、流動資産のその他が2百万円減少したためであります。

 固定資産につきましては、5,303百万円(同129百万円減)となりました。これは、主に有形固定資産が143百万円増加、無形固定資産が104百万円減少、投資その他の資産が168百万円減少したためであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債につきましては、8,007百万円(前期末比722百万円増)となりました。

 流動負債につきましては、4,947百万円(同811百万円増)となりました。これは、主に短期借入金が608百万円増加、1年以内返済予定の長期借入金が76百万円増加、未払金が32百万円減少、未払法人税等が35百万円増加、契約負債が37百万円増加、流動負債のその他が63百万円増加したためであります。

 固定負債につきましては、3,059百万円(同88百万円減)となりました。これは、主に長期借入金が82百万円減少、資産除去債務が4百万円減少したためであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産につきましては、1,735百万円(前期末比507百万円減)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益計上により利益剰余金が507百万円減少したためであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得が691百万円、投資活動による資金の減少が916百万円、財務活動による資金の増加が458百万円であったことにより、前連結会計年度末に比べ233百万円増加し、2,095百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は691百万円(前連結会計年度は324百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失が248百万円、減価償却費が289百万円、のれん償却額が204百万円、減損損失が485百万円、法人税等の支払による支出124百万円及びその他104百万円の収入によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は916百万円(前連結会計年度は367百万円の使用)となりました。これは主に子会社化及び事業譲受した会社に関する有形固定資産の取得による支出278百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出474百万円、事業譲受による支出204百万円、敷金及び保証金の差入による支出23百万円、補助金の受取額33百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は458百万円(前連結会計年度は208百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金による収入550百万円、短期借入金の純増額597百万円、長期借入金の返済による支出646百万円及び配当金の支払額41百万円によるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

② 資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、新規に開設する保育施設や介護施設の設備投資に係る設備資金需要、保育施設や介護施設における備品購入費及び人材採用費等の運転資金需要であります。

③ 財政政策

当社グループは、当社と連結子会社の資金管理の一元化を図り、連携をとることにより資金効率の向上に努めております。また、事業活動のための資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることに注力しております。新規に開設する保育施設や介護施設の設備投資や運転資金といった資金需要については、主には金融機関からの借入によって調達しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年4月26日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社フォルテと株式会社翠明との間で事業譲渡契約を締結することについて決議し、2024年5月1日付で事業譲受を実施完了しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合関係) 3.連結子会社による事業譲受」をご参照ください。

 当社は、2024年12月20日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社フォルテを通じて株式会社飛翔、及び株式会社愛翔会の株式を取得し、子会社化することについて決議いたしました。2025年1月10日付で全株式の取得を完了しております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象 1.取得による企業結合)」をご参照ください。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。