第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について、重要な変更があった事項は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

③ 施設運営に際しての事故等に関するリスク

 当社グループは、保育施設等の運営にあたり、児童及び利用者の安全を第一に考え、万全の配慮をいたしております。万が一施設運営に際して重大な事故や業務上の人為的ミス、不正行為等が発生した場合、所管する自治体等から事業の停止命令を受けたり、訴訟の提起や風評被害等により多数の園児の退園等が生じたりすることで当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の分析

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の増加により緩やかな回復基調を維持したものの、国際情勢不安、米国政権交代による通商問題の再燃、原料・エネルギー価格の高騰や急激な為替相場の変動などにより、先行きは依然として不透明な状況となっております。

当社グループを取り巻く事業環境は、婚姻数減少などによる少子化が依然として深刻な状況にあり、2024年度の出生数は68万人となり、1899年の統計開始以来、過去最少を記録しました。

このような状況を受け、政府は2023年12月「こども大綱」に基づく「こども未来戦略」を公表し、「次元の異なる少子化対策」として2024年度から2026年度末までの3年間の加速化プランを示しております。

このプラン実現に向け、2024年6月に「子ども・子育て支援法」が一部改正され、同年10月には第3子以降の児童手当などが引き上げられております。また、2025年4月には育児休業給付の給付率が引き上げられ、新たに育児時短就業給付が創設されるなど様々な子育て支援策が施行されております。さらに、2026年4月開始予定の「こども誰でも通園制度」の本格実施に向け、2024年度より試行事業が開始されており、制度化に向けた取り組みが継続しております。

このような少子化対策が進む一方で、保育所における待機児童問題は、受け皿整備を中心とする施策により、2017年ピーク時の26,081人から2024年4月時点では2,567人となり大幅に減少いたしました。こうした状況を踏まえ、2024年12月こども家庭庁は「保育政策の新たな方向性」を公表し、「保育の量の拡大」から「保育の質の確保充実」を図ること等を示し、2025年6月には「こどもまんなか実行計画」を公表し、質の高い保育を実現するための計画について示しております。

こうした政府の方針を受け、保育所におきましては、質の向上を念頭に置いた施設運営への転換が求められる一方で、国策としての少子化対策は強化され市場拡大が見込まれるとともに、地域福祉を支える社会インフラとして当社グループが行う事業の役割は、これまで以上に重要性を増すものと考えております。

当社グループは、更なる女性の社会進出によって、共働き世帯の増加や働き方の多様化が進んでいくものと考えており、保育事業や子育て世帯へ向けたサービスに対する需要はますます高まっていくものと見込んでおります。

このような環境のもと、当社グループは高まる保育所ニーズや女性の社会進出による様々なニーズに応えるべく、当中間連結会計年度に以下のとおり新規に運営を開始しております。

なお、介護事業の運営施設数には2025年1月に子会社化した株式会社飛翔及び株式会社愛翔会の運営施設4施設を含めて記載しております。

 

(保育事業)            合計41施設

 

企業内・病院内保育施設      合計9施設

東京都         1施設(大田区1施設)

山口県         2施設(山口市2施設)

福岡県         3施設(久留米市2施設、太宰府市1施設)

宮崎県         2施設(清武町2施設)

沖縄県         1施設(沖縄市1施設)

 

学童保育             合計32施設

東京都         1施設(大田区1施設)

大阪府         1施設(吹田市1施設)

福岡県         30施設(大木町6施設、福津市12施設、直方市12施設)

 

(介護事業)            合計9施設

 

障がい福祉施設          合計4施設

愛知県         4施設(岡崎市4施設)

 

住宅型有料老人ホーム       合計5施設

奈良県         1施設(香芝市1施設)

愛知県         4施設(名古屋市4施設)

 

 上記を踏まえ、2025年6月末時点の運営施設数は、保育事業において315施設(認可保育所47施設、小規模認可保育所19施設、受託保育所130施設、学童保育所79施設、わいわい広場33施設、認可外保育所4施設、地域型保育事業施設2施設、バイリンガル幼児園1施設)、介護事業において27施設(通所介護施設(デイサービス)3施設、住宅型有料老人ホーム9施設、サービス付高齢者向け住宅2施設、特定施設入居者生活介護老人ホーム1施設、障がい福祉施設12施設)、料理教室55校の計397施設となっております。

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は9,116百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は288百万円(前年同期は1百万円の損失)、経常利益は282百万円(前年同期は8百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は134百万円(前年同期は56百万円の損失)となりました。

 また、2024年2月1日に行われた株式会社ウイッシュ及び同社の子会社である株式会社子育てサポートとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度において確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、確定後の前連結会計年度の数値に基づき前年同期比較を行っております。

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、記載のセグメントの売上高はセグメント間取引の相

殺前の数値であります。

 

(保育事業)

 保育事業におきましては、当中間連結会計期間において新規に開設した施設が41施設あり、各既存施設において、保育の質の向上及び効率的な施設運営に注力いたしました。

 収入面では、認可保育所における2024年度の公定価格改定の影響により増収となりました。また、受託保育所においては、既存施設における請求時間の減少や、2024年3月及び2025年3月に契約が終了した施設が減収要因となりましたが、2024年4月以降に運営を開始したバイリンガル幼児園、受託保育所、学童施設の売上が増収に寄与いたしました。

 費用面では、公定価格改定により労務費が増加したほか、2025年4月に運営開始した施設に係る開設費用が発生いたしました。しかし、認可保育所の増収がこれらの費用増を上回ったため増益となりました。

 この結果、当中間連結会計期間における売上高は6,883百万円(同12.5%増)、セグメント利益は576百万円(同87.0%増)となりました。

 

 

(介護事業)

 当連結中間会計期間より、2025年1月に子会社化いたしました株式会社飛翔及び株式会社愛翔会が運営する有料老人ホームの4施設を加えております。

 介護事業におきましては、2024年度に株式取得した子会社4社(株式会社ウイッシュ、株式会社子育てサポート、ウェルファ株式会社、株式会社Yellow Fin)及び2025年度に株式取得した子会社2社(株式会社飛翔、株式会社愛翔会)の業績が増収に寄与し、うち複数の黒字会社の利益が増益に貢献しました。

 一方で、2024年度以降に開設した「ほっぺるの家さいたま見沼」及び「ほっぺるの家香芝」については、開設初期により入居率が安定しておらず、費用が先行したことから損失が発生しております。ただし、これらは中長期的な成長に向けた事業投資であり、将来的な収益貢献を見込んでおります。

 この結果、当中間連結会計期間における売上高は942百万円(同89.5%増)、セグメント利益は9百万円(前年同期は34百万円の損失)となりました。

 

(生活関連支援事業)

 生活関連支援事業におきましては、株式会社ホームメイドクッキングにおいて、受講者数が減少したことにより減収となりました。一方で、セーフティージャパン・リスクマネジメント株式会社において販管費が減少したほか、株式会社ホームメイドクッキングの減価償却費、のれん償却費及びその他販管費が減少したことにより増益となりました。

 この結果、当中間連結会計期間における売上高は1,193百万円(同4.7%減)、セグメント損失は8百万円(前年同期は29百万円の損失)となりました。

 

(その他)

 その他におきましては、主に幼稚園や保育所等に対する保育人材の派遣及びテノスクールにおける自治体主催の研修事業獲得に注力いたしました。また、管理部門において経費削減を実施しました。

 この結果、当中間連結会計期間における売上高は96百万円(同11.9%減)、セグメント利益は2百万円(同39.7%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末の資産は、10,605百万円となり、前連結会計年度末の9,759百万円から845百万円の増加となりました。

流動資産につきましては、4,763百万円となり、前連結会計年度末の4,438百万円から324百万円の増加となりました。これは、主に現金及び預金が241百万円増加、売掛金及び契約資産が108百万円増加、流動資産のその他が33百万円減少したためであります。

固定資産につきましては、5,842百万円となり、前連結会計年度末の5,320百万円から521百万円の増加となりました。これは、主に有形固定資産が247百万円増加、無形固定資産が107百万円増加、投資その他の資産が165百万円増加したためであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末の負債は、8,777百万円となり、前連結会計年度末の8,024百万円から752百万円の増加となりました。

流動負債につきましては、5,236百万円となり、前連結会計年度末の4,947百万円から288百万円の増加となりました。これは、主に短期借入金が57百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が21百万円増加、未払金が107百万円減少、未払法人税等が146百万円増加、賞与引当金が251百万円増加、契約負債が30百万円減少、流動負債のその他が66百万円増加したためであります。

固定負債につきましては、3,540百万円となり、前連結会計年度末の3,076百万円から463百万円の増加となりました。これは、主に長期借入金が464百万円増加したためであります。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末の純資産は、1,828百万円となり、前連結会計年度末の1,735百万円から93百万円の増加となりました。これは、主に親会社株主に帰属する中間純利益を134百万円計上し、40百万円の配当金を支払ったためであります。なお、2025年2月に資本剰余金108百万円を利益剰余金の欠損補填に充当しております。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の獲得が525百万円、投資活動による資金の支出が301百万円、財務活動による資金の獲得が13百万円であったことにより、前連結会計年度末に比べ237百万円増加し、2,333百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は525百万円(前中間連結会計期間は371百万円の獲得)となっております。これは、主に減価償却費が156百万円、のれん償却額94百万円、賞与引当金の増加額が249百万円、未払金の増減額が140百万円減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は301百万円(前中間連結会計期間は845百万円の支出)となっております。これは、主に有形固定資産の取得による支出が24百万円、無形固定資産の取得による支出が23百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が192百万円、事業譲受による支出が33百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は13百万円(前中間連結会計期間は566百万円の収入)となっております。これは、主に短期借入金の純減額74百万円、長期借入れによる収入500百万円、長期借入金の返済による支出が370百万円、配当金の支払額が40百万円あったこと等によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等もしくは指標等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年12月20日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社フォルテを通じて株式会社飛翔及び株式会社愛翔会の株式を取得し、連結子会社(当社にとって孫会社)化することについて決議し、2025年1月10日付で全株式の取得を完了しております。

 詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。