第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

個人情報保護について

個人情報保護法は、当社グループの運営する『保険クリニック®』やシステム開発・販売にも影響があると考えられ、それに対する取り組みを誤れば、企業の存続に影響する可能性があります。

当社グループでは、従来からこの問題を特に重視し、以下の通りの取り組みを行っております。

・個人情報保護について

当社グループは、お客様に信頼いただけるよう、全てのお客様の大切な個人情報及び顧客情報の保護を、重要な社会的責務であると認識しております。

当社グループは、個人情報の保護に関する法律その他の規範を遵守するため、「個人情報保護マネジメントシステム運用規程」を始めとする様々な諸規程を作成して、役職員に遵守させております。また、FC店についても、保険募集人指導事業者として、内部監査により個人情報保護の取り組みの適正性を確認しております。

・個人情報の収集について

当社グループは、お客様ご本人の同意なくお客様の個人情報及び顧客情報を第三者に提供することはありません。また、個人情報については保護方針を明示し、その範囲に関して事前にお客様や取引先の承諾をとっております。

・個人情報に係るセキュリティについて

当社グループでは個人情報に対する不正なアクセスを防止するために、ファイアウォールシステムを導入するとともに、情報を伝達する際にはIPSecやSSL等の暗号化された通信経路を利用する等、セキュリティの向上に努めております。また当社グループが提供するサービスやトラブルに対しては、必要に応じて当社グループの責任者が対応する体制をとっております。なお、当社は認証資格であるプライバシーマーク(Pマーク)及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を取得し、認証継続に注力しております。

当社グループは、上記の通り個人情報の取り扱いには細心の注意を払っておりますが、個人情報の漏出を完全に防止できるという保証は存在しません。今後、個人情報の一部が当社グループもしくは外部委託会社から漏洩する等、何らかの理由によって、個人情報が社外に漏出した場合には、当該取引先からの損害賠償請求もしくはブランドイメージの毀損等により、当社グループの事業及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

・個人情報の漏洩について

2024年8月2日、当社のお客様がご契約されている生命保険・損害保険・少額短期保険に関する情報(一部個人情報を含みます。)が、第一生命保険株式会社から当社への出向者によりネオファースト生命保険株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。)に情報漏洩していたことが判明いたしました。ネオファースト生命より、外部への漏洩がないこと及び2次被害のおそれはないなどの報告を受けております。また、本件に関しまして、監督官庁及び保険会社へはすでに報告を終了しており、アクセス権限の厳格化や出向社員への誓約書の徴求など、再発防止策もすでに講じております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年7月1日から2024年12月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、景気は緩やかな回復が続くことが期待されます。その一方で、アメリカの今後の政策動向、中東地域情勢を契機とした資源・原材料価格の上昇や円安による物価上昇、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響等に対して、引き続き注視していく必要があります。

このような外部環境の下、当社は「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」という企業テーマを掲げ、保険分析・販売支援におけるプラットフォーマーとしての事業展開を推進しております。また、独自開発した『保険IQシステム®』、『ASシステム』、『AS-BOX』及び『スマートOCR®』を活用し、システムユーザーの更なる拡大を目指しております。

 

 各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

・保険販売事業

 直営店部門は、『保険クリニック®』の顧客層をターゲット化した効率的なWeb広告やSNS等を継続して実施したことに加え、新たなアンバサダーとして藤岡ファミリーを採用し、CMや動画などの広告を新たに投下いたしました。広告宣伝費の投下先としてはWeb広告をメインとしており、その結果、Webからの来店予約数は増加し、新規来店件数が前年同期比14.4%増と好調に推移しました。さらに既存顧客の再来店件数についても、同5.1%増と伸長しました。また、株式会社人生設計より譲受した6店舗についても引き続き当初予想を上回る来店予約数により売上増加にも貢献いたしました。株式会社ライフアシストについては、保険募集人の新規採用が予定を下回ったことにより、増収となりましたが当初予想を下回り、また一時的な支出の増加により当初予想よりも減益となりました。この結果、売上高は前年同期を大きく上回りましたが、アンバサダーの交代に伴い当第1四半期の広告宣伝費の一部を当第2四半期に繰り越し利用したことから、前年同期比で減益となりました。なお12月末の直営店舗数は72店舗(当中間期累計で7店舗オープン、1店舗クローズ)となりました。

 法人営業部門は、新規案件による大型契約があったため、売上高は前年同期を上回りました。

 この結果、同事業の当中間連結会計期間の売上高は2,847,686千円(前年同期比34.4%増)、セグメント利益は186,983千円(同36.4%減)となりました。

 

・ソリューション事業

AS部門は、ASシリーズについては13,982IDとなりました。今後も全国規模の金融機関や保険会社、地方銀行、企業系代理店による新規導入の獲得に向けて注力しております。また金融機関向けに販売を強化している『スマートOCR®』のOEM提供も好調に推移し、増収となりました。引き続き、大手保険会社や地方銀行・企業代理店向けのプロジェクトも複数継続しており、具体的な導入に向けての検討が進んでおります。さらに、業界統一プラットフォーム構想の実現に向け、着実に交渉・開発が進んでおります。

FC部門は、12月末のFC店舗数が198店舗となりました(当中間連結会計期間で、12店舗オープン、7店舗クローズ)。新規FC加盟登録企業の増加、Webからの送客増加により事業部運営店舗の保険手数料とFCとの共同募集手数料が増加したことにより、増収となりました。今後も、Web送客のさらなる強化を継続するとともに、①新規リクルート活動の強化、②既存代理店への追加出店の提案、③店舗運営指導要員の派遣という施策を実施し、他業界からの新規参入企業への支援と取り込みを行っていきます。

この結果、同事業の当中間連結会計期間の売上高は1,064,933千円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は338,905千円(同51.3%増)となりました。

 

・システム事業

株式会社インフォディオは、前期に営業強化のために積極的に人材を確保した結果、官公庁や大手企業、ソリューション事業と連携した銀行や生命保険会社などの金融機関から『スマートOCR®』の新規導入が増加しました。また、既存のサービスの利用が増えたことで、サブスクリプション収益やリカーリング収益も好調に推移しました。

さらに、『スマートOCR®』に加えて、新サービスであるエンタープライズサーチ『brox』も複数の大手企業グループに新規導入され、引き続き多くの引き合いをいただいており、今後の成長が期待されます。

この結果、同事業の当中間連結会計期間の売上高は567,254千円(前年同期比27.3%増)、セグメント利益は58,508千円(同1201.1%増)となりました。

 

(注)『スマートOCR®』とは、AI(人工知能)を搭載し、ディープラーニング技術(深層学習、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法の一つ)を活用した、非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システムです。

 

(注)『brox』とは、紙文書をAI-OCRでテキストデータ化し、PDFや画像データに加えExcel・Word・PowerPoint等のOffice系ドキュメントも横断的に全文検索ができるエンタープライズサーチです。

 

販売費及び一般管理費につきましては、人財投資、店舗数増に伴う賃料等の増加、広告宣伝費の増加、システム開発に伴うソフトウエア償却等から、当中間連結会計期間の販売費及び一般管理費は3,194,439千円(前年同期比22.7%増)となりました。

 

この結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高4,479,874千円(前年同期比25.2%増)、営業利益263,174千円(同29.3%増)、経常利益268,196千円(同29.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益156,837千円(同42.3%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は2,823,439千円となり、前連結会計年度末に比べ193,339千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が244,381千円減少したことによるものであります。固定資産は2,200,284千円となり、前連結会計年度末に比べ31,211千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が57,946千円及びソフトウエアが93,941千円増加し、投資有価証券が100,000千円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、5,023,724千円となり、前連結会計年度末に比べ162,127千円減少いたしました。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は1,276,735千円となり、前連結会計年度末に比べ160,349千円減少いたしました。これは主に未払金が87,979千円、未払法人税等が35,818千円及び1年内返済予定長期借入金が30,000千円減少したことによるものであります。固定負債は74,591千円となり、前連結会計年度末に比べ3,590千円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が8,857千円増加し、長期借入金が12,000千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は、1,351,326千円となり、前連結会計年度末に比べ156,758千円減少いたしました。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は3,672,397千円となり、前連結会計年度末に比べ5,368千円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益の計上及び配当金の支払いにより利益剰余金が7,309千円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は72.2%(前連結会計年度末は70.0%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ244,381千円減少し、1,626,467千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は163,581千円(前年同期は157,076千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益270,610千円、減価償却費157,754千円、未払金の減少額92,575千円、法人税等の支払額147,239千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は199,899千円(前年同期は460,129千円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入100,000千円、無形固定資産の取得による支出138,857千円、事業譲受による支出103,500千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は208,063千円(前年同期は117,200千円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額164,085千円、長期借入金の返済による支出42,000千円等によるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について以下のとおりです。

・個人情報の漏洩について

2024年8月2日、当社のお客様がご契約されている生命保険・損害保険・少額短期保険に関する情報(一部個人情報を含みます。)が、第一生命保険株式会社から当社への出向者によりネオファースト生命保険株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。)に情報漏洩していたことが判明いたしました。ネオファースト生命より、外部への漏洩がないこと及び2次被害のおそれはないなどの報告を受けております。また、本件に関しまして、監督官庁及び保険会社へはすでに報告を終了しており、アクセス権限の厳格化や出向社員への誓約書の徴求など、再発防止策もすでに講じております。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、11,536千円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。