第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境

①コンサルティング市場

IDC Japan㈱によりますと、2018年のビジネスコンサルティング市場規模は前年比7.8%増の4,227億円、2018年~2023年の年間平均成長率は5.4%で拡大と予測されており、また米国の同市場規模が約10兆円と言われていることなどから、まだまだ十分に成長の余地があるものと考えております。

 

②M&A市場

㈱レコフのデータによりますと、2011年以降一貫してM&Aが増加傾向にあります。高齢化の進展による事業承継型のM&Aの増加や、人口減少及び少子化に伴う国内市場の縮小から、国内中堅・中小企業の再編のためのM&Aや、中堅企業が海外市場進出のための海外企業を買収するためのM&Aの増加等により、今後もM&Aは継続して増加する見込みであります。

 

③事業再生市場

㈱帝国データバンクによりますと、2019年の企業倒産件数は8,354件(前年比3.6%増)となり、2年ぶりに前年を上回りました。金融機関から返済条件の変更等(リスケジュール)を受けながら、継続支援が困難となった企業などの返済猶予後倒産は、2019年に524件(前年比22.4%増)と6年ぶりの高水準となり、金融機関の収益環境が厳しさを増すなか、2019年12月には金融検査マニュアルが廃止されるなど、各金融機関は融資、支援に対するスタンスを変えざるを得なくなっているため、今後も企業倒産件数の増加が懸念されております。

 

(2)今後の経営方針

上記の経営環境のもと、既存事業の成長を図ると共に、当社グループとしてさらなる成長のため、以下のようなソリューションの拡充を図っております。

①海外中堅企業を買収対象としたクロスボーダーM&A支援

昨今、人口減少による市場縮小に対応するため、海外市場を狙うべく日本企業のクロスボーダーM&Aが増加傾向にあります。大手企業は既にその動きを活発化しており、これまでクロスボーダーM&Aに取り込んでこなかった中堅企業においてもクロスボーダーM&Aに取り組む企業が増えてきています。一方で、海外買収案件の経験に乏しい大企業や中堅企業では、買収時のみならず買収後の経営まで必要人材を揃えてクロスボーダーM&Aを社内で完結させることが難しく、そのサポートのニーズが高まると予想されるため、当社グループがM&A戦略策定、M&A実行、PMI(Post Merger Integration:M&A成立後の統合プロセス)までを一貫してサポートすることにより、当社グループの事業機会の拡大を図ってまいります。

 

②中堅・中小企業へのコンサルティング・資金供給

中堅企業においては、市場縮小に対し上記とは別の対応として、新規事業の展開が大きな課題となっており、そのためのコンサルティング支援ニーズは年々増加しています。また、同時に新規事業の展開を目的としたリスクマネーの需要が高まるため、当社グループとしてはファンドや自己投資を通じて顧客に資金提供を行い、同時に経営者派遣やコンサルティングを実施することによって、投資先の会社の企業価値の向上を図り、投資資金の回収とそれに伴う成功報酬の収受を目指します。

 

③中堅・中小企業のM&A支援

加えて、国内の中堅・中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継機会が飛躍的に増加しており、事業承継型M&Aも同時に増加しているため、当社の特徴である金融法人ネットワークを通じて持ち込まれる事業承継型M&A案件を中心に、当社グループの事業承継サービスを伸長させていく予定です。

 

④大企業に対する成長戦略コンサルティング(M&A戦略コンサルティングを中心とする)及びM&A実行支援

当社グループにも多数の大企業クライアントがいますが、同社等にとってM&A戦略を中心とした成長戦略策定のニーズは大きく、M&A戦略コンサルティングを中心とする成長戦略コンサルティングからM&A実行までを一気通貫で支援をする業務は、年々拡大することが想定されるため、当社グループとしても注力していく予定です。

(3)対処すべき課題

当社グループの既存事業の成長のため、及び上記のソリューションの拡充のため、以下の課題に注力をしてまいります。

①専門家人材の積極的採用・育成の強化

当社グループの最も重要な経営資源は人材であり、また、旺盛な案件需要に対応する人員を確保するためにも、優秀な人材の採用・育成が当社グループの経営課題となっております。

他社との差別化を推進するため、経営コンサルティング事業において、産業知見を豊富に有する人材や特定の業務分野に精通した人材の更なる採用・育成を強化してまいります。

また、M&A案件やグローバル案件の増加に対応するため、当社グループは、当該分野における優秀な専門家人材を積極的に採用・育成してまいります。

 

②クロスボーダーM&Aに対応する海外拠点網の拡充

当社グループでは、グローバル案件を遂行するため、体制の強化が必要となっており、上海・シンガポール・ニューヨークに所在する既存拠点の情報収集能力向上を図るとともに、欧州・インド等の戦略的重要地域でも提携先との協力関係を構築する等により、海外拠点ネットワークの更なる強化を図ってまいります。

また、自社の海外拠点の新設による拠点網の拡充も検討しております。

 

③認知度及びブランド力の向上

当社グループの潜在顧客の信頼を高めるため、及び潜在的な入社希望者からの魅力度を高めるため、認知度及びブランド力の向上が必要となります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性がある事項について以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資者の判断上重要と考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断をしたものであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

(1)外部環境に起因するもの

①外部環境・市場の動向等について

当社グループは主に国内及び中国を含むアジア地域や欧米において、経営コンサルティング事業、ファイナンシャル・アドバイザリー事業、再生支援事業及びその他事業を展開しておりますが、景気変動が顧客企業の経営状態に与える影響等により当社が受託する案件の質や数量に変動が見られた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②競争激化について

当社グループの事業は、業務遂行のための必要な許認可等が存在せず、基本的に参入障壁は低く、競争の激しい分野であります。

今後も、多様な経営支援サービスをワンストップで提供し、また提供するサービス内容の高度化を行うこと等により、競合他社との差別化を図ってまいりたいと考えておりますが、激しい競争状況が続き、価格競争が激化する可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③大型案件の成功報酬による業績の変動について

当社グループの主要な事業の一つであるファイナンシャル・アドバイザリー事業の売上高は、主に着手金、作業時間に応じて請求する作業報酬、月額固定報酬などの基礎報酬及び案件が成約した等の一定の条件を満たした場合にのみ受け取ることができる成功報酬から構成されております。特に大型案件において、顧客企業及びその相手方等の間で成約に至らなかった場合、当社グループの収益は減少することになります。また、想定以上に報酬が増大した場合、当社グループの収益は大きく増加いたします。

さらに、四半期別の業績については、大型案件の成功報酬の計上がない四半期と、大型案件の成功報酬の計上が集中する四半期との間で、大きく業績が変動する可能性があります。

当社グループはファイナンシャル・アドバイザリー事業以外にも、経営コンサルティング事業、再生支援事業等を通じて収益の安定化を図っており、また、大型案件に依存せず非大型案件も数多く手掛けるなどしておりますが、ファイナンシャル・アドバイザリー事業における大型案件の成功報酬の多寡によって業績が変動する可能性があります。

なお、参考までに第13期の四半期ごとの売上高及び営業利益の推移を記載いたします。

(単位:千円)

 

第13期

第1四半期

連結会計期間

第13期

第2四半期

連結会計期間

第13期

第3四半期

連結会計期間

第13期

第4四半期

連結会計期間

売上高

1,174,046

857,652

1,114,189

1,625,255

営業利益又は営業損失(△)

101,567

△82,023

114,048

529,647

(注) 第13期第4四半期連結会計期間は、ファイナンシャル・アドバイザリー事業の案件が成立した影響により、全社の売上高、営業利益が共に大幅に増加しております。

 

④法的規制について

当社グループの主要事業を制限する直接的な法的規制は存在しないと考えております。しかしながら、今後、当社グループの事業を直接的もしくは間接的に制限する法的規制がなされた場合、また、従来の法的規制の運用に変更がなされた場合には、当社グループの事業展開は制約を受け、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

なお、当社は主要事業を補足するサービスとして、金銭消費貸借の媒介を行っております。同事業につきましては、当社は貸金業法で必要とされる登録を行っております。また、経営者人材の派遣による経営改革支援サービスを提供するため、当社は労働者派遣事業及び有料職業紹介事業の許可を得ております。

⑤訴訟の可能性について

当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり、当社グループの法令違反の有無に拘わらず何らかの原因で当社グループに対して訴訟等の提起がなされる可能性があります。

これらの訴訟が提起されること、及びその結果如何によっては、当社グループの社会的な信頼性及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥海外での事業活動及び為替レートの変動

当社グループの営む海外における事業活動には、次のようなリスクが存在します。

イ.通常、予期しない法律や規制の変更

ロ.人材の採用・確保の困難など、経済的に不利な要因の存在又は発生

ハ.テロ・戦争・その他の要因による社会的又は政治的混乱

こうしたリスクが顕在化することによって、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの海外事業の現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受け、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(2)内部環境に起因するもの

①人材の確保・育成について

当社グループは、各事業・各部署の中核的な人材として当該分野の経験者を配属し、多種多様な専門家が人的資本を構成しております。優秀な人材を確保・育成することは、今後、当社グループが事業を拡大する上で重要であり、特に経験豊富で専門性の高い人材の確保は当社グループの事業遂行上極めて大きな課題であります。

従いまして、必要とする人材を十分かつ適時に確保できなかった場合、もしくは当社グループにおいて重要な役割を担う専門性の高い人材の流出が発生した場合には、今後の事業遂行に影響を与える可能性があります。

また、人材の確保が順調に行われた場合でも、需給のひっ迫に伴う優秀な人材の獲得のための採用コストが増大することや、人件費、設備コスト等固定費が増加することが想定され、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②小規模組織について

当社グループは、2019年12月末現在、取締役4名(うち非常勤社外取締役1名)、監査役3名(うち非常勤社外監査役2名)、従業員177名と組織規模が小さく、内部管理体制や業務遂行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。

当社グループは、今後とも従業員の人材育成及び外部からの新規従業員の採用により、従来以上に組織的な内部管理体制を整備・運用するように努めてまいりますが、その過程において急激な事業拡大が生じた場合等には十分な人的・組織的対応が取れない可能性があります。その場合、当社グループの事業展開及び拡大に影響を与える可能性があります。

 

③情報管理・インサイダー取引について

当社グループの事業は、顧客企業の機密情報を取得することが前提となりますので、当社グループは、秘密保持契約等によって顧客企業や将来的に顧客になり得ると考えられる企業に対して守秘義務を負っております。

当社グループでは、厳重な情報管理の徹底を図るとともに、従業員への守秘義務遵守のための指導・教育を行っておりますが、何らかの理由でこれらの機密情報が外部に漏洩した場合、信用失墜等によって、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、上記の通り、情報管理の徹底を図るとともに、従業員への守秘義務遵守のための指導・教育を行った上、インサイダー取引防止の観点から、国内外の別や顧客企業であるかどうかの別を問わず、役職員による株式取引等を社内規程により原則として禁止しておりますが、万が一当社グループの役職員が顧客企業の機密情報を元にインサイダー取引を行った場合、当社グループの信用を著しく毀損し、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

④今後の事業展開、新規事業について

当社は、中国を含むアジア企業及び中国を含むアジア進出を目指す日本企業に対してサービスを提供することを目的として、2011年10月に中国に100%子会社である頂拓投資諮詢(上海)有限公司を設立し、2012年12月にシンガポール支店を開設しております。また、日本企業の北米への進出、当該地域における事業拡大に向けた支援体制を強化することを目的として、2017年6月にニューヨーク支店を開設しております。しかしながら、これらの組織は現時点では収益化途上にあり、今後、事業計画の実現が順調に進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、新規事業として、事業会社及び金融機関の役職員を対象として、当社のコンサルティング及びアドバイザリー実績に根差した実践的な内容の講座を提供する教育研修事業の展開を進めております。さらに、全国各地の中核となる中堅企業・中小企業の再生・成長支援を主眼としたファンド事業の展開を行っております。しかしながら、当該新規事業の業績が計画通りに推移しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤特定の人物への依存について

当社の創業者であり、かつ事業の推進者である代表取締役大西正一郎及び代表取締役松岡真宏は、経営方針や経営戦略の決定をはじめとして当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。

現時点において、代表取締役大西正一郎及び代表取締役松岡真宏が当社グループの事業から離脱することは想定されておりませんが、退任その他の理由により当社グループの経営から退くような事態が発生した場合、当社グループの事業戦略、組織運営及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)その他

①利益還元に関する方針について

当社グループは、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

当社グループは、株主に対する適正な利益還元を経営の重要な課題として認識しており、今後、株主の期待に応えるべく積極的に利益還元を行っていきたいと考えておりますが、各連結会計年度における利益水準、次期以降の見通し、資金需要及び内部留保の状況等を総合的に勘案した上で、事業拡大による株主価値最大化を実現すること等を企図して、配当を実施しない可能性があります。

 

②資金使途について

当社グループが前連結会計年度において実施致しました公募増資による調達資金の使途としては、人材採用に要する資金及び業容拡大に伴う本社事務所の移転等のための資金のほか、FCDパートナーズ株式会社が組成するファンドへの出資資金等に充当する予定であります。

なお、当連結会計年度末日現在での資金使途の計画は上記の通りでありますが、当社グループを取り巻く外部環境は変化のスピードが速く、現在計画している調達資金使途が上記以外の目的に変更される可能性があります。また、予定通りの資金使途に充当された場合においても、想定通りの投資効果を上げられない可能性があります。

 

③ストック・オプションの行使及び譲渡制限付株式の発行による株式価値の希薄化について

当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプション制度を採用しています。当連結会計年度末日現在付与しているストック・オプションに加え、今後付与されるストック・オプションについて行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

当連結会計年度末日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式は167,600株あり、発行済株式総数の2.94%に相当します。

また、2020年2月13日開催の取締役会において、当社従業員向けに譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議いたしました。当該制度による株式の割り当ては現時点において行っておりませんが、当該制度に基づく株式の発行又は処分が行われた場合には、ストック・オプション制度と同様に、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

①経営成績

当連結会計年度(自2019年1月1日 至2019年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業収益の向上を背景に、緩やかな回復基調で推移したものの、米中間の通商問題や中国経済の減速など、世界経済の不確実性の影響もあり、先行きは不透明な状況であります

このような経営環境の下、当社グループは、経営コンサルティング、ファイナンシャル・アドバイザリー、再生支援、その他の機能を活かした包括的なサービス提供により、一気通貫で企業の課題解決を図る提案に引き続き注力いたしました。また、第3四半期において本社移転を実施したことにより、3フロアに分かれていたオフィスを1フロアに集約することによって、オフィス効率の向上を図り、また、社員同士のコミュニケーションの活発化や異なる専門性の交流の促進などにより業務品質の向上を図ってまいりました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、前連結会計年度において大型案件の成約があったファイナンシャル・アドバイザリー事業において、当連結会計年度では同様の大型案件の成約がなかった影響から売上高の減少があったものの、経営コンサルティング事業の売上高の増加と、再生支援事業の売上高の大幅増加により、売上高は4,771,144千円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。また、利益面に関しては、営業利益663,240千円(同1.4%減)、経常利益678,872千円(同0.3%増)となりました。なお、特別損失として本社移転費用43,169千円を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益429,382千円(同9.1%減) となりました。

 

各事業別の業績概況は次のとおりであります。

 

<経営コンサルティング事業>

経営コンサルティング事業の当連結会計年度の業績は、売上高2,016,274千円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。これは、前連結会計年度において社内の再生支援部門の人的リソースの一部を経営コンサルティング事業の一部に割り振っておりましたが、当連結会計年度においては当該人的リソースをほぼ全て再生支援事業に注力したため、経営コンサルティング事業の人的リソースが一時減少するも、採用による増員によりその影響を打ち消し、また、受注案件の長期化及び大型化が進展したことにより、当連結会計年度の経営コンサルティング事業の売上高は増加いたしました。

 

<ファイナンシャル・アドバイザリー事業>

ファイナンシャル・アドバイザリー事業の当連結会計年度の業績は、売上高2,064,316千円(前連結会計年度比11.7%減)となりました。当連結会計年度においては、比較となる前連結会計年度において大型のM&A案件の成約があったことから、売上高は前連結会計年度比で減少いたしました

 

<再生支援事業>

再生支援事業の当連結会計年度の業績は、売上高567,383千円(前連結会計年度比111.4%増)となりました。当連結会計年度においては、金融機関の融資先への再生支援を目的とした当該金融機関からの相談が増加しており、更に人員増強の効果もあって、ニーズの増大を大きく取り込んだ結果、売上高は前連結会計年度比で大きく増加いたしました。

 

<その他事業>

その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高123,169千円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。

 

②財政状態

当連結会計年度末の総資産は3,269,111千円(前連結会計年度末は3,623,692千円)となり、前連結会計年度末に比して354,580千円減少いたしました。負債合計は1,083,769千円(前連結会計年度末は1,726,161千円)となり、前連結会計年度末に比して642,391千円減少いたしました。純資産は2,185,341千円(前連結会計年度末は1,897,531千円)となり、前連結会計年度末に比して287,810千円増加いたしました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ383,218千円減少し、1,733,235千円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は137,641千円(前連結会計年度は629,176千円の資金の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益635,703千円の計上、売上債権の減少額180,824千円の増加要因と、賞与引当金の減少額130,325千円、役員賞与引当金の減少額96,408千円、仕入債務の減少額147,993千円、法人税等の支払額257,551千円の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は203,350千円(前連結会計年度は22,045千円の資金の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出180,224千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は317,748千円(前連結会計年度は649,168千円の獲得)となりました。これは主に短期借入金の減少額175,003千円、配当の支払142,550千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは単一セグメントのため、売上分類別に記載しております。

売上分類の名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

2,016,274

103.7

ファイナンシャル・アドバイザリー事業

2,064,316

88.3

再生支援事業

567,383

211.4

その他事業

123,169

87.9

合計

4,771,144

101.7

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、一定の会計基準の範囲内で見積もりが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積もりについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析

a.売上高

当連結会計年度の売上高は4,771,144千円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。事業部門別の内訳は経営コンサルティング事業が2,016,274千円(同3.7%増)、ファイナンシャル・アドバイザリー事業が2,064,316千円(同11.7%減)、再生支援事業が567,383千円(同111.4%増)、その他事業が123,169千円(同12.1%減)であります。前連結会計年度において大型案件の成約があったファイナンシャル・アドバイザリー事業において、当連結会計年度では同様の大型案件の成約がなかった影響から売上高の減少があったものの、経営コンサルティング事業の売上高の増加と、再生支援事業の売上高の大幅増加により、前連結会計年度比1.7%増の増収となりました。

 

b.営業利益

売上原価1,795,483千円(同0.3%減)、販売費及び一般管理費2,312,420千円(同4.3%増)を計上した結果、当連結会計年度の営業利益は663,240千円(前連結会計年度は672,467千円の営業利益)となりました。売上原価の主な内容は、給料及び手当827,060千円、賞与引当金繰入額246,134千円等の人件費であります。販売費及び一般管理費の主な内容は、給料及び手当888,717千円、賞与引当金繰入額253,878千円、役員賞与引当金繰入額25,098千円等の人件費であり、主な増加要因は従業員の増加等による給料及び手当の増加128,430千円であります。

 

c.経常利益

営業外収益28,227千円、営業外費用12,595千円を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は678,872千円(前連結会計年度は676,615千円の経常利益)となりました。営業外収益の主なものは持分法による投資利益13,380千円、受取保険金9,927千円であり、営業外費用の主なものは情報セキュリティ対応費9,110千円、為替差損2,757千円であります。

 

d.税金等調整前当期純利益

特別損失43,169千円を計上した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は635,703千円(前連結会計年度は717,085千円の税金等調整前当期純利益)となりました。特別損失の内容は本社移転費用43,169千円であります。

 

e.親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等206,320千円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は429,382千円(前連結会計年度は472,434千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

 

ロ.財政状態の分析

a.資産の部

当連結会計年度末の総資産は3,269,111千円(前連結会計年度末は3,623,692千円)となり、前連結会計年度末に比して354,580千円減少いたしました。その内訳は流動資産が2,585,177千円(前連結会計年度末は3,122,228千円)、固定資産が683,933千円(前連結会計年度末は501,463千円)であり、前連結会計年度末に比して、流動資産は537,050千円減少し、固定資産は182,469千円増加いたしました。流動資産の増減の主なものは、現金及び預金の減少383,218千円、受取手形及び売掛金の減少180,870千円であります。固定資産の増減の主なものは、建物の増加210,536千円、繰延税金資産の減少72,369千円であります。

 

b.負債の部

当連結会計年度末の負債合計は1,083,769千円(前連結会計年度末は1,726,161千円)となり、前連結会計年度末に比して642,391千円減少いたしました。その内訳は、流動負債が1,001,516千円(前連結会計年度末は1,722,672千円)、固定負債が82,253千円(前連結会計年度末3,488千円)であり、前連結会計年度末に比して、流動負債が721,156千円減少し、固定負債が78,764千円増加いたしました。流動負債の増減の主なものは買掛金の減少147,995千円、短期借入金の減少175,003千円、賞与引当金の減少130,338千円、役員賞与引当金の減少96,408千円、未払法人税等の減少120,321千円であります。固定負債の増減の主なものは資産除去債務の増加78,764千円であります。

 

c.純資産の部

当連結会計年度末の純資産は2,185,341千円(前連結会計年度末は1,897,531千円)となり、前連結会計年度末に比して287,810千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益429,382千円の計上による利益剰余金の増加と利益剰余金の配当142,550千円によるものであります。

 

 

③資本の財源及び資金の流動性について

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社の運転資金及び設備投資資金等は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて銀行からの借入により調達しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの主要な事業の一つであるファイナンシャル・アドバイザリー事業は、当連結会計年度における売上高の43.3%を占めております。同事業は、顧客に対してM&Aのアドバイザリー・サービスを提供しておりますが、業務の性質上、成功報酬の割合が高くなる傾向があります。M&Aアドバイザリー・サービスにおいて、成功報酬を獲得できるか否かは、顧客のM&Aがクロージングするか否かにかかっており、当社グループにおいてコントロールができません。顧客のM&Aの成否は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、経営成績に重要な影響を与える要因の詳細については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等

当社グループは、「中期経営計画」において2022年度の売上高6,500,000千円、営業利益1,200,000千円(営業利益率18.5%)を目指しておりますが、そのために以下の指標を重視し達成状況を判断しております。

 

目標値

実績値

年平均売上高成長率

10.0%

12.7%

年間の増員数

20名

12名

営業利益率

20.0%

13.9%

ROE

20.0%

19.8%

配当性向

30.0%

30.5%

(注)年平均売上高成長率は、2016年度を基準年度とし、2019年度までの3年間で算定しております。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。