第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境

①コンサルティング市場

IDC Japan㈱によりますと、ビジネスコンサルティング市場は2020年半ばに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、新規案件の停滞や継続案件の凍結といった影響を強く受けましたが、その後は需要が急速に回復し、2020年もプラス成長を遂げました。さらに、2020年~2025年の年間平均成長率は9.3%で拡大、2025年に8,012億円になると予測されており、また米国の同市場規模が約10兆円と言われていることなどから、まだまだ十分に成長の余地があるものと考えております。

 

②M&A市場

㈱レコフのデータによりますと、2011年以降M&Aが増加傾向にあります。2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、一時的に件数が減少したものの、2021年は再び増加し過去最高件数を記録しました。高齢化の進展による事業承継型のM&Aの増加や、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとした事業構造の変化への対応のための事業再編型のM&Aの増加のほか、人口減少及び少子化に伴う国内市場の縮小による国内中堅・中小企業の再編のためのM&Aや、日本企業が海外市場へ進出するために海外企業を買収するM&Aの増加等により、今後もM&Aは継続して増加する見込みであります。

 

③事業再生市場

㈱帝国データバンクによりますと、2021年の企業倒産件数は6,015件(前年比23.0%減)となり、1966年に次いで過去3番目に少ない、半世紀ぶりの歴史的低水準を記録しました。持続化給付金など政府による事実上の資本注入策に加え、各金融機関による無利子・無担保(ゼロゼロ)融資、既存融資のモラトリアムなど、官民一体の複層的な中小企業対策による「資金繰り破たんの先送り」が、結果として記録的な低水準への着地に大きく貢献したと見られます。2022年も引き続き、事業継続を目的とした資金支援が行われ、経営不振企業に退場を促す内容へと大きく舵を切る事態は中長期的に考えづらいものの、慢性的な財務不健全リスクを抱える「経営破たん懸念企業」は相当数あり、事業再生の潜在的なニーズは拡大していると考えられます。

 

(2)今後の経営方針

上記の経営環境のもと、既存事業の成長を図るとともに顧客企業の課題に対する最適なサービスを提供するため、以下のようなソリューションの拡充を図っております。

 

①中堅・中小企業への投資や投資事業に関連する新しいコンサルティング事業の強化

中堅・中小企業においては、市場が縮小する中で新規事業の展開が大きな課題となっており、そのためのコンサルティング支援ニーズは増加しています。同時に新規事業の展開を目的としたリスクマネーの需要が高まっており、当社グループとしてはファンドや自己投資を通じて顧客企業をサポートし、経営者派遣やコンサルティングを実施することによって、投資先である顧客企業の企業価値の向上を図り、投資資金の回収とそれに伴う成功報酬の収受を目指します。

また、地域金融機関が行う投資事業を支援するコンサルティングについても引き続き実施してまいります。

さらに、日本企業においては、カーボンニュートラル等の環境問題への対応、デジタル化等の生産性向上への対応、少子高齢化や事業承継問題等を抱えている地域経済活性化への対応、そしてアフターコロナへの対応等、ビジネスモデルの変革が求められています。このような企業の重要課題を解決するとともに、社会課題の解決を図っていくため、中長期的かつ経営人材の派遣を伴う投資を可能とする投資会社を設立し、投資先企業のビジネスモデルの変革や業界再編による成長を図ってまいります。

 

②大企業に対するコンサルティング及びM&A実行支援の強化

大企業のクライアントにとって事業構造の転換に関する支援ニーズは多く、事業ポートフォリオの見直しに関するコンサルティングからM&Aの実行、そしてPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)までをワンストップで行う支援体制は、今後さらに拡大することが想定されるため、当社グループとしても注力していきます。

 

③中堅・中小企業のM&A支援の強化

国内の中堅・中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継に関する課題が増えており、同時に事業承継型M&Aも増加しています。当社グループは、当社独自の金融法人ネットワークを通じて持ち込まれる事業承継型M&A案件を中心に、事業承継サービスを伸長させてまいります。

 

④ESGやサステナビリティ戦略、及びDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略を通じたコンサルティング事業の強化

ESGやサステナビリティへの対応やDXへの対応に関する顧客企業からの支援ニーズは急速に高まっており、当社グループとして専門人材の確保を進め、コンサルティング領域を拡大してまいります。

 

(3)対処すべき課題

当社グループの既存事業の成長のため、及び上記のソリューションの拡充のため、以下の課題に注力をしてまいります。

①専門家人材の積極的採用・育成の強化並びに社員の働きやすい環境の整備

当社グループにとって最も重要な経営資源は人材であり、多様化する案件需要に対応できる専門人材を確保するために積極的な採用を継続し、当社の規模拡大を図ってまいります。

また、他社との差別化を推進するため、経営コンサルティング事業において、産業知見を豊富に有する人材や特定の業務分野に精通した人材のさらなる採用・育成を強化するとともに、M&A案件やグローバル案件の増加に対応するため、当該分野における優秀な専門人材を積極的に採用・育成してまいります。

さらに、幅広い産業へのサポート体制構築のため、各産業分野のアナリストを招聘し重点産業分野の拡大を図るとともに、中期的にさらなる領域拡大を目指してまいります。

加えて、多様な人材が活躍できる職場環境の構築と同人材の採用、時間外労働の抑制、ハラスメントの根絶、マネジメント層に対する研修などについても取り組んでまいります。

 

②認知度及びブランド力の向上

当社グループの潜在顧客の信頼を高めるため、当社グループの認知度及びブランド力の向上が必要となります。

そのための方策として、当社グループのオウンドメディアである「FRONTIER EYES ONLINE」や、当社主催のウェビナーの運営等にも注力してまいります。

 

③組織的営業体制の整備

当社グループの売上の最大化を図るため、近年の成長ドライバーとなっている事業法人向けの組織的なカバレッジ体制を構築してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性がある事項について以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資者の判断上重要と考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断をしたものであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

(1)外部環境に起因するもの

①外部環境・市場の動向等について

当社グループは主に国内及び中国を含むアジア地域や欧米において、経営コンサルティング事業、ファイナンシャル・アドバイザリー事業、再生支援事業及びその他事業を展開しておりますが、景気変動が顧客企業の経営状態に与える影響等により当社が受託する案件の質や数量に変動が見られた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②競争激化について

当社グループの事業は、業務遂行のための必要な許認可等が存在せず、基本的に参入障壁は低く、競争の激しい分野であります。

今後も、多様な経営支援サービスをワンストップで提供し、また提供するサービス内容の高度化を行うこと等により、競合他社との差別化を図ってまいりたいと考えておりますが、激しい競争状況が続き、価格競争が激化する可能性があります。この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③大型案件の成功報酬による業績の変動について

当社グループの主要な事業の一つであるファイナンシャル・アドバイザリー事業の売上高は、主に着手金、作業時間に応じて請求する作業報酬、月額固定報酬などの基礎報酬及び案件が成約した等の一定の条件を満たした場合にのみ受け取ることができる成功報酬から構成されております。特に大型案件において、顧客企業及びその相手方の間等で成約に至らなかった場合、当社グループの収益は減少することになります。また、想定以上に報酬が増大した場合、当社グループの収益は大きく増加いたします。

さらに、四半期別の業績については、大型案件の成功報酬の計上がない四半期と、大型案件の成功報酬の計上が集中する四半期との間で、大きく業績が変動する可能性があります。

当社グループはファイナンシャル・アドバイザリー事業以外にも、経営コンサルティング事業、再生支援事業等を通じて収益の安定化を図っており、また、大型案件に依存せず非大型案件も数多く手掛けるなどしておりますが、ファイナンシャル・アドバイザリー事業における大型案件の成功報酬の多寡によって業績が変動する可能性があります。

なお、参考までに第15期の四半期ごとの売上高とその内に含まれる成功報酬の金額及び営業損益の推移を記載いたします。

(単位:千円)

 

第15期

第1四半期

連結会計期間

第15期

第2四半期

連結会計期間

第15期

第3四半期

連結会計期間

第15期

第4四半期

連結会計期間

第15期

連結会計年度

売上高

(うち成功報酬)

1,329,051

(267,483)

1,253,247

(134,929)

1,310,656

(59,841)

1,848,698

(458,343)

5,741,654

(920,598)

営業利益又は営業損失(△)

93,707

△19,532

2,042

425,067

501,285

 

④法的規制について

当社グループの主要事業を制限する直接的な法的規制は存在しないと考えております。しかしながら、今後、当社グループの事業を直接的もしくは間接的に制限する法的規制がなされた場合、また、従来の法的規制の運用に変更がなされた場合には、当社グループの事業展開は制約を受け、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

なお、当社は主要事業を補足するサービスとして、金銭消費貸借の媒介を行っております。同事業につきましては、当社は貸金業法で必要とされる登録を行っております。また、当社は労働者派遣事業及び有料職業紹介事業の許可を得ております。

⑤訴訟の可能性について

当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり、当社グループの法令違反の有無に拘わらず何らかの原因で当社グループに対して訴訟等の提起がなされる可能性があります。

これらの訴訟が提起されること、及びその結果如何によっては、当社グループの社会的な信頼性及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥海外での事業活動及び為替レートの変動

当社グループの営む海外における事業活動には、次のようなリスクが存在します。

イ.通常、予期しない法律や規制の変更

ロ.人材の採用・確保の困難など、経済的に不利な要因の存在又は発生

ハ.テロ・戦争・その他の要因による社会的又は政治的混乱

こうしたリスクが顕在化することによって、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループの海外事業の現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受け、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 

⑦新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により海外への物理的な移動に制約が生じたことから、当社グループが営むファイナンシャル・アドバイザリー事業において、国内企業と海外企業との間でのクロスボーダーM&A案件に中断や進捗の遅れなどの影響が生じており、今後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が長期化する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)内部環境に起因するもの

①人材の確保・育成について

当社グループは、各事業・各部署の中核的な人材として当該分野の経験者を配属し、多種多様な専門家が人的資本を構成しております。優秀な人材を確保・育成することは、今後、当社グループが事業を拡大する上で重要であり、特に経験豊富で専門性の高い人材の確保は当社グループの事業遂行上極めて大きな課題であります。

従いまして、必要とする人材を十分かつ適時に確保できなかった場合、もしくは当社グループにおいて重要な役割を担う専門性の高い人材の流出が発生した場合には、今後の事業遂行に影響を与える可能性があります。

また、人材の確保が順調に行われた場合でも、需給のひっ迫に伴う優秀な人材の獲得のための採用コストが増大することや、人件費、設備コスト等固定費が増加することが想定され、その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②内部管理体制の整備について

当社グループは、2021年12月末現在、取締役5名(うち非常勤社外取締役2名)、監査役3名(うち非常勤社外監査役2名)、従業員257名と組織規模が小さく、内部管理体制や業務遂行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。

当社グループは、今後とも従業員の人材育成及び外部からの新規従業員の採用により、従来以上に組織的な内部管理体制を整備・運用するように努めてまいりますが、その過程において急激な事業拡大が生じた場合等には十分な人的・組織的対応が取れない可能性があります。その場合、当社グループの事業展開及び拡大に影響を与える可能性があります。

 

③情報管理・インサイダー取引について

当社グループの事業は、顧客企業の機密情報を取得することが前提となりますので、当社グループは、秘密保持契約等によって顧客企業や将来的に顧客になり得ると考えられる企業に対して守秘義務を負っております。

当社グループでは、厳重な情報管理の徹底を図るとともに、従業員への守秘義務遵守のための指導・教育を行っておりますが、何らかの理由でこれらの機密情報が外部に漏洩した場合、信用失墜等によって、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、上記の通り、情報管理の徹底を図るとともに、従業員への守秘義務遵守のための指導・教育を行った上、インサイダー取引防止の観点から、国内外の別や顧客企業であるかどうかの別を問わず、役職員による株式取引等を社内規程により原則として禁止しておりますが、万が一当社グループの役職員が顧客企業の機密情報を元にインサイダー取引を行った場合、当社グループの信用を著しく毀損し、当社グループの事業戦略及び経営成績等に影響を与える可能性があります。

④海外事業の収益化について

当社は、中国を含むアジア企業及び中国を含むアジア進出を目指す日本企業に対してサービスを提供することを目的として、2011年10月に中国に100%子会社である頂拓投資諮詢(上海)有限公司を設立し、2012年12月にシンガポール支店を開設しております。また、日本企業の北米への進出、当該地域における事業拡大に向けた支援体制を強化することを目的として、2017年6月にニューヨーク支店を開設しております。しかしながら、これらの組織は現時点では収益化途上にあり、今後、事業計画の実現が順調に進捗しない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤特定の人物への依存について

当社の創業者であり、かつ事業の推進者である代表取締役大西正一郎及び代表取締役松岡真宏は、経営方針や経営戦略の決定をはじめとして当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。

現時点において、代表取締役大西正一郎及び代表取締役松岡真宏が当社グループの事業から離脱することは想定されておりませんが、退任その他の理由により当社グループの経営から退くような事態が発生した場合、当社グループの事業戦略、組織運営及び経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)その他

①利益還元に関する方針について

当社グループは、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。

当社グループは、株主に対する適正な利益還元を経営の重要な課題として認識しており、今後、株主の期待に応えるべく積極的に利益還元を行っていきたいと考えておりますが、各連結会計年度における利益水準、次期以降の見通し、資金需要及び内部留保の状況等を総合的に勘案した上で、事業拡大による株主価値最大化を実現すること等を企図して、配当を実施しない可能性があります。

 

②ストック・オプションの行使及び譲渡制限付株式の発行による株式価値の希薄化について

当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプション制度を採用しています。当連結会計年度末日現在付与しているストック・オプションに加え、今後付与されるストック・オプションについて行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

当連結会計年度末日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式は182,700株あり、発行済株式総数の1.60%に相当します。

また、当社グループは、社外取締役を除く当社取締役及び当社従業員向けに譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、当該制度に基づく株式の発行又は処分が行われた場合には、ストック・オプション制度と同様に、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績

当連結会計年度(自2021年1月1日 至2021年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により厳しい状況が続きました。ワクチン接種が進み、感染拡大が収束し経済活動が正常化へ向かうことが期待されていたものの、新たな変異株の発生や半導体不足、物流コストの増加等が見られ景気へのマイナスの影響が懸念されるなど、先行きは不透明な状況であります。

このような経営環境の下、当社グループは、経営コンサルティング、ファイナンシャル・アドバイザリー、再生支援、その他の機能を活かした包括的なサービス提供により、ワンストップで企業の課題解決を図る提案に引き続き注力いたしました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、金融機関による企業への緊急融資が継続されたため、資金繰りに窮する企業の再生支援ニーズが顕在化せず、再生支援事業においては前連結会計年度比で減収となったものの、再生支援事業の人的リソースを経営コンサルティング事業で活用したことにより、経営コンサルティング事業において大きく増収した結果、売上高は5,741,654千円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。また、昨年から継続している積極的な人材採用により人件費は増加しておりますが、増員による収益拡大が進みつつある中、利益面に関して営業利益は501,285千円(同13.7%減)、経常利益は514,576千円(同10.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は338,707千円(同19.5%減)となりました。

 

各事業別の業績概況は次のとおりであります。

 

<経営コンサルティング事業>

経営コンサルティング事業の当連結会計年度の業績は、売上高3,280,302千円(前連結会計年度比35.7%増)となりました。当連結会計年度においては、積極的な人員増加の効果が発現し、また、常駐型経営執行支援の好調と大規模クライアント案件の継続も寄与したほか、期中に新設したデジタル戦略室の順調な立ち上がりによる上積みもあり、経営コンサルティング事業の売上高は大幅に増加いたしました。

 

<ファイナンシャル・アドバイザリー事業>

ファイナンシャル・アドバイザリー事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,725,210千円(前連結会計年度比3.0%減)となりました。当連結会計年度においては、当初見込んでいた前期からの持越しの大型M&A案件の成約がならず、売上高は前連結会計年度比で微減となりました。

 

<再生支援事業>

再生支援事業の当連結会計年度の業績は、売上高662,331千円(前連結会計年度比29.9%減)となりました。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により再生支援ニーズが拡大するものと見込んでおりましたが、金融機関による企業への緊急融資が継続しているために、業績は悪化しているものの資金繰りが逼迫していない企業が多く、足元では想定よりも再生支援のニーズが拡大しておらず、売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。

 

<その他事業>

その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高73,810千円(前連結会計年度比37.3%増)となりました。

 

②財政状態

当連結会計年度末の総資産は3,819,274千円(前連結会計年度末は3,792,731千円)となり、前連結会計年度末に比して26,542千円増加いたしました。負債合計は1,365,207千円(前連結会計年度末は1,344,132千円)となり、前連結会計年度末に比して21,075千円増加いたしました。純資産は2,454,066千円(前連結会計年度末は2,448,598千円)となり、前連結会計年度末に比して5,467千円増加いたしました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ114,882千円減少し、1,784,218千円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は316,813千円(前連結会計年度は456,102千円の資金の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益514,576千円、株式報酬費用102,189千円の増加要因と、法人税等の支払額204,740千円、売上債権の増加額109,713千円の減少要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は31,524千円(前連結会計年度は59,305千円の資金の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出25,876千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は404,765千円(前連結会計年度は230,684千円の資金の使用)となりました。これは主に配当の支払137,880千円、自己株式の取得による支出270,080千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは単一セグメントのため、売上分類別に記載しております。

売上分類の名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

3,280,302

135.7

ファイナンシャル・アドバイザリー事業

1,725,210

97.0

再生支援事業

662,331

70.1

その他事業

73,810

137.3

合計

5,741,654

110.6

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。重要な会計方針及び重要な会計上の見積りの詳細につきましては、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に係る会計上の見積り及び仮定については、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(追加情報)に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析

a.売上高

当連結会計年度の売上高は5,741,654千円(前連結会計年度比10.6%増)となりました。事業別の内訳は経営コンサルティング事業が3,280,302千円(同35.7%増)、ファイナンシャル・アドバイザリー事業が1,725,210千円(同3.0%減)、再生支援事業が662,331千円(同29.9%減)、その他事業が73,810千円(同37.3%増)であります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による市場の再生ニーズが本格化に至らなかった再生支援事業において売上高が減少、大型案件の成約が少なかったファイナンシャル・アドバイザリー事業において売上高が微減となったものの、経営コンサルティング事業においては積極的な人員増加の効果の発現と大規模クライアント案件の継続などにより売上高が大幅に増加したことから、前連結会計年度比10.6%増の増収となりました。

 

b.営業利益

売上原価2,247,959千円(同7.9%増)、販売費及び一般管理費2,992,409千円(同18.4%増)を計上した結果、当連結会計年度の営業利益は501,285千円(前連結会計年度は580,805千円の営業利益)となりました。売上原価の主な内容は、給料及び手当1,237,425千円、賞与引当金繰入額280,523千円等の人件費であり、主な増加要因は積極的な人員採用を行った結果、給料及び手当が191,561千円増加したことであります。販売費及び一般管理費の主な内容は、給料及び手当1,302,744千円、賞与引当金繰入額269,041千円等の人件費であり、主な増加要因は同様の理由により給料及び手当が289,725千円増加したことであります。

 

c.経常利益

営業外収益17,702千円、営業外費用4,411千円を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は514,576千円(前連結会計年度は575,633千円の経常利益)となりました。営業外収益の主なものは為替差益6,751千円、持分法による投資利益6,506千円であり、営業外費用の主なものは株式報酬費用2,902千円であります。

 

d.税金等調整前当期純利益

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は514,576千円(前連結会計年度は575,633千円の税金等調整前当期純利益)となりました。

 

e.親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等175,868千円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は338,707千円(前連結会計年度は420,515千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

ロ.財政状態の分析

a.資産の部

当連結会計年度末の総資産は3,819,274千円(前連結会計年度末は3,792,731千円)となり、前連結会計年度末に比して26,542千円増加いたしました。その内訳は流動資産が2,998,206千円(前連結会計年度末は2,994,271千円)、固定資産が821,068千円(前連結会計年度末は798,459千円)であり、前連結会計年度末に比して、流動資産は3,934千円増加し、固定資産は22,608千円増加いたしました。流動資産の増減の主なものは、受取手形及び売掛金の増加110,731千円、営業投資有価証券の増加8,473千円、現金及び預金の減少114,882千円であります。固定資産の増減の主なものは、繰延税金資産の増加53,119千円、長期前払費用の減少による投資その他の資産のその他の減少27,703千円であります。

 

b.負債の部

当連結会計年度末の負債合計は1,365,207千円(前連結会計年度末は1,344,132千円)となり、前連結会計年度末に比して21,075千円増加いたしました。その内訳は、流動負債が1,282,944千円(前連結会計年度末は1,261,874千円)、固定負債が82,262千円(前連結会計年度末82,257千円)であり、前連結会計年度末に比して、流動負債が21,070千円増加し、固定負債が4千円増加いたしました。流動負債の増減の主なものは未払法人税等の増加31,045千円、賞与引当金の増加47,277千円、未払金の減少53,213千円であります。

 

c.純資産の部

当連結会計年度末の純資産は2,454,066千円(前連結会計年度末は2,448,598千円)となり、前連結会計年度末に比して5,467千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益338,707千円の計上と、譲渡制限付株式報酬の費用計上により資本金13,596千円、資本剰余金13,596千円が増加したことに加え、株式報酬費用の計上により新株予約権46,969千円が増加した一方で、利益剰余金の配当137,912千円と自己株式の取得270,080千円により減少したことによるものであります。

 

③資本の財源及び資金の流動性について

キャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。当社の運転資金及び設備投資資金等は手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて銀行からの借入により調達しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの主要な事業の一つであるファイナンシャル・アドバイザリー事業は、当連結会計年度における売上高の30.0%を占めております。同事業は、顧客に対してM&Aのアドバイザリー・サービスを提供しておりますが、業務の性質上、成功報酬の割合が高くなる傾向があります。M&Aアドバイザリー・サービスにおいて、成功報酬を獲得できるか否かは、顧客のM&Aがクロージングするか否かにかかっており、当社グループにおいてコントロールができません。顧客のM&Aの成否は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、経営成績に重要な影響を与える要因の詳細については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等

当社グループは、「中期経営計画」において2023年度の売上高8,700,000千円、営業利益1,740,000千円(営業利益率20.0%)を目指しておりますが、そのために以下の指標を重視し達成状況を判断しております。

 

目標値

実績値

年平均売上高成長率

18.8%

10.6%

年間の増員数

40名

30名

営業利益率

20.0%

8.7%

ROE

20.0%

14.0%

配当性向

30.0%

33.7%

(注)年平均売上高成長率の実績値は2020年度を基準年度として算定しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。