第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当中間会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要による好調な企業業績を背景に、大手企業を中心とした賃上げの本格化などによる雇用・所得環境の改善により景気は緩やかな回復基調にあります。その一方で、ウクライナや中東地域等の不安定な世界情勢の長期化等による海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや資源価格の高騰や円安進行による消費者物価上昇の影響により、依然として先行きは不透明な状況にあります。

 このような状況下において、当社が属するインターネット広告市場につきましては、コネクテッドTVの利用拡

大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与し、2023年には3兆3,330億円(前年比107.8%)となり、引き続き成長を続けております(広告費データは、株式会社電通「2023年 日本の広告費」より引用)。

 このような環境のもと、当社のインターネット広告事業では、引き続き積極的な人材採用と人材教育に注力することで販売体制の強化を図り、既存のクライアント企業の売上拡大、及び新規クライアント企業の獲得に注力して参りました。しかし、当社の主なクライアントであります中小企業の景況感は、2024年4-6月期の全産業の業況判断DI(「好転」-「悪化」)が▲15.7と前期(1-3月期)と比べ2.6ポイント改善しているものの依然としてマイナスで推移しており、依然として景況感については不透明な状況にあり、中小企業の広告需要については不透明な状況が継続しております (独立行政法人 中小企業基盤整備機構「第176回 中小企業景況調査」 より引用)。一方で、ソフトバンク株式会社との資本業務提携契約にもとづく協業については、当中間会計期間は協業体制の強化等により新規案件の受注や既存案件の広告予算が拡大したことをうけ前年同中間期と比較して協業による売上は拡大しております。

 以上の結果、当中間会計期間の業績は、営業収益652,961千円(前年同期比4.6%減)、営業損失10,033千円(前年同中間期は営業利益43,524千円)、経常損失745千円(前年同中間期は経常利益50,073千円)、中間純損失4,814千円(前年同中間期は中間純利益30,596千円)となりました。

 なお、当社は、インターネット広告事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当中間会計期間末における資産の残高は、2,693,406千円となり、前事業年度末に比べ320,200千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が405,112千円、受取手形及び売掛金が132,599千円減少した一方で、投資有価証券が221,234千円増加したことによるものであります。

(負債)

 当中間会計期間末における負債の残高は、1,279,232千円となり、前事業年度末に比べ282,585千円減少いたしました。これは主に、買掛金が221,292千円、未払消費税等が45,393千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産の残高は、1,414,173千円となり、前事業年度末に比べ37,615千円減少いたしました。これは主に、資本金及び資本剰余金がそれぞれ9,035千円増加した一方で、配当金の支払いにより57,581千円減少したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ405,112千円減少し、1,010,901千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において営業活動の結果使用した資金は144,261千円(前年同中間期は214,532千円の収入)となりました。これは主に、賞与引当金の増加額25,807千円、退職給付引当金の増加額17,048千円、役員退職慰労引当金の増加額15,990千円があった一方で、仕入債務の減少額221,292千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において投資活動の結果使用した資金は217,368千円(前年同中間期は9,788千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出202,500千円、保険積立金の積立による支出10,882千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において財務活動の結果使用した資金は43,482千円(前年同中間期は54,507千円の支出)となりました。これは主に、株式発行による収入14,476千円があった一方で、配当金の支払による支出57,585千円があったことによるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分

析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 当中間会計期間において、該当事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等は以下のとおりです。

(資本業務提携)

当社は、2024年5月15日開催の取締役会において、ポケトーク株式会社(以下「ポケトーク社」といいます。)との間で資本業務提携契約の締結及びポケトーク社が実施する第三者割当による株式の引受けを行うことを決議し、締結いたしました。

 

1.資本業務提携の内容等

(1)資本提携の内容

① 発行する株式の種類:普通株式

② 出資総額:200,000,000円

③ 出資日:2024年5月21日

④ 割当方法:第三者割当増資

 

(2)業務提携の内容

① ポケトーク社の主力製品であるAI通訳機「ポケトーク」やAI同時通訳「ポケトーク ライブ通訳」・「ポケトーク カンファレンス」等の拡販の為、当社はデジタル広告の運用等を支援

② ポケトーク社の主力製品であるAI通訳機「ポケトーク」のYahoo!ショッピングへの公式ショップ新規出店に向けた準備及び出店後の拡販に向けたデジタル広告の運用等の支援

③ ポケトーク社の主力製品であるAI通訳機「ポケトーク」のアジア各国でのEC運用及びデジタルマーケティング戦略の共同での検討とデジタル広告の運用等の支援

 

2.業務提携の目的及び理由

ポケトーク社は、高度な翻訳技術とユーザーフレンドリーなデザインで知られ、国内外で高い評価を受けている企業です。その主力製品であります「ポケトーク」は、多言語に対応した携帯翻訳デバイスとして、ビジネスや旅行、教育など幅広いシーンで活用されています。また、「ポケトーク ライブ通訳」や「ポケトーク カンファレンス」は、複数言語に対応したリアルタイム翻訳機能を備え、多言語が必要な商談などでのコミュニケーションの支援や、国際会議での同時多言語通訳をソフトウェアで実現するサービスです。

この度の資本業務提携により、当社の有するデジタル広告の専門知識を活用し、ポケトーク社のAI音声通訳技術による国内及びグローバルビジネスの拡張性を生かし、新たなECサイトへの公式ショップの新規出店やアジア各国でのECサイトでの販売等、国内外の新たな市場や顧客を開拓することで、急速に高まりつつある多言語対応への需要獲得を目指します。

 当社とポケトーク社は、この提携を通じて、言語の壁を越えたコミュニケーションの促進に貢献し、より多くの人々が自由に情報を交換し、理解し合える世界の実現に向けて協力してまいります。