第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、“「がん」だけを見ることなく、「がん患者」の全体を診ることにより、安心して身内のがん患者に勧められる治療法を提供すること”を企業理念としております。

 この企業理念の実現のため、当社は、独自の「モジュール創薬」に基づく、抗がん剤の研究開発を行います。モジュール創薬は、既存の抗がん剤等を「モジュール」(構成単位)として利用し、創意工夫(用法用量・結合様式等)を加えて「アセンブリ」(組み立て)することで臨床上の有効性と安全性のバランスを向上させた新規抗がん剤を創製する方法です。

 当社は、「モジュール創薬」に基づき創製した新規抗がん剤の上市により、がん患者のQOL(Quality Of Life)向上に寄与することを目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、新規抗がん剤の上市を目指して研究開発を先行して行う創薬ベンチャー企業であり、現時点では製品売上により利益を安定的に計上するステージにはありません。

 当面の経営管理上の課題は、抗がん剤の早期上市に向けて、開発パイプラインを計画通り推進することと、新規開発化合物の探索により開発パイプラインを充実することです。

 従いまして、当社は、ROAやROEといった経営指標を目標とはせず、開発パイプラインの進捗等に目標をおいた事業活動を推進しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社の中長期における最重要課題は、新規抗がん剤の研究開発を着実に推進して承認を取得し、製品販売による安定的な収益源を確保することです。

 当社の開発パイプラインは、DFP-10917、DFP-11207及びDFP-14323が臨床試験段階、DFP-14927は臨床試験開始段階にあり、また、DFP-17729及びDFP-10825も臨床試験に向けた準備を進めておりますので、日本国内やアジア、欧米などの各地域での承認を取得していく予定です。また、開発パイプライン充実に向けた探索研究も継続的に実施してまいります。創薬ベンチャーである当社にとっては、これらの研究開発を並行して行っていくために、研究開発体制の強化と研究開発資金の調達が不可欠であります。

 従いまして、当社は、日本の提携先に留まらず、グローバルの製薬会社等の新規提携パートナーの確保に努めるとともに、必要に応じて、投資家からの資金調達を行いながら、研究開発を推進していく方針です。

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社は、「モジュール創薬」により、安心して身内のがん患者に勧められる治療法を提供することを目指しています。このような背景の下で、当社は、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。

① DFP-10917の開発推進

 DFP-10917については、新しい治療体系に合わせて米国の臨床第Ⅲ相試験のプロトコールを一部改訂したことに派生し、日本国内の臨床第Ⅰ相試験の開始が遅れたことにより、日本における独占的開発及び独占的販売のライセンス契約を締結している日本新薬㈱からの対価の支払いが遅れております。その対処として、日本新薬㈱との運営委員会の開催頻度を増やしながら、日本新薬㈱が日本で実施する臨床第Ⅰ相試験を効率良く実施できるように支援してまいります。また、日本以外のテリトリーについては、当社が米国で実施している臨床第Ⅲ相試験を早期に進め、米欧の提携パートナーの確保を目指してまいります。

 

② DFP-14323の開発推進

 既存薬からなるDFP-14323については、現在、日本国内で臨床第Ⅱ相試験を進めていますが、症例登録の完了に向けて治験参加施設の拡大に着手しました。早期に日本国内での適応追加の承認取得まで開発を行い、日本国内の独占的ライセンス契約を締結して協和化学工業㈱から、対価を受け取れるようにしてまいります。

 

③ DFP-10917及びDFP-14323以外の開発推進

 当社は、DFP-10917及びDFP-14323以外に、DFP-11207、DFP-14927、DFP-17729及びDFP-10825などの複数の開発品を保有しています。DFP-11207については、米国における臨床第Ⅰ相試験に引き続いて実施した食事の影響試験を終了しました。その結果に基づき、米欧において臨床第Ⅱ相試験、次いで臨床第Ⅲ相試験を進め、早期に医薬品の製造承認を取得することを計画しており、日米欧の提携パートナーの確保を目指してまいります。DFP-14927については、米国で臨床第Ⅰ相試験を開始しました。それに伴い、共同開発契約を締結している三洋化成工業㈱とは、高分子デリバリーの化合物の確保を積極的に推進してまいります。また、既存薬からなるDFP-17729については、日本国内での臨床試験の開始に向けて、国内の製薬会社との連携を目指して、積極的に協議を進めてまいります。更に、核酸医薬のDFP-10825については、臨床第Ⅰ相試験の開始に向けた準備を行う中で、国内外の会社から支援を受けながら開発を進めてまいります。これら複数の開発品を世界の主要国において承認を取得するためには、臨床試験を実施するための開発体制の強化と開発資金の確保が課題となります。このため、当社は提携パートナーの獲得を目指しながら、公募増資で調達した資金を計画的に投入して開発の推進を図ってまいります。

 

④ 開発パイプラインの充実

 当社は、「モジュール創薬」により新しい抗がん剤候補化合物の探索研究を行っており、これらの候補化合物を開発パイプラインに載せられる段階まで推進するためには、開発資金の確保が課題となります。

 

⑤ 財務体質の強化

 当社は、多額の研究開発費用が先行して必要となるため、継続的な営業損失が発生するとともに営業キャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があります。そのため、財務体質の強化が課題となります。今後は、ライセンス契約の締結を始めとした国内外のパートナーとの提携、研究開発活動の適切なコントロールに加え、株式市場や金融機関からの資金調達等により、更なる財務体質の強化に努める方針です。2018年10月の公募増資により30.7億円を調達し、2018年11月の第三者割当増資により2.8億円を調達しております。

 

⑥ 人材の獲得

 当社は、研究開発のマネジメント業務に特化し、外注会社を有効活用することにより、小規模な組織で効率的な運営を行っております。しかしながら、上記のとおり、今後開発品の増加が見込まれるため、適切な人材確保を図っていく方針です。

 

2【事業等のリスク】

 当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。

 当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意頂く必要があると考えます。

 当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い歳月と多額の研究費用を要し、全ての開発が成功するとは限りません。特に販売開始前の研究開発段階のパイプラインを有する製造開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。

 なお、文中の将来に関する記載は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

Ⅰ.医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク

(1)新薬開発の不確実性

 医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要しますが、臨床試験で有用な効果を確認できないこと等により研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を行うことは稀ではありません。また、世界の主要国において新薬を製造及び販売するためには、各国の薬事関連法規等の法的規制の下、各国別に厳格な審査を受ける必要があり、この審査に耐えうる有効性、安全性、及び品質等に関する十分なデータが得られない場合には、追加試験等が必要となり予定していた時期に上市ができず延期になる、または上市を断念する可能性があります。当社が権利を保有する新薬候補化合物の開発が遅れた場合や追加試験が必要となる場合は、計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となる可能性があり、その資金調達自体も不確実性があります。また、ライセンス契約の存続期間が特許権の有効期間が終了するまでの期間とされているため、ライセンス契約中にマイルストーンが達成できずに、当初想定した投資回収額を回収できない可能性もあります。更に、承認申請を規制当局に行っても、規制当局から承認されなかった場合には、当初想定していた投資回収額を回収できなくなり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)副作用発現、製造物責任

 医薬品には、臨床試験段階から更には上市後以降において、予期せぬ副作用が発現する可能性があります。当社は、こうした事態に備えて、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入しておりますが、最終的に当社が負担する賠償額の全てに相当する保険金が支払われる保証はありません。また、当社に対する損害賠償の請求が認められなかったとしても、製造物責任請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、当社及び当社の製品に対する信頼に悪影響が生じる可能性があります。この結果、当社の業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

(3)競合

 医薬品の研究開発は、国内外の製薬会社や創薬ベンチャー企業により激しい競争環境の下で行われております。他社が、当社開発品と同じ疾患領域で早期に競合品を市場導入したり、当社開発品と同じ疾患領域で優位性を持つ競合品の開発に成功したりした場合には、当社の事業の優位性は低下する可能性があります。他社による新規の競合品の登場により、当社開発品の臨床試験が被験者登録の遅延や目標被験者数の未達となる可能性があり、その場合には当初の計画以上の開発資金が必要になったり、または開発中止に追い込まれたりして、当社の事業計画や経営等に甚大な影響を及ぼす可能性があります。また、新規の競合品の開発が先行、または上市した場合は、ライセンスを提携している製薬企業が、事業を毀損すると判断してライセンス契約を解消する可能性があります。更に、上市に至った場合でも、他社が当社の製品よりも有意差のある有効性と安全性の製品を販売すると、想定したロイヤリティが得られない等により、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)ライセンス活動の不確実性

 当社はパイプラインの開発段階に応じて、国内外の製薬会社とライセンス契約を締結して「契約一時金」、「マイルストーン」及び「開発協力金」を受け取りますが、ライセンス契約の締結には、相手先の抗がん剤候補化合物に対する評価や経営判断などが伴うことから、当社が想定するタイミングで提携できない可能性があり、ライセンス契約の締結に至らない場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)薬事関連法規、医療保険制度による規制

 当社は研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事関連法規、医療保険制度及びその他関係法令等により、様々な規制を受けています。

 医薬品の開発には、多大な開発コストと長い年月を必要としますが、規制当局が当社開発品の有用性を認めない場合には、承認を計画通り取得できずに上市が困難になる可能性があります。

 また、当社が臨床試験を実施している米国において、2010年3月に改定された医療保険改革法案等による先発医薬品への価格引下げ圧力のほか、低価格の後発医薬品の使用促進が進められています。また、日本国内においても、政府は増加が続く医療費を抑制するため、定期的に薬価引き下げを実施するほか、後発医薬品の使用促進策の導入を進めております。今後の薬事関連法規、医療保険制度及びその他関係法令等の動向が、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅱ.事業遂行上のリスク

(1)特定の提携契約への依存及び収益の不確実性

 当社は、DFP-10917に関して日本新薬㈱との間で、DFP-14323に関して協和化学工業㈱と日本国内の独占的ライセンス契約を締結しております。これらの提携契約に基づく収益のマイルストーンは、開発の進捗に依存したものであり、開発の遅延が生じた場合や、提携先の経営方針の変更など当社が制御し得ない要因により開発を中断あるいは中止した場合、または提携先が契約条件の履行や各種規制等の遵守をできない場合は、提携契約の解除・終了や契約条件の変更等が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社では今後、国内外の製薬企業との新しいライセンス契約により、現状の提携契約に基づく収益への依存度を低減していく方針ですが、ライセンス契約の締結には、相手先の抗がん剤候補化合物に対する評価や経営判断などが伴うことから、当社が想定するタイミングで提携できない可能性があり、ライセンス契約の締結に至らない場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 更に、当社ではパイプラインの増加を図り、新しい提携先を開拓することで、特定の提携先への依存度も低減していく意向ですが、製薬企業等とのライセンス契約を締結するまでには長期間を要するため、当面の事業収益が特定の提携先に大きく依存する状況にあり、また、新たな製薬企業等とのライセンス契約を締結できる保証もない状況にあります。

 

(2)小規模組織及び少数の事業推進者への依存

 当社は、2019年3月末現在、取締役7名、監査役3名及び従業員11名の小規模組織であり、現在の内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっています。今後、業容拡大に応じて内部管理体制の拡充を図る方針です。また、当社の事業活動は、代表取締役社長である江島淸及び事業を推進する各部門の責任者及び少数の研究開発人員に強く依存するところがあります。そのため、江島淸その他の重要な役職員による職務遂行が困難となった場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)社歴の浅さ

 当社は2010年12月に設立された社歴の浅い企業です。従って、当社の過去の業績から当社の将来の業績等を推測することは難しい状況にあります。また、医薬品業界における豊富な経験を有する経営陣及び研究開発人員により運営されているものの、企業としては未経験のトラブルが発生する可能性は否定できず、それへの組織としての対応能力については、未知のリスクがあります。

 

(4)人材の採用、育成

 当社は常に優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保及び育成が順調に進まない場合、並びに人材の流出が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)知的財産権

 当社では研究開発をはじめとする事業展開において様々な知的財産権を使用しており、これらは当社所有の権利であるか、あるいは適法に使用許諾を受けた権利であるものと認識しています。

 下表に臨床試験段階にある当社の抗がん剤候補化合物に関する重要な特許の状況について記載します。

 

<開発パイプライン(臨床試験段階)に関連する主な特許の状況>

2019年3月31日現在

 

開発コード

発明の名称

出願番号

登録状況

権利者・出願人

権利許諾の状況

DFP-10917

デオキシシチジン誘導体を含有する抗腫瘍剤を投与する方法

PCT/JP2009/058725

日本、米国、豪州、欧州主要国で成立。

当社

日本新薬㈱に対し、日本における独占的開発・商業化権の許諾

1-(2’-シアノ‐2’-デオキシ‐β-D-アラビノフラノシル)シトシン・一塩酸塩の新規安定形結晶

PCT/JP2010/003261

日本(Ⅰ型、Ⅱ型結晶)。米国、ロシア、中国、韓国、欧州主要国で成立(Ⅱ型結晶)。

当社

DFP-14323

高齢又は末期の癌患者を治療又は寛解するための医薬組成物

PCT/JP2014/255403

日本、台湾で成立。その他の国に対して出願中。

当社

協和化学工業㈱に対し、日本における独占的製造・開発・商業化権の許諾

DFP-11207

新規5-フルオロウラシル誘導体

PCT/JP2010/068895

日本、米国、中国、香港、韓国、台湾、豪州、ロシア、欧州主要国等で成立。

当社

未許諾

 

 なお、当社が保有している現在出願中の特許が全て成立する保証はありません。また、特許が成立した場合でも、当社の研究開発を超える優れた研究開発により、当社の特許に含まれる技術が淘汰される可能性は常に存在しています。当社の特許権の権利範囲に含まれない優れた技術が開発された場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 一方、特許の出願は、特許の内容、対象国などについて費用対効果を考慮して行っていますが、出願費用や維持費用等の経費を回収できない可能性があります。

 また、当社では他社の特許権の侵害を未然に防止するため特許の調査を実施しており、これまでに、当社の開発パイプラインに関する特許権等の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありません。しかし、当社のような研究開発型企業にとって知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難です。また、当社が譲り受けた特許に係る関連化合物及び製剤の開発等に関し、第三者が権利主張や異議を述べてくる可能性も否定できません。これらに関し、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 更に、職務発明について、役員や従業員等の発明者から特許等を譲り受ける場合、当社は特許法に基づき相当の対価を支払わなければなりません。当社では社内ルールを設けておりますが、これまで発明者との間で問題は生じておりません。しかしながら、将来、発明者との間で対価の支払請求等について問題が起こらない保証はなく、紛争が生じた場合には、当社の業績及び財務状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)パイプライン

 各開発品は、前述の「医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク」を伴いますが、ここでは各開発品に特異な業務遂行上のリスク要因を挙げます。

① DFP-10917

 DFP-10917は日本新薬㈱に対して日本のテリトリーをライセンスアウトしており、日本国内における臨床試験は同社により行われ、今後、臨床第Ⅰ相試験を開始する予定でありますが、日本新薬㈱の経営方針の変更等により、臨床試験の開始が遅れる可能性があります。

 一方で、研究開発が先行している米国において臨床第Ⅲ相試験を開始しましたグローバルの提携先確保のためにライセンス活動中であり、次の臨床第Ⅲ相比較試験の実施については、株式公開における調達資金で開発を進める方針です。現状、グローバルのライセンスの提携先は未確定であり、ライセンス契約の締結には、相手先の抗がん剤候補化合物に対する評価や経営判断などが伴うことから、当社が想定するタイミングで提携できない可能性があり、ライセンス契約の締結に至らない場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、臨床第Ⅲ相比較試験において、競合する新薬の臨床試験により被験者が獲得できない場合、DFP-10917の安全性等に起因して規制当局から試験の中断や中止命令が出された場合は、臨床試験が計画通りに進められない可能性があります。臨床試験の遅延は想定以上の開発費を必要とするため、開発資金が不足すると判断した場合には、一時的に臨床試験を中断するなどの対応に迫られる可能性があり、この場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② DFP-14323

 DFP-14323は協和化学工業㈱に日本のテリトリーをライセンスアウトしていますが、日本国内の臨床第Ⅱ相試験は当社が中心となり進めております。臨床第Ⅱ相試験に引き続き、その次の臨床第Ⅲ相比較試験は日本を含むアジアで開始する予定であり、この費用は協和化学工業㈱とのライセンス契約に基づいていることから、ライセンス契約の不履行などにより資金が確保できなくなることもあり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、次の臨床試験は医療機関が未確定であり、臨床試験への取り組み方に医療機関または医師個人で違いがあるなど、計画通りに進まない可能性があります。

 

③ DFP-11207

 DFP-11207は米国における臨床第Ⅰ相試験に引き続き、食事の影響試験が終了し、国内外で提携先確保のためにライセンス活動中ですが、次の臨床第Ⅱ相試験およびその次の臨床第Ⅲ相比較試験については、株式公開における調達資金または提携先とのライセンス契約による一時金で開始する方針です。現状、ライセンスの提携先は未確定であり、ライセンス契約の締結には、相手先の抗がん剤候補化合物に対する評価や経営判断などが伴うことから、当社が想定するタイミングで提携できない可能性があり、ライセンス契約の締結に至らない場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ DFP-14927

 DFP-14927については、三洋化成工業㈱との共同開発契約に基づき、米国で臨床第Ⅰ相試験を開始しましたが、その結果に基づき、新たな提携先確保のためにライセンス活動を進める予定です。現状、ライセンスの提携先は未確定であり、次の臨床試験の開始前までに提携できない場合は、開発が計画通りに進まない可能性があります。

 

⑤ DFP-10825及びDFP-17729

 DFP-10825及びDFP-17729は臨床試験の準備段階ですが、その準備と試験の実施には株式公開における調達資金で進める方針です。現状、ライセンスの提携先は未確定であり、次の臨床試験の開始前までに提携できない場合は、開発が計画通りに進まない可能性があります。

 

(7)外部委託先との連携について

 当社は、経営の機動性・効率性の観点、経費の低減や高い専門性の分野における協業などの観点から、全ての開発品を以下の業務の一部を専門機関に委託しております。

・原薬・製剤(治験薬)の製造・評価試験

・薬理効果試験・毒性試験等の前臨床試験

・臨床試験のモニタリング・データマネジメント・統計解析

 その中でも、特に治験に関する業務の委託は重要性が高いものとなっております。当社は、治験等の業務委託先の選定及び業務委託先との関係の構築について慎重に対応しておりますが、不測の理由により、治験等の重要な業務の委託先との契約が終了したり、業務委託先での業務の遂行に支障が生じたりした場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 上記の委託先及び上記以外の業務に関する委託において、当社にとって不利な契約改定が行われた場合、または予期せぬ事情により契約が終了した場合は、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 委託先とは、今後も継続して委託をしていきますが、委託先における地震、水害等の自然災害・治安不安などの不足の事態等により、設備・インフラ・従業員などに支障をきたし、稼働できない状況などが一時的に発生し、または長期間業務が停止し、適時なサービス業務を受けられなくなる可能性がないとは言えません。この場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、外部委託先は、国内外の企業・医療機関に委託しておりますが、今後も国内外を問わず、開発に対して最善の企業・医療機関等に業務の委託を行う予定です。

 

(8)経営上の重要な契約等

 当社の経営上の重要な契約等は、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載の通りです。事業環境の変化、契約の相手方の方針の変更その他、不測の理由で契約が終了したり、契約の履行に支障が生じたりした場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

Ⅲ.業績等に関するリスク

(1)マイナスの繰越利益剰余金

 当社は、医薬品の研究開発を行う創薬系バイオベンチャー企業です。医薬品の研究開発には多額の先行投資を要し、その投資資金回収にかかる期間も他産業と比較して相対的に長期に及ぶため、創薬系バイオベンチャー企業が当該事業に取り組む場合は、一般的に期間損益のマイナスが先行する傾向にあります。

 当社は、開発パイプラインの進捗を図り、製品上市後に利益計上及び利益拡大を目指しています。しかしながら、開発が計画通りに進捗しない場合には、将来において当期純利益を計上する時期が遅延する可能性もあります。また、計画通りに当期純利益を計上できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期も遅延し、株主に配当を実施する時期が遅れる可能性があります。

 

(2)収益が大きく変動する傾向

 当社の事業収益は、開発品に対するライセンス契約等に基づく契約一時金、開発進捗に伴うマイルストーン及び開発協力金に依存しているため、過年度の事業収益、当期純利益(損失)は不安定に推移しています。この傾向は、当社の開発品が上市され安定的な収益基盤が確立するまで続くと見込まれます。

 

(3)資金繰り

 当社は、研究開発費用の負担により長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなる傾向があります。

 このため、当社製品が上市され、安定的な収益源が確保されるまでの期間においては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務基盤の強化を図る方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合は、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。

 

(4)新株発行による資金調達

 当社は医薬品の研究開発型企業であり、将来の研究開発活動の拡大に伴い、増資等の新株発行を伴う資金調達を機動的に実施していく可能性があります。その場合には、当社の発行済株式数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(5)新株予約権

 当社は、当社取締役の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストックオプション制度を採用しています。会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役、監査役、従業員に対して新株予約権の発行と付与を行っています。

 本書提出日現在における当社の発行済株式総数は4,369,600株、新株予約権による潜在株式数は150,000株(発行済株式総数に対する割合3.4%)であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があります。従って、今後付与される新株予約権が行使された場合にも、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

(6)配当政策

 医薬品の研究開発には多額の先行投資が必要であり、その投資回収までの期間も長期に及ぶ傾向にあり、当社も創業以来繰越利益剰余金がマイナスとなっています。このような状況下においては、積極的な開発推進によって企業価値を高めることこそが、株主利益の最大化に繋がると考えています。

 2019年3月期においては、会社法の規定上、配当可能な財政状態にはありませんが、株主への利益還元については重要な経営課題と認識しており、将来、現在開発中の新薬が上市され、その販売によって当期純利益が計上される時期においては、経営成績及び財政状態を勘案しながら、配当による利益還元の実施を検討したいと考えております。

 

(7)為替変動リスク

 医薬品の研究開発においては海外の委託先を使用しており、外貨建の取引を行っていること等、当社の取引には、為替変動リスクにさらされているものが存在します。そのため、当社の想定以上に為替相場の変動が生じた場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)ベンチャーキャピタル等の当社株式保有比率

 本書提出日における当社の発行済株式のうち、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下総称して「VC」)が所有している株式の所有割合は28.4%です。

 一般に、VC等が未公開株式に投資を行う目的は、株式公開後の当該株式を売却してキャピタルゲインを得ることであり、VC等は当社の株式公開後に、それまで所有していた株式の一部または全部を売却しますが、現在VC等が所有している株式も、今後売却することが想定されます。なお、当該株式売却によっては、短期的な需給バランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

① 経営成績の状況

 世界の医薬品市場は、大手製薬企業の成長戦略に基づく企業買収や、免疫チェックポイント阻害剤等のがん領域での成長が続いている反面、このような新規作用機序の治療薬の薬価高騰が世界的な問題となっており、米国政府が製薬企業へ価格を下げる要請をするなど、製薬企業の経営戦略が問われ始めています。一方、わが国の医薬品市場は、薬価制度の抜本改革において実施された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」と「市場拡大再算定」の見直しが製薬企業の経営に大きな影響を与えており、費用対効果評価制度の本格実施による薬価への影響など、引き続き厳しい状況が予想されています。

 当社では、がん患者の高齢化や新薬の高額化による医療財政への懸念が進む中、経済的にも安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供することを目指して、「モジュール創薬」に基づく研究開発に取り組み、着実に臨床開発を前進させました。

 抗がん剤候補化合物DFP-10917は、急性骨髄性白血病の新しい治療体系に合わせて、治験参加施設のKey Opinion Leader(KOL)による「Advisory Board Meeting」を米国シカゴで開催し、臨床第Ⅲ相試験のプロトコールを一部改訂の上、米国医薬食品局(FDA)に再提出し、症例登録の準備を進めました。抗がん剤候補化合物DFP-14323は、併用する分子標的治療薬の実情に合わせて改訂した臨床第Ⅱ相試験のプロトコールを医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出するとともに、症例登録の完了に向けて治験参加施設の拡大に着手しました。DFP-11207は、臨床第Ⅰ相試験に引き続いて実施した食事の影響試験を完了させ、次の臨床第Ⅱ相試験に向けて治験責任医師との協議を行い、準備を開始しました。抗がん剤候補化合物DFP-14927は、米国での臨床試験の開始に向けて治験責任医師と準備を進め、米国FDA より「臨床試験用の新医薬品(IND)」の承認を取得し、前期第Ⅱ相試験に相当する拡大試験を含んだ臨床第Ⅰ相試験を開始しました。また、抗がん剤候補化合物DFP-17729とDFP-10825は、臨床試験の開始に向けて、着実に準備を進めました。一方、日本新薬㈱に国内開発権並びに販売権をライセンスアウトしているNS-917(当社開発コード:DFP-10917)は、日本での臨床第Ⅰ相試験の開始が遅れたことにより、当該期中に日本新薬㈱からマイルトーンの支払いがありませんでした。

 以上の結果、当事業年度におけるマイルストーン等はなく事業収益はありませんでした(前事業年度は150百万円の収益)。事業費用につきましては、開発パイプラインの各臨床試験の症例登録開始時期が変更となった影響などに伴い、研究開発費が376百万円(前事業年度比89.1%の増加)となりました。この結果、営業損失は592百万円(前事業年度は243百万円の損失)、経常損失は671百万円(前事業年度は244百万円の損失)、当期純損失は673百万円(前事業年度は246百万円の損失)となりました。

 なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の経営成績を記載しておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失の計上及び株式の発行による収入等により、前事業年度末に比べ2,727百万円増加し、当事業年度末には3,508百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動に使用した資金は585百万円(前事業年度は100百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純損失671百万円の計上によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動に使用した資金は3百万円(前事業年度は投資活動によるキャッシュ・フローはありませんでした)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果得られた資金は3,316百万円(前事業年度は292百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入3,339百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

b.受注実績

 該当事項はありません。

c.販売実績

 該当事項はありません。

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

協和化学工業㈱

150,000

100.0

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成において、会計方針の選択・適用及び損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において、過去の実績や判断時点で入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

② 財政状態の分析

a.資産

(流動資産)

 当事業年度末の流動資産の残高は、前事業年度末比2,700百万円増加し、3,532百万円となりました。これは主に、現金及び預金が2,727百万円増加したことによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末の固定資産の残高は、前事業年度末比2百万円増加し、35百万円となりました。

b.負債

(流動負債)

 当事業年度末の流動負債の残高は、前事業年度末比28百万円増加し、56百万円となりました。これは主に、未払法人税等が20百万円、未払金が7百万円増加したことによるものであります。

(固定負債)

 当事業年度末の固定負債の残高は、前事業年度末比6百万円減少し、6百万円となりました。これは、長期借入金が6百万円減少したことによるものであります。

c.純資産

 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末比2,681百万円増加し、3,504百万円となりました。これは、当期純損失の計上により利益剰余金が673百万円減少したものの、新規上場にともない資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,677百万円増加したことによるものであります。

 

③ 経営成績の分析

a.事業収益

 当事業年度における事業収益は、ありませんでした。

b.事業費用、営業損益

 当事業年度における事業費用は592百万円(前事業年度比50.5%増)となりました。これは主に、各開発パイプラインの進捗に伴い、新規の臨床試験の準備や検討などを行ったことによる研究開発費の増加によるものであります。

 この結果、営業損失は592百万円(前事業年度は営業損失243百万円)となりました。

c.経常損益

 主にコミットメントフィー46百万円、上場関連費用16百万円及び株式交付費15百万円の計上等により、営業外費用が79百万円となり、この結果、当事業年度における経常損失は671百万円(前事業年度は経常損失244百万円)となりました。

d.当期純損益

 当事業年度における当期純損失は673百万円(前事業年度は当期純損失246百万円)となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の運転資金については、自己資金により充当しています。当事業年度末における現金及び現金同等物は3,508百万円であり、充分な流動性を確保しています。

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

 当社の中長期における最重要課題は、抗がん剤候補化合物の開発を進めて承認を取得し、当社が開発した抗がん剤の製品売上高により利益を確保することです。当事業年度では、DFP-10917、DFP-11207及びDFP-14323の臨床試験が順調に進んでおり、DFP-14927についても臨床試験を開始し、その次にはDFP-17729及びDFP-10825の臨床試験を開始する予定です。今後も開発パイプラインを着実に進捗させ、抗がん剤の早期上市を実現できるよう、当社は提携パートナーの製薬会社との連携を模索しながら、経営資源を結集して開発に取り組んでまいります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針

 経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術導出契約

① DFP-14323に係るライセンス契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

協和化学工業㈱

日本

医薬品製造販売

2016年4月27日

DFP-14323の独占的特許実施許諾

日本における特許権が消滅するまで又は本契約締結後15年のいずれか遅い方まで

 

② DFP-10917に係るライセンス契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

日本新薬㈱

日本

医薬品製造販売

2017年3月24日

DFP-10917の独占的特許実施許諾

日本における特許権が消滅するまで又は販売開始後15年のいずれか遅い方まで

 

5【研究開発活動】

(1)研究開発体制

 当社は、抗がん剤開発経験が豊富な少人数の専門家集団であり、研究開発のマネジメント機能に特化しております。当社は、研究所や製造施設を保有せず、研究開発受託企業及び製造受託企業を積極的に活用し、効率的な研究開発体制を構築しております。

 

(2)開発品の状況

 開発品に関する詳細は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載していますのでご参照ください。

 

 当事業年度における当社の研究開発費の総額は376百万円となりました。

 研究開発費の主な内容は、開発品の臨床試験費用及び前臨床試験費用に関わる外部委託費であります。

 当事業年度は、DFP-10917の米国での臨床第Ⅲ相比較試験の開始準備及びDFP-14323の日本国内での臨床第Ⅱ相試験を進めました。また、DFP-11207については、米国での臨床第Ⅰ相試験に引き続いて実施した食事の影響試験を終了し、次いで臨床第Ⅱ相試験の準備を進めました。DFP-14927については米国で臨床第Ⅰ相試験を開始しました。DFP-17729及びDFP-10825については、臨床試験の開始に向けた準備を行っています。