第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「シアワセを、自分から。」という企業理念の下、当社グループの直営店事業部門、プロデュース事業部門のお客様はもとより、当社グループの従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関等、ステークホルダーの皆様にシアワセを届けてまいります。当社グループでは「元気と笑顔と〇〇で、シアワセを届ける。」というミッションを従業員に与え、それぞれの立場、役割に応じて「〇〇」での部分を自ら考え、シアワセを届ける行動を促しております。

 当社グループでは、直営店事業部門において、いつも美味いと言っていただける味の追求は勿論のこと、ご来店いただいたお客様に対して、エンターテイメント性や笑顔が溢れる店舗空間において、きめ細やかな気遣いを感じていただけるサービスを提供しております。また、プロデュース事業部門においては、当社グループに蓄積された繁盛店ノウハウをプロデュース店に惜しみなく注ぎ、常に美味しいラーメンが提供される地域で愛される店舗づくりに貢献しております。

 当社グループにおける、このような取り組みを通して一人でも多くのお客様に数多く足を運んでいただき、お客様に満足していただくことで、当社グループとしての事業の拡大を図り、企業価値の向上につなげてまいりたいと考えております。

 

(2)経営環境

公益財団法人「食の安心・安全財団」から2020年8月版として公表されている「令和元年外食産業市場規模推計について」によると、外食産業の2019年における市場規模は26兆439億円と推計され前年に比べ1.3%増加しており、その増加理由として一人あたり外食支出の増加、訪日外国人の増加、消費増税などが挙げられております。2020年に入ると、一転して、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により景気の先行きは、不透明な状況となっており、消費者の外食自粛や各都道府県からの営業自粛要請等、予断を許さない状況が続いております。外食産業ではここ数年、最重要経営課題は人手不足解消でありましたが、一転、新型コロナウイルス感染症に対する政府、自治体からの営業自粛要請を受け、営業活動に壊滅的打撃を受け、既存従業員の雇用継続が厳しい状況に至っております。特に夜間時間帯を主力営業時間とし、長時間滞在を前提とするような高級飲食業態、居酒屋業態等においては、緊急事態宣言下は勿論のこと、解除後においても甚大な影響を受けております。

なお、2021年1月に11都府県に緊急事態宣言が発出され、それに伴い、各自治体から営業時間短縮要請及び要請に対する補償が発表されております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2025年10月期に国内1,000店舗体制を達成するべく2023年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、以下の施策を重要施策として認識し、更なる企業価値向上を目指してまいります。

 

① 既存店(※)売上の維持向上

 外食産業は、個人消費の動向に影響を受けやすく、また参入が比較的に容易であることから、企業間競争は激化する傾向にあります。その中で当社グループは、地域密着型の展開を進め、地元のお客様に長く愛され、記憶に残る商品を提供し続けていくことが繁盛店維持の鍵であると考えております。主力の横浜家系ラーメンは、品質の高い自家製麺の供給体制を維持しつつ、絶え間ないタレ、スープの味の見直し、及び店舗オペレーションの改善を徹底することにより、他社と差別化することで収益を確保してまいります。今後も味は勿論のこと、エンターテイメント性に富んだ空間をお客様に提供できるよう社員教育を徹底し、お客様満足度を高めていくことにより、既存店昨年対比売上高の維持向上を行えるようにマネジメントしてまいります。これらにより、当社グループが目標として掲げる売上高成長率、売上高経常利益率を達成してまいります。

※ 既存店は、開店から16ヶ月以上経過した店舗と定義しております。

 

② 新規出店の継続、出店エリアの拡大

 当社グループは、主として横浜家系ラーメン業態にて日本各地に出店を続けてまいりました。今後は新たな収益機会獲得を一層進めるべく、出店成功確度が高く、またラーメン消費量の高い東日本をターゲットとし、主力業態の横浜家系ラーメン業態に加えて豚山業態も出店してまいります。また、国内のラーメン市場がここ数年微増にとどまっていることから、事業拡大には海外進出は不可欠と考えております。新たな収益機会の獲得およびラーメン文化の海外への展開のため、事業パートナーの模索および既設のロサンゼルス店、ニューヨーク1号店、2号店の収益化を図ってまいります。これらにより、当社グループが目標として掲げる売上高成長率、店舗数目標を達成してまいります。

③ プロデュース店の維持および拡大

 当社グループは、当社グループ直営店と同様の味やサービスをお客様に提供できるビジネスモデルとしてプロデュース事業部門を展開しております。当社グループの直営店事業部門にて展開する横浜家系ラーメン業態をプロデュースして欲しいというオーナー様のニーズを受け、今後も積極的に横浜家系ラーメン業態をプロデュースするとともに、それ以外のラーメン業態のプロデュースニーズにも対応してまいります。プロデュースされた店舗は当社グループから麺、タレ、スープ、その他食材の安定供給を受け、店舗展開を図っております。当社グループは、全国に多くの出店余地を残す横浜家系ラーメン業態を中心に今後も積極的にプロデュース事業部門を拡大してまいります。これらにより、当社グループが目標として掲げる売上高成長率、売上高経常利益率、さらには店舗数目標を達成してまいります。

 

④ 内製化比率改善による採算性改善

 当社グループのPB商品は、タレ、スープに関しては大手食品メーカーに生産委託するものの、麺、餃子、チャーシュー等については一部を外部委託しておりますが、大半については自社工場(平塚、横浜第一、横浜第二、那須、丹波篠山の5工場)にて供給できる体制を有しております。2019年8月に傘下に収めた株式会社ケイアイケイフーズ那須工場にて餃子の生産を行っており、また、2020年10月期に新設した横浜第二工場にてチャーシューの生産を行う等、食材供給量の拡大を図っております。当社グループでは、今後も店舗にて提供する商品の内製化を図り、一層のコストダウン(採算性改善)を実現できると考えております。中期的には災害リスク等を念頭に置き、麺の生産拠点を分散しつつ、多角的見地から生産体制を検討してまいりたいと考えております。これらにより、当社グループが目標として掲げる売上高経常利益率を達成してまいります。

 

⑤ 衛生・品質管理の強化、徹底

 外食産業においては、食中毒事故や異物混入事故の発生、偽装表示の問題等により、食品の安全性担保に対する社会的な要請が強くなっております。当社グループの直営店舗では、衛生管理マニュアルに基づく衛生・品質管理を徹底するとともに、定期的に商品開発部門、内部監査部門による店舗および工場に対するチェックを実施しております。さらに、新型コロナウィルス感染症対策として、従業員の手洗い・アルコール消毒の徹底、店内換気の推奨等はもちろんのこと、客席間にビニールシートやアクリル板を設置することで、極力飛沫の拡散を防止する取り組みを実施しております。また、外部機関による店舗調査、衛生検査等を行っており、今後も法令改正等に対応しながら衛生・品質管理体制のさらなる強化を図ってまいります。これらにより、ひとたび発生すると会社経営に大打撃を与えかねない各種事故を回避する体制を構築し、当社グループが目標として掲げる売上高成長率、売上高経常利益率を達成してまいります。

 

⑥ 人材の確保、社員教育の徹底

 2019年10月期以前の人材採用環境は、バブル期並み水準まで有効求人倍率が高まる等、求職者側に有利な状況にあり、求人側の企業は、適正人員確保に苦戦を強いられておりましたが、外食産業全体で既存従業員の雇用継続が厳しい状況に至っていることもあり、人材採用環境は改善しております。こうした状況下、当社グループでは当社ビジネスモデルの優位性、事業成長性、海外展開等のアピールポイントをしっかりと訴求して正社員の適正数確保を図るとともに、パート・アルバイトの戦力化を図るべく経営理念の共有、OJT教育を徹底的に実施し、人材の戦力化と離職率ダウンを図ることで事業拡大の体制を維持してまいります。これらにより、当社グループが目標として掲げる売上高成長率、店舗数目標を達成してまいります。

 

⑦ 業態ミックス最適化による出店加速

 当社グループは、みそラーメン業態の株式会社ラーメン天華をM&Aにより傘下に収めたことに伴い、既存業態の釜焚きとんこつラーメン、ラーメン四天王、自社開発した新規業態「豚山」に続き、さらに、本年度は「長岡食堂」を加え、主力の横浜家系ラーメンを合わせると数多くの業態を有することとなりました。

 今後は、直営店およびプロデュース店の出店調整、出店エリアにおける同業他社との競合戦略、出店地域の顧客特性分析等、あらゆる角度から出店戦略を総合的に立案し、当社グループの有するラーメン業態の中から最適業態を選択することにより出店の成功確率を保ちつつ出店を加速してまいります。また、引き続き絶え間ない業態開発、商品開発を続け、お客様に支持される新たな業態、商品を提供してまいります。これにより、当社が目標として掲げる売上高成長率、店舗数目標を達成してまいります。

 

 

⑧ 新型コロナウイルス感染症への対応

 当社グループは、当連結会計年度において人類にパンデミックの脅威をもたらした新型コロナウイルス感染症に慎重かつ機動的に対応してまいりました。特に初動対応においては、感染拡大の予測も致死率も何も知りえない未知の状況下、感染予防対策を綿密に立案しつつも、政府、自治体からの営業時間の自粛要請等を踏まえながら、雇用確保の前提となる売上確保を目指し、時間帯売上高を店舗別にきめ細かく管理する等、手探り状態の中でのベストエフォートを尽くしてまいりました。

 今後は、万全な感染予防対策を講じつつ、飲食業界に課せられる政府、自治体からの各種要請事項を踏まえながら引き続き従業員の安全と雇用確保の両立を図るべく、新規出店のペースを緩めることなく、事業拡大を図ってまいります。これらにより、当社グループが目標として掲げる売上高成長率、売上高経常利益率、さらには店舗数目標を達成してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上述の環境の下で当社グループは、いわゆる「ハレ消費」を前提とする飲食事業モデルではなく、店内滞在時間も短いという特性を有するラーメン業態であることから、日常食という強みを生かし、店内における各種感染症対策をしっかり講じ、直営店事業、プロデュース事業のいずれにおいても休業に追い込まれることは殆どない中で事業展開を図ってまいりました。特にお客様が当社グループ店舗に直接足を運んでいただく機会が減る状況下、テイクアウト体制を速やかに構築するとともに、先行して昨年より準備を進めてきた宅配(フードデリバリー)サービスの本格展開につき満を持して開始すること及びECサイトの開設により、店舗売上を下支えしてまいりました。

当期においても、国内直営店事業部門の新規出店を減速させることなく積極的に取り組み、プロデュース店の店舗数も増加させることにより、売上拡大を図ってまいりました。さらには採算面において製麺2工場(平塚工場、横浜第一工場)、チャーシュー工場(横浜第二工場)、餃子工場(那須工場)を含めた食材コストの削減、物流機能の一部集約によるコストダウン等、当社グループの経営課題に前向きに取り組んでまいりました。

外食産業を取り巻く環境は、人口減少社会と言われるわが国において、他産業との採用競争激化による適正人員数の採用難、食の安全性に対する消費者意識の高まり、低価格競争の激化等により、今後も厳しい状況が継続するものと想定されます。こうした状況を踏まえて当社グループでは、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、以下の課題について重点的に取り組んでまいります。

 

① 商品の改善

店舗内での仕込作業及び包丁作業を軽減するために、チャーシューの工場生産化、店舗内仕込みの食材のPB化を推進いたします。さらに、出品数の分析によるメニューの選択と集中及び調理工程の共通化を図ることにより、お客様にラーメンを提供する時間を短縮するように推進いたします。

 

② オペレーションの改善

お客様に安定した品質のラーメンを迅速に提供するために、オペレーションを改善いたします。さらに、営業

時間外の開店準備ならびに閉店作業時間を短縮することによりコスト削減を図ります。

 

③ 製造・物流の改善

お客様に届く食材の品質を向上させるために、工場の休業日を減らし食材のリードタイムを短くすることを推進いたします。物流センターをさらに稼働させ、各店舗に食材を一括納品することで、店舗での在庫管理を効率・短縮化させることを推進いたします。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2025年10月期に国内1,000店舗体制を達成するべく2023年10月期を最終年度とした中期経営計画を策定し、事業拡大ならびに企業価値向上を目指し、売上高成長率、売上高経常利益率等を重要な経営指標と位置づけております。

・売上高成長率    25%増以上

・売上高経常利益率   10%以上 (2021年10月期は7%以上)

当社グループでは、これまでの成長性、収益性の高いビジネスモデルが継続できるよう注力してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

事業等のリスク

発生要因

経営方針、経営戦略との関連性、及び程度

当該リスクの重要性

顕在化する可能性の程度

顕在化した場合の影響の内容

当該リスクへの対応策

(1)①

市場環境の変化、競争激化

外食機会の減少、食の安全性、健康志向、消費低迷、低価格競争、他市場の成長

売上高成長率
経常利益率

程度:中



局所的には常に発生(潜在化)

PL、BSへの影響:中

商品戦略、立地戦略に影響

既存事業の浸透化、新商品開発

(1)②

原材料等の価格変動

小麦相場、生産地の気候、需要の拡大、為替相場

経常利益率

程度:高

PL、BSへの影響:中

仕入戦略、商品戦略に影響

既存事業の浸透化、同一事業の多店舗化

(1)③

大規模自然災害の発生

地震、台風、豪雨などの自然災害

売上高成長率
経常利益率

程度:高

PL、BSへの影響:高

立地戦略に影響

BCPの策定

(1)④

パンデミックの発生

感染者発生、営業自粛

売上高成長率
経常利益率

程度:高

PL、BSへの影響:高

販売戦略、立地戦略に影響

感染症対策、きめ細かい販売管理

(2)①

人材採用ならびに人材育成難

採用環境の変化、成長度合

売上高成長率

程度:中

PL、BSへの影響:中

販売戦略、人事戦略に影響

知名度向上、採用手法の多様化、教育・実習の充実化

(2)②

商標の模倣

類似商標の利用

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略、立地戦略に影響

商標管理の徹底

(2)③

直営店の多店舗展開を事業拡大の前提としていること

好立地探索時間の増、出店契約成立率の減

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略、立地戦略に影響

立地戦略の機動的見直し

(2)④

プロデュース店の店舗展開

運営企業の業績悪化

売上高成長率
経常利益率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略、立地戦略に影響

プロデュース店への経営指導

(2)⑤

海外展開

政治情勢、経済情勢

売上高成長率
経常利益率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略、立地戦略に影響

海外戦略の機動的見直し

(2)⑥

短時間労働者に対する社会保険コストの拡大

事業拡大

経常利益率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略、人事戦略に影響

労務管理の徹底

 

事業等のリスク

発生要因

経営方針、経営戦略との関連性、及び程度

当該リスクの重要性

顕在化する可能性の程度

顕在化した場合の影響の内容

当該リスクへの対応策

(3)①

食品の安全管理

安全管理・衛生管理の不徹底、法的規制の強化

経常利益率

程度:中

PL、BSへの影響:中

販売戦略に影響

安全管理・衛生管理の徹底、コンプライアンスの徹底

(3)②

他社類似商号との誤認

他家系ラーメン店舗における安全、衛生事故

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略に影響

広報・IR、アカウンタビリティの徹底

(3)③

店舗における酒類提供

未成年顧客による飲酒、顧客の飲酒運転

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略に影響

店舗における酒類提供マニュアルの徹底

(3)④

労務関連

法的規制の強化、労働環境の変化

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略に影響

労務管理の徹底

(3)⑤

個人情報の管理

個人情報の漏洩、不正使用

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略に影響

個人情報管理の徹底

(4)①

直営店舗の賃借

賃貸人の財政悪化

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

立地戦略、財務戦略に影響

賃貸人与信管理の徹底

(4)②

普通建物賃貸借契約の店舗からの立退き

区画整理、建物老朽化

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

立地戦略に影響

都市開発事業等の自治体事業情報を的確に収集

(4)③

特定の人物への依存

後継人財育成の遅れ、社長の退任

売上高成長率
経常利益率

程度:中

PL、BSへの影響:低

経営戦略全般に影響

ガバナンスコードに準拠した後継者育成

(4)④

固定資産にかかる減損会計の適用

想定CFの未創出

売上高成長率

程度:中

PL、BSへの影響:中

販売戦略、立地戦略に影響

立地戦略の徹底

(5)①

IT(情報システム)への依存

不正アクセス、プログラムの不具合

売上高成長率
経常利益率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略に影響

IT戦略の機動的な見直し

(5)②

インターネット等による風評被害

SNSでのデマ拡散

売上高成長率

程度:低

PL、BSへの影響:低

販売戦略に影響

SNSパトロールの徹底

 

(1)事業環境について

① 市場環境及び競合について

 外食産業を取り巻く環境は、人口減少社会と言われるわが国において、生活費節約意識の高まりによる外食機会の減少、食の安全性に対する消費者意識の高まり、低価格競争の激化等により、今後も厳しい状況が継続するものと想定されます。加えて当社グループの提供するようなラーメンがダイエット、健康とは対極をなすような報道等も一部に見受けられることから、弁当・惣菜等の中食市場の成長、価格競争の激化等も手伝い、厳しい市場環境となっております。外食業界は、他業界と比較すると参入障壁が低いため新規参入が多く、個人消費の低迷の中、価格競争などにより、今後も競争環境は続いていくものと考えます。

 このような状況の下で、当社グループは店舗のコンセプトを明確にし、競合他社との差別化を図っておりますが、今後、競合状態がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 原材料の価格変動等によるリスクについて

 当社グループが提供する製品の原材料である小麦粉は厳選された海外産を国内輸入業者の十分な品質検査を経て仕入れておりますが、その価格は商品相場、気候、生産地域の異常気象による収穫量の減少、消費量の急激な増加による需要の拡大等に加え、為替相場の影響を受けて変動します。

 これらの原材料の価格高騰が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 大規模自然災害の発生について

当社グループは、日本国内各地に直営店舗と製麺並びに食材供給のための工場を多数有しております。ここ数年、国内においては、2011年3月に起こった東日本大震災を筆頭に地震、台風、豪雨等の大規模な自然災害が発生しており、今後も自然災害の規模によっては、店舗の一時休業、製麺・食材の供給遅れ等の事態を招くことが想定されます。当社グループでは、こうした災害の発生しやすい自然環境を前提としてBCPを策定し、店舗や工場等に、不測事態における避難場所や緊急連絡方法等を明記した危機管理マニュアルを配付し、万全を期しております。しかしながら、自然災害の規模が想定以上となった場合においては、店舗や工場等のスタッフの人命にかかわる状況を招いたり、停電や風水害等により工場が機能休止に至るおそれがあります。このように想定以上の大規模自然災害が発生した場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ パンデミックの発生について

今般発生した新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は、多くの人命を奪い、世界経済に大きな打撃を与えることが確認されております。日本においては、政府、各自治体から営業時間短縮を始めとする営業自粛要請が発せられたことに伴い、当社事業においても少なからず影響を受けることとなりました。但し、当社グループの提供する飲食事業は、日常食であるラーメンに特化して展開しており、お祝いや記念等において利用される「ハレ消費」の飲食事業モデルとは一線を画すことから、一定程度の影響に留まることも確認できました。今後、今回のパンデミックと同等以上の事態に至った場合においても営業時間調整、一定の各種感染症対策等を講じることで完全休業には至らない状況で営業活動を送ることができるものと考えます。しかしながら、今回以上のパンデミックが発生した場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に今回以上の影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業展開及び提供サービスに関するリスクについて

① 人材採用・人材育成について

 当社グループが直営店舗による店舗展開を続けていくためには、必要な人材の確保及び十分な育成が不可欠であります。人材採用に当たっては、知名度の向上や採用手法の多様化に取り組むことで、新卒社員、中途社員の確保に努めております。人材育成については採用後一定期間の教育及び実習などを含め、店舗運営に必要な知識・技能が身につけられるようカリキュラムを組んでおります。さらに、店舗管理者の育成も重要であり、店舗内におけるOJTを通じて店長候補者を育成し、店長試験を経て各店舗に店長を配置しております。

 しかし、人材採用環境の変化等により必要な人材が確保できない場合や、採用した人材の教育が店舗運営に必要なレベルに到達せず、店長候補者が育成できない場合は、直営店の出店が計画どおりにできないこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

② 商標の模倣について

 当社グループは、展開するビジネスモデルの収益性、リスク、コスト等を総合勘案し、商標登録の効果測定を適宜実施した上で必要に応じて商標登録、維持管理することで当社グループのブランド価値を担保しております。当社グループは、法律家、専門家の意見を十分に聞きながら当該戦略を展開しておりますが、仮に第三者が類似した商標等を使用する等、当社グループのブランドの価値が毀損される事態に至った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 直営店の多店舗展開(新規出店)を事業拡大の前提としていることについて

 当社グループは、国内及び海外における直営店舗の事業拡大を、売上及び利益の増加の前提として置いております。直営店においては、ご来店いただいた客数と客単価の乗数によって店舗売上高が決まる事業構造であることから、事業を拡大していくには来店客数を増やす必要があり、その最も有効な手段が新規店舗の出店であり、当社の事業成長の前提であると認識しております。当社グループは、新規出店地域の探索にあたり、立地特性にかかる各種マーケティングデータを総合勘案して決定していることから、新規出店の業績寄与を一定の精度にて見込むことができております。しかしながら、新規出店店舗の探索に想定外の時間を要するような事態に陥った場合、出店希望物件に対する契約成約率が想定以上に下回った場合、ならびに出店後計画通りの収益が確保できない状況が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ プロデュース店の店舗展開について

 当社グループは直営店の店舗展開のほか、プロデュース店の店舗展開の拡大を推進しております。当社グループはプロデュース店が麺、タレ、スープ、食材などを当社グループより継続購入することを条件に、プロデュース店に無償または有償にて店舗運営ノウハウを提供します。

 外食産業全般の市場縮小やプロデュース店運営企業の業績悪化により、プロデュース店の店舗数が減少した場合には、売上高が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 海外展開について

 当社グループの事業は2014年10月期まで国内を中心に展開してまいりましたが、2015年にシンガポール、2016年に米国にそれぞれ法人を設立し、2016年7月にシンガポール店、2016年12月にロサンゼルス店、2017年5月にニューヨーク店をオープンしております。

 当社グループでは、今後も国内市場とのバランスを見ながら、慎重に海外展開を行っていく予定でありますが、それぞれの国や地域における政治・経済情勢等の影響により、店舗の営業が継続困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 短時間労働者に対する社会保険コストの拡大について

 当社グループは、逼迫した雇用環境の下、適正人員を確保しながら事業拡大(出店増)を図っております。直営店の各店舗では、店舗規模、配属人員のスキルに応じた適正人員数を割り出し、適正人員配置を行っておりますが、短時間労働者(アルバイト、パート労働者等)をいかに効率よく、且つお客様満足度を損なわない形で配置するかが今後も労務管理上の重要課題と認識しております。

 また、中長期的には事業の拡大に伴い、従業員の増加は不可避であることから特定適用事業所(※)に該当することが想定され、その場合、それまで社会保険の加入要件に当てはまらなかった短時間労働者が社会保険加入対象者となることから、社会保険コストが増加することとなります。今後、社会保険加入要件の更なる拡大や加入要件を満たす短時間労働者の想定以上の増加が見られた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

※ 特定適用事業所とは、厚生年金保険の被保険者数501人以上の企業に属する事業所のことを指します。

 

(3)法的規制及び知的財産等に関するリスクについて

① 食品の安全管理について

 当社グループは、「食品衛生法」に基づき、所管保健所から飲食店営業許可を取得し、すべての店舗に食品衛生管理者を配置しております。また、各店舗では、店舗運営マニュアルに基づき衛生や品質に対する管理を徹底するとともに、外部機関による衛生検査等を実施しております。しかしながら、万が一、食中毒などの事故が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループの直営店は、「食品衛生法」の規定に基づき、監督官庁からの飲食店営業許可が必要であるのに加え、環境保護に関して、「食品リサイクル法」等、各種環境保全に関する法令の制限を受けております。これらの法的規制が強化された場合には、設備投資等の新たな費用が発生・増加すること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 他社類似商号との誤認について

 当社グループは、「横浜家系ラーメン町田商店」を商標登録しておりますが、「横浜家系ラーメン」という名称は、一般用語であり、当該文字自体を商標として登録することはできません。こうした中、当社グループと資本関係、取引関係のいずれも有さない他社が「横浜家系ラーメン」の店舗を運営しているケースは多々あり、その店舗が当社グループの店舗と誤認するような類似商号を付して展開しているケースも数多く散見されることから、当社グループ店舗と誤認される虞もあります。当社グループでは、自社店舗での営業について責任をもって行っておりますが、類似商号を付す他社店舗で食中毒、異物混入といった重大事故が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 店舗における酒類提供について

 当社グループの店舗は、「未成年者飲酒禁止法」「道路交通法」等による規制を受けております。当社グループではアルコールの注文をされたお客様に、自動車等の運転がないか、また、未成年の可能性がある場合には未成年でないか確認を行うことにより、十分に注意喚起を行っております。

 しかしながら、未成年者の飲酒及びお客様の飲酒運転に伴う交通事故等により、当社グループ及び従業員が法令違反等による罪に問われ、あるいは店舗の営業が制限された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 労務関連について

 当社グループでは店舗・工場で多くのパート・アルバイト等、多くの有期契約社員が業務に従事しております。2013年「労働契約法」の改正により、一定の有期契約社員に無期雇用社員への変更を請求できる権利が付与され、有期契約社員と無期契約社員の労働条件の不合理差別的取扱いが禁止されたほか、2016年10月からは短時間労働者に対する厚生年金及び健康保険の適用が拡大されるなど、有期契約社員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こりつつあります。

 こうした労働関連法規制への対応や労働環境の変化により、優秀な人材を雇用できなくなる可能性や店舗での人件費が上昇する可能性があります。また、労働関連法規制の違反が発生した場合は、規制当局から業務改善命令が命じられること又は従業員からの請求を受けること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報の管理について

 当社グループは、「個人情報の保護に関する法律」に基づく個人情報取扱事業者として従業員及びお客様の個人情報を保有しております。社内では当該情報管理方法をより細かく記載した「個人情報管理規程」に則り管理の徹底を図っておりますが、万が一、個人情報の漏えいや不正使用等の事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償請求の提起等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)事業運営体制に関するリスクについて

① 直営店舗の賃借について

 当社グループは、直営店舗の出店については賃借を前提としており、状況に応じて賃貸人に対し保証金等を差し入れております。新規出店に際しては、賃貸人の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金等の一部又は全部が回収不能に陥ることや、賃借物件の継続的使用が困難となることも考えられます。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 普通建物賃貸借契約の店舗からの立退きについて

 当社グループは、直営店舗の賃貸借にあたり普通建物賃貸借契約、定期建物賃貸借契約等を締結しております。定期建物賃貸借契約が予め定めた満了期限の到来とともに賃貸借契約が終了となるのに対して、普通建物賃貸借契約では正当な事由がない限り、貸主からの解約申入れや更新拒絶がなされないことが法令で定められております。しかしながら、賃借店舗のある地域が土地区画整理事業等の対象地域に指定された場合、建物自体が老朽化して建て直しが必要になった場合等においては、正当な事由と認定されることがあります。当社グループでは、普通建物賃貸借契約の締結にあたっては、こうした事情が発生しないかどうかをきめ細かく確認して契約を締結しておりますが、想定外の正当な事由により立退きを余儀なくされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 特定の人物への依存について

 当社グループの経営は、創業者であり、代表取締役社長である田川翔に依存する部分が相当程度存在しております。特に経営方針、経営戦略といった経営の根幹にかかる部分、当社グループの事業成長の前提となる商品や出店等の開発力にかかる部分について依存しております。当社グループでは、組織体制を整備し、同氏に依存しない体制を構築すべく、重要組織分掌の果たすことのできる人材を外部から招聘、内部での人材育成を積極的に進めることにより依存脱却を進めております。しかしながら、適正な人材の一定数確保がなされない場合、育成が遅れた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 固定資産にかかる減損会計の適用について

 当社グループは、キャッシュ・フローの認識を最小の組織単位である店舗毎に行っております。投資した固定資産については、当該組織単位で生み出されるキャッシュ・フローで回収することとし、回収の可能性に疑義が生じた場合、減損損失を認識することとしております。当社グループは、出店にあたっては十分な検討を踏まえて店舗選定を行い、適正賃料にて店舗賃貸借契約を行い、全ての店舗においてキャッシュ・フローが適正に創出されることを前提としておりますが、想定どおりキャッシュ・フローが創出できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他のリスクについて

① IT(情報システム)への依存について

 当社グループは、受発注業務、原材料仕入、店舗運営等を情報システムに依存しております。安定的なシステム運営を行うために、セキュリティ機能の強化、社内体制の整備等を行っておりますが、プログラムの不具合や不正アクセス等により大規模なシステム障害が発生した場合、店舗運営が滞ることや対応費用が発生すること等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② インターネット等による風評被害について

 ソーシャルネットワークが社会的な拡がりを見せる中、当社グループでは、インターネット上の当社グループに関する書き込みを広範にチェック、確認する体制を構築しており、当該書き込みが当社グループのレピュテーションリスクに繋がらないかどうかを常にモニタリングしております。しかし、当社グループの店舗に来店されたお客様、当社グループと取引関係にある企業の方々、または全くの第三者等がインターネット上に書き込んだ記事内容や、それを起因したマスコミ報道等により風評被害が発生、拡散した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

①  繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。

収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、店舗売上高の昨対比などの仮定を用いております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

②  減損会計における将来キャッシュ・フロー

減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、店舗売上高の昨対比などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率の仮定をおいて見積っております。

当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※5 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失173,104千円を計上いたしました。将来キャッシュ・フローがマイナスのため、回収可能価額を零としております。

当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。

 

(2)経営成績

① 事業全体の状況

当社グループは、いわゆる「ハレ消費」を前提とする飲食事業モデルではなく、店内滞在時間も短いという特性を有するラーメン業態であることから、「日常食」という強みを生かし、店内における各種感染症対策をしっかり講じ、直営店事業、プロデュース事業のいずれにおいても休業に追い込まれることは殆どない中で事業展開を図ってまいりました。特にお客様が当社グループ店舗に直接足を運んでいただく機会が減る状況下、お客様の持ち帰りニーズにお応えするべく、テイクアウト体制を速やかに構築するとともに、先行して昨年より準備を進めてきた宅配(フードデリバリー)サービスの本格展開につき満を持して開始することにより、店舗売上を下支えしてまいりました。当連結会計年度においても、国内の直営店事業部門における新規出店を減速させることなく積極的に取り組み、プロデュース店の店舗数も増加させることにより、売上拡大を図ってまいりました。さらに採算面において既存の製麺2工場(平塚工場、横浜第一工場)、餃子工場(那須工場)、チャーシュー工場(横浜第二工場)を含めた食材コストの削減、物流機能の一部集約によるコストダウン等、当社グループの経営課題に前向きに取り組んでまいりました。また、BCPの観点から当社直営店、プロデュース店に対して中華麺の安定供給が図れる体制構築を目指し、兵庫県丹波篠山市に関西地区として初めての製麺工場(丹波篠山工場)を設置いたしました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、下記のとおりとなりました。

 

(売上高)

 当社グループの売上高は10,982,335千円(前年同期比21.3%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下、既存店売上高に甚大な影響があった一方、国内直営店事業部門においてペースを落とすことなく新規出店を実施したことによるものです。

(営業利益)

 当社グループの営業利益は461,265千円(前年同期比54.2%減)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下、一部既存店の売上高が損益分岐点を下回ったことによるものです。

(経常利益)

 当社グループの経常利益は512,017千円(前年同期比50.0%減)となりました。これは主に、借入金が1,244,296千円増加したものの支払利息の増加は1,015千円に抑えられた一方、営業利益が減少したことによるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は112,660千円(前年同期比78.5%減)となりました。これは主に、営業利益が減少したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響を日本以上に大きく受ける米国の状況を勘案し米国店舗の将来キャッシュフローを保守的に見積もった結果、減損損失を計上したことによるものです。

 

 また、当連結会計年度の目標とする経営指標は、下記のとおりとなりました。

〈売上高成長率〉

当社グループの売上高成長率は21.3%増(2020年10月期目標25.0%増以上)となりました。これは主に、新規出店で売上高が増加した一方、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下、既存店売上高に甚大な影響があったことによるものです。

〈売上高経常利益率〉

売上高経常利益率は4.7%(2020年10月期目標10%以上)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下、一部既存店の売上高が損益分岐点を下回ったことによるものです。

 

② 事業部門別の状況

(直営店事業部門)

国内直営店事業部門においては、当連結会計年度を通じて積極的な出店を続け、当連結会計年度に直営店30店舗の新規出店、3店舗の退店により27店舗純増(3店舗の業務委託化)いたしました。直営店の主たる新規出店は、横浜家系ラーメン業態にて関東地区に9店舗、中部地区に5店舗、東北地区に5店舗、豚山業態では8店舗と成長余力の高いマーケット、業態に特化して進めてまいりました。関東地区では、依然として強い需要を有する神奈川県の藤沢市に「町田商店藤沢湘南台店」、鎌倉市に「町田商店由比ヶ浜店」をそれぞれ初めてオープンさせました。また、東京都内にも「町田商店三鷹店」「町田商店練馬土支田店」「町田商店保木間店」の3店舗のロードサイド店舗、さらに首都圏駅前店舗として「志木商店」「町田商店経堂店」をオープンさせました。東北地区では、これまでロードサイド出店だけでしたが、初めて駅前店舗として「町田商店広瀬通店」をオープンすることができました。また出店余地が高いと判断している中部地区では、岐阜県に初めての「町田商店大垣店」をオープンさせることとなりました。さらにお客様より非常に高いご評価をいただいている「豚山(豚骨ベースの醤油スープに、にんにく、野菜、背脂などをお好みで調整し、チャーシューをダイナミックに載せる、がっつり系のラーメン店)」を当連結会計年度においても関東に7店舗出店するとともに、関西初の豚山業態として、「豚山南船場店」をオープンさせることができました。

また、前連結会計年度に当社グループの事業成長の鍵を握る商品開発力の底上げを目論み、組織的整備を図りながら商品開発拠点としての機能を備えることとなった「ヌードルズファクトリー」にて新メニュー、新業態のためのマーケティング、試作等を進めてまいりました。そうした中、当連結会計年度においては、さらに開発機能を一層高め、テスト販売を一定期間にわたって実施できる新業態を開発するに至りました。新業態は「長岡食堂」という店舗名称にて新潟県長岡市のご当地ラーメンとして親しまれている生姜醤油ラーメンを提供する業態として立上げられました。これまで当社グループが得意としてきた横浜家系ラーメン、がっつり系ラーメン(豚山)のような濃厚系ラーメンとは一線を画する淡麗で味わい深いラーメンを提供する業態となり、お客様の層も中高年、女性をターゲットにすることが叶い、当社グループの今後の展開に一定の可能性を感じさせるものとなっております。

一方、新型コロナウイルス感染症の拡大は、国内直営店事業に多大な影響を及ぼし、来客数の減少を招くこととなっておりますが、テイクアウトニーズへの対応、宅配ニーズの掘り起こしにより、従来の来店に伴う売上を下支えしてまいりました。テイクアウトで提供する商品は、本格ラーメンを自宅で食すことのできるニーズにお応えする形で包材、梱包方法等に工夫を凝らしたこともあり、SNS等で一定の評価を受けることとなりました。また、ヘビーユーザーの多い豚山業態を中心に昨年より準備を進めてきた宅配(フードデリバリー)サービスの本格展開を開始いたしました。宅配サービスにおいても高いクオリティーが維持されたことで潜在需要を掘り起こすことができ、豚山業態においては新型コロナウイルス感染症拡大下においても売上を減少させることなく、事業拡大を図ってまいりました。さらに営業時間短縮の煽りを受けつつも正社員、臨時社員の適正数確保を図るべく、全従業員を対象として当連結会計年度に休業手当を支給する等、雇用継続に努めました。

海外直営店事業部門においては、直営店の出店地域となる米国(ロサンゼルス、ニューヨーク)にて新型コロナウイルス感染症の影響を日本以上に大きく受けることとなりました。米国においては、E.A.K. RAMENという屋号の横浜家系ラーメン業態にてロサンゼルス1店舗、ニューヨーク2店舗を展開しており、当該地域では2020年2月~4月においては、法的拘束力を伴う営業自粛命令が発動されたことから、ローカルスタッフのレイオフ等、雇用調整を行わざるを得ない状況にて推移いたしました。3店舗とも通常収益を確保することは難しく、大幅な赤字を招くこととなりました。

以上の結果、当連結会計年度末の当社グループの店舗数は、直営店114店舗(国内111店舗、海外3店舗)、業務委託店8店舗、合計122店舗となりました。また、直営店事業部門の売上高は8,823,293千円となりました。

 (プロデュース事業部門)

国内プロデュース事業部門においては、既出店地域においてはこれまで通り、商圏における潜在需要試算に基づく出店ルールに従ってプロデュース店と直営店との間できめ細かく調整を行いながら、出店を進めてまいりました。また、未出店地域においては、当社グループとして直営店を出店させる予定のない地域については、新規オーナーの開拓を精力的に行ってまいりました。しかしながら、プロデュース店においても新型コロナウイルス感染症の拡大とともに休業、営業時間短縮といった状況に至り、来客数が減少する事態となったことから売上減少等、多大な影響を受けることとなりました。プロデュース店も直営店同様にテイクアウトニーズへの対応、宅配ニーズの掘り起こしに着手する等、販売促進活動を展開してまいりましたが、十分な業績挽回には繋がりませんでした。

一方、海外プロデュース事業部門においては既存オーナーの出店意思を確認しながら新規出店地域の検討を行い、新型コロナウイルス感染症の拡大の状況下においても新規出店を3店舗増店することができました。

以上の結果、当社グループがプロデュースする店舗数は、当連結会計年度に43店舗の純増となり、結果、国内400店舗、海外10店舗、合計410店舗となりました。また、プロデュース事業部門の売上高は2,159,041千円となりました。

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

飲食事業

953,767

64.1

合計

953,767

64.1

(注)1.当社グループの事業区分は、「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.金額は、製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

飲食事業

2,276,353

3.1

合計

2,276,353

3.1

(注)1.当社グループの事業区分は、「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.金額は、仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

事業部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

直営店事業部門

8,823,293

28.6

プロデュース事業部門

2,159,041

△1.4

合計

10,982,335

21.3

(注)1.当社グループは飲食事業の単一セグメントであるため事業部門別の販売実績を記載しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.直営店事業部門における当連結会計年度の地域別販売実績は、次のとおりであります。

地域

地域別売上高(千円)

国内

 

 関東

5,500,250

 東日本(関東以外)

1,536,196

 西日本

1,489,858

 国内合計

8,526,305

海外

296,988

合計

8,823,293

5.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上に該当する相手がないため、記載を省略しております。

 

(3)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,091,026千円増加し6,872,108千円となりました。これは主に、直営店の新規出店や製麺工場の新設などの設備投資により建物及び構築物などの有形固定資産が893,556千円、敷金及び保証金が90,568千円増加したこと等によるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,124,860千円増加し3,764,217千円となりました。これは主に、直営店の新規出店や工場の新設などの設備投資により借入金が1,244,296千円増加したこと等によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ33,834千円減少し3,107,890千円となり、自己資本比率は45.2%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益112,660千円の計上等により利益剰余金が増加した一方、配当の支払に伴い利益剰余金が148,452千円減少したこと等によるものであります。

 

(4)キャッシュ・フロー

① キャッシュ・フロー及び流動性の状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,791,976千円となり、前連結会計年度末に比べ83,878千円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は409,553千円(前年同期比61.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益324,833千円を計上し、減価償却費290,432千円、減損損失173,104千円等の非資金的費用があった一方、法人税等の支払額445,706千円があったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,564,173千円(前年同期は1,253,771千円の使用)となりました。これは主に、直営店の新規出店や製麺工場の新設に伴う有形固定資産の取得による支出1,348,902千円、敷金及び保証金の差入による支出156,734千円、及び、貸付けによる支出112,000千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は1,089,433千円(前年同期比239.9%増))となりました。これは主に、配当金の支払額147,585千円、長期借入金の返済による支出410,544千円があった一方、長期借入れによる収入1,372,000千円、短期借入金の純増額284,720千円があったことなどによります。

 

 なお、事業から創出したキャッシュは直営店の新規出店など収益性強化に向けた投資に充当しております。

 

② 資本政策の基本的な方針

 当社グループは、事業への資源配分及び株主還元について以下の通り考えております。事業への資源配分については、新規出店を主とした設備投資を継続的に実施してまいります。また、成長戦略に伴う当社グループの企業価値向上につながるM&Aも積極的に実施してまいります。また、株主還元については、株主への利益還元を経営の最重要課題と考えており、安定的かつ継続的な利益還元を基本スタンスとして配当性向に注視しながら実施してまいります。資金の源泉は事業から創出したキャッシュを中心としつつ、基本的に金融機関からの借入により資金調達をしてまいります。大規模な希薄化をもたらす資金調達については、ステークホルダーへの影響などを十分に考慮し、取締役会にて検討を行ったうえで、株主に対する説明責任を果たしてまいります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 特に記載すべき事項はありません。