第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「謙虚な心で皆様と共に進む」を社是とし、従業員・家族・お客様・株主様・お取引先様と共に進み、弊社にかかわる全ての方々が幸せになるための経営を行うことを経営方針としております。

 経営方針達成のため、当社は人材育成による社業の向上、利益還元を行い、皆様の満足度向上に努めます。

 

(2)経営戦略等

 当社は価格、サービス、品質で業界のリーディングカンパニーになるべく、以下の取り組みを強化してまいります。

・工場の無駄を徹底的に排除する。

・自動化を駆使し人員数の最小化を目指す。

・資材選定を徹底的に見直し、コストを最小限に抑える。

・よりユーザビリティの高い販売サイトを目指す。

・営業活動をより強化し、顧客のニーズをより早く常に把握する。

 

(3)目標とする経営指標

 当社は、目標とする経営指標として前期対比売上高成長率及び売上高経常利益率を掲げております。これらを重要な指標として認識し、業界のリーディングカンパニーになるべく更なるユーザビリティの強化と業務効率化に磨きをかけ、積極的業務提携と戦略的投資を行います。

 

(4)経営環境

 印刷業全般につきましては、景気の低迷やノートパソコン・スマートフォン等の普及による紙媒体の需要減により、個人・零細企業を筆頭に廃業・倒産が続いている傾向にあり、今後も生産量及び出荷額の減少傾向は続くとみられています。

 その一方、印刷通販は1990年代後半に登場した後、インターネットの普及と共に急速に市場が拡大していき、今後の成長見込みも伸び続ける予測が立てられています。

 印刷通販業界への参入企業は平成19年頃から爆発的な増加傾向が見られましたが、それに比例して価格競争も激しさを増し、近年は新規参入企業数は減少傾向にあります。今後もこの業界に新規参入する企業数は多く見込まれず、上位数社が市場規模の約3/4を独占する寡占市場と化していく予測が現実のものになりつつあります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後の当社を取り巻く経営環境につきましては、印刷業界においては、原材料価格の上昇、電子メディア普及による紙媒体需要の低迷や競争激化による受注単価のさらなる下落が見込まれ、引き続き厳しい状況が予想されます。このような状況下で、当社が対処すべき当面の課題は以下のとおりであります。

① 人材の育成と確保

 当社が将来にわたり事業を発展していくためには、多様な専門技術に精通した人材、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが重要な課題であります。そのため、総合的な研修制度の導入やキャリア支援制度の構築、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実、および自己啓発支援制度の充実等、社員のモチベーションを向上する仕組みを構築し、社員の定着と育成に努めています。また、福利厚生面では事業所、及び社員寮内等に社員食堂や託児所の設置を今後すすめていく予定です。

② 印刷品質の更なる向上

 当社は、平成24年7月に一般社団法人日本印刷産業機械工業会(JPMA)が認定する「Japan Color認証制度」による認証を取得しており(東京西工場、九州工場)、精度の高い印刷色を再現することで、品質の安定化を図るとともに、検品体制を強化し、万全の状態で製品をお届けできるよう品質の向上に努めてまいります。

③ 情報セキュリティ対策の強化

 当社は、インターネットを通じて顧客情報を取り扱うため、情報セキュリティ対策については当社の重要課題と位置付けております。そのため、個人情報保護対策としてプライバシーマークを取得し、情報セキュリティへの対応策としてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得いたしました。今後は、これらのシステムにおいて運用レベルの向上を図るとともに、内部統制についても引き続き強化してまいります。

④ 受注サイトユーザビリティの強化

 データ保管期間の延長、保管データの修正サービスといったデータ関連サービスの利便性向上に加え、5週間以内で印刷物を保管し、指定日時に納品を行う分納サービス等を行っております。今後についても、更なるサポート体制の充実および新サービスの展開を計画しております。

⑤ 印刷材料の購買力の向上

 平成29年10月期から平成30年10月期において、売上高に対する洋紙等の材料費の割合は、36.2%から35.2%で推移しております。

 今後、同業者間における価格競争力を強化するためには、売上高に対する材料費の比率を引き下げる必要があります。そのためには、当社購買部門における仕入管理の強化及び仕入業者間での適正な競争を促していく必要があります。

⑥ 環境、社会への配慮

 当社が持続的な成長を目指すうえで向上的な利益の確保も重要ですが、その一方環境や社会へ配慮することも求められており、対応をすすめております。例えば、オフセット印刷におけるインキのノンVOC化については他社に先駆け、平成28年10月期から100%ノンVOCインキ(注)を使用しております。

(注) ノンVOCインキ…構成成分中の高沸点石油系溶剤を植物油等に置き換えて1%未満に抑えたインキ

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断又は仮定に基づく予測であり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下に記載する事項は、当社の事業に関して将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

(1)インターネット印刷通販市場について

 国内の商業印刷市場は緩やかな縮小傾向にある一方、当社が事業を展開する国内のインターネット印刷通販市場は年々拡大しているものと考えられております。

 具体的には、国内の商業印刷の市場が、平成25年度2兆6,321億円、平成26年度2兆5,965億円、平成27年度2兆5,700億円、平成28年度2兆5,370億円、平成29年度2兆5,070億円(矢野経済研究所『印刷企業の徹底分析2016年度版』)となっており、国内のインターネット印刷通販市場は平成25年度543億円、平成26年度590億円、平成27年度645億円、平成28年度720億円、平成29年度810億円となる見込みであり、平成30年度には920億円に達すると予測(矢野経済研究所が発表した『2013年版印刷通販市場の展望と戦略』)されております。

 当社はインターネット印刷通販市場が今後も成長を続けると考えておりますが、国内の人口減少や景気の悪化等により、国内印刷市場またはインターネット印刷通販の市場が成長しなかった場合には当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)インターネット関連市場について

 当社の事業は、インターネットによる印刷物の通信販売のため、Webサイトを受注活動の基盤としており、インターネット関連市場の拡大が、事業展開の基本条件であると考えております。

 しかしながら、新たな法的規制の導入や技術革新の遅れ、利用料金の改訂を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合、システム関連の投資額や費用が想定を超えて増加した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、顧客の嗜好の変化により適切な商品が供給できなかった場合には、販売不振等により当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)システムトラブルについて

 当社の事業は、通信ネットワークやコンピュータシステムに依存していることから、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。しかしながら、自然災害、事故、停電、人的ミス、アクセス急増等によるシステムの不具合、または、当社受注サイトへの不正アクセス等予期せぬ事象の発生によって、当社設備または通信ネットワークに障害が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)競合企業との競合リスク

 現在、国内にはインターネット印刷通販の事業者が複数あり、競合企業とは、商品やサービス、価格に関して厳しい競争にさらされています。このため当社は、各種競争に対応すべく事業を推進しておりますが、新たな高付加価値サービスやさらなる低価格サービスの提供等が行われるなどにより、事業競争力が相対的に低下した場合、また、競合他社との価格競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)特定取引先への依存のリスク

 当社はラクスル株式会社との業務提携契約を締結しており、印刷及び配送業務を受託しているほか、印刷機1台の貸与を受け、印刷物を製造しております。同社への売上割合は、平成29年10月期において28.7%、平成30年10月期においては32.4%となっております。当社では、知名度の向上による新規会員の更なる獲得、プリントプロサービス開始による顧客層の拡大、ラクスル株式会社以外のパートナーの開拓等、ラクスル株式会社に対する依存度を下げる取組みを行っております。

 当事業年度末現在において、同社とは良好な関係を継続しておりますが、同社の経営方針変更又は何らかの事由により、同社からの受注が大幅に減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)材料価格の変動

 当社の事業にとって用紙等の印刷材料は不可欠な存在であり、当社の製品の材料費の大部分を印刷用紙代が占めています。用紙等の市況、供給量の変動により仕入価格が上昇し、当社の販売価格に転嫁できなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)配送コスト等の変動

 当社では、一部の商品を除き、商品価格に配送料が含まれておりますが、今後配送コストが上昇し、当社の販売価格に転嫁できなかった場合、想定以上の配送コストが発生する場合や大量の商品の発送依頼に発送業者が対応できない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)事業の季節変動

 当社の主力製品であるチラシ、パンフレット、フリーペーパーといった印刷物は、多くの企業や官公庁の年度末である3月に、その需要が集中する傾向があります。そのため当社の第2四半期以外の四半期は第2四半期に比べて売上が落ち込み、それに伴い利益も落ち込む傾向があります。

 

 

(9)有利子負債依存度について

 当社の印刷事業を行うためには多額の設備投資資金を要します。そのため設備投資に要する資金を自己資金及び金融機関からの借入金により調達しており、総資産の内有利子負債の占める比率(有利子負債依存度)は、平成30年10月期末で23.3%となっております。当社として自己資本の充実に努め財務体質の改善に努めてまいりますが、今後、金利水準が変動した場合には、当社の業績、財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)人材の育成と確保

 当社が将来にわたり事業を発展していくためには、多様な専門技術に精通した人材(例えば印刷工場において、刷版機、印刷機、断裁機、折り機や綴じ機等の取扱技術を持った人材)、また、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが重要な課題であります。そのため、新卒者だけでなく経験者の採用も積極的に行い、公平な評価・処遇制度の充実等、社員のモチベーションを向上する仕組みを構築し、社員の定着と育成に努めています。

 しかしながら、少子高齢化や労働人口の減少が急速に進んでおり、必要な人材を継続的に獲得するための環境は厳しい状況にあります。印刷工場での業務が他業者に比べ重労働であるという固定観念があると思われ、景気の回復による人材不足の影響により優秀な人材が他社に流れる等、人材獲得や育成が計画通りに進まなかった場合、長期的視点から、事業展開、業績及び成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)特定人物への依存

 代表取締役社長である小田原洋一は、当社の事業立案において、重要な役割を果たしております。

 同氏に過度に依存しないよう、権限移譲や経営層の育成等、会社運営体制の構築を目指しておりますが、現時点では具体的な体制の構築に至っていないため、何らかの理由により同氏が業務遂行できなくなった場合、またそのような重要な役割を担い得る人材を確保できなかった場合、当社の経営に多大な影響を与える可能性があります。

 

(12)法的リスクへの対応

 当社が事業運営を行う上で、特定商品取引法、個人情報の保護に関する法律、景品表示法、廃棄物処理等に関する法律、電気通信事業法、環境法、製造物責任法など、さまざまな法的規制等を受けており、今後その規制が強化されることも考えられます。その場合、事業活動に対する制約の拡大、規制の変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され、当社の事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)情報セキュリティ及び個人情報保護

 当社は情報セキュリティ及び個人情報保護を事業運営上の重要事項と捉え、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証取得により、自社内の機密情報を厳重に管理しております。これらの情報については、社内システム上でアクセス制限を設けて権限者を必要最小限に抑え、個人情報管理規程等の社内規程を制定し、全社員に周知を行う等の対策を行っております。

 しかし、当社の社員や業務委託先が情報を漏洩又は誤用した場合、また、ハッカー等の不正アクセス等による情報漏洩が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社の信頼性が毀損し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)入稿データに係る入稿審査

 当社においては、第三者の知的財産権を含む権利侵害や公序良俗に反する印刷物等の入稿防止に関して、利用規約にその内容を規定し、第三者の権利侵害や公序良俗に反する印刷物等を入稿しないような審査を実施しております。

 なお、入稿データ審査にあたっては、顧問弁護士等の外部専門家の意見を盛り込んだ入稿データ審査マニュアルを整備・更新した上で、複数人によるクロスチェックを行うことで、当該審査体制の強化を図っております。

 しかしながら、当社の認識していない第三者の知的財産権を含む権利に対する権利侵害や公序良俗概念の社会的変動等により、当社の責任が問われ、特定の印刷物に対する差止請求による当社事業の一時中断、損害賠償を含む法的責任、あるいは社会的信用の毀損により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)訴訟に関するリスクについて

 当社では当事業年度末現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社が事業活動を行うなかで、顧客等から当社が提供するサービス及び品質等の不備等により、損害賠償請求等の訴訟を受ける可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)災害の発生

 当社の本社及び主たる生産拠点は東京都、山梨県及び鹿児島県にあります。

 同地域内で、大地震、津波、気候変動に伴う暴風雨や洪水等の大規模災害の発生により本社又は生産拠点が被害を受けた場合、また、社会インフラの大規模な損壊や機能低下、生産活動の停止にもつながるような予想を超える事態が発生した場合は、当社の業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)配当政策について

 当社は、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と財務基盤の強化のための内部留保とのバランスを保ちながら、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当の実施を基本方針としております。

 現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針です。

 

(18)単一業態であることへのリスク

 当社の事業は、インターネットによる印刷物及び印刷資材の通信販売を提供する単一の事業であり、今後も同業態で規模を拡大していく方針であります。

 そのため、当社が提供する商品が消費者の嗜好に合わなくなった場合、あるいは国内印刷市場またはインターネット印刷通販の市場が成長しなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)資金使途についてのリスク

 当社が上場時に調達した資金の使途については、主に関東圏での新工場設立の為の資金に充当する計画であります。

 しかしながら、急速に変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。

 また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しております。

 一方、海外経済の不確実性や米国発の通商政策による影響に留意する必要があることなど、先行きが不透明な状況が続いております。印刷業界につきましては、用紙価格に関する値上げの動きは落ち着いたものの、電子メディア等の普及による紙媒体の需要減少に加え、人件費や運送費の高騰、過当競争による受注金額の下落など、引き続き厳しい経営環境となっております。

 このような状況のもと、当社は供給能力増強のため新印刷機導入等の設備投資の実施、また、サービス、受注サイト、顧客対応について、お客様目線での改善を続けてまいりました。

 以上の結果、当事業年度における売上高は7,387,410千円(前期比7.9%増)、営業利益は777,977千円(前期比19.7%増)、経常利益は772,358千円(前期比17.5%増)、当期純利益は502,389千円(前期比22.9%増)と増収増益となりました。

 なお、当社は、ネット印刷通信販売事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は3,044,973千円となり、前事業年度末に比べ1,015,644千円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が881,049千円、売掛金が95,429千円増加したことによるものであります

 固定資産は3,061,077千円となり、前事業年度末に比べ477,526千円増加いたしました。その主な要因は、製造設備の強化に伴い、機械及び装置が156,207千円、土地が67,315千円、建設仮勘定が239,129千円増加したことによるものであります。

 この結果、当事業年度末における資産合計は6,106,051千円となり、前事業年度末に比べ1,493,170千円増加いたしました

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は1,628,973千円となり、前事業年度末に比べ204,265千円増加いたしました。その主な要因は、買掛金が84,057千円、未払金が11,190千円、未払法人税等が65,500千円増加したことによるものであります。

 固定負債は1,212,783千円となり、前事業年度末に比べ488,604千円減少いたしました。その主な要因は、長期借入金が524,280千円減少した一方で、ポイント引当金が8,513千円、退職給付引当金が11,202千円、役員退職慰労引当金が15,959千円増加したことによるものであります。

 この結果、当事業年度末における負債合計は2,841,757千円となり、前事業年度末に比べ284,339千円減少いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は3,264,293千円となり、前事業年度末に比べ1,777,509千円増加いたしました。その主な要因は、平成30年10月18日に東京証券取引所JASDAQに新規上場したことに伴う公募増資及び第三者割当増資により資本金が637,560千円、資本準備金が637,560千円それぞれ増加し、また、当期純利益を計上したことにより利益剰余金が502,389千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は53.5%となり、前事業年度末に比べ21.3ポイント増加いたしました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動により764,727千円資金が減少したものの、営業活動及び財務活動によりそれぞれ905,169千円及び740,607千円資金が増加したことにより、前事業年度末に比べ881,049千円(78.6%増)増加し、当事業年度末には2,002,368千円となりました。

 当事業年度中に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、905,169千円(前事業年度は799,875千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益830,453千円の計上及び減価償却費350,010千円の計上といった増加要因があった一方で、売上債権の増加118,985千円及び法人税等の支払額299,878千円といった減少要因によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、764,727千円(前事業年度は762,793千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出784,152千円等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、740,607千円(前事業年度は66,970千円の支出)となりました。これは株式の発行による収入1,264,887千円といった増加要因があった一方で、長期借入金の返済による支出524,280千円といった減少要因によります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

販売実績

 当事業年度における販売実績を示すと、以下のとおりであります。なお、当社は、ネット印刷通信販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

ネット印刷通信販売事業

7,387,410

107.9

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ラクスル株式会社

1,962,212

28.7

2,390,923

32.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績の分析

a.売上高

 当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ539,019千円増加し、7,387,410千円となりました。主な要因は、当社のパートナーからの受注増加に伴うものであります。

b.売上原価、売上総利益

 当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ412,175千円増加し、5,220,305千円となりました。主な要因は、売上高増加に伴い材料費が125,614千円、外注加工費が199,532千円増加したことによるものであります。

 この結果、当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ126,843千円増加し、2,167,104千円となりました。

c.販売費及び一般管理費、営業利益

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ1,465千円減少し、1,389,127千円となりました。主な要因は、受注増加に伴い荷造運搬費が109,109千円、上場関連及びカスタマーセンター等の間接部門強化を中心として給料及び手当が25,007千円、外形標準課税増加等により租税公課が13,259千円それぞれ増加した一方、広告宣伝費が167,614千円減少したことによるものであります。

 この結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ128,309千円増加し、777,977千円となりました。

d.営業外損益、経常利益

 当事業年度の営業外収益は、寮や駐車場利用に係る従業員からの受取賃貸料7,984千円を計上したこと等により10,123千円となりました。

 当事業年度の営業外費用は、上場関連費用の発生による株式交付費10,232千円を計上したこと等により15,742千円となりました。

 この結果、当事業年度の経常利益は、前事業年度に比べ114,929千円増加し、772,358千円となりました。

e.特別損益、当期純利益

 当事業年度の特別利益は、印刷機一台を売却したこと等に伴う固定資産売却益60,552千円を計上したことによるものであります。

 当事業年度の特別損失は、固定資産除却損2,457千円を計上したことによるものであります。

 以上の結果のほか、法人税等合計328,063千円を計上したことにより当期純利益は、前事業年度に比べ93,529千円増加し、502,389千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要の主なものは、材料の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また投資資金需要の主なものは、印刷設備等の投資等によるものであります、

 運転資金及び投資資金については、営業キャッシュ・フローによる充当を基本に、必要に応じて資金調達を実施しております。

 また、重要な設備の新設等に要する資金については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、目標とする経営指標として前期対比売上高成長率及び売上高経常利益率を掲げております。当事業年度の前期対比売上高成長率は、パートナーからの受注増加等により7.9%となり、前事業年度の16.9%には及ばないものの、引き続き高い成長率を達成することができました。また、売上高経常利益率は、売上高が増加した一方で、販売費及び一般管理費が減少したこと等により、前事業年度に比べ0.9ポイント上昇の10.5%となりました。今後もこの2つの指標を目標として経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図る所存であります。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績は、特定人物への依存や同業他社との競合、用紙の価格変動等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、内部統制システムの強化等によりこれらのリスク要因に対応して参ります。

 

⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について

 当社の経営者は、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、人材の育成と確保、印刷品質の更なる向上、情報セキュリティ対策の強化、受注サイトユーザビリティの強化といった様々な課題に対応していくことが重要であると認識しております。

 そのために、サービス品質の継続的な向上、優秀な人材の採用・教育等を通じた営業力強化によるさらなる新規顧客の獲得を展開していく方針であります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、以下のとおり業務提携契約を締結しております。

相手先の名称

相手先の所在地

契約品目

契約締結日

契約期間

契約内容

ラクスル株式会社

東京都品川区

業務提携

平成28年6月13日

3年間

(自動更新)

印刷及び配送業務についての業務提携

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。