第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「人と社会をつなぎ、豊かな未来を創る。」というパーパスのもと、「人財ソリューション支援」「教育機関支援」「プロモーション支援」の3事業セグメントを専門特化させ、広告・広報を含む総合支援業務の受注を推進しています。これにより、創業以来培ってきた大学との広範なネットワーク、企画立案から運営・事務局までを一貫提供できる受託体制、さらには多国籍・多様なコミュニティと連携するグローバルネットワークという当社の強みを最大限に活用してまいります。

 事業展開にあたっての基本方針は、以下の通りです。

・クライアントのために——

 各事業セグメントの専門力と創造力を結集し、広範な視野で最適なソリューションを提供し、持続的なLTV(顧客生涯価値)の向上を実現します。

・ユーザーのために——

 大学生・留学生・社会人など一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、「必要なときに価値ある情報が届く」メディアとコミュニケーションの仕組みを構築し、進学・就職・キャリア形成を支援します。

・社員のために——

 多様性を尊重し、挑戦できるエンゲージメントを醸成するとともに、キャリアアップや健康安全を支える人的資本投資を通じて、働きがいと活力に満ちた職場環境を提供します。

・株主および社会のために——

 ガバナンス体制の強化とコンプライアンスの徹底を図り、配当性向40%前後を目安とした漸進的かつ安定的な株主還元を行うとともに、AI活用やストック型サービス拡充による持続的な成長を通じて社会的責任を果たします。

 

(2)経営戦略等

 当社グループの経営方針を踏まえつつ、次の経営戦略をもとに、事業推進しており、この戦略に基づいて、グループ全体の成長基盤の構築と事業セグメント間のシナジー創出に向けて取り組んでまいります。

① 人財ソリューション事業

「マーケット拡大」「サービス拡充」「個別課題解決型への転換」を戦略の柱とし、自社マッチング企画だけでなく、コンサルティングや採用業務代行などによる多角的なマネタイズを強化

② 教育機関支援事業

寄付・募金コンサルティング業務へ本格的に参入し、そのノウハウを新領域へ拡大。

国内トップシェアを握る外国人留学生のデータを活用し、生活支援分野の拡充を促進。

③ プロモーション支援事業

従来のプロモーション領域を超え、マーケティングを起点に一気通貫で担うBPO事業へと進化し、AI等のシステム投資によるクライアントへの提案力強化、効率化と収益力の向上を図る。

 

(3)経営環境

 当連結会計年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)における我が国経済は、高い賃上げ率を維持しつつも世界的なインフレ圧力、金融政策の正常化に伴う金利上昇圧力の影響が継続しており、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰、米国第一主義の先鋭化といった地政学リスクの高まりといった懸念要因が継続している状況です。このような外部環境は、国内経済の先行き不透明感を拭いきれず、物価高による家計や企業の負担を増大させ、GDP予測を下方修正するなど国内景気の回復を下押しする要因となっています。
 このような国内経済の状況のもと雇用情勢については、一部の大手企業における採用が優秀な人材の確保へシフトするとの報道が散見されるものの、全国有効求人倍率は1.18倍(令和8年3月 厚生労働省「一般職業紹介状況」)と高い水準を維持しており、国内全体では依然として人材不足が顕在化している状況です。

 

 このような環境のもと、人財ソリューション事業では、対面型合同説明会の販売を継続するとともに、官公庁・民間企業・大学機関のイベント運営、採用業務代行等の受託を引き続き強化しました。また、資本業務提携先である株式会社プロネクサスとの共同提案による採用広報ツールなどのクリエイティブ制作の提案も加速させたほか、体育会学生を対象としたマッチングサービスを本格的にスタートし、外国人留学生を含む人材紹介サービスも強化しました。

 教育機関支援事業は、入試広報部門のWebプロモーション支援やイベント運営の受託のほか、外国人留学生募集関連のクリエイティブ制作などの個別案件の受託を強化しました。さらに、入試広報部門以外への業務代行サービスの提案を推進し、寄付・募金プロモーション支援や同窓会運営支援、学生支援等、教育機関全体における広報・支援へとサービス領域を拡大しました。

 プロモーション支援事業では自社の業務推進センターを活用した各種事務局の代行業務および発送代行業務、イベント運営サポート等の業務代行分野の受託 に注力しました。また、業務推進センターの人員を増員し、セキュリティ向上を目的とした設備工事を実施するなど、受託体制を一層強化いたしました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは今後も基本となる戦略は踏襲してまいりますが、さらに事業を拡大するため、グループ全体として以下の課題に優先的に取り組んでまいります。

 

① 「顧客生涯価値」重視によるストック収益型のビジネスの拡大

② 新たに注力するビジネス領域・サービスの拡大と資本アライアンスの推進

③ 提案力の向上、業務の効率化、セキュリティ強化に寄与するシステムの開発と導入

④ 大学、スポーツ団体、公的機関等の協力連携先の拡大と関係強化

⑤ サスティナビリティ経営の推進による企業レジリエンスの強化

⑥ 広報・IR活動の強化による企業認知度の向上と適切な対話機会の提供

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの企業理念及び経営戦略等の実現性及び企業価値向上を示す客観的指標として、売上高、売上総利益、営業利益を経営上の重要な指標として位置付けております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、パーパス「人と社会をつなぎ、豊かな未来を創る。」を定めており、2026年2月に、創業50周年となる2032年に向けた経営ビジョン「Diversity Link 2032」を策定し、人財ソリューション、教育機関支援、プロモーション支援の各事業を通じて、少子高齢化、労働力不足、グローバル人財の活躍、教育機関運営の高度化、BPO需要の拡大といった社会課題の解決に取り組み、持続的な企業価値向上を目指し、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)に配慮し企業活動を行っております。

従業員一人ひとりが自律的に行動し、人や社会を輝く未来へ導いていく誇りと自覚を持ち、持続可能な未来のため、これからも社会と共に成長していくことを目指してまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

ガバナンス

当社コーポレートガバナンス報告書の中に、ガバナンスに対する考え方も含まれておりますが、当社グループは株主、顧客、従業員ならびに地域社会等のステークホルダーに対する責任を果たしてまいります。国際情勢や社会環境が大きく変化し、従来にも増して環境への意識が高まり、当社グループを取り巻く環境も変化しております。このような急速に変化し続ける事業環境に即応し、安定的な成長を実現するため、「サステナビリティ委員会」を設置しております。当委員会は、代表取締役社長を委員長として当社の取締役で構成し、原則として月に1回定例会を開催し、必要に応じ、臨時にも委員会を開催することができるとしており、当連結会計年度においては12回開催し、当社グループの人的資本経営への取り組みとしての研修制度構築などの重要課題(マテリアリティ)、及びそれに関連した目標の設定、各種KPIの設定・測定などを検討し、順次具体的な施策の実行をしてまいります。また、当委員会は、定期的に取締役会にて取り組み状況の報告・共有をしております。

 

コーポレートガバナンス体制図

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人事戦略

当社グループは、広告広報を含めたクライアントの総合支援をビジネスの基本としており、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であると考えております。人的資本がビジネスを通して、当社グループの財務資本を、クライアントを通して社会関係資本を増大させるものであり、人的資本を最重要事項として投資を行うことが、当社グループの持続的な企業価値向上に繋がるものと信じ、人事戦略を実施してまいります。

このように、サステナビリティの実践に向けて、特に、人事戦略を中心に据え、その重要テーマとして、女性活躍、多様性の確保、人材育成に置き、その向上を図ってまいります。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社グループは、「Diversity Link 2032」の実現に向けて、人的資本を経営における重要な資本と位置づけています。変化する市場環境を的確に捉え、自らビジネスチャンスを創出できる人財の育成に取り組んでいます。

具体的には、事業拡大に向けた多様な人財の採用を進めるとともに、グローバル人財やAI活用人財の確保に注力しています。あわせて、柔軟な勤務体系の整備やAI活用による生産性向上、自主的な挑戦を評価する仕組みの導入、段階的なキャリア形成機会の提供を推進しています。また、社員一人ひとりが十分に能力を発揮できるよう、適材適所に基づく人員配置を基本方針としています。新たに発生する業務や人員不足が生じた業務にも柔軟に対応できるよう、フレックス制度など働きやすい環境の整備を進め、部門を超えた横断的でオープンな組織づくりを目指しています。

さらに、多様化するクライアントニーズへの対応や、外国人留学生分野における教育支援の拡大、就労支援の強化に向けて、多様性の確保にも積極的に取り組んでいます。女性役員や女性管理職、外国籍管理職の登用など多様性向上に向けた施策を継続してまいります。

人財育成においては、継続的な社員教育やトレーニングを実施するとともに、マネジメント層による適切なコーチングと、社員一人ひとりへの明確な目標設定を通じて、パフォーマンスを最大限に引き出すことを方針としています。また、こうした取り組みを実効性あるものとするためには、マネジメント層の育成が不可欠です。当社グループは、マネジメント人財の育成を、組織全体のパフォーマンス向上に欠かせない重要課題と認識しています。

 

リスク管理

当社グループは、中期経営ビジョンにおいてAI活用、BPO機能の高度化、グローバル人財支援の拡大を掲げております。これらの推進にあたっては、個人情報保護、情報セキュリティ、AI利用における公平性・透明性、外国人材支援における法令遵守及び人権への配慮を重要なリスク管理項目として位置づけ、サステナビリティ委員会及びコンプライアンス委員会において対応状況を確認、識別・評価し、定期的に取締役会に報告しております。

 

リスクを管理するプロセス

サステナビリティ委員会は、サステナビリティ戦略の企画・立案及び管理を行い、全社的なリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をコンプライアンス委員会に報告します。コンプライアンス委員会は、識別・評価されたリスクの最小化、機会の最大化に向けた方針を示し、サステナビリティ委員会、社内関係部署及びグループ会社に対応を指示します。また、対応策の取り組み状況や設定した目標の進捗状況について、定期的に取締役会に報告します。

 

人事戦略の指標及び目標

当社グループは、「人材育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」に記載した方針に基づき人的資本を最重要事項としており、人的資本の強化、多様な人財の活躍支援、教育機関運営の支援、BPO機能の高度化、情報セキュリティの強化、AI活用の適正な推進など、人材育成・強化に取り組み、企業価値向上へ向け新たな仕組みづくりに取り組んでまいります。具体的な指標及び目標については、適宜適切に公表の検討を進めてまいります。

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は、本株式への投資に対するすべてを網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

① 事業環境の変化について

 景気の急激な変動や地政学リスクによる社会・経済活動の制限等により、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、人口減少を要因とした市場構造の変化などが生じた場合も、同様に当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

② 当社グループが取得している許認可について

 当社グループでは、人財ソリューション事業において、有料職業紹介事業の許認可を受けております。また、プロモーション支援事業において、労働者派遣事業の許認可及び複数の自治体に屋外広告業登録を行っております。さらに各事業において、古物商許可と、国や自治体の入札資格を保有しております。これらの許認可等は適宜情報収集し更新を行っておりますが、何らかの理由により更新できなくなった場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

③ 各種法規制の改正・新設や業界規制・自主規制の変化などについて

 当社グループの各事業は、個人情報保護法をはじめ、特定商取引法、景品表示法、消費者契約法、各種業界に適用される法令(宅地建物取引業法、旅行業法等)、古物営業法、屋外広告物に関する自治体の条例等が適用されます。また、広告宣伝物の掲示・配布・送信・放送・放映等にあたっては、著作権法や迷惑メール防止法等を順守する必要があります。一方、就職活動スケジュールなど業界によって順守が求められるルールや自主規制なども存在するほか、外国人分野においては外国人の入国制限の有無も事業に関連します。これらの法規や規制等が事業活動に影響を及ぼすような内容で改正・新設された場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

(2)当社グループの事業に関するリスク

① 業績の季節変動について

 当社グループの事業のうち、人財ソリューション事業は、新卒の就職活動時期に合わせたサービス展開をしているため、第4四半期に売上が集中する傾向にあります。また、教育機関支援事業においても、進学説明会の開催や学校のプロモーション活動が増加する上半期に売上が集中する傾向があります。集中期に十分な売上が計上できなかった場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、就職活動時期の早期化などに起因して集中期が変動した場合、当社グループの売上高の偏重時期がそれに合わせて変化する可能性があります。

 

② 業界における取引慣行とクライアントとの取引基本契約書の締結について

 当社グループの各事業の業界では、取引内容の柔軟性や機動性を重視する取引慣行があり、取引基本契約書の取り交しが行われないことが一般的となっております。当社グループの取引においては、取引仕様等を記載した発注書の受領を原則とし、取引基本契約書を取り交わすように努めるとともに、取り交わしが困難なクライアントについては、所定の取引条件書等を差し入れております。しかし、当社グループとクライアントとの間において取引条件が明確になっていない事象や不測の事故が発生した場合等には、当該クライアントとの関係の悪化や係争が生じる可能性があります。かかる事態が発生した場合は、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

③ 新規商材や新規事業の収益性について

 当社グループでは、新たな商材や事業を適宜、事業の状況、マーケット環境を総合的に勘案し展開しております。これらについては、当社グループの実績を踏まえ、想定される事業規模に応じた売上・利益計画を立案しておりますが、拡販が想定通りに進捗しなかった場合、収益が低下し、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

(3)コンプライアンスに関するリスク

① 協力会社や従業員による損害について

 当社グループは、個々の従業員が企画・進行管理にあたっており、当該従業員、あるいは協力会社において人的ミスや不正の発生の可能性は否定できません。これらに対し業務に合った指示書の導入や作業時のダブルチェック、また協力会社との業務委託契約書の締結や責任範囲の明示、クライアントからのエビデンスの取得、決裁フローの運用などの対策を講ずるとともに、細心の注意を払い業務遂行・運営を行なっておりますが、重大な過失や不正行為などが生じた場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

② 個人情報の管理について

 当社グループの事業では、個人情報を取り扱うサービスが存在します。当社グループ各社ではプライバシーマークの取得はもちろん、個人情報保護コンプライアンスプログラムの厳格な運用により厳重かつ細心の注意を払い管理するとともに、一定の損害保険にも加入しておりますが、万一個人情報の漏洩が生じた場合、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、他社において個人情報漏洩事件や個人情報の不適切な利用が認められた場合、個人が登録を回避したり、関係先がサービスの利用を推奨しなくなるなどの要因で、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

③ 訴訟の可能性について

 当社は作業ミスを始めとした人為的ミス、システムの障害、個人情報の漏洩等の予期しないトラブルが発生した場合や、取引先や当社グループの役職員との間に何らかの問題が発生した場合、これらに起因する損害賠償の請求や訴訟の提起を受ける可能性があります。その金額や内容、結果によっては、金銭的負担や社会的信用の棄損が発生し、当社グループの業績や財政状況への影響が生じる可能性があります。

 

(4)その他のリスク

① 人材の確保・育成について

 当社グループの業績拡大を目指す上で、人材への投資が不可欠ですが、人材市場や経済の動向により、戦力となる社員の獲得が困難となる可能性があります。当社グループでは、「サステナビリティに対する考え方及び取組」に基づき、社員の獲得と育成に取り組んでおりますが、今後人材の流出が生じ、十分な獲得ができなかった場合には、受注や生産性の低下を招き、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

② システムの停止リスクについて

 当社グループは、インターネット上でサービスを提供するシステムを保有しております。専業の外部データセンターにサーバー等を設置し、開発会社と保守契約を締結して、セキュリティ対策を日常的に行っております。しかしながら、システムに過度なアクセスや障害が発生した場合や、外部からの攻撃によりウイルス感染等が発生した場合、システムの停止を余儀なくされ、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

③ 自然災害、火災、事故、感染症流行等に関するリスクについて

 地震、風水害等の自然災害や火災、停電、ウイルス感染症の感染拡大、施設設備の故障、感染症流行等の不測の事態等により、正常な社会活動が困難となり営業活動が停止又は縮小した場合、イベント等の中止が発生するため、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。また、重大な労働災害、事故等が発生した場合は、操業に支障が生じ、当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。

 

④ 投資のリスクについて

 当社グループでは、自社メディアや業務推進センターを始めとして、固定資産への投資を行っております。また、今後資本業務提携やM&A等を積極的に検討していく方針です。これらの投資にあたっては、回収可能性について、十分検討の上で実施しておりますが、想定した売上・利益を実現できなかった場合、当社グループの業績や財務状況への影響が生じる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社および当社の連結子会社)の財政状態経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)における我が国経済は、高い賃上げ率を維持しつつも世界的なインフレ圧力、金融政策の正常化に伴う金利上昇圧力の影響が継続しており、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰、米国第一主義の先鋭化といった地政学リスクの高まりといった懸念要因が継続している状況です。このような外部環境は、国内経済の先行き不透明感を拭いきれず、物価高による家計や企業の負担を増大させ、GDP予測を下方修正するなど国内景気の回復を下押しする要因となっています。
 このような国内経済の状況のもと雇用情勢については、一部の大手企業における採用が優秀な人材の確保へシフトするとの報道が散見されるものの、全国有効求人倍率は1.18倍(令和8年3月 厚生労働省「一般職業紹介状況」)と高い水準を維持しており、国内全体では依然として人材不足が顕在化している状況です。

 

 その結果、当連結会計年度における売上高は3,954百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益は231百万円(前年同期比0.3%増)、経常利益は221百万円(前年同期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は162百万円(前年同期比13.9%減)となりました。

 

 当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は、以下のとおりです。

 

(人財ソリューション事業)

 人財ソリューション事業においては、採用業務やイベント運営等の代行業務およびクリエイティブ制作業務が伸長し、業績に寄与しました。一方、人財採用と育成に係る人的投資や会場費等の固定費の増加により販管費は前年同時期比で増加しました。

 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の人財ソリューション事業におきましては、売上高は1,516百万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益は128百万円(前年同期比44.3%減)となりました。

 

(教育機関支援事業)

 教育機関支援事業は、外国人留学生募集関連の企画及びクリエイティブ案件が伸長しました。また、寄付・募金プロモーション案件が順調に推移しました。なお、人財採用・育成に係る投資事業運営に関する販管費が増加しました。

 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の教育機関支援事業におきましては、売上高は1,120百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益は8百万円(前年同期比57.7%減)となりました。

 

(プロモーション支援事業)

 プロモーション支援事業においては、 自社業務推進センターを活用した事務局代行業務および発送代行業務、イベント運営業務など、業務代行分野が順調に推移しました。特に発送代行分野では自治体関連業務の受注が拡大し、想定を上回って推移しました。

 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)は、売上高は1,317百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント利益は108百万円(前年同期はセグメント損失5百万円)となりました。

 

② 財政状態

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ223百万円増加し、2,276百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加6百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加193百万円、その他の増加22百万円によるものであります。

 

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ22百万円増加し、295百万円となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)の増加9百万円、工具、器具及び備品(純額)の増加12百万円、ソフトウェアの増加25百万円、投資有価証券の減少20百万円、繰延税金資産の減少6百万円によるものであります。

 

(繰延資産)

 当連結会計年度末における繰延資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1百万円減少し、0百万円となりました。これは社債発行費の減少1百万円によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ33百万円増加し、871百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少50百万円、1年内返済予定長期借入金の減少88百万円、1年内償還予定の社債の増加8百万円、買掛金の増加113百万円、未払法人税等の増加50百万円によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ79百万円減少し、226百万円となりました。これは主に、社債の減少72百万円、長期借入金の減少12百万円によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ290百万円増加し、1,475百万円となりました。これは主に、資本金の増加88百万円、資本剰余金の増加13百万円、利益剰余金の増加189百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ6百万円増加した結果、当連結会計年度末は1,275百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は145百万円(前連結会計年度に獲得した資金は190百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益221百万円の計上、売上債権の増減額△191百万円、減価償却費13百万円、株式報酬費用20百万円、仕入債務の増減額113百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は32百万円(前連結会計年度に獲得した資金は43百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出15百万円、無形固定資産の取得による支出32百万円、敷金及び保証金の差入による支出6百万円、投資有価証券償還による収入20百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は106百万円(前連結会計年度に支出した資金は148百万円)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出50百万円、長期借入金の返済による支出101百万円、社債の償還による支出64百万円、株式の発行による収入157百万円、配当金の支払額48百万円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a 生産実績及び受注実績

 当社は人財ソリューション事業、教育機関支援事業、プロモーション支援事業を行っており、提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、省略しております。

 

 

b 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

人財ソリューション事業

1,516,762

6.4

教育機関支援事業

1,120,315

6.5

プロモーション支援事業

1,317,211

17.9

合計

3,954,289

10.0

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度および当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況及び②財政状態に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析については、(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 資本の財源及び資金の流動性について、当社グループにおける資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入となります。

 内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への設備投資、事業拡大のための資金確保に活用していく方針としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 当社グループは、貸倒引当金、固定資産の減損、投資その他の資産の評価、税効果会計などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計上の見積りは「第5 経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

 

5【重要な契約等】

 当社は、2025年1月31日付で、株式会社プロネクサス(所在地:東京都港区海岸一丁目2番20号)(以下「プロネクサス」又は「割当予定先」といいます。)との間で、資本業務提携契約(以下、「本資本業務提携契約」といい、本資本業務提携契約に伴う資本業務提携を「本資本業務提携」といいます。)を締結し、割当予定先に対して第三者割当による新株式発行を行うこと(以下、「本第三者割当増資」といい、割り当てる株式を「本株式」といいます。)を決議しております。

2025年1月31日付の決議時点の契約に関する内容等は、以下の通りです。

 

1.本資本業務提携の理由

当社グループは「わたしたちは、人や社会をベストな未来に導くために、心の通うメディアとコミュニケーションの場を創造します。」というグループ経営理念を掲げ、人財ソリューション事業、教育機関支援事業及びプロモーション支援事業の提供を行っております。

特に、大学キャリアセンターとの幅広い連携により就活生の登録を促進し、企業とのマッチングを行っている人財ソリューション事業は、新卒採用向けの合同企業説明会、人材紹介、採用代行サービス等を含めた採用活動全般のコンサルティングを展開し、1,080社のお客様にご利用いただいております(2024年10月末実績)。今後、経験者(中途)採用事業の本格的な参入や、外国人大学生の就職支援も成長領域と捉え、お客様企業へのさらなる事業成長に貢献していく方針です。

一方、プロネクサスは、ディスクロージャー・IRの分野を中核とした情報コミュニケーションの事業を展開しており、上場企業及び上場準備企業を中心とした約4,000社の強固な顧客基盤を有しています。プロネクサスは、人財採用支援領域等の新たなビジネス領域を今後の成長分野と位置づけており、主に上場企業の人財採用における課題に対してソリューションを提供する取り組みを開始しております。

この一環として、当社とプロネクサスは2023年10月2日に業務提携契約を締結し、プロネクサスのお客様企業に向け当社の採用コンサルティングの知見を加えた共同提案を行う体制を整え、主にプロネクサスの持つお客様企業に向けて提案を開始いたしました。また、当社グループの印刷物に係る案件においては、プロネクサスの持つ印刷事業に発注するなど、両社の経営資源を有効に活用する取り組みも同時並行で行いました。

業務提携契約を開始して以来、プロネクサスのお客様企業からの引き合いは想定以上に推移しており、着実な成果を挙げております。

 

これらの業務提携を進める過程で、当社グループとプロネクサスは、

①プロネクサスは、人財採用に課題感を持つ企業が一層増加すると見込まれること

②プロネクサスは、人財採用領域は上場企業に限ることなく提案できることから、自社の事業領域の拡大に繋がること

③当社は、これまで提案に至らなかった企業に向けて既存サービスを拡販できるようになるほか、伸長させていく方針の人財ソリューション事業における「人材紹介分野」「採用代行分野」の早期拡販が期待されること

④当社のプロモーション支援事業においても、プロネクサスの情報コミュニケーションの事業展開との連携が可能であること

⑤当社の採用業務代行や事務局代行の機能と、プロネクサスの印刷機能やコンテンツ制作の機能の相互活用により、両社に相乗効果をもたらすこと

など、複数の協議へ進展し、両社のさらなる事業成長に向けて、一層強固な関係を構築していくとの意見で一致いたしました。

 

一方で、今後、これらの広範な事業連携を見据えると、当社は人財の確保と育成が急務となっています。また、プロネクサスのお客様企業への一層の安心を提供できるよう情報セキュリティ関連の認証取得など個人情報管理における一層の情報セキュリティ強化に伴う費用や業務代行機能、採用代行機能の拡充に向けた設備投資を早期に構築する必要が生じてきています。

 

こうした背景を踏まえ、当社はプロネクサスとの間で協議等を行った結果、プロネクサスと資本関係の構築を伴う提携を行うことが一層の企業価値向上に資すると判断し、プロネクサスとの合意を経て、2025年1月31日付で本資本業務提携契約を締結するに至りました。

 

2.本資本業務提携の内容等

(1)資本提携の内容

当社は、本第三者割当増資により、プロネクサスに当社普通株式160,000株を割り当てる旨合意しました。これにより、本第三者割当増資後のプロネクサスの当社に対する議決権所有割合は約10%となります。本資本業務提携により、当社およびプロネクサスは、より強固なパートナーシップ関係を構築し、新たなサービスの共同開発や両社の事業を拡大させることを目指すため、必要な人員体制強化のための人財の採用費用、採用人財の人件費及び研修教育費用への投資資金、プロネクサスのお客様企業への一層の安心確保のため、情報セキュリティ関連の認証取得など個人情報管理の強化に向けた施設構築費用への投資資金の調達を目的にしております。そのため、資本業務提携を実施することは、中長期的な視点からの当社の企業価値、株主価値の向上となり、既存株主の利益にも資するものと判断しております。

当社とプロネクサスは、本資本業務提携の一環として、以下の事項等について合意しております。

①当社がプロネクサスの保有する当社株式に係る議決権の希薄化が生じうる行為(募集株式の発行等)を行う場合、プロネクサスの議決権割合を維持するための措置を講ずること

②当社の事前の書面による承諾がない限り、プロネクサスが、直接又は間接を問わず、単独で又は第三者と共同して、当社株式の買増しその他追加取得を行うことはできないこと

③プロネクサスが第三者に対して株式を譲渡しようとする場合には別途プロネクサスと当社株主との間で締結した株主間契約に基づき承諾を要するところ、かかる承諾を得てプロネクサスが当社株式を第三者に譲渡する場合であって、当社からプロネクサスに対して当社又は当社の指定する第三者による一定の具体性等のある真摯な買取提案をしたときには、当社又は当社の指定する第三者が当該株式を買い取ることができること

かかる合意を含む本資本業務提携は、当社の経営の独立性に影響を与えるものではなく、当社の企業統治に与える影響は軽微であると判断しております。

 

(2)業務提携の内容

当社の採用支援事業と、プロネクサスの人財領域における業務提携を一層強化し、両社で組織面での強化を行い、スピーディかつ強固な連携体制を構築してまいります。両社間では、既に定例的に会議を実施して提案活動を進めつつ、当社内においては、プロネクサスの取引企業様からの引き合いが大規模かつ全国展開していることを踏まえ、サポートチームを強化し、全国の規模で即応できる体制を構築してまいります。

 

両社で提供する採用コンサルティングの提案内容は、事業内容を理解しやすく伝えるコーポレートサイト制作に合わせ、採用サイトの作成、採用ノウハウの提供、メディア選定や採用活動の代行業務などに及びます。これらは両社の双方の知見を結集して実現できるものであり、これらの提案強化に向けて取り組んでまいります。

 

合わせて、現状の採用活動が高度化かつ煩雑化していることを踏まえ、当社では増加が見込まれる採用代行業務への機能の拡充を行ってまいります。当社の採用支援事業は新卒採用が主たる領域ですが、採用代行業務の拡販を通じて経験者(中途)採用への拡大を図ります。

 

以上が当社とプロネクサス間で合意した主たる提携の内容となりますが、その他にも、当社のプロモーション支援事業と、プロネクサスの情報コミュニケーションの事業への共同提案を進行させていくほか、プロネクサスの持つ印刷とコンテンツ制作機能、当社が持つ採用代行、事務局代行の機能を相互活用することによる一層の売上向上に取り組んでまいります。

 

3.日程

(1)

取締役会決議日

2025年1月31日

(2)

契約締結日

2025年1月31日

(3)

払込期日

2025年2月28日

(4)

事業開始日

2025年1月31日

 

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。