第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

これまで当社グループは、「はたらく人々を幸せに。」をフィロソフィーとして事業展開をしてまいりました。

当社グループは、2022年4月1日付で株式会社ワークデザインテクノロジーズ(現連結子会社)を設立し、それに伴い、当社グループが今後さらなる飛躍を遂げていくためには、既存の枠組みを超えた事業展開やサステナビリティへの取組みに加えて、経営者と従業員が目指すべき想いを共有することがより一層必要となってまいります。

そこで当社は、持続的成長企業として社会や顧客が求める価値を創造する企業であり続けるため、当社の企業価値を見つめ直し、2022年4月に新しいフィロソフィーである「パーパス(Purpose、存在意義)」、「アンビション(Ambition、目指すゴール)」「バリューズ(Values、価値観)」を制定いたしました。この新しいフィロソフィーのもと、社員全員が一丸となって、新しい「ヴィス」を創っていきたいと考えております。

 

〔フィロソフィー〕

パーパス

(Purpose、存在意義)

はたらく人々を幸せに。

アンビション

(Ambition、目指すゴール)

私たちだからできる「ワークデザイン」によって、

はたらく空間やしくみを進化させ、一人ひとりの想像力と創造力をひきだし、

人と人との多彩なつながりを生みだす。

だれもが自分らしく、最大の力を発揮しながらはたらくことができる社会へ。

新たな価値や感動がつぎつぎと生まれるよう企業や組織と共創し、

人々の幸せがふくらんでいく世界を実現します。

バリューズ

(Values、価値観)

・誰より前を走ろう。

これからの「はたらく」をリードし続けるパイオニアへ。

一人ひとりが主役になって。

 

・共に高め合おう。

多様性の力を信じて。

互いに成長し、生まれるシナジーをつぎつぎと。

 

・得意を増やそう。

あらゆる可能性を、あらゆる角度から。

人と向き合い、心を動かすプロフェッショナルとして。

 

・常に新しくいよう。

自ら学び、進化を続けて。

これまでにない価値を届け続ける。

 

・深く寄り添おう。

すべては相手の喜びと感動のために。

熱い想いと、あたたかい心で。

 

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、売上高、営業利益を重要な経営指標であると考え、高い収益性を維持し向上させていくため、高付加価値のサービスを提供するとともに原価率の低減やコスト管理に努めております。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

昨今の急速な人口減少やグローバル化・デジタル化の進展等により企業と働き手を取り巻く環境は大きく変化し、労働生産性の飛躍的な向上が各企業の重要課題となっております。こうした中、企業はさまざまなはたらき手の多様なはたらき方に対応した就業環境の整備だけではなく、自社の存在意義や価値観の社員との共有やはたらく一人ひとりが成長を実感できる機会の提供等により、はたらく人々のエンゲージメントを向上させ、はたらく人々と企業の持続的な成長を図ることが求められております。

このような背景のもと、働き手のニーズを把握しながら、「働きがい」と「働きやすさ」を実感できる環境整備を進める企業が増えております。新型コロナウイルス感染症の流行により、就労する場所・時間の自由度の高いテレワークを導入・拡充する企業が増加した一方、出社日や出社時間を増やそうと、再びオフィスへの出社を求める「オフィス回帰」の動きも見られます。企業が求めるはたらき方が多様化し、そこで働く人々も多様化する中、それぞれの企業に応じたワークプレイスの提案が求められております。

こうした中、当社グループは、2024年3月期より3年間(2024年3月期~2026年3月期)を対象とした、中期経営計画を策定し、「オフィス」という空間のみをデザインすることから、「はたらく」こと全体の課題を解決し、社会に新しい価値の提供を行ってまいります。

なお、最終年度(2026年3月期)の財務目標として、連結売上高16,169百万円、連結営業利益1,597百万円を計画しております。

 

 

(4) 優先的に対処すべき課題

当社グループが、事業の拡大及び経営の安定化を図っていく上で、優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。

 

① ブランディング事業の強化

オフィスデザインのみならず、ウェブサイト・パンフレット・名刺などのVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)構築、CI(コーポレート・アイデンティティ)デザインを含めた企業ブランディングを支援するブランディング事業を強化し、継続的な成長をするため、既存顧客へのフォローを継続するとともに、新規顧客を開拓し、ターゲットを拡大することが重要な課題と考えております。そのためには、オンラインセミナーの開催や展示会への出展等、マーケティング手法を多角化し、潜在顧客へアプローチし、収益性の拡大に取り組んでまいります。

 

② コンサルティング領域の強化

データに基づき最適なワークプレイスを導き出すことで、はたらく人々のエンゲージメントを高めながら、企業価値をさらに向上させる環境をデザインし、より最適なワークデザインを提供することが、当社グループの特徴であり、強みであると考えております。それをさらに強化するためには、はたらく場所のデザインだけではなく、理想的なはたらき方を定量・定性面からひも解くことが重要だと考え、ワークプレイスの現状を可視化するプラットフォームや組織改善サーベイツールを活用しながら、解決すべき課題を可視化させ、ワークデザインの軸となるデータの抽出及び分析の領域を一層強化し、事業領域の拡大を進めていくことが重要だと考えます。

 

③ ワークスタイリング領域の拡大

テレワークが浸透し、フレキシブルオフィスの件数も増加する中、『TSUMUGI』をコンセプトとした、フレキシブルオフィス「The Place」の運営を行うことで、自ら運営ノウハウを蓄積し、実体験に基づく確かな活用提案を行ってまいります。また、新築ビルの共有スペースやマンションの共有部のコワーキングスペースを設計・デザインすることで、リモートワークにも対応できる場を創造し、新たな付加価値を提供するため、大手デベロッパーとの連携強化にも取り組んでまいります。

 

④ 内部管理体制の強化

当社グループは、継続的な成長を続けることができる企業体質の確立に向けて、コーポレート・ガバナンスと内部管理体制のさらなる強化が対処すべき重要な課題の一つと認識しております。施工物の品質管理については、施工品質のさらなる向上を目指し、設計・施工・購買の各業務において、チェック体制を構築しております。廃棄物処理については、電子マニフェストを法令で定める期日よりも早く回収しており、毎月開催されるリスクマネジメント・コンプライアンス委員会で回収状況について報告する体制を構築しております。今後、事業規模の拡大に応じた内部管理体制と内部監査体制を充実させていくことにより、さらなるコーポレート・ガバナンス及び内部統制の強化に取り組んでまいります。

 

⑤ 法令遵守体制の強化

当社グループは、厳格な法令遵守体制の構築は当然のこととして、さらに一歩進めた説明責任の徹底と顧客の当社に対する真の理解と満足を獲得することが重要な課題と認識しております。今後、関係法令の遵守はもとより、社員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指し、啓蒙活動や社内教育を徹底してまいります。

 

⑥ 人材の確保・育成

当社グループは、一連のプロジェクトを一貫してサポートすることで、顧客の要望や課題を解決しております。そのためには、顧客のニーズや検討中の課題にあわせて課題設定並びにソリューションができる人材を確保・育成することが重要な課題と認識しております。このため、次代を担う優秀な人材の確保に努めるとともに、人員効率の最大化を図るよう着実に教育・研修を実施していくことで、組織体制の整備を進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは、パーパスである「はたらく人々を幸せに。」を軸に、重点テーマを整理し、サステナビリティ経営をさらに加速させるための取組みを拡大させていくことを目指します。

当社では、事業活動における戦略を構築・推進すると同時に、環境への配慮、社会課題の解決、ガバナンスへの取組みが事業活動と一体となった未来志向のサステナビリティについて取り組んでいくため、CSR、ESG、SDGsの取組みについて毎月協議し、また、人材の多様性の確保を含む人材採用・育成方針についても定期的に協議をしてまいりました。

当社は、サステナビリティへの取組みをより一層強化するため、2023年5月に取締役会の諮問機関として、代表取締役会長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、今後は同委員会において方針や重要テーマの見直しなどを行ってまいります。

なお、当社グループにおけるマテリアリティ(重要課題)は、以下のとおりであります。

 ・人的資本経営

 ・環境への配慮

 ・社会への新しい価値提供

 

(2) 戦略及び指針

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

 

① 人材育成方針

当社グループでは、「人の成長=企業の成長」という考えのもと、「理念・文化の共有」「教育・研修」「健康経営と多様性の推進」を軸に、継続的な企業価値向上を目指し、人的資本経営に取り組んでおります。

 

イ.理念・文化の共有

当社グループでは、強固な組織を形成するため、フィロソフィーを全社員に浸透させるとともに、社員一人ひとりが同じ想いを共有することでカルチャーを醸成することが重要であると考えており、次のような取り組みを行っております。

 

(具体的な取り組み)

・フィロソフィー唱和

・勤続年数に応じて異なるクレドカードの配布

・新入社員と役員の直接の対話の場

・各種会議の共有、報告体制の強化

・社内コミュニケーションの活性化(チーム懇親会・部活動等の補助)

 

 

ロ.教育・研修

当社グループでは、採用手法を多角化し積極的に採用を続ける一方、採用した人材に必要なスキルを習得させて能力を最大化するため、教育・研修制度を充実させてまいります。

 

(具体的な取り組み)

・階層別社内研修(新卒社員、キャリア社員、リーダー層、マネジメント層、経営層)

・外部研修への参加(クリエイティブアカデミー、海外研修)

・資格取得支援制度(資格取得のための勉強会開催、資格手当支給、合格祝金支給)

 

② 社内環境整備方針

イ.健康経営と多様性の推進

当社グループでは、すべての社員が健やかに、生き生きと働くことができるように、健康経営を推進しており、当社は、経済産業省及び日本健康会議が選定する健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2023(中小規模法人部門)」に認定されました。また、性別、価値観、経験、感性、専門性の異なる多様な個性を認め合うことで、それぞれの力が最大限に発揮されるよう、ワークライフバランス制度の充実等の社内環境の整備に努めております。

 

(具体的な取り組み)

・従業員の健康管理(衛生委員会、婦人科検診の費用負担)

・メンタルヘルス対策(組織改善サーベイ、ストレスチェック)

・ワークライフバランス制度(テレワーク・時差出勤制度、時間単位での年次有給休暇の取得)

・女性活躍推進に関わる制度(時短勤務制度の対象範囲の引き上げ、ベビーシッター補助制度、子育て座談会、妊娠特別休暇)

 

ロ.環境への取組み

当社グループは持続可能な社会を目指し、気候変動・循環型社会への貢献として、次の事項に取り組んでおります。

 

a.紙の削減

当社グループでは、タブレット端末の導入や電子契約の活用などにより、紙の使用を必要最小限に抑えるための取り組みを行っております。また、紙を使用する場合には、FSC認証製品を使用するなど、環境への負担を低減する取り組みも行っております。

 

b.エコ商材の提案

当社グループでは、環境に配慮した建築資材・家具などを顧客に提案しております。各メーカー・企業が取り組んでいるエコ商材を使用し、顧客のSDGsへの参加を促す取り組みを行っております。

 

c.国産木材の利用

近年、安価な海外産木材の輸入量の増加等により、国産木材供給量は減少傾向にあります。伐採されず高齢となった木々は、二酸化炭素の吸収量が低下することから、当社グループは、「植林→育成→伐採→利用」のサイクルをスムーズに回し、森を活性化することが重要であると考えております。また、国産木材は輸送時に発生する二酸化炭素排出量を海外産木材より抑えることができ、地球温暖化への対策にもつながると考えております。

当社グループでは、木部に国産木材を100%使用したオリジナルオフィスプロダクト「WEDGE(ウェッジ)」シリーズの提供等を通じて、森林環境改善及び地球温暖化対策の取り組みを行ってまいります。

 

d.産業廃棄物3Rの実現

当社グループでは、施工段階で発生する廃棄物について、抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)の3Rへの取り組みを行うと同時に、十分な現場調査と実施図面のチェック体制強化等により、是正工事を抑制し、廃棄物の排出削減に取り組んでおります。

 

ハ.社会への取組み

当社グループが運営するフレキシブルオフィス「The Place」では、企業や人、働き方が交わることで新しい価値を生み出すことができる共創の「場」を目指しており、次のような取組みを行っております。

 

(具体的な取組み)

・起業家ネットワーク団体との連携(ベンチャー支援プログラムの発信)

・ベンチャー企業応援プログラム協力社への参画(ワークショップ型のビジネスセミナーの開催)

・自社発信の各種セミナーの開催

(3) リスク管理

全社的なリスク管理は、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対処すべきリスクの絞り込みについては、今後、サステナビリティ委員会と連携を図り、リスク管理体制を強化してまいります。

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年までに16.3%

15.4%

 男性の育児休業取得率

2026年までに30.0%

25.0%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要な影響を与えると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。

当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 法的規制による影響

当社は、建設業法、建築基準法、建築士法、下請法、貨物利用運送事業法等、さまざまな法規制下にあります。そのため、内部統制システムの整備・維持を図り各種法令等の遵守に努めておりますが、当社がこれらの法的規制に違反した場合には、罰金、業務停止その他の制裁が課され、当社グループの社会的評価、信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。今後、さらに規制が強化された場合には、事業活動が制限される可能性があります。

また、当社は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)に基づいて、産業廃棄物処理業者に収集運搬及び処理を委託しております。当社が廃棄物処理法における(委託処理に係る契約書未作成、マニフェスト虚偽記載等)一定の要件に抵触した場合、行政処分等がなされる可能性があり、こちらについても、当社グループの風評、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

なお、当社の事業活動に際して、建設業法に定める建設業の許可を得ております。現在、当該許可が取消しとなる事由はありません。しかしながら、当社が何らかの事情により許可の取消し等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

許認可番号等/有効期間

規制法令

免許取消条項等

特定建設業許可

国土交通大臣 (特-30) 第22593号

2018年12月5日~2023年12月4日

建設業法

第29条

 

 

(2) 過去の廃棄物処理法違反に伴うリスク

当社は、法規制に関する知識不足から、過年度において、工事請負受注に際して排出される建設廃棄物につき廃棄物処理法第21条の3により、元請業者である当社が排出事業者となる旨の認識が不十分であったため、廃棄物の処理業者と直接に廃棄物処理委託契約を締結せず、その結果として、下請となる協力会社を排出事業者として建設廃棄物の処理委託等をしていた期間があります。

本件については、既に当社内にて厳格な法令遵守体制の構築及び再発防止策の策定、関係行政機関に対して上記違反について行政相談を実施する等、過去の法令違反に対する法的リスクの低減に努めております。また、万が一、上記建設廃棄物について適切に処理委託等されず不法投棄されていた事実が発覚した場合、それらにつき当社が排出事業者となる建設廃棄物であると判明したときには、その処分費用の発生可能性があります。現在まで、これらの違反について行政処分や係争、紛争はございませんが、その応対等により、当社グループの風評、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品・施工の欠陥にともなうリスク

当社は、付加価値の高いサービスを提供できるよう努めておりますが、協力会社から納品された製品の欠陥や施工不良により第三者が損害を被った場合、当該製品や施工不良の対応に多大な費用負担を余儀なくされ、契約不適合責任(瑕疵担保責任)に基づく民事賠償責任を負う可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、社会的評価が低下するなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(4) オフィス需要の動向

当社グループは、オフィスの移転や新規事業所の開設を行う見込みの企業等に対して営業活動を行っているため、経済環境の悪化及び企業業績の低迷等による移転や新規事業所の開設の減少、既存顧客からのリピートの減少等により、当社グループの業績が悪化する可能性があります。

 

(5) 売上計上時期の期ずれについて

当社は、工事契約について、取引開始から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合には、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。そのため、当社に起因しない何らかの事情により、工事遅延等が発生した場合、当初予定の売上計上時期がずれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人員の確保と育成

当社グループは、顧客の問題・ニーズに合わせてワークプレイスの提案及びワークプレイスの設計・施工等を行っており、そのために専門性の高い熟練した従業員の確保と育成が必要であると認識しております。しかしながら、かかる従業員の確保と育成ができない場合や、新たに従業員を採用するための費用や人件費が当社の想定を超えて高騰した場合、また、人材の育成が想定通り進捗しない等の理由によりワークプレイスの受注獲得件数が当社の想定通りに伸びない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 現経営陣への依存

当社経営陣は、ワークプレイスの提供に関する豊富な経験と知識を有しており、当社グループの経営方針・利益計画の策定及び執行に対する管理等につき、重要な役割を果たしております。このため、当社は、現経営陣に依存しない体制の構築に努めておりますが、予期せぬ事情により、現経営陣が退任した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 内部管理体制に関するリスク

当社は、企業価値の継続的な向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまいります。しかしながら、業務の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 協力会社への外注

当社は、工事・施工を協力会社に外注しております。協力会社の管理を徹底するよう努めておりますが、万が一協力会社の管理が徹底できないことによる施工品質の低下や現場における事故、廃棄物処理法の違反等の協力会社による不正行為、工事案件の増加や外注費の高騰及び工期の延長等が発生した場合、当社の信用度の低下及び損害賠償責任の負担等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 類似他社との競合リスク

当社グループは、顧客のニーズに対応した付加価値の高いサービスを提供することに全力を挙げて取り組んでおります。類似業界としては内装工事業がありますが、類似他社に対して十分な競争力を確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) システムに関するリスク

自然災害、停電等さまざまな原因により、当社のサーバーがシステムダウンを起こし、業務ができない等の障害が発生する可能性があります。当社では、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しておりますが、万が一想定を超えるシステム障害が発生した場合には、業務負荷に伴い当社サービスの低下等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(12) 新株予約権の権利行使に伴う株式希薄化のリスク

当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対するインセンティブとして新株予約権を付与する可能性があります。これらの新株予約権の行使がされた場合は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(13) 大株主について

当社の代表取締役会長である中村勇人は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社クレドの所有株式数を含めると2023年3月31日現在で発行済株式総数の69.50%を所有しております。同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 新規事業の立ち上げや子会社の設立が売上や利益の拡大につながらないリスク

当社は、事業の拡大及び経営の安定化のため、2021年1月にフレキシブルオフィスビル「The Place Osaka」を開業し、2022年4月に株式会社ワークデザインテクノロジーズ(現連結子会社)を設立いたしました。今後は、事業計画の進捗状況の継続的な把握に努め、必要に応じて計画を修正する社内体制を整えております。しかしながら、事業が計画通りに進捗せず当初期待した収益が得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、計画通り進んだとしても、事業が本格的に稼働し、安定的な収益を生むまでに相当程度の時間を要した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 不動産賃貸に関するリスク

当社は、フレキシブルオフィス「The Place」を運営するため、賃貸等不動産を保有しておりますが、景気動向や経済情勢等により賃料下落や空室区画の増加が発生する可能性があります。また、テナントの退去及び利用状況等によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 減損リスク

当社がフレキシブルオフィス「The Place」を運営するために取得した不動産の時価の著しい低下や事業の収益性が悪化し、回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 災害等により保有物件の価値が毀損するリスク

当社は、フレキシブルオフィスビル「The Place Osaka」を運営するため、大阪府大阪市に固定資産を保有しており、今後は大阪府以外の地域においてもフレキシブルオフィス「The Place」を展開するための固定資産を取得する可能性があります。当該地域を中心に地震、台風、大雨、落雷等の自然災害が発生し、固定資産が毀損・劣化した場合には、復旧に相応の時間と費用等が必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や各種政策などにより経済活動の正常化に向けた動きが見受けられました。その一方で、新型コロナウイルス変異株の感染拡大や、ロシアのウクライナ侵攻によるさらなる原油価格の高騰、また日米の金利差拡大による円安の加速に起因する物価上昇など景気を下押しするダウンサイドリスクも多く、先行き不透明な状況が続いております。

国内におけるオフィスビル賃貸市場においては、東京ビジネス地区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)で竣工1年未満のビルに成約が進んだ一方、大規模ビルが募集面積を残して竣工し、既存ビルでも縮小などに伴う解約があったことで、2023年3月時点の平均空室率は6.41%(2022年3月時点6.37%)と増加いたしました(出所:三鬼商事株式会社「オフィスマーケットデータ」)。また、テレワークやオンラインミーティングの増加などに伴い、オフィスに対する考えや目的が大きく変化しており、オフィスの適正化を図るとともに社員満足度向上を目指す企業が増加しております。

このような経済環境のもと、当社グループにおきましては、成長企業やはたらき方の見直しに積極的な企業を中心に営業活動を行うとともに、はたらき方に関する企業の課題をサポートし、多様化するはたらき方をデザインするワークデザインカンパニーとして企業の成長に貢献してまいりました

以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高13,219百万円、営業利益1,279百万円、経常利益1,263百万円、親会社株主に帰属する当期純利益856百万円となりました。

また、当連結会計年度末における財政状態は、総資産7,958百万円、負債2,957百万円、純資産5,001百万円となりました。

 

各セグメントの経営成績の状況は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントを変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等) 」をご参照ください。

 

イ.ブランディング事業

ブランディング事業では、ワークプレイスデザイン・ウェブデザイン・グラフィックデザインをワンストップで提供しており、多様なマーケティング手法により新規顧客の獲得及び既存顧客へのフォローを継続して行ったことで、高成長企業を中心に受注獲得を行ってまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は12,693百万円、セグメント利益(営業利益)は1,382百万円となりました。

 

ロ.コンサルティング・ワークスタイリング事業

コンサルティング・ワークスタイリング事業では、組織改善サーベイやワークプレイス可視化レポートの販売及び『TSUMUGI』をコンセプトとして多様なはたらき方と価値が創出される場を提供するフレキシブルオフィス「The Place」の運営エリアの拡大を行いました。また、「WORK DESIGN PLATFORM」の開発を行う100%子会社の株式会社ワークデザインテクノロジーズを設立し、コンサルティング領域の拡大に向けた先行投資である研究開発を行ってまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は525百万円、セグメント利益(営業利益)は5百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、4,168百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1,208百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,263百万円、減価償却費76百万円、仕入債務の増加149百万円、前受金の増加150百万円があった一方で、賞与引当金の減少44百万円、未払消費税等の減少65百万円、法人税等の支払額424百万円により減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、376百万円となりました。これは主に敷金及び保証金の回収による収入16百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出84百万円、投資有価証券の取得による支出100百万円、敷金及び保証金の差入による支出192百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、134百万円となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入4百万円があった一方で、配当金の支払額139百万円により減少したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

ブランディング事業

13,107,933

2,084,170

コンサルティング・ワークスタイリング事業

182,516

15,475

合計

13,290,450

2,099,646

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、賃貸収入等の受注を伴わないものは含めておりません。

3.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比を記載しておりません。

 

ハ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ブランディング事業

12,693,995

コンサルティング・ワークスタイリング事業

525,502

合計

13,219,497

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

freee株式会社

1,413,255

10.7

 

3.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比を記載しておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、13,219百万円となりました。これは主に多様なマーケティング手法により新規顧客の獲得及び既存顧客へのフォローを継続して高成長企業を中心に受注獲得を行ったことによるものであります。

 

(売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、9,759百万円となりました。これは主に売上高の増加に伴う外注費の増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度における売上総利益は、3,459百万円となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,179百万円となりました。これは主に人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度における営業利益は、1,279百万円となりました。

これにより、当社が重視する経営指標である売上高営業利益率については、9.7%となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、1百万円となりました。これは主に当社オフィスを用いたメディア撮影の増加に伴う受取手数料0百万円によるものであります。

当連結会計年度における営業外費用は、17百万円となりました。これは主に投資事業組合運用損8百万円、固定資産除却損8百万円によるものであります。

この結果、当連結会計年度における経常利益は、1,263百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、0百万円となりました。これは固定資産売却益0百万円によるものであります。

当連結会計年度における特別損失は計上しておりません。

当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、407百万円となりました。

この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、856百万円となりました。

 

 

② 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、7,958百万円となりました。

流動資産は5,419百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金4,318百万円、売掛金948百万円、仕掛品85百万円、前払費用60百万円であります。

固定資産は2,539百万円となりました。主な内訳は、建物771百万円、土地1,127百万円、敷金及び保証金295百万円、繰延税金資産115百万円であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は、2,957百万円となりました。

流動負債は2,925百万円となりました。主な内訳は、買掛金1,474百万円、未払費用321百万円、未払法人税等278百万円、前受金664百万円であります。

固定負債は31百万円となりました。主な内訳は、その他に計上している長期預り保証金28百万円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、5,001百万円となりました。主な内訳は、資本金524百万円、資本剰余金499百万円、利益剰余金3,977百万円であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資やフレキシブルオフィス「The Place」を展開するための不動産の取得等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、新規事業計画及びこれに付帯する不動産購入、設備投資計画に基づく中長期の資金需要が生じた場合には、銀行借入により必要資金を調達することとしております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,168百万円であり、当社グループの事業を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

また、当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものはありません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「はたらく人々を幸せに。」をPurpose(存在意義)とし、『はたらく』に関連するサービスをワンストップで提供しております。今後、コンサルティング領域を拡大するため、オフィスや従業員エンゲージメント等を主なサービスとするワークデザインプラットフォームの研究開発活動等を行っております。

当連結会計年度における研究開発費は22百万円であります。