文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「全てがWINの世界を創る」を経営理念とし、以下を「Win-Winの5つの約束」として掲げております。
①クライアントのために、お互いの利益増幅を最適化
②サービスとエンドユーザーのWinな関係
③組織の中のWinな関係
④会社と社員が相互Happyな関係
⑤自己と周りの相互Winな関係
この経営理念のもと、「Smart Marketing for Your Life」をビジョンとし、テクノロジーによる最適化だけでなく、人々の生活をいかに豊かに幸せにできるかを考え、人に寄り添う「マーケティングイノベーション」を起こすことで、「すべての人に価値ある体験を創りつづける」というミッションを達成してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標は、当社が事業の拡大及び収益性の向上を特に表す指標と考えている営業利益、営業利益率であります。
中期的な事業拡大と収益率向上により企業価値の向上と株主価値の向上を図ってまいります。
(3)経営環境及び中長期的な経営戦略
当社グループは、主要な事業領域をヘルスケア&ビューティ及び食品市場とし、ECにおけるマーケティング支援を提供してまいりました。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場は、景気の影響を受けにくく、加えてシニア人口の増加に伴う、セルフメディケーション(ヘルスケア)、アンチエイジングといった健康・美容志向の高まりなどを受け、拡大傾向にあります。国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)、世界の越境EC市場規模は2020年0.9兆ドルから2027年には4.8兆ドルに拡大することが予想(「ZION Market Research」発表データ)され、必然的にマーケティングコストの拡充も見込まれるため、当社グループは当市場を主要な事業領域と設定しておりました。
しかし、昨今、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の広告は、効果効能を誇大に表現したものや消費者に誤解を与えるような表現を用いたブラック広告が蔓延したことにより、景表法・薬機法の規制が強化され、各大手ネットワークの自主審査基準も法令以上に厳しさを増しました。
当社グループは、800社以上のマーケティングデータが蓄積されたDMPとAIを連携させ、クライアントの商材と類似する複数のマーケティング事例をもとに、マーケティングの最適化を図り、クライアントのKPIを保証する「KPI保証サービス」を中心にサービスを展開してまいりました。KPI保証サービスでは、過去のマーケティングデータを活用することで、クライアントの商品をヒット商品に育成し、クライアントと当社グループの成長を同時に目指すことで、Win-Winの関係を構築してまいりました。
しかし、前述の規制強化をはじめとした市場環境の変化により、広告のクリエイティブが大きく変化し、過去データを活用したマーケティングの効果が薄れたことにより、クライアントの商品を大きくヒットさせることが困難な状況が続いております。
この状況を受け、当社では成長戦略として「通販DXサービス」「異業種展開(マーケティングDXサービス)」「新規事業」の3軸に注力し、安定成長を目指します。
①通販DXサービス
当社グループでは、法令に則った安全性の高い広告を提供してきたため、クライアントからの引き合いは増加したものの、以前のようなヒット商品を創出するには至らず、クライアントと当社グループを再び成長軌道にのせるため、「通販DXサービス」の提供を開始しました。「通販DXサービス」では、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、TVCM効果を可視化するサービス「CM-UP」や、オフライン広告とWebを連動するサービス「オフラインDX」、ミドルファネル施策、インフルエンサー施策、LINEマーケティング施策、公式SNSアカウント運用、インフォマーシャル等のサービスの提供を開始しております。また、これらのデータを一気通貫で可視化・分析し、マーケティングの最適化を図り、Webを中心としたKPI保証の新規顧客の獲得や既存顧客の育成の効率を向上させることも可能です。Web中心の施策だけでなく、幅広い施策を展開することで、消費者の商品への理解・関心を促進し、クライアントと当社グループの成長及び消費者への価値ある体験の提供を目指します。
②異業種展開(マーケティングDXサービス)
「通販DXサービス」は、サービス毎に提供・分析が可能であることから、「マーケティングDXサービス」として、異業種への展開を推進してまいります。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場から異業種に展開することで、市場環境の変化に影響されないビジネスモデルを構築してまいります。
また、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場のマーケティングは異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性となります。加えて当社グループが今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウ、高い分析力を強みとして、異業種に展開し、当社グループの2つ目の軸として安定成長を目指します。
③新規事業
新規事業として立ち上げた、エンタメDX事業をはじめとした、新規分野にも積極投資することで、新たな収益源の確保を目指します。当社のノウハウや知見を活かすことのできる分野を常に模索し、粗利率の高いビジネスモデルを確立することで、収益性の向上を目指します。
以上の3軸に注力することで、再成長を目指してまいります。
経営者の問題認識につきましては、「(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおきましては、以下の点を主な経営課題と認識しております。
①グループシナジーの更なる追求
ヘルスケア&ビューティ及び食品市場と、その事業領域におけるマーケティングに関連するテクノロジー市場は、環境変化の激しい状況が続くと見込んでおります。当社グループはアジアにおけるEC支援を行う比智(杭州)商貿有限公司、主に「RESULTシリーズ」の開発保守を行うPIATEC(Thailand) Co., Ltd.、主にコールセンター業務を行う株式会社PIALab.、主に越境EC事業に伴う輸入請負販売代行、物流支援、貿易業務、広告業務を行う台灣比智商貿股份有限公司、CHANNEL J (THAILAND)Co., Ltd.、PG-Trading(Vietnam)Co., Ltd.、ファンドを運営し、同領域のD2C企業や通販企業を対象に投資を行う株式会社ピアラベンチャーズ、投資業務を行うピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合、D2C・P2Cの規格、販売及びサポート業務を行う株式会社P2Cの子会社9社により構成されております。 当社グループは、グループ各社が自律的な意思決定を行うことで、スピード感のある事業運営を実現しております。併せて、同領域において、データを中心としたEC向けマーケティングテックにおける競争力の強化を主軸に、アジア市場に向けてのEC支援事業の展開及びマーケティングテックの開発にあたり、更なるシナジーを創出し、当社グループのもつ経営資源の効率的な活用を推進してまいります。
②既存事業の安定成長
当社グループは独自のEC向けマーケティングテックとデータを活用したEC支援事業を「KPI保証」型にて提供し、収益を創出してまいりました。ノウハウが確立されてきたことで、クライアントごとの成果向上にもつながっておりましたが、昨今の景表法・薬機法の規制により、売上・収益を大きく牽引するような大ヒット商品が発生しにくくなっております。今後も引き続きAIを中心としたテクノロジーを導入し、EC向けマーケティングテックの開発やプライベートDMPの強化を推進し、ビジネスの基盤を拡充することで、新規ヒット率の向上及び既存顧客の販売高引上げに注力する一方で、取引社数を増加させることで、大ヒット商品に依存しない事業体制を構築し、安定収益を創出してまいります。
③事業領域の拡大
当社グループは新規顧客獲得や既存顧客の育成の成果を保証するマーケティング支援「KPI保証サービス」を中心に、成長してまいりました。KPI保証サービスでは、商品の購入を促す刈り取り施策を中心に提供してまいりましたが、今後は消費者が対象商品に対して、認知から興味・関心を喚起し理解を深めていただくことで購入につなげるマーケティングソリューションとして「通販DXサービス」を提供してまいります。具体的には、運用型TVCMやミドルファネル施策、インフルエンサー施策、オフラインDX、LINEマーケティングDX、企業の公式SNSアカウント運用等を提供及び分析・最適化をするシステムを提供しております。今後、通販DXサービスの提供に新たな収益源の確保だけでなく、既存事業の成長も促進してまいります。
④異業種への展開
当社グループは、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場を中心にサービスを提供してまいりましたが、通販DXサービスは、サービス毎に提供・分析が可能であることから、「マーケティングDX」サービスとして、異業種への展開を推進してまいります。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場のマーケティングは異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性となります。また、当社グループが今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウ、高い分析力は異業種においても強みとなることが見えてまいりました。今後は、積極的に異業種に展開しながら、データを蓄積し「KPI保証サービス」の提供も検討してまいります。
⑤新規事業投資
当社グループは、さらなる成長を目指すため新規事業に積極的に投資してまいります。新規事業として立ち上げたエンタメDX事業をはじめとした、成長性があり当社グループの知見が活用できる分野に投資することで、収益の確保を目指します。
⑥収益性の更なる向上
当社グループは、「KPI保証サービス」を中心に成長してまいりましたが、今後は、事業領域を拡大する「通販DXサービス」、異業種への展開を推進する「マーケティングDX」、「新規事業」を注力分野とし、この3軸で成長を目指します。既存事業である「KPI保証サービス」で安定収益を確保し、高粗利率である3軸の注力分野で収益性を向上させ、持続可能な成長を目指します。
⑦優秀な人材の確保
当社グループは、更なる事業拡大を実現していく上で、優秀な人材の確保が必要不可欠であると認識しております。このため、即戦力となる人材確保を目的とした中途採用及び将来を担う社員の育成と組織の活性化を目的とした新卒採用を積極的に行ってまいります。
新卒採用に関しては、オンラインにて就労体験が可能な「クラウドインターン」制を導入し、学年や居住地を問わず学生達との接点を拡充し、その採用活動の強化を図ってまいります。
また、事業状況に合わせ、年齢や国籍等に制限なく、高いスキルや潜在的な能力を持つ人材を積極的に登用してまいります。
⑧情報セキュリティ体制の更なる整備
当社グループは、顧客と取引を行うにあたり、顧客情報、個人情報及び営業機密等の機密情報を取り扱うことがあります。
情報セキュリティ体制の整備を引き続き推進していくとともに、情報の取り扱いに関する社内規程の適切な運用、役職員の機密情報リテラシーの向上、役職員による機密情報の取り扱いに関する内部監査等を通じ、情報セキュリティ体制の強化を図ってまいります。
⑨内部管理体制の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用・監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実及び経営管理のDX化を進めることで迅速かつ適切な経営判断を行ってまいります。
⑩システムの安定性の確保
当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、安定した事業運営を行うにあたり、国内外での市場シェア拡大や新規プロダクトの提供、新規海外拠点の設立等を念頭に置いた、サーバー設備の増強や負荷分散システムの導入等が必要不可欠であると認識しております。今後も、中長期的な視点から設備投資を行い、システムの安定稼働及びセキュリティ管理体制の維持構築に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示することとしております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、その発生の予防・回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境について
①ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の動向及び競争環境について
当社グループが主たる事業を展開する、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場は着実に成長を続けており、同市場が引き続き拡大することが、成長のための基本的な前提と考えております。しかしながら、マーケティング予算の減額、同市場を巡る新たな規制の導入や何らかの予期せぬ要因により、市場規模が想定したほど拡大しなかった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、依然として激しい競争環境の中で、当社グループは競争優位性を確立し競争力を高めるべく様々な施策を講じております。しかしながら、必ずしもこのような施策が奏功し競争優位性の確立につながるとは限らず、その場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
②検索エンジンへの対応について
当社グループの事業において、「Yahoo!JAPAN」や「Google」等の主要なメディアが定期的に行なう、検索エンジンのアルゴリズムの判定要素の更新については、その判定要素が対外的に公開されていないため、その更新への対応を適時適切に行なう必要があります。しかし、その更新への対応が適切でなかった場合、あるいは更新への対応が遅れた場合等には、広告露出等の減少が予測されることで、当社グループの期待する利益が確保できなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業内容について
①「KPI保証」型による契約形態を展開するリスクについて
当社グループの主たるサービスである、「ECマーケティングテック」による売上は主に「KPI保証」型による契約形態をとっております。これは、当社の行なうEC支援により、クライアントの得るマーケティングの成果に基づいて当社が請求を行なう契約形態であり、クライアントとの契約段階においては受注が確定していますが、マーケティングの成果が確定しない限り当社の売上高は確定いたしません。
さらに、原価は主にCPC(クリック単価)であるのに対し、売上は「KPI保証」により固定された成果報酬になりますので、原価と売上のチャージ基準が異なり、利率は確定いたしません。
このため、当社グループは、クライアントに対するマーケティングの成果を出す為に、ヘルスケア&ビューティ及び食品領域にかかるDMPの更なる蓄積と、AIを活用した「RESULTシリーズ」の機能強化等に注力しております。また、「KPI保証」は獲得件数に関する保証をしないことや、見込まれたマーケティングの成果が出なかった場合のコストカットルールを社内に設ける等によりリスクのコントロールをしております。
しかしながら、これらの蓄積や機能強化が進まなかった場合及び、リスクコントロールが機能しなかった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
②「通販DXサービス」の進捗について
当社グループのサービスである、「通販DXサービス」は受注から企画・制作に時間を要することに加えて、クライアントのキャンペーン時期等に合わせて施策を打つことが多いため、売上計上時期をコントロールすることが難しいものであります。複数のプロジェクトにおいて、売上計上が後ろ倒しになった場合、一時的に当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
③技術革新への対応について
当社グループのサービスは、インターネット関連技術に基づき事業展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。また、広告を表示するデバイス面においては、スマートフォンやタブレットなどの端末の普及が急速に進んでおり、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。
このため、当社グループは、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備、またマーケティングに関する技術、知見、ノウハウの取得に注力しております。
しかしながら、係る知見やノウハウの獲得が困難な場合、また技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。さらに、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社グループの技術力低下、それに伴うサービス品質の低下、そして競争力の低下を招き、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
④システムリスクについて
当社グループの事業は、そのサービスを、サーバーを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客に提供しております。これらのサービスにおいては、システムの増強やバックアップ体制の強化など安定稼動のために常に対策を講じております。
しかしながら、機器の不具合、自然災害、想定を超える急激なアクセス増、コンピュータウィルス等によりコンピュータシステムや通信ネットワークに障害が発生したり、不正なアクセスによりプログラム等の内容が改ざんされた場合、サービスの停止を余儀なくされる場合等の状況によっては顧客からの信用が低下したり損害賠償を請求されたりするなど、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤新規事業について
当社グループは、今後も持続的な成長を実現するために、新規事業の創出と育成に取り組んでいきたいと考えております。しかしながら、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合は、当社グループの事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。
⑥景気動向の変動等について
当社グループが扱う広告は、市場変化や景気動向の変動によりクライアントが広告費用を削減する等、景気動向の影響を受ける可能性があります。また、クライアントの経営状態の悪化等により、広告代金の回収が不能になる場合があります。このような状況となった場合、当社グループのサービスに対する需要が減退すること等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を与える可能性があります。
(3)組織体制について
①人材の確保及び育成について
当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材を採用し育成することは当社グループにとって重要な課題であると認識しております。したがって、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っております。しかしながら、事業内容の急速な変化、事業規模の急拡大に伴う業務量の増加及び人材マーケットの需給バランスやその他何らかの要因により、必要な人材の確保や育成ができなかった場合、もしくは重要な人材の流出等が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
②特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である飛鳥貴雄は、当社の創業者であり、最高経営責任者であります。同氏は、インターネット広告におけるサービスの開発技術及びそれらに関する豊富な経験と知識を有しており、技術的判断、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社グループでは、取締役会や経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。
しかしながら、現状では何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
③内部管理体制について
当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るためにはコンプライアンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令・ルールの遵守及び定期的な内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかし、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生する可能性は完全には排除できないため、これらの事態が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
①個人情報保護について
インターネットを規制する国内の法律として「個人情報の保護に関する法律」があります。当社グループは、SSP、DSP、DMP等のサービスのプラットフォームを通じて、Cookie(クッキー)技術を利用し、当社グループと提携するWebサイトを閲覧したユーザーの行動履歴(アクセスしたURL、コンテンツ、参照順等)等を取得する可能性があります。
今後、インターネット広告に関するサービスを提供するうえで新たな法律の制定や既存の法律が改正されたり、自主規制が求められたりした場合には、サービスの提供が制約を受け、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
②法規制について
当社グループは、電気通信事業法、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)、医療広告ガイドライン等の法令規則及び諸規制の適用を受けております。今後、適用を受けている法令の改正や新たな法令の制定等が行われ、又は既存の法令等の解釈に変化が生じたり、もしくは、法令等に準ずる位置付けで業界内の自主規制が制定されその遵守を求められたりするような状況が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
③知的財産権について
当社グループでは、第三者の知的財産権侵害の可能性については調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループのサービスにおいて、知的財産権侵害の可能性を完全に排除することは困難であります。何らかの事情により当社の保有する知的財産権について、侵害があった場合もしくは他社の知的財産権を侵害し、差止請求もしくは損害賠償請求を受けた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
④不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社グループは、顧客に提供する価値を担保するために、当社グループが配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、景表法、薬機法、健康増進法並びに著作権法等の各種法令により一定の制約が掛けられており、広告を実施する事業者としてはこれらの法令に抵触することがないよう、広告内容の適法性の確保を図る必要があります。また、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引を行わないよう努めております。
しかしながら、万一、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じた場合、顧客への損害補填が必要となる等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤クライアントの広告停止等について
ヘルスケア&ビューティ及び食品市場における広告は景表法・薬機法の規制を受けており、これらに違反すると、広告停止を命じられる場合があります。前項のとおり、当社グループでは監視体制を強化し法令遵守を徹底しておりますが、クライアントの利用している他の広告会社が当社クライアントの広告で違反をした場合、クライアントが広告停止を命じられる場合があり、当社グループとの取引に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥広告媒体・各ネットワークの自主審査基準について
景表法・薬機法の規制強化を受け、広告媒体や各ネットワークにおいても自主審査基準が法令以上に厳しくなっております。過去のクリエイティブが利用できなくなる等、広告効率が一時的に悪化しておりますが、今後もさらにこれらの自主審査基準が強化された場合、サービスの提供が制約を受け、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦訴訟の可能性について
当社グループはシステムの障害や重大な人為的ミス等の予期せぬトラブルが発生した場合、また、取引先との関係に何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。損害賠償の金額、訴訟の内容及びその結果によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
⑧自然災害等について
当社グループの事業活動に必要なサーバーについては、自然災害、事故等が発生した場合に備え、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めております。
しかしながら、万一、当社本社の所在地である東京都において大地震や台風等の自然災害や事故等により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社グループが提供するサービスの継続に支障をきたす場合があります。また、損壊を被った設備等の修復や被害を受けた従業員に対する補償等の費用が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザ等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当社グループ内でクラスターの発生による事業活動の停止が長期にわたって発生した場合及び顧客の属する業界に影響を及ぼした場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨海外事業展開について
当社グループは、国内のほかアジア地域を中心に、グローバル展開を行っており、子会社を設立しております。各国の経済環境の動向や法規制等の予期せぬ変化や新型コロナウイルス感染症への対応等が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩配当政策について
当社は、利益配分につきましては、今後の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
しかしながら、当社は引き続き成長過程にあるため、M&Aや資本提携、人材への投資や売上成長をもたらす戦略的なマーケティング投資等の成長投資を最優先としております。今後も業績や成長投資等を総合的に勘案しながら安定した配当を実施してまいります。
⑪ストックオプションの行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社従業員、当社子会社の取締役及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストックオプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストックオプションを発行する可能性があります。これらのストックオプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。2022年12月31日現在、これらのストックオプションによる潜在株式数は147,920株であり、発行済株式総数7,118,560株の2.1%に相当しております。
⑫継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度において2期連続で営業損失を計上していることにより、継
続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が発生していると認識しております。
これは主に、景表法・薬機法の規制等による広告効率の悪化や、中国におけるロックダウンの長期化による子会社
の不調によるものであります。このような状況の下、当社グループでは成果報酬での「KPI保証サービス」からサー
ビスを拡張した「通販DX」、異業種へのサービスを展開する「マーケティングDX」、「新規事業」の3軸で再成長を
図るべく、社内リソースの適材配置等を実施しております。
「通販DX」ではブランディング広告やTVCM、インフルエンサー施策等、従来であれば効果測定が難しかった施策に
対し、クライアント独自のDMPを構築し「RESULT MASTER」と連携することで、可視化・分析が可能となります。TVCM
効果を可視化するサービス「CM-UP」や、オフライン広告とWebを連動する「オフラインDXサービス」、ミドルファネ
ル施策、インフルエンサー施策、LINEマーケティング施策、公式SNSアカウント運用、インフォマーシャル等のサー
ビスを提供し、これらのデータを一気通貫で可視化・分析します。これらのサービスにより、消費者にクライアント
商品を認知させ、興味・関心を促進することで、新規顧客の獲得を促すことが可能となり、各種施策を相関分析する
ことでマーケティング全体を最適化することができます。Webを中心としたKPI保証サービスを通じた新規顧客の獲得
や既存顧客の育成の効率も、これら施策と組み合わせることで相乗効果を期待することができます。
また、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場を中心にこれらのサービスを提供してきたものを異業種展開する「マ
ーケティングDX」は、不動産や人材等の高額商材を取り扱う市場を中心にニーズが高まっております。ヘルスケア&
ビューティ及び食品市場のマーケティングは異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性と
なります。また当社が今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウや高い分析力が強みとなり、受注は堅
調に推移しております。異業種展開を加速化するために専門部署を設置し、新たな収益源として確立してまいりま
す。
3軸目である新規事業につきましては、エンタメDX事業や子会社である株式会社P2Cで行うD2C・P2C支援事業を中
心に新たな収益を確立するための事業として注力しております。
また財務面では、取引銀行との当座貸越契約等により必要な運転資金を確保しており、金融機関とも緊密な関係を
維持していることから資金繰りの懸念は無いものと考えております。
以上のことから、現時点で当社グループにおいて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと
判断しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、2022年12月期の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、遡及適用後の数値で前期比較を行っております。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度における売上高は11,775,448千円(前年同期比0.8%増)となりました。これは規制等の影響によるヘルスケア&ビューティ市場におけるKPI保証サービスの鈍化に対して、通販DXサービスや異業種展開(マーケティングDX)の成長で補うことを想定し、この点については概ね計画通りに推移した一方で、中国ロックダウン等による一過性の影響もあり、KPI保証サービスが想定以上に伸び悩んだことに起因するものであります。
売上総利益は、2,159,942千円(前年同期比10.3%増)となりました。これは粗利率の改善により売上原価が9,615,505千円(前年同期比1.1%減)と減少したことによるものであります。
営業損失は、110,771千円(前期は営業損失136,052千円)となりました。これは業容拡大に伴う人件費や営業経費の増加により、販売費及び一般管理費を2,270,714千円(前年同期比8.4%増)計上したことによるものであります。
経常損失は、131,470千円(前期は経常損失111,504千円)となりました。これは営業外収益として為替差益37,237千円及び補助金収入9,632千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損49,856千円、支払利息12,752千円及び持分法による投資損失9,244千円を計上したことによるものであります。
税金等調整前当期純損失は、276,395千円(前期は税金等調整前当期純損失255,387千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、232,577千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失259,815千円)となりました。これは主に、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定を減損処理したことなどによる減損損失145,903千円を計上したことによるものであります。
なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(2)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ121,025千円増加し、3,805,184千円となりました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ290,687千円減少し、1,053,847千円となりました。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ169,661千円減少し、4,859,032千円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ413,896千円増加し、2,870,001千円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ261,408千円減少し、378,416千円となりました。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ152,488千円増加し、3,248,418千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ322,150千円減少し、1,610,614千円となりました。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ180,223千円減少し、当連結会計年度末には2,136,064千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は157,256千円(前連結会計年度は430,205千円の資金の支出)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失276,395千円の計上に対して減価償却費の計上額を145,135千円、減損損失の計上額を145,903千円調整したことに加え、未払金の増加30,287千円及び未払消費税等の増加28,300千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は190,571千円(前連結会計年度は396,579千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入130,782千円があった一方で、短期貸付金の純増額128,210千円及び無形固定資産の取得による支出146,945千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は204,011千円(前連結会計年度は515,059千円の資金の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出312,549千円があった一方で、短期借入金の純増額530,000千円があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループ全体における生産及び受注実績の金額的重要性が乏しく、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。
(2)受注実績
当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、「(1)生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはEC支援事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
|
サービスの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
ECマーケティングテック |
10,039,642 |
5.8 |
|
広告マーケティング |
1,246,909 |
△36.9 |
|
その他 |
488,896 |
128.6 |
|
合計 |
11,775,448 |
0.8 |
(注)1.サービス間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
プレミアアンチエイジング㈱ |
2,080,458 |
17.8 |
1,677,054 |
14.2% |
|
㈱アイム |
1,214,934 |
10.4 |
1,086,666 |
9.2% |
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(2)当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、「ウィズコロナ」への転換が進み、正常な経済活動が戻りつつありました。一方で、ウクライナ情勢や中国におけるロックダウンの長期化等による原材料価格の上昇や物流の停滞、外国為替市場での急激な円安・ドル高及び物価高騰による影響で、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
国内EC市場規模は2020年20兆円から2026年には29兆円に拡大(「ITナビゲーター2021年版」発表データ)、世界の越境EC市場規模は2020年0.9兆ドルから2027年には4.8兆ドルに拡大することが予想(「ZION Market Research」発表データ)されており、国内外においてEC市場規模は急速に拡大しております。
当社グループの主要な事業領域であるヘルスケア&ビューティ及び食品市場においては景表法・薬機法等の規制が厳しくなるだけでなく、媒体側での審査も厳しさを増しており、今までであれば可能であった広告表現や法的に問題がないクリエイティブにも規制が入るようになり、違反広告が淘汰される一方で、広告効率の悪化が見られました。また、CPC(クリック単価)の高騰や、Cookie規制によるリターゲティング広告の減少により、Webマーケティング広告は粗利率の低下を余儀なくされ、当社グループの取引先である化粧品等を取扱うD2C企業においても、広告効率の悪化等により収益の停滞が見られました。
このような状況下において、当社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念のもと、「Smart Marketing For Your Life」をビジョンに、クライアントのオールデータパートナーとなるべく、ヘルスケア&ビューティ及び食品市場の通販DX事業を軸に、事業開発から商品開発、インフラ整備、ブランディング、オンライン・オフラインでの新規顧客の獲得から既存顧客の育成等を、一気通貫の専門ソリューションとして提供してまいりました。また、「通販DX」「異業種展開(マーケティングDX)」「新規事業」の3軸を成長戦略とし、さらなる成長を目指しました。
既存事業におきましては、前述の景表法・薬機法の規制強化やCPC(クリック単価)の高騰等の影響により、従来の手法でのヒット商品の創出が困難であり、成長戦略の1軸目である「通販DX」に注力しました。「通販DX」では、今まで主力であったWebでの顧客獲得施策である「KPI保証サービス」から、ブランディング広告やTVCM等にも事業領域を拡大し、オンライン・オフラインのデータを一気通貫で分析し広告効果を効率化します。分析環境の構築を実施しつつ、サービス別ではオフライン広告とWebを連動する「オフラインDXサービス」、ミドルファネル施策、インフルエンサー施策、LINEマーケティング施策に注力し「通販DXサービス」の売上は堅調に推移しました。各サービスと分析環境の構築を組み合わせることで、「KPI保証サービス」においても伸長しているクライアントが複数発生しています。2022年12月には効果を数値化しにくいトップファネルやミドルファネルの効果測定を可能にしたツール「PIALA Intelligence」を開発し、来期以降SaaSツールとして販売するための準備を進めました。
一方で、当社の主要取引先であるヘルスケア&ビューティを取扱うD2C企業は、広告効率の悪化等により売上の鈍化が見られ、広告予算が縮小され当社の業績に影響を及ぼしました。また、長期化した中国での厳重なロックダウンは、当社グループの中国での事業展開を鈍化させただけでなく、一部の取引先のサプライチェーンに影響を及ぼし、物流の遅延や商品不足等が一時的に発生したことから、マーケティングの縮小を余儀なくされました。
2軸目の成長戦略である「異業種展開(マーケティングDX)」につきましては、人材や金融、不動産市場等を中心に展開しました。ヘルスケア&ビューティ及び食品市場のマーケティングは、異業種と比較し高速PDCAが実施されており、そのスピード感が優位性となります。当社が今まで培ってきたダイレクトマーケティングのノウハウや高い分析力が強みとなり、受注は堅調に推移しました。
また、以前取得した美容系メディアを活用した営業により、美容医療クリニックやジムへのマーケティング支援のニーズが顕在化し、今後の成長が期待できる分野として注力した一方で、広告費用を保有しつつも消化しきれていない中小企業に対して、メディア経由で営業することが効果的であったため、異業種メディアの開拓・開発を進めました。
3軸目の成長戦略である「新規事業」につきましては、エンタメDX事業のクリエイターエコノミー支援プラットフォーム「サイバースター」のグランドオープンに向けて機能やコンテンツの拡充を図りました。しかし、システムの大幅な変更等により開発が想定よりも遅延し、グランドオープンが後ろ倒しになり、投資が先行したことにより利益を圧迫する要因となりました。一方で、期間限定アウトレット催事イベント「FASHION BRAND STAGE by Cyberstar」を開催し、サイバースター経由で開場前に入場できるフライングパスの販売や入場時間の事前予約、抽選機能を活用したクーポンの配布等を実施しました。
投資関連では、連結子会社である株式会社ピアラベンチャーズにおいて設立したファンド「ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合」よりSOELU株式会社(以下、「SOELU」)に投資を実行いたしました。SOELUは、オンラインフィットネスをサブスクリプション型で提供している企業で、当社からは資金援助だけでなくマーケティング支援も提供します。これにより、投資先企業の成長の最大化及び当社の既存事業への収益寄与が期待できます。
また、連結子会社である株式会社P2C(※)においては、来期以降の本格稼働に向け、複数の商品企画や販売準備を進めました。
※ 株式会社P2C P2C(個人が自身で企画・生産した商品を、流通業者を介さずに、消費者へ直接販売する取引形態)やD2C(メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、流通業者を介さずに、自社サイトで直接消費者に販売する取引形態)を支援する会社
一方で、成長を加速させるため、一部の子会社において不採算事業の見直し・縮小を実施しました。
連結従業員数については、2021年12月末191名に対して180名(2022年12月末現在)と推移している他、報酬制度を含む人事制度の運用の改善を図るとともに、専門学校、大学及び大学院の学生を対象に、新たな人材の育成を目的としたインターンシップを推進しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は11,775,448千円(前年同期比0.8%増)となりました。これは規制等の影響によるヘルスケア&ビューティ市場におけるKPI保証サービスの鈍化に対して、通販DXサービスや異業種展開(マーケティングDX)の成長で補うことを想定し、この点については概ね計画通りに推移した一方で、中国ロックダウン等による一過性の影響もあり、KPI保証サービスが想定以上に伸び悩んだことに起因するものであります。
売上総利益は、2,159,942千円(前年同期比10.3%増)となりました。これは粗利率の改善により売上原価が9,615,505千円(前年同期比1.1%減)と減少したことによるものであります。
営業損失は、110,771千円(前期は営業損失136,052千円)となりました。これは業容拡大に伴う人件費や営業経費の増加により、販売費及び一般管理費を2,270,714千円(前年同期比8.4%増)計上したことによるものであります。
経常損失は、131,470千円(前期は経常損失111,504千円)となりました。これは営業外収益として為替差益37,237千円及び補助金収入9,632千円を計上した一方で、営業外費用として投資事業組合運用損49,856千円、支払利息12,752千円及び持分法による投資損失9,244千円を計上したことによるものであります。
税金等調整前当期純損失は、276,395千円(前期は税金等調整前当期純損失255,387千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、232,577千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失259,815千円)となりました。これは主に、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定を減損処理したことなどによる減損損失145,903千円を計上したことによるものであります。
(3)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ121,025千円増加し、3,805,184千円となりました。主な要因としましては、現金及び預金の増加180,223千円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ290,687千円減少し、1,053,847千円となりました。主な要因としましては、投資有価証券の減少208,465千円、ソフトウエア仮勘定の減少87,935千円及びソフトウエアの減少44,612千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ169,661千円減少し、4,859,032千円と なりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ413,896千円増加し、2,870,001千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が55,002千円減少した一方で、短期借入金が530,000千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ261,408千円減少し、378,416千円となりました。主な要因としましては、長期借入金の減少257,575千円であります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ152,488千円増加し、3,248,418千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ322,150千円減少し、1,610,614千円となりました。これは主に、これは主に親会社株主に帰属する当期純損失の計上232,577千円及び利益剰余金の配当34,781千円により利益剰余金が267,358千円減少したことに加えて、その他有価証券評価差額金の減少41,700千円及び自己株式の取得20,433千円によるものであります。
(4)キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりです。
当社グループは、必要な資金を主に自己資金及び金融機関からの借入で賄っております。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスを効果的に拡大していくための外注費及び人件費です。投資を目的とした資金需要は、設備投資及び業務提携による関係強化等を目的とした戦略的投資によるものです。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。