第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、設立以来、「思いやり・信頼・感謝」というキーワードを経営理念とし、「お客様・社員・家族・地域社会・環境への思いやり」、「会社・技術・社員への信頼」、「お客様・家族・仲間・仕事への感謝」を標榜し、解体事業を「環境ビジネス」の一環と捉え、社業を通じて人にやさしい環境づくりに貢献していくことを企業理念としております。この企業理念・経営理念の下、当社の持続的な企業価値向上に努めると共に、社業を通じて持続可能なエコ社会の実現を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略

当社は、2018年12月に東京証券取引所ジャスダック市場に上場を果たすことができ、名実ともに新たなステージへの第一歩を踏み出すことができました。この上場を機に、2020年5月に新たな中期計画TANAKEN“ビジョン100”を策定し、5年先を目途とした“当社のあるべき姿”を示すと共に、当面の売上目標100億円の早期達成を目指すことといたしました。営業戦略としては、当社成長戦略として掲げている、

1. 既存取引先との深耕と新規顧客の開拓

2. 大型再開発案件及びマンション・公団等の建替え案件の獲得

3. 新たな潮流を捉え、地方案件も含めた新たな解体需要の案件化

4. 官庁市場への参入

の4点を引き続き推進してまいります。また、長年かけて築き上げてきた当社のビジネスモデルである“相談を起点とした営業の好循環”を維持拡大することにより、当社の安定的な業容拡大を支えるリピート顧客の拡充を図り、また、当社の良好な収益基盤を支える“元請工事比率”の維持・拡大を図っていくことで、計画の達成と当社の持続的企業価値向上に努めてまいります。

 

(3) 経営環境

当社の属する建設業界は、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で、一部で建設工事の中断や延期、新規現場の着工延期等が発生するなど、先行きの不透明感が増してきております。また、建設労働者の需給は依然として逼迫しており、コスト面でも不安の残る状況となっております。当社が専業とする解体市場においても、同様な不透明感が続くものと思われます。しかし乍ら解体市場は、老朽化した建築構造物が今後増加していくことは自明であり、また、防災・減災意識の高まり、ネット社会到来に伴う産業構造の変化、少子高齢化に伴う都市の再生・コンパクトシティ化の流れ等、潜在的な解体需要は今後益々増加することが見込まれ、経済の悪化に伴う一時的な減速は起こり得るものの、中長期的には底堅く推移して行くものと思われます。
 なお、当社におきましては、現時点で新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響は見られておりませんが、先行きについては不透明であることから、現時点で入手し得る適正かつ合理的であると判断する一定の条件に基づき事業計画を策定しておりますが、今後の事業環境の推移を注視し、見直しが必要と判断した場合には適時開示してまいります。

 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

上記の基本方針・経営戦略並びに経営環境を踏まえ、対処すべき課題を抽出し、課題に対処するための各種施策を実施し、競争力の強化、経営全般にわたる一層の効率化を推進し、当社の持続的な企業価値の向上に繋がる経営基盤の強化を図ってまいります。

 

①営業力の強化

引続き再開発・団地再生案件等への営業強化、地方案件への対応力強化、新たな営業ソースの開拓に注力すべく、営業人員の更なる増強を図ってまいります。特に、地方案件の専担部署として工事第4部を新設し、また、関西地区在住の営業部員並びに技術者を拡充し、大阪営業所の活動強化を図ってまいります。

 

②施工管理及び現場バックアップ体制の強化

中期計画の売り上げ目標100億円の早期達成に向け、中期計画の技術者着地人員60名の早期確保に注力します。(2021年3月末 現場技術者数46名)また、稼働中の現場ITサポートシステムの稼働充実・運用強化を図り、現場事務の効率化、現場管理のマニュアル化、現場情報の共有化・見える化、当社施工ルールの徹底、過去の事故事例における再発防止策の確認等の徹底を図り、施工管理・安全管理の均質化や生産性の向上を更に図ってまいります。

 

③技術開発部の活動強化

引続きBIM(注)三次元モデルの更なる活用強化により、図面の整合性・作業時間の短縮を図り、設計・見積の生産性の向上に努めると共に、三次元図書による提案力の強化を図って参ります。

(注)BIM(Building Information Modeling:コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに建築物のデータベースを追加して行き、あらゆる工程で情報活用するためのソリューションであり、変化する建築の新たなワークフローです)

 

④作業品質・環境基準・安全管理の維持・向上

取得済みのISO9001,14001の国際基準に則った工事品質、環境基準に則った施工を徹底すると共に、新たに取得した労働安全衛生マネジメントシステムISO45001の運用内容充実に努め、国際基準に則った管理・運営を徹底することで、維持・向上を図ってまいります。

 

⑤内部統制システムの充実とガバナンスの強化

当社は、企業の社会的責任を果たすと共に、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の効率化を高めながら公正性、透明性を確保し、また、ステークホルダーとの適切な関係を保ちながら、最適なコーポレート・ガバナンスの構築に努めることを基本方針としております。その一環として、効率的な事務体制の構築を図るため、事務フローのベースとなる基幹システムとして、新たに建設業向けERPシステムを導入し、運用してまいります。

ガバナンス体制の強化として、新たに執行役員を3名増員、また、取締役2名を増員し(内、社外役員1名)、経営体制の強化を図ると共に、将来を展望した強固な体制づくりに注力してまいります。

 

⑥働き方改革への対応 

当社元請現場の土曜日休業の推進を図ってまいります。
 当面、各現場月1回以上の土曜日閉所の徹底を目指し、社員の余暇充実を図ってまいります。
 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 建設市場の動向によるリスク

当社は、主要な受注先として民間のデベロッパー・ゼネコン・エンドユーザーを対象とし、それぞれに安定受注先を有しております。また、近年は、官公庁・再開発プロジェクトにも注力し、経済環境の悪化による業績の変動に弾力的に対応できる体制の構築に努めております。今後も引き続き、民間の多業種に亘る安定的な受注先の拡大に絶えず務めると共に、金融機関との情報パイプの拡充に注力し、景気変動リスクの低減に注力して参ります。しかしながら、経済環境の悪化に伴う予想を上回る民間建設需要の減少や、コストの大幅な変動等、著しい環境変化が生じた場合、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 信用リスクについて

当社は、売上債権及び貸付金等の貸倒による損失に備え、過去の貸倒実績率等に基づき貸倒引当金を計上しております。また、与信管理規定に基づき、取引先の信用力や支払い条件等の審査を厳格に実施して与信リスクの最小化を図っております。しかしながら、景気後退による主要取引先及び一般取引先の信用不安等が顕在化した場合、貸倒引当金を超える貸倒損失が発生するなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 瑕疵リスクについて

当社では瑕疵リスク低減のため、ISOの品質基準並びに当社施工ルールに則った施工管理を徹底すると共に、過去の事例が現場で検索できるITサポートツール等を活用し瑕疵工事の未然発生防止に努めております。また、瑕疵の発生リスクの高い作業に関しては、事前に本部技術者も含めて打ち合わせを適宜行う事としております。しかしながら、瑕疵が発生した場合、損害賠償負担等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制について

当社は、建設業法に基づき、国土交通大臣の特定建設業許可及び一般建設業許可を受けております。当社は当該許可要件の維持及び各法令の遵守に努めており、これらの免許取消事由に該当する事実はありませんが、万一法令違反等により当該許可の取消等、不測の事態が発生した場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、解体事業では建設業法のほか、関連法規として建設リサイクル法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、労働安全衛生法、土壌汚染対策法、大気汚染防止法、資源有効利用促進法等の様々な法規制を受けております。

当社はコンプライアンスの重要性を強く認識し、既存法規制等の規制はもとより、規制の改廃、新たな法的規制が生じた場合も適切な対応が取れる体制の構築を推進してまいります。しかしながら、何らかの事由によりこれらの法規制に抵触する等の問題が発生した場合、又はこれらの法規制の改正により不測の事態が発生した場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期間

主な取消事由

特定建設業許可

解体工事業

とび・土工工事業

建築工事業

塗装工事業

内装仕上工事業

国土交通省

国土交通

大臣許可

2025年11月20日

許可要件を満たさなくなった場合

一般建設業許可

土木工事業

国土交通省

国土交通

大臣許可

2025年11月20日

許可要件を満たさなくなった場合

 

 

 

(5) 労働災害について

当社の解体工事現場では、労働災害の防止や労働者の安全と健康管理のため、労働安全衛生法に則り安全衛生体制の整備、強化を推進しております。具体的には、社内に安全衛生委員会を設置し、日常的な安全教育等の啓発活動を実施するほか、経営幹部や安全環境管理部による安全パトロールの実施等、事故を未然に防止するための安全管理を徹底しております。また、現場の安全管理に専用端末を活用した巡回点検チェックシステムを導入する等、現場のシステムサポート体制を構築し安全管理の標準化・高度化を図っております。また、労働安全衛生マネジメントシステムISO45001の認証を取得し、国際基準に則った管理・運営を徹底する事で、安全衛生管理体制の更なる強化を図っております。しかしながら、何らかの事由により重大な労働災害が発生した場合は、当社の労働安全衛生管理体制に対しての信用が損なわれ、受注活動等に制約を受けるなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材の確保について

建設事業では、優秀な資格者と施工実績の良好な評価が、事業を継続的に拡大するためのベースとなっております。また、現場では主任技術者の配置が必須であり、今後の業容拡大のためには、優秀な人材の採用及び育成が重要な経営課題と認識しております。当社では、2017年4月より新人事制度の導入を行い、職能・役割等級制の導入、新人事評価制度の導入等を行い、オープンで働きやすい環境づくりに注力してまいりました。また、有資格者の資格手当・技術手当の充実、資格取得費の会社負担の実施等、資格取得促進に注力すると共に、新たな有資格者の採用強化にも注力しております。しかしながら、今後必要な人材を継続的に確保できなかった場合、施工能力に問題が発生するなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 協力会社の確保について

当社は、工事の施工管理を行っており、実際の作業を担う優秀な協力会社の確保・育成・新規採用が不可欠であります。現状、長年取引を行っている協力会社を中心に新規業者による補完体制の拡充に努めることにより、受注工事に対応できる十分な施工能力を有しております。しかしながら、将来主要な協力会社に不測の事態が発生した場合、施工能力に問題が発生するなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害について

地震、台風等の大規模自然災害が発生した場合は、工事現場の復旧等、多額の費用が発生する可能性があります。当社ではこのような自然災害に対する安全対策には万全を期すよう、当社現場ルールに基づき現場ごとに様々な工程に即した対策を講じる事としております。しかしながら、当社の予期し得ない大規模な自然災害が発生した場合、工事の進捗遅延等が発生するなど、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 小規模組織であることについて

当社は、小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものとなっております。当社は今後の事業拡大に応じて、従業員の育成、人材採用を行うとともにIT技術を積極的に活用し、事務の合理化・効率化を図るとともに、業務のシステムサポート体制の構築により、業務執行体制の充実を図って行く方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合は、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) クレーム、訴訟等について

当社が行う建築構造物の解体工事ではその作業の性質上、近隣住民等からの騒音・振動・粉塵等に対するクレームが発生することがあります。当社では解体工事を開始するに際して、近隣住民への明確で丁寧な説明を行い、また、工事中も工事内容の説明やクレームへの可能な限りの対応を行うなど、現場担当者ならびに近隣対応専担者により円滑な工事進捗に努めております。しかしながら、何らかの事由により重大なクレームの発生やそれが訴訟等に発展した場合、当社に対する否定的な評価や評判が広がるなど、当社の信用が低下し、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 売上高及び売上原価の計上基準について

当社は、一定の要件を満たす工事案件において工事進行基準を適用しております。工事進行基準は、工事の進捗率に応じて収益を計上する方法であり、具体的には見積総原価に対する発生原価の割合をもって完成工事高を計上しております。当社は、工事案件ごとに継続的に見積総原価や予定工事期間の見直しを実施するなど、適切な原価管理に取り組んでおりますが、何らかの事由によりそれらの大幅な見直しが必要になった場合は、赤字工事の発生・工事損失引当金計上により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

一方、追加工事が見込まれる大型工事においては、着工時点では追加工事の金額・工期が確定できず、完成基準を適用せざるを得ない場合があります。そのような大型工事において、何らかの事由により工期の大幅なずれ込み等が発生した場合には、売上計上時期がずれるなど、当社の事業展開、財務状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 新型コロナウイルスの感染拡大による影響について

当社は、建築構造物の解体を主要な業務としており、解体工事の性質上、建築工事とは違い、重機を主体とした工事が多く、工事に係る作業員の数も限られております。従って、解体工事現場においては、密集・密接・密閉環境等、一般的な新型コロナウイルスの影響を受けると考えられる事柄との関係性が低い事業と認識しております。しかしながら、今後当社の社員や現場において感染者が発生し、工事の中断により工期が大幅に遅延したり、新型コロナウイルス蔓延に伴う経済活動の停滞により、お客様の当該事業縮小や工事延期等が生じた場合には、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社では新型コロナウイルスの感染リスク低減のため、毎日の検温実施、マスクの着用、事務所の換気の励行等の対策を実施すると共に、本社では時差通勤を推奨しております。また、新型コロナウイルス対策室を管理本部内に設置し、管理本部長を統括責任者とし、感染者・濃厚接触者等の発生報告や疑わしい体調のあるものからの報告を出社前に受け、自宅待機指示等スピーディーな対応体制を構築しております。また、本社社員の感染を想定し、リモートワーク可能な社員へ事前にシステム導入を行い、有事に備えた体制を構築しております。

 

当社では、上記の様々なリスクに関してリスク評価表を別途作成し、発生の可能性(頻度)・影響の重大性(損失の規模)により、下記の“リスクマップ”を作成し、主管部署及び全社に注意喚起を実施致しております。


 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症蔓延が経済に大きな影響を及ぼし、一部では改善の兆しが伺われるものの、感染拡大の収束と景気の先行きは、依然として不透明な状況が続いております。
 当社が属する建設業界においても一部で建設工事の中断や延期、新規現場の着工延期等が発生するなど、先行きに不透明感が増して来ております。また、建設労働者の需給は依然として逼迫しており、コスト面でも不安の残る状況となっております。そのような中で当社が専業とする解体事業におきましては、高度経済成長時代に建築した建物の維持更新時代到来に伴う老朽化建物の増加、ネット社会到来に伴う産業構造の変化、防災・減災意識の高まり、再開発案件の活発化等を背景に、現状では引き続き良好な受注環境が続いております。
 当社は、今年度より中期計画TANAKEN“ビジョン100”を策定し、5年先を目途とした“当社のあるべき姿”を示すと共に、当面の売り上げ目標100億円の早期達成を目指す事と致しました。また、中期計画の初年度である当事業年度は、営業の更なる強化(営業開発部の新設・大阪営業所の開設)、ITによる現場サポートシステム導入による現場の効率化・見える化の推進、労働安全衛生マネジメントシステムISO45001取得による労働安全衛生管理体制の強化、働き方改革の実施、並びに執行役員制度導入によるガバナンス体制の強化を主要施策として実行し、当社の足腰を強化しつつ業容の拡大と企業価値の向上に注力してまいりました。
 以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は9,011,368千円(前事業年度比35.3%増)、営業利益は1,433,847千円(同80.1%増)、経常利益1,458,935千円(同75.4%増)、当期純利益は982,268千円(同78.1%増)と前事業年度比大幅増加となり、売上・利益共に過去最高を更新することが出来ました。
 また受注高は、新規先の受注増加や大型案件の新規受注等により、前事業年度比12.0%増の8,948,511千円と過去最高の受注額を計上することが出来ました。

 

(2) 財政状態の状況 

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて1,714,192千円増加し、5,816,310千円になりました。主な要因は、現金及び預金の増加85,113千円、完成工事未収入金の増加1,828,369千円、未成工事支出金の増加20,984千円及び前払費用の増加18,440千円が生じた一方で、受取手形の減少23,654千円及び電子記録債権の減少231,499千円が生じたこと等によるものです。

 

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べて75,470千円増加し、1,193,150千円になりました。主な要因は、投資有価証券の増加51,632千円、建物の増加12,330千円、ソフトウエアの増加9,342千円、ソフトウエア仮勘定の増加4,916千円及び繰延税金資産の増加2,233千円が生じた一方で、工具、器具及び備品の減少2,971千円が生じたこと等によるものです。

 

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて951,338千円増加し、2,142,894千円になりました。主な要因は、工事未払金の増加370,581千円、短期借入金の増加300,000千円、未払法人税等の増加189,130千円、未払消費税等の増加57,878千円、未成工事受入金の増加16,428千円及び未払費用の増加5,673千円が生じたこと等によるものです。

 

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べて3,732千円増加し、84,978千円になりました。主な要因は、役員退職慰労引当金の増加16,319千円が生じた一方で、退職給付引当金の減少10,294千円が生じたこと等によるものです。

 

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて834,592千円増加し、4,781,587千円になりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金の増加26,686千円及び利益剰余金の増加808,283千円が生じたこと等によるものです。なお、利益剰余金の増加808,283千円は、当期純利益の計上による増加982,268千円並びに配当金の支払による減少173,985千円によるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前事業年度末に比べ85,102千円増加し、1,530,477千円(前事業年度は1,445,375千円)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動による資金の増減は、23,688千円増加(前年同期は763,113千円増加)となりました。主な要因は、税引前当期純利益の計上による増加1,458,898千円、仕入債務の増加370,581千円、未成工事受入金の増加16,428千円及び未払消費税等の増加57,878千円が生じた一方で、売上債権の増加1,573,214千円及び法人税等の支払いによる減少310,443千円が生じたこと等によるものです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動による資金の増減は、64,455千円減少(前年同期は24,830千円減少)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入231,106千円が生じた一方で、定期預金の預入による支出231,117千円、有形固定資産の取得による支出36,130千円、無形固定資産の取得による支出16,282千円及び投資有価証券の取得による支出13,168千円が生じたこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動による資金の増減は、125,869千円増加(前年同期は255,010千円減少)となりました。主な要因は、短期借入れによる収入1,750,000千円が生じた一方で、短期借入金の返済による支出1,450,000千円、配当金の支払い173,753千円が生じたこと等によるものです。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

② 受注実績
当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

項 目

金額
(千円)

前期比
(%)

前期繰越工事高

4,490,151

141.8

当期受注工事高

8,948,511

112.0

当期完成工事高

9,011,368

135.3

次期繰越工事高

4,427,295

98.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比

(%)

解体事業

9,011,368

135.3

合計

9,011,368

135.3

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高
(千円)

割合(%)

販売高
(千円)

割合(%)

株式会社長谷工

コーポレーション

1,246,258

18.7

 

※当事業年度においては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  顧客区分別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

顧客区分別

前事業年度

当事業年度

販売高
(千円)

割合(%)

販売高
(千円)

割合(%)

デベロッパー

1,964,050

29.5

3,280,298

36.4

ゼネコン

2,692,170

40.4

3,326,952

36.9

エンドユーザー

1,823,126

27.4

1,922,553

21.3

官公庁

再開発

183,170

2.7

481,563

5.3

合計

6,662,518

100.0

9,011,368

100.0

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社が受注した案件について、顧客区分別に集計しております。

(1) デベロッパー  : マンション・オフィスビル等を開発する不動産会社

(2) ゼネコン    : 総合建設業会社

(3) エンドユーザー : 上記(1)及び(2)を除く一般法人等

(4) 官公庁     : 官公庁・自治体等の公的機関

(5) 再開発     : 再開発組合・団地再生組合等(デベロッパー、ゼネコン経由の販売を含む)

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に関しては「第2 事業の状況」「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

(6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 経営成績

(受注高及び売上高)
 受注高は、毎期実施している営業力強化策や上場効果もあり、地方案件を含めた好調な新規受注の増加並びに大型工事の受注を主因に、前期比961,559千円増(12.0%増)の8,948,511千円と大幅に増加し、過去最高の受注高となりました。

 

 

 売上高は、豊富な手持ち工事の消化に加え、好調な受注の出来高増を背景に、前期比2,348,849千円増(35.3%増)の9,011,368千円と大幅に増加し、過去最高の売上高となりました。
 当期は、主要な施策として営業力の強化を掲げ、特に再開発等への営業強化、地方案件への対応強化、官公庁工事受注体制の強化並びに新たな営業ソースの開拓を目的に、営業本部(現行3部制)に新たに専担部署として営業開発部を新設し、新設した大阪営業所を管轄させ関西地区での営業強化を図って参りました。また既存3部に於いても、引き続き成長戦略の一つである“新規顧客の開拓”の具体策としている“既存先で営業が出来ていない先への営業強化(再新規先開拓)並びに営業で連携している取引金融機関との関係強化による新規顧客の開拓強化“を図って参りました。これらの施策の実施が成果となって現れて来たものと考えております。

 

(売上総利益)
 売上総利益は、複数の大型好採算工事の出来高増により売上総利益率が前期比1.9%増の23.1%となり、また、売上の大幅な増加もあり、前期比670,575千円増(47.6%増)の2,080,034千円となりました。

 

(営業利益・経常利益)
 営業利益は、売上総利益の増加に加えて、一般管理販売費が新型コロナウイルス蔓延の影響により営業経費を中心に大幅に減少し、当初計画比51,814千円減の646,186千円となったことも加わり、前期比637,584千円増(80.1%増)の1,433,847千円と大幅な増加となりました。
 経常利益は、営業利益の増加に伴い、前期比627,192千円増(75.4%増)の1,458,935千円と大幅な増加となりました。

 

(当期純利益)
 当期純利益は、経常利益の増加に伴い、前期比430,662千円増(78.1%増)の982,268千円と大幅増加となり、利益面でも過去最高の実績となりました。

 

b 財政状況及びキャッシュ・フローの分析に関しては、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい。

 

c 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費等の営業経費、法人税等の支払いであります。当社の事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 当社の営業戦略であり、また、ビジネスモデルでもある元請工事比率の維持・拡大には、大きな資金需要が伴います。これは回収条件と支払い条件の差から生じる運転資金(立替資金)需要であり、大型工事ほど資金需要が多く発生するため、積極的に受注営業を展開する上で流動性の確保が必須となっております。

 当社では、豊富な手元流動資金により対応しておりますが、大型案件の増加に対応すべく金融機関に信用枠を設けており、必要に応じて信用枠を利用しております。2021年3月31日現在の信用枠の合計は2,000,000千円、信用枠を設けている借入の残高は300,000千円となっております。

 上記運転資金以外の資金需要としては、現状システム投資と株主への利益還元が主なものとなります。当社ではリスクのある運用は原則行わないこととしており、運用は短期的な預金に限定しております。

 株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、配当性向30%以上を目標としております。当社の配当政策に関しては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認下さい。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況」「1 財務諸表等」「(1) 財務諸表」「注記事項 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り」に記載しております。

なお、現時点では新型コロナウイルス感染症の拡大による影響について、当社業績への大きな影響はございませんが、今後の事業に対する影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。